JP2005264886A - エアコンプレッサの吸気音低減構造 - Google Patents

エアコンプレッサの吸気音低減構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 エアコンプレッサの非作動時(アンロード時)に吸気脈動により発生するエアコンプレッサ音をコンパクト且つ簡易な手段により低下させ、吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサの騒音を低減する。
【解決手段】 エアコンプレッサ吸気音低減機構(50)は、エアコンプレッサ(10)の吸気口(11)と吸気系管路(2)とを相互連通するサクション管(12)に介装された吸気チャンバ(51)を備え、チャンバは、サクション管の内径よりも大きい内径を有する。吸気系管路及びエアコンプレッサ吸気口は、チャンバの内部空間(55)を介して相互連通する。
【選択図】 図2

Description

本発明はエアコンプレッサの吸気音低減構造に関するものであり、より詳細には、車両に搭載されたエンジンの吸気系管路に接続されたエアコンプレッサの騒音を低減するエアコンプレッサ吸気音低減構造に関するものである。
自動車等に搭載される車両用エンジンの吸気系として、吸気管にエアコンプレッサを接続し、吸気の一部をエアブレーキ系の圧縮空気として圧縮するように構成したものが知られている。エアコンプレッサの圧縮空気は、エアブレーキ装置用の作動流体としてエアタンクに蓄えられる。
この種のエアコンプレッサとして、通常は、シリンダ室内で往復動するピストンと、差圧作動式の吸気弁とを備えたレシプロ型コンプレッサが使用される。コンプレッサのシリンダ室は、吸気弁を介してサクション管と連通し、サクション管は、エンジン吸気系の吸気管に接続される。エンジン吸気弁及びエアコンプレッサ吸気弁の開閉音は、吸気管及びサクション管内における反射・共鳴作用により増幅され、吸気吸込口から外界に伝播し、或いは、車内騒音として車室内に伝播する。このため、外界又は車室内に放出される吸気音には、エンジンの吸気弁開閉音が含まれるだけではなく、エアコンプレッサの作動音が含まれる。
吸気管路には、吸気系の吸気吸込口から外界に放出される吸気音を低減すべく、吸気脈流と共振するレゾネータや消音器等が従来より配設されているが、特開平8-200222号公報には、エアコンプレッサを音源とする騒音を低減するように構成されたエアコンプレッサ吸気音低減構造をサクション管に更に配設した構成のものが記載されている。この吸気音低減構造は、エアコンプレッサの吸気弁着座音が共鳴して比較的大きな吸気音を発生させる点に着目したものであり、可変バルブ又は絞りパイプをサクション管に配設した構成を有する。
特開平8-200222号公報
しかしながら、このエアコンプレッサ吸気音低減構造が対象とする騒音は、共鳴により増幅したエアコンプレッサの吸気弁着座音、即ち、エアコンプレッサ作動時に発生する騒音である。これは、特開平8-200222号公報の図6に記載される如く、60dB(A)前後の共鳴音であるにすぎず、現実には、小径管(直径10〜20mm程度)に可変バルブ又は絞りパイプを設ける対策までをも必要としておらず、サクション管の管長を延長し、或いは、膨張型消音器をエンジン吸気管に配設することなどによっても比較的容易に対策し得る性質の騒音であるにすぎない。
これに対し、エアコンプレッサは、エンジンの駆動力で回転するギア駆動機構を備えることから、エアコンプレッサのピストンは、エアコンプレッサの非作動時(即ち、アンローダの作動によりエアコンプレッサ吸気弁が開放位置に保持されるアンロード時)においても往復動し続ける。このため、エアコンプレッサ吸気弁を介して非圧縮空気がエアコンプレッサのシリンダ室に吸入され且つシリンダ室から逆流する状態が、エアコンプレッサの非作動時に繰返し生じる。この空気流は、脈動衝撃波としてサクション管を伝播し、比較的低周波(80Hz以下の低周波数帯域)の騒音又は異音として吸気系の系外に放出される。周波数80Hzの音の波長λは、4.3mであり、このような低周波数域の騒音を従来のレゾネータ又は消音器等の消音手段で低減しようとすると、例えば膨張型消音器の場合には少なくとも1m(λ/4)の全長が必要となり、その断面積も又、かなり大きく設定する必要が生じる。このため、限られた吸気系スペースに巨大な騒音低減機構を配設する必要が生じるので、従来構造の消音手段は、現実的に採用し難い。
他方、上記特開平8-200222号公報に記載される如く、可変バルブをサクション管に取付けた場合、吸気系の装置構造及び制御が複雑化し、絞りパイプをサクション管に介装した場合、エアコンプレッサの吸引抵抗が増大し、エアコンプレッサの吸引能力が低下してしまう。しかも、このように吸気系を複雑化し又はエアコンプレッサの吸引能力を犠牲にするにもかかわらず、可変バルブ又は絞りパイプによる騒音低減効果は、比較的小さい。逆に、可変バルブ又は絞りパイプの設置により、サクション管を流通する気流の気流音が発生する事態も懸念される。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エアコンプレッサの非作動時(アンロード時)に吸気脈動により発生するエアコンプレッサ音をコンパクト且つ簡易な手段により低下させ、騒音又は異音として吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサの騒音を低減することができるエアコンプレッサの吸気音低減構造を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、車両に搭載されたエンジンに吸気を導入するための吸気系管路に接続されたエアコンプレッサから発生する騒音を低減するエアコンプレッサ吸気音低減構造において、以下の特徴事項を有する吸気音低減構造を提供する。即ち、
(1)エアコンプレッサの吸気口と吸気系管路とを相互連通するサクション管に介装された吸気チャンバを有し、該チャンバは、サクション管の内径よりも大きい内径を有し、吸気系管路及び吸気口は、チャンバの内部空間を介して相互連通し:又は、
(2)エアコンプレッサの吸気口と吸気系管路とを相互連通するサクション管に介挿された有孔部材を有し、この有孔部材は、有孔部材の前後の管内流路を相互連通させる多数の狭小開口を有し、吸気系管路及び吸気口は、狭小開口を介して相互連通し:或いは、
(3)エアコンプレッサの吸気口と吸気系管路とを相互連通するサクション管に介装された吸気チャンバを有し、このチャンバは、サクション管の内径よりも大きい内径を有し、チャンバ内には、チャンバ内領域を分割する有孔部材が配置され、この有孔部材は、有孔部材の前後のチャンバ内領域を相互連通させる多数の狭小開口を有し、吸気系管路及び吸気口は、チャンバ内空間及び狭小開口を介して相互連通する。
本発明の上記構成によれば、サクション管の内径よりも大きな径(内接円直径)を有する空間が吸気チャンバ内に形成され、チャンバ内空間は、エアコンプレッサの非作動時(アンロード時)にサクション管内に発生する吸気脈動を緩和し、脈動気流が衝撃波としてサクション管内を伝播することにより発生する比較的低周波の騒音又は異音を低減する。また、本発明の上記構成によれば、有孔部材は、サクション管の流路抵抗として働き、吸気脈動を緩和し、脈動気流が衝撃波としてサクション管内を伝播することにより発生する比較的低周波の騒音又は異音を低減する。従って、本発明によれば、吸気チャンバ及び/又は有孔部材をサクション管に介装又は介挿したことにより、騒音又は異音として吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサの騒音を低減することができる。
また、このような構成の吸気音低減構造は、限られたエンジン吸気系の領域に配置可能なコンパクトな寸法・形状に設計することができ、しかも、簡素な構造を有する。
更には、本発明の吸気音低減構造は、コンプレッサの吸引能力を制限するようなサクション管の絞り又は縮径部分を形成せず、制御弁等の精密な制御機構をも必要としない。従って、上記構成の吸気音低減構造によれば、コンプレッサの吸引能力低下や、制御の複雑化等の問題を回避することができる。
本発明のエアコンプレッサ吸気音低減構造によれば、エアコンプレッサの非作動時(アンロード時)に吸気脈動により発生するエアコンプレッサ音をコンパクト且つ簡易な手段により低下させ、騒音又は異音として吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサの騒音を低減することができる。
本発明の好適な実施形態において、上記吸気チャンバは、1〜8リットルの内容積を有する中空金属部材、例えば、円筒形金属部材からなり、上記サクション管に接続可能なポートを両端壁に有する。好ましくは、両端壁のポートは、チャンバの中心軸線上に整列する。
本発明の他の好適な実施形態において、上記有孔部材は、多孔性部材、例えば、金属メッシュ又はパンチングメタル等のメッシュ材又はパンチング材からなり、メッシュ材又はパンチング材の構面は、サクション管を流通する空気流と直交する。好ましくは、有孔部材は、30〜80%の開口率を有する。各開口が円形開口である場合、各開口は、 0.5〜8mmの範囲内の直径を有し、各開口が方形開口である場合、各辺の寸法は、0.5〜8mmの範囲内に設定される。
本発明に従って、単一の有効部材をサクション管内又はチャンバ内に配置し得るばかりでなく、複数の有孔部材をサクション管内又はチャンバ内に二重又は三重、或いは、多重に配置することができる。各有孔部材同士は、互いに接触又は密着しても、或いは、相互離間するように配置しても良い。また、複数の有孔部材をサクション管内又はチャンバ内に配置する場合、各有孔部材が形成する流路抵抗を均一に設計しても、或いは、各有孔部材が異なる流路抵抗を夫々形成するように設計しても良い。
吸気チャンバ及び有孔部材のいずれを用いる場合であっても、吸気音低減効果は、チャンバの脈動緩和作用又は有孔部材の流動抵抗に依存したものであり、サクション管自体の流路断面は縮小せず、また、巨大な消音器や、複雑な制御機構等は必要とされず、従って、本発明の吸気音低減構造は、コンパクト且つ簡単な構造であり、実用的に有利である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る吸気音低減構造を備えたエンジン吸気系を概略的に示すシステム構成図である。
エンジン1の吸気系は、吸気吸込口3に接続された吸気管2を有する。吸気管2には、エアクリーナ4及び消音器5が介装される。吸気管2の下流端は、吸気マニホールド(図示せず)を介してエンジン1の各吸気口7と連通し、エンジン1の各排気口8は、排気マニホールド(図示せず)を介して排気管9と連通する。
レゾネータ6が、連通部6aを介して吸気管2の吸気流路と連通する。レゾネータ6は、エンジン1の吸気脈流と共振し、エンジン吸気音を低減するように作用する。エアコンプレッサ10のサクション管12が、レゾネータ6の下流側において吸気管2に接続される。サクション管12の下流端が、エアコンプレッサ10の吸気口11に接続される。エアコンプレッサ10は、ピストン13及びシリンダ室14を備えた従来構造のレシプロ型エアコンプレッサからなり、ピストン13は、クランク機構15により駆動される。圧縮空気供給管17の上流端が、エアコンプレッサ10の圧縮空気吐出口16に接続され、圧縮空気供給管17の下流端が、エアタンク20に接続される。吸気口11及び圧縮空気吐出口16は、吸気弁及び吐出弁(図示せず)を夫々備える。
エアコンプレッサ10は、サクション管12を介して吸気管2の空気を吸引し、上死点及び下死点の間のピストン13の往復動に従ってシリンダ室14内の空気を圧縮し、圧縮空気供給管17を介して圧縮空気をエアタンク2に供給する。エアコンプレッサ10は、エアタンク20内の圧縮空気が所定圧力に達すると吸気弁を強制開放するアンロード機構(図示せず)を備える。クランク機構15のクランク軸は、エンジン作動時に常に回転するので、アンロード機構の作動時には、サクション管12内の空気は、ピストン13の往復動に従って、シリンダ室14に対する流入・逆流を繰返す。このため、吸気口11からシリンダ室14に流入し、或いは、シリンダ室14から吸気口11を経てサクション管12に流出する脈動気流がサクション管12内に発生し、この空気流の衝撃波により比較的大きなエアコンプレッサ音が吸気管2を介して系外に伝播する。この音の騒音特性は、吸気弁の開閉音よりも周波数が低く、80Hz以下の低周波数帯域の騒音であり、レゾネータ又は消音器では低減し難い。このため、アンロード時のエアコンプレッサ音を低減する吸気音低減機構50(図1に仮想線で示す)が、サクション管12に介装される。
図2は、吸気音低減機構50の構造を概略的に示す断面図である。
分岐管12aが、吸気管2に一体的に形成され、可撓管12bの上流端が分岐管12aに接続される。可撓管12bの下流端が、吸気音低減機構50を構成する吸気チャンバ51の第1ポート52に接続される。吸気チャンバ51は、所定容積を有する中空円筒形本体と、本体の両端壁に形成された第1及び第2ポート52、53とからなり、ポート52、53は、吸気チャンバ51の中心軸線上に整列配置される。第2ポート53には、可撓管12cの上流端が接続される。可撓管12cの下流端は、エアコンプレッサ10の吸気口11(図1)に接続される。分岐管12a及び可撓管12b、cは、図1に示すサクション管12を構成する。吸気チャンバ51の内径(内接円直径)は、可撓管12b、c及びポート52、53の内径よりも大きい。
エアコンプレッサ10の作動時には、エアコンプレッサ10の吸引力が吸気管2内の空気流に作用する。空気流の一部が、分岐管12a内に流入し、矢印Aで示す如く、可撓管12b、c及び吸気チャンバ51を介してエアコンプレッサ10に吸引される。エアコンプレッサ10の非作動時(アンロード機構の作動時)にも又、エアコンプレッサ10のピストン13(図1)が上死点から下死点の方向に移動するとき、吸気管2内の空気流の一部が、矢印Aで示す如く、可撓管12b、c及び吸気チャンバ51を介してエアコンプレッサ10に吸引される。他方、非作動時(アンロード時)にピストン13が下死点から上死点の方向に移動するとき、シリンダ室14(図1)内の空気が、サクション管12内に逆流する。サクション管12及び吸気チャンバ51内の空気は、矢印Bで示す如く、吸気管2に逆流する。
かくして、非作動時(アンロード時)には、エアコンプレッサ10の回転に従って、吸気チャンバ51内の円柱形空間55を矢印A方向及びB方向に流通する脈動気流が形成されるが、円柱形空間55は、脈動を緩和し、脈動衝撃波としてサクション管12内を伝播する比較的低周波(80Hz以下の低周波数帯域)の騒音又は異音を低減する。この結果、騒音又は異音として吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサ10の騒音は、低下する。
また、このような吸気音低減機構50は、エンジン吸気系の領域に配置可能なコンパクトな寸法・形状に設計することができ、しかも、簡素な構造を有する。
更に、吸気音低減機構50には、コンプレッサ10の吸引能力を低下するようなサクション管12の絞り又は縮径部分は形成されず、逆に、コンプレッサ10の吸引流路が円柱形空間55において局所的に拡大される。また、吸気音低減機構50は、制御弁等の精密な制御機構を要しない。従って、上記構成の吸気音低減機構50によれば、コンプレッサ10の吸引能力低下や、制御の複雑化等の問題は、生じない。
図3は、吸気音低減機構50の他の実施形態を示す断面図及び斜視図である。
図3に示す吸気音低減機構50は、分岐管12bの開口端を閉鎖するように配置された有孔部材60を備える。有孔部材60は、多数の貫通孔又は狭小開口を備えたシート状部材又は膜状部材からなり、有孔部材60の構面は、空気流方向と直交するように配置される。上述の脈動空気流は、有孔部材60の貫通孔又は狭小開口を流通する。有孔部材60として、ワイヤメッシュ又は金属メッシュ等のメッシュ材(材質:鉄、アルミ合金、ステンレス合金、樹脂、セラミックス材料等、線径:0.2 〜1mm、開口率:30〜80%)、或いは、パンチング材(材質:鉄、アルミ合金、ステンレス合金、樹脂、セラミックス材料等、孔径又は孔寸法:0.5 〜8mm、開口率:30〜80%)を好適に使用し得る。
なお、樹脂製の有孔部材60を用いる場合、樹脂又は補強樹脂は、金属と同等の硬度及び強度を備えたものであることが望ましい。また、単一の有孔部材60をサクション管12に介挿しても、二重に重ねた有孔部材60をサクション管12に介挿しても良い。有孔部材60は、互いに接触又は密着した状態で重ねることができるのみならず、適当な距離を隔てて相互離間した状態に配置しても良く、このように相互離間した場合には、更に良好な吸気音低減効果が期待される。
図4は、吸気音低減機構50の更に他の実施形態を示す断面図である。
図4に示す吸気音低減機構50は、図2及び図3に示す各実施形態の構成を複合した構成を有し、吸気チャンバ51がサクション管12に介装されるとともに、2枚の有孔部材60が吸気チャンバ51の円柱形空間55に配置される。各有孔部材60は、円柱形空間55を横断し、各有孔部材60の構面は、空気流方向と直交する。脈動気流は、有孔部材60の多数の貫通孔又は狭小開口を流通する。
図3及び図4に示す有孔部材60は、サクション管12の流路抵抗として働き、吸気脈動を緩和し、脈動衝撃波としてサクション管12内を伝播する比較的低周波の騒音又は異音を低減する。この結果、騒音又は異音として吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサ10の騒音は、低下する。なお、内容積1〜8リットル程度の吸気チャンバ51を用いた実験では、吸気チャンバ51の内容積が増大するにつれて、良好な吸気音低減効果が得られた。
図5は、吸気音低減機構50の吸気音低減効果を示す線図であり、各周波数帯域における近接吸気音が音圧レベル(dB)で示されている。
本発明者等は、実施例1として、図2に示す吸気チャンバ51を備えた吸気系管路を用意し、実施例2として、図3に示す有孔部材60を備えた吸気系管路を用意し、実施例3として、図4に示す吸気チャンバ51及び有孔部材60を備えた吸気系管路を用意し、コンプレッサ非作動時(アンロード時)に発生する騒音を吸気管に近接する位置において測定した。なお、吸気チャンバ51の容量(内容積)は、4リットルに設定し、有孔部材60は、パンチング材又は金属メッシュを使用した。また、比較例として、吸気チャンバ51及び有孔部材60のいずれをも備えていない従来構造の吸気系管路を用意した。
前述の如く、コンプレッサ10は、非作動時(アンロード時)においてもエンジンの駆動力により回転し続け、吸気脈動現象をサクション管12に発生させる。図5に示す如く、このような条件では、20Hzの周波数帯域において、比較的大きな騒音値が計測された。なお、この周波数帯域は、通常走行時に比較的頻繁に発生する周波数帯域として知られている。
20Hzの周波数帯域において、各実施例及び比較例の騒音値(音圧レベル)を対比すると、吸気音低減機構50を備えない従来構造の吸気系では、90dBを超える高い騒音値が測定されたのに対し、この騒音値は、有孔部材60としてパンチング材を備えた吸気系(実施例2)では、約90dBに低下し、有孔部材60として金属メッシュを備えた吸気系(実施例2)では、約80dBに更に低下した。騒音値は、吸気チャンバ51を備えた吸気系(実施例1)では75dB程度まで低下し、吸気チャンバ51及び有孔部材60の双方を備えた吸気系(実施例3)では更に低下し、約60dB程度の値を示した。
以上説明したとおり、本発明の上記実施形態によれば、コンプレッサ10の非作動時(アンロード時)に発生する吸気脈動は、吸気管2の管内流路に作用する前に吸気チャンバ51及び/又は有孔部材60によってサクション管12の管路において緩和されるので、脈動する空気が吸気管2内で反射・共鳴する騒音増幅効果は抑制され、騒音又は異音として吸気系の系外に伝搬するエアコンプレッサ10の騒音は低下する。また、上記構成の吸気音低減機構50は、簡易且つコンパクトな構造を有するので、吸気系の装置構造及び制御を複雑化することなく、限られた吸気系配置空間に所望の如く配設することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、吸気チャンバ51の容量(内容積)、有孔部材60の材質、開口率、開口寸法、厚さ及び部材数等は、実際の吸気系構造に相応して任意に設定することができる。
本発明は、ブレーキ装置用圧縮空気をエアタンクに供給するエアコンプレッサを備えた車両用エンジンの吸気系に適用される。本発明のエアコンプレッサ吸気音低減機構は、コンプレッサの非作動時(アンロード時)の吸気脈動により発生する騒音又は異音をコンパクト且つ簡易な構成で低下させ、車外又は車室内に伝播するエアコンプレッサの騒音を効果的に低減する。
本発明の実施形態に係る吸気音低減構造を備えたエンジン吸気系を概略的に示すシステム構成図である。 サクション管に介装した吸気音低減機構の構造を概略的に示す断面図である。 吸気音低減機構の他の実施形態を示す断面図及び斜視図である。 吸気音低減機構の更に他の実施形態を示す断面図である。 吸気音低減機構の吸気音低減効果を示す線図であり、各周波数帯域における近接吸気音が音圧レベル(dB)で示されている。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気管
3 吸気吸込口
4 エアクリーナ
5 消音器
6 レゾネータ
10 エアコンプレッサ
12 サクション管
12a 分岐管
12b、12c 可撓管
13 ピストン
14 シリンダ室
15 クランク機構
16 圧縮空気吐出口
17 圧縮空気供給管
20 エアタンク
50 吸気音低減機構
51 吸気チャンバ
52、53 ポート
55 円柱形空間
60 有孔部材

Claims (6)

  1. 車両に搭載されたエンジンに吸気を導入するための吸気系管路に接続されたエアコンプレッサから発生する騒音を低減するエアコンプレッサ吸気音低減構造において、
    前記エアコンプレッサの吸気口と前記吸気系管路とを相互連通するサクション管に介装された吸気チャンバを有し、該チャンバは、前記サクション管の内径よりも大きい内径を有し、前記吸気系管路及び前記吸気口は、該チャンバの内部空間を介して相互連通することを特徴とするエアコンプレッサ吸気音低減構造。
  2. 車両に搭載されたエンジンに吸気を導入するための吸気系管路に接続されたエアコンプレッサから発生する騒音を低減するエアコンプレッサ吸気音低減構造において、
    前記エアコンプレッサの吸気口と前記吸気系管路とを相互連通するサクション管に介挿された有孔部材を有し、この有孔部材は、該有孔部材の前後の管内流路を相互連通させる多数の狭小開口を有し、前記吸気系管路及び前記吸気口は、前記狭小開口を介して相互連通することを特徴とするエアコンプレッサ吸気音低減構造。
  3. 車両に搭載されたエンジンに吸気を導入するための吸気系管路に接続されたエアコンプレッサから発生する騒音を低減するエアコンプレッサ吸気音低減構造において、
    前記エアコンプレッサの吸気口と前記吸気系管路とを相互連通するサクション管に介装された吸気チャンバを有し、該チャンバは、前記サクション管の内径よりも大きい内径を有し、前記チャンバ内には、チャンバ内領域を分割する有孔部材が配置され、この有孔部材は、該有孔部材の前後のチャンバ内領域を相互連通させる多数の狭小開口を有し、前記吸気系管路及び前記吸気口は、チャンバ内空間及び前記狭小開口を介して相互連通することを特徴とするエアコンプレッサ吸気音低減構造。
  4. 前記吸気チャンバは、1〜8リットルの内容積を有する中空金属部材からなり、前記サクション管に接続可能なポートをその両端壁に有することを特徴とする請求項1又は3に記載のエアコンプレッサ吸気音低減構造。
  5. 前記有孔部材は、メッシュ材又はパンチング材からなり、メッシュ材又はパンチング材の構面は、サクション管を流通する空気流と直交するように配向されることを特徴とする請求項2又は3に記載のエアコンプレッサ吸気音低減構造。
  6. 前記有孔部材の開口率は、30〜80%の範囲内に設定されることを特徴とする請求項5に記載のエアコンプレッサ吸気音低減構造。
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