JP2005264062A - 蛍光体 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明光源として使用可能な高輝度の白色発光素子を得ることができる蛍光体を提供する。
【解決手段】蛍光体は、一般式が(Ln1−xCe・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素とし、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素とし、wは1.7以上2.3以下とし、xは0.0005以上0.2以下とする。wを5/3を超えて1.7以上2.3以下とすることにより、従来の蛍光体に比べ、優れた発光輝度をもつ蛍光体となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、青色光線等の短波長領域の可視光線や紫外線を吸収し、より長波長の可視光を発する蛍光体に関し、さらに発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の半導体発光素子と組み合わせることにより、高輝度の白色発光素子を構成することができる蛍光体に関する。
半導体発光素子として、例えば窒化ガリウム(GaN)系青色発光ダイオードと、波長変換材料としての蛍光体とを組み合わせて構成し、白色等の可視光を発光する発光素子が知られている。これら白色等の可視光を発光する発光素子は、消費電力が小さく長寿命であるという特徴を活かして画像表示装置や照明装置の発光源として注目されている。
この発光素子は、例えば変換材料としての蛍光体が、GaN系青色発光ダイオードの発する青色領域の可視光を吸収して黄色光を発光し、さらに蛍光体に吸収されなかった発光ダイオードの青色光との混色により、白色の発光が得られるものである。
これら変換材料としての蛍光体としては、代表的には、希土類・アルミニウム複合酸化物Ln(Al,Ga)12(LnはY、Gd、Tb等の希土類元素)を蛍光体の母体とし、該母体内に発光中心としてのセリウム(Ce)を含有してなるガーネット結晶構造をもつ蛍光体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、照明光源としては現状の蛍光灯に比べるとまだ発光輝度が低く、更なる高輝度化が求められている。
特開平10−242513号公報 (第2頁)
本発明は、前述の従来技術に鑑み、照明光源として使用可能な高輝度の白色発光素子を得ることができる蛍光体を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく、蛍光体母体として種々の複合酸化物について鋭意検討を行った。 希土類ガーネットはLn 12の一般式で表される。ここでLnは希土類イオンであり、Mはアルミニウムまたはガリウムである。添え字c,a,dはイオンの占める結晶格子の位置を表す。結晶構造は立方晶であり、単位結晶格子には160個の原子があり、8個のsub結晶格子に分けられる。この中でaイオンは体心立方配位をしており、希土類のcイオンとdイオンはこの立方体の面に位置している。酸素原子の配置は、aイオンの周りに6配位の八面体サイト、cイオンは8個の酸素原子が12面体サイトで囲んでおり、dイオンは四面体サイトで囲んでいる。これらのどの多面体も正規の形状をしていない、すなわち酸素イオンの格子は歪んでいると考えられ、上記化学量論組成のガーネット結晶の酸素イオンは歪んでいると考えられる。ここでさらに、希土類イオンLnの一部を発光中心としてセリウム等で置換した場合、歪みはさらに大きくなると考えられる。本発明者等はこの点に注目して、複合酸化物の組成について検討を行った結果、前記希土類・アルミニウム複合酸化物Ln(Al,Ga)12(LnはY、Gd、Tb等の希土類元素)を母体とし該母体内に発光中心としてのセリウム(Ce)を含有してなる蛍光体において、希土類元素Lnとセリウム(Ce)の和に対するアルミニウムおよびガリウム(Al,Ga)のモル比が化学量論組成の5/3より大きい蛍光体(すなわち、前記複合酸化物蛍光体を(Ln1−xCe・w(Al,Ga)のように表記すると、モル比wが化学量論組成の5/3より大きい蛍光体)が、従来からある蛍光体より発光輝度が高いことを見出し、本発明に至ったものである。
請求項1記載の蛍光体は、一般式が(Ln1−xCe・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であることを特徴としている。
そして、wで表されるモル比、すなわちLnで表される元素およびセリウム(Ce)のモル数の和に対するアルミニウムおよびガリウム(Al,Ga)のモル比が、化学量論比である1.6667を超え1.7以上2.3以下であり、xで表されるセリウム(Ce)の割合は、0.0005以上0.2以下であることによって、従来の蛍光体に比べ、優れた発光輝度をもつ蛍光体となる。
ここで、wで表されるモル比を、化学量論比である1.6667を超え1.7以上2.3以下とすることにより、Lnで表す希土類元素が発光中心であるセリウムに置き換わったことでさらに生ずる結晶の歪みが低減し、発光輝度が向上すると推察される。
しかし、wが1.7未満の場合では、従来からの化学量論比すなわちw=1.6667の蛍光体と比べて顕著な発光輝度の向上はみられない。また、wが2.3を超える場合では、ガーネット結晶相以外の発光に寄与しない結晶相が増加すること等により、発光輝度が低下する。
さらに、xが0.005未満の場合では、発光中心であるセリウムの割合が小さすぎるため、発光輝度が低下し、xが0.2を超える場合では、濃度消光のため、やはり発光輝度が低下する。
このため、一般式が(Ln1−xCe・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素である蛍光体において、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であることで、従来の蛍光体より優れた発光輝度をもつ蛍光体が得られる。
請求項2記載の蛍光体は、一般式が(Ln1−x−yCePr・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であり、yは0.0005以上0.2以下であることを特徴としている。
そして、wで表されるモル比、すなわちLnで表される元素とセリウム(Ce)のモル数とプラセオジム(Pr)のモル数の和に対するアルミニウムおよびガリウム(Al,Ga)のモル比が、化学量論比である1.6667を超え1.7以上2.3以下であり、xで表されるセリウム(Ce)の割合は、0.0005以上0.2以下であり、yで表されるプラセオジム(Pr)の割合は0.0005以上0.2以下であることによって、従来の蛍光体に比べ、優れた発光輝度をもち、また優れた演色性をもつ蛍光体となる。
ここで、wで表されるモル比を、化学量論比である1.6667を超え1.7以上2.3以下とすることにより、Lnで表す希土類元素が発光中心であるセリウムやプラセオジムに置き換わったことによりさらに生ずる結晶の歪みが低減し、発光輝度が向上すると推察される。
しかし、wが1.7未満の場合では、従来からの化学量論比すなわちw=1.6667の蛍光体と比べて顕著な発光輝度の向上はみられない。また、wが2.3を超える場合では、ガーネット結晶相以外の発光に寄与しない結晶相が増加すること等により、発光輝度が低下する。
さらに、xが0.005未満の場合では、発光中心であるセリウムの割合が小さすぎるため、発光輝度が低下し、xが0.2を超える場合では、濃度消光のため、やはり発光輝度が低下する。
また、プラセオジム元素を含むことで、蛍光体からの発光において赤色付近の波長成分が増加するため、演色性が向上する。ここで、yが0.005未満の場合では、演色性に寄与するプラセオジムの割合が小さすぎるため、演色性向上の効果がほとんど得られない。また、yが0.2を超える場合では、濃度消光などのため、全体の発光輝度が低下する。
このため、一般式が(Ln1−x−yCePr・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素である蛍光体において、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であり、yは0.0005以上0.2以下であることで、従来の蛍光体より優れた発光輝度と優れた演色性をもつ蛍光体が得られる。
請求項3記載の蛍光体は、請求項1または2記載の蛍光体において、wは1.8以上2.0以下であり、xは、0.001以上0.15以下であることを特徴としている。
そして、請求項1または2記載の蛍光体において、さらにwで表されるモル比を1.8以上2.0以下とし、xで表されるセリウムの割合を0.001以上0.15以下とすることによって、従来の蛍光体に比べより優れた発光輝度をもつ蛍光体が得られる。
請求項4記載の蛍光体は、請求項1ないし3記載の蛍光体において、Lnがテルビウム(Tb)であり、Mがアルミニウム(Al)であることを特徴としている。
そして、Lnで表される希土類元素をテルビウム(Tb)とし、Mで表される元素をアルミニウム(Al)とすることにより、従来の蛍光体に比べより優れた発光輝度をもつ蛍光体が得られる。
請求項1記載の蛍光体によれば、一般式が(Ln1−xCe・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素とし、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素とし、wは化学量論比である1.6667を超え1.7以上2.3以下とし、xは0.0005以上0.2以下としたことで、従来の蛍光体に比べ、優れた発光輝度を得ることができる。
請求項2記載の蛍光体によれば、一般式が(Ln1−x−yCePr・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素とし、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素とし、wは化学量論比である1.6667を超え1.7以上2.3以下とし、xは0.0005以上0.2以下とし、yは0.0005以上0.2以下としたことで、従来の蛍光体に比べ、優れた発光輝度と優れた演色性とを得ることができる。
請求項3記載の蛍光体によれば、請求項1または2記載の蛍光体において、wは1.8以上2.0以下とし、xは、0.001以上0.15以下としたことで、従来の蛍光体に比べて、より優れた発光輝度をもつ蛍光体が得られる。
請求項4記載の蛍光体によれば、請求項1ないし3記載の蛍光体において、Lnをテルビウム(Tb)とし、Mをアルミニウム(Al)としたことで、従来の蛍光体に比べて、より優れた発光輝度をもつ蛍光体が得られる。
以下、本発明の一実施の形態における蛍光体を製造する工程を説明する。
まず、Lnで表される希土類元素の原料として、例えば酸化イットリウム(Y)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ランタン(La)、酸化ルテチウム(Lu)と、アルミニウム、ガリウムの原料として、例えばアルミナ(Al)、酸化ガリウム(Ga)と、発光中心としてのセリウムやプラセオジムの原料として、例えば酸化セリウム(Ce)や酸化プラセオジム(Pr11)と、これにフラックスとしてのフッ素化合物として、例えばフッ化バリウム(BaF)やフッ化アルミニウム(AlF)とを、各々所定量用いボールミル等を用いて充分に混合、粉砕する。
このときの原料の配合比としては、アルミニウムおよびガリウムのモル数の合計が、Lnで表される希土類元素とセリウム元素とプラセオジム元素のモル数の合計に対して1.7倍以上2.3倍以下すなわち、このときの比を(Al+Ga)/(Ln+Ce+Pr)=wで表すと、wは1.7以上2.3以下となるようにし、さらにセリウム元素のモル数が、Lnで表される希土類元素のモル数の合計とセリウム元素のモル数との和に対して、0.0005倍以上0.2倍、すなわちこのときの比をCe/(Ln+Ce+Pr)=xで表すと、xは0.0005以上0.2以下となるようにセリウムの原料を用い、またプラセオジム元素のモル数は、Lnで表される希土類元素とセリウム元素とプラセオジム元素のモル数の合計に対して、0.0005倍以上0.2倍、すなわちこのときの比をPr/(Ln+Ce+Pr)=yで表すと、yは0.0005以上0.2以下となるようにプラセオジムの原料を用い、フラックスとしてのフッ素化合物は、原料の総質量に対して0.1〜5%程度用いる。
このようにして得られた混合物を、還元雰囲気中例えば窒素−酸素混合ガス気流中で、例えば約1000℃から1600℃の焼成温度で、より好ましくは1200℃から1500℃の焼成温度で、約1時間から4時間の間焼成を行い、その後冷却し、水洗浄、分散、乾燥、篩分工程を経て、所定の粒度の蛍光体を得る。
得られた蛍光体は、一般式が(Ln1−xCe・wMまたは(Ln1−x−yCePr・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であり、yは0.0005以上0.2以下となる。
ここで、発光中心としてのセリウムの割合xは、0.0005以上0.2以下であるのが好ましく、0.001以上0.15以下がより好ましい。
さらに、アルミニウムおよびガリウムのモル数の合計の比wは、1.7以上2.3以下であるのが好ましく、1.8以上2.0以下がより好ましい。
また、焼成に使用する原料の形態としては上記に例示した酸化物のほかに、各元素の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、カルボン酸塩等の高温焼成で酸化物に変化する化合物も用いることができる。
次に、上記一実施の形態の実施例として、Lnで表す希土類元素がテルビウム(Tb)であり、Mで表す元素がアルミニウム(Al)である場合において、wを変化させたときの発光輝度について説明する。
まず、テルビウム(Tb)の原料として酸化テルビウム(Tb)183.19g(Tb元素として0.98モル)に、セリウム(Ce)の原料として酸化セリウム(CeO)3.28g(Ce元素として0.02モル)、およびアルミニウム(Al)の原料としてアルミナ(Al)91.77g(Al元素として1.8モル)を加え、さらにフラックスとしてのフッ素化合物としてフッ化バリウム(BaF)を3.3g(すなわち原料に対して1.2質量%)添加し、これをアルミナ製容器に入れて乾式ボールミルにより充分に混合、粉砕する。このようにして得られた混合物を、アルミナ製るつぼに充填して、還元雰囲気中として窒素97%−水素3%混合ガス気流中で、1400℃の焼成温度で2時間焼成を行う。その後冷却し、水洗浄、分散、乾燥し、篩分工程を経て、#420メッシュをパスしたものを、試料1−(4)とした。
この試料1−(4)の蛍光体は、(Tb0.98Ce0.02・1.8Alで表され、ここでアルミニウムのモル数の比wはw=1.8であり、セリウムの割合xはx=0.02となる。
また、比較用として、アルミニウムの量が従来から知られている化学量論比の蛍光体、すなわちw=5/3=1.6667であるほかは上記試料1−(4)と同じ条件で蛍光体を作成し、これを比較例1とした。すなわち、原料として酸化テルビウム(Tb)183.19g(Tb元素として0.98モル)、酸化セリウム(CeO)3.28g(Ce元素として0.02モル)、およびアルミナ(Al)84.97g(Al元素として1.6667モル)を用い、さらにフラックスとしてのフッ素化合物としてフッ化バリウム(BaF)を3.3g(すなわち原料に対して1.2質量%)を用いたほかは、上記試料1−(4)と同様の条件で比較例1を製造した。この比較例1の蛍光体は、(Tb0.98Ce0.02・1.6667Alで表される。
同様にして、wの値を表1に示すように1.68ないし2.6に変化させたほかは、上記試料1−(4)と同様の条件で蛍光体を作成し、これを試料1−(1)ないし試料1−(3)、試料1−(5)ないし試料1−(9)とした。
これら、得られた試料1−(1)ないし試料1−(9)および比較例1の蛍光体を試料皿にいれ、波長465nmの青色光を照射したときに得られる蛍光の輝度を、輝度計(輝度計LS−110 コニカミノルタ製)を用いて測定した。このとき、輝度計の手前に500nm以下の波長をカットする光学フィルタを設けて、青色光光源からの影響を低減した。
その結果を、比較例1の輝度を100とした場合の相対輝度として表1に示す。
Figure 2005264062
これら、表1に示す結果より、試料1−(2)ないし試料1−(7)すなわちwが1.7ないし2.3の範囲において、相対輝度が106以上とあるように優れた発光輝度をもつことがわかり、さらに試料1−(4)ないし試料1−(5)すなわちwが1.8ないし2.0の範囲において、相対輝度が119以上とあるように、より好ましい優れた発光輝度をもつことがわかる。
しかし、試料1−(1)すなわちw=1.68の場合では、比較例1すなわちw=1.6667と比べて発光輝度に顕著な差がみられない。また、試料1−(8)および試料1−(9)すなわちw=2.5および2.6の場合では、発光に寄与しない結晶相が増加すると考えられるため、やはり発光輝度が低下してしまう。
これらの結果より、wが1.7ないし2.3の範囲において、より好ましくはwが1.8ないし2.0の範囲において従来の蛍光体に比べて優れた発光輝度となることがわかる。
次に、実施例2として、Lnで表す希土類元素がテルビウム(Tb)であり、Mで表す元素がアルミニウム(Al)である場合において、セリウム(Ce)の割合xを変化させたときの発光輝度について説明する。
セリウム(Ce)の割合xが0.0002となるように、酸化テルビウム(Tb)を186.89g(Tb元素として0.9998モル)と、酸化セリウム(CeO)を0.0328g(Ce元素として0.0002モル)とを用いるほかは、実施例1の試料1−(4)と同様の条件で蛍光体を作成した。これを試料2−(1)とした。
この試料2−(1)の蛍光体は、(Tb0.9998Ce0.0002・1.8Alで表され、ここでアルミニウムのモル数の比wはw=1.8であり、セリウムの割合xはx=0.0002となる。
同様にして、セリウムの割合xの値を表2に示すように0.0005ないし0.25に変化させたほかは、上記試料2−(1)と同様の条件で蛍光体を作成し、これを試料2−(2)ないし試料2−(8)とした。
さらに、試料2−(1)ないし試料2−(8)の各々の比較例として、w=1.6667としたほかは、上記試料2−(1)ないし試料2−(8)と同様の条件で蛍光体を作成し、これを比較例2−(1)ないし比較例2−(8)とした。
これら、得られた試料2−(1)ないし試料2−(8)および比較例2−(1)ないし比較例2−(8)について、実施例1と同様に波長465nmの青色光を照射したときに得られる蛍光の輝度を測定した。その結果を、各々の比較例の輝度を100とした場合の相対輝度として、実施例1の比較例1および試料1−(4)の結果とともに表2に示す。
Figure 2005264062
これら、表2に示す結果より、試料2−(2)ないし試料2−(7)すなわちxが0.0005ないし0.2の範囲において、各々の比較例に比べて相対輝度が106以上とあるように優れた発光輝度をもつことがわかり、さらに試料2−(3)ないし試料2−(6)すなわちxが0.001ないし0.15の範囲において、各々の比較例に比べて相対輝度が111以上とあるように、より好ましい優れた発光輝度をもつことがわかる。
しかし、試料2−(1)すなわちx=0.0002の場合では、発光中心であるセリウムの割合が小さすぎるため、発光輝度が低下している。また、試料2−(8)すなわちx=0.25の場合では、濃度消光のため、やはり発光輝度が低下している。
これらの結果より、セリウムの割合xが0.0005ないし0.2の範囲において、より好ましくはxが0.001ないし0.15の範囲において各々の比較例の蛍光体に比べて優れた発光輝度となることがわかる。
次に、実施例3として、Lnで表す希土類元素がイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mで表す元素がアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、発光中心としてセリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)を用いた場合を説明する。
用いる原料およびその割合を表3に示す式の割合となるように変化させた他は、実施例1の試料1と同じ条件で、試料3−(1)ないし試料3−(8)を各々作成した。
また、比較のために、試料3−(1)ないし試料3−(8)の各々に対して、wを1.6667としたほかは同様の条件の比較例を、それぞれ比較例3−(1)ないし比較例3−(8)として作成した。
これら得られた試料3−(1)ないし試料3−(8)および比較例3−(1)ないし比較例3−(8)について、実施例1と同様に波長465nmの青色光を照射したときに得られる蛍光の輝度を測定した。その結果を、対応する各々の比較例の輝度を100とした場合の相対輝度として、表3に示す。
Figure 2005264062
これら、表3に示す結果より、試料3−(1)ないし試料3−(8)のいずれについても、各々のw=1.6667である比較例と比べて相対輝度が105以上であるように優れた発光輝度をもつことがわかる。
また、特に試料3−(7)および試料3−(8)においては、プラセオジム元素を含むため、蛍光体からの発光において赤色付近の波長成分が増加し、演色性が向上した。
なお、これら各試料において、セリウムの割合xを実施例2のように変化させた場合についても、実施例2と同様な結果が得られた。
このように、一般式が(Ln1−xCe・wMまたは(Ln1−x−yCePr・wMで表され、Lnで表す希土類元素がイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mで表す元素がアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であり、yは0.0005以上0.2以下である場合において、従来の蛍光体に比べて優れた発光輝度を持つ蛍光体が得られることがわかる。また、wは1.8以上2.0以下であり、xは0.001以上0.15以下である場合においてより好ましい優れた発光輝度を持つ蛍光体が得られることがわかる。
本発明の蛍光体は、青色光線等の短波長領域の可視光線や紫外線を発光する発光素子と組み合わせることにより、蛍光体から発する長波長側の可視光との混色により、白色系の発光素子を構成することができる。さらに、発光素子として発光ダイオードやレーザーダイオード等を用いることで、より高輝度な優れた白色系の発光素子を構成できる。
これら白色系の可視光発光素子は、消費電力が小さく長寿命であるという特徴を活かして画像表示装置や照明装置の発光源として広く利用できる。

Claims (4)

  1. 一般式が(Ln1−xCe・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であることを特徴とした蛍光体。
  2. 一般式が(Ln1−x−yCePr・wMで表され、Lnがイットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ランタン(La)およびルテチウム(Lu)の少なくともいずれか1つの元素であり、Mがアルミニウム(Al)およびガリウム(Ga)の少なくともいずれか1つの元素であり、wは1.7以上2.3以下であり、xは0.0005以上0.2以下であり、yは0.0005以上0.2以下であることを特徴とした蛍光体。
  3. wは1.8以上2.0以下であり、xは、0.001以上0.15以下であることを特徴とした請求項1または2記載の蛍光体。
  4. Lnがテルビウム(Tb)であり、Mがアルミニウム(Al)であることを特徴とした請求項1ないし3記載の蛍光体。
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