JP2005269873A - 高周波電流用配線部材とその製造方法および電力変換装置 - Google Patents

高周波電流用配線部材とその製造方法および電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高周波電流を低損失で流せる高周波電流用配線部材を提供する。
【解決手段】本発明の高周波電流用配線部材(60)は、出力回路に接続される第1接続部(61)と、入力回路に接続される第2接続部62と、第1接続部と第2接続部との間を中継する中継部(64)とを有し、少なくとも中継部が、複数の金属薄板(601)と、隣接する金属薄板同士を絶縁する絶縁材(602)とが積層されてなることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、高周波電流を効率よく電送できる高周波電流用配線部材とその製造方法並びにその高周波電流用配線部材を使用した電力変換装置に関するものである。
使用機器に応じて、電源電圧を昇圧したり降圧したり、直流電源を交流電源にしたりすることが必要となり、DC−DCコンバータやインバータといった電力変換装置が使用される。例えば、供給電力量の比較的大きなDC−DCコンバータでは、インバータ回路で直流電流をスイッチングして一旦高周波電流とした後、トランスを介してその電圧を昇圧または降圧し、さらに整流回路でその高周波電流(交流電流)を整流して電圧の変換された直流電源としている。
このような電力変換装置ではインバータ回路以降の特定配線間に高周波電流が流れる。高周波電流は、その周波数が高くなる程、表皮効果によって実質的に配線の表面部分しか電流が流れなくなる。このため、配線の断面積を単に大きくしたところで、必ずしも配線抵抗の低減とはならない。このような高周波電流を効率的に電送するために、下記特許文献1では、電力変換装置のインバータと平滑コンデンサとの間を、直径約1mm以下の複数のエナメル線を寄合わせたリッツ線で接続することが提案されている。
特開2003−209977号公報
しかし、上記特許文献に開示されたようなリッツ線は占有スペースが比較的大きく、電力変換装置等の小型化が難しい。また、そのようなリッツ線の使用はコスト高ともなり易い。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、電力損失の低減等を図れる新たな高周波電流用配線部材を提供することを目的とする。また、その高周波電流用配線部材を使用した電力変換装置や高周波電流用配線部材の製造方法も併せて提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、絶縁材で仕切られた複数の金属薄板を積層して高周波電流用配線部材とすることを思いつき、本発明を完成するに至った。
(高周波電流用配線部材)
本発明の高周波電流用配線部材は、高周波電流が出力される出力回路に接続される第1接続部と、該高周波電流が入力される入力回路に接続される第2接続部と、該第1接続部と該第2接続部との間を中継する中継部とを有し、該出力回路と該入力回路との間を配線する高周波電流用配線部材であって、
少なくとも前記中継部は、複数の金属薄板と、隣接する該金属薄板間に介装されてた絶縁材とが積層されてなることを特徴とする。
本発明の高周波電流用配線部材によれば、出力回路から出力された高周波電流は、先ず第1接続部に流れ込み、そこから少なくとも中継部の各金属薄板へそれぞれ分岐して(並列に)流れ、その後、第2接続部を経て入力回路へ流れる。
その中継部は絶縁材で仕切られた金属薄板を積層したものからなるので、高周波電流は各金属薄板の断面の大部分を有効に流れる。つまり、表皮効果による配線の無駄な断面部分を極力少なくすることができる。そして、その金属薄板の積層数を増加させることで、高周波電流の流れる有効断面積を容易に増加させることができ、配線抵抗(インピーダンス)や高周波電流用配線部材における電力損失を効果的に低減できる。このような配線抵抗や電力損失の低減は、電力変換装置のように高周波電流の電流量が多い場合に特に有効である。
本発明の高周波電流用配線部材は、銅板やアルミニウム板等の金属薄板を積層したものからなり、その中継部は隣接する金属薄板間が絶縁材で仕切られているだけであるから、非常に構造が簡単で、低コストで製造され得る。また、絶縁材で仕切られた金属薄板を積層したものであるので、配線抵抗を小さくしつつも非常にコンパクトなものとすることも可能である。
ところで、上記金属薄板の各厚さtは、その材質(導電率)および高周波電流の周波数によって決定される表皮深さδに基づいて決定されると好ましい。具体的には、金属薄板の両面側からの表皮深さδを考えて、金属薄板の厚さをその2倍(2δ)程度以下とするのが理想的である。但し、金属薄板の入手容易性等を考慮して、金属薄板の一枚あたりの厚さtは、表皮深さδの3倍以下であれば、表皮効果で電流が流れない部分よりも電流の流れる表皮深さδの部分が十分大きくなり、本発明による効果が期待できる。これにより、電力損失や配線抵抗を低減しつつ、高周波電流用配線部材の製造コストも低減できる。なお、表皮深さδを考慮しつつ、市販されている規格品の金属薄板を使用すれば、高周波電流用配線部材のコストをより一層低減できるので好ましい。
ちなみに、表皮深さδは、高周波電流の周波数f(Hz)、金属薄板の導電率σ(S/m)を用いて、表皮深さδ=504/(f・σ)1/2 (m)により定まる。高周波電流の周波数fが100kHz、金属薄板が銅板(σ=58x106S/m)であるとすると、表皮深さδは210μm程度となる。この場合、金属薄板の1枚あたりの厚さtを表皮深さδの3倍以下なら0.6mm以下、2倍以下なら0.4mm以下程度にすると良い。高周波電流の周波数fが50kHz程度なら、その厚さtは表皮深さδの3倍以下なら0.9mm以下、2倍以下なら0.6mm以下程度にすれば良い。
金属薄板は、積層されたそれぞれの厚さが全て同一であると、高周波電流用配線部材の製造が容易となり、その低コスト化を図り易い。しかし、表皮深さδを考慮した妥当な厚さであれば、必ずしも全ての金属薄板が同一厚さである必要はない。
絶縁材は、少なくと隣接する金属薄板間に1層存在すれば足る。このため、高周波電流用配線部材は、例えば、片面にのみ絶縁被膜を設けた金属薄板を順次積層したものでも良いが、勿論、両面に絶縁被膜が設けられた金属薄板を積層したものであっても良い。絶縁材の材質や厚みは問わない。高周波電流の電圧等を考慮して十分な絶縁性や耐圧のある材質、形態を選択すれば良い。絶縁材は、絶縁被膜のような薄膜であると、高周波電流用配線部材のコンパクト化を図れるので好ましいが、金属薄板のような薄板状であっても良い。
高周波電流用配線部材の第1接続部や第2接続部は、その中継部のような積層構造である必要は必ずしもない。高周波電流用配線部材における配線抵抗や電力損失等が主に問題となるのは、通常最も長い中継部だからである。しかし、中継部の両端側に位置する第1接続部や第2接続部も、当然、中継部と同様の積層構造をしていても良い。もっとも、第1接続部や第2接続部における接続性や導電性を考慮して、第1接続部と第2接続部の少なくとも一方は、敢えて中継部のような積層構造でなくても良い。例えば、第1接続部や第2接続部は、金属薄板間に絶縁材を介在させずに、金属薄板が直接的に接触した状態となっていても良い。第1接続部や第2接続部は、電流の流れる距離が短いため、各金属薄板が直接的に接触していても、配線抵抗や電力損失が特に問題となることはない。従って、高周波電流用配線部材の利用形態に応じて、適宜、前記第1接続部および/または前記第2接続部は、前記複数の金属薄板が前記絶縁材を介装させることなく導通可能に積層されたものであっても良い。少なくとも中継部にて高周波電流が各金属薄板へそれぞれ分岐して(並列に)流れる構成であればよい。
(電力変換装置)
本発明は、上記高周波電流用配線部材を用いた電力変換装置としても把握できる。
すなわち、本発明は、直流電流を高周波電流に変換するインバータ回路と、該インバータ回路から出力される高周波電流を該インバータ回路外へ導く高周波電流用配線部材とからなる電力変換装置であって、前記高周波電流用配線部材は、前記インバータ回路に接続される第1接続部と、該インバータ回路外の回路に接続するための第2接続部と、該第1接続部と該第2接続部との間を中継する中継部とを有し、少なくとも該中継部は、複数の金属薄板と、隣接する該金属薄板間に介装された絶縁材とが積層されてなることを特徴とする電力変換装置としても良い。
この電力変換装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ自体であっても良いし、電源電圧を昇圧または降圧して出力するコンバータ(DC−DCコンバータ、AC−ACコンバータ)等であっても良い。
ところで、電力変換装置のインバータ回路のように、そこを流れる電流量が多い場合、スイッチング素子を並列接続して各スイッチング素子の電流分担を低減することがある。このとき、各スイッチング素子自体が同特性であっても、各スイッチング素子の電極に至るまでの配線特性(例えば、経路長等)がそれぞれ異なると、各配線間におけるインダクタンスや配線抵抗のバランスが崩れる。その結果、各スイッチング素子間の電流分担のバランスも崩れて、電力損失が増加したりする。
そこで前記インバータ回路は、例えば、ON/OFFの高速切替が可能なスイッチング素子を複数並列に接続した素子グループと、該同一の素子グループに属するスイッチング素子の電極のうち前記高周波電流用配線部材の第1接続部へ接続される第1電極に配線される電極配線部を有する配線基板とを備え、該同一の素子グループに属するそれぞれの第1電極から該高周波電流用配線部材の第2接続部までの配線長を略等長となるものであると好適である。
複数のスイッチング素子を並列接続して各スイッチング素子に流れる電流を分担させる場合、高周波電流用配線部材の第1接続部へ接続される各スイッチング素子の第1電極から、高周波電流用配線部材の第2接続部に至るまでの配線長が略等長となるようにすることで、各スイッチング素子の電流分担のバランスもよくなり、電力損失の増加を抑止できる。
ここで、第1電極から第2接続部までの配線長のうちで、高周波電流用配線部材の第1接続部から第2接続部に至るまでの各スイッチング素子毎の長さの相違は通常小さい。そこで、第1電極から配線基板上に設けられる電極配線部までの各スイッチング素子毎の距離を略均等とすれば、実質的に、第1電極から第2接続部までの配線長も略均等となる。このような電極配線部は、例えば、トーナメント状の配線パターンであると良い。具体的には、電極配線部が、例えば、各第1電極に至るまでの略均等な長さの分岐路とそれらの分岐路の一端側を集合させた集合部とからなると良い。
スイッチング素子は、ディスクリート素子でも良いし、ベアチップのような表面実装素子でも良い。もっとも、ディスクリート素子は、汎用品として市販されているので、電力変換装置の低コスト化を図り易く、また、インバータ回路の製造も容易となる。
電力変換装置に使用されるスイッチング素子の場合、そこに流れる電流量が比較的多いため、各スイッチング素子の放熱性を高めるためにヒートシンクが設けられることが多い。ヒートシンクは、金属塊状であっても良いし、放熱面積を拡大させるために複数のフィンが設けられた放熱板等であっても良い。ここで、スイッチング素子がディスクリート素子の場合、ディスクリート素子を配線基板上に載置したヒートシンクに密着固定させて、放熱性を高めると良い。
本発明の高周波電流用配線部材の一例をあげると、回路間で電力の送電を行うバスバーや端子台等がある。この端子台は、インバータ回路から出力を他の回路へ接続するものである。本発明の高周波電流用配線部材は、金属薄板を積層したものであるので、概略平面的である。この高周波電流用配線部材が、配線基板に略平行に配設されていても良いし略垂直に配設されていても良い。配線基板上に配設される他部材や素子の形状や配置スペースを考慮して決定すれば良い。例えば、背が高いか体格の大きな部材や素子がある場合であれば、本発明の高周波電流用配線部材を配線基板に立設することで、全体的な省スペース化を図れる。なお、端子台の第2接続部は、配線基板に略垂直でも良いし、折曲げられて略平行となっていても良く、取付けやすい形状であれば良い。
電力変換装置の一例として、例えば、インバータ回路と、前記高周波電流用配線部材の第2接続部に接続されて前記インバータ回路から出力された高周波電流を昇圧または降圧した直流電流に変換する整流回路を備え、該インバータ回路および該整流回路によってDC−DCコンバータ回路がある。ここでいう整流回路は、ダイオードからなる単なる整流回路に限らず、電圧を変換するための昇圧回路または降圧回路といった電圧変換回路を含んでいて良い。電流量の多い電力変換装置の場合、そのような電圧変換回路としてトランスが使用されることが多い。
この他、本発明の電力変換装置は、スイッチング素子により形成されたインバータ回路を備えるものであれば良く、そのインバータ回路は、単相インバータでも、三相以上のインバータでも良い。
(高周波電流用配線部材の製造方法)
上記高周波電流用配線部材の製造方法は問わないが、例えば、次のような本発明の方法によって本発明の高周波電流用配線部材を容易に低コストで製造できる。
すなわち、本発明の高周波電流用配線部材の製造方法は、絶縁材が部分的または全面的に設けられた一枚の金属原板を折返して、該絶縁材と該金属原板が交互に積層された積層状態とする折返工程と、該折返工程後の金属原板の少なくとも一部を係止して該積層状態を保持する係止工程とからなり、上記高周波電流用配線部材が得られることを特徴とする。
金属原板は、金属薄板の積層数や折り代を考慮した所定形状に、予めプレス等によって打ち抜かれたものであると好ましい。折返工程は、金属薄板の積層数に応じて複数工程からなっても良い。係止工程は、ボルト等によるネジ止め、かしめ、スポット溶接等の抵抗溶接、ハンダ付け、ロウ付け、鳩目等により行える。係止箇所は1箇所でも複数箇所でも良い。
発明の実施形態を挙げて、本発明をより詳しく説明する。
(電力変換装置)
(1)本発明の電力変換装置の一実施形態であるDC−DCコンバータ100の回路図を図1に示す。このDC−DCコンバータ100は、インバータ回路10と、トランス20と、整流回路30と、インバータ回路10およびトランス20の間を接続する端子台50、60と、トランス20および整流回路30間を接続する端子台70、80とからなり、直流電源の電圧を昇圧して出力する電力変換装置である。なお、これらの端子台が本発明でいう高周波電流用配線部材に相当する。
インバータ回路10が配線基板13上に形成された様子を図2に示す。同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図である。このインバータ回路10は、12個のスイッチング素子Q1a、Q1b、Q1c〜Q4a、Q4b、Q4cと、電解コンデンサからなる平滑コンデンサC1と、アルミニウム合金からなり多数のフィンが付設されたヒートシンクHT1、HT2と、これらを搭載する配線基板13とからなる。
スイッチング素子Q1a等は、パワーMOSFETからなるディスクリート素子である。並列接続されたスイッチング素子Q1a、Q1b、Q1cが素子グループQ1を構成する。同様に、並列接続されたスイッチング素子Q2a、Q2b、Q2cが素子グループQ2を、並列接続されたスイッチング素子Q3a、Q3b、Q3cが素子グループQ3を、並列接続されたスイッチング素子Q4a、Q4b、Q4cが素子グループQ4を、それぞれ構成する。
インバータ回路10は、素子グループQ1〜Q4で構成されたフルブリッジ回路からなる。これらの素子グループを流れる電流は、その素子グループに属する複数のスイッチング素子によって略均等に分流されるため、大電流に対応可能となっている。また、各スイッチング素子のゲートには、図示しない制御回路からスイッチング信号が入力され、このスイッチング信号に基づいて、各スイッチング素子が高速でON/OFF動作する。これにより、端子P、Nを介して直流電源から供給される直流電流は、高速で切替えられて高周波電流として出力される。本実施形態では、このスイッチング周波数を50kHzとして、同周波数の高周波電流が得られるようにした。
インバータ回路10の具体的な回路配置について図2を参照しつつ説明する。インバータ回路10を構成する各電気素子は、配線基板13に挿入実装される。配線基板13は両面銅貼りエポキシ基板であり、配線基板13の主な配線パターン11、12は配線基板13の裏面側(図2(b)の下面側)に設けられている。
この配線基板13の上面には、ヒートシンクHT1が図左端側に、ヒートシンクHT2が図右端側にそれぞれハンダ接合されている。素子グループQ1およびQ2の各スイッチング素子はヒートシンクHT1の図左端面に、スイッチング素子に一体化された放熱板を密着させて固定されている。素子グループQ3およびQ4の各スイッチング素子もヒートシンクHT2の図右端面に、それぞれのスイッチング素子に一体化された放熱板を密着させて固定されている。なお、ヒートシンクHT1、HT2の配線基板13の中央側には縦方向に延在するフィンが形成されている。このフィンを下から上に流れる自然対流によって、各スイッチング素子から吸収した熱は、ヒートシンクHT1、HT2で効率的に放熱される。
配線基板13の上面中央には、平滑コンデンサC1が配設されている。この平滑コンデンサC1とヒートシンクHT1および素子グループQ1、Q2との間には端子台50が配線基板13に立設され、平滑コンデンサC1とヒートシンクHT2および素子グループQ3、Q4との間には端子台60が配線基板13に立設されている。各スイッチング素子、平滑コンデンサC1、端子台50の第1接続部51および端子台60の第1接続部61は、配線基板13の下面側に設けられた配線パターン11、12にハンダ接合されている。この端子台50、60は、それぞれ保持器59、69によっても配線基板13上に保持、固定されている。また、本実施形態では、直流電源に接続される端子P、Nを、配線基板13の図上方中央に配置してある。なお、端子P、Nに接続される配線パターンは図示していない。
トランス20は、詳細を図示していないが、一次側コイル(インバータ回路10側のコイル)と、二次側コイル(整流回路30側のコイル)と、一次側コイルで発生した磁束を二次側コイルと鎖交するように導く磁気コアとからなる。このトランス20の入力側と、インバータ回路10の出力側とは端子台50、60で連結される。
整流回路30は、4つのダイオードD1、D2、D3、D4で構成されたフルブリッジ回路と、そこへ直列接続された平滑コイルLおよび並列接続された平滑コンデンサC2とからなる。そして、端子P0、N0から整流された昇圧直流電流が出力される。整流回路30の入力側と、トランス20の出力側とは端子台70、80で連結される。
次に、本発明に係る端子台50、60について詳しく説明する。但し、端子台50、60は鏡像関係にあるので、ここでは便宜上、端子台60を主に取上げて説明するが、端子台50についても実質的に同様である。
端子台60は、図3(図2中のA−A断面図)に示すような5角形の山型をしている。その底辺側には第1接続部613、614が設けられている。第1接続部613、614は配線基板13に挿入されて配線パターン12とハンダ接合される。第1接続部613は素子グループQ3のスイッチング素子に対応して設けられ、第1接続部614は素子グループQ4のスイッチング素子に対応して設けられている。そして、第1接続部613は素子グループQ3に属する各スイッチング素子のソース電極(第1電極)群に、第1接続部614は素子グループQ4に属する各スイッチング素子のドレイン電極(第1電極)群に接続される。図3中の矢印は、電流の流れを示す。実線で示した矢印は、素子グループQ4の各スイッチング素子がON(このときは素子グループQ1の各スイッチング素子もON)、素子グループQ3の各スイッチング素子がOFF(このときは素子グループQ2の各スイッチング素子もOFF)のときの電流の流れを示す。破線で示した矢印は、素子グループQ3の各スイッチング素子がON(このときは素子グループQ2の各スイッチング素子もON)、素子グループQ4の各スイッチング素子がOFF(このときは素子グループQ1の各スイッチング素子もOFF)のときの電流の流れを示す。
ここで、第1接続部613と素子グループQ3の各スイッチング素子のソース電極Q3a1、Q3b1、Q3c1(第1電極)との間の配線関係を図4に示した。第1接続部614と素子グループQ4の各スイッチング素子のドレイン電極Q4a1、Q4b1、Q4c1(第1電極)との間の配線関係も同様に考えれば良い。
配線パターン12のうち、第1接続部613とソース電極Q3a1、Q3b1、Q3c1との間は、図4に示すようなトーナメント状の配線パターンとなっている。つまり、ソース電極Q3a1、Q3b1、Q3c1へ分岐する分岐路121と、それらが一端側で集合した集合部122とからなる。この分岐路121および集合部122が本発明でいう電極配線部に相当する。各ソース電極Q3a1、Q3b1、Q3c1はその分岐路121の各端部でハンダ接合され、第1接続部613は集合部122の略中央(第1接続部613の図左右方向の中央がソース電極Q3b1の略中央となる位置)でハンダ接合される。これにより、各ソース電極Q3a1、Q3b1、Q3c1から端子台60の第1接続部613までの距離(配線長)が略均等となる。そして結果的に、トランス20に接続される端子台60の第2接続部62と各ソース電極Q3a1、Q3b1、Q3c1との間の配線長(ひいては配線抵抗)が略均等となる。
次に、端子台60(端子台50についても同様)の構造について、図5(図2中のB部拡大図)および図6(図2中のC部拡大図)を用いて説明する。
端子台60は、図3にも示したが、配線基板13にハンダ付けされる第1接続部61と、トランス20に接続される第2接続部62と、その間を中継する中継部64とからなる。この内、第1接続部61および中継部64は、厚さ0.5mmの薄い銅板601(金属薄板)を4枚積層してなり、各銅板601の間にはそれぞれ厚さ0.1mmの絶縁被膜(絶縁材)602が介在されている。一方、第2接続部62の周辺は、絶縁被膜602がなく、銅板601のみが抵抗溶接によって密着、固定されている。これにより、第2接続部62では、4枚の銅板601が全て導通した状態となっている。また、第2接続部62における抵抗溶接によって、中継部64等を構成する4枚の銅板601と3枚の絶縁被膜602との積層状態も保持される。
なお、第2接続部62には貫通孔621が設けられている。その貫通孔621には、ボルト631が挿通され、その端部はナット632が螺合する。このボルト631およびナット632により、トランス20に接合された電線の端子が固定可能となっている。また第1接続部61においては各銅板601の間は絶縁被膜602が介在されているが、配線パターン12とのハンダ付けにより4枚の各銅板601が全て導通した状態となっている。
(2)図2〜5には、端子台50、60の第2接続部52、62が、それぞれの中継部54、64とほぼ同一平面状にある場合を示した。しかし、図7に示すように、端子台80、90の第2接続部82、92が、それぞれの中継部84、94とほぼ直交していても良い。すなわち、第2接続部における接合のし易さを考慮して、それぞれの第2接続部は配線基板13に平行としても垂直としても良い。なお、図2〜5に示した部材と実質的に同じ部材には、図7中でも同じ符合を付して示してある。
(3)上記インバータ回路10では、一つの素子グループあたり3個のスイッチング素子を使用したが、一つの素子グループあたり使用するスイッチング素子は、その仕様やインバータ回路を流れる電流量等に応じて、1個でも2個でも4個でも、さらにはそれ以上でも良い。
(4)インバータ回路10では、各素子グループに属するスイッチング素子をフルブリッジに接続したが、ハーフブリッジに接続しても良い。また、インバータ回路は、プッシュプル回路等の他形式の回路であっても良い。
(5)端子台50、60毎に第1接続部をそれぞれ2づつ設けたが、各スイッチング素子からの電流バランスが略均等できれば、第1接続部は1つでも3つ以上でも良い。
(6)整流回路30側の端子台70、80については詳述していなが、これらの端子台70、80についても端子台50、60と同様の積層構造とすると良い。もっとも、本実施形態のDC−DCコンバータ100は、昇圧タイプであるので、端子台70、80を流れる電流量は端子台50、60よりも少ない。このため、必ずしも端子台70、80を端子台50、60のようにしなくても電力損失への影響は少ない。
(高周波電流用配線部材の製造方法)
(1)上述した端子台60の製造方法の一実施形態を図8に示した。
図8に示す形状をした4枚分の銅板601を含む銅原板(金属原板)300をプレスで打抜いた。図8中に示した符合は、図2〜5に示したものと同じである。この銅原板300を、図8に示すように、先ず縦方向に折返した後、次いで横方向に折返す(折返工程)。なお、銅原板300の両面は、予め絶縁被膜602で被覆しておいた。また、4枚の銅板601を連結する3カ所の連結部619は、銅原板300の折返し後に除去しても良いし、そのまま残存させても良い。
この折返し後に、積層状態となった絶縁被膜付きの銅板601を貫通孔621の部分で抵抗溶接することで、その積層状態が保持された端子台60が完成する(係止工程)。なお、この第2接続部62となる貫通孔621の周辺部分は、予め絶縁被膜602を設けないようにしておくか、銅板601を抵抗溶接する際に、その周辺の絶縁被膜602を熱分解させて消失させても良い。
(2)この他、図9に示すように、予め所定形状に打抜いた銅板601を4枚順次積層して、少なくともどこか1カ所で抵抗溶接等によってそれらを固定して、端子台60を形成しても良い。この場合、銅板601の片面のみが絶縁被膜602で被覆されていれば足る。端子台60の最外面が絶縁被膜602で被覆されている必要はないが、同じ絶縁被膜付き銅板601を一方向に積層することで端子台60の製造が容易となる。
なお、各銅板601を仕切る絶縁被膜は、銅板上に絶縁塗料等を塗布して形成したものであっても良いし、絶縁シート等を貼付したものであっても良い。
本発明の一実施形態であるDC−DCコンバータの回路図である。 そのDC−DCコンバータの回路配置図であり、同図(a)はその平面図であり、同図(b)はその正面図である。 そのDC−DCコンバータのインバータ回路に設けられた端子台の正面図である。 その端子台およびインバータ回路を構成するスイッチング素子の周辺の配線パターンである。 図2に示したB部の拡大図であり、端子台の第2接続部の周辺を示す平面図である。 図2に示したC部の拡大図であり、端子台の中継部の周辺を示す平面図である。 端子台の形状を変更した別のDC−DCコンバータの示す回路配置図であり、同図(a)はその平面図であり、同図(b)はその正面図である。 端子台を折返して製造するときに使用する銅原板である。 端子台を積層して製造するときの様子を示す図である。
符号の説明
10 インバータ回路
11、12 配線パターン
121 分岐路
122 集合部
13 配線基板
20 トランス
30 整流回路
50、60 端子台(高周波電流用配線部材)
51、61 第1接続部
52、62 第2接続部
54、64 中継部
100 DC−DCコンバータ(電力変換装置)
Q1〜Q4 素子グループ
HT1、HT1 ヒートシンク

Claims (10)

  1. 高周波電流が出力される出力回路に接続される第1接続部と、
    該高周波電流が入力される入力回路に接続される第2接続部と、
    該第1接続部と該第2接続部との間を中継する中継部とを有し、該出力回路と該入力回路との間を配線する高周波電流用配線部材であって、
    少なくとも前記中継部は、複数の金属薄板と、隣接する該金属薄板間に介装された絶縁材とが積層されてなることを特徴とする高周波電流用配線部材。
  2. 前記金属薄板一枚あたりの厚みt(m)は、前記高周波電流の周波数f(Hz)および前記金属薄板の導電率σ(S/m)から下式により定まる表皮深さδ(m)の3倍以下である請求項1に記載の高周波電流用配線部材。
    δ=504/(f・σ)1/2 (m)
  3. 前記第1接続部と前記第2接続部の少なくとも一方は、前記複数の金属薄板が前記絶縁材を介装させることなく導通可能に積層されてなる請求項1に記載の高周波電流用配線部材。
  4. 直流電流を高周波電流に変換するインバータ回路と、該インバータ回路から出力される高周波電流を該インバータ回路外へ導く高周波電流用配線部材とからなる電力変換装置であって、
    前記高周波電流用配線部材は、前記インバータ回路に接続される第1接続部と、該インバータ回路外の回路に接続するための第2接続部と、該第1接続部と該第2接続部との間を中継する中継部とを有し、
    少なくとも該中継部は、複数の金属薄板と、隣接する該金属薄板間に介装された絶縁材とが積層されてなることを特徴とする電力変換装置。
  5. 前記インバータ回路は、
    ON/OFFの高速切替が可能なスイッチング素子を複数並列に接続した素子グループと、
    該同一の素子グループに属するスイッチング素子の電極のうち前記高周波電流用配線部材の第1接続部へ接続される第1電極に配線される電極配線部を有する配線基板とを備え、
    該同一の素子グループに属するそれぞれの第1電極から該高周波電流用配線部材の第2接続部までの配線長を略等長とした請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記高周波電流用配線部材は、バスバーまたは端子台である請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記高周波電流用配線部材は、前記配線基板に立設されている請求項5または6に記載の電力変換装置。
  8. さらに、前記配線基板上に載置されたヒートシンクを備え、
    前記スイッチング素子は、該ヒートシンクに密着固定されたディスクリート素子である請求項5に記載の電力変換装置。
  9. さらに、前記高周波電流用配線部材の第2接続部に接続されて前記インバータ回路から出力された高周波電流を昇圧または降圧した直流電流に変換する整流回路を備え、該インバータ回路および該整流回路によってDC−DCコンバータ回路が形成される請求項4に記載の電力変換装置。
  10. 絶縁材が部分的または全面的に設けられた一枚の金属原板を折返して、該絶縁材と該金属原板が交互に積層された積層状態とする折返工程と、
    該折返工程後の金属原板の少なくとも一部を係止して該積層状態を保持する係止工程とからなり、
    請求項1に記載した高周波電流用配線部材が得られることを特徴とする高周波電流用配線部材の製造方法。
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