JP2005265571A - 応力測定装置、応力測定方法及び応力測定用プログラム - Google Patents

応力測定装置、応力測定方法及び応力測定用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】従来では応力測定がほぼ不可能であると考えられていた試料の応力測定を行える応力測定装置を提供する。
【解決手段】エネルギ線EBを試料Wに照射する照射装置2と、その試料Wから発生する光Lの波長毎の強度を検出する検出装置3と、前記波長毎の強度から光Lのスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部41と、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部42と、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部43と、微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部44と、測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部45とを備えるようにした。
【選択図】図3





Description

本発明は、光や電子線等のエネルギ線を試料に照射した際に生じる発光現象を利用して試料の応力測定を行う応力測定装置等に関するものである。
従来、特許文献1、2に示すようにレーザ光を絞って試料の測定部位に照射し、そのときに試料から発生するラマン散乱光を分析することによって応力を測定する、いわゆるラマン分光法による応力測定方法及び応力測定装置が知られている。さらに近時では、本発明者による特許文献3に示すように、電子線を試料に照射してその蛍光をみることで分解能においてラマン分光法に比して格段に優れた応力測定方法が開発されつつある。
これらの応力測定においては、試料から発された光のスペクトル波形を取得し、そのピークでの波長が基準となるスペクトル波形のピーク波長からどれだけシフトしているかでその試料に作用している応力の算出を行う。具体的には、シフト量と応力との間での線形な相関関係を予め求めておき、その線形相関関係から応力を算出する。
ところで従来、前記ピーク波長を求める際には、測定で得られたスペクトル波形にガウシアン関数等をフィッティングし、そのフィッティングデータからピーク波長を算出するようにしている。スペクトル波形にガウシアンフィッティング等を施しておけば、数学的、統計的な取り扱いが容易になり、ピーク波長の特定のみならず、種々の目的に用いることができるからである。
特開2002−310959公報 特開2002−93873公報 WO 03/076888
ところが、上述した従来の装置或いは手法で、酸素欠陥などが存在する試料のように、ブロードなスペクトル波形の光を発する試料の応力測定を行った場合、測定結果から導かれる波長シフト量と、作用している応力との相関関係を見いだすことが極めて困難で、このことからこの種の試料の微小領域における応力測定を行うことはほとんどできない。しかして従来このように相関関係が特定できない原因は、例えば電子線や光の照射によって測定時に欠陥が生じるといったことや、試料そのものの性質であるかの如く考えられている。
そこで、本発明は、従来では応力測定がほぼ不可能であると考えられていたこの種の試料の応力測定を行えるようにすることをその主たる所期課題としたものであって、前記相関関係を特定できない原因がフィッティングの問題にあり、その結果、測定したスペクトル波形のピーク波長が正確に求められていないということにはじめて想到しなされたものである。
フィッティングの問題点とは、
(1)最初にオペレータがフィッティングのための初期条件(オフセット量やフィッティング関数の初期パラメータ)を与える必要があるが、これが異なると、同じ測定結果から違う解がでたり、あまりにずれていると解がでなくなったりする。
(2)特にブロードなスペクトル波形が複数重畳している場合に、その分離が難しくフィッティングの再現性、信頼性が極めて悪くなる。
(3)このようなことからオペレータにある程度の熟練性が必要となるうえ、測定作業にもかなり時間がかかる。
といったことである。
一方、このようなフィッティングの問題は応力測定装置に限られず、エネルギ線を試料に照射して得られるスペクトル波形のピーク波長を求める際に共通する問題点である。そこで本発明は、この点の解決をも図っている。
すなわち本発明に係る応力測定装置は、エネルギ線を試料に照射する照射装置と、その試料から発生する光の波長毎の強度を検出する検出装置と、前記波長毎の強度から光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部と、測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部とを備えたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る応力測定方法は、エネルギ線を測定試料に照射する照射ステップと、エネルギ線を照射された測定試料から発生する光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成ステップと、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージングステップと、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算ステップと、微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定ステップと、測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出ステップとからなることを特徴とする。
このようなものであれば、測定生データを直接スムージングしてその頂点を微分により特定するため、フィッテイング関数を用いる従来のものと比べ、オペレータによる初期条件設定が不要になる。その結果、作業性が向上するほか、初期条件の設定の仕方によっては解がでない、といった従来の不具合をも解決できる。さらに、ブロードなスペクトル波形を有する試料であっても、或いはその波形が複数重畳していたとしても、確実にピーク波長を特定できるため、従来では応力測定が難しいとされていた試料の応力測定を正確にかつ再現性よく行うことができる。
かかる発想は、エネルギ線を試料に照射して得られるスペクトル波形のピーク波長を求める際にも応用できる。
これを実現すべく、本発明に係るピーク波長測定装置は、エネルギ線を試料に照射する照射装置と、その試料から発生する光の波長毎の強度を検出する検出装置と、前記波長毎の強度から光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部とを備えていることを特徴とする。
同様な目的から本発明に係るピーク波長測定方法は、エネルギ線を測定試料に照射する照射ステップと、エネルギ線を照射された測定試料から発生する光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成ステップと、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージングステップと、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算ステップと、微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定ステップとからなることを特徴とする。
また、本発明に係る応力測定用プログラムは、エネルギ線を試料に照射して得られた光の波長毎の強度から、当該光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部と、測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部ととしての機能をコンピュータに備えさせることを特徴とする。
エネルギ線とは例えば電子線や光(電磁波)であり、測定試料から発生する光とは例えば蛍光やラマン光である。
このような構成の本発明によれば、従来ピーク波長の特定が難しいとされていた試料に対しても、ピーク波長の特定が容易になる。そしてそれに伴って正確かつ信頼性の高い応力測定が可能となり、しかもその測定に熟練したオペレータは必要なく、測定をほぼ全自動で行えるという極めて顕著な効果を奏し得る。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態にかかる応力測定装置は、図1に示すように、試料台1と、その試料台1に載せた測定試料Wに電子線EBを照射する電子線照射装置2と、電子線EBの照射によって測定試料Wから発生する蛍光Lの波長毎の強度を検出する検出装置3と、その検出装置3から出力される検出信号に基づいて前記測定試料Wに生じている応力を算出する情報処理装置4とを備えたものである。
各部を説明する。
試料台1は、X軸及びY軸方向に移動可能なものであり、本実施形態では試料スペクトルのピーク半値幅を小さくし、試料スペクトルから意味のある情報を得るために、図示しない冷却手段及び温度制御機構をさらに設け、この試料台1及び測定試料Wを数十K以下の所定温度に冷却できるようにしている。
電子線照射装置2は、例えば走査型のもので、電子銃21と、電子銃21から射出された電子線EBを測定試料Wの測定部位に収斂させるためのコンデンサレンズ、アパーチャ等のレンズ機構22とを備えている。なお本実施形態では前記電子銃21に熱フィラメント電界開放型のものを用いている。
検出装置3は、集光部31、分光部32及びセンシング部33を備えたものである。集光部31は、測定試料Wから発生する蛍光Lを最小限の損失で集め分光部に導くものであり、例えば楕円面鏡311や光ファイバ312等からなる。楕円面鏡311はそれ自体が受光と集光の作用をし、球面収差や色収差を発生しないという利点を有するためこれを採用している。その一方で楕円面鏡311は、結像倍率が機械的配置条件から決まるため、分光部32とのカップリングがうまくいかない欠点を有する。そこでこれを解消し、なおかつ光軸調整を簡単にするということから前記光ファイバ312を用い、楕円面鏡311で集光した蛍光Lを分光部32に転送するようにしている。もちろんその他に放物面鏡を用いたものやレンズを用いたものでも構わないのは言うまでもない。
分光部32は、前記集光部31で集光された蛍光Lを単色光に分離するもので、本実施形態ではモノクロメータを利用して構成している。
センシング部33は、前記分光部32で波長毎に複数に分光された各単色光の強度をそれぞれ測定し、各単色光の強度に応じた値の電流値(又は電圧値)を有する光強度信号を出力するものである。本実施形態ではこのセンシング部33をフォトマルチプライヤ(PMT)を用いて構成しているが、測定する波長領域によって使用する機器を変えても構わない。例えば赤外(1μm〜)においては、Ge検出器、Pbs検出器、赤外PMT等を用いることが好ましい。また、光−電子変換効率、ダイナミックレンジ、S/Nに優れているといったことからCCDを利用してもよい。CCDによればスペクトルの一括検出も可能である。
情報処理装置4は、図2に示すように、機構としては、CPU、メモリ、AD変換器、入力手段等からなるコンピュータである。そして、前記メモリの所定領域に格納してあるプログラムに基づいてCPUやその周辺機器が作動することにより、この情報処理装置4が、図3に示すように、前記光強度信号を受信しスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部41と、そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部42と、スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部43と、その微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部44と、測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部45としての機能を発揮するようにしている。なお、この情報処理装置4は、オペレータから前記入力手段を介して入力された指示データに基づいて、あるいは自動で、前記試料台1、検出装置2等の本応力測定装置を構成する各部の制御や、印字、画面表示のためのデータ処理等をも必要に応じて行うものである。
次に、このように構成した応力測定装置の動作について各部の詳細説明を兼ねて以下に述べる。
まず、試料台1を予め定めた初期位置に移動させ、測定する試料の初期ポイントに電子線EBを照射する(ステップS1)。この電子線EBの照射により発生した蛍光Lは検出装置3で各波長に分光され、波長毎の光強度を示す光強度信号として出力される(ステップS2)。
これら各光強度信号をスペクトルデータ生成部41が受信し、波長(波数)と関連づけることにより、スペクトル波形を示す測定生データであるスペクトルデータを生成する(ステップS3)。このスペクトルデータは、メモリの所定領域に設定したスペクトルデータ格納部D1に格納される。
次にこのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージング部42がスムージングする(ステップS4)。スムージングにはスプライン関数、移動平均、メディアンフィルタなどの手法を使えばよい。
次に微分演算部43が、そのスムージング波形に波長(波数)による微分演算を施す(ステップS5)。
そして波長特定部44が、前記微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする(ステップS6)。
さらに応力算出部45が、前記波長特定部44で特定したピーク波長の、基準となるピーク波長からのシフト量(変位量)に基づいて、当該試料Wに作用している応力を算出する(ステップS7)。より具体的には、シフト量と応力の相関関係を示す相関データが、メモリの所定領域に設定した相関データ格納部D2に格納してあり、その相関データに基づいて当該試料Wに作用している応力が算出される。その応力データは、電子線照射位置に関連づけて応力データ格納部D3に格納される。
なお、この応力算出について原理を簡単に説明しておく。測定試料Wの電子線EBを照射された部位に存在する応力と得られるピーク波長との関係は、応力の大きさが十数GPa程度までは直線近似することができ、その相関は、下式(1)で示される。
νσ=ν+Π・σ ・・・(1)
ここでνσは測定したスペクトルのピーク波長、νは基準となるピーク波長、σは測定試料Wに作用している応力を示すテンソル、ΠはPS(Piezo−Spectroscopic)係数と呼ばれ、応力のみに依存して位置に依存しないテンソルである。このν及びΠが前記相関データとして相関データ格納部D2に格納してある。かかる相関データは、測定試料Wと同等の試料に、既知の応力を複数作用させることによって統計的に求めるようにしている。
ここで基準となるピーク波長は、例えば、測定試料Wの残留応力を測定したい場合には、残留応力の存在していない他の同等の試料や、当該測定試料Wにおける残留応力の存在していない部位から得られた蛍光スペクトル波形から特定する。一方、例えば測定試料Wに作用させた外力に起因して発生する内部応力を測定したい場合には、外力を作用させていない状態での測定試料Wから得られた蛍光スペクトル波形から基準となるピーク波長を特定する。この基準ピーク波長を示すデータは、例えばメモリの所定領域に設定した基準データ格納部D3に格納してある。
次に試料Wにおける測定領域の全てのポイントで応力測定が終了したかどうかを判断し(ステップS8)、終了していれば、例えば応力データ格納部に格納されている応力データを位置毎に色づけし間を補完演算するなどして画像化する処理を行う(ステップS9)。一方、そうでなければ、電子線EBの軌道を変え、又は試料台を移動させて次の電子線照射ポイントを設定し(ステップS10)、再度ステップS2に戻る。
次に本実施形態に係る応力測定装置を用いて応力測定した場合の、具体的な効果を実際のデータを参考にして説明する。
図5は、SiO(より具体的にはグラスファイバ)に作用する応力を測定すべく、従来通り、フィッティング関数にGaussian-Lorentzianを用い、種々の応力を与えたときのSiOからでる光のピーク波長のシフト量を測定したデータをプロットしたグラフを示している。シフト量と応力との相関を見いだすことが困難で、よしんば統計処理によって線形相関関数を求めても、同図から明らかなようにその傾き(式(1)におけるΠ)は非常に小さい。
つまり、SiOに作用する応力をこのGaussian-Lorentzian関数を用いて測定した場合、シフト量と応力との相関が見いだしにくく、またΠが非常に小さいことから、測定の再現性や測定結果への信頼性が極めて低いことが容易にわかる。そしてこのことから、発明が解決しようとする課題の欄で述べたように、この種のブロードなスペクトル波形の光を発する試料に対しては、応力測定は非常に困難であると考えられていたわけである。しかも、このようなフィッティング関数を定めるには、ある程度熟練したオペレータが、初期条件(オフセット量やフィッティング関数の初期パラメータ)を経験と勘からある程度の精度で設定する必要がある。これがあまりにずれていると、解が出なくなったり、同じ測定結果に対して異なる解がでたりするからである。
図6は、同一の試料で、フィッティング関数にAsymmetrical
Gaussianを用いた場合の結果を示している。Gaussian-Lorentzianを用いた場合よりは、相関関係が明確化されていることがわかるが、やはり、測定結果に対する十分な信頼性を担保するには不十分である。また、オペレータによるフィッティング関数設定の作業は必要である。
これらに対し、図7は、この実施形態による応力測定装置を用いた場合の結果である。同図から明らかなようにシフト量と応力との相関が明確化され、線形相関関数の傾きも大きい。このことから、ブロードなスペクトル波形の光を発する試料に対しても、再現性よく、信頼性の高い応力測定をすることが可能になる。
ちなみにこの試料の測定領域(電子顕微鏡で撮像した図8の拡大部分)に対して、前述した各方法で測定し、画像化処理を施した応力分布マップを図9、図10、図11に示す。従来の方法では応力分布が明確化されていない(図9、図10参照)のに比して、本実施形態に係る方法乃至装置によれば、応力分布が非常にはっきりと測定できる(図11参照)ことがわかる。
このように本実施形態によれば、従来測定が難しいとされていた試料に対しても、正確かつ信頼性の高い応力測定が可能となり、しかもその測定に熟練したオペレータは必要なく、測定をほぼ全自動で行えるという極めて顕著な効果を奏し得る。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、電子線の代わりに紫外光等の電磁波を試料に照射し、その際得られる蛍光又はラマン散乱光の基準値からのピークシフト量により応力測定をする装置、或いは方法にも本発明を応用することは可能である。
さらに言えば、本発明は応力測定のみならず、エネルギ線を試料に照射して得られるスペクトル波形のピーク波長を求める際にも広く応用できる。その際は、前記実施形態における応力算出部及びその応力算出に係るステップが不要となり、その前段までで求めたピーク波長を表示や印字、或いは他の演算部に利用させるべく出力してやればよい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明の一実施形態における応力測定装置の模式的概略図。 同実施形態における情報処理装置の機構構成図。 同実施形態における情報処理装置の機能ブロック図。 同実施形態における情報処理装置の動作を示すフローチャート。 測定試料(SiO)に対し、従来の方法(Gaussian-Lorentzian関数によるフィッティング)で求めたピーク波長のシフト量と、作用させた応力との関係をプロットして示したグラフ。 同試料に対し、従来の方法(Asymmetrical Gaussian関数によるフィッティング)で求めたピーク波長のシフト量と、作用させた応力との関係をプロットして示したグラフ。 同試料に対し、同実施形態に係る応力測定装置で求めたピーク波長のシフト量と、作用させた応力との関係をプロットして示したグラフ。 同試料を電子顕微鏡で撮像した電子顕微鏡写真。 図8の拡大部分に対し、従来の方法(Gaussian-Lorentzian関数によるフィッティング)で求めた相関関数を用いて応力測定した結果を示す応力分布図。 図8の拡大部分に対し、従来の方法(AsymmetricalGaussian関数によるフィッティング)で求めた相関関数を用いて応力測定した結果を示す応力分布図。 図8の拡大部分に対し、同実施形態に係る応力測定装置で求めた相関関数を用いて応力測定した結果を示す応力分布図。
符号の説明
EB・・・エネルギ線(電子線)
W・・・試料
L・・・光(蛍光)
2・・・照射装置(電子線照射装置)
3・・・検出装置
41・・・スペクトルデータ生成部
42・・・スムージング部
43・・・微分演算部
44・・・波長特定部
45・・・応力算出部

Claims (6)

  1. エネルギ線を試料に照射する照射装置と、
    その試料から発生する光の波長毎の強度を検出する検出装置と、
    前記波長毎の強度から光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、
    そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、
    スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、
    微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部と、
    測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部とを備えたものであることを特徴とする応力測定装置。
  2. 電子線を試料に照射する電子線照射装置と、
    その試料から発生する蛍光の波長毎の強度を検出する検出装置と、
    前記波長毎の強度から蛍光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、
    そのスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、
    スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、
    微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部と、
    測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部とを備えたものであることを特徴とする応力測定装置。
  3. エネルギ線を測定試料に照射する照射ステップと、
    エネルギ線を照射された測定試料から発生する光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成ステップと、
    そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージングステップと、
    スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算ステップと、
    微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定ステップと、
    測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出ステップとからなることを特徴とする応力測定方法。
  4. エネルギ線を試料に照射する照射装置と、
    その試料から発生する光の波長毎の強度を検出する検出装置と、
    前記波長毎の強度から光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、
    そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、
    スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、
    微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部とを備えていることを特徴とするピーク波長測定装置。
  5. エネルギ線を測定試料に照射する照射ステップと、
    エネルギ線を照射された測定試料から発生する光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成ステップと、
    そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージングステップと、
    スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算ステップと、
    微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定ステップとからなることを特徴とするピーク波長測定方法。
  6. エネルギ線を試料に照射して得られた光の波長毎の強度から、当該光のスペクトル波形を示すデータであるスペクトルデータを生成するスペクトルデータ生成部と、
    そのスペクトルデータの示すスペクトル波形をスムージングするスムージング部と、
    スムージングによって得られた波形に微分演算を施す微分演算部と、
    微分演算によって得られた値がプラスからマイナスに反転する時点での波長をピーク波長とする波長特定部と、
    測定対象となる試料から得られるピーク波長と基準となるピーク波長との変位量に基づいて、その試料に作用している応力を算出する応力算出部ととしての機能をコンピュータに備えさせることを特徴とする応力測定用プログラム。

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