JP2005268095A - 電子部品用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

電子部品用セパレータ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄膜で且つ高イオン伝導性であっても作業性、生産性を損なうことのない機械的強度を有しながら、微小短絡を起こさず、シャットダウン効果を始めとする高い安全性も持ち合わせた電子部品用セパレータを提供する。
【解決手段】 本発明の電子部品用セパレータは、フィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない平均孔径が50μm以下の貫通孔を有し、隣接する貫通孔間の最短距離の平均が100μm以下である微多孔樹脂フィルムの少なくとも一面及び/又は貫通孔内に、孔径0.1〜15μmの細孔を有する多孔質構造体が形成されており、そして微多孔樹脂フィルム表面又は/及び貫通孔内にフィラー粒子が保持されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品、例えば、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム二次電池等のリチウム二次電池または電気二重層キャパシタに使用されるセパレータおよびその製造方法に関する。
国際公開WO01/67536号公報 特開2003−317802号公報 特許第2992598号公報 特開2002−42867号公報 特開2003−317693号公報。
近年、産業機器、民生機器に関わらず電気・電子機器の需要増加及びハイブリッド自動車の開発により、電子部品であるリチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池の需要が著しく増加している。これらの電気・電子機器は小型化、高機能化が日進月歩で進行しており、リチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池においても、小型化、高機能化が要求されている。また、エネルギー密度の更なる向上も望まれており、リチウム金属そのものを電極とするリチウム二次電池の実現も望まれるところであるが、電池の充放電回数の増加に伴うデンドライトの成長が顕著であり、これに耐えうるセパレータが存在しないのが実情である。また、電気二重層キャパシタにおいては、電極容量の増大に伴い薄く透液性が良好で高強度のセパレータが望まれている。
リチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池は、活物質とリチウム含有酸化物とポリフッ化ビニリデン等のバインダーを1−メチル−2−ピロリドンと混合してアルミニウム製集電体上にシート化した正極と、リチウムイオンを吸蔵放出し得る炭素質材料とポリフッ化ビニリデン等のバインダーを1−メチル−2−ピロリドンと混合して銅製集電体上にシート化した負極と、多孔質電解質膜とを、正極、電解質膜、負極の順に捲回もしくは積層して形成された電極体に駆動用電解液を含浸させ、アルミニウムケースにより封止された構造のものである。従来、上記リチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池のセパレータとしてはポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン等のポリオレフィン系の多孔質膜や不織布が使用されている。
ところで、上記リチウムイオン二次電池及びポリマーリチウム二次電池は、前述の通り小型化が進んでいるためにセパレータも薄膜化が要求されている。しかしながら、従来のセパレータを薄膜化すると、正極、負極間で内部短絡が発生したり、電池の安全性に寄与するシャットダウン効果が発現できなくなったり、或いは電子部品を駆動させるために必要である駆動用電解液を十分保持できなくなるという問題が発生するのみならず、機械的強度の低下により製造工程での作業性、生産性を損ない、製品の信頼性の低下などの問題が発生する。なお、ここでいうシャットダウンとは、電池内温度が何らかの異常によって上昇した際に、140℃乃至150℃付近でセパレータの微細孔が閉塞されて電流の流れを止めてしまう現象である。
これらの問題を解決する目的で、従来種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、ポリオレフィンを延伸して作製される比較的透気度の値が高い微多孔樹脂フィルム(延伸膜)に針やレーザーで貫通孔を設けたものをセパレータとして使用することが提案されている。しかしながら、特許文献1には、貫通孔の孔径、隣接する貫通孔の距離、セパレータの膜厚等については何等考慮が払われていない。このような微多孔樹脂フィルムは、いずれもそれ自体がシャットダウン温度以上のメルトダウン温度域において大なり小なり収縮しやすい性質を有しており、その結果、電極間の短絡を起こしやすいという問題がある。
上記の延伸膜の電池性能を向上させる目的等で、比較的透気度の値が低い不織布をベースとし、その不織布に電解液に膨潤する多孔質樹脂体を複合したセパレータが提案されている。例えば、特許文献2、3および4には、不織布をベースとして多孔質樹脂膜を形成したセパレータおよびその製造方法が記載されている。しかしながら、これらの文献に記載のセパレータは、電池の安全性に寄与するシャットダウン効果が十分に発現されるものではない。
また、これらの文献には、不織布上に多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成する方法に関して、電解液を含んだ状態で不織布と樹脂を複合化するウェット製膜法、および電解液を含まない状態で複合化させるドライ製膜法が記載されているが、これら文献に記載の方法は、作業効率上、或いは形成されるセパレータの電池性能上で種々の問題があり、必ずしも満足すべき製造方法とはいえない。例えば、特許文献2には、多孔質膜の形成するためのドライ製膜法に関して、樹脂と有機溶媒及び可塑剤を塗布液化して不織布上に塗布し、有機溶媒を乾燥した後、可塑剤と親和性のある有機溶媒で可塑剤を抽出する方法、樹脂と可塑剤とよりなる溶融物を不織布上に塗布し、冷却により成形した後に、有機溶媒で可塑剤を抽出して多孔質膜を形成する方法、および樹脂を有機溶媒に溶解して得たドープを不織布に含浸させ、有機溶剤に親和性を示すが樹脂を溶解しない他の有機溶媒と接触させて相分離し、多孔質膜を得る方法等が開示されている。しかしながら、これらの方法は、溶媒により可塑剤を抽出する工程や有機溶媒と接触させる工程が加わるために、製造工程が増えて製造効率が低下するという問題がある。また、形成される多孔質膜の細孔が比較的小さな孔径となりやすいために透気度の値が高くなり、或いは表層にはスキン層が形成されて開口部が少なくなるほか、膜の内部に大きな空隙が生じるために、膜強度が低下し、短絡を起こすという問題を生じる場合がある。
リチウム系電池は、過充電された場合にデンドライトが発生するが、従来の延伸膜をセパレータとして用いたリチウム系電池の場合、過充電により発生したデンドライトが一気にセパレータを貫通することにより、正負極間の急激な短絡を生じ、電池内温度の上昇をきたして危険であり、電池性能を害するという問題がある。この問題を解決するものとして、例えば、特許文献4には、不織布にポリフッ化ビニリデンを内包させたセパレータを用いることが提案されている。この電池では、ポリフッ化ビニリデンが電解液により膨潤し、更には不織布に由来する多くの空隙があるために、微細なデンドライトが成長して、両電極間を過充電の初期段階で微小短絡させ(微細なデンドライトによる短絡)、それによって電池の温度上昇を抑えるものである。しかしながら、エネルギー容量の増大化のニーズに対応して電極の容積を大きく取ってセパレータを薄膜化した場合には、内部短絡が極めて起こりやすくなるという問題がある。
一方、特許文献5では、上記のような複合膜にポリエチレン粒子を内添する提案がなされており、そしてこの文献では、ポリエチレン粒子ができるだけ密に存在する方がポリエチレン粒子が製膜されやすくシャットダウン性が良好となる旨説明されている。しかしながら、このようなポリエチレン粒子が密な複合膜、あるいは必ずしも密ではなくとも、複合膜中でポリエチレン粒子及び多孔質構造体からなる樹脂体がそれぞれ空隙が少ない状態で含有される場合は、薄膜でも内部短絡は起こしにくくなるものの、ポリエチレン粒子がデンドライトの成長を抑えてしまう現象が発生したり、あるいは、内部構造が密となり過ぎると、同じくデンドライトの成長が抑制されるために、延伸膜の場合とほぼ同様に前記のデンドライト成長を利用した過充電時における安全性確保の効果は、十分には期待できない。したがって、薄膜化しても、内部短絡を起こさず、しかも過充電時の安全性と電池特性を高次元で両立できるセパレータの出現が望まれている。
以上述べたように、デンドライトに関するセパレータとしてのアプローチは大きくは2通りである。その一つは、充放電の繰り返しにより徐々に成長するデンドライトの成長を完全に食い止めるだけの強靭さを有するセパレータの設計であり、もう一つは、過充電等における微小デンドライトの成長をむしろ抑制せず、これを利用して早期に微小短絡を発生させて安全性を確保するセパレータ設計であり、これらの両方の要求を満たすセパレータが求められている。すなわち、従来のポレオレフィン系延伸型のセパレータや、その改良型のセパレータ、あるいは不織布を用いた複合型のセパレータでは、電池性能と安全性の両立化を図る上で種々の制約があり、今後の電池の高容量化に対応する際にも、困難な課題が多々存在するのが実状である。
本発明は、上記のような実状に鑑みて提案されたものであり、その目的は、薄膜で、且つ高イオン伝導性であるにもかかわらず短絡を起こさず、作業性、生産性が極めて良好であり、高い機械的強度を有し、極めて高い安全性を実現した電子部品用セパレータ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、検討の結果、セパレータの構成要素として、フィルム面の垂直方向に向かって、該樹脂フィルムの一方の面から他方の面の間において実質上遮蔽構造を有しない貫通孔を有する微多孔樹脂フィルムを用いることによって、上記の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子部品用セパレータは、厚さ2〜150μmを有するものであって、フィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない平均孔径が50μm以下の貫通孔を有し、隣接する貫通孔間の最短距離の平均が100μm以下である微多孔樹脂フィルムを少なくとも一つ有することを特徴とする。
そして本発明の第1の態様の電子部品用セパレータは、上記の微多孔樹脂フィルムそれ自身のみから構成される。本発明の第2の態様の電子部品用セパレータは、上記微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は内部にフィラー粒子を50g/m以下の範囲で含有するものであって、そのフィラー粒子の一次平均粒子径が、貫通孔の孔径の0.1〜95%であることを特徴とする。また、本発明の第3態様の電子部品用セパレータは、上記微多孔樹脂フィルムの少なくとも一面及び/又は貫通孔内に、平均孔径0.1〜15μmの細孔を有する多孔質構造体が形成されていることを特徴とする。さらに本発明の第4態様の電子部品用セパレータは、微多孔樹脂フィルム及び多孔質構造体の少なくとも一方の表面及び/又は内部にフィラー粒子を50g/m以下の範囲で含有するものであって、該フィラー粒子の一次平均粒子径が、貫通孔又は細孔のいずれか小さい方の孔径の0.1〜95%であることを特徴とする。また、上記それぞれの態様において、微多孔樹脂フィルムは、2枚以上重ねて配置されていてもよい。
また、本発明の電子写真セパレータの製造方法は、上記第3および第4の態様の電子部品用セパレータを製造する方法に関するものであって、その一つは、保持材面に、微多孔樹脂フィルムを載置する工程、該微多孔樹脂フィルムの上に、結着樹脂とその良溶媒及び貧溶媒を含有する塗布液を塗工する工程、形成された塗工層を乾燥して溶媒を除去することによって微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は貫通孔内に多孔質構造体を形成する工程、その後保持材面から剥離する工程を含むことを特徴とする。
他の一つは、保持材面に、結着樹脂とその良溶媒及び貧溶媒を含有する塗布液を塗工して塗工層を形成する工程、微多孔樹脂フィルムを上記塗工層に重ね合わせる工程、その後、乾燥して溶媒を除去することによって微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は貫通孔内に多孔質構造体を形成する工程、その後保持材面から剥離する工程を含むことを特徴とする。
上記の場合、微多孔樹脂フィルムとして、上記の一次粒子径を有するフィラー粒子を50g/m以下の範囲で表面及び貫通孔に保持させたものを用いでもよく、或いはまた、塗布液に上記の一次粒子径を有するフィラー粒子を含有させて1〜50g/mの含有量で付着するように塗布してもよい。
なお、本明細書において、「貫通孔内に多孔質構造体が形成される」とは、多孔質構造体を形成する樹脂による細孔が貫通孔内に形成されることを意味する。したがって、たとえば、貫通孔の孔径が多孔質構造体の細孔の孔径との間にあまり差がない場合には、貫通孔には、細孔が1つ形成されることになる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電子部品用セパレータを構成するフィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない貫通孔を有する微多孔樹脂フィルムとしては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミドおよびポリテトラフルオロエチレンから選ばれた樹脂よりなるものが好ましく使用されるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、熱収縮が少なく、また電解液に用いる有機溶媒やイオン性液体に対して溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。ポリオレフィン系樹脂では、特にポリエチレンやポリプロピレンが好適に用いられる。これらの樹脂フィルムは、過充電や過熱時において、電気化学反応の暴走を抑制するための所定温度域で熱溶融し、微多孔樹脂フィルムの貫通孔を塞ぐために安全性において良好な特性をもたらす。また、ポリエステルのうち、特にポリエチレンテレフタレートは、上記所定温度域においては溶けないものの、熱収縮が少なく、比較的高温域においても電極間の短絡を生じないために好適に用いられる。また、ポリエチレンナフタレート(PEN)や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドは、電解液やイオン性流体への耐性が良好であり、耐熱収縮性も良好なことから、本発明では好適に用いることができる。また、本発明において、微多孔樹脂フィルムは貫通孔のみを有するものが好ましい。
図2は微多孔樹脂フィルムの貫通孔について説明するためのものであって、図2(a)は微多孔樹脂フィルムの平面図、図2(b)は断面図、図2(c)は、平面図の部分拡大図である。本発明においては、微多孔樹脂フィルムは、貫通孔の孔径a(図2(c)参照)が平均孔径として50μm以下であることを特徴とし、好ましくは0.1〜30μmの範囲である。aが0.01μm未満であるとイオン伝導性が阻害されやすい。一方、aが50μmを越えると、短絡を起こしやすくなり、後述する多孔質構造体と複合しても電子部品の通常使用環境下でも短絡を起こすことがある。
また、本発明において、微多孔樹脂フィルムは、隣接する貫通孔間の最短距離b(図2(c)参照)の平均が100μm以下であることを特徴とし、好ましくは、0.1〜50μmの範囲である。bは後述のフィラー粒子を使用する場合には、その一次平均粒子径との関係を考慮しなければならないが、bの平均が0.01未満の場合は、微多孔樹脂フィルムの機械的強度が劣る場合があり、捲回時に破断しやすくなるなどの不都合を生じやすい。一方、bの平均が100μmを越す場合には、上記の機械的強度は問題ないものの、貫通孔の孔径が小さい場合には、イオン伝導性が低下する不都合が生じる場合がある。
なお、本発明において、貫通孔の平均孔径および隣接する貫通孔間の最短距離の平均は、次のようにして測定した値である。すなわち、微多孔樹脂フィルムの貫通孔を電子顕微鏡で確認し、ランダムに貫通孔を100個選択した後、その平均値を平均孔径とする。また、同様にランダムに貫通孔を100個選択した後、その個々の貫通孔における最短距離の平均を隣接する貫通孔間の最短距離の平均とする。
本発明に用いる微多孔樹脂フィルムの膜厚は、セパレータの用途に応じて適宜決めればよい。電池については、近年の電池容量アップにともなって、電極をできる限り厚くすることが望まれているが、電極による容量増加分をセパレータを薄くすることによって相殺するために、膜厚は20μm以下であることが望ましい。また、電気二重層キャパシタ等の電子部品において、電解液を多量に保持する必要がある場合には、更に膜厚をあげることも必要な場合がある。
本発明の電子部品のセパレータにおいて、上記の微多孔樹脂フィルムは、それを複数枚配置した構成にしてもよい。図3は、後述するフィラー粒子を付着させた場合についてのものではあるが、上記の微多孔樹脂フィルムを2枚配置した構成のセパレータの一例の模式的断面図である。図3において、1は微多孔樹脂フィルム、1aは貫通孔、2はフィラー粒子を示す。本発明においては、図3に示すように、貫通孔が垂直方向に直接的に貫通しない位置に2枚以上を配する構成を採用することができる。このような構成をとることによって、過充電や充放電サイクル時において発生するデンドライトの成長を、上記の微多孔樹脂フィルムの少なくともソリッドな樹脂部分において確実に止めることが可能であり、リチウムイオン二次電池やリチウムポリマー二次電池のみならず、リチウム金属を用いた場合に発生するデンドライトによる充放電サイクル早期の短絡をも防止することが可能となる。しかしながら、本発明において2枚以上の微多孔樹脂フィルムを重ねる場合に、同一構造のものを用い、貫通孔の位相が同じでセパレータ表面に対して垂直方向に貫通孔が連通した状態になっているものでもよい。更には、本発明においては、セパレータとして本発明を満足するものであれば、異なる構造のセパレータを重ね合わせて用いてもなんら構わない。また、正極に接するセパレータと負極に接するセパレータをそれぞれ設計して、それらを重ね合わせて用いてもよい。なお、複数枚の微多孔樹脂フィルムを用いる場合、例えば図3に例示するように、複数の微多孔樹脂フィルムの間に後述のフィラー粒子を装填することにより、イオンの流通路を形成するなどの工夫を施すことが電池性能上は望ましく、また、このフィラー粒子を例えば、ポリエチレン粒子とすることにより、シャットダウン効果も発現できるようにすることも可能である。しかしながら、本発明では、少なくともイオン伝導度が良好であれば、必ずしも上記のようなフィラー粒子を用いなくてもよい。
本発明では、前記微多孔樹脂フィルムの少なくとも一面及び/又は貫通孔の内部に多孔質構造体が形成されているのが望ましい。すなわち、電極面の平滑性が極めて高い場合、電極間の電気化学的な反応は微多孔樹脂フィルムの貫通孔が存在する部分で局所的に起こる場合があるが、多孔質構造体を微多孔樹脂フィルムと複合して表面に配することにより、電極面の全域にわたって電気化学反応を均質化することが可能になる。つまり、本発明における多孔質構造体の表面は非常に均質な多孔質構造となっているために、電気化学反応を電極面の特定個所に集中させることなく均質化する効果があると考えられる。
本発明において、多孔質構造体の細孔は、バブルポイント法による平均孔径が0.1〜15μmであることが必要であり、好ましくは0.5〜5μmの範囲である。細孔の平均孔径が0.1μm未満であると、フィラー粒子を含有させた場合、フィラー粒子が非常に強固に二次凝集する場合があり、その結果、イオン伝導性を阻害することがある他、電解液の含浸性が低下する傾向や、上記した微小なデンドライトの成長を阻害する場合があり、好ましくない。一方、15μmを超えると、シャットダウン性に問題を生じる場合がある他、薄膜化した場合に常温使用時においても短絡を生じる場合がある。なお、バブルポイント法による孔径の測定は、西華産業社製のポリメーターで行なった。
本発明において、上記の多孔質構造体を形成する樹脂としては、実質的に溶媒可溶型の樹脂が好ましい。また、いわゆるポリマー電解質に用いられる樹脂を選択してもよく、それにより、電解液の保持性や電解液の注液性が向上するほか、安全性の向上やサイクル特性の向上をも図ることができる。特に、前記溶媒可溶型の樹脂としては、ポリフッ化ビニリデンまたはフッ化ビニリデン共重合体等が最も望ましい。ポリフッ化ビニリデンを用いた場合は、一般的な電解液に対する耐性が良好であるために、電解液に濡れても多孔質を維持しやすいことから、イオン伝導を阻害せず、しかも電解液を保持しやすいために安全性やサイクル特性の向上に対しても効果的であり、本発明において好適に用いられる。また、フッ化ビニリデン共重合体、例えばフッ化ビニリデン−ヘキサフロロプロピレン共重合体を混合して用いれば、電極との密着性を適度に与えることも可能であり、サイクル特性を更に向上することが可能となる。フッ化ビニリデン共重合体としては、上記の例示に必ずしも限定されるものではなく、上記の様々な特性を考慮して種々選択して用いればよい。また、上記の例のように複数種を複合して用いても何らかまわない。また溶媒可溶型の樹脂としては、上記のフッ化ビニリデン樹脂に限らず、上記の利点を発現するものであれば、いずれも本発明において好適に使用することができる。例えば、ポリアクリロニトリルや、ポリエチレンオキサイド等のゲル電解質と称される樹脂は、いずれも本発明において好適に用いることができる。
なお、フッ化ビニリデンホモポリマーは、フッ化ビニリデンのモノマーの付加重合反応により得られ、その重合方法としては、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、光・放射線重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等を挙げることができる。また、フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデンと他のモノマー、例えばエチレン、プロピレン等の炭化水素系単量体、フッ化ビニル、3フッ化エチレン、3フッ化塩化エチル、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、フルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素単量体、マレイン酸モノメチル、シトラコン酸モノメチル等のカルボキシル基含有単量体、又はアリルグリシジンエーテル、クロトン酸グリシジルエステル等のエポキシ基含有ビニル単量体等との共重合体を挙げることができる。これらの中でも、特に、フッ化ビニリデンと4フッ化エチレン又は6フッ化プロピレンのいずれか1種類以上とからなる共重合体が好ましい。
本発明においては、前記微多孔樹脂フィルム及び多孔質構造体の少なくとも一方の表面及び/又は内部にフィラー粒子を含むことが望ましい。フィラー粒子の材質は、有機電解液やイオン性液体に対して耐性があれば、無機、有機を問わず、いずれのものであっても使用可能であるが、形状や粒子径分布の均一性から、有機化合物からなるものが望ましい。形状や粒子径が均一であることは、前記貫通孔の孔径設計と合わせて本発明では重要となる。また、シャットダウン特性を付与するためには、ポリオレフィン系の樹脂粒子、特に、ポリエチレンやポリプロピレンからなる粒子が望ましい。なぜならば、上記のように、貫通孔や多孔質構造体内部の細孔にこれらの粒子が装填された場合は、所定の温度においてこれらの粒子が熱溶融し、孔を塞ぐことにより、電気化学反応の暴走を止めることが可能になるためである。なお、その場合、フィラー粒子としては軟化点が異なる2種類以上のものを用いるのが好ましい。
本発明において、微多孔質樹脂フィルムの表面及び貫通孔、及び多孔質構造体の表面及び/又は内部の少なくともいずれかに保持されているフィラー粒子の含有量は、50g/m以下であることが必要であり、望ましくは30g/m以下の量を含有させる。含有量が50g/mよりも多くなると、セパレータの膜厚が厚くなりすぎたり、イオン移動を阻害することによりインピーダンスの増大を招く。一方、下限量については、本発明では必ずしも限定しなくてもよいが、1g/m未満の使用量の場合は、電池の安全性に寄与するシャットダウン効果が得にくくなる場合があるので、1〜50g/mの範囲が好ましく、1〜30g/mの範囲がより好ましい。
本発明において、貫通孔及び多孔質構造体の細孔の孔径と、フィラー粒子の一次粒子径との寸法制御はイオン伝導性や過充電特性の向上のために非常に重要である。本発明においては、フィラー粒子の一次平均粒子径は、貫通孔の孔径及び細孔の孔径のいずれか小さい方の孔径の0.1〜95%であることが必要である。この値が0.1%未満であると、電池内部の温度が通常使用温度域よりも上昇した場合に、フィラー粒子が溶融して多孔質構造体の細孔及び微多孔樹脂フィルムの貫通孔を塞ぐことが困難となるため、電池の安全性を維持する上で不具合が生ずる場合がある。一方、95%よりも高い場合は、セパレータの細孔又は貫通孔の隙間が狭くなる場合があり、イオン伝導性などの電池性能を左右する種々の特性を阻害する場合があるほか、フィラー粒子が微細なデンドライトの成長を阻害することがあり、耐過充電特性に対する利点がなくなる。すなわち、本発明においては、多孔質構造体の細孔及び貫通孔の孔径に応じて、本発明のフィラー粒子の一次粒子径を少なくとも多孔質構造体の細孔または貫通孔との間に適度の隙間を作る領域で設計することにより、過充電防止に効果のある微小デンドライトの生成及びその電極間の微小短絡を阻害しないセパレータの設計が可能になる。図4は、上記の状態を説明するためのもので、微多孔樹脂フィルム1の貫通孔1aにフィラー粒子2を含ませた場合の模式的断面図である。なお、本発明において、粒子の一次平均粒子径とは、SEM写真にて、粒子の長径及び短径の平均値を粒子径として、サンプリング粒子数n=100の平均値である。
上記のごとく、本発明においては、フィラー粒子の一次平均粒子径を該多孔質構造体の細孔または貫通孔の孔径より若干小さい範囲に設計することにより、通常使用の温度条件では該多孔質構造体の細孔や貫通孔を閉塞することがなく、したがって、従来のセパレータと同等かまたはそれ以上の電池性能を付与することができる。さらに、本発明の別の効果として、フィラー粒子の存在により、セパレータの密度をあげることができるため、従来のフィラー粒子が存在しない多孔質構造体あるいは不織布と多孔質構造体の複合体だけから構成される単層あるいは複合膜セパレータに比して、優れた効果を生じる。すなわち、例えば20μm程度以下に薄膜化した場合に頻発していた短絡が、本発明のフィラー粒子を含有させたセパレータでは発生せず、通常使用温度域での短絡を防ぐことができ、電池歩留まりを格段に向上できる利点をも有する。なお本発明において、フィラー粒子は、その一次平均粒子径が小さいものであっても、凝集良分散体としてセパレータ内に存在せしめることで多孔質構造体の細孔及び貫通孔におけるフィラー粒子との間隙を自由に制御することも可能である。したがって、複数の材質あるいは一次平均粒子径の異なるフィラー粒子を自由に組み合わせて使用することが可能である。
また、本発明では、セパレータの片面からもう一方の面に向かって、連通した孔が多々存在することが望ましいが、微多孔樹脂フィルムと多孔質構造体を複合したセパレータ面の場合は、実質的に垂直方向にピンホール状の貫通孔を有さないことが望ましい。ここで、貫通孔とはセパレータのいずれか一方の面から、もう一方の面を実質的に垂直に見た時に、セパレータを構成する部材で全く覆われずに、貫通して見える孔を意味する。このような貫通孔を有するセパレータは、短絡を起こしやすく、従って充放電性能を阻害する場合がある。しかしながら、本発明の微多孔樹脂フィルムだけからなるセパレータの場合は、膜厚および貫通孔の孔径を前記の範囲に設定するか、フィラー粒子を前記のとおり含有させることによって、これらの問題が回避することができる。すなわち、膜厚をある程度大きくするか、貫通孔径を小さくする等の工夫、あるいは、図4に示すように、フィラー粒子を貫通孔に内添し貫通している部分を少なくする等の工夫、及び、電池やキャパシタ容量が小さい場合など、膜設計、及び使用用途を考慮することで、何ら問題なく良好に用いることができる。
また、本発明のセパレータは、例えば、図3に示すように微多孔樹脂フィルムを複数枚重ねて用い、しかも、貫通孔が等間隔で存在するような構成をとることにより、セパレータ面との垂直方向に対して、微多孔樹脂フィルムに由来する貫通孔の先にソリッドなフィルム面が必ず存在する構成をとることで、デンドライトが成長し貫通孔を通り抜けてもソリッドなフィルム面がデンドライトの成長を止めることが可能であるために、リチウム金属を電極とするリチウム二次電池でも好適に使用することが可能である。
以上、述べたように、本発明の電子部品用セパレータでは、過充電時、或いはリチウム金属を電極として用いた場合に成長しやすいデンドライトに対して2つの面から対処がなされる。つまり、本発明では、強靭な微多孔樹脂フィルムによって、完全にデンドライトの成長を阻害し遮断してしまうか、或いは、膜設計上、デンドライトの早期の成長を阻止せず、電気化学反応が暴走する前にデンドライトによる微小短絡を早期に起こすことを可能ならしめる空隙、すなわち貫通孔を、デンドライトが成長する方向、したがって、セパレータ表面に対して垂直方向に、積極的に設けることによって安全性を保持するのである。これらの設計思想は、電気化学素子の用途やエネルギー容量等の要求に応じてどちらに重点をおくか適宜選択すればよい。前者に重点をおいた場合は、リチウム金属を電極とする電池では非常に効果的である。一方、後者に重点をおいた場合は、垂直方向への遮蔽物が前者に比べて少ないために、過充電時の微小デンドライトの成長を阻止することがなく、電池性能と、過充電時の安全性の両立が図りやすい。
次に、多孔質構造体が形成された電子部品用セパレータの製造方法について述べる。本発明においては、前記多孔質構造体を塗工法によってのみ形成し、塗工後の塗面に含まれる溶媒を除去する工程において、他の溶媒による溶媒置換や抽出などの手段を用いず、実質的に乾燥工程の1パスだけで多孔質構造体を形成することを特徴とする。本発明においては、後述するように、塗布液中に、少なくとも樹脂を実質的には溶解しない溶媒(貧溶媒)及び樹脂を実質的に溶解する溶媒(良溶媒)とともに添加するが、乾燥工程の条件を制御することによって、両溶媒の除去を効率的に行うことができる。多孔質フィルムを貧溶媒を用いて乾燥工程だけで作る技術は、古くから知られているが、本発明者らは、両溶媒の乾燥のしやすさや、乾燥工程における風量設定によって、膜性能が大きく変化することや、製造効率に多大な影響があることを見出し、本発明を成すに至った。すなわち、加熱・送風乾燥によるセパレータ性能への影響は非常に大きく、具体的には、両溶媒の沸点や蒸気圧で決まる乾燥速度、及び、両溶媒の乾燥のタイミング、送風量が非常に重要である。良溶媒及び貧溶媒は後述するような種々の溶剤があげられるが、共沸や、乾燥の温度差及び蒸気圧の差が大きい組み合わせは、ピンホールに代表される貫通孔の発生頻度を高める点で好ましくなく、また製造効率上も望ましくない。良溶媒と貧溶媒の沸点差は、50℃以内、更に好ましくは、30℃以内とすることが製造効率上好ましい。50℃を超す範囲では、製造のプロセス速度が上げられないほか、乾燥エネルギーが大きくなり好ましくない。また、50℃を超す範囲では、乾燥条件を段階的に設定する場合には、プロセス方向への瞬時の条件切り替えが実質的に不可能となるために、大量生産には向いていない。
例えばフィラー粒子としてポリエチレン粒子等のポリオレフィン系樹脂からなるフィラー粒子を含むセパレータを作製する場合、フィラー粒子ができるだけ溶融しない温度条件が好ましいが、フッ化ビニリデン樹脂を溶解可能な溶媒は沸点が高いものが多いために、実質的には70〜180℃の加熱温度が必要となる。このため、乾燥風量を多くすることで乾燥を早期に行いつつ、更にはプロセス速度を上げて、できるだけ短時間で乾燥を終了することにより、本発明のセパレータを得ることができる。加熱温度が70℃以下であると、乾燥効率が悪く製造効率があがらない。一方、180℃を越える温度範囲では、フィラー粒子の多くが溶融してしまうために、シャットダウン機能の付与に悪影響がある。また、一般的には、乾燥条件は段階的な設定を行い、良溶媒を先に乾燥させた後に貧溶媒を乾燥させることが多孔質構造体を作製する上では好ましいが、セパレータの膜性能上は、共沸しなければ、両溶媒を必ずしもはっきりと分けて乾燥しなくてもよく、多孔質構造体の空隙率や、孔径の制御を適宜行いつつ乾燥条件を決定することが望ましい。
本発明では、上記のように溶媒処方の組み合わせ及び乾燥温度並びに送風量の条件を適宜選択すること等で、セパレータのシャットダウン機能及びその他の電池性能の最適化と、製造効率向上の両立が実現できる。また、本発明では、上記の如く、溶媒などにより貧溶媒や残留溶媒を除去する工程を設けることなく、塗工後に乾燥工程を一度通すだけで、セパレータに最適な多孔質膜を簡便に製造することができるので、製造効率が非常に良好なことから、安価で良質なセパレータを大量に提供することが可能となる。
また、本発明では、前記多孔質構造体を形成するための塗布液に、溶媒可溶型樹脂を溶解する良溶媒を少なくとも2種以上含み、かつ、溶媒可溶型樹脂を溶解しない貧溶媒を少なくとも1種以上含むことが望ましい。塗布液のハンドリング性からは、塗布液の粘度をある程度低くすることが重要であるため、比較的低粘度である補助的な良溶媒を、これとは異なる主たる良溶媒と併用することが望ましい。このような補助的良溶媒の選択は、上記の溶媒粘度のほか、前記の貧溶媒との乾燥バランスや、溶媒同士の共沸を考慮して選択すればよい。本発明における補助的良溶媒は1種類に限らず複数種用いてもよく、また、実質的に樹脂を溶かさない貧溶媒でなければ、上記の選択指針によって適宜選択すればよく、いずれのものも使用できる。
また、本発明においては、塗布液にはフィラー粒子を分散させたものを用いてもよい。或いは、フィラー粒子は予め微多孔樹脂フィルムの表面又は内部に保持させ状態で、フィラー粒子を含まない塗布液を用いて多孔質構造体を形成してもよい。
本発明において、フッ化ビニリデン樹脂及び貧溶媒等を溶解した塗布液において、前記溶媒として吸湿性が高いものを用いる場合には、できる限り水分の混入を防ぐことが必要である。本発明では、塗布液は、カールフィッシャー法による測定で水分量が0.7重量%以下であることが必要であり、好ましくは、0.5重量%以下である。水分量が0.7重量%を超すと、ゲル化が早期に進み塗布液の保存期間が極端に短くなったり、形成される多孔質構造体の膜厚が著しく不均一なものとなり、膜厚が厚いところでは塗布液が水分混入によるゲル化によって平均孔径が極端に小さくなり、0.1μm未満の孔径の割合が多くなる。また、ゲル化が溶媒の乾燥によって固化する際に収縮するため、膜厚の薄い部分(非ゲル部分)を引っ張って、15μmを越える孔径の割合が多くなる。そしてゲルは部分的な発生であるため、全体として多孔質構造体は孔径が大きい部分が多くなり、結果として、バブルポイント法による平均孔径は15μmを越えた大きなものとなり、そしてフィラー粒子の一次平均粒子径が孔径の1%より低い値になる。また、ゲルの固化部分では、局所的にイオン移動が低下するため、電池性能が低下するほか、サイクル特性にも悪影響を及ぼす。
本発明の前記塗工法において、保持材、例えば、樹脂フィルム上に、予め前記微多孔樹脂フィルムを重ねた上に、前記多孔質構造体を形成するための塗布液により塗工層を形成し、それによって、前記多孔質構造体を形成するための溶媒可溶型樹脂と、前記微多孔樹脂フィルムとを一体化する。或いはまたは、前記塗工法において、樹脂フィルム上に前記多孔質構造体を形成するための塗布液により塗工層を形成し、次いで前記微多孔樹脂フィルムを重ね、それによって前記多孔質構造体を形成するための溶媒可溶型樹脂と、前記微多孔樹脂フィルムとを一体化する。
本発明においては、上記いずれの方法も好適に用いられるが、例えば貫通孔の総容積に由来する空隙率が大きい場合は、後者の方法が好ましい。すなわち、前者の場合は、樹脂フィルム上に微多孔樹脂フィルムを重ねた上に塗布液を塗工するために、微多孔樹脂フィルムの貫通孔内に空気が残存しやすく、塗工欠点となる場合があるためである。しかしながら、前者の製法は後者のように、塗布液を樹脂フィルムに塗工後、湿潤状態にある塗工面の上に微多孔樹脂フィルムをウェットラミネーションによって重ねる後者の方法と比べて、予め微多孔樹脂フィルムを保持材である樹脂フィルムと同軸に捲いておくことが可能であるため、より効率の良い製造が可能である。このため、空隙率が比較的低く成膜性に問題のない微多孔樹脂フィルムの場合には、前者の方法が適している。微多孔樹脂フィルムの空隙率、したがって、貫通孔の総容積は電池設計を優先して決めるべきであり、その設計要求によって微多孔樹脂フィルムの複合方法を適宜選択すればよい。後者の方法では、例えば微多孔樹脂フィルムの空隙率の大小に関わらず、塗工欠点のない均質なセパレータを製造することが可能であるが、本発明では、例えば上記の空隙率に代表される微多孔樹脂フィルムの諸物性によって、製造方法を適宜選択することにより、いずれの製法でも均質なセパレータを製造することが可能である。
本発明においては、上記の微多孔樹脂フィルムとの複合方法において、前記樹脂フィルムの使用が非常に重要である。樹脂フィルムの選択は、樹脂フィルム上に塗工される塗布液との親和性及び形成される多孔質構造体との剥離性に関連して形成される多孔質構造体の性状に影響を及ぼす。本発明では、多孔質構造体に対する剥離強度が0.1〜75g/20mmであり、より好ましくは0.1〜40g/20mmである樹脂フィルムを選択することが好ましい。すなわち、塗工、乾燥後の樹脂フィルム上に形成された多孔質構造体を20mmの幅で切り出したテープ状の試験片を準備し、その試験片に端部における多孔質構造体の一部を剥離し、その端部における多孔質構造体の端部と、もう一方の剥離していない端部とをテンシロンの上下のチャックにそれぞれ固定し、50mm/secの速度で引っ張り測定した場合に得られる剥離の引っ張り荷重を5点測定し、その平均値を、上記切り出し幅である20mmの幅で割った値を剥離強度として評価値とする。
本発明においては、上記で定義される剥離強度は0.1〜75g/20mmが好ましく、より好ましくは0.1〜40g/20mmである。すなわち、特にウェットラミネーションを用いる場合には、前記の如く微多孔樹脂フィルムを複合する前に樹脂フィルム上に塗布液を塗工するが、樹脂フィルムの剥離強度が0.1g/20mm未満のような比較的離型性が良好な樹脂フィルムでは、塗布液粘度が低い場合には塗工直後の湿潤状態にある塗工面が安定せず塗布液の単位面積あたりの塗布量が、塗工直後からウェットラミネーションを実施するまでの間で変動してしまい、セパレータの面方向で多孔質構造体の単位面積あたりの重量が変動してしまう。この現象は本質的には、樹脂フィルムの表面張力に由来するものである。また、これとは別に、樹脂フィルムの剥離強度が0.1g/20mm未満の場合には、乾燥工程においてセパレータが樹脂フィルムから剥離する場合があり好ましくない。一方、75g/20mmを超すような接着性が高いフィルムでは、上記のような変動は認められないが、樹脂フィルムからセパレータを効率的に剥離し取り出すことが困難となるため好ましくない。
一方、樹脂フィルム上に微多孔樹脂フィルムを重ねておいた上に塗工する本発明のもう一つの塗工方法においては、塗布液が直接的に微多孔樹脂フィルム上に塗工されるために塗布液は塗工後において微多孔樹脂フィルムに絡むため流動しにくく、樹脂フィルムの剥離強度が0.1g/20mm未満の場合であっても、上記のような重量バラツキの問題点は発生しないが、乾燥工程においてセパレータが樹脂フィルムから剥離する場合があり好ましくない。また、剥離強度が75g/20mmを越す樹脂フィルムを用いる場合には、樹脂フィルムからセパレータを効率的に剥離し取り出すことが困難となるため好ましくない。
また、剥離強度が上記範囲にある樹脂フィルムを用いる別の利点として、以下に述べる内容が多孔質構造体の細孔の孔径を制御する上で重要である。即ち、上記のいずれの複合方法においても共通するが、剥離強度を0.1g/20mmに近い低い範囲に設計した場合は、樹脂フィルムの接するセパレータ面の細孔の孔径が、塗工表層にあたるセパレータ面にくらべて大きくなり、逆に75g/20mmに近く高い範囲に設計する場合は、樹脂フィルムの接するセパレータ面側の細孔の孔径が、塗工表層にあたるセパレータ面にくらべて小さくなる。また、0.1g/20mm未満の場合は、樹脂フィルムに接する側のセパレータ面の細孔が閉塞する場合があり、75g/20mmを超す場合は、塗工表層にあたるセパレータ面の細孔が閉塞しやすくなる場合がある。この現象の原因は必ずしも明らかではないが、微多孔樹脂フィルムの表面張力が異なる材質を用いた場合でも同様の孔径の表裏非対称性が生ずることから、表面張力の強さによって生ずるものと考えられる。したがって、本発明では、電池設計からの要求から微多孔樹脂フィルムの材質を固定しても、その微多孔樹脂フィルムに複合される多孔質構造体の表裏における細孔の孔径の対称性を、樹脂フィルムの表面性で制御することが可能となる。
従来のポリエチレンやポリプロピレンによる延伸膜では、シャットダウン温度域から更にそれ以上の温度域においてシュリンクしやすい欠点があったが、本発明のセパレータでは、微多孔樹脂フィルム自体がシュリンクしにくく、電極間の直接的な短絡を防ぐことが可能であるとともに、上記の熱溶融するフィラー粒子を用いた場合、熱溶融により貫通孔を塞ぎ、シャットダウン効果を発揮する。このメカニズムは従来の如何なるセパレータのものとも異なっている。特に、本発明では、上記のような一定の孔径の貫通孔及び細孔を一定の粒子径を有する粒子が埋める構成をとることによって、フィラー粒子と貫通孔及び細孔との隙間は非常に精密に規定されるために、シャットダウン温度域でのシャットダウン速度を非常に素早くすることが可能になる。
上記の如く本発明に係るセパレータは、薄膜で且つ高イオン伝導性であっても作業性、生産性を損なうことのない機械的強度を有しながら、通常使用環境化で微小短絡を起こさず、シャットダウン効果他の機能付与による過充電に対する高い安全性も持ち合わせた優れたセパレータであり、リチウム系二次電池全般、キャパシタ等に好適に用いられるものである。
本発明の電子部品用セパレータは、微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は貫通孔の内部にポリフッ化ビニリデンに代表される溶媒可溶型の樹脂からなる多孔質構造体及び/又は1種類以上のフィラー粒子が含まれるものが望ましい。
上記の場合、多孔質構造体は微多孔樹脂フィルムの一面又は表裏両面に多孔質膜の状体で設けられる。多孔質構造体は、微多孔樹脂フィルムの貫通孔内に形成されてもよい。また、フィラー粒子は、微多孔樹脂フィルムの貫通孔の内部及び多孔質構造体の細孔に付着した状態になっている。
図1は、微多孔樹脂フィルムの表裏両面に多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した場合の模式的断面図であり、図9は、微多孔樹脂フィルムの一面に多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した場合の模式的断面図であって、これらの図において、1は微多孔樹脂フィルム、1aは貫通孔、2はフィラー粒子、3は多孔質構造体である。なお、これらの符号は以下の図においても同様のものを意味する。
本発明においては、微多孔樹脂フィルムの表面及びまたは貫通孔の内部に保持された溶媒可溶型の樹脂は、多孔質構造体の状態になっているであることが、電池に用いた場合のイオン伝導性が優れているために必要であるが、通常の使用環境における短絡を防ぐために、多孔質構造体は、電子部品用セパレータの片面からもう一方の面に多数の細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径はセパレータの厚さより小さいことが重要である。
以下に本発明のセパレータの製造方法について一例を挙げるが、本発明のセパレータの製造方法はこれのみに限定されるものではなく、他の製造方法でも本発明のセパレータを製造することは可能である。
本発明の電子部品用セパレータにおいては、微多孔樹脂フィルムの表面および内部にポリフッ化ビニリデンに代表される溶媒可溶型樹脂が含まれているものが最も好ましい。このような電子部品用セパレータを得るためには、保持材である樹脂フィルムに重ね合わせた微多孔樹脂フィルムに溶媒可溶型樹脂の良溶媒及び貧溶媒を含む溶液を塗布した後乾燥するか、あるいは、保持材である樹脂フィルムに溶媒可溶型樹脂の良溶媒及び貧溶媒を含む溶液を塗布した後、更に微多孔樹脂フィルムをウェットラミネーションにより貼り合わせた後に乾燥する方法が望ましい。しかしながら、樹脂フィルムを用いず微多孔樹脂フィルムに直接塗工するか、あるいは、微多孔樹脂フィルムを直接溶媒可溶型樹脂の良溶媒及び貧溶媒を含む溶液に含浸した後乾燥することによっても得ることができる。
上記の方法により微多孔樹脂フィルムの貫通孔の内部に溶媒可溶型樹脂よりなる多孔質構造体が形成されるとともに、微多孔樹脂フィルムの片面又は両面に溶媒可溶型樹脂よりなる多孔質構造体の膜が形成される。
具体的には、例えば、溶媒可溶型樹脂としてフッ化ビニリデン樹脂を用いた場合は、次のような方法が挙げられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
すなわち、最初にフッ化ビニリデン樹脂を溶媒に分散、溶解させる。溶媒としてはフッ化ビニリデン樹脂が溶解するもの(以下、これを良溶媒という)を選択しなければならない。良溶媒の例として、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド等が挙げられる。分散、溶解方法としては市販の攪拌機を使用して行うことができる。フッ化ビニリデン樹脂は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシドに室温で容易に溶解するので、特に加熱する必要はない。その後、フッ化ビニリデン樹脂が溶解しない溶媒(以下、これを貧溶媒という)を更に混合する。貧溶媒としては、良溶媒より沸点の高い溶媒を選択する。貧溶媒の例として、フタル酸ジブチル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。フッ化ビニリデン樹脂の濃度としては、得るべきセパレータの特性を考慮に入れ適宜変更する必要がある。
次に、保持材である樹脂フィルムに重ね合わせた微多孔樹脂フィルムに、前記で得た溶媒中のフッ化ビニリデン樹脂を前記微多孔樹脂フィルム上に塗布する。保持材としてはポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の可とう性のある樹脂フィルムが望ましいが、ガラス板等の剛直板であっても使用可能である。樹脂フィルムや剛直板には離型処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。これらの保持材の中でも、上記のように柔軟性を有する樹脂フィルムが電子部品用セパレータの表面保護膜の機能も有するため好ましい。又、保持材として柔軟性を有する樹脂フィルムを用いた場合は、下記の乾燥工程後、樹脂フィルムに電子部品用セパレータが保持されたままの状態の積層物を巻き取って保管・搬送することも可能となるため好ましい。
フッ化ビニリデン樹脂を微多孔樹脂フィルム上に塗布する方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等により塗布又はキャスティング法等を挙げることができる。これにより、微多孔樹脂フィルムの内部にフッ化ビニリデン樹脂が含まれる。次に、塗布された微多孔樹脂フィルム上のフッ化ビニリデン樹脂を含む塗布液から溶媒を乾燥により蒸発させることにより、本発明の電子部品用セパレータを得ることができる。本発明の電子部品用セパレータは、保持材の樹脂フィルムから剥離して使用される。
本発明の上記セパレータは、従来の有機溶媒系の電解液への親和性が良好であるとともに、フッ化ビニリデン樹脂が、イオン性液体との親和性が非常に良好であるために、イオン性液体への親和性も非常に良好である。また、特にイオン性液体は現在リチウムイオン二次電池やリチウムポリマー二次電池などで使われている有機溶媒系の電解液に比べて粘性が高く、従来型のポリオレフィン系セパレータでは透液性が悪いために問題であったが、これら従来型のセパレータに比べて、本発明のセパレータは細孔の孔径を大きくすることが可能であり、しかも貫通孔を有するために透液性が良好となり、電池性能の向上に大きく寄与できる。
以下に、本発明の電子部品用セパレータを実施例によって説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、本発明においては、セパレータと上記樹脂フィルムとが直接接しない面及び接する面の両方をバブルポイント法で測定し、両者を比較の上、孔径が小さい方を本発明の平均孔径の測定値とした。厚さ方向の孔径分布は電子顕微鏡により観察した。なお、本発明における多孔質構造体の細孔の孔径は、塗布液化及び乾燥条件やプレス条件を適宜選択することで制御した。
重量平均分子量30万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が10重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.6重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルムの上に、貫通孔の孔径aが7μm、隣接する貫通孔の最短距離bが10μm、且つ、厚さが8μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径5μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子を1g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルム上に、上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、塗布液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質層を有する厚さが20μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造を模式的に図1に示す。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は15g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造を有することを確認した。バブルポイント法によりこの細孔の平均孔径を測定したところ、6.0μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径は多孔質構造体の細孔の孔径に対して83.3%であることを確認した。
重量平均分子量30万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が5重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.65重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが3μm、隣接する貫通孔の最短距離bが7μm、且つ、厚さが6μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径1μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子と、粒径が1μmで軟化点が132℃のポリエチレン粒子を15g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルム上に、上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、塗布液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが10μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は0.5g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は殆ど認められなかったが、若干、保持材である樹脂フィルムと接する面側が接しない面側より孔径が大きい傾向にあることを確認した。バブルポイント法によりこの細孔の平均孔径を測定したところ、2.0μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径は多孔質構造体の細孔の孔径に対して50%であることを確認した。
重量平均分子量50万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が5重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.4重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが5μm、隣接する貫通孔の最短距離bが6μm、且つ、厚さが10μmのポリエチレンテレフタレ−トからなる微多孔フィルムに、予め粒径3μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子と、粒径が3μmで軟化点が148℃のポリプロピレン粒子を30g/m保持させておいたものを載置し、そして微多孔フィルムに上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、塗布液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが8μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は65g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造を有することを確認した。バブルポイント法により多孔質構造体の細孔の平均孔径を測定したところ3.6μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径は、多孔質構造体の細孔の孔径に対して83.3%であることを確認した。
実施例2において、塗工、複合後の湿潤状態にある微多孔フィルムの表裏両面を、ウレタン製のゴムブレードで摺擦して、表裏両面に存在する塗布液及びポリエチレン粒子を除去し、これを実施例1に用いたと同様の樹脂フィルム上に載置し、実施例1と同じ条件にて乾燥して、厚さ6μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造を模式的に図5に示す。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの片面からもう一方の面に貫通孔内に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は微多孔フィルムの厚さより小さかった。貫通孔内におけるセパレータの厚さ方向での孔径分布の傾斜は認められず厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により上記セパレータの細孔の平均孔径(この場合は、貫通孔部分に形成された細孔の孔径)を測定したところ5.5μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径はセパレータの孔径に対して18%であることを確認した。
重量平均分子量20万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が8重量%になるように調整し、塗布溶液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.43重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが45μm、隣接する貫通孔の最短距離bが90μm、且つ、厚さが20μmのポリエチレンテレフタレ−トからなる微多孔フィルムに、予め粒径8μmで軟化点が132℃のポリエチレン粒子と、粒径が4μmで軟化点が148℃のポリプロピレン粒子を5g/m保持させておいたものを載置し、そして微多孔フィルムに、上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、溶液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成し、貫通孔内にも同様の多孔質構造体を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが27μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は16g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、多孔質構造体は、セパレータの厚さ方向で孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により多孔質構造体の細孔の孔径を測定したところ10.5μmであることから、ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子の一次平均粒子径は、セパレータの孔径に対してそれぞれ76.2%及び38.1%であることを確認した。
重量平均分子量30万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が10重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.51重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが1μm、隣接する貫通孔の最短距離bが2μm、且つ、厚さが10μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径0.5μmで軟化点が132℃のポリエチレン粒子を10g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルム上に上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、溶液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが15μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は13g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で孔径分布の傾斜は認められす厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により該セパレータの平均孔径を測定したところ0.8μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径はセパレータの孔径に対して62.5%であることを確認した。
重量平均分子量50万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が8重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.41重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが0.05μm、隣接する貫通孔の最短距離bが0.05μm、且つ、厚さが7μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径0.01μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子と、粒径が0.01μmで軟化点が148℃のポリプロピレン粒子を8g/m保持させておいたものを載置し、そして、その微多孔フィルムに上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、溶液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離して除去し、微多孔フィルムにフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが12μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は15g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により多孔質構造体の細孔の平均孔径を測定したところ0.09μmであることから、ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子の一次平均粒子径は貫通孔の孔径に対して55.5%であることを確認した。
重量平均分子量20万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が8重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.45重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが0.3μm、隣接する貫通孔の最短距離bが5μm、且つ、厚さが9μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径が0.1μmで軟化点が132℃のポリエチレン粒子と粒径が0.2μmで軟化点が148℃のポリプロピレン粒子を3g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルム上に、上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、塗布液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが16μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は17g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法によりこの細孔の平均孔径を測定したところ、2.4μmであることから、ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子の一次平均粒子径はいずれも、セパレータの孔径よりも小さい微多孔フィルムの貫通孔に対してそれぞれ33.3%及び66.7%であることを確認した。
重量平均分子量50万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が5重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.48重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが30μm、隣接する貫通孔の最短距離bが8μm、且つ、厚さが15μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径0.5μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子と、粒径が5μmで軟化点が148℃のポリプロピレン粒子を50g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルム上に、上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、微多孔フィルムに含まれる塗布液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成し、貫通孔内にも多孔質構造体を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが25μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は、図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は16g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により細孔の平均孔径を測定したところ5.9μmであることから、ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子の一次平均粒子径は細孔の孔径に対して84.7%であることを確認した。
重量平均分子量30万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が5重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.50重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが5μm、隣接する貫通孔の最短距離bが20μm、且つ、厚さが28μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径3μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子と、粒径が3μmで軟化点が148℃のポリプロピレン粒子を3g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルムに上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、塗布液中の溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を複合した厚さが50μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は、図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は15g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により該セパレータの平均孔径を測定したところ4.6μmであることから、ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子の一次平均粒子径は細孔に対して65.2%であることを確認した。
重量平均分子量20万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドン及びジメチルアセトアミド(良溶媒)に溶解し、フタル酸ジブチル(貧溶媒)を添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が5重量%になるように調整し、塗布液を得た。この塗布液中に含まれる水分量をカールフィッシャー法で測定したところ、0.57重量%であった。次に、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが40μm、隣接する貫通孔の最短距離bが25μm、且つ、厚さが4μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムに、予め粒径5μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子と、粒径が5μmで軟化点が132℃のポリエチレン粒子を10g/m保持させておいたものを載置し、そしてその微多孔フィルムに上記塗布液をキャスティング法により塗布した。次に、溶剤を熱により蒸発させ、樹脂フィルムを剥離除去して、微多孔フィルムの表裏両面膜にフッ化ビニリデンホモポリマーの多孔質構造体よりなる多孔質膜を形成した。これにプレス処理を施し、厚さが30μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は、図1と同様である。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は16g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で、多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により細孔の平均孔径を測定したところ6.8μmであることから、ポリエチレン粒子及びポリプロピレン粒子の一次平均粒子径は細孔の孔径に対して73.5%であることを確認した。
ポリイミドからなり貫通孔の孔径aが1μm、隣接する貫通孔の最短距離bが2μm、かつ厚さが4μmの微多孔フィルムに、粒径0.2μmで軟化点が113℃のポリエチレン粒子を保持させた微多孔フィルムを加熱プレスして、ポリエチレン粒子を微多孔フィルムに弱接着させ、膜厚4.3μmの電子部品用セパレータを得た。このセパレータにおいては、貫通孔の孔径に対してポリエチレン粒子の一次平均粒子径は20%であった。その断面構造を模式的に図6に示す。
ポリイミドからなり貫通孔の孔径aが0.03μm、隣接する貫通孔の最短距離bが0.03μm、かつ、厚さが6μmの微多孔フィルムそれ自体を、電子部品用セパレータとした。その断面構造を模式的に図7に示す。
実施例12の微多孔樹脂フィルムを2枚重ねた後、加熱プレスした。それによりポリエチレン粒子が微多孔フィルムに弱接着して、膜厚8.5μmの電子部品用セパレータが得られた。その断面構造を模式的に図8に示す。
実施例1の塗布液100重量部に対して、実施例1のフィラー粒子である同一のポリエチレン粒子を30重量部を添加混合して塗布液を調製した。ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂フィルム上に、貫通孔の孔径aが7μm、隣接する貫通孔の最短距離bが10μm、且つ、厚さが8μmのポリエチレンテレフタレ−トよりなる微多孔フィルムを載置し、上記塗布液を塗工し、他は実施例1と同様にして微多孔フィルムの両面に塗工層が配されたセパレータを得た後、片面だけ塗工層を剥がして、膜厚14μmの電子部品用セパレータを得た。その断面構造を模式的に図9に示す。なお、樹脂フィルムの多孔質構造体に対する剥離強度は17g/20mmであった。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造を有することを確認した。バブルポイント法によりこの細孔の平均孔径を測定したところ6.2μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径はセパレータの孔径に対して80.6%であることを確認した。
実施例15のセパレータを2つ用意し、多孔質膜が形成されていない面に、予め実施例1におけると同様のポリエチレン粒子を0.5g/m保持させておいた。これら2つのセパレータを、図10に示すように、多孔質構造体よりなる多孔質膜が外側になるように、且つ貫通孔が互い違いに配されるように重ね合わせて、その後加熱プレスすることによって電子部品用セパレータとした。このセパレータの膜厚は34μmであった。その断面構造を模式的に図10に示す。
実施例1のセパレータと実施例15のセパレータを用意し、図11に示すように、貫通孔の位相をずらせて重ね合わせ、加熱プレスすることによって膜厚34μmの電子部品用セパレータを得た。得られた電子部品用セパレータは中央部に多孔質構造体よりなる多孔質層が存在する点において実施例16のセパレータとは相違している。
実施例1において、ポリエチレンテレフタレートよりなる樹脂フィルムに、実施例1と同一の塗布液をキャスティング法により直接塗工した後、湿潤状態にある塗工層上に、実施例1におけると同一の、ポリエチレン粒子を保持した微多孔フィルムをウェットラミネーションにより重ねた。それ以外は実施例1と同様にして、電子部品用セパレータを作製した。得られた電子部品用セパレータの厚さは21μmであった。その断面構造の模式図は、図1と同様である。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法によりその細孔の平均孔径を測定したところ5.7μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径は細孔の孔径に対して87.7%であることを確認した。
微多孔樹脂フィルムの材質をポリプロピレンに換えた以外は、a値、b値、膜厚とも実施例15に準ずる微多孔フィルムを用いて、実施例15と同様にして、電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は、図9と同様である。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により細孔の平均孔径を測定したところ6.1μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径はセパレータの孔径に対して82.0%であることを確認した。
微多孔フィルムの材質をポリエチレンに換え、膜厚を12μmに換えた以外は、a値、b値とも実施例15と同一の微多孔フィルムを用いて、実施例15と同様にして、電子部品用セパレータを得た。その断面構造の模式図は、図9と同様である。
この電子部品用セパレータを電子顕微鏡で観察したところ、セパレータの両面は、多孔質構造体の多数の細孔と貫通孔に形成された細孔の繋がりによって通じており、各細孔の孔径は、微多孔フィルムの厚さより小さかった。また、セパレータの厚さ方向で多孔質構造体の孔径分布の傾斜は認められず、厚さ方向に均質な多孔質構造であることを確認した。バブルポイント法により細孔の平均孔径を測定したところ6.0μmであることから、ポリエチレン粒子の一次平均粒子径はセパレータの孔径に対して83.3%であることを確認した。
[比較例1]
実施例1において、貫通孔の孔径aが60μmである以外は、実施例1と同様の微多孔フィルムを用いて、実施例1と同様にして比較用のセパレータを作製した。
[比較例2]
実施例1において、貫通孔同士の最短距離bが120μmである以外は、実施例1と同様の微多孔フィルムを用いて、実施例1と同様にして比較用のセパレータを作製した。
[比較例3]
厚さ20μmのポリエチレン製延伸多孔質膜を比較用の電子部品用セパレータとした。[比較例4]
厚さ10μmのポリエチレン製延伸多孔質膜を比較用の電子部品用セパレータとした。
上記実施例及び比較例で得られた電子部品用セパレータをリチウムイオン二次電池に使用した場合の特性を下記のように評価した。
〔イオン伝導度〕
上記各セパレータに関してイオン伝導度を評価した。測定には、前記各セパレータを使用し、コイン型セルを作製した。その結果を表1に示す。測定環境、測定装置は次の通りである。
測定環境:20℃50%RH
測定装置:solartron社製 SI 1287 1255B
Figure 2005268095
表1より明らかなように、実施例1〜20の電子部品用セパレータは、イオン伝導性が格段に優れている。イオン伝導性が良好な理由としては、セパレータが低透気度であるということと、セパレータに多孔質構造体よりなる樹脂層が形成されている場合、電極とセパレータがセパレータ表面の樹脂層により隙間なく接触していることが考えられる。一方、比較的イオン伝導性が良好な比較例1のセパレータは、以下に述べる他の特性において、必ずしも良好な結果が得られなかった。また、本発明の実施例のセパレータはいずれも捲回性は良好であり、ポリエチレンセパレータと同等以上の引っ張り強度を有していることが分かった。比較例2〜4については、イオン伝導性が悪かった。
〔シャットダウン性〕
上記各セパレータに関してシャットダウン性を評価した。測定には、前記セパレータを使用しコイン型セルを作製した。その結果を表2に示す。試験方法としては、満充電したコイン型セルに更に充電を行い、その際の電池内部の温度変化を測定し、温度が下がり始めた点をシャットダウン温度とした。
Figure 2005268095
表2より明らかなように本発明の電子部品用セパレータは、シャットダウン性を有するセパレータであり、電池の安全性に寄与することが分かる。比較例1のセパレータに関しては、ポリエチレン粒子が多孔質構造体の孔を閉塞しているか、あるいは、それらの粒子と多孔質構造体及び貫通孔とが密着状態にあり、粒子とその他の材質との間隙が極めて少ないために、微小デンドライトの成長が抑制されて、過充電における電池反応を抑制しきれなかったものと推察される。本発明の一連の実施例では、粒子と貫通孔との間隙、あるいは粒子と多孔質構造体の細孔との間隙が、微小デンドライトの成長を抑制しない程度に十分あったために、その間隙を通って微小デンドライトが成長し、過充電による電池反応の暴走を抑制したことと、シャットダウンするための粒子量も十分であったために、微小デンドライトによる微小短絡の発生とほぼ同時にシャットダウン機能が発現して、二重の安全機能が働いたものと推察される。
以上のように、イオン伝導性と安全性に関して、本発明の実施例のセパレータはいずれも両立できるものであった。一方、比較例のセパレータはいずれも両特性を満足するものがなく、また機械的強度が不足するものもあり、上記評価項目全てを満足するものは見出せない結果となった。
〔耐熱寸法安定性〕
更に、実施例及び比較例の各セパレータについて、耐熱寸法安定性を以下の手順で調べた。すなわち、各セパレータを5cm×5cmの正方形に切り出して、2枚の7cm×7cmの正方形である厚さ10mmの表面平滑な透明ガラス板の中央部に挟み、160℃の乾燥機中に24時間放置した。そして加熱後の面積を求め、これと元の面積(=25cm)の比を面積収縮率として評価した。すなわち、面積収縮率=(加熱後の面積/加熱前の面積)×100(%)の値を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2005268095
上記の結果から、実施例の電子写真用セパレータは、いずれも、耐熱寸法安定性が極めて良好であり、通常のシャットダウン温度以上の温度域である160℃においても、殆ど熱収縮しないものであった。したがって、シャットダウン温度以上に電池が上昇してもセパレータの寸法が安定していることから、電池においては、電極間が直接接触することがなく、比較例3及び4の従来のポリエチレンセパレータを用いた場合に比べて、高温度域においても極めて高い安全性を有していた。
本発明の電子部品用セパレータの一例の模式的断面図である。 微多孔樹脂フィルムの貫通孔の状態を説明する説明図である。 本発明の電子部品用セパレータの一例の模式的断面図である。 本発明の電子部品用セパレータの一例の模式的断面図である。 実施例4の電子部品用セパレータの模式的断面図である。 実施例12の電子部品用セパレータの模式的断面図である。 実施例13の電子部品用セパレータの模式的断面図である。 実施例14の電子部品用セパレータの模式的断面図である。 実施例15の電子部品用セパレータの模式的断面図である。 実施例16の電子部品用セパレータの模式的断面図である。 実施例17の電子部品用セパレータの模式的断面図である。
符号の説明
1…微多孔樹脂フィルム、1a…貫通孔、2…フィラー粒子、3…多孔質構造体。


Claims (18)

  1. フィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない平均孔径が50μm以下の貫通孔を有し、隣接する貫通孔間の最短距離の平均が100μm以下である微多孔樹脂フィルムを少なくとも一つ有する厚さ2〜150μmの電子部品用セパレータ。
  2. 前記微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は内部にフィラー粒子を50g/m以下の範囲で含有するものであって、該フィラー粒子の一次平均粒子径が、貫通孔の孔径の0.1〜95%であることを特徴とする請求項1記載の電子部品用セパレータ。
  3. フィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない平均孔径が50μm以下の貫通孔を有し、隣接する貫通孔間の最短距離の平均が100μm以下である微多孔樹脂フィルムの少なくとも一面及び/又は貫通孔内に、平均孔径0.1〜15μmの細孔を有する多孔質構造体が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品用セパレータ。
  4. 微多孔樹脂フィルム及び多孔質構造体の少なくとも一方の表面及び/又は内部にフィラー粒子を50g/m以下の範囲で含有するものであって、該フィラー粒子の一次平均粒子径が、貫通孔又は細孔のいずれか小さい方の孔径の0.1〜95%であることを特徴とする請求項3に記載の電子部品用セパレータ。
  5. 微多孔樹脂フィルムが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド及びポリテトラフルオロエチレンから選ばれたものからなることを特徴とする請求項1〜4に記載の電子部品用セパレータ。
  6. ポリオレフィンが、ポリエチレンまたはポリプロピレンであることを特徴とする請求項5に記載の電子部品用セパレータ。
  7. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである請求項5に記載の電子部品用セパレータ。
  8. 前記フィラー粒子が有機化合物からなることを特徴とする請求項2または4に記載の電子部品用セパレータ。
  9. 前記フィラー粒子が、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンからなることを特徴とする請求項8に記載の電子部品用セパレータ。
  10. 前記微多孔樹脂フィルムが、前記貫通孔が垂直方向に直接的に貫通しない位置に2枚以上を配置された積層構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品用セパレータ。
  11. 前記多孔質構造体が実質的に溶媒可溶型の樹脂より形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子部品用セパレータ。
  12. 前記溶媒可溶型の樹脂がポリフッ化ビニリデン及び/又はフッ化ビニリデン共重合体であることを特徴とする請求項11に記載の電子部品用セパレータ。
  13. 電子部品が、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム二次電池、リチウム二次電池または電気二重層キャパシタである請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子部品用セパレータ。
  14. 多孔質構造体が、保持材面に載置された微多孔樹脂フィルムに多孔質構造体作製用の塗布液を塗布し、そのまま乾燥することによって形成されたものである請求項3又は4に記載の電子部品用セパレータ。
  15. 保持材面に、微多孔樹脂フィルムを載置する工程、該微多孔樹脂フィルムの上に、結着樹脂とその良溶媒及び貧溶媒を含有する塗布液を塗工する工程、形成された塗工層を乾燥して溶媒を除去することによって微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は内部に多孔質構造体を形成する工程、その後保持材面から剥離する工程を含み、前記微多孔樹脂フィルムが、フィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない平均孔径が50μm以下の貫通孔を有し、隣接する貫通孔間の最短距離の平均が100μm以下であることを特徴とする電子部品用セパレータの製造方法。
  16. 保持材面に、結着樹脂とその良溶媒及び貧溶媒を含有する塗布液を塗工して塗工層を形成する工程、微多孔樹脂フィルムを上記塗工層に重ね合わせる工程、その後、乾燥して溶媒を除去することによって微多孔樹脂フィルムの表面及び/又は内部に多孔質構造体を形成する工程、その後保持材面から剥離する工程を含み、前記微多孔樹脂フィルムが、フィルム面の垂直方向に貫通した実質上遮蔽構造を有しない平均孔径が50μm以下の貫通孔を有し、隣接する貫通孔間の最短距離の平均が100μm以下であることを特徴とする電子部品用セパレータの製造方法。
  17. 微多孔樹脂フィルムとして、フィラー粒子を50g/m以下の範囲で付着させたものを用い、且つ、該フィラー粒子の一次平均粒子径が、貫通孔又は細孔のいずれか小さい方の孔径の0.1〜95%であることを特徴とする請求項15又は16に記載の電子部品用セパレータの製造方法。
  18. 前記塗布液における貧溶媒の沸点が、良溶媒の沸点よりも高いことを特徴とする請求項15又は16に記載の電子部品用セパレータの製造方法。
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