JP2005265744A - ピーク電圧検出回路および電子機器検査装置 - Google Patents

ピーク電圧検出回路および電子機器検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】交流信号のピーク電圧を検出するピーク電圧検出回路において、簡易な構成で、高速に繰り返えされる信号のピークレベルを精度よく検出できるようにする。
【解決手段】検波回路30の出力を、帰還部40を利用してコンパレータ16に帰還させるフィードバック構成とすることで、ダイオード34の順方向電圧などの影響を受けることなく高精度にピーク値を検出できる。コンパレータ16は、検波回路30から帰還された電圧を比較電圧とし入力信号Vinと比較する。コンパレータ16の後段に分周回路18を設け、コンパレータ16の比較結果を分周することで、レベル変換回路21や検波回路30に供給される信号を入力信号Vinの周波数より低い周波数の信号に変換する。周波数を入力信号Vinの周波数よりも低い周波数に変換してからピーク電圧を検出することで、高速の繰返し信号のピークレベルを測定する場合の、検知動作の速度の問題を解消する。【選択図】図2

Description

本発明は、ピーク電圧検出回路および電子機器検査装置に関する。より詳細には、高速で繰り返し(間欠)発生する交流信号のピーク電圧を検出する仕組みの改善に関する。
電子回路を備えた電子機器の動作状態や故障の有無などを検査するに際して、電子回路の試験点から発せられる被検査信号のピーク電圧を検出するピーク電圧検波回路を用いる仕組みが、たとえば特許文献1,2に提案されている。
特開平06−230081号公報 特開平06−230078号公報
しかしながら、近年では、IC(Integrated Circuit;半導体集積回路)の高精度化、多機能化、高速化が進み、動作スピードが300MHzを超えるものが多くなってきており、ICの動作を保証するテストの一部として動作スピードが300MH以上の信号のピークレベルを精度よく測る必要が生じている。
上記特許文献1,2に提案されている仕組みにおいて使用しているピーク電圧検波回路は、ダイオードを整流素子として使用し被検査信号のピーク電圧を検出する単純な回路構成のものであり、高速な繰返し信号を検出する上では、整流素子としてのダイオードの応答速度が検出スピードの制約となる問題がある。すなわち、高速周波数の交流信号のピークレベルを検出する上では、高速動作可能な整流素子が必要となる。以下、この点について説明する。
図13は、従来のピーク電圧検出回路図の一構成例を示した図である。このピーク電圧検出回路900は、特許文献1,2に提案されている構成と若干異なるが、ダイオードを整流素子として使用し被検査信号のピーク電圧を検出する単純な回路構成である点では共通する。
なお、この図13に示す回路構成に類似するものとしては、たとえば、非特許文献1〜3にも記載されている。
テキサスインスツルメンツ社、リニアサーキットデータブック(1986)、電圧比較器LM111/211/311、P7-34、図24.正極性ピーク検出回路 DAVID JOHNSON AND ASSOCIATES、"PEAK DETECTOR CIRCUIT"、[online]、[平成16年2月26日検索]、インターネット<URL:http://www.discovercircuits.com/PDF-FILES/peakdet1.pdf> National Semiconductor,"LMV331 Single / LMV393 Dual / LMV339 Quad General Purpose, Low Voltage, TinyPack Comparators"、[online]、[平成16年2月26日検索]、インターネット<URL:http://www.iec.uia.mx/manuales/dos/comparadores/LMV331.pdf;特に7/21ページ>
図13に示すピーク電圧検出回路900は、入力端子903に入力される入力信号Vinを所定の比較電圧と比較し、ローレベル“L”=0V、ハイレベル“H”=3.3Vの比較結果を出力する電圧比較回路としてのコンパレータ916と、コンパレータ916から出力された出力信号の正ピークを検波する検波回路930と、検波回路930から出力された直流電圧(検波電圧)をバッファしてコンパレータ916の比較電圧として供給する入力インピーダンスの十分大きい非反転アンプ(バッファアンプ)942とを備えている。非反転アンプ942の出力側である測定端子905の検波電圧は、コンパレータ916の反転入力端子(−)に帰還され、コンパレータ916の比較電圧となる。
検波回路930は、抵抗素子932および整流素子としてのダイオード934からなる直列回路と、ダイオード934のカソード端子と接地との間に接続されたコンデンサ936および抵抗素子938からなる並列回路を有して構成されている。
図14は、図13に示したピーク電圧検出回路900の動作を説明する図である。コンパレータ916の入力端子3に、たとえば平均電圧0ボルトの繰返周期をもつ入力信号Vinが入力すると、コンパレータ916は、非反転入力端子(+)に入力される入力信号Vinと、その比較(反転)側の入力端子(反転入力端子(−))の初期電圧と比較する。
このとき、比較電圧はほぼ0ボルトとなっているため、入力が0ボルト以上の期間、コンパレータ916の出力は“H”=3.3Vとなり、抵抗素子932を介してダイオード934に電流が流れコンデンサ936をチャージする。
次に、入力信号Vinのレベルがコンパレータ916の比較電圧より下がった期間、コンデンサ936の出力は“L”となり、ダイオード934に逆バイアスがかかり、コンデンサ936のチャージが止まり、抵抗素子938を介してディスチャージが始まる。
ここで、抵抗素子932の抵抗値に対してダイオード934の順方向抵抗値が十分小さく、また抵抗素子932の抵抗値に対して抵抗素子938の抵抗値が十分大きいと仮定すると、チャージ時定数T1は、T1≒R3*C3となる。また、ディスチャージ時定数T2は、T2≒R4*C3となる。
前記の各値の条件から、チャージ時定数T1に対しディスチャージ時定数T2が十分大きいので、入力信号Vinが連続的に入力されると、コンパレータ916の比較電圧は徐々に上がって行き、やがて入力信号Vinのピーク値とほぼ同じレベルに達する。この状態では、チャージによる微小電圧増加分とディスチャージによる微小電圧減少分が平衡し、比較電圧はほぼ同じレベル(ピークレベル)を保持する。よって、測定端子905に直流電圧計を接続して測定することで、入力信号Vinのピークレベルが得られる。
ここで、高速周波数の交流信号のピークレベルを検出する際には、ダイオード934を通してコンデンサ936にチャージし、ダイオード934がオフ時にディスチャージする動作をしなければならず、ダイオード934が高速周波数に追従する必要がある。すなわち、高速周波数の交流信号のピークレベルを検出する上では、高速動作可能な整流素子が必要である。
加えて、帰還構成とした場合、コンパレータ916の“H”レベルに着目すると、“H”レベルは入力ピーク電圧とダイオード934の順方向バイアス電圧によるロス分を加算した値よりも高くなければならない。したがって、入力ダイナミックレンジの確保のため、通常コンパレータは出力レベルが十分大きいTTL(Transistor-Transistor Logic)またはCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)ロジックに対応したものが使用されるが、この種のコンパレータの動作スピードには自ずと限界がある。たとえば現状では、大方100MHz程度までとなっている。このため、100MHzを超える高速な繰返し信号のピークレベルを検出できない難点がある。
高速の繰返し信号のピークレベルまたはボトムレベルを精度よく測定するために、たとえば高速動作のECL(Emitter Coupled Logic )レベル出力のコンパレータを使用するなど、コンパレータの動作スピードを改善することが考えられる。こうすることで、高速な繰返し信号のピークレベルを検出できるようになる。
しかしながら、ECLの論理レベルは通常“High level”が−0.8V、“Low level”が−1.8V(−2V、50Ω終端)であり、論理振幅が小さいため、入力信号レベルに追従する比較電圧を得るためレベル変換回路が必要となるが、このレベル変換回路の動作速度が問題となる。つまり、ECLデバイスを使用することで高速動作対応を図り、整流素子を高速対応のものにしたとしても、入力信号のピーク電圧やボトム電圧を検出する周波数応答特性は、レベル変換回路の周波数応答特性帯域でほぼ確定してしまう。
このように、今日では、部品の動作速度を改善することで、高速な繰返し信号のピークレベルを検出できるようにすることには限界があり、他の側面からの改善手法が必要である。その一例としては、たとえば、特許文献3〜5に記載の仕組みがある。
特許第3074953号公報 特開平10−62454号公報 特開平10−38930号公報
たとえば、特許文献3に記載の仕組みは、ラッチングコンパレータで入力信号の比較およびを保持を行なうことで、基準クロック以上の周波数をもつ入力信号のピーク検出も確実に行なえるようにしている。
また特許文献4に記載の仕組みは、入力アナログ信号がDA変換器(DAC)の出力信号より大きい場合に電圧比較器から出力信号を発生して制御手段に入力し、この制御手段により電圧比較器の出力信号をカウンタのクロック入力信号と同期を取るようにし、制御手段の出力信号がクロック入力信号を有効とするときにカウンタがカウント・アップし、DA変換器の出力信号の電圧が入力アナログ信号の電圧を越えると、カウンタのカウント動作を停止するようにすることで、カウンタの動作クロック入力信号より高い周波数の入力アナログ信号でのピーク電圧検出ができるようにしている。
しかしながら、これら特許文献3,4に記載の仕組みは、クロック信号やDA変換器(DAC)などを用いた複雑な回路が必要であり、回路構成規模が大きくなる難点がある。
また、特許文献5に記載の仕組みは、入力信号Vinの正ピークをスイッチしてチャージ用コンデンサに充電するスイッチ用ダイオードを設け、スイッチ用ダイオードで検出した正ピーク電圧を充電するチャージ用コンデンサを設け、チャージ用コンデンサに充電したピーク検出信号をオペアンプの正入力端に供給し、オペアンプの正入力端と負電源(−Vss)端間に、スイッチ用ダイオードを順方向に微少バイアス電流を与えるバイアス印加手段を設け、オペアンプの出力端と負入力端間に補償用ダイオードを設けて接続し、負入力端と負電源(−Vss)端間に補償用ダイオードを順方向にバイアスするバイアス印加手段を設けるようにしている。
この特許文献5に記載の構成によれば、各バイアス印加手段の両端の電位差は常に同じにでき、これにより両ダイオードの電圧降下は、検出する如何なるピーク電圧の変化に対しても常に等しくする利点を有し、ダイオードに伴うピーク検出誤差の発生要因が解消され、ピーク検出精度が向上する効果が得られ、ピーク電圧変化依存要因を解消できる利点が得られ、この結果、高速ピークパルスに対応可能な精度のよいピーク電圧検出回路が実現できる。
しかしながら、この特許文献5に記載の仕組みでは、入力バイアス電流が流れるため、トランジェント動作時、2個のダイオード間のオフセットが発生するため、検出されるピーク電圧の検知精度が劣るという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高速な繰返し信号のピークレベルを検出できるピーク電圧検出回路の新たな仕組みを提案することを目的とする。好ましくは、簡易な構成であり、また検出されるピーク電圧の検知精度が良好な仕組みを提案することを目的とする。
本発明に係るピーク電圧検出回路は、入力信号の周波数をより低い周波数の信号に変換する周波数変換部と、周波数変換部から出力された低周波数信号に基づいて、入力信号のピーク電圧に対応した直流電圧を取得する検波回路とを備えるものとした。
本発明に係る電子機器検査装置は、本発明に係るピーク電圧検出回路と同様の構成を備えたものであって、電子回路の試験点から発せられる被検査信号の周波数をより低い周波数の信号に変換する周波数変換部と、周波数変換部から出力された低周波数信号に基づいて、被検査信号のピーク電圧に対応した直流電圧を取得する検波回路と、検波回路から出力された直流電圧を読み取る電圧計とを備えるものとした。
本発明に係るピーク電圧検出回路および電子機器検査装置の何れも、検波回路に供給される被検波信号の周波数を入力信号の周波数よりも低い周波数に変換してからピーク電圧を検出するように回路構成の工夫をすることで、検知動作の速度の問題を解消する。たとえば、入力信号の周波数を1/N分周しレベル変換回路や検波回路(特に整流素子)が動作する周波数まで下げることによって、簡単な回路構成で高速の繰返し信号のピークまたはボトムレベルを測定できるようにする。
また従属項に記載された発明は、本発明に係るピーク電圧検出回路および電子機器検査装置のさらなる有利な具体例を規定する。
たとえば、周波数変換部を、入力信号と検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路と、電圧比較回路から出力された比較信号を分周する分周回路とで構成するのがよい。こうすることで、ロジックレベルの回路にて周波数変換部を構成でき、コンパクトな回路構成にできる。
また、検波回路から出力された直流電圧に対応した電圧を周波数変換部に帰還する帰還部をさらに備えたものとするのがよい。ピーク電圧検出回路の全体構成をフィードバック構成とすれば、検波回路やその他の回路の影響を受けることなく、高精度にピーク値を検出することができる。
なお、フィードバック構成とする場合、入力信号の平均電圧レベルやピークレベルによっては回路動作が起動しない、あるいは安定した動作にならないなどの不具合を生じ得る。このような問題を避けるには、たとえば、検波回路をチャージ動作からディスチャージ動作へと切り替える検波回路動作モード変更部をさらに備えるとよい。あるいは、電圧比較回路における初期の比較電圧を、前記入力信号のピークレベルとボトムレベル内に設定する初期基準電圧設定部をさらに備えるとよい。
本発明に係るピーク電圧検出回路および電子機器検査装置によれば、入力信号や被検査信号の周波数を低周波数に変換してからピーク電圧を検出するように回路構成上の工夫を施した。すなわち、回路構成の側面から、ピーク電圧検出の動作速度の問題を解決するようにした。
これにより、たとえば、入力信号の周波数を1/N分周しレベル変換回路や検波回路が動作する周波数まで下げることによって、簡単な回路構成で高速の繰返し信号のピークまたはボトムのレベルを測定できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。先ず、以下に述べる実施形態で用いる、入力信号Vinに関わる用語について説明する。
図1は、後述する各実施形態のピーク電圧検出回路に入力される交流信号(入力信号Vin)の一例を示す図である。ピーク電圧検出回路には、ボトムレベルVbtおよびピークレベルVpkの間で、ある平均電圧Vavをもった繰返周期の入力信号Vinが印加される。たとえば、繰返周期Finが1GHzであるものとする。
ここで、入力信号Vinの極性としては、図1(A)に示すように、ボトムレベルVbtおよびピークレベルVpkがともに接地レベル(DC0ボルト)に対して正極性側となる正極性信号の場合がある。この場合、接地レベルに対して正極性側において、より高レベルのピークレベルを正ピークと称し、より低レベルのピークレベルを負ピークもしくはボトムレベルと称する。極性と合わせていう場合は、それぞれ正極性信号の正ピーク、正極性信号の負ピークもしくはボトムレベルと称する。
また、入力信号Vinの極性としては、図1(B)に示すように、ボトムレベルVbtおよびピークレベルVpkがともに接地レベル(DC0ボルト)に対して負極性側となる負極性信号の場合がある。この場合、接地レベルに対して負極性側において、負電圧としてより高レベルのピークレベルを正ピークと称し、より低レベルのピークレベルを負ピークもしくはボトムレベルと称する。極性と合わせていう場合は、それぞれ負極性信号の正ピーク、負極性信号の負ピークもしくはボトムレベルと称する。
また、入力信号Vinの極性としては、図1(C)に示すように、接地レベル(DC0ボルト)を挟んで2つのピークレベルが存在する中間極性信号の場合がある。この場合、接地レベルに対して正極性側に存在するピークレベルを正ピークと称し、接地レベルに対して負極性側に存在するピークレベルを負ピークもしくはボトムレベルと称する。極性と合わせていう場合は、それぞれ中間極性信号の正ピーク、中間極性信号の負ピークもしくはボトムレベルと称する。
以下の説明においては、特段の断りがない限り、入力信号Vinは、図1(A)に示すように、ボトムレベルVbtおよびピークレベルVpkがともに接地レベル(DC0ボルト)に対して正極性側となる正極性信号の場合であるものとして説明する。
図2は、本発明に係るピーク電圧検出回路の第1実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。この第1実施形態のピーク電圧検出回路1は、接地レベルに対して正極性側において、高レベルのピークレベル(正ピーク)を検出する機能と低レベル側のピークレベル(負ピーク/ボトムレベル)を検出する機能を備えたものである。以下、このような両方のピークレベルを検出する機能を備えた構成を特にピーク/ボトム検出回路と称する。
<第1実施形態>
図2は、本発明に係るピーク電圧検出回路の第1実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。この第1実施形態のピーク電圧検出回路1は、接地レベルに対して正極性側において、高レベルのピークレベル(正ピーク)を検出する機能と低レベル側のピークレベル(負ピーク/ボトムレベル)を検出する機能を備えたものである。以下、このような両方のピークレベルを検出する機能を備えた構成を特にピーク/ボトム検出回路と称する。
図2に示すように、ピーク/ボトム検出回路として構成されるピーク電圧検出回路1は、入力信号Vinの周波数をより低い周波数の信号に変換する周波数変換部10と、周波数変換部10から出力された信号に基づいて、入力信号Vinのピーク電圧に対応した被検波電圧を取得し後段に供給する被検波電圧取得部20と、被検波電圧取得部20から出力された被検波電圧を検波することで、入力信号Vinのピーク電圧に対応した直流電圧を取得する検波回路30とを備えている。
またピーク電圧検出回路1は、検波回路30から出力された直流電圧に対応した電圧を周波数変換部10に帰還する帰還部40と、周波数変換部10や帰還部40において使用する初期の比較電圧を、入力信号Vinのピークレベルとボトムレベル内に設定する初期基準電圧設定部80とを備えている。
交流信号である入力信号Vinを直流信号に変換するピーク電圧検出回路の全体構成をフィードバック構成としたことで、検波用の整流素子(ダイオード)の順方向の電圧降下やその他の回路の影響を受けることなく、高精度にピーク値を検出することができる。
周波数変換部10は、入力端子3に入力される入力信号Vinと検波回路30から出力され帰還部40を介してフィードバックされた検波回路30で取得された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路としてのコンパレータ16と、コンパレータ16から出力された比較信号の周波数を1/N分周するECLロジック動作の分周回路18とを有して構成されている。
周波数変換部10を、コンパレータ16と分周回路18とで構成することで、ロジックレベルの回路にて周波数変換部を構成でき、概ねコンパクトに構成できる利点がある。
たとえば、第1実施形態において、コンパレータ16としては、高速動作のECL(Emitter Coupled Logic )レベル出力をもつものを使用する。このコンパレータ16の非反転入力端子(+)が、ピーク電圧検出回路1の入力端子3に接続されている。コンパレータ16の反転入力端子(−)が、測定端子5として機能する。
分周回路18も高速動作のECLレベル動作が可能でECLレベル出力をするものを使用する。この分周回路18の分周比は、入力パルスP2の周波数を、次段のレベル変換回路21や検波回路30が動作するスピード以下になるように設定する。入力信号Vinの周波数を低周波数に変換することで、入力信号のピーク電圧やボトム電圧を検出する周波数応答特性が、レベル変換回路の周波数応答特性帯域で確定してしまう現象を解消する。
分周回路18の後段に配される被検波電圧取得部20は、入力信号Vinのピークレベル電圧やボトムレベル電圧に対応した被検波電圧VP6を取得し、この取得した被検波電圧VP6を検波回路30に供給するものである。第1実施形態においては、この被検波電圧取得部20として、レベル変換回路21を設けている。
第1実施形態において、被検波電圧取得部20として機能するレベル変換回路21は、抵抗素子23およびコンデンサ(キャパシタ素子)24を有する微分回路22と、TTL(Transistor Transistor Logic)レベル出力またはCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)ロジックレベル出力をもつコンパレータ(電圧比較器)26と、コンパレータ16の比較基準電圧VP5を設定する基準電圧源28とを有していいる。
このレベル変換回路21は、コンパレータ16や分周回路18として、ECLデバイスを用いていることに対応して設けたものである。すなわち、ECLデバイスは、論理振幅が小さいため、入力信号Vinの振幅レベルに追従する比較電圧を得るため、レベル変換回路21などの被検波電圧取得部20が必要となる。
またピーク電圧検出回路1は、コンパレータ26の後段に、被検波電圧取得部20から出力される信号に基づいて、交流(AC;Alternating Current )信号である入力信号Vinのピーク電圧に対応した直流(DC;Direct Current)電圧を取得する検波回路30を備える。本実施形態の構成においては、検波回路30は、コンパレータ16からされた出力パルスP6の高レベル側のピークレベルを検出するように構成されている。
本実施形態において、検波回路30は、抵抗素子32およびダイオード34からなる縦続回路31とコンデンサ36と、抵抗素子38とを有している。縦続回路31は、抵抗素子32の入力側がコンパレータ16の出力と接続され、その出力側がダイオード34のアノード端子と接続され、ダイオード34のカソード端子が、非反転アンプ42の非反転入力端子(+)に接続されている。またコンデンサ36は、非反転アンプ42の非反転入力端子(+)すなわちダイオード34のカソード端子側と接地との間に配されている。
なお、後述するように、ピーク検波としては、検波回路30の出力直流電圧を非反転アンプ42を介してコンパレータ16にフィードバックすることで、入力信号Vinの高レベル側のピークレベル電圧を検知でき、検波回路30の出力直流電圧を反転アンプ50を介してコンパレータ16にフィードバックすることで、入力信号Vinの低レベル側のピークレベル(ボトムレベル)電圧を検知できる。
検波回路30のチャージ時定数は、概ね抵抗素子32の抵抗値とコンデンサ36の容量値との積で決まり、ディスチャージ時定数は、概ねコンデンサ36の容量値と抵抗素子38の抵抗値との積で決まり、従来例と同様に、チャージ時定数T1に対しディスチャージ時定数T2が十分大きく設定される。
検波回路30の後段に配される帰還部40は、入力インピーダンスの十分大きいオペアンプで構成されバッファアンプ(緩衝増幅回路)として機能する増幅率が“1”の非反転アンプ(増幅回路)42と、非反転アンプ42の電圧値を入力電圧の平均値に対し反転させる、所定の増幅率に設定された反転アンプ(増幅回路)50とが縦続接続されている。
非反転アンプ42の非反転入力端子(+)には抵抗素子38の一方が接続され、その抵抗素子38の他方は、反転アンプ50の非反転入力端子(+)に接続されるとともに、積分回路82の抵抗素子83とコンデンサ84との接続点である初期比較電圧設定点P8に接続されている。
なお、本実施形態では、非反転アンプ42の増幅率を“1”としているが、必要に応じて、増幅率を“1”以上にしてもよい。
反転アンプ50は、オペアンプ52と、増幅率を設定する素子として、オペアンプ52の反転入力端子(−)の入力側に配された抵抗素子54と、反転入力端子(−)と出力端子との間に配された抵抗素子56とを有している。反転アンプ50の増幅率は抵抗素子54,56の比で決まり、本実施形態では、その抵抗比を“1”すなわち増幅率を“−1”とする。なお、本実施形態では、反転アンプ50の増幅率を“−1”としているが、必要に応じて、増幅率の絶対値を“1”以上にしてもよい。
検波回路30の出力電圧VP7を直接にコンパレータ16の比較電圧VP11としてフィードバックさせるのではなく、非反転アンプ42を介してフィードバックさせることで、ピークレベル検出時のフィードバック系統が、検波回路30のチャージ時定数T1とディスチャージ時定数T2に影響を与えないようにし、入力信号Vinのピークレベル検知性能を高めるようにしている。
同様に、検波回路30の出力電圧VP7を直接にコンパレータ16の比較電圧VP11としてフィードバックさせるのではなく、反転アンプ50を介してフィードバックさせることで、ボトムレベル検出時のフィードバック系統が、検波回路30のチャージ時定数T1とディスチャージ時定数T2に影響を与えないようにし、入力信号Vinのボトムレベル検知性能を高めるようにしている。
さらに帰還部40は、スイッチ62,64を有し、非反転アンプ42および反転アンプ50の何れか一方から出力された直流電圧を周波数変換部10(具体的にはコンパレータ16)に供給する選択回路60を備えている。
この選択回路60は、非反転アンプ42および反転アンプ50それぞれの出力と比較電圧間とを選択し帰還、接続するためのものであるとともに、選択回路60内のスイッチを切り替えることで、入力信号Vinにおける高レベルのピークレベル(正ピーク)や低レベルのピークレベル(ボトムレベル;負ピーク)を測定する際の切替回路として機能するようになっている。
たとえば、スイッチ62は、高レベルのピークレベルを検出(以下単にピーク検出という)するためのものであり、一方の端子(入力端子)62aが、非反転アンプ42の出力端子と接続され、他方の端子(出力端子)62bが、コンパレータ16の反転入力端子(−)に接続されている。
一方、スイッチ64は、低レベルのピークレベルを検出(以下単にボトム検出という)するためのものであり、一方の端子(入力端子)64aが、反転アンプ50の出力端子と接続され、他方の端子(出力端子)64bが、コンパレータ16の反転入力端子(−)に接続されている。
このように、切替回路として機能する選択回路60を設けることで、初期基準電圧設定部80(積分回路82)、周波数変換部10(コンパレータ16と分周回路18)、被検波電圧取得部20(レベル変換回路21)、検波回路30、帰還部40のうちの非反転アンプ42および反転アンプ50からなる検出回路本体2を共通に使用しつつ、入力信号Vinにおける高レベルのピークレベル測定と低レベルのピークレベル(ボトムレベル)測定とを行なうことができ、ピークレベル測定とボトムレベル測定とにそれぞれの回路を設ける場合に比べてコンパクトな回路構成にすることができる。
なお、入力信号Vinにおける高レベルのピークレベル測定および低レベルのピークレベル(ボトムレベル)測定の何れか一方のみの構成でよい場合には、選択回路60を備える必要はない。
ピーク電圧検出回路1の入力側に配された初期基準電圧設定部80は、入力端子3に入力される信号に基づいて初期比較電圧を取得するものであり、第1実施形態の初期基準電圧設定部80の機能部としては、抵抗素子83およびコンデンサ(キャパシタ素子)84を有し、入力端子3に入力される信号レベルを平均値化する積分回路82を有している。この積分回路82の時定数、すなわち抵抗素子83とコンデンサ84との各値の積は、入力信号Vinの周波数Fの周期Tに対して十分大きいものに設定する。
<ピーク検出動作の説明>
図3および図4は、図2に示したピーク電圧検出回路1における、高レベルのピークレベルを検出する機能の動作(ピーク検出動作)を説明するタイミングチャートである。ピーク検出動作時には、選択回路60のスイッチ62をオン(閉じた状態)にし、スイッチ64をオフ(開いた状態)にする。
図1に示した入力信号Vinが入力端子3に入力すると、積分回路82は、この平均電圧Vavを持った繰返周波数Finの入力信号Vinを積分するので、抵抗素子83とコンデンサ84との接続点(初期比較電圧設定点P8)に平均電圧値Vavが得られる。
入力信号Vinが入力端子3に入力した直後は、検波回路30の出力はなく、また積分回路82の接続点(初期比較電圧設定点P8)の平均電圧値Vavが抵抗素子38を介して非反転アンプ42の正転入力端子(+)に入力されバッファされた後にスイッチ62の入力端子62aに供給されるので、スイッチ62の入力端子62a側すなわち非反転アンプ42の出力点P9や、スイッチ62の出力点P11すなわちコンパレータ16の反転入力端子(−)に入力される比較電圧VP11は、接続点(初期比較電圧設定点P8)の平均電圧値Vavとほぼ同じになる。
コンパレータ16は、このコンパレータ16の反転入力端子(−)の比較電圧VP11と比較するが、入力信号Vinが入力端子3に入力した直後は、対象の比較電圧VP11はほぼ入力電圧の平均電圧値Vavとなっているため、入力が平均電圧値Vav以上の期間は、コンパレータ16の出力パルス電圧VP2は“H”となる。次に入力信号のレベルが平均電圧値Vavより下がった期間、コンパレータ16の出力パルス電圧VP2は“L”となる。このような動作を繰り返すことで、コンパレータ16は、スイッチング動作を開始し、図3のVP2に示すような出力パルスを発生する。
コンパレータ16の出力パルスは、次段の分周回路18に入る。分周回路18は、この出力パルスの周波数を、次段のコンパレータ16が動作するスピード以下になるように分周する。たとえば、図1に示した入力信号Vinの周波数が1GHzとしコンパレータ16の動作スピードが最高で100MHzと仮定すると、分周回路18の分周比Nを16に設定する。この場合、分周回路18から出力された出力パルスP3の周波数は、図3のP3に示すように、1GHz/16=62.5MHzとなり、十分コンパレータ16の動作スピード内になる。
分周回路18の出力はECLロジックレベルなので、これを適当なレベル変換回路21を用いて入力ピークレベルに追従する電圧レベルになるよう変換する。
本実施形態では、レベル変換回路21として、微分回路22とTTLロジックレベル出力またはCMOSロジックレベル出力をもつコンパレータ16と、コンパレータ16の反転入力端子(−)に比較基準電圧VP5を設定する基準電圧源28が使用されている。
なお、コンパレータ16の比較電圧は、レベル変換回路21に入力されるパルスが微分回路22を通った信号のピーク値より十分小さければよく、たとえば0ボルトでもよい。つまり、基準電圧源28がなくてもよい。ただし、無入力のとき、ノイズなどでコンパレータ16が誤動作しない程度のオフセットが望まれる。
レベル変換回路21によって所定のレベルに変換されたパルス信号P6、すなわちコンパレータ16の出力パルスは、検波回路30によって検波される。検波回路30のチャージ、ディスチャージそれぞれの時定数は、従来例と同じように、チャージ時定数T1に対しディスチャージ時定数T2が十分大きいので、入力信号Vinが連続的に入力されると、検波回路30の出力電圧VP7は徐々に上がって行くので、図4に示すように、コンパレータ16の比較電圧VP11も徐々に上がって行く。
以上のピーク検出動作を纏めると、以下の通りである。先ず、パルス列が繰り返す所定周波数Finの入力信号Vinが連続的にピーク電圧検出回路1に入力されると、積分回路82により、比較電圧VP11を入力信号Vinのピークおよびボトムレベル内に設定(たとえば平均電圧)する。これにより、コンパレータ16は、スイッチング動作を開始し、出力パルス電圧VP2を発生し分周回路18に供給する。
分周回路18は、そのパルス周波数を1/Nに分周し、レベル変換回路21に供給する。ここで、1/Nに分周された分周出力パルスVP3が“H”状態のある期間、検波回路30のコンデンサ36をチャージする。これにより、比較電圧VP11が上昇する。
このような動作を繰り返すことで、比較電圧VP11は、やがて入力信号Vinのピーク値とほぼ同じレベルに達する。この状態では、チャージによる微小電圧増加分とディスチャージによる微小電圧減少分が平衡するようになり、比較電圧VP11は、ほぼ同じレベル(ピークレベル)を保持する。この比較電圧VP11を測定端子5を介して直流電圧計で測定すれば、入力信号Vinのピークレベルを知ることができる。
なお、チャージ量がディスチャージ量に対し圧倒的に大きいので、チャージによる微小電圧増加分とディスチャージによる微小電圧減少分が平衡するには、必然的にコンパレータ16のスイッチング回数が減少することとなる。
<ボトム検出動作の説明>
次に、図2に示したピーク電圧検出回路1における、低レベルのピークレベル(ボトムレベル)を検出する機能の動作(ボトム検出動作)を説明する。ボトム検出動作時には、選択回路60のスイッチ64をオン(閉じた状態)にし、スイッチ62をオフ(開いた状態)にする。
図1に示した入力信号Vinが入力端子3に入力すると、積分回路82は、この平均電圧Vavを持った繰返周波数Finの入力信号Vinを積分するので、抵抗素子83とコンデンサ84との接続点(初期比較電圧設定点P8)に平均電圧値Vavが得られる。
ピーク検出動作時と同様に、コンパレータ16はスイッチング動作を開始し出力パルス電圧P2を発する。この出力パルス電圧P2は分周回路18を経てレベル変換回路21で所定のレベルの被検波電圧VP6に変換された後に、検波回路30によって検波される。
ピーク検出動作時と同様に、チャージ時定数T1に対しディスチャージ時定数T2が十分大きいので、入力信号Vinが連続的に入力されると、検波回路30の出力電圧VP7すなわち非反転アンプ42の非反転入力端子(+)のレベルは徐々に上がって行く一方、反転アンプ50の抵抗素子54に入力されるレベルは、積分回路82の接続点(初期比較電圧設定点P8)の電圧である平均電圧値Vav(入力信号平均電圧値)に対して 徐々に下がって行く。これにより、コンパレータ16の比較電圧VP11も徐々に下がって行く。
以上のボトム検出動作を纏めると、以下の通りである。先ず、パルス列が繰り返す所定周波数Finの入力信号Vinが連続的にピーク電圧検出回路1に入力されると、積分回路82により、比較電圧VP11を入力信号Vinのピークおよびボトムレベル内に設定(たとえば平均電圧)する。これにより、コンパレータ16は、スイッチング動作を開始し、出力パルス電圧VP2を発生し分周回路18に供給する。
分周回路18は、そのパルス周波数を1/Nに分周し、レベル変換回路21に供給する。ここで、1/Nに分周された分周出力パルスVP3が“H”状態のある期間、検波回路30のコンデンサ36をチャージする。
このチャージ電圧は、非反転アンプ42および反転アンプ50を介して、コンパレータ16の反転入力端子(−)に比較電圧VP11として供給されるが、その比較電圧VP11は徐々に下降する。
このような動作を繰り返すことで、比較電圧VP11は、やがて入力信号Vinのボトム値とほぼ同じレベルに達する。この状態では、チャージによる微小電圧増加分とディスチャージによる微小電圧減少分が平衡するようになり、比較電圧VP11は、ほぼ同じレベル(ボトムレベル)を保持する。この比較電圧VP11を測定端子5を介して直流電圧計で測定すれば、入力信号Vinのボトムレベルを知ることができる。
なお、チャージ量がディスチャージ量に対し圧倒的に大きいので、チャージによる微小電圧増加分とディスチャージによる微小電圧減少分が平衡するには、必然的にコンパレータ16のスイッチング回数が減少することとなる。
以上説明したように、第1実施形態のピーク電圧検出回路1によれば、従来のピーク電圧検出回路900に対して、分周回路18を追加しただけの簡単な回路構成でありながら、高速の繰返周期Finを持つ信号のピークレベル電圧やボトムレベル電圧を測定する、すなわち振幅周波数測定を行なうことができる。
また、入力バイアス電流が流す構成を備えておらず、トランジェント動作時にダイオードのオフセットが発生せず、加えて帰還構成としているので、検出されるピーク電圧の検知精度も良好である。
<ピーク検出動作およびボトム検出動作における重要ポイントの説明>
ここで、上記で説明したピーク検出動作およびボトム検出動作においては、第1に、検波回路30の入力(実質的には分周回路18の出力)を所定のタイミングで“L”に収束させる、すなわち検波回路30をチャージ動作からディスチャージ動作へと遷移させることが必要である点と、第2に、コンパレータ16の初期の比較電圧VP11は、必ず入力信号VinのピークレベルVpkおよびボトムレベルVbt内(たとえば平均電圧Vav)に設定されていることが重要なポイントとなる。以下、これらについて説明する。
図5は、第1のポイントを説明する図である。この図5は、分周回路18の出力を“L”に収束させる所定のタイミングを説明するものでもある。先ず、ピーク検出動作時で説明する。
比較電圧VP11が入力信号VinのピークレベルVpkとほぼ同じレベルに達した平衡状態において、比較電圧VP11がある瞬間入力信号VinのピークレベルVpkより微かに下がり、かつ分周回路18の出力が“L”から“H”状態に遷移したときを考える。
このとき、分周回路18の出力“H”より、検波回路30は、コンデンサ36に電荷を蓄積するチャージ動作が始まる。これにより、検波回路30の出力電圧VP7が徐々に上昇し、非反転アンプ42の出力電圧VP9や比較電圧VP11も徐々に上がって行く。
この後、コンパレータ16のスイッチング回数は減少し、やがてスイッチング動作は停止するが、分周回路18の出力が“L”となるまでのパルス数に達しないため、図5に示すように、分周回路18の出力が“H”を保持したまま、検波回路30のダイオード34がカットオフするまで、コンデンサ36にチャージし続ける。この状態では、チャージとディスチャージとが平衡とならないため、ピーク電圧検出回路1は正常に動作しないこととなる。
このような状態を避け、本実施形態のピーク電圧検出回路1のピーク検出動作を保証するには、検波回路30がチャージ動作からディスチャージ動作へと切り替わる仕組みを設けることが必要になる。つまり、分周回路18の出力が“L”から“H”に遷移した後の所定期間、検波回路30の入力を“L”に収束させる(維持する)ことが必要になる。
このように検波回路30の入力を“L”に収束させるには、一例として、図2に示したように、分周回路18と検波回路30との間に、検波回路30をチャージ動作からディスチャージ動作へと切り替える検波回路動作モード変更部として、微分回路22を設けることが考えられる。
微分回路22を設けることで、図3に示すように、微分回路22から出力された出力信号VP4は、分周回路18の分周出力パルスVP3が“L”から“H”に遷移した後に、徐々に下がって行く。これにより、分周回路18の分周出力パルスVP3が“H”の間の所定のタイミングで、レベル変換回路21の微分回路22の出力信号VP4は、比較基準電圧VP5よりも下がるので、コンパレータ26の被検波電圧VP6が“H”から“L”に遷移する。これにより、検波回路30はチャージ動作からディスチャージ動作へと切り替わる。よって、チャージとディスチャージとが平衡となるようにすることができ、ピーク電圧検出回路1を正常に動作させることができる。
図6は、第2のポイントを説明するための回路ブロック図である。図7は、第2のポイントを説明するためのタイミングチャートである。なお、図6および図7の何れも、ピーク検出動作時で示している。
先にも述べたように、ピーク検出動作時には、スイッチ62が閉じられた状態にある。ここで、たとえば初期比較電圧が0ボルトに設定されている場合を考える。図7に示すように、入力信号VinのボトムレベルVbtが0ボルトより大きい電圧を持った繰返周期Finを持つパルス信号が入力したとする。この場合、コンパレータ16の出力パルス電圧VP2は“H”となる。
このとき、分周回路18の分周出力パルスVP3の状態は、信号入力以前の状態によって確定するので、入力信号Vinが入力された瞬間、“H”になるとは限らない。仮に“L”から“H”になったとしてもチャージはレベル変換回路21から決まる期間のみとなる。したがって、コンパレータ16の比較電圧VP11は、ほとんど変化なくピーク検出ができないこととなる。
このような状態を避け、本実施形態のピーク電圧検出回路1のピーク検出動作を保証するためには、コンパレータ16が必ずスイッチング動作することの保証が必要になる。このようにコンパレータ16が必ずスイッチング動作することを保証するには、比較電圧VP11の初期電圧は、必ず入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内に設定することが必要になる。
このように、比較電圧VP11の初期電圧を入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内に設定する仕組みとしては、一例として入力信号Vinの平均電圧Vavを与えることが考えられる。平均電圧Vavを与える回路構成としては、図2に示したように、入力端子3と初期比較電圧設定点P8との間に、積分回路82を設けることが考えられる。
積分回路82を設けることで、予め入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbtとが分かっていない場合であっても、比較電圧VP11の初期電圧を、自動的に、入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内に設定することができるようになる。
たとえば、積分回路82で積分された入力信号Vinの平均電圧Vavが初期比較電圧設定点P8に供給される。この平均電圧Vavは、検波回路30の抵抗素子38の片方の端子すなわち非反転アンプ42の非反転入力端子(+)への入力電圧として供給されるとともに、反転アンプ50の非反転入力端子(+)に供給される。
これにより、コンパレータ16は、入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内に設定される比較電圧VP11と入力信号Vinとを比較するので、コンパレータ16が必ずスイッチング動作し、必ずピーク検出ができるようになる。
上記で説明したピーク検出動作における第1および第2のポイントは、その詳細について図を用いた説明を割愛するが、ピーク検出動作時に限らず、ボトム検出動作時においても同様に言えることである。
<第2実施形態>
図8は本発明に係るピーク電圧検出回路の第2実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。また、図9は第2実施形態のピーク電圧検出回路1の動作を説明する図である。
この第2実施形態のピーク電圧検出回路1は、上記で説明したピーク検出動作およびボトム検出動作における第1のポイントに対する対処方法の第2例を示すものである。この第2実施形態の特徴部分は、第1実施形態の微分回路22を、分周回路18から出力された分周出力パルスVP3に基づいて所定パルス幅の制御パルスVP4aを発するワンショットマルチバイブレータ回路(以下単にモノマルチという)70に置き換えた点にある。モノマルチ70は、検波回路30をチャージ動作からディスチャージ動作へと切り替える検波回路動作モード変更部として機能する。
たとえばモノマルチ70には、本体回路(MM)72と、時定数を設定する電源VDDと設定端子70a間に接続された抵抗素子74と設定端子70a,70bに接続されたコンデンサ76とが設けられている。
モノマルチ70は、トリガ端子70tに分周回路18の分周出力パルスVP3が入力されると、図9に示すように、分周出力パルスVP3が“L”レベルから“H”レベルに遷移する立上りエッジに同期して、抵抗素子74の抵抗値とコンデンサ76の容量値との積で決まる時定数に応じた一定期間(ワンショット期間という)、出力信号VP4を“H”レベルにし、その後、出力信号VP4を“L”レベルにする。このモノマルチ70の出力電圧が、コンパレータ16を経た後に検波回路30に供給される。
このように、モノマルチ70を設けることで、分周回路18の分周出力パルスVP3が“H”の間の所定のタイミングで、モノマルチ70の制御パルスVP4aが“L”となり、比較基準電圧VP5よりも下がるので、コンパレータ16の被検波電圧VP6が“H”から“L”に遷移する。これにより、検波回路30はチャージ動作からディスチャージ動作へと切り替わる。よって、第2実施形態の構成においても、チャージとディスチャージとが平衡となるようにすることができ、ピーク電圧検出回路1を正常に動作させることができる。
<第3実施形態>
図10は、本発明に係るピーク電圧検出回路の第3実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。この第3実施形態のピーク電圧検出回路1は、上記で説明したピーク検出動作およびボトム検出動作における第2のポイントに対する対処方法の第2例を示すものである。
この第3実施形態の特徴部分は、第1実施形態において、初期基準電圧設定部80として機能する積分回路82を、初期比較電圧設定電圧源86に置き換えた点にある。なお、図示を割愛するが、第1実施形態に対するこの第3実施形態の変形は、第2実施形態についても同様に適用可能である。
初期比較電圧設定電圧源86は、入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbtを反映した所定の電圧値、具体的には、たとえば平均電圧Vavのように、入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内の所定の設定電圧V15を、初期比較電圧設定点P8に供給する。
このように、予め入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbtとが分かっている場合、積分回路82の代わりに、入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内の適当な電圧値を与える初期比較電圧設定電圧源86を用いることで、ピーク電圧検出回路1のピーク検出動作やボトム検出動作を保証する初期比較電圧を設定することができる。初期電圧を自由に設定できる利点もある。
すなわち、初期比較電圧設定電圧源86を設けることで、この初期比較電圧設定電圧源86の設定電圧V15が初期比較電圧設定点P8に供給される。この設定電圧V15は、検波回路30の抵抗素子38の片方の端子すなわち非反転アンプ42の非反転入力端子(+)への入力電圧として供給されるとともに、反転アンプ50の非反転入力端子(+)に供給される。
これにより、コンパレータ16は、入力信号VinのピークレベルVpkとボトムレベルVbt内に設定される比較電圧VP11と入力信号Vinとを比較するので、コンパレータ16が必ずスイッチング動作し、必ずピーク検出やボトム検出ができるようになる。
<第4実施形態>
図11および図12は、本発明に係るピーク電圧検出回路の一実施形態を搭載した電子機器検査装置の構成例を示す図である。ここで図11は、電子機器検査装置のシステム構成の概要を示し、図12は、その回路ブロック図を示す。
図11に示すように、電子機器検査装置100は、ローコストICテスタまたはロジックICテスタなどの試験装置(テスタ)110と、テストヘッド120と、テストヘッド120に組み込まれるロードボード130とを備えて構成されている。なお、プローバ(プローブ装置)やプローバを移動させるハンドラーは図示を割愛している。
電子機器検査装置100の本体として機能する試験装置110は、ロードボード130を搭載したテストヘッド120とコントロールデータ線などをインタフェースする接続ケーブルにより接続される。この試験装置110は、本体110aと、本体110aの動作を制御する表示デバイス(モニター)を有する端末110bと、端末110bを操作するための指示入力デバイスであるキーボード110cとを備えている。
ロードボード130は、図示しないハンドラーやプローバを利用することで、本体110aからの制御信号による自動制御の元で、あるいは操作者による手動制御の元で、測定対象物体170である回路基板に搭載されたICや回路モジュールなどの試験点と電気的に接触させることができるようになっている。
このロードボード130には、上記第1〜第3実施形態で説明したピーク電圧検出回路1が収容されており、図示しない接触端子が接触しているICや回路ボード(回路モジュール)やその他の測定対象物体170の試験点の信号のピーク電圧(高レベル側のピーク電圧や低レベル側のピーク電圧)を検出できるようになっている。
このような構成の電子機器検査装置100に搭載のロードボード130は、ICテスタなどの試験装置110の測定性能の向上やその機能の拡張性を図る上で好適であり、外部試験補助装置として単独での外部への出荷販売もできるようになっている。
図12に示すように、電子機器検査装置100の回路構成としては、先ずロードボード130側に、信号発生装置160と上記第1〜第3実施形態で説明したピーク電圧検出回路1とを備えている。
試験装置110には、電圧計112,114と、基準電圧源116と、周波数カウンタ118とが設けられている。試験装置110からロードボード130へは、スイッチコントロール線101が供給される。
ピーク電圧検出回路1の測定端子5は、スイッチ182,184を有する選択回路180を介して試験装置110に接続される。選択回路180のスイッチ182は、入力端子3に入力される測定信号のピークレベルやボトムレベルを検出するためのものであり、一方の端子(入力端子)182aが測定端子5に接続され、他方の端子(出力端子)182bが試験装置110の電圧計114に接続されている。
一方、スイッチ184は、コンパレータ16にバイアス電圧を設定するためのものであり、一方の端子(入力端子)184aが測定端子5に接続され、他方の端子(出力端子)184bが試験装置110の基準電圧源116に接続されている。
信号発生装置160の出力側と1の入力端子3との間には、ICやモジュールなどの測定対象物体(DUT)170が配され、ハンドラーやプローバを利用して信号発生装置160から発せられる試験信号が測定対象物体170に供給され、そのときの動作信号が所定の試験点に生じる。ピーク電圧検出回路1の入力端子3は、ハンドラーやプローバを利用することで試験点に接続されるようになっており、検査対象の試験点に生じる動作信号のピークレベルやボトムレベルあるいは平均電圧を測定可能になっている。
このためたとえば、ピーク電圧検出回路1の初期比較電圧設定点P8は、平均電圧Vavまたはスタティックな直流レベル測定用のためのDC測定線102として、ロードボード130を通して試験装置110の電圧計112に接続されている。
また、ピーク電圧検出回路1の測定端子5はピークレベル測定用またはボトムレベル測定用のDC測定線104として、スイッチ182とロードボード130とを通して試験装置110の電圧計114に接続されている。
さらに、測定端子5が、スイッチ184を介してコンパレータ16のバイアス線106として、試験装置110の基準電圧源116に接続されている。
また、分周回路18の分周出力パルスVP3が周波数測定線108として、ロードボード130を通して試験装置110の周波数カウンタ118に接続されている。
選択回路60や選択回路180の各スイッチ62,64,182,184は、対応するそれぞれの測定用のため切替回路として機能する。これにより、アナログテスタや高価なロジックテスタのアナログオプションを使用しなくても、安価な従来のローコストテスタやロジックICテスタを使って高精度のアナログテストを実現できる。
たとえば、スタティックなDCレベル測定時においては、DC測定線102を使用して、測定対象物体170の出力信号の平均レベル、または必要に応じ、出力信号のスタティックなDCレベル(“H”レベルや“L”レベル)を測定する。
また、周波数測定時には、スイッチ184を閉じ、基準電圧源116から適当なバイアス電圧をコンパレータ16に与える。この状態で、周波数測定線108を使用して周波数カウンタ118により周波数測定をする。このとき、測定対象物体170からの出力周波数が非常に高い場合、たとえば1GHZの時、伝送ラインのロスやローコストテスタなどに搭載されている周波数カウンタの能力による制約で直接測定できない場合が多いが、本実施形態の構成では分周回路18によって周波数を下げてあるので、測定可能となる。
たとえば、分周回路18の分周比を1/N=1/16とすると、周波数カウンタ118が検知する周波数は、被測定周波数1GHz/16=62.5MHzとなる。周波数カウンタ118では、分周回路18の分周比(1/N=1/16)を勘案して、62.5MHz*16=1GHzとすることで、被測定周波数を正しく測定することができる。
またピークレベル測定時は、スイッチ62とスイッチ182を閉じ、試験装置110の電圧計114でピークレベルを測定する。同様に、ボトムレベル測定時には、スイッチ64とスイッチ182を閉じ、試験装置110の電圧計114でボトムレベルを測定する。
本体110a内には、図示しないメモリが設けられており、このメモリには、測定対象物体170が正常であるときに予め取得しておいた基準値、あるいは端末110bのキーボード110cから操作者によって入力された基準値を、各試験点と対応付けて記憶しておく。
測定対象物体170の動作が正常であるか否かの判定に際しては、本体110a内の図示しないマイクロプロセッサにより、メモリに記憶しておいた基準値と、測定対象物体170を測定して取り込んだピーク電圧や平均電圧あるいは周波数とを比較し、基準値に対して許容範囲(±Δ)内であるか否かを判定する。つまり、測定値が“基準値±Δ”の範囲に入るものを正常とし、これより外れるものを異常とする。またこの際には、ピーク電圧、平均電圧、および周波数の何れか1つについてのみで判定するのではなく、これらの測定結果を組み合わせて判定するようにしてもよい。
このようにして、測定値と基準値とを比較することで故障の有無を診断した後には、たとえば、スピーカなどの発音体を利用した可聴報知、もしくは、端末110bの表示デバイス(モニター)などを利用した可視報知により、試験点の診断結果を操作者に通知する。あるいは、テストレポートとして印刷物にして出力してもよい。
以上説明したように、本実施形態の電子機器検査装置100によれば、安価な従来のローコストテスタやロジックICテスタを使って高速信号のピークレベルやボトムレベルを測定することができる。加えて、周波数測定も実現できる。特に、分周回路18の出力を周波数カウンタ118で測定することで、測定対象物体からの出力周波数が非常に高い場合であっても、伝送ラインのロスやローコストテスタなどに搭載されている周波数カウンタの能力の影響を受けるとことなく、測定可能となる。
試験装置110とロードボード130を搭載したテストヘッド120とを接続した装置構成としており、ピーク電圧検出回路1を収容したロードボード130は、ICテスタなどの試験装置110の測定性能の向上やその機能の拡張性を図る上で好適である。また、ロードボード130は、外部試験補助装置として単独での外部への出荷販売もできる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、入力信号の周波数をより低い周波数の信号に変換する周波数変換部10と、周波数変換部10から出力された低周波数信号に基づいて入力信号のピーク電圧に対応した直流電圧を取得する検波回路30とを少なくとも備えて構成されていればよく、被検波電圧取得部20や帰還部40は、必ずしも備えていなくてもよい。
また、上記実施形態では、コンパレータ16と分周回路18とで出周波数変換部10を構成していたが、たとえば通信分野などで用いられる周波数変換回路を利用して入力信号の周波数をより低い周波数の信号に変換する構成を採用してもよい。この場合においても、検波回路30の検知電圧を周波数変換部10にフィードバックして、周波数変換された信号レベルを調整するなど、帰還部40を備えた構成を採用することができる。
また、上記実施形態では、ピーク電圧検出回路の全体構成をフィードバック構成としていたが、帰還部40を備えない構成とすることもできる。ただしこの場合、周波数変換部10や被検波電圧取得部20から出力され検波回路30に供給される周波数変換された信号のピーク(正ピークや負ピーク)レベルを、入力信号Vinのピーク(正ピークや負ピーク)レベルに合わせる仕組みが必要となる。
また、上記実施形態では、コンパレータ16および分周回路18として、ECLロジック動作のものを用いていたが、これに限定されるものでなく、たとえばPECL(Positive Emitter Coupled Logic)ロジックやLVDS(Low Voltage Differential Signaling)ロジックなどでも構成可能である。
また、上記実施形態では、入力信号Vinの極性としては、図1(A)に示すように、ボトムレベルVbtおよびピークレベルVpkがともに接地レベルに対して正極性側となる正極性信号の場合について説明したが、図1(B)に示すように、ボトムレベルVbtおよびピークレベルVpkがともに接地レベルに対して負極性側となる負極性信号の場合や、図1(C)に示すように、接地レベルを挟んで2つのピークレベルが存在する中間極性信号の場合についても、上記実施形態で説明した仕組みが同様に適用可能である。
なお、接地レベルに対して負極性のピークを検出する場合、ダイオード34の極性を上記実施形態とは逆向きにするととともに、電源系統も負極性に応じたものとするなどの変更を加えるとよい。
ピーク電圧検出回路に入力される交流信号の一例を示す図である。 本発明に係るピーク電圧検出回路の第1実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。 図2に示したピーク電圧検出回路におけるピーク検出動作を説明するタイミングチャートである。(その1) 図2に示したピーク電圧検出回路におけるピーク検出動作を説明するタイミングチャートである。(その2) ピーク検出動作およびボトム検出動作における第1のポイントを説明する図である。 ピーク検出動作およびボトム検出動作における第2のポイントを説明するための回路ブロック図である。 ピーク検出動作およびボトム検出動作における第2のポイントを説明するためのタイミングチャートである。 本発明に係るピーク電圧検出回路の第2実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。 第2実施形態のピーク電圧検出回路の動作を説明する図である。 本発明に係るピーク電圧検出回路の第3実施形態の構成例を示す回路ブロック図である。 本発明に係るピーク電圧検出回路の一実施形態を搭載した電子機器検査装置の構成例を示す図である。 図11に示した電子機器検査装置の回路ブロック図である。 従来のピーク電圧検出回路の一構成例を示した図である。 図13に示したピーク電圧検出回路の動作を説明する図である。
符号の説明
1…ピーク電圧検出回路、2…検出回路本体、10…周波数変換部、16…コンパレータ、18…分周回路、20…被検波電圧取得部、21…レベル変換回路、22…微分回路、26…コンパレータ、30…検波回路、40…帰還部、42…非反転アンプ、50…反転アンプ、60…選択回路、70…モノマルチ、80…初期基準電圧設定部、82…積分回路、86…初期比較電圧設定電圧源、100…電子機器検査装置、110…試験装置、110a…本体、112,114…電圧計、116…基準電圧源、118…周波数カウンタ、120…テストヘッド、130…ロードボード、160…信号発生装置、170…測定対象物体、180…選択回路

Claims (22)

  1. 入力信号のピーク電圧を検出するピーク電圧検出回路であって、
    前記入力信号の周波数をより低い周波数の信号に変換する周波数変換部と、
    前記周波数変換部から出力された低周波数信号に基づいて、前記入力信号のピーク電圧に対応した直流電圧を取得する検波回路と
    を備えたことを特徴とするピーク電圧検出回路。
  2. 前記周波数変換部は、
    前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路と、
    前記電圧比較回路から出力された比較信号を分周する分周回路と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のピーク電圧検出回路。
  3. 前記検波回路から出力された直流電圧に対応した電圧を前記周波数変換部に帰還する帰還部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のピーク電圧検出回路。
  4. 前記帰還部は、前記検波回路から出力された直流電圧を非反転増幅する非反転増幅回路を有して構成され、
    前記周波数変換部は、前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路を有し、
    前記電圧比較回路は、前記非反転増幅回路から出力された直流電圧と前記入力信号とを比較する
    ことを特徴とする請求項3に記載のピーク電圧検出回路。
  5. 前記帰還部は、前記検波回路から出力された直流電圧を反転増幅する反転増幅回路を有して構成され、
    前記周波数変換部は、前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路を有し、
    前記電圧比較回路は、前記反転増幅回路から出力された直流電圧と前記入力信号とを比較する
    ことを特徴とする請求項3に記載のピーク電圧検出回路。
  6. 前記帰還部は、
    前記検波回路から出力された直流電圧を非反転増幅する非反転増幅回路と、
    前記検波回路から出力された直流電圧を反転増幅する反転増幅回路と、
    前記非反転増幅回路および前記反転増幅回路の何れか一方から出力された直流電圧を前記電圧比較回路に供給する選択回路と
    を有して構成され、
    前記周波数変換部は、前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路を有し、
    前記電圧比較回路は、前記選択回路から出力された直流電圧と前記入力信号とを比較する
    ことを特徴とする請求項3に記載のピーク電圧検出回路。
  7. 前記検波回路を、チャージ動作からディスチャージ動作へと切り替える検波回路動作モード変更部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のピーク電圧検出回路。
  8. 前記検波回路動作モード変更部は、前記周波数変換部から出力された低周波数信号を微分する微分回路を有して構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のピーク電圧検出回路。
  9. 前記検波回路動作モード変更部は、前記周波数変換部から出力された低周波数信号に基づいて、所定パルス幅の制御パルスを発するマルチバイブレータ回路を有して構成されている
    ことを特徴とする請求項7に記載のピーク電圧検出回路。
  10. 前記周波数変換部は、前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路を有し、
    前記電圧比較回路における初期の比較電圧を、前記入力信号のピークレベルとボトムレベル内に設定する初期基準電圧設定部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のピーク電圧検出回路。
  11. 前記初期基準電圧設定部は、前記入力信号の供給を受けて前記初期の比較電圧を生成する自己生成回路を有して構成されている
    ことを特徴とする請求項10に記載のピーク電圧検出回路。
  12. 前記自己生成回路は、積分回路を有して構成されている
    ことを特徴とする請求項11に記載のピーク電圧検出回路。
  13. 前記初期基準電圧設定部は、前記入力信号のピークレベルとボトムレベル内にて予め設定された所定電圧を出力する電圧源を有して構成されている
    ことを特徴とする請求項10に記載のピーク電圧検出回路。
  14. 前記周波数変換部と前記検波回路との間に、前記入力信号のピーク電圧に対応した被検波電圧を取得し前記検波回路へ供給する被検波電圧取得部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のピーク電圧検出回路。
  15. 電子回路の動作状態を検査する電子機器検査装置であって、
    前記電子回路の試験点から発せられる被検査信号の周波数をより低い周波数の信号に変換する周波数変換部と、
    前記周波数変換部から出力された低周波数信号に基づいて、前記被検査信号のピーク電圧に対応した直流電圧を取得する検波回路と、
    前記検波回路から出力された直流電圧を読み取る電圧計と
    を備えたことを特徴とする電子機器検査装置。
  16. 前記電子機器検査装置の本体と前記電子回路の試験点と電気的に接触するプローブ装置との組合せで構成されており、
    前記周波数変換部と前記検波回路とは、前記プローブ装置内に収容され、
    前記電圧計は、前記本体内に収容されている
    ことを特徴とする請求項15に記載の電子機器検査装置。
  17. 前記周波数変換部は、
    前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路と、
    前記電圧比較回路から出力された比較信号を分周する分周回路と
    を有することを特徴とする請求項15に記載の電子機器検査装置。
  18. 前記検波回路から出力された直流電圧に対応した電圧を前記周波数変換部に帰還する帰還部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の電子機器検査装置。
  19. 前記検波回路を、チャージ動作からディスチャージ動作へと切り替える検波回路動作モード変更部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の電子機器検査装置。
  20. 前記周波数変換部は、前記入力信号と前記検波回路から出力された直流電圧に応じた信号とを比較する電圧比較回路を有し、
    前記電圧比較回路における初期の比較電圧を、前記入力信号のピークレベルとボトムレベル内に設定する初期基準電圧設定部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の電子機器検査装置。
  21. 前記周波数変換部と前記検波回路との間に、前記入力信号のピーク電圧に対応した被検波電圧を取得し前記検波回路へ供給する被検波電圧取得部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の電子機器検査装置。
  22. 前記周波数変換部から出力された低周波数信号の周波数を測定する周波数カウンタ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項15に記載の電子機器検査装置。
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