JP2005269548A - 光ネットワークシステム及び光合分波装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光合分波手段2のいずれかの光入力ポート#1〜#128に入力された光を波長可変型の光受信器4−97〜4−128及び光送信器1−97〜1−128経由で他の波長の光に変換して光合分波手段2に再入力するように構成する。
【選択図】 図1
Description
(1.1)WDMを用いたスター型光ネットワーク
複数のサーバ及びデータベース等を用いて構成される、WDM技術を用いた従来の光ネットワークシステムの構成例を図9に示す。ネットワークのトポロジーとしては、主に、バス型、スター型およびリング型の3態様があるが、ここでは一例としてスター型について示す。
ここで、上記のような光ネットワークにおいて、信号の接続をフルメッシュ化する構成も提案されている。例えば図11に示すように、信号に識別情報を電気的に付加する技術を適用することにより、ネットワークのフルメッシュ化を実現する。
この図11に示すネットワークでは、例えば、#i番ポートの光送信器101から出射された光信号は、N×M光カプラ200で他の光送信器101から出射された光信号と合波され、複数の出力ポートにブロードキャストされる。この際、光信号の中には電気的に識別情報が含まれているため、光受信器401において受信すべき信号かどうかを識別し、必要な信号のみ受信できる。また、N×Mカプラ200の複数の入力ポートから同時に信号が送信されると信号間の干渉が大きくなるので、その干渉が生じないように入力ポート毎に時間的に送信するタイミングをずらすことも行なわれている。
また、WDM技術を用いて柔軟な経路変更を行ない、フルメッシュ化を実現する方法もある。波長可変性を有する光受信器を用いた光ネットワーク構成例を図12に示す。この図12に示す光ネットワークでは、波長λ1からλnまで有するWDM信号が、N×M光カプラ200で他の入力ポート(光送信器101)から出射された光信号と合波及び分波されて各出力ポートから出力される。このとき、光受信器401毎に受信すべき信号の波長に波長可変光フィルタ301の透過中心波長を設定し、必要な信号のみを選択して光受信器401でそれぞれ受信する。ここで、信号パスの設定は波長可変光フィルタ301の透過中心波長の設定変更により柔軟に行なうことができる。なお、受信側に波長可変フィルタを用いる構成については、例えば後記特許文献4でも提案されている。
さらに、波長可変性を有する光送信器を用いた光ネットワーク構成例を図13に示す。この図13に示すネットワークでは、波長λ1からλnまで可変できる波長可変光源(LD)を有する各光送信器102において、当該光源の発振波長を受信先の波長と同じ波長に設定する。これにより、その設定された光信号は、N×M光カプラ200で他のポート(光送信器102)から出射された光信号と合波及び分波された後、波長固定型の波長選択光フィルタ300を通過して前記受信先である光受信器401で受信される。ここで、信号パスの設定は、光送信器102における波長可変光源の波長の設定変更により柔軟に行なうことができる。
また、任意の波長から所望の波長に信号光波長を変換できる波長変換装置を用いた光ネットワーク構成例を図14に示す。この図14に示すネットワークでは、波長λjの光送信器101から送信された光信号は、他の光送信器101から出射された光信号と合波器201で合波された後、波長変換装置500に入射し、受信すべき波長に変換される。受信波長に変換された光信号は、波長選択性を有する分波器202で分波され、所望の光受信器401で受信される。ここで、信号パスの設定は、波長変換装置500の変換波長の設定変更により柔軟に行なうことができる。ただし、現状、波長変換装置500は、波長変換に非線形性を利用しており、変換効率、変換帯域および装置規模など、実現するには高度な技術を必要とする。
次に、光スイッチを用いた光ネットワーク構成例を図15に示す。この図15に示すネットワークでは、各ポート(光送信器101)から出射した光信号は、多ポート×多ポートの光スイッチ600に入射される。光スイッチ600には、例えば、ポート数に応じたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等を用いて構成され、光信号を受信すべき光受信器401への光の経路が設定されて、これにより、所望の光受信器401で光信号を受信させる。ここで、信号パスの設定は、光スイッチ600の設定変更により柔軟に行なうことができる。
また、周回型光合分波器を用いた光ネットワーク構成例を図16に示す。この図16に示すネットワークでは、周回型光合分波器〔AWG(Arrayed Waveguide Grating)ルータ〕700の入力側ポート(入力チャネル)(ここでは、5ポート(チャネル))及び波長が、出力側ポート(出力チャネル)(ここでは、5ポート(チャネル))及び波長と一定の規則に従って1対1に接続されており(波長の周回性)、入力側の5ポートに入力された5波多重化された光が、波長周回性規則により、5波多重化された光として、出力側の5ポートに出力されている様子を示している。したがって、この技術によれば、ポートに入射される波長を変えることによりネットワークの経路を選択でき、ネットワークを全て光で構成することが可能となる(詳細については、下記特許文献1参照)。
(a)信号に識別情報を電気的に付加する技術を適用した場合(図11参照)
時間的な排他処理が必要なため、1つの信号ずつしか送信できない。そのため、ポート数が増加した場合に処理に非常に時間がかかる。また、識別情報を電気的に付加しているので、電気回路の負荷が増加する。
全ての入力ポート又は出力ポートについて波長可変性を有する光受信器又は光送信器が必要になるので、非常に高価になる。
(c)波長変換装置を適用した場合(図14参照)
前述したように、波長変換に非線形性を利用しており、変換効率、変換帯域および装置規模など、実現するには高度な技術を必要とし、高価で大規模になってしまう。
MEMSミラーを用いる場合はミラー角度制御という機械的制御が必要になるため、高速スイッチングに対応することが技術的に困難である。また、ポート数の増加に対しても柔軟に対応することが困難である。
(e)周回型合分波器を適用した場合(図16参照)
波長可変機能を有する光送信器、又は入出力ポートを可変するスイッチが必要となるので、非常に高価になる。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、低コストかつ簡易な構成でフルメッシュ型の光ネットワークシステムを実現することを目的とする。
また、該光合分波手段は、光入力ポート数×光出力ポート数の単一の光カプラと、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長固定型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長固定型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長固定型の波長選択器と、該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長可変型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成してもよい(請求項3)。
また、本発明の光合分波装置(請求項5)は、複数の光入力ポートと複数の光出力ポートとを有し、該光入力ポートへの入力光の波長によって当該波長の光を出力すべき光出力ポートが定められる光合分波手段と、該光合分波手段のいずれかの光入力ポート及び光出力ポートを経由する光を他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力する波長変換再入力手段とをそなえたことを特徴としている。
図1は本発明の一実施形態としての光ネットワークシステムの構成を示すブロック図で、この図1に示すシステムは、電気−光(E/O)変換機能を有する複数(ここでは、128台)の光送信器1−1〜1−128と、128×128光カプラ2と、複数(128)の波長選択光フィルタ(波長選択器)3−1〜3−128と、光−電気(O/E)変換機能を有する複数(128台)の光受信器4−1〜4−128とをそなえて構成されている。なお、本例においても、上記の光送信器,光受信器は、光LAN等の光ネットワークを構成するサーバ等の通信装置に備わるか、当該通信装置に接続されるものである。
ここで、波長固定型の光送信器1−J(J=1〜96)は、それぞれ、予め定められた波長(例えば、λJ)の光を送信するものであり、波長可変型の光送信器1−K(K=97〜128)は、それぞれ、少なくとも波長λ1〜λ96の範囲で送信波長を可変できるものである。
波長固定型の波長選択光フィルタ(以下、固定フィルタともいう)3−Jは、それぞれ、この128×128光カプラ(以下、単に「光カプラ」ともいう)2の対応する光出力ポートの出射光(WDM光)から予め定められた波長の光のみを通過させるもので、ここでは、通信相手として組となる波長固定型の光送信器1−J及び光受信器4−Jにそれぞれ同じ中心波長の光を処理させるために、その中心波長がそれぞれ同じ波長に予め設定されている。
つまり、上記の128×128光カプラ2及び波長選択光フィルタ3−1〜3−128は、各光送信器1−1〜1−128からの光が入力される複数の光入力ポート(#1〜#128)と各光受信器4−1〜4−128への光を出力する複数の光出力ポート(#1〜#128)とを有し、光入力ポートへの入力光の波長によって当該波長の光を出力すべき光出力ポート(当該波長の光を受信させるべき光受信器4−1〜4−128)が定められる光合分波手段を構成している。
例えば、固定波長λi(i=1〜96のいずれか)を有する#i番ポートの光送信器1−iの光信号を、固定波長λj(j=1〜96のいずれか)を有する#j番ポートの光受信器4−jに送信する場合を考える。
ここで、当該光送信器1−97の送信中心波長をλjに設定しておくと、上記フィードバック信号は、当該光送信器1−97で電気信号から波長λjの光信号に変換された後、光カプラ2に再入力される。これにより、当該波長λjの光信号は他の光送信器から出射された光信号と再度合波されパワー分波される。そして、透過中心波長がλjに設定された固定フィルタ3−jにて上記波長λjの光信号が選択されて#j番ポートの光受信器4−jで受信される。
ただし、図1に示すネットワーク構成では、光カプラ2で複数波長を合波しているため、同じ波長を有する光同士が混信して誤動作する可能性がある。そこで、このような混信(誤動作)を回避するための制御方法について説明する。
図1に示されるように、波長λiの#i番ポートから光を波長λjの#j番ポートへ情報を転送する場合、まず、波長可変型の光送信器1−K及び光受信器4−Kが装備されているポート(#97〜#128の32ポート)のうち、現状未使用のポートを選択する(図1ではポート番号=97)。そして、ポート番号=#97の光受信器4−97が受信する波長をλiに設定するとともに、この光受信器4−97と組となる光送信器1−97の送信波長をλjに設定する。これとともに、ポート番号=#97以外の波長可変型の光受信器4−Kの受信波長をλi以外に設定し、ポート番号=#97以外の波長可変型の光送信器1−Kの送信波長をλj以外に設定する。ただし、以上で述べた例は1対1通信に関するものである。
図1に示されるように、波長λiからλjに情報を転送する場合、まず、波長可変型の光送信器1−K及び光受信器4−Kが接続されているポートのうち、現状未使用のポートを選択する(図1ではポート番号=#97)。
以上のように、本実施形態によれば、全てのポートに波長可変型の光送信器及び光受信器を用いるのではなく、大部分の光送信器1−1〜1−96及び光受信器4−1〜4−96は波長固定型とし、一部の光送信器1−1〜1−32及び光受信器4−1〜4−32のみを波長可変型とし、固定波長の信号の柔軟なパス設定を行なう場合には、波長可変型の光受信器4−K及び光送信器1−Kを経由して光カプラ2を複数回経由させることにより経路設定を変更することで、128×128光カプラ2を用いて光送信器1−K及び光受信器4−Kのペア数p(ここでは、p=32)の光リンクをフルメッシュで設定することが可能となり、p×pのフルメッシュ型の光ネットワークシステムを実現することができる。
(A1)第1変形例の説明
上述した128×128光カプラ2の波長合分波機能は、例えば図2に示すように、128×1光カプラ(第1の光カプラ)2−1及び1×128光カプラ(第2の光カプラ)2−2の組み合わせにより実現してもよい。即ち、各光送信器1−1〜1−128からの送信光信号を128×1光カプラ2−1で合波したのち、1×128光カプラ2−2でパワー分波する構成とする。この場合、これらの光カプラ2−1,2−2間は光ファイバ5で接続する。なお、他の既述の符号と同一符号を付したものは、それぞれ、既述のものと同一もしくは同様のものである。
図3は図1により上述した光ネットワークシステムの第2変形例を示すブロック図で、この図3に示すシステムは、図1に示すシステムに比して、128×128光カプラ2に代えて、波長固定型の光送信器1−1〜1−96及び光受信器4−1〜4−96が接続されるポート#1〜#96については、AWG等の波長選択性を有する合波器2−3,分波器2−5を適用し、波長可変型の光送信器1−96〜1−128及び光受信器4−96〜4−128が接続されるポート#97〜#128については、波長選択性をもたない(又は波長依存性の少ない)32×1光カプラ(合波器)2−6及び1×32光カプラ(分波器)2−7を適用し、合波器2−3及び32×1光カプラ2−6の各出力を2×2光カプラ2−4で合波して分波器2−5及び1×32光カプラ2−7にパワー分波する構成になっている点が異なる。また、分波器2−5が波長選択性を有するので、受信側の波長選択光フィルタ3−1〜3−96は不要になっている。
このような構成によっても、図1及び図2により上述したシステムと同様に、例えば、波長λiを有する#i番ポートの光送信器1−iから送信される光信号を、波長λjを有する#j番ポートの光受信器4−jに受信させることが可能となる。光信号の流れや混信回避制御も図1の場合と同様である。ただし、この場合は、AWG等の波長選択性を有する合波器2−3,分波器2−5の方が光カプラよりも損失が低いので、図1及び図2の場合よりも送受間光経路の損失を低減することができる。特に、ポート数が増大する場合に、固定波長のポートについて上述のごとく波長選択性を有する合分波器を適用することで、送受間光経路損失の低減を図ることができ、これにより、光送信器及び光受信器に必要な特性を緩和することも可能となる。
図4は図1により前述した光ネットワークシステムの第3変形例を示すブロック図で、この図4に示すシステムは、図1に示すシステムに比して、128×128光カプラ2に代え、128×1光カプラ2−1と、32×128光カプラ2−8と、これらの間を接続する光ファイバ5とをそなえて構成され、128×1光カプラ2−1に波長固定型の光送信器1−1〜1−96が接続されるとともに、32×128光カプラ2−8の入力ポート(31ポート)に、波長可変型の光送信器1−97〜1−127が接続されている点が異なる。なお、他の既述の符号を付したものはそれぞれ既述のものと同一もしくは同様のものである。
図5は図1により上述した光ネットワークシステムの第4変形例を示すブロック図で、この図5に示すシステムは、図1に示すシステムに比して、#m番ポートの波長選択光フィルタ3−mが波長半固定型の光フィルタとして構成されている点が異なる。即ち、この場合は、例えば、波長λiを有する#i番ポートの光送信器1−iの光信号を波長λjを有する#j番ポートの光受信器4−jに送信するとともに、送信波長λkを有する#k番ポートの光送信器1−kの光信号を初期設定では波長λmを有するm番ポートの光受信器4−mに送信し、その後、#k番ポートの送信波長λkの光送信器1−kからm番ポートの光受信器4−mへ経路が定期的に変更される(m番ポートの波長選択光フィルタ3−mでの選択波長が定期的に波長λkに変更される)場合について示している。なお、#i番ポートの光送信器1−iから#j番ポートの光受信器4−jへの送信経路は図1の場合と同様である。
(A5)第5変形例の説明
以上では送受信すべきポートとして1ポートに着目した場合の例について説明したが、波長多重技術を適用しているため複数ポートの信号を同時に送受信できる。例えば、2ポートに着目した場合の例を図6に示す。即ち、この図6では、波長λiを有する#i番ポートの光送信器1−iの光信号を、波長λjを有する#j番ポートの光受信器4−jに送信するとともに、波長λkを有する#k番ポートの光送信器1−kの光信号を、波長λmを有するm番ポートの光受信器4−mに送信する場合について示す。なお、光受信器4−1〜4−96(波長選択光フィルタ3−1〜3−96)は波長固定型でもよいし半固定型でもよい。
この光信号は、光受信器4−97にて電気信号に変換された後、中心波長がλjに設定された波長可変型の#97番ポートの光送信器1−97にフィードバックされて電気信号から波長λjの光信号に変換され、光カプラ2に再入力される。そして、この光カプラ2にて他の光送信器から出射された光信号と再び合波され、各出力ポートへパワー分波される。これにより、波長λjの光信号は、透過中心波長がλjの固定フィルタ3−jを通過して#j番ポートの光受信器4−jに入射する。
以上のようにして、波長λiを有する#i番ポートの光送信器1−iの光信号を、波長λjを有する#j番ポートの光受信器4−jに送信でき、波長λkを有する#k番ポートの光送信器1−kの光信号を、波長λmを有する#m番ポートの光受信器4−mに送信できることになる。ここで、制御順序としては、まず、#97番ポートの波長可変型の光送信器1−97及び光受信器4−97のペアを動作させ、その次に、#98番ポートの波長可変型の光送信器1−98及び光受信器4−98のペアを動作させるといった具合に、波長可変型の光送信器1−K及び光受信器4−Kのペアで順次動作させ、送りたい情報が完了次第、スタンバイ状態に戻すという制御が可能である。なお、ここでは説明の簡単化のために2ポートの場合について説明したが、3ポート以上の場合でも同様である。
図7は図1により前述した光ネットワークシステムの第6変形例を示すブロック図で、この図7に示すシステムは、図1に示すシステムにおいて、管理サーバ(制御手段)6から、各光送信器1−1〜1−128,各光受信器4−1〜4−128および波長可変型の波長選択光フィルタ3−97〜3−128をそれぞれ制御できる構成になっている。なお、管理サーバ6は、光送信器1−1〜1−128や光受信器4−1〜4−128が備えられる(あるいは接続される)、情報の授受を行なう通信装置や情報処理機器における情報転送状態を把握し、その情報転送状態に基づいて上記光デバイスの制御を行なえるものである。
まず、#i番ポートの光送信器1−iの光信号と#k番ポートの光送信器1−kの光信号とがそれぞれから同時に送信されると、#97番ポートの光受信器4−97で受信できないので、管理サーバ6は、光送信器1−i及び1−kを制御して、それぞれの光信号の送信タイミングを時間的にずらして送信させる。例えば、最初に光送信器1−kから波長λkの光信号を送信する。この際、管理サーバ6は、波長可変型の#97番ポートの光受信器4−97についての可変フィルタ3−97の透過中心波長をλkに設定しておく。これにより、光受信器4−97に、まず、波長λkの光信号が入射する。
光受信器4−97は、受信した波長λkの光信号を電気信号に変換する。この電気信号は、当該光受信器4−97と組となる#97番ポートの波長可変型の光送信器1−97にフィードバックされる。その際、管理サーバ6は、当該光送信器1−97の中心波長をλmに設定しておく。これにより、上記フィードバック信号は波長λmの光信号に変換されて光カプラ2に再入力される。これにより、当該波長λmの光信号は、透過中心波長がλmの#m番ポートの波長選択光フィルタ3−mを通過して光受信器4−mで受信される。つまり、#k番ポートの波長λkの光送信器1−kから送信された光信号が#m番ポートの波長λmの光受信器4−mで受信される。
その後、管理サーバ6は、#j番ポートの波長λjの光送信器1−jから波長λjの光信号を送信させる。この波長λjの光信号は、#j番ポートの波長選択光フィルタ3−jを通過して光受信器4−jで受信される。
以上のようにして、管理サーバ6によって、#k番ポートの光送信器1−k,#i番ポートの光送信器1−i,#j番ポートの光送信器1−jの順に光信号を送信させ、その送信タイミングに合わせて可変フィルタ3−97の透過中心波長及び波長可変型の光送信器1−97の中心波長を制御して、光カプラ2で衝突の生じる可能性がある同一波長の送信光のブロック毎に時分割多重送信を行なうことにより、各送信光の衝突を発生させることなく、所望の光受信器に受信させることができる。この結果、波長可変型の光送信器1−Kおよび光受信器4−Kのペア数p(図7ではp=32)を超える数の光リンクをフルメッシュで設定することが可能となる。
(A7)第7変形例の説明
図8は図1により前述した光ネットワークシステムの第7変形例としてのリング型光ネットワークシステムの構成を示すブロック図で、この図8に示すシステムは、リング状の光伝送路(光ファイバ)7と、この光伝送路7に光カプラ8を介して接続された、複数(ここでは、128台)の光送信器1−1〜1−128及び光受信器4−1〜4−128とをそなえて構成され、光送信器1−1〜1−128から送信された光信号は光カプラ8により光伝送路7上を伝送されるWDM信号と合波され、光伝送路7上を伝送されるWDM信号は各光カプラ8において各光受信器4−1〜4−128側へパワー分波されるようになっている。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、ネットワーク構成として、スター型又はリング型について例示したが、バス型でも上述した実施形態と同様の構成を採ることができ、同様の作用効果を得ることができる。
また、上述した実施形態では、光受信器4−Kから光送信器1−Kへの信号のフィードバックをいずれも電気信号により行なうことを前提としているが、これらの光受信器4−Kと光送信器1−Kとの間を光ファイバで接続して、光のままフィードバックするようにしてもよい。このようにすれば、光送信器1−Kと光受信器4−Kとの距離が離れていても遅延の影響を最小限に抑制することができる。この場合の構成としては、例えば、光受信器4−K及び光送信器1−Kのそれぞれに光/電気/光(O/E/O)機能をもたせるか、光受信器4−K及び光送信器1−Kのいずれか一方にのみO/E/O機能をもたせることで実現できる。
(付記1)
波長固定型の光送信器と波長可変型の光送信器とを含む複数の光送信器と、
波長固定型の光受信器と波長可変型の光受信器とを含む複数の光受信器と、
上記の各光送信器からの光が入力される複数の光入力ポートと上記の各光受信器への光を出力する複数の光出力ポートとを有し、該光入力ポートへの入力光の波長によって当該波長の光を受信させるべき光受信器が定められる光合分波手段と、
いずれかの該光入力ポートに入力された光を該波長可変型の光受信器及び光送信器経由で他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力する波長変換再入力手段とをそなえたことを特徴とする、光ネットワークシステム。
該波長変換再入力手段が、
該波長可変型の光受信器で受信した光を電気信号に変換して該波長可変型の光送信器に入力し、当該光送信器にて該電気信号を該他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力するように構成されたことを特徴とする、付記1記載の光ネットワークシステム。
該光合分波手段が、
光入力ポート数×光出力ポート数の単一の光カプラと、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長固定型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長固定型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長固定型の波長選択器と、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長可変型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の光ネットワークシステム。
該光合分波手段が、
光入力ポート数×1の第1の光カプラと、
該第1の光カプラの出力と接続された1×光出力ポート数の第2の光カプラと、
該第2の光カプラの各光出力ポートのうち、該波長固定型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長固定型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長固定型の波長選択器と、
該第2の光カプラの各光出力ポートのうち、該波長可変型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の光ネットワークシステム。
上記の第1及び第2の光カプラ間に光増幅器が介装されたことを特徴とする、付記4記載の光ネットワークシステム。
(付記6)
該光合分波手段が、
該波長固定型の光送信器からの光を合波する波長選択性の合波器と、
該波長固定型の光受信器への光を波長単位に分波する波長選択性の分波器と、
該波長可変型の光送信器からの光を合波する非波長選択性の合波器と、
該波長可変型の光受信器への光を分波する非波長選択性の分波器と、
上記の各合波器の出力を合波して上記の各分波器へ分波する光カプラと、
該非波長選択性の分波器の出力から該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の光ネットワークシステム。
該光合分波手段が、
該波長固定型の光送信器の出力を合波する第1の光カプラと、
該第1の光カプラの出力と該波長可変型の光送信器の出力とを合波して該光出力ポート数分だけ分波する第2の光カプラと、
該第2の光カプラの各光出力ポートのうち、該波長固定型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長固定型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長固定型の波長選択器と、
該第2の光カプラの各光出力ポートのうち、該波長可変型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の光ネットワークシステム。
該光合分波手段に同一波長の光が同時に入力されないように、該光送信器の送信タイミングを制御する制御手段をそなえたことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の光ネットワークシステム。
(付記9)
該制御手段が、
該波長可変型の光受信器に同一波長の光が同時に入力されないように、当該光受信器の波長可変範囲に含まれる波長を送信波長として有する複数の光送信器の送信タイミングを時間的にずらす第1制御手段をさらにそなえたことを特徴とする、付記8記載の光ネットワークシステム。
該制御手段が、
該波長固定型の光受信器に同一波長の光が同時に入力されないように、該波長可変型の光送信器を含む該他の波長の光を送信波長として有する複数の光送信器の送信タイミングを時間的にずらす第2制御部をそなえたことを特徴とする、付記8又は9に記載の光ネットワークシステム。
複数の光入力ポートと複数の光出力ポートとを有し、該光入力ポートへの入力光の波長によって当該波長の光を出力すべき光出力ポートが定められる光合分波手段と、
該光合分波手段のいずれかの光入力ポート及び光出力ポートを経由する光を他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力する波長変換再入力手段とをそなえたことを特徴とする、光合分波装置。
該波長変換再入力手段が、
該波長可変型の光受信器で受信した光を電気信号に変換して該波長可変型の光送信器に入力し、当該光送信器にて該電気信号を該他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力するように構成されたことを特徴とする、付記11記載の光合分波装置。
該光合分波手段が、
光入力ポート数×光出力ポート数の単一の光カプラと、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長固定型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長固定型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長固定型の波長選択器と、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長可変型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記11記載の光合分波装置。
1−97〜1−128 波長可変型の光送信器(E/O)
2 128×128光カプラ
2−1 128×1光カプラ
2−2 1×128光カプラ
2−3 波長選択性の合波器
2−4 2×2光カプラ
2−5 波長選択性の分波器
2−6 32×1光カプラ
2−7 1×32光カプラ
2−8 32×128光カプラ
3−1〜3−96 波長固定型の波長選択光フィルタ(波長選択器)
3−97〜3−128 波長可変型の波長選択光フィルタ(波長選択器)
4−1〜4−96 波長固定型の光受信器(O/E)
4−97−4−128 波長可変型の光受信器(O/E)
5 光ファイバ
6 管理サーバ(第1制御手段,第2制御手段)
7 光伝送路
8 光カプラ
Claims (5)
- 波長固定型の光送信器と波長可変型の光送信器とを含む複数の光送信器と、
波長固定型の光受信器と波長可変型の光受信器とを含む複数の光受信器と、
上記の各光送信器からの光が入力される複数の光入力ポートと上記の各光受信器への光を出力する複数の光出力ポートとを有し、該光入力ポートへの入力光の波長によって当該波長の光を受信させるべき光受信器が定められる光合分波手段と、
いずれかの該光入力ポートに入力された光を該波長可変型の光受信器及び光送信器経由で他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力する波長変換再入力手段とをそなえたことを特徴とする、光ネットワークシステム。 - 該波長変換再入力手段が、
該波長可変型の光受信器で受信した光を電気信号に変換して該波長可変型の光送信器に入力し、当該光送信器にて該電気信号を該他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の光ネットワークシステム。 - 該光合分波手段が、
光入力ポート数×光出力ポート数の単一の光カプラと、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長固定型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長固定型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長固定型の波長選択器と、
該光カプラの各光出力ポートのうち、該波長可変型の光受信器と接続される光出力ポートについて設けられ、当該波長可変型の光受信器に受信させる波長の光を選択する波長可変型の波長選択器とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1記載の光ネットワークシステム。 - 該光合分波手段に同一波長の光が同時に入力されないように、該光送信器の送信タイミングを制御する制御手段をそなえたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ネットワークシステム。
- 複数の光入力ポートと複数の光出力ポートとを有し、該光入力ポートへの入力光の波長によって当該波長の光を出力すべき光出力ポートが定められる光合分波手段と、
該光合分波手段のいずれかの光入力ポート及び光出力ポートを経由する光を他の波長の光に変換して該光合分波手段に再入力する波長変換再入力手段とをそなえたことを特徴とする、光合分波装置。
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