JP2005270741A - 粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法、及び粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置 - Google Patents

粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法、及び粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
粒径分布のシャープな熱膨張済みマイクロカプセルを製造できる、加熱発泡管を用いた熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法を提供する。また、粒径分布のシャープな熱膨張済みマイクロカプセルを製造できる、加熱発泡管を用いた熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置を提供する。
【解決手段】
高温の水蒸気が圧入されている加熱発泡管3内に、熱膨張性マイクロカプセルの水スラリーを当該水蒸気の蒸気圧以上の背圧をかけて圧入し、当該熱膨張性マイクロカプセルを、前記加熱発泡管内を一定の通過速度で通過させて加熱した後、当該通過速度と同じ速度で大気中に排出させ、膨張させることを特徴とする熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法、および粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置に関するものである。
近年、熱膨張性マイクロカプセルを発泡温度で熱膨張させて製造される熱膨張済みマイクロカプセルは、たとえばセラミック用軽量化フイラー、接着剤やシーラントの軽量化フィラー、断熱材、クッション材、スポンジなどの用途に広く用いられてきている。この熱膨張済みマイクロカプセルの製造に際しては、熱可塑性樹脂からなる外殻内に炭化水素からなる揮発性膨張剤が封入されている熱膨張性マイクロカプセルを加熱することにより、外殻層を軟化させるとともに、揮発性膨張剤を気化させるかあるいは気体を膨張させることにより、外殻内の内圧を高めて膨張させ製造している。
熱膨張性マイクロカプセルは、水などの液体に分散させたスラリーの状態で供給され、このスラリーを加熱し膨張させる。熱膨張性マイクロカプセルの水スラリーを用いた熱膨張済みマイクロカプセルを製造する方法としては、たとえば特許文献1に示される方法が提案されている。
特許文献1記載の方法によると、熱膨張性マイクロカプセルの水スラリーは加熱発泡管内で高温高圧蒸気と混合されながら加熱されるとともに、管内で攪拌され、管端部に設けられた縮径したオリフィスから勢いよく噴出させることにより膨張し、粒子の合着がおこることなく熱膨張済みマイクロカプセルを製造することができる(特許文献1参照)。
米国特許第4513106号明細書抜粋
しかし、高温の水蒸気とともに噴出された熱膨張済みマイクロカプセルは、そのままではべたつきが残り貯蔵の間に容器内でマイクロカプセルが凝集する恐れがあった。
本発明の目的は、水蒸気とともに噴出された熱膨張済みマイクロカプセルから粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルを製造する方法を提供することにある。また、水蒸気とともに噴出された熱膨張済みマイクロカプセルから粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルを製造することができる製造装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、高温の水蒸気とともに配管から噴出される熱膨張済みマイクロカプセルを含む含水スラリーを縦型の通気性布製サイロで受けとめ、サイロ下部から粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルとして取り出すことを特徴とする粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法である。
また、請求項2の発明は、高温の水蒸気とともに熱膨張済みマイクロカプセルを含む含水スラリーを噴出する配管が縦型の通気性布製サイロの側面もしくは上方に設けられており、縦型通気性布製サイロは下部が絞られておりサイロ下部には抜き出し配管が設けられていることを特徴とする粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置である。
本発明において、熱膨張性マイクロカプセルとしては、熱可塑性樹脂からなる外殻(セル壁)内に炭化水素からなる揮発性膨張剤が封入されているものが用いられる。熱膨張性マイクロカプセルの外殻(セル壁)は、モノマー成分(重合性単量体)が重合して形成されるが、熱膨張性マイクロカプセルの製造方法は、特に限定的ではなく、常法に従えばよい。例えば、外壁を形成するモノマー成分及び架橋剤を揮発性膨張剤及び重合開始剤と混合し、該混合物を適宜の分散安定剤等を含む水性媒体中で懸濁重合させる方法が挙げられる(特公昭42−26524号公報参照)。
外壁を形成するモノマー成分としては、ニトリル系モノマーを含むモノマー成分(重合性単量体)が重合、または共重合して形成されるが、使用されるニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリルまたはこれらの任意の混合物等が例示され、1種類が単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良いが、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルが好ましく、メタクリロニトリルを含有せしめるのが特に好ましい。
上記ニトリル系モノマー以外のモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)クリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ビニルピリジン、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸、フマル酸、プロピオン酸ビニル等の極性基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニルモノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有モノマー;エチレン、プロピレン、ブタジエン等の他の共重合成分等例示され、なかでもメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデンが特に好ましく用いられる。
上記架橋剤としては、ビニル基を2個以上有する多官能性モノマー(以下、「多官能性モノマー」とのみ記す)が好適に用いられる。すなわち、多官能性モノマーを用いることにより外殻の強度を強化することができ熱膨張時に外殻が破泡し難くなる。
上記多官能性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジアクリレート、数平均分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジメタクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルの外殻内に封入される揮発性膨張剤は、外殻を形成するポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であれば特に限定されないが、低沸点有機溶剤が好適であり、例えば、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、石油エーテルなどの低分子量炭化水素;CCl3F、CCl22、CClF3、CClF2−CCl2F等のクロロフルオロカーボン;テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシランなどのテトラアルキルシラン;などが挙げられる。
これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、
石油エーテル、及びこれらの2種以上の混合物が好ましい。また、所望により、加熱により熱分解してガス状になる化合物を使用してもよい。
重合開始剤としては、特に限定されず、この分野で一般に使用されているものを使用することができるが、使用するモノマー成分に可溶の油溶性重合開始剤が好ましく、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、及びアゾ化合物が挙げられる。
本発明の熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法では、水スラリー中の熱膨張性マイクロカプセルの濃度は、従来一般的に取り扱われてきた15から25重量%の濃度範囲の水スラリーはもちろん、本発明においては、さらに濃度の高い水スラリーであっても管内が閉塞することなく水スラリーを加熱することができる。すなわち、本発明の製造方法においては、25重量%以上の水スラリーであっても熱膨張済みマイクロカプセルを安定的に製造することができる。これにより、含水率の少ない熱膨張済みマイクロカプセルを得ることができる。なお、効率よく熱膨張させるためには、水スラリー中の熱膨張性マイクロカプセルの濃度は、好ましくは50重量%以下の濃度であることが好ましく、より好ましい範囲は30から40重量%である。
図1は本発明の熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置を示す説明図である。
図1および図2を参照して本発明の製造装置について説明する。
本発明の製造装置では、通気性布製サイロ4に高温の水蒸気とともに熱膨張させた熱膨張済みマイクロカプセルを含有する含水スラリーを噴出する配管が側面もしくは上方に設けられている。高温の水蒸気とともに熱膨張させた熱膨張済みマイクロカプセルを含有する含水スラリーは、熱膨張性マイクロカプセルを含む含水スラリーを加熱して得ることができるので加熱方法は特に限定されないが、例えば、図1に示すような加熱発泡管3があげられる。ここで、加熱発泡管3の内面は凹凸のない一定の内径の筒状管であり、加熱用の水蒸気が供給される設備と熱膨張性マイクロカプセルの水スラリーが供給される配管8とが接続されている。加熱発泡管3の管径、管長ともに特に限定されるものではないが、管長については、長いほうが加熱条件の設定範囲が広く、より安定して熱膨張済みマイクロカプセルを得ることができる。したがって、装置の大きさが大きくなるといった制約はあるものの管長は長く設定しておくほうが好ましい。
加熱発泡管3は、排出側の管端が縮径されることなく外部に開口しているため管内でマイクロカプセルが詰まり配管を閉塞させるおそれがないといった利点がある。また、熱膨張性マイクロカプセルの水スラリーは加熱発泡管3内の加熱条件が変化しても効率よく熱膨張済みマイクロカプセルを得ることができる。したがって、熱膨張性マイクロカプセルの加熱条件、すなわち、圧力条件と温度条件の設定範囲を広く設定することが出来る。
上記水蒸気の供給方法は、高温高圧の水蒸気は加熱発泡管3内を高温に加熱できればその供給方法は特には限定されない。たとえば、水スラリー供給側の管端から供給しても良いし、供給側管端から排出側管端までの間の管壁に多数の供給口を設けて水蒸気を供給しても良いし、或いは、供給側管端から水スラリーとともに高温高圧の水蒸気を圧入して加熱する方法であっても良い。なお、供給側管端から水スラリーとともに高温高圧の水蒸気を圧入して加熱する方法は、複雑な管形状とすることなく加熱発泡管3内で熱膨張性マイクロカプセルが十分に攪拌され、均一に加熱することができることから優れた加熱方法である。
上記高温高圧の水蒸気の温度は圧力調整弁6bにより加熱発泡管3内へ供給する圧力を調整することによりコントロールすることができる。通過させる熱膨張性マイクロカプセルの加熱による膨張特性にあわせて温度を調整することができる。また、水蒸気の圧力を調整することによって熱膨張性マイクロカプセルの水スラリーが、加熱発泡管3内を通過する通過速度を微調整することができる。このことにより加熱時間の調整も可能である。また、加熱時間に応じて加熱発泡3管の管長を設計してもよい。加熱温度と加熱時間を調整することにより目的とする膨張率の熱膨張済みマイクロカプセルを製造することができる。加熱する際の高温高圧蒸気の圧力としては、好ましくは0.1〜2.0MPa、より好ましくは0.5〜0.8MPaである。加熱温度としては、110〜212℃であることが好ましい。より好ましくは、120〜170℃である。
また、加熱発泡管3には高温高圧の水蒸気とともにエアーを供給しないことが好ましい。加熱発泡管に高温高圧の水蒸気とともにエアーを供給する方法がとられることもあるが、加熱条件の設定範囲が狭くなり、条件設定が複雑化するため好ましくない。
熱膨張性マイクロカプセルを含む水スラリーの供給は、熱膨張性マイクロカプセルを製造した重合容器から配管8を通して直接加熱発泡管3に供給されても良いし、重合容器から一旦スラリータンクに貯蔵した後に、配管8を通じて加熱発泡管3に供給されても良い。この際スラリーは、加圧されて加熱発泡管3に圧入されるが、加圧は配管系に設置された高圧液送ポンプ2を用いても良いし、重合容器又はスラリータンク等を加圧して圧入しても良いが、高圧液送ポンプ2を用いて圧入する方法が好適に用いられる。配管の途中には流量を調整するためにバルブ6aが設けられていても良い。
熱膨張性マイクロカプセルを含む水スラリーは、高圧液送ポンプ2(例えば、モノ式ポンプ)で加圧させて加熱発泡管3内に圧入される。ここで、加熱発泡管3内には高温高圧の水蒸気が供給されており水スラリーの圧力はこの水蒸気の蒸気圧よりも高く設定される。
水スラリーの背圧は高圧液送ポンプ2により調整することができる。水スラリーの背圧を調整することにより水スラリーの加熱発泡管3内への圧入速度や加熱発泡管3内の通過速度を大きく調整することができ、加熱時間を調整することができる。なお、水スラリーを高濃度から低濃度まで濃度に依存せず安定して供給するために、水スラリーの供給配管には圧力調整バルブを加熱発泡管3との接続部分の直前に設けることが好ましい。また、圧力調整バルブのかわりに噴霧ノズルを取りつけてもよい。これにより水スラリーをより安定的に供給することができるし、また、水スラリー中に存在する熱膨張性マイクロカプセルを高分散化することもできる。
加熱発泡管3で加熱された熱膨張性マイクロカプセルは、加熱発泡管3の排出側管端から加熱発泡管3内の通過速度と同じ速度で排出される。本発明の加熱発泡管3は縮径されていないので、流速が増すことなく加熱発泡管3内から排出される。排出側管端近くの管内からすでに発泡が開始されて、開口部9から完全に排出された時点で大きく膨らみ、熱膨張性マイクロカプセルは大気圧下か大気圧に近い圧力下に置かれたときに、熱膨張して熱膨張済みマイクロカプセルとなる。高温スラリーの配管内での滞留時間を長くするために、流速調整バルブを途中に設けておいてもよい。
開口部9近くすなわち排出側管端近くや、完全に大気中に排出された高温スラリーは熱膨張性マイクロカプセルに加わる圧力が開放されるため熱膨張する。また、高温高圧状態で開口部9から高温スラリーを噴出させるため、水蒸気の多くは飛散し一部の水蒸気が断熱膨張により凝縮して液滴となる。したがって、得られた熱膨張済みマイクロカプセルの水分量は水スラリーの水分量や水蒸気の蒸気圧と温度により調整することができる。
配管3の開口部は、開口部9から噴出した高温のマイクロカプセルを受けとめるように、縦型の通気性布製サイロの側面もしくは上方に設けられており、加熱発泡管から噴出した熱膨張済みマイクロカプセルは通気性布製サイロ4に捕集される。布製サイロ4は下部に向って絞られた袋体であって袋内のマイクロカプセルが飛散しないようにサイロと接続されている配管部分以外には開口部分を備えていない密封された布製袋である。布製サイロ下部は抜き出し用配管が接続されており、抜き出し用配管からは粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルが排出される。排出されたマイクロカプセルはプラスチックフィルムなどの内袋を入れたドラム5に回収される。布製サイロを構成する通気性布の素材は特に限定されず、通気性を有するように繊維を編み込んだ織布や、通気性素材からなるフィルムなどが挙げられる。なかでも勢い良く噴出される含水スラリーを受けとめることができ3〜10m程度の大きな構造物としても十分な強度が得られることからポリエステル織布製であることが特に好ましい。縦型の通気性布製サイロは開口部から排出された含水スラリーが水蒸気や凝結した水分が布製サイロで取り除かれながら布製サイロの下部に集められる。これにより含水スラリーに含まれる水蒸気や水分を適度に除きながら、水分の少ないパウダー状の熱膨張済みマイクロカプセルを得ることができる。熱膨張済みマイクロカプセルを飛散させることなく回収することができる。さらに、開口部から出たマイクロカプセルがサイロ壁に衝突してもマイクロカプセルが壊れるおそれがない。
なお、製造条件によっては得られた熱膨張済みマイクロカプセルが直ちに冷却されないことがあるため、開口部の下部の冷却部7で合着を起こさないように布製サイロ4の上方には冷却水や冷却エアーを供給する散水配管と散水栓や冷却エアの供給口を設け熱膨張済みマイクロカプセルを冷却してもよい。好ましくは、80℃以下となるよう冷却することが好ましい。また、冷却水の散水によって熱膨張済みマイクロカプセルの含水量を調整してもよい。さらに、高温の水蒸気を効率よく布製サイロから排出するために布製サイロの上部に水蒸気排出口を設けても良く水蒸気排出口には換気装置を取り付けても良い。
本発明によれば、水蒸気とともに噴出された熱膨張済みマイクロカプセルから粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルを製造する方法を提供することができる。また、水蒸気とともに噴出された熱膨張済みマイクロカプセルから粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルを製造することができる製造装置を提供することができる。
(実施例1)
<熱膨張済みマイクロカプセルの製造>
熱膨張性マイクロカプセルの重合の原料として、アクリロニトリル64.6重量部、メタクリロニトリル30.4重量部、メタクリル酸メチル0.1重量部、酢酸ビニル2.9重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.17重量部、ペンタン19.2重量部、ヘキサン11.8重量部、t−ブチルパーオキシビバレート0.8重量部、及びジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート0.6重量部からなる重合性混合物を用意した。次いで、上記重合性混合物を、重合容器1a内で、分散剤、分散安定剤及び重合禁止剤を含む脱イオン水7500重量部と混合してスタティックミキサーで攪拌混合し、0.5〜0.6MPaの圧力下、60℃に昇温したのち、15時間反応させた。
反応により生成した熱膨張性マイクロカプセルを25重量%の割合で含む水スラリーを重合容器1から、高圧液送ポンプ2の駆動により、加熱発泡管3にスラリー流量0.9kg/分で導入した。同時に、加熱発泡管3にはスチーム源(ボイラー)からバルブ6bの調整により、スチーム圧0.59MPa、スチーム流量0.4kg/分の条件で140℃及び0.59MPaの圧力の水蒸気を吹き込んだ。加熱発泡管3は、内部流路直径が12mm、長さ1.3mであり、加熱発泡管3で攪拌混合したのち開口部9から噴出させた。
高温の含水スラリーはポリエステル織布からなる通気性布製サイロ4の上方側面に設けられた開口部9から排出された。サイロ4は、上方に設けられた冷却エア供給口11から供給される冷却空気によって含水スラリーを冷却部7で冷却した。また、ポリエステル織布に吸収された水分の再揮発による潜熱で布製サイロは適度に冷却された。また、布製サイロ4上方から散水栓12を用いて散水した。膨張後、直ちに冷却された熱膨張済みマイクロカプセルには合着は見られなかった。布製の筒状体の下部から落下した粉末状の熱膨張済みマイクロカプセルはドラム5に回収された。
得られた熱膨張済みマイクロカプセルは粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルであった。
本発明は、粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルを製造することができる。
熱膨張性マイクロカプセルから粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルクロカプセルを製造する製造方法を示す説明図である。 本発明の熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置における縦型布製サイロを示す説明図である。 本発明の熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置における縦型布製サイロへの含水スラリー供給配管と抜き出し配管の接続例を示す説明図である。
符号の説明
1 重合容器又はスラリータンク
2 高圧液送ポンプ
3 加熱発泡管
4 通気性布製サイロ
5 容器(ドラム)
6a バルブ
6b バルブ
7 冷却部
8 配管
9 開口部
10a 散水配管
10b 散水栓
11 冷却エア供給口
12 抜き出し配管
13 内袋

Claims (2)

  1. 高温の水蒸気とともに配管から噴出される熱膨張済みマイクロカプセルを含む含水スラリーを縦型の通気性布製サイロで受けとめ、サイロ下部から粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルとして取り出すことを特徴とする粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造方法。
  2. 高温の水蒸気とともに熱膨張済みマイクロカプセルを含む含水スラリーを噴出する配管が縦型の通気性布製サイロの側面もしくは上方に設けられており、縦型通気性布製サイロは下部が絞られておりサイロ下部には抜き出し配管が設けられていることを特徴とする粉末状の含水熱膨張済みマイクロカプセルの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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