JP2005266325A - 偏光フィルムの製造方法、偏光フィルムおよびそれを用いた光学フィルムならびに画像表示装置 - Google Patents

偏光フィルムの製造方法、偏光フィルムおよびそれを用いた光学フィルムならびに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 二色性物質の分布や配向、偏光度、透過率等の均一性に優れる偏光フィルムを提供する。
【解決手段】 親水性ポリマーフィルムに、膨潤処理を施した後、第1の架橋処理を施してから、染色処理、第2の架橋処理および延伸処理を行うことによって、偏光フィルムを製造する。前記第1の架橋処理は、架橋剤を含有する溶液に前記膨潤ポリマーフィルムを浸漬することによって行い、前記溶液の架橋剤濃度は、8〜100飽和%であることが好ましい。
【選択図】 なし


Description

本発明は、偏光フィルムの製造方法、偏光フィルムおよびそれを用いた光学フィルムならびに画像表示装置に関する。
液晶表示装置(LCD)は、広く、卓上電子計算機、電子時計、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサ、自動車や機械の計器類等に使用されている。このような液晶表示装置は、通常、液晶の配向変化を可視化させるための偏光板を備えており、この偏光板は、液晶表示装置の表示特性に非常に大きな影響を与えている。
前記偏光板は、一般に、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム等の親水性ポリマーフィルムにヨウ素や有機染料等の二色性物質を吸着させた後、さらに延伸を施して前記二色物質を配向させることによって偏光フィルムを形成し、この偏光フィルムの両面に、トリアセチルセルロース等の保護フィルムを積層することによって製造されており(例えば、特許文献1参照)、特に、明るく、色の再現性が良い表示特性に優れた液晶表示装置を提供できる偏光板が望まれている。
近年、各種画像表示装置の大画面化が要求されていることから、前記装置に使用する偏光板等の光学フィルムについては、光学特性の均一性、特に面内における光学特性の均一性が極めて重要な課題となっている。しかしながら、例えば、偏光フィルムの製造においては、一般に、原反となるポリマーフィルムの厚みが、はじめから不均一であるため、このポリマーフィルムを延伸しても、延伸自体が不均一となってしまうおそれがある。さらに、このように延伸が不均一であるため、前記ポリマーフィルムへの二色性物質の吸着量や二色性物質の配向性も不均一となり、得られる偏光フィルムの光学特性が結果的に不均一になるという問題がある。
このような問題を解決するために、前記二色性物質を吸着させる前に、前記ポリマーフィルムを水等の膨潤溶液中で膨潤させ、不均一性を解消する方法や、前記溶液にホウ酸を含有させることによって、不均一性をさらに解消する方法(例えば、特許文献2参照)等が開示されている。
特開2001−141926号公報 特開平10‐153709号公報
しかしながら、偏光フィルムの光学特性については、より一層の均一性が求められている。そこで、本発明の目的は、例えば、二色性物質の吸着量や配向性、それにともなう偏光度や透過率の均一性に優れた偏光フィルムの製造方法の提供である。
前記目的を達成するために、本発明の偏光フィルムの製造方法は、親水性ポリマーフィルムを膨潤させる膨潤工程、前記膨潤ポリマーフィルムを二色性物質で染色する染色工程、前記染色したポリマーフィルムを架橋させる架橋工程、および前記架橋後のポリマーフィルムを延伸する延伸工程を含む偏光フィルムの製造方法であって、
さらに、前記膨潤工程と前記染色工程との間に、前記膨潤ポリマーフィルムを架橋させる第1の架橋工程を含み、前記染色工程後の架橋工程を第2の架橋工程とすることを特徴とする。
このように、膨潤工程後、染色工程前に、予め第1の架橋処理を親水性ポリマーフィルムに施すことによって、例えば、二色性物質の分布や配向、偏光度、透過率等の均一性が極めて優れる偏光フィルムを形成できる。また、本発明の製造方法によれば、例えば、使用するポリマーフィルムの厚みにバラツキがある場合でも、その厚みバラツキが原因となる均一性の低下も回避することができる。このため、本発明の製造方法により製造された偏光フィルムは、偏光フィルムを含む各種光学フィルムとして有用である。このような各種光学フィルムを使用すれば、輝度の均一性がより優れるため、液晶表示装置をはじめとする各種画像表示装置に有用である。
前述のように本発明の製造方法は、膨潤工程、第1の架橋工程、染色工程、第2の架橋工程および延伸工程を含むことを特徴とする。以下に、本発明の製造方法について、一例をあげて説明するが、これには限定されない。
(1)親水性ポリマーフィルム
前記親水性ポリマーフィルムとしては、特に制限されず、従来公知のフィルムが使用できるが、例えば、PVA系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム等の親水性ポリマーフィルム等があげられる。また、これらの他にも、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム、延伸配向されたポリビニレン系フィルム等も使用できる。これらの中でも、前記二色性物質であるヨウ素による染色性に優れることから、PVA系ポリマーフィルムが好ましい。なお、ポリマーフィルムにおいて、以下、延伸方向の長さを「長さ」をいい、前記延伸方向と垂直方向の長さを「幅」という。
前記PVAフィルムの平均重合度は、特に制限されないが、フィルムの水に対する溶解度の点から、500〜10,000の範囲が好ましく、より好ましくは100〜6,000、特に好ましくは1,400〜4000である。また、ケン化度は、例えば、75モル%以上が好ましく、より好ましくは98モル%以上、特に好ましくは98.3〜99.8モル%である。
前記ポリマーフィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、10〜1000μmであり、好ましくは40〜150μmの範囲であり、より好ましくは50〜80μmである。
前記ポリマーフィルムとしては、例えば、後述する膨潤処理において、膨潤バラツキ、すなわち、膨潤による厚みのバラツキが少ないフィルムを使用することが好ましい。これによって製造される偏光フィルムの位相差、二色性物質の含有量、透過率等のバラツキをより一層低減できるからである。このため、例えば、結晶化度のムラ、厚みのムラ、水分率にバラツキが少ないポリマーフィルムを使用することが好ましい。また、グリセリン含有量にバラツキがないポリマーフィルムも好ましい。なお、厚みにバラツキがある場合でも、厚みが相対的に薄い箇所は膨潤程度が大きく、相対的に厚い箇所は膨潤程度が小さいことから、十分に膨潤を行うことによって、厚みのバラツキの問題も低減することが可能である。
前記ポリマーフィルムの面内位相差は、例えば、5nm〜100nmの範囲であることが好ましい。また、面内位相差のバラツキは出来るだけ小さいことが好ましく、具体的には、測定波長1000nmにおいて10nm以下であることが好ましく、より好ましくは5nm以下である。
前記ポリマーフィルムの製造方法としては、特に制限されないが、例えば、原料ポリマーを水や有機溶媒等の溶媒に溶解したポリマー溶液を流延成膜する方法、キャスト法、押し出し法等、従来公知の方法が適用できる。
(2)膨潤工程
前記ポリマーフィルムを膨潤浴に浸漬して、前記フィルムを膨潤させる。前記膨潤浴の溶液としては、例えば、水、グリセリン水溶液、ヨウ化カリウム水溶液等の水性溶媒が使用でき、この中でも好ましくは純水である。前記グリセリン水溶液の場合、その濃度は5重量%以下であることが好ましく、前記ヨウ化カリウム水溶液の場合は、10重量%以下であることが好ましい。この膨潤浴の温度は、例えば、20〜45℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは25〜40℃であり、特に好ましくは27〜37℃である。前記膨潤浴への浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、2〜180秒の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜150秒であり、特に好ましくは60〜120秒である。
なお、この膨潤工程において、前記ポリマーフィルムに延伸を施してもよい。その場合、延伸倍率は、例えば、膨潤前のポリマーフィルム(原反)の長さに対して、1.1〜3.5倍の範囲であることが好ましい。
(3)第1の架橋工程
前記ポリマーフィルムを前記膨潤浴から引き上げ、架橋処理を施す。具体的には、架橋剤を含有する溶液(第1架橋浴)に前記膨潤ポリマーフィルムを浸漬すればよい。このように、前記膨潤工程と次の染色工程との間に、独立して第1の架橋処理を施すことによって、例えば、PVA等のポリマーフィルムの厚みにバラツキがあり、そのために前工程での膨潤程度にバラツキが生じた場合であっても、それを膨潤程度のバラツキをこの第1架橋工程においてさらに均一となるように調整することができる。
前記架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂、グリオキザール、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のいずれかを少なくとも含有する架橋剤があげられ、これらの中でもホウ酸、ホウ砂が好ましく、より好ましくはホウ酸である。また、これらの架橋剤は、一種類でもよいし二種類以上を併用してもよい。なお、本発明において架橋剤とは、特に制限されないが、例えば、前記ポリマーフィルムを形成するポリマーの水酸基同士(例えば、PVAの水酸基同士)を結合させる物質があげられる。また、この架橋剤を溶解する溶媒としては、特に制限されないが、例えば、水や、水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。具体的には、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコール、グリセリン等があげられ、これらの中でも水、メタノール、エタノール、グリセリンが好ましく、より好ましくは水である。
第1架橋浴における架橋剤の濃度(飽和%)は、飽和濃度8〜100%(飽和%)であることが好ましく、より好ましくは15〜95飽和%であり、特に好ましくは20〜80飽和%である。前記飽和濃度が8%以上であれば、染色前に十分な架橋を行うことができるため、得られる偏光フィルムの均一性もより一層優れる。
また、前記第1架橋浴における架橋剤の濃度(重量%)は、例えば、前記飽和濃度範囲内で、溶媒の種類や温度等に応じて適宜決定できるが、通常、架橋剤濃度は、0.5〜7.5重量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5.0重量%である。例えば、溶媒が30℃程度の水である場合、0.5〜5重量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜4重量%である。
前記第1架橋浴の温度は、例えば、10〜60℃であり、好ましくは20〜40℃であり、特に好ましくは25〜35℃である。また、前記ポリマーフィルムの浸漬時間は、例えば、10〜120秒であり、好ましくは30〜90秒であり、特に好ましくは45〜75秒である。前記浸漬時間が10秒以上であれば、染色前に十分な架橋を行うことができるため、得られる偏光フィルムの均一性もより一層優れ、一方、120秒以下であれば、作業性にも十分優れ、後述する延伸工程においてもポリマーフィルムが破断することを十分に抑制できる。
(4)染色処理
前記ポリマーフィルムを前記第1架橋浴から引き上げ、例えば、二色性物質を含む染色浴に浸漬させて染色を行う。
前記二色性物質としては、従来公知の物質が使用でき、例えば、ヨウ素や有機染料等があげられる。前記有機染料としては、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、エロー3G、エローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラック等が使用できる。これらの二色性物質の中でも、例えば、透過率が高く、高い偏光度となることから、ヨウ素が好ましい。
これらの二色性物質は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記有機染料を用いる場合は、例えば、可視光領域のニュートラル化を図る点より、二種類以上を組み合わせることが好ましい。具体的には、例えば、コンゴーレッドとスプラブルーGとの組み合わせ、スプラオレンジGLとダイレクトスカイブルーとの組み合わせ、ダイレクトスカイブルーとファーストブラックとの組み合わせ等があげられる。
前記染色浴の溶液としては、前記二色性物質を溶媒に溶解した水溶液が使用できる。前記溶媒としては、例えば、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。前記溶液における二色性物質の濃度は、特に制限されないが、例えば、0.01〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.02〜7重量%であり、特に好ましくは0.025〜5重量%である。
また、前記二色性物質としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、ヨウ素に加えて、助剤としてヨウ化物をさらに添加することが好ましい。前記ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等があげられる。これらのヨウ化物の添加割合は、前記染色浴において、0.05〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。具体的に、ヨウ素とヨウ化カリウムとを併用する場合、前記溶液におけるヨウ素とヨウ化カリウムの割合(重量比)は、例えば、1:5〜1:100の範囲であることが好ましく、より好ましくは1:6〜1:80であり、特に好ましくは1:7〜1:70の範囲である。
また、この染色工程においては、製造する偏光フィルムの均一性をさらに向上させるため、例えば、前記染色浴にさらに前述のような架橋剤が含まれていてもよい。
前記染色浴へのポリマーフィルムの浸漬時間は、特に制限されないが、例えば、1〜20分の範囲であることが好ましく、より好ましくは1.2〜15分であり、特に好ましくは2〜10分である。また、前記染色浴の温度は、例えば、5〜42℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜35℃であり、特に好ましくは12〜30℃である。
この染色工程において、前記ポリマーフィルムに延伸を施してもよい。染色浴への浸漬によって、前記ポリマーフィルムに前記二色性物質を吸着させ、延伸によって、前記二色性物質を一方向に配向させるのである。その場合、延伸倍率は、例えば、膨潤前のポリマーフィルム(原反)の長さに対して、例えば、1.1〜4.1倍の範囲であり、好ましくは1.7〜3.9倍、より好ましくは2.1〜3.7倍の範囲である。
(5)第2の架橋工程
前記ポリマーを前記染色浴から引き上げ、架橋処理を施す。この場合も、架橋剤を含有する溶液(第2架橋浴)に染色済みポリマーフィルムを浸漬すればよい。前記架橋剤としては、前述と同様のものが使用でき、架橋剤を溶解する溶媒としても同様のものが使用できる。なお、この第2の架橋工程は、例えば、前記架橋剤を含有する溶液を染色済みポリマーフィルムに塗布したり、噴霧する方法等によって行ってもよい。
第2架橋浴における架橋剤の濃度(飽和%)は、13〜100飽和%であることが好ましく、より好ましくは27〜80飽和%であり、特に好ましくは40〜67飽和%である。また、前記第2架橋浴における架橋剤の濃度は、例えば、1〜7.5重量%の範囲が好ましく、より好ましくは2〜6重量%、特に好ましくは3〜5重量%である。なお、架橋剤濃度(重量%)は、例えば、これを溶解する溶媒の温度によって適宜決定することができる。
また、ホウ酸とホウ砂とを併用する場合、その添加割合(モル比)は、4:6〜9:1が好ましく、より好ましくは5.5:4.5であり、特に好ましくは6:4である。
前記架橋浴の温度は、通常、20〜70℃の範囲であり、好ましくは30〜60℃であり、特に好ましくは30〜45℃である。また、次工程の延伸浴の温度よりも5〜20℃程度低い温度となるように設定することが好ましい。前記ポリマーフィルムの浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、10秒〜15分であり、好ましくは15秒〜10分である。ポリマーフィルム中に架橋効果を発現させるため10秒以上となるように設定することが好ましい。
前記第2架橋浴には、偏光フィルムの均一性をより一層向上する点から、さらにヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等のヨウ化物等の助剤を含んでいてもよい。前記溶液における前記助剤の含有量は、例えば、0.05〜15質量%であり、好ましくは0.5〜8質量%である。
中でも架橋剤であるホウ酸と助剤であるヨウ化カリウムとの併用が好ましく、前記溶液におけるホウ酸とヨウ化カリウムの割合(重量比)は、例えば、1:0.1〜1:3.5の範囲であることが好ましく、より好ましくは1:0.2〜1:3であり、特に好ましくは1:0.5〜1:2.5の範囲である。
なお、この第2架橋工程において、前記ポリマーフィルムに延伸を施してもよい。その場合、延伸倍率は、例えば、膨潤前のポリマーフィルム(原反)の長さに対して、1.1〜4.1倍の範囲が好ましい。
(6)延伸処理
前記ポリマーフィルムを前記第2架橋浴から引き上げ、延伸浴に浸漬させて、前記延伸浴中でさらに延伸処理を行う。延伸は、例えば、湿式延伸、乾式延伸のいずれもよく、またその方法も特に制限されず、従来公知の方法が適用でき、例えば、ロールを用いて、ロール間の周速差によって延伸を行うロール延伸等があげられる。
前記延伸浴の溶液としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸、ヨウ化カリウム、各種金属塩やその他のヨウ化化合物、亜鉛化合物等を含む溶液が使用できる。この溶液の溶媒としては、例えば、水、エタノール等が使用できる。具体的には、例えば、ホウ酸およびヨウ化カリウムを含むことが好ましく、前記両者の含有量は、例えば、合計2〜18重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは4〜17重量%であり、特に好ましくは6〜15重量%である。また、前記ホウ酸とヨウ化カリウムとの含有割合(重量比)は、例えば、1:0.1〜1:4の範囲であることが好ましく、より好ましくは1:0.5〜1:3である。
前記延伸浴の温度は、例えば、40〜67℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは45〜65℃であり、特に好ましくは50〜62℃である。
この延伸処理における延伸は、例えば、膨潤前のポリマーフィルム(原反)の長さに対して、2〜6.3倍の範囲であることが好ましい。
(7)水洗処理
前記ポリマーフィルムを前記延伸浴から引き上げ、水洗を行い、前記ポリマーフィルムを乾燥する。これによって、偏光フィルムが製造できる。なお、水洗の回数は、特に制限されない。
水洗は、例えば、ヨウ化物含有水溶液を用いて行ってもよい。前記ヨウ化物含有水溶液におけるヨウ化物としては、前述のようなものが使用でき、その中でも、例えば、ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウム等が好ましい。この溶媒としては、通常、水が使用できる。このヨウ化物含有水溶液によって、前記延伸処理において使用した残存するホウ酸を、ポリマーフィルムから洗い流すことができる。
前記水溶液が、ヨウ化カリウム水溶液の場合、その濃度は、例えば、0.1〜10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは3〜8重量%である。前記水溶液の温度は、例えば、10〜60℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは15〜40℃である。
乾燥は、例えば、自然乾燥、風乾、加熱乾燥等、特に制限されないが、加熱乾燥の場合は、温度20〜80℃の範囲が好ましく、より好ましくは26〜42℃であり、特に好ましくは28〜38℃である。また、乾燥時間も特に制限されないが、例えば、1〜10分程度が好ましい。
なお、前記ポリマーフィルムを前述の各種浴から引き上げる際には、液だれの発生を防止するために、例えば、従来公知の液切れロールを用いてもよいし、板をフィルムに当てたり、エアーナイフによって、液を削ぎ落としてもよい。以下の処理工程においても同様である。
最終的に得られる本発明の偏光フィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜40μmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜37μmであり、特に好ましくは15〜35μmである。前記厚みは、例えば、5μm以上であればより一層優れた機械的強度を示し、また、40μm以下であれば、より一層優れた光学特性となるため、例えば、フラットパネルに適用する際に、薄型化が容易となる。
なお、最終的に得られる本発明の偏光フィルムは、総延伸倍率が、例えば、膨潤工程前のポリマーフィルムの長さに対して4.5〜6.3倍であることが好ましく、より好ましくは4.6〜6.1倍、特に好ましくは4.7〜6倍である。総延伸倍率が4.5倍以上であれば、例えば、得られる偏光フィルムの光学特性(特に透過率や偏光度等)を十分に確保でき、また、6.3倍以下であれば、例えば、多量の架橋剤を使用することに伴う、ポリマーフィルムの延伸時において破断を十分に回避できる。
つぎに、本発明の偏光フィルムは、偏光フィルム単独で測定した場合の単体透過率が、40%以上であることが好ましく、より好ましくは42%以上、特に好ましくは43〜45%の範囲である。また、同じ2枚の偏光フィルムをそれぞれの吸収軸が直交(90°)となるように重ね合わせた場合、その直交透過率は、相対的に小さいことが好ましく、理論上、0%または0%に近いことが好ましく、実用上、0.1%以下が好ましく、より好ましくは0.03%以下である。また、偏光フィルムの偏光度は、100%または100%に近いことが好ましく、実用的には99.6〜100%が好ましく、より好ましくは99.8〜100%の範囲である。
また、本発明の光学フィルムは、前記本発明の偏光フィルムを含むことを特徴とし、このように本発明の偏光フィルムを含んでいれば、その他の構成や構造は特に制限されない。
本発明の光学フィルムの一例としては、例えば、前記本発明の偏光フィルムおよび透明保護層を含み、前記偏光フィルムの少なくとも一方の表面に前記透明保護層が配置された偏光板があげられる。前記透明保護層は、前記偏光フィルムの片面のみに配置されてもよいし、両面に配置されてもよい。両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護層を使用しても、異なる種類の透明保護層を使用してもよい。異なる種類の透明保護層としては、例えば、厚み、材質、光透過率、引っ張り弾性率等が異なるものがあげられる。
前記透明保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明保護フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、アクリル系、アセテート系、ポリオレフィン系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。また、ポリノボルネン系樹脂等のように光弾性係数の低いものも好ましい。
この他にも、特開2001-343529号公報(WO 01/37007号)や特開2002-328233号公報に記載されているような、例えば、イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の混合押出物からなるフィルム等も使用できる。このようなフィルムは、例えば、以下に示すようにして製造できる。まず、N−メチルマレイミド含量50モル%の前記交互共重合体(100重量部)と、アクリルニトリル含量27重量%、スチレン含量73重量%の前記共重合体67重量部とを溶融混練し、そのペレットをTダイを備える溶融押出し機に供給し、原反フィルムを作製する。このフィルムを延伸速度100cm/分、延伸倍率1.45倍、延伸温度162℃の条件で自由端縦一軸延伸を行う。さらに、同条件で先の延伸方向とは直交する方向に、自由端一軸延伸を行うことよって、厚み49μmの延伸フィルムが得られる。この延伸フィルムは、nx=1548028、ny=1.548005、nz=1.547970、面内位相差1.1nm、厚み方向位相差2.8nm、光弾性係数の絶対値1.9x10-13cm2/dyeである。
さらに、これらの透明保護フィルムは、例えば、その表面が、アルカリ等によってケン化処理されてもよい。これらの中でも、偏光特性や耐久性等の点から、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが好ましく、より好ましくは、その表面がケン化処理されたTACフィルムである。
前記透明保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、下記式で表されるフィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。
Rth=[{(nx+ny)/2}-nz]・d
前記式において、dは、透明保護層の厚みであり、nx,ny,nzとは、前記透明保護層におけるX軸、Y軸およびZ軸の屈折率をそれぞれ示す。前記X軸とは、前記透明保護層面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
前記透明保護層の厚みは、特に制限されないが、例えば、偏光板の薄型化等の目的から、例えば、500μm以下であり、好ましくは1〜300μmであり、より好ましくは5〜200μmの範囲である。
また、前記透明保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、拡散やアンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。
前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止膜等の形成により行うことができる。スティッキング防止処理とは、隣接する層との密着防止を目的とする。
前記アンチグレア処理とは、偏光板表面において外光が反射することにより、偏光板透過光の視認妨害の防止等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等やこれらの固溶体があげられる。このような前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜50μmの範囲である。この他に、導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜50質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜25質量部の範囲である。
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止膜、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に設けることもできる。
前記偏光子と前記透明保護層との接着方法は、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができる。一般には、粘着剤やその他の接着剤等が使用され、その種類は、偏光フィルムや透明保護層の種類等によって適宜決定できる。具体的には、例えば、PVA系、変性PVA系、ウレタン系ポリマーから構成される接着剤や粘着剤があげられる。これらの接着剤等は、耐久性の向上のため、例えば、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸、キチン、キトサン、金属塩、アルコール系溶剤等のような、ビニルアルコール系ポリマーを架橋させる水溶性架橋剤が添加されてもよい。前記偏光子が、例えば、PVA系フィルムの場合、接着処理の安定性等の点から、PVA系の接着剤が好ましい。
前記偏光子と透明保護層とを前記接着剤によって接着した場合、例えば、湿度や熱の影響によって剥れることを防止し、光透過率や偏光度に優れた偏光板とするために、乾燥処理を施すことが好ましい。乾燥温度としては、特に制限されず、使用した接着剤や粘着剤の種類等に応じて適宜決定できる。前接着剤が、前述のようなPVA系、変性PVA系、ウレタン系等の水溶性接着剤の場合、例えば、乾燥温度は、60〜75℃が好ましく、より好ましくは60〜70℃であり、乾燥時間は、1〜10分程度が好ましい。
また、本発明の光学フィルムは、例えば、液晶セル等への積層が容易になることから、その最外層に、さらに粘着剤層を有していることが好ましい。例えば、偏光フィルムに積層した透明フィルム上に、前記粘着剤層を有している形態があげられる。
前記透明保護層表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、粘着剤の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記透明保護層の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記透明保護層の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような粘着剤層は、偏光板のいずれか一方の表面に形成してもよいが、これには限定されず、必要に応じて両面に配置してもよい。
前記粘着剤層としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ゴム系等の従来公知の粘着剤を適宜使用して形成できる。特に、吸湿による発泡現象や剥れ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、さらに高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成等の点から、吸湿率が低く、耐熱性に優れる粘着剤を使用することが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系、シリコーン系、アクリルシリコーン系、ポリエステル系、耐熱ゴム系等の粘着剤があげられる。また、微粒子を含有する光拡散性を示す粘着剤層等であってもよい。
また、偏光板に設けた粘着剤層の表面が露出する場合は、前記粘着剤層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルム等のような適当な薄層のフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、例えば、5〜35μmであることが好ましく、より好ましくは15〜25μmである。このような範囲に設定すれば、例えば、偏光板の寸法が変化しても、その際に発生する応力を緩和することもできるからである。
また、本発明の光学フィルムは、前述のような本発明の偏光フィルムの他に、例えば、各種光学層を有していてもよい。前記光学層としては、例えば、反射板、半透過反射板、偏光変換素子、位相差板(1/2波長板、1/4波長板等の波長板(λ板)等)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム、拡散制御フィルム、輝度向上フィルム等、従来公知の光学層があげられる。前記位相差板としては、例えば、ポリマーフィルムを一軸延伸または二軸延伸したもの、Z軸配向処理したもの、液晶性高分子の塗工膜等があげられる。前記拡散制御フィルムとしては、例えば、拡散、散乱、屈折を利用したフィルムがあげられ、これらは、例えば、視野角の制御や、解像度に関わるギラツキや散乱光の制御等に使用することができる。前記輝度向上フィルムとしては、例えば、コレステリック液晶の選択反射と1/4波長板(λ/4板)とを用いた輝度向上フィルムや、偏光方向による異方性散乱を利用した散乱フィルム等が使用できる。また、前記光学フィルムは、例えば、ワイヤーグリッド型偏光子と組合せることもできる。
これらの光学層は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、また、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。このような光学層をさらに含む積層偏光板は、例えば、光学補償機能を有する一体型偏光板として使用することが好ましく、例えば、液晶セル表面に配置する等、各種画像表示装置への使用に適している。
前記偏光変換素子としては、特に制限されず、例えば、異方性反射型偏光素子や異方性散乱型偏光素子等の一般に液晶表示装置等の形成に用いられるものがあげられる。これらの偏光変換素子は、例えば、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。また、二層以上を使用する場合は、同種でもよいし、異なる種類の層を使用してもよい。
前記偏光変換素子の中でも、前記異方性反射型偏光素子としては、例えば、コレステリック液晶層と位相差板との複合体であり、前記位相差板が、前記異方性反射偏光子が有する反射帯域に含まれる波長の0.2〜0.3倍の位相差を示すものであることが好ましい。より好ましくは0.25倍である。前記コレステリック液晶層としては、特に、コレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等のように、左回りまたは右回りのいずれか一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであることが好ましい。このような異方性反射方偏光素子としては、例えば、日東電工製の商品名PCFシリーズ等が使用できる。なお、前記波長は、前記異方性反射偏光子が有する反射帯域に含まれる波長であればよく、任意である。また、コレステリック液晶層は、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のように、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すものであってもよい。このような異方性反射方偏光素子としては、例えば、3M社製の商品名DBEFシリーズ等が使用できる。
また、前記異方性反射型偏光素子としては、反射型グリッド偏光子も好ましく、具体例としては、Moxtek製の商品名Micro Wires等が使用できる。
一方、前記異方性散乱型偏光素子としては、例えば、3M社製の商品名DRPF等が使用できる。
つぎに、本発明の光学フィルムとして、本発明の偏光フィルムに加えて、反射型偏光板、半透過反射型偏光板、楕円偏光板、円偏光板、視角補償フィルムや輝度向上フィルムが積層された偏光板があげられる。
反射型偏光板は、例えば、前述のような偏光板に、さらに反射板が積層されており、前記半透過反射型偏光板は、前記偏光板にさらに半透過反射板が積層されている。
前記反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、例えば、前記加熱処理後の偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における透明保護層の片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした透明保護層の上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記透明保護層の凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
また、前述のように偏光板の透明保護層に前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記透明保護フィルムのような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用してもよい。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、透明保護層の別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
前記半透過型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
つぎに、本発明の光学フィルムの一例である楕円偏光板または円偏光板は、例えば、前述のような偏光板に、さらに位相差板またはλ板が積層されている。
前記楕円偏光板は、例えば、スーパーツイストネマチック(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折によって生じた着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のない白黒表示にする場合等に有効に用いられる。さらに、3次元の屈折率を制御した楕円偏光板は、例えば、液晶表示装置の画面を斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)できるため好ましい。一方、前記円偏光板は、例えば、画像がカラー表示になる、反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場合等に有効であり、反射防止の機能も有する。
前記位相差板は、直線偏光を楕円偏光または円偏光に変換したり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変換したり、あるいは直線偏光の偏光方向を偏光する場合に用いられる。特に、直線偏光を楕円偏光もしくは円偏光に、楕円偏光もしくは円偏光を直線偏光に、それぞれ変換する位相差板としては、例えば、1/4波長板(「λ/4板」とも言う)等が用いられ、直線偏光の偏光方向を変換する場合には、通常、1/2波長板(「λ/2板」とも言う)が使用される。
前記位相差板の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース系ポリマー、これらの共重合体、グラフと共重合体、混合物等があげられる。これらの他にも位相差板の材料としては、液晶モノマーや液晶ポリマーなどがあげられる。
前記位相差板の種類は、例えば、前記1/2や1/4等の各種波長板、液晶層の複屈折による着色の補償や視野角拡大等の視角の補償を目的としたもの等、使用目的に応じた位相差を有するものでもよく、厚み方向の屈折率を制御した傾斜配向フィルムであってもよい。また、2種以上の位相差板を積層し、位相差等の光学特性を制御した積層体等でもよい。
前記傾斜配向フィルムは、例えば、ポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して、加熱によるその収縮力の作用の下に、前記ポリマーフィルムに延伸処理や収縮処理を施す方法や、液晶ポリマーを斜め配向させる方法等によって得ることができる。
前記視角補償フィルムは、例えば、液晶表示装置の画面を、前記画面に垂直ではなく、やや斜め方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明に見えるように視角を広げるためのフィルムである。このような視角補償フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースフィルム等にディスコティック液晶を塗工したものや、位相差板が用いられる。通常の位相差板としては、例えば、その面方向に一軸延伸された、複屈折を有するポリマーフィルムが使用されるのに対し、前記視角補償フィルムとしては、例えば、面方向に二軸延伸された、複屈折を有するポリマーフィルムや、面方向に一軸延伸され、かつ、厚み方向にも延伸された、厚み方向の屈折率を制御した傾斜配向ポリマーフィルムのような、2方向延伸フィルム等の位相差板が使用される。前記傾斜配向フィルムとしては、例えば、ポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着し、加熱によるその収縮力の作用の下、前記ポリマーフィルムを延伸処理や収縮処理したもの、液晶ポリマーを斜め配向させたもの等があげられる。なお、前記ポリマーフィルムの素材原料としては、先に延べた、前記位相差板のポリマー材料と同様のものが使用できる。
つぎに、本発明の光学フィルムの一例として、さらに輝度向上フィルムが積層された偏光板を説明する。この偏光板は、通常、液晶セルの裏側サイドに配置されて使用される。前記輝度向上フィルムは、例えば、液晶表示装置等のバックライトや、その裏側からの反射等によって、自然光が入射すると所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射し、他の光は透過する特性を示すものである。バックライト等の光源からの光を入射させ、所定偏光状態の透過光を得ると共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射する。この輝度向上フィルム面で反射した光を、さらにその後ろ側に設けられた反射板等を介して反転させて、輝度向上フィルムに再入射させ、その一部または全部を所定偏光状態の光として透過させ、輝度向上フィルムを透過する光の増量を図ると共に、偏光フィルム(偏光子)に吸収され難い偏光を供給して、液晶画像表示等に利用しうる光量の増大を図ることにより輝度を向上させるものである。前記輝度向上フィルムを使用せずに、バックライト等で液晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合、前記偏光子の偏光軸に一致しない偏光方向を有する光は、ほとんど前記偏光子に吸収されてしまい、前記偏光子を透過してこない。すなわち、使用する偏光子の特性によっても異なるが、およそ50%の光が前記偏光子に吸収されてしまい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少し、画像が暗くなる。前記輝度向上フィルムは、前記偏光子に吸収されるような偏光方向を有する光を、前記偏光子に入射させずに、前記輝度向上フィルムで一旦反射させ、さらにその後ろ側に設けられた反射板等を介して反転させ、前記輝度向上フィルムに再入射させることを繰り返す。そして、この両者間で反射、反転している光の偏光方向が、前記偏光子を通過し得るような偏光方向になった偏光のみを透過させ、前記偏光子に供給するので、バックライト等の光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画面を明るくすることができるのである。
また、前記輝度向上フィルムと前記反射層等との間に拡散板を設けてもよい。この場合、前記輝度向上フィルムによって反射した偏光状態の光は、前記反射層に向かうが、設置された前記拡散板は、通過する光を均一に拡散すると同時に、偏光状態を解消して非偏光状態とする。すなわち、元の自然光状態に戻すのである。この非偏光状態、すなわち自然光状態の光が反射層等に向かい、前記反射層を介して反射し、前記拡散板を再び通過して、前記輝度向上フィルムに再入射することが繰り返される。このように、元の自然光状態にもどす前記拡散板を設けることによって、例えば、表示画面の明るさを維持しつつ、同時に表示画面の明るさのムラを少なくし、均一の明るい画面を提供することができる。また、前記拡散板により、初回の入射光は反射の繰り返し回数が適度に増加し、前記拡散板の拡散機能と相まって、均一な明るい表示画面を提供することが可能になると考えられる。
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。具体的には、例えば、3M社製の商品名D−BEF等が使用できる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等のように、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであってもよい。このようなフィルムとしては、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名Transmax等が使用できる。
従って、所定偏光軸の直線偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムであれば、例えば、その透過光を、そのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによって、前記偏光板による吸収ロスを抑制しつつ、効率よく透過させることができる。一方、コレステリック液晶層のような円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムであれは、そのまま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点から、その透過円偏光を、位相差板を介して直線偏光化し、前記偏光板に入射させることが好ましい。なお、前記位相差板として、例えば、1/4波長板を用いることにより、円偏光を直線偏光に変換することができる。
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と、他の位相差特性を示す位相差層(例えば、1/2波長板として機能する位相差層)とを積層すること等によって得られる。従って、偏光板と輝度向上フィルムとの間に配置する位相差板としては、1層または2層以上の位相差層からなる積層体であってもよい。なお、コレステリック液晶層についても、反射波長が相違するものを組合せて、2層または3層以上を積層した積層構造とすることもできる。それにより、可視光域等の広い波長範囲で円偏光を反射する偏光板を得ることができ、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができる。
このような各種偏光板は、例えば、さらに2層または3層以上の光学層を積層した光学フィルムであってもよい。具体的には、例えば、前記反射型偏光板や半透過型偏光板と、位相差板とを組合せた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板等があげられる。
このように、2層以上の光学層を積層した光学フィルムは、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、順次別個に積層する方式によっても形成できるが、予め積層体同士を積層して光学部材としたものであれは、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点がある。なお、積層には、前述と同様に、粘着層等の各種接着手段を用いることができる。
以上のような本発明の光学フィルムを形成する偏光フィルム、透明保護層、光学層、粘着剤層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでもよい。
つぎに、本発明の液晶パネルは、前記本発明の光学フィルムを含み、これが液晶セルの少なくとも一方の表面に配置されている。
液晶セルの種類は、特に制限されず、従来公知の液晶セルを適宜使用できるが、本発明の偏光子等は、偏光状態の光を液晶セルに入射させて表示する液晶表示装置に有用であることから、中でも、例えば、TN(Twisted Nematic)液晶やSTN(Super Twisted Nematic)液晶を用いた液晶セル等が好ましい。また、これらの他に、非ツイスト系の液晶を用いたIPS(In-Plane Switching)、VA(Vertical Aligned)、OCB(Optically Compensated Birefringence)モードの液晶セルや、前記二色性染料を液晶中に分散させたゲストホスト系の液晶、あるいは強誘電性液晶を用いた液晶セル等にも使用できる。なお、液晶の駆動方式についても特に限定はない。
前記偏光板等の光学フィルムは、前記液晶セルの一方の面のみに配置してもよいし、両面に配置してもよい。前記両面に配置する場合、光学フィルムの種類は、同一であってもよいし、異なるものでもよい。また、液晶セルの両側に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、さらに、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板等の通常の部品を、適当な位置に有してもよく、これらの部品は、1つまたは2つ以上配置してもよい。
つぎに、本発明の液晶表示装置は、液晶パネルを含む液晶表示装置であって、前記液晶パネルが前記本発明の液晶パネルである。この液晶表示装置は、さらに光源を備えてもよい。前記光源としては、特に制限されないが、例えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、例えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、視認側の光学フィルム(偏光板)の上に、例えば、さらに拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板を配置したり、または液晶パネルにおける液晶セルと偏光板との間に補償用位相差板等を適宜配置することもできる。
また、本発明の画像表示装置は、本発明の偏光フィルムを備えていればよく、その他の構成は何ら制限されず、従来公知の画像表示装置と同様の構成であり、同様にして製造できる。各種画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)およびFED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)等があげられる。
つぎに、本発明のEL表示装置について説明する。このEL装置は、前述のように本発明の光学フィルムを備えていればよく、その他の構成は特に制限されない。このEL装置は、有機ELおよび無機ELのいずれでもよい。
近年、EL表示装置においても、黒状態における電極からの反射防止として、例えば、偏光子や偏光板等の光学フィルムをλ/4板とともに使用することが提案されている。本発明の偏光子や光学フィルムは、特に、EL層から、直線偏光、円偏光もしくは楕円偏光のいずれかの偏光が発光されている場合、あるいは、正面方向に自然光を発光していても、斜め方向の出射光が部分偏光している場合等に、非常に有用である。
まずここで、一般的な有機EL表示装置について説明する。前記有機EL表示装置は、一般に、透明基板上に、透明電極、有機発光層および金属電極がこの順序で積層された発光体(有機EL発光体)を有している。前記有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、また、前記正孔注入層と発光層と電子注入層との積層体等、種々の組み合わせがあげられる。
そして、このような有機EL表示装置は、前記陽極と陰極とに電圧を印加することによって、前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、前記正孔と電子とが再結合することによって生じるエネルギーが、蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。前記正孔と電子との再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、電流と発光強度とは、印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
前記有機EL表示装置においては、前記有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが必要なため、通常、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成された透明電極が陽極として使用される。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に、仕事関数の小さな物質を用いることが重要であり、通常、Mg−Ag、Al−Li等の金属電極が使用される。
このような構成の有機EL表示装置において、前記有機発光層は、例えば、厚み10nm程度の極めて薄い膜で形成されることが好ましい。これは、前記有機発光層においても、透明電極と同様に、光をほぼ完全に透過させるためである。その結果、非発光時に、前記透明基板の表面から入射して、前記透明電極と有機発光層とを透過して前記金属電極で反射した光が、再び前記透明基板の表面側へ出る。このため、外部から視認した際に、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見えるのである。
本発明の有機EL表示装置は、例えば、前記有機発光層の表面側に透明電極を備え、前記有機発光層の裏面側に金属電極を備えた前記有機EL発光体を含む有機EL表示装置において、前記透明電極の表面に、本発明の光学フィルム(偏光板等)が配置されることが好ましく、さらにλ/4板を偏光板とEL素子との間に配置することが好ましい。このように、本発明の光学フィルムを配置することによって、外界の反射を抑え、視認性向上が可能であるという効果を示す有機EL表示装置となる。また、前記透明電極と光学フィルムとの間に、さらに位相差板が配置されることが好ましい。
前記位相差板および光学フィルム(偏光板等)は、例えば、外部から入射して前記金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって前記金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板として1/4波長板を使用し、かつ、前記偏光板と前記位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、前記偏光板によって直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は、前記位相差板によって、一般に楕円偏光となるが、特に前記位相差板が1/4波長板であり、しかも前記角がπ/4の場合には、円偏光となる。
この円偏光は、例えば、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び、有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、前記位相差板で再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、前記偏光板の偏光方向と直交しているため、前記偏光板を透過できず、その結果、前述のように、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができるのである。
また、本発明の液晶表示装置およびEL表示装置のインハウス製造方法は、表示面側に表面保護フィルムを備え、かつ、反対面に粘着剤層および剥離層を備えた前記本発明の偏光子および前記本発明の光学フィルムの少なくとも一つを、チップカットされた直後に、前記表示装置に貼り合わせる工程を含む製造方法である。
このように、前記偏光子や光学フィルムを裁断し、液晶セル等への貼合までを一貫して行い各種表示装置を生産するインハウス製造法によれば、例えば、不良エリアを検出するために即座に測定する必要があり、限度見本を設定するかインラインでの測定することによって、マーキングの判断を行う必要がある。本発明の製造方法によれば、本発明の偏光子または光学フィルムについて、前記条件を満たさない部分にマーキングを行い、打ち抜いた直後に、液晶パネルやEL表示素子に貼り合わせて各種表示装置を製造することが可能となる。このように、偏光子や光学フィルムの打ち抜き、そして選別、貼り合わせまでの工程を一貫して行うことができ、検査時間の簡略化が可能になるため、製造が簡易化され、低コスト化を図ることもできる。なお、インハウスとは、一般に、偏光板のロール原反を打ち抜き、検査し、LCDへの貼合までの一貫ラインを言う。
つぎに、本発明について、以下の実施例および比較例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下、延伸倍率とは、未処理のポリマーフィルム(原反)の長さに対する倍率を言い、長さとは、延伸工程における延伸方向と同方向の長さ、幅とは、前記延伸方向に対して垂直方向を言う。また、原反とは、膨潤処理を施す前のPVAフィルムのことを言う。
幅130mm、平均厚み72μmのPVAフィルムを準備した。このPVAフィルムの厚み挙動を図1に示す。図1は、前記PVAフィルムの幅方向における厚みの変動を示すグラフである。図1に示すように、使用したPVAフィルムは、シートの幅方向において厚みにバラツキを有している。このPVAフィルムを、まず、30℃の純水に60秒間浸漬しながら、延伸処理(延伸倍率2.44倍)ならびに膨潤処理を施した(膨潤処理工程)。膨潤後のPVAフィルムを、前記延伸倍率を保持した状態で30℃のホウ酸水溶液(0.6重量%)に60秒間浸漬して架橋処理を行った(第1の架橋処理工程)。このPVAフィルムを、続いて、30℃のヨウ素水溶液(0.3重量%)に50秒間浸漬しながら、延伸処理(総延伸倍率3.56倍)ならびに染色処理を行った(染色工程)。この延伸倍率を保持した状態で、さらに染色後のPVAフィルムを、30℃のホウ酸水溶液(3重量%)に15秒間浸漬して架橋処理を行った(第2の架橋処理工程)。第2の架橋処理後のPVAフィルムを、さらに55℃のホウ酸水溶液(4重量%)に浸漬し、ホウ酸水溶液中で総延伸倍率5.32倍までさらに延伸した(延伸処理工程)。前記延伸後のPVAフィルムを、その延伸倍率を保持した状態で30℃のヨウ化カリウム(KI)水溶液(5重量%)中に浸漬し、洗浄処理(浸漬時間10秒間)を行った後、水気をふき取り、さらに45℃で4分間乾燥させることによって幅70mmの偏光フィルムを作製した。得られた偏光フィルムから、図2に示すように長さ30mm×幅20mmのサンプルを9枚切り出し、以下に示すようにして、単体透過率および偏光度の測定を行い、これらのバラツキについて、指標となる標準偏差を求めた。なお、図2は、調製した偏光フィルムを模式的に示した概略図である。
第1の架橋処理工程において、1.2重量%のホウ酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
第1の架橋処理工程において、3重量%のホウ酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
第1の架橋処理工程において、4.8重量%のホウ酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
第1の架橋処理工程において、6重量%のホウ酸水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
第1の架橋処理工程において3重量%のホウ酸水溶液を用い、染色処理工程においてヨウ素水溶液中に1重量%となるようにホウ酸を加えたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
第1の架橋処理工程において1.2重量%のホウ酸水溶液を用い、染色処理工程においてヨウ素水溶液中に1重量%となるようにホウ酸を加えたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
(比較例1)
第1の架橋処理工程を行わない以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
(比較例2)
第1の架橋処理工程を行わず、膨潤処理工程において水浴中に1重量%のホウ酸を加え、染色処理工程においてヨウ素水溶液中に1重量%のホウ酸を加えたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
(比較例3)
第1の架橋処理工程を行わず、膨潤処理工程において、PVAを浸漬する純水に3重量%となるようにホウ酸を加え、染色処理工程においてヨウ素水溶液中に1重量%となるようにホウ酸を加えたこと以外は実施例1と同様にして偏光フィルムを作製し、同様の評価を行った。
(単体透過率)
実施例および比較例のサンプル(各9枚)について、分光光度計(商品名CMS:村上色彩技術研究所)を使用し、JIS Z 8701に規定される2度視野(C光源)に基づいて、視感度補正を行い、単体透過率Y値(%)を求めた。単体透過率は、各サンプル(9枚)ごとに1点の測定を行い、標準偏差を求めた。
(偏光度)
実施例および比較例のサンプル(各9枚)に、下記光学特性を有する基準偏光フィルムを組合せて偏光度の測定を行った。具体的には、前記サンプルと前記基準偏光フィルムを、平行に重ね合わせた場合の透過率(H0)と、直交になるように重ね合わせた場合(クロスニコル)の透過率(H90)とを、前記透過率の測定方法に準じて測定し(測定波長390〜690nm)、測定結果を下記数式に代入することによって、偏光度Pを求めた。なお、前記透過率(H0およびH90)は、視感度補正したY値である。偏光度は、各サンプル(9枚)ごとに1点の測定を行い、標準偏差を求めた。なお、前記基準偏光フィルムの光学特性は、単体透過率が43.06%であり、この基準偏光フィルムを2枚重ねた場合の偏光度が99.97%であった。
Figure 2005266325
以上の評価の結果を、下記表1に示す。表1には、透過率、偏光度についての標準偏差を示す。
(表1)
ホウ酸濃度 標準偏差(δ)
膨潤工程 第1架橋工程 染色工程
重量% 飽和% 重量% 飽和% 重量% 飽和% 単体透過率 偏光度
実施例1 0 0 0.6 10 0 0 0.20 0.29
実施例2 0 0 1.2 20 0 0 0.20 0.17
実施例3 0 0 3 50 0 0 0.16 0.18
実施例4 0 0 4.8 80 0 0 0.14 0.19
実施例5 0 0 6 100 0 0 0.17 0.25
実施例6 0 0 3 50 1 17 0.22 0.33
実施例7 0 0 1.2 20 1 17 0.21 0.32
比較例1 0 0 0 0 0 0 0.18 0.41
比較例2 1 17 0 0 1 17 0.30 0.40
比較例3 3 50 0 0 1 17 0.37 0.17
前記表1に示すように、実施例は、膨潤工程と染色工程の間に、別途、第1の架橋工程を施すことにより、単体透過率および偏光度ともに標準偏差を抑制できた。例えば、単体透過率の標準偏差はヨウ素染色量のムラ、偏光度の標準偏差はヨウ素配向度のムラにそれぞれ対応すると考えられるため、比較例に比べて、実施例は両方の抑制を図ることができたと言える。特に、単体透過率の標準偏差は0.25以下、偏光度の標準偏差は0.35以下が好ましく、実施例は全てこれらを満たしている。すなわち、原反として使用したPVAの厚みバラツキの影響を回避して、均一性に優れる偏光フィルムを得ることができたのである。一方、比較例は、各標準偏差を抑制できず、特に、膨潤処理においてホウ酸を添加した場合であっても、実施例のような結果は得ることが出来なかった。
以上のように、本発明の製造方法により得られた偏光フィルムであれば、例えば、二色性物質の分布や配向、偏光度、透過率等の均一性が極めて優れる光フィルムを形成できる。このため、本発明の製造方法により製造された偏光フィルムは、偏光フィルムを含む各種光学フィルムとして有用であり、また、液晶表示装置をはじめとする各種画像表示装置に有用である。
本発明の実施例における原反PVAフィルムの厚み挙動を示すグラフである。 前記実施例における偏光フィルムの切り出し部分を示す概略図である。

Claims (9)

  1. 親水性ポリマーフィルムを膨潤させる膨潤工程、前記膨潤ポリマーフィルムを二色性物質で染色する染色工程、前記染色したポリマーフィルムを架橋させる架橋工程、および前記架橋後のポリマーフィルムを延伸する延伸工程を含む偏光フィルムの製造方法であって、
    さらに、前記膨潤工程と前記染色工程との間に、前記膨潤ポリマーフィルムを架橋させる第1の架橋工程を含み、前記染色工程後の架橋工程を第2の架橋工程とする偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記第1の架橋工程が、架橋剤を含有する溶液に前記膨潤ポリマーフィルムを浸漬させる工程であって、前記溶液の架橋剤濃度が、8〜100飽和%である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記第1の架橋工程が、架橋剤を含有する溶液に前記膨潤ポリマーフィルムを浸漬させる工程であって、前記膨潤ポリマーフィルムの浸漬時間が、10秒〜120秒である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 架橋剤が、ホウ酸、ホウ砂、グリオキザール、グルタルアルデヒド、メラミンおよびシュウ酸からなる群から選択された少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記染色工程が、二色性物質を含有する前記溶液に架橋後のポリマーフィルムを浸漬させる工程であって、二色性物質を含有する前記溶液が、さらに架橋剤を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法により得られた偏光フィルム。
  7. 請求項6記載の偏光フィルムを含む光学フィルム。
  8. 前記偏光フィルムの少なくとも一方の表面に透明保護層が配置された請求項7記載の光学フィルム。
  9. 請求項7または8記載の光学フィルムを含む画像表示装置。

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