JP2005264867A - 排ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】PMの捕集率を高く確保するとともに、排気圧損の上昇を抑制し、さらにPMの燃え残りを抑制する。
【解決手段】触媒付きDPF1の外周部にストレートセル14からなる外周構造部15を備え、そのストレートセル14の下流側開口に、合計開口面積がストレートセルの開口面積の10〜90%となる連通孔を有する狭小部16を形成した。
狭小部16により外周構造部15の通過抵抗を大きくでき、DPF1に排ガスを優先的に流すことができる。また狭小部16にもPMが捕集されるのでPM捕集率を確保することができる。さらに狭小部16はストレートセル14内部に存在するため、保温性に優れPMの燃焼温度に昇温されやすく、捕集されたPMが容易に燃焼し堆積が抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】触媒付きDPF1の外周部にストレートセル14からなる外周構造部15を備え、そのストレートセル14の下流側開口に、合計開口面積がストレートセルの開口面積の10〜90%となる連通孔を有する狭小部16を形成した。
狭小部16により外周構造部15の通過抵抗を大きくでき、DPF1に排ガスを優先的に流すことができる。また狭小部16にもPMが捕集されるのでPM捕集率を確保することができる。さらに狭小部16はストレートセル14内部に存在するため、保温性に優れPMの燃焼温度に昇温されやすく、捕集されたPMが容易に燃焼し堆積が抑制される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ディーゼルエンジンからの排ガスなど、パティキュレートを含む排ガスを浄化する排ガス浄化装置に関する。
ガソリンエンジンについては、排ガスの厳しい規制とそれに対処できる技術の進歩とにより、排ガス中の有害成分は確実に減少されてきている。しかし、ディーゼルエンジンについては、有害成分がパティキュレート(粒子状物質:炭素微粒子、サルフェート等の硫黄系微粒子、高分子量炭化水素微粒子( SOF)等、以下PMという)として排出されるという特異な事情から、規制も技術の進歩もガソリンエンジンに比べて遅れている。
現在までに開発されているディーゼルエンジン用排ガス浄化装置としては、大きく分けてトラップ型の排ガス浄化装置(ウォールフロー)と、オープン型の排ガス浄化装置(ストレートフロー)とが知られている。このうちトラップ型の排ガス浄化装置としては、セラミック製の目封じタイプのハニカム体(ディーゼルPMフィルタ(以下DPFという))が知られている。このDPFは、セラミックハニカム構造体のセルの開口部の両端を例えば交互に市松状に目封じしてなるものであり、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、流入側セルと流出側セルを区画するフィルタ隔壁とよりなり、フィルタ隔壁の細孔で排ガスを濾過してPMを捕集することで排出を抑制するものである。
しかしDPFでは、PMの堆積によって圧損が上昇するため、何らかの手段で堆積したPMを定期的に除去して再生する必要がある。そこで従来は、圧損が上昇した場合に高温の排ガスを流してPMを燃焼させることでDPFを再生することが行われている。しかしながらこの場合には、PMの堆積量が多いほど燃焼時の温度が上昇し、DPFが溶損したり、熱応力でDPFが破損する場合もある。
そこで近年では、DPFの上流側に酸化触媒を配置した排ガス浄化装置や、DPFのフィルタ隔壁の表面にアルミナなどからコート層を形成し、そのコート層に白金(Pt)などの触媒金属を担持して触媒層とした触媒付きDPFが開発されている。この触媒付きDPFによれば、捕集されたPMが触媒金属の触媒反応によって酸化燃焼するため、捕集と同時にあるいは捕集に連続して燃焼させることでDPFを再生することができる。そして触媒反応は比較的低温で生じること、及び捕集量が少ないうちに燃焼できることから、DPFの溶損を防止でき、作用する熱応力が小さいので破損も防止されるという利点がある。
例えば特開平01−318715号公報にはDPFの上流側に酸化触媒を配置した排ガス浄化装置が開示され、特開2001−303932号公報などには触媒付きDPFの上流側に酸化触媒を配置した排ガス浄化装置が開示されている。これらの浄化装置によれば、酸化触媒で生成したNO2 によってDPFに捕集されたPMを酸化除去することができる。
また、特開平06−182204号公報には、Pdを担持したウォールフロー構造部の外周にPtを担持したストレートフロー構造部を一体形成したディーゼル排ガス用の浄化装置が開示されている。この浄化装置によれば、低温域の排ガスは主としてストレートフロー構造部を流れるので、低温活性に優れたPtによって SOFを分解除去することができる。また高温域の排ガス流は、中心部ほど流速が大きく圧力も高いのでウォールフロー構造部にも流入し、PMが捕集される。そしてPdはSO2 の酸化作用が小さいのでサルフェートの生成が抑制され、その結果PMの排出量が低減される。さらにPdは高温における酸化活性が高いので、捕集されたPMは高速走行時などに燃焼除去される。
ところがDPFの中心部は温度が速やかに上昇するが、外周部は排ガス流速が小さく外気に最も近いために、温度が上昇しにくくしかも冷めやすい。そのためDPFあるいは触媒付きDPFの上流側に酸化触媒を配置した排ガス浄化装置においても、外周部に堆積したPMの浄化が困難となるという問題がある。
そこで特開2000−145429号公報には、DPFの上流側に近接した位置に流れ制御部材を配置し、排ガスを外周部に積極的に流すようにすることが記載されている。また特開平10−030428号公報には、DPFの外周部の入口端面を目封じすることが記載されている。これらの装置によれば、外周部の温度上昇を促進でき、あるいは外周部へのPMの堆積を防止できるので、触媒付きDPFに応用することでPM浄化能が向上することが期待される。ところが後者の装置では、排気圧損が増加するため、エンジン出力が低下するという問題がある。また前者の装置でも、PM捕集率を確保するために外周部の開口面積を小さくすると上流側端面にPMが堆積して排気圧損が上昇し、開口面積を大きくするとPM捕集率が大きく低下するという問題があった。
さらに触媒付きDPFにおいては、再生時のDPFの中心部と外周部との温度差は 200℃にもなり、中心部では溶損などの不具合が生じやすいにも関わらず、外周部ではPMの燃え残りが生じる場合があった。
特開平01−318715号
特開2001−303932号
特開平06−182204号
特開2000−145429号
特開平10−030428号
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外周部の温度を高め、PMの捕集率を高く確保するとともに排気圧損の上昇を抑制し、さらにPMの燃え残りを抑制することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化装置の特徴は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと,流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと,流入側セルと流出側セルを区画するフィルタ隔壁と,フィルタ隔壁の表面及び/又はフィルタ隔壁の細孔の表面に形成された触媒金属を含む触媒層と,からなる中心構造部と、中心構造部の外周に同軸的に一体形成され排ガスが直流するストレートセルからなる外周構造部と、よりなるウォールフローハニカム構造の触媒付きDPFからなり、
少なくとも一つのストレートセルの下流側開口には、合計開口面積がストレートセルの開口面積の10〜90%となる連通孔を有する狭小部が形成されていることにある。
少なくとも一つのストレートセルの下流側開口には、合計開口面積がストレートセルの開口面積の10〜90%となる連通孔を有する狭小部が形成されていることにある。
外周構造部にも触媒層が形成されていることが好ましい。
また触媒付きDPFの排ガス上流側に近接して、排ガス流を中心構造部へ向かうように整流して誘導する整流誘導部をさらに備えることが望ましい。この整流誘導部は、排ガスが直流するストレートフローハニカム構造体を用いることが好ましく、整流誘導部にも触媒金属を含む触媒層が形成されていることが望ましい。
排気管を流れる排ガスの流速は、一般に中央部ほど大きく外周部ほど小さい分布を有している。したがって外周構造部にストレートセルを有していても、排ガスは中心構造部に流れ易く、十分なPM捕集率が確保される。そして外周構造部には狭小部が形成されているため、排ガスはさらに中心構造部に流れ易くなり、PM捕集率がさらに高まる。
そして中心構造部におけるPMの堆積が進行すると、排ガスは外周構造部に多く流れるようになるが、ストレートセルの排ガス流入側では開口面積が十分に確保できるので、流入側開口端面にPMが堆積するような不具合がなく、排ガスは外周構造部のストレートセルを円滑に流れるため外周構造部の温度が上昇するとともに排気圧損の上昇が抑制される。
外周構造部のストレートセルでは、下流側開口に狭小部を有しているため、流入側の開口面積を確保しながら通過抵抗を中心部より大きくでき、セル隔壁のPM捕集効率が向上する。さらに狭小部にPMが捕集されることも可能でPM捕集率が向上する。また狭小部はストレートセル内部に存在するため、保温性に優れPMの燃焼温度に昇温されやすく、捕集されたPMが容易に燃焼し堆積が抑制される。したがってセルの閉塞が生じにくく、排気圧損の上昇が抑制される。そして外周構造部にも触媒層が形成されていれば、排ガスが通過しやすいことから外周構造部の温度が上昇するため、外周構造部においても SOFなどを酸化浄化することができPMの排出をさらに抑制することができる。また狭小部に捕集されたPMの燃焼がさらに促進されるので、排気圧損の上昇をさらに抑制することができる。
そして中心構造部に堆積したPMを燃焼させて再生する場合には、外周構造部が断熱層として作用するため、中心構造部の外周部分の温度低下が防止され、PMの燃え残りを防止することができる。さらに外周構造部は流入側の開口面積が十分であるので、最外周部においても温度を高く維持することができ、中心構造部の最高床温との差が小さいので耐クラック性に対しても有利である。
触媒付きDPFの上流側に整流誘導部が近接配置されている場合には、整流誘導部が排ガス流を中心構造部へ向かうように整流して誘導する。さらに整流誘導部にも触媒層が形成されていれば、整流誘導部においても SOFなどを酸化浄化することができる。また整流誘導部で生成したNO2 によって、中心構造部に捕集されたPMの酸化がより促進される。したがってPMの排出をさらに抑制することができる。
中心構造部と外周構造部とをもつ触媒付きDPFの基材は、コーディエライトなどの耐熱性セラミックスから製造することができる。そして両者を一体に構成するには、先ずストレートハニカム形状の構造体を押出成形により形成し、外周部を除く中心部のみにおいて、一端面のセル開口を市松状などに目詰めを施して流出側セルを形成し、流出側セルに隣接するセルの反対側の端面に目詰めして流入側セルを形成し、その後に焼成すればよい。
少なくとも中心構造部のフィルタ隔壁は、気孔率が40〜80%であり平均細孔径が10〜40μmの範囲が好ましく、気孔率が60〜75%、平均細孔径が22〜35μmであることが特に望ましい。これによりPMを効率よく捕集できるとともに、触媒層を20〜 200g/L形成しても圧損の増大を抑制することができる。フィルタ隔壁に細孔を形成するには、コーディエライト粉末など主成分とするスラリー中にカーボン粉末、木粉、澱粉、ポリマーなどの可燃物粉末などを混合しておき、可燃物粉末が焼成時に消失することで細孔を形成することができる。またフィルタ隔壁の気孔率及び平均細孔径を調整するには、可燃物粉末の粒径と量を調整することで行うことができる。
中心構造部の排ガス流入側端面は、流出側セルの目詰め部を上流側に向かう先鋭形状とすることが好ましい。このようにすれば、中心構造部へのガス流入抵抗が小さくなるので、外周構造部に流れにくくなり、PM捕集量に対するPM捕集率の減少速度が低下するためPM浄化率が向上する。また排ガスを流入側セルへより流しやすくなるとともに、流入側端面へのPMの堆積を抑制することができる。この先鋭形状の端面は、フィルタ隔壁の変形により形成された流出側セルの目詰め部であることが望ましい。フィルタ隔壁の変形により形成された目詰め部であれば、排ガスの流通が可能でありPMを濾過することができる。そして目詰め部といえども、その熱容量はフィルタ隔壁と同等であり従来の目詰め栓に比べて小さい。したがって昇温特性が向上し、端面に堆積するPMの酸化浄化活性が向上する。
フィルタ隔壁に形成される触媒層は、多孔質酸化物に触媒金属を担持してなるものであり、多孔質酸化物としては Al2O3、ZrO2、CeO2、TiO2、SiO2などの酸化物あるいはこれらの複数種からなる複合酸化物を用いることができる。この触媒層は、フィルタ隔壁の表面ばかりでなく、可燃物粉末の消失によって形成された細孔内の表面にも形成されていることが望ましい。
このフィルタ隔壁に形成されている触媒層は、中心構造部の体積1リットルあたり20〜 200gのコート量とするのが好ましい。コート量が20g/L未満では触媒活性の耐久性の低下が避けられず、 200g/Lを超えると圧損が高くなりすぎて実用的ではない。
触媒層となるコート層を形成するには、酸化物粉末あるいは複合酸化物粉末をアルミナゾルなどのバインダ成分及び水とともにスラリーとし、そのスラリーをフィルタ隔壁に付着させた後に焼成すればよい。スラリーをフィルタ隔壁に付着させるには通常の浸漬法を用いることができるが、エアブローあるいは吸引によって細孔内に入ったスラリーの余分なものを除去することが望ましい。
触媒層に担持される触媒金属としては、触媒反応によってPMの酸化を促進するものであれば用いることができるが、少なくともPt、Rh、Pdなどの白金族の貴金属から選ばれた一種あるいは複数種を担持することが好ましい。さらにNOx 吸蔵材を担持することも好ましい。貴金属の担持量は、中心構造部の体積1リットルあたり1〜5gの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持しても活性が飽和するとともにコストアップとなってしまう。
また貴金属を担持するには、貴金属の硝酸塩などを溶解した溶液を用い、吸着担持法、含浸担持法などによって酸化物粉末あるいは複合酸化物粉末からなるコート層に担持すればよい。また酸化物粉末あるいは複合酸化物粉末に予め貴金属を担持しておき、その触媒粉末を用いて触媒層を形成することもできる。
触媒層に担持されるNOx 吸蔵材としては、K,Na,Cs,Liなどのアルカリ金属、Ba,Ca,Mg,Srなどのアルカリ土類金属、あるいはSc,Y,Pr,Ndなどの希土類元素から選択して用いることができる。中でもNOx 吸蔵能に長けたアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少なくとも一種を用いることが望ましい。
このNOx 吸蔵材の担持量は、中心構造部の体積1リットルあたり0.25〜0.45モルの範囲とすることが好ましい。担持量がこれより少ないと活性が低すぎて実用的でなく、この範囲より多く担持すると貴金属を覆って活性が低下するようになる。
またNOx 吸蔵材を担持するには、酢酸塩、硝酸塩などを溶解した溶液を用い、吸水担持法などによって触媒層に担持すればよい。また酸化物粉末あるいは複合酸化物粉末に予めNOx 吸蔵材を担持しておき、その粉末を用いて触媒層を形成することもできる。
外周構造部は中心構造部と通常は一体に形成されるので、狭小部をもつこと以外は中心構造部と同様の構造とするのが便利である。したがって外周構造部のセル隔壁はフィルタ隔壁と同様の細孔構造をもち、触媒層も中心構造部と同様に形成することが好ましい。なお外周構造部のセル数は、触媒付きDPFの全セル数の25%以下とすることが望ましい。外周構造部のセル数がこれより多くなると、PM捕集率が低く実用的でない。
外周構造部の少なくとも一つのストレートセルの下流側開口には、合計開口面積がストレートセルの開口面積の10〜90%となる連通孔を有する狭小部が形成されている。この狭小部は、ストレートセルの内径を狭くした絞り部、あるいは開口端部に形成され内外を連通する連通孔をもつ栓部材などとすることができる。絞り部の場合は連通孔は通常1個であるが、栓部材に連通孔を形成する場合は1個又は複数個の連通孔を形成することができる。いずれにしても、連通孔の合計開口面積がストレートセルの開口面積の10〜90%であることが必要であり、合計開口面積が10%未満では排気圧損が上昇し、90%を超えるとPM捕集率が低下してしまう。
狭小部は、少なくとも中心構造部の近傍に、すなわち外周構造部の少なくとも最内周に形成することが望ましい。また狭小部は、ストレートセルの全長の1/2以下の長さで形成することが好ましい。狭小部の長さがストレートセルの全長の1/2を超えると、PMの堆積によって排気圧損が上昇してしまう。
隣接するストレートセルどうしで、連通孔の開口面積を異ならせることも好ましい。このようにすれば、隣接するストレートセルどうしで排ガスの圧力差が生じる。したがって排ガスの一部はストレートセルどうしを区画するセル隔壁を通過するようになり、PM捕集率が向上する。
触媒付きDPFの排ガス上流側に近接して、排ガス流を中心構造部へ向かうように整流して誘導する整流誘導部をさらに備えることが望ましい。このようにすれば、排ガスが中心構造部へ流入し易くなるので、PM捕集率がさらに向上する。
この整流誘導部は、例えば金属製の波板と平板を交互に積層したハニカム構造体、あるいは耐熱性セラミック製のストレートフローハニカム構造体などを用いることができる。またフィルタ隔壁が圧力損失を生じさせない程度の十分な大きさの細孔をもつDPFを用いてもよい。この整流誘導部の下流側端面の径は、触媒付きDPFの径と同一としても、排ガスは中心ほど流速が大きく外周ほど流速が小さいので排ガス流を中心構造部へ向かうように整流して誘導することができる。しかし、より効率よく中心構造部へ誘導するには、中心構造部の上流側端面の径と同一又はそれ以下とするのが望ましい。
整流誘導部の排ガス出口側端面は触媒付きDPFの入口側端面と近接していることが必要であり、その間隔は20mm以下であることが望ましい。この間隔が大きすぎると整流誘導作用が低下し、中心構造部にPMが堆積していない場合でも外周構造部へ流入する排ガスが多くなるためPM捕集率が低下する場合がある。また整流誘導部と触媒付きDPFの間の間隙に、排ガスが外周構造部へ向かうのを抑制する案内板を設けることも好ましい。
整流誘導部にも触媒層を形成することが好ましい。この触媒層は酸化触媒層、NOx 吸蔵還元型触媒層などとすることができる。つまり整流誘導部は、酸化触媒あるいはNOx 吸蔵還元型触媒を兼ねることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図1に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、触媒付きDPF1と、触媒付きDPF1の排ガス上流側に配置された酸化触媒2(整流誘導部)とから構成され、触媒コンバータ3内に配置されている。
図1に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、触媒付きDPF1と、触媒付きDPF1の排ガス上流側に配置された酸化触媒2(整流誘導部)とから構成され、触媒コンバータ3内に配置されている。
触媒付きDPF1は、排ガス下流側で目詰めされた流入側セル10と、流入側セル10に隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11と、流入側セル10と流出側セル11を区画するフィルタ隔壁12とよりなる中心構造部13と、中心構造部13の外周に同軸的に一体形成され排ガスが直流するストレートセル14からなる外周構造部15と、から構成されている。ストレートセル14を区画するセル隔壁にも、フィルタ隔壁12と同様の細孔が形成されている。そしてフィルタ隔壁12及びストレートセル14の表面及び細孔表面には、触媒層が形成されている。
外周構造部15は、外周の約 600個のストレートセル14からなり、下流側端部に開口面積がストレートセル14の開口面積の20%となるように絞り部16が形成されている。絞り部16は、下流側端面から全長の1/15の長さに形成されている。
また酸化触媒2は、上流側ストレートセル20と上流側ストレートセル20どうしを区画する上流側セル隔壁21と、上流側セル隔壁21に形成された触媒層とから構成され、その外径は触媒付きDPF1の外径と同一に構成されている。そして酸化触媒2は、触媒付きDPF1と同軸位置で、触媒付きDPF1の排ガス上流側端面からt=10mm離間した位置に配置されている。
以下、この排ガス浄化装置の製造方法を説明し、構成の詳細な説明に代える。
直径 129mm,長さ 150mm,体積2000cc,セル数46.5セル/cm2 で合計約6000個の四角形セルをもつストレートハニカム形状のコーディエライト製の基材を用意した。基材の気孔率は65%、平均細孔径は30μmである。
次にアルミナ,タルク,カオリン,シリカからなるコーディエライト組成の粉末に所定量の有機バインダと水を混合し、安定した保形性のあるクリーム状のペーストを調製する。このペーストを用い、所定長さのパイプをもつペースト注入機(ディスペンサ)を用いて、基材の上流側端面で外周部の約 600個のセルを除いて1マス置きに目詰めし、基材の下流側端面では外周部の約 600個のセルを除いて上流側端面で目詰めされていないセルを目詰めした。その後1400℃で焼成し、中心構造部13を形成した。
続いて上記ペーストに水を混合してスラリーを調製し、中心構造部13の下流側端面がマスクされた基材を下流側端面から所定の長さだけスラリー中に浸漬し、引き上げて余分なスラリーを除去した後、1400℃で焼成して絞り部16を形成し、外周構造部15を形成した。
続いてアルミナ粉末とセリア−ジルコニア複合酸化物粉末とを主とするスラリーを全体にウォッシュコートし、 110℃で乾燥後 450℃で焼成してコート層を形成した。コート層は基材1リットルあたり75g形成され、フィルタ隔壁12及びストレートセル14の表面及びセル隔壁の細孔の内表面に形成された。次いで含浸担持法によりPtを担持して、触媒層を形成し、触媒付きDPF1を調製した。基材1リットルあたりのPtの担持量は2gである。
一方、直径 129mm,長さ60mm,体積 700cc,セル数62セル/cm2 の、四角形セルをもつストレートハニカム形状のコーディエライト製の基材を用意した。そしてアルミナ粉末を主とするスラリーを全体にウォッシュコートし、 110℃で乾燥後 450℃で焼成してコート層を形成した。コート層は基材1リットルあたり 150g形成された。次いで含浸担持法によりPtを担持して触媒層を形成し、酸化触媒2を調製した。基材1リットルあたりのPtの担持量は2gである。
そして触媒コンバータ3中に、酸化触媒2が排ガス上流側、触媒付きDPF1が排ガス下流側となり、両者の間隔が10mmとなるように配置して、実施例1の排ガス浄化装置とした。
(実施例2)
図2に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、触媒付きDPF1の中心構造部13において、排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11の目詰め部17が酸化触媒2に向かって先鋭状となっていること以外は実施例1と同様の構成である。
図2に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、触媒付きDPF1の中心構造部13において、排ガス上流側で目詰めされた流出側セル11の目詰め部17が酸化触媒2に向かって先鋭状となっていること以外は実施例1と同様の構成である。
アルミナ,タルク,カオリン,シリカからなるコーディエライト組成の粉末に所定量の有機バインダと水及びカーボン粉末を混合したペーストを用い、直径 129mm,長さ 150mm,体積2000cc,セル数46.5セル/cm2 の、四角形セルをもつストレートハニカム形状のグリーン基材を、押出成形により形成した。
一方、図3に示す押圧治具4を用意した。この押圧治具4はヒータ部40と、ヒータ部40から突出する複数の針41とよりなる剣山状をなし、複数の針41はヒータ部40によって加熱可能となっている。また複数の針41は、断面正方形のストレート部42と、ストレート部42の先端に形成された高さ3mmのピラミッド形状の先端部43とから構成され、ストレート部42の断面の一辺及び先端部43の底辺の長さは、グリーン基材44のセル開口の一辺のルート2倍となっている。
そしてヒータ部40によって複数の針41を加熱した状態で、図3に示すようにグリーン基材44の一端面から外周部の約 600個のセルを除くセル内へ1マス置きに挿入した。これによりグリーン基材44のセルの排ガス流入側が変形して、これを焼成することで、先鋭状の目詰め部17をもつ流出側セル11が形成された。なお形成された基材の気孔率は60%、平均細孔径は30μmである。
以後、実施例1と同様にして、実施例2の排ガス浄化装置を製造した。
(実施例3)
図4に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、隣接するストレートセル14どうしで絞り部16の開口面積が交互に異なること以外は実施例2と同様の構成である。すなわち、絞り部16の開口面積がストレートセル14の開口面積の10%であるものと、ストレートセル14の開口面積の30%であるものとが、隣どうしで交互に並んでいる。
図4に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、隣接するストレートセル14どうしで絞り部16の開口面積が交互に異なること以外は実施例2と同様の構成である。すなわち、絞り部16の開口面積がストレートセル14の開口面積の10%であるものと、ストレートセル14の開口面積の30%であるものとが、隣どうしで交互に並んでいる。
(実施例4)
図5に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、酸化触媒2の外径が触媒付きDPF1の中心構造部13の外径と同一であること、触媒コンバータ3も上流側が酸化触媒2の外径に見合った径とされ触媒付きDPF1に向かって拡径する傾斜部30が形成されていること、以外は実施例2と同様の構成である。
図5に本実施例の排ガス浄化装置の断面図を示す。この排ガス浄化装置は、酸化触媒2の外径が触媒付きDPF1の中心構造部13の外径と同一であること、触媒コンバータ3も上流側が酸化触媒2の外径に見合った径とされ触媒付きDPF1に向かって拡径する傾斜部30が形成されていること、以外は実施例2と同様の構成である。
(比較例1)
触媒付きDPF1の全体を中心構造部13と同様の構造とし、外周構造部15をもたないこと以外は実施例1と同様の構成である。
触媒付きDPF1の全体を中心構造部13と同様の構造とし、外周構造部15をもたないこと以外は実施例1と同様の構成である。
(比較例2)
触媒付きDPF1の外周構造部15に絞り部16をもたないこと以外は実施例1と同様の構成である。
触媒付きDPF1の外周構造部15に絞り部16をもたないこと以外は実施例1と同様の構成である。
(比較例3)
触媒付きDPF1を左右逆に配置したこと以外は実施例1と同様の構成である。すなわち、絞り部16が排ガス上流側に位置し、酸化触媒2の流出側端面に対向している。
触媒付きDPF1を左右逆に配置したこと以外は実施例1と同様の構成である。すなわち、絞り部16が排ガス上流側に位置し、酸化触媒2の流出側端面に対向している。
<試験・評価>
実施例及び比較例の各浄化装置を排気量2Lのディーゼルエンジンの排気系に装着し、2450rpm ×50Nm定常走行時におけるPMの捕集率と排気の圧力損失、及び11ラップモードで3000km相当走行した後の触媒付きDPF1の外周部の閉塞率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例の各浄化装置を排気量2Lのディーゼルエンジンの排気系に装着し、2450rpm ×50Nm定常走行時におけるPMの捕集率と排気の圧力損失、及び11ラップモードで3000km相当走行した後の触媒付きDPF1の外周部の閉塞率をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
表1より、比較例1及び比較例3は外周部閉塞率がきわめて大きく、比較例2ではPM捕集率が低い。しかし各実施例の浄化装置は、比較例2より高いPM捕集率を示し、かつ低い排気圧損と低い外周部閉塞率とが両立している。
そして図6より、各実施例の浄化装置は、外周構造部15を有しているにも関わらず、捕集初期の段階では比較例1と同等のPM捕集率を示していることもわかる。
すなわち各実施例の浄化装置による上記効果は、外周構造部15に絞り部16を形成したことによる効果であることが明らかであり、各実施例の浄化装置はPMの捕集率を高く確保できるとともに、排気圧損の上昇を抑制し、さらにPMの燃え残りを抑制できることが明らかである。
さらに実施例どうしの比較から、触媒付きDPF1の中心構造部13の上流側端面に先鋭状の目詰め部17を形成することで、PM捕集率がさらに向上し、排気圧損が低下するとともに、外周部の閉塞がより抑制されることがわかる。また絞り部16の開口面積を交互に異ならせることでPM捕集率がさらに向上し、酸化触媒2の径を中心構造部13と同等とすることでPM捕集率がさらに向上するとともに、外周部閉塞率がさらに低下することもわかる。
1:触媒付きDPF 2:酸化触媒(整流誘導部) 3:触媒コンバータ
4:押圧治具 13:中心構造部 14:ストレートセル
15:外周構造部 16:絞り部(狭小部)
4:押圧治具 13:中心構造部 14:ストレートセル
15:外周構造部 16:絞り部(狭小部)
Claims (5)
- 排ガス下流側で目詰めされた流入側セルと、該流入側セルに隣接し排ガス上流側で目詰めされた流出側セルと、該流入側セルと該流出側セルを区画するフィルタ隔壁と、該フィルタ隔壁の表面及び/又は該フィルタ隔壁の細孔の表面に形成された触媒金属を含む触媒層と、からなる中心構造部と、
該中心構造部の外周に同軸的に一体形成され排ガスが直流するストレートセルからなる外周構造部と、よりなるウォールフローハニカム構造の触媒付きDPFからなり、
少なくとも一つの該ストレートセルの下流側開口には、合計開口面積が該ストレートセルの開口面積の10〜90%となる連通孔を有する狭小部が形成されていることを特徴とする排ガス浄化装置。 - 前記外周構造部にも触媒層が形成されている請求項1に記載の排ガス浄化装置。
- 前記触媒付きDPFの排ガス上流側に近接して、排ガス流を前記中心構造部へ向かうように整流して誘導する整流誘導部をさらに備えた請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化装置。
- 前記整流誘導部は排ガスが直流するストレートフローハニカム構造体よりなる請求項3に記載の排ガス浄化装置。
- 前記整流誘導部にも触媒金属を含む触媒層が形成されている請求項3又は請求項4に記載の排ガス浄化装置。
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---|---|---|---|
JP2004080764A JP2005264867A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 排ガス浄化装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009013809A (ja) * | 2007-07-02 | 2009-01-22 | Hino Motors Ltd | 排気浄化装置 |
JP2012087681A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Mitsubishi Motors Corp | 排気浄化装置 |
-
2004
- 2004-03-19 JP JP2004080764A patent/JP2005264867A/ja active Pending
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