JP7089971B2 - 重金属類の不溶化方法、及び、不溶化材 - Google Patents
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Description
本実施形態の不溶化材は、三価の鉄化合物と、水と接触して二価の鉄イオンを生じる物質とを含む組成物である。また、後述するとおり、本実施形態の不溶化材は、水と接触してカルシウムイオンを生じる物質を更に含んでいてもよい。
1.00×10-4~3.00×10-2mol生じる含有比であり、
1.30×10-4~2.50×10-2mol生じる含有比であることが好ましく、
3.00×10-4~1.50×10-2mol生じる含有比であることがより好ましく、
7.00×10-4~8.00×10-3mol生じる含有比であることが更に好ましい。
1.00×10-3~3.00×10-3mol生じる含有比であることが特に好ましい。
ここで、「不溶化材を土壌と混合したとき」とは、不溶化材の混合直後から1時間までの間をいう。
1.00×10-4~1.50×10-0molであることが好ましく、
5.00×10-4~1.00×10-0molであることがより好ましく、
1.00×10-3~7.00×10-1molであることが更に好ましく、
1.00×10-2~3.00×10-1molであることが特に好ましい。
金属鉄を用いた場合、上記「不溶化材を土壌と混合したとき」とは、不溶化材の混合直後から6時間までの間をいう。
1.0×10-2~1.5×10-0mol生じる含有比であることが好ましく、
5.0×10-2~1.2×10-0mol生じる含有比であることがより好ましく、
1.0×10-1~1.0×10-0mol生じる含有比であることが更に好ましく、
1.5×10-1~8.0×10-1mol生じる含有比であることが特に好ましい。
また、当該数値範囲は2.0×10-1~7.0×10-1molであってもよい。
土壌は、外的又は内的な要因によってpHや酸化還元電位が変動し、これに伴って重金属類の溶出挙動が変化する。例えば、土壌が空気酸化されたり、酸性雨に晒されたり、セメント改良を施したり、盛土の内部が嫌気性還元されたりすることで、たとえ処理直後には重金属類が溶出しにくい性状であったとしても、時間の経過とともに、重金属類が溶出しやすい性状に変化し得る。本実施形態の不溶化方法は、様々な性状変化にも対応できる汎用性の高いものである。
重金属類の代表例としてヒ素を用い、不溶化効果の確認をした。水1Lに対して、酸化鉄(III)粉末4g(Fe2O3,三価の鉄イオンとして0.05mol)を懸濁させた。これにヒ素標準試薬を100mg/Lとなるように添加した(サンプルA)。他方、対照サンプルとして、酸化鉄(III)粉末を添加しないヒ素標準試薬100mg/Lの溶液も準備した(サンプルB)。両サンプルに対して、塩化鉄(II)粉末を添加し撹拌した。塩化鉄(II)粉末(FeCl2)は、鉄イオン(II)として40mg(7.16×10-4mol)ずつ添加していき、添加するごとに速やかに液相をシリンジで少量回収し、濾過し、濾液の鉄イオン(II)濃度及びヒ素濃度を測定した。結果を図1のグラフに示す。
上記実験よりも鉄イオン(II)の供給が低量である領域において、鉄イオン(II)の添加に伴う不溶化効果を確認した。水1Lに対して、酸化鉄(III)粉末1g(三価の鉄イオンとして0.0125mol)を懸濁させた。これにヒ素標準試薬を100mg/Lとなるように添加した。こうしたサンプルを5本用意し、このうち4本に対して、塩化鉄(II)粉末を鉄イオン(II)として
0.1mg(1.79×10-6mol)、
0.5mg(8.95×10-6mol)、
2.0mg(3.58×10-5mol)、
2.5mg(4.48×10-5mol)
の重量となるように、それぞれ添加した。各サンプルを1時間振とうした。振とう後のサンプルを濾過し、濾液のヒ素濃度を測定した。ヒ素濃度から吸着量を算出し、吸着等温線を描いた(図2)。また、ヒ素の平衡濃度が環境基準値である0.01mg/Lであるときの吸着量について、表1に示した。
鉄粉を水に懸濁させた場合の、鉄(0)のイオン化による鉄イオン(II)の供給の程度を確認した。水1Lに対して、鉄粉を
0.01g(1.79×10-4mol)、
0.02g(3.58×10-4mol)、
0.04g(7.16×10-4mol)、
0.08g(1.43×10-3mol)、
0.16g(2.86×10-3mol)
添加していった。添加するごとに6時間振とうし、液相の鉄イオン(II)濃度を測定した。結果を図3に示す。
様々なpHや酸化還元電位における不溶化材の効果を確認した。初めに、表2に示す配合にて不溶化材Aを調製した。
酸化鉄(III)粉末1g、及び、鉄粉0.08gの配合に対して、酸化カルシムを更に混合して種々の不溶化材を調製した。ここで酸化カルシウムの配合量は、三物質の合計重量を基準として0質量%、20質量%、36質量%、50質量%となるように混合した。表3に示したとおり、各配合の不溶化材を用いて、調整すべきpH及び酸化還元電位(酸化側か還元側か)を定めて、上記「<pH及び酸化還元電位の検討>
」と同様の実験を行った。
ヒ素のほか、鉛、セレン、カドミウム、水銀、六価クロムを対象として、土壌を用いた不溶化処理の実験を行った。ヒ素、鉛、セレン、カドミウム、水銀、六価クロムを含有する汚染土壌100gに対して上記不溶化材Aを2g添加混合し、1日経過した後の重金属の溶出量を環境庁告示46号に準拠した試験により測定した。結果を表4に示した。
Claims (10)
- 重金属類を含有する土壌に対して、三価の鉄化合物(ただし塩化鉄(III)と硫酸鉄(III)を除く。)と、水と接触して二価の鉄イオンを生じる物質とを添加し混合する、重金属類の不溶化方法であって、
前記三価の鉄化合物及び前記二価の鉄イオンを生じる物質の添加量を、両者を前記土壌と混合したときに前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対して二価の鉄イオンが1.00×10-4~3.00×10-2mol生じる添加量とする、重金属類の不溶化方法。 - 前記三価の鉄化合物及び前記二価の鉄イオンを生じる物質の添加量を、両者を前記土壌と混合したときに前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対して二価の鉄イオンが1.30×10-4~2.50×10-2mol生じる添加量とする、請求項1記載の重金属類の不溶化方法。
- 前記二価の鉄イオンを生じる物質は、金属鉄であり、
前記金属鉄の添加量を、前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対して1.00×10-4~1.50×10-0molとする、請求項1又は2記載の重金属類の不溶化方法。 - 前記土壌に対して、水と接触してカルシウムイオンを生じる物質を添加し、
前記カルシウムイオンを生じる物質の添加量を、前記土壌と混合したときに前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対してカルシウムイオンが1.0×10-2~1.5×10-0mol生じる添加量とする、請求項1~3のいずれか一項記載の重金属類の不溶化方法。 - 前記重金属類は、ヒ素、鉛、セレン、カドミウム、水銀及び六価クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1~4のいずれか一項記載の重金属類の不溶化方法。
- 重金属類を含有する土壌から前記重金属類が溶出することを抑制する不溶化材であって、
三価の鉄化合物(ただし塩化鉄(III)と硫酸鉄(III)を除く。)と、水と接触して二価の鉄イオンを生じる物質とを含み、
前記三価の鉄化合物と前記二価の鉄イオンを生じる物質との含有比は、当該不溶化材を前記土壌と混合したときに前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対して二価の鉄イオンが1.00×10-4~3.00×10-2mol生じる含有比である、重金属類の不溶化材。 - 前記三価の鉄化合物と前記二価の鉄イオンを生じる物質との含有比は、両者を前記土壌と混合したときに前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対して二価の鉄イオンが1.30×10-4~2.50×10-2mol生じる含有比である、請求項6記載の重金属類の不溶化材。
- 前記二価の鉄イオンを生じる物質は、金属鉄であり、
前記金属鉄の含有比は、前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対して1.00×10-4~1.50×10-0molである、請求項6又は7記載の重金属類の不溶化材。 - 水と接触してカルシウムイオンを生じる物質を更に含み、
前記カルシウムイオンを生じる物質の含有比は、前記土壌と混合したときに前記三価の鉄化合物中の三価の鉄1molに対してカルシウムイオンが1.0×10-2~1.5×10-0mol生じる含有比である、請求項6~8のいずれか一項記載の重金属類の不溶化材。 - 前記重金属類は、ヒ素、鉛、セレン、カドミウム、水銀及び六価クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項6~9のいずれか一項記載の重金属類の不溶化材。
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---|---|---|---|---|
KR101629290B1 (ko) * | 2014-12-01 | 2016-06-21 | 강동윤 | 샴푸 전동 의자 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000246229A (ja) | 1999-03-02 | 2000-09-12 | Dowa Mining Co Ltd | 砒素で汚染された土壌等の無害化方法 |
JP2013177575A (ja) | 2012-02-07 | 2013-09-09 | Kobe Steel Ltd | 汚染水または汚染土壌の処理剤および処理方法 |
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