JP2005263879A - 半導体固定用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】 被着体の汚染や粘着物性の経時変化が少なくかつ帯電防止性能が高く、半導体部品のダイシングやバックグラインド処理においても回路面への影響が少ない半導体固定用粘着テープを安価に提供する。
【解決手段】 基材フィルム(15)と粘着剤層を有してなる半導体固定用粘着テープであって、前記粘着剤層(12〜14)が少なくとも3層より構成され、最表層(12)から2番目の層に帯電防止層(13)を含む半導体固定用粘着テープ。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電防止性能を有する半導体固定用粘着テープに関し、特に電気、電子、半導体部品を生産する際に使用される、帯電防止性能を有するダイシング用やバックグラインド用の粘着テープに関する。
従来から、電気、電子部品、半導体部品を生産する際に、ダイシング工程やその他の工程において部品の固定や保護を目的とする粘着テープが知られている。このような粘着テープとしては、基材フィルムに再剥離性のアクリル系粘着剤層が設けられたものや、貼付時には外力に対し強い抵抗性があるが剥離時には小さい力で剥離可能な光架橋型再剥離性粘着剤層が設けられたものがある。該粘着テープは所定の処理工程が終了すると剥離されるが、このとき部品と粘着テープとの間に剥離帯電と呼ばれる静電気が発生する。この静電気による、被着体(例えば回路など)への悪影響を抑えるため、基材フィルムの背面側を帯電防止処理した粘着テープや、粘着剤層へ帯電防止剤を添加混合した粘着テープ、基材フィルムと粘着剤層との間に帯電防止中間層を作成した粘着テープが使用されている。
ところが回路を形成する部品の基板がセラミックスやガラスなどの絶縁材料である場合には、静電気の発生量が大きくしかも減衰に時間がかかる。このような部品には前記粘着テープを用いても帯電防止効果が十分ではなく、回路が破壊されてしまう危険が大きかった。このため、上記部品の生産工程においては、例えば周囲の環境にイオナイザー等の静電気除去装置をさらに設置しているのが実情である。
しかしながら、以上のような対策では、十分な帯電防止効果が得られず、生産性が低く、また回路の保護性も十分とはいえない。
また粘着テープの剥離帯電を防止するための処理は、基材フィルム側ではなく粘着剤側に施すのが効果的であると考えられている。ところが粘着剤に界面活性剤や導電性フィラー、カーボンブラックのような帯電防止効果のある材料を添加すると、粘着物性やその経時変化の調整ないしは抑制が困難であるばかりでなく、剥離する際に粘着剤や添加した材料自体が被着体に移行して汚染するおそれがある。この場合、被着体の表面には目視可能な糊残りや顕微鏡レベルのパーティクル状物の付着、あるいは光学的に観測不能な液状物の付着が起こり、以降の工程において部品の接着不良などの悪影響を及ぼす。
また、粘着剤層と基材フィルムの中間又は基材フィルム背面にテトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の電荷移動錯体を含む導電層を設けた半導体ウエハの保護部材が知られている(特許文献1参照)。しかし、基材背面への塗工ではエキスパンド時に塗膜が脱落しやすいことからダイシングテープへの展開が難しく、更にTCNQ等の芳香族系電荷移動錯体は極めて高価な材料であり、利用範囲を広めるための材料の一層の低コスト化の観点から必ずしも満足できない。
特開平5−166692号公報
また、これらを解決する方法として、電荷移動型錯体等を主成分とする帯電防止層を粘着剤と基材フィルムの中間に設けた粘着テープが開発されているが、粘着剤層が厚くなると、例えば30μmを超えるような場合には、粘着剤層の電気抵抗が高く十分な帯電防止性能がえられにくくなる。バックグラインド用テープでは凹凸を有する回路面や電極形状に追随する必要性から糊の厚さが厚くなる傾向にあり、帯電防止化がより難しくなっている。また、ダイシングテープにおいても被着体パッケージの反りに対応するために糊層の厚膜化が求められている。特にUV硬化型粘着剤層を使用する場合には、UV硬化後の著しい帯電防止性能の低下が問題となっている。
本発明は、被着体の汚染や粘着物性の経時変化が少なくかつ帯電防止性能が高く、半導体部品のダイシングやバックグラインド処理においても回路面への影響が少ない半導体固定用粘着テープを安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、粘着剤層を複数層より構成し、その特定の中間層中に帯電防止層を設けることにより、粘着剤による被着体への汚染や粘着物性の経時変化などによる信頼性低下を生ずることなく、帯電防止機能を付与できることを見い出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
すなわち本発明は
(1) 基材フィルムと粘着剤層を有してなる半導体固定用粘着テープであって、前記粘着剤層が少なくとも3層より構成され、最表層から2番目の層に帯電防止層を含むことを特徴とする半導体固定用粘着テープ、および、
(2)前記帯電防止層は電荷移動型錯体を含むことを特徴とする(1)の半導体固定用粘着テープ、および、
(3)最表層の粘着剤層が放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする(1)または(2)記載の半導体固定用粘着テープ、および、
(4)基材フィルムと粘着剤層を有してなる半導体固定用粘着テープであって、前記粘着剤層が少なくとも最表層と帯電防止層を有し、全粘着剤層の厚さが30μm以上であり、かつ、最表層の厚さが10μm以下であることを特徴とする半導体固定用粘着テープ、
を提供するものである。
本発明の粘着テープは、安価に得られるうえ、被着体表面の汚染や粘着物性の経時変化が少なく、UV照射後の帯電防止性能が高い。半導体部品のダイシングやバックグラインド処理においても回路面への影響が少なく、利用範囲も広げられ、半導体製品の製造歩留まりの低減防止にも有効である。また、粘着剤層に放射線硬化型ポリマーを採用したものは、再剥離が容易である。
本発明の半導体固定用粘着テープの好ましい実施の態様について、詳細に説明する。本発明の帯電防止層を含む半導体固定用粘着テープに用いられる基材フィルムは、半導体を加工するときの衝撃からの保護や水洗浄等に対する耐水性等が重要である。したがって、基材フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。そして、これらの単層フィルム又は複層フィルムが用いられる。基材フィルムは、可視光透過性であるものが好ましく、特に紫外線透過性であるものが好ましい。
基材フィルムの厚さは、特に制限するものではないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは40〜500μm、特に好ましくは100〜250μmである。
本発明の帯電防止層に用いられる電荷移動型錯体としては、特に制限するものでは無いが、性能/コスト比を考えると窒素原子−ホウ素原子錯体構造の電荷移動型ボロンポリマーが好ましい。電荷移動型ボロンポリマーとしては、例えば三級アミン化合物、又は主鎖および/又は側鎖中に塩基性窒素を有するポリアミノ化合物と、下記一般式〔I〕で表わされる原子団を有する半極性有機ホウ素化合物を構成成分とするポリマーとを反応させることによって得られるものが挙げられる(特開平5−19413号公報、特開平6−126904号公報参照)。
[但し、式中R,R,R,Rは夫々、同一又は異なっていてもよく、水素、低級アルキル基、低級アルコキシル基、低級アルコキシ低級アルキル基であり、nは0又は1である。]
前記一般式〔I〕で表される原子団を有する半極性有機ホウ素化合物を構成成分とするポリマーは、例えば下記の(a)又は(b)の方法によって製造することができる。
得られる半極性有機ボロンポリマーの分子量(又は重合度)は特に制限するものではないが、好ましくは3000〜100000、より好ましくは3500〜70000である。
(a)法:下記一般式〔II〕で表される化合物の1種若しくは2種以上を合計1モルに対して、ホウ酸若しくは炭素原子数4以下の低級アルコールのホウ酸トリエステルを1モルか、又は、無水ホウ酸を0.5モルと反応させてトリエステル反応を行なう。
[式中、qは0又は1であり、q=1の時、Aは−(X)a−(Y)b−(Z)c−基を表す。但し、X及びZはそれぞれ1個の末端エーテル残基をもつ炭素原子数100以下の含酸素炭化水素基を表し、Yは−O−CO−R−CO−(但し、Rは炭素原子数1〜82、好ましくは6〜82の炭化水素基を表す)もしくは−O−CO−NH−R′−NH−CO−(但し、R′は炭素原子数1〜20、好ましくは5〜15の炭化水素基を表す)である。a,bおよびcはそれぞれ0又は1である]
(b)法:ジ(グリセリン)−ボラート若しくは中間にジ(グリセリン)−ボラート残基を含む炭素原子数206以下、好ましくは炭素原子数10〜100、のジオールの1種若しくは2種以上についてポリエーテル化反応を行なうか、又はそれらの1種若しくは2種以上を合計1モルに対して、炭素原子数3〜84、好ましくは8〜84のジカルボン酸(以下、所定のジカルボン酸と称する。)若しくは炭素原子数4以下の低級アルコールと所定のジカルボン酸とのエステル若しくは所定のジカルボン酸のハライド若しくは炭素原子数4〜15、好ましくは8〜15のジイソシアナート(以下、所定のジイソシアナートと称する。)の1種若しくは2種以上を合計1モル反応させる。
得られる半極性有機ボロンポリマーの代表的なものを例示すると、次の式で示される。
このようにしてつくられる半極性有機ボロンポリマー(以下、所定の半極性有機ボロンポリマーと称する。)の1種若しくは2種以上と、ヒドロキシル基を少なくとも1個有する炭素原子数5〜82、好ましくは5〜30の三級アミン(以下、所定の三級アミンと称する。)の1種若しくは2種以上とを、又は主鎖および/又は側鎖中に塩基性窒素を有するポリアミノ化合物とを、ホウ素原子1個対塩基性窒素原子1個になるように仕組まれた割合で、密閉若しくは開口型の反応器に仕込み、常圧下、20〜200℃、好ましくは、50〜150℃において反応させれば、本発明に用いられる帯電防止剤(以下、所定の電荷移動型ボロンポリマーという)が製造される。その際、アルコール、エーテル、ケトン等の極性溶媒を共存させると、より容易に反応を行なうことができる。
この帯電防止剤の作用機構は明らかではないが、下記式のように、半極性有機ホウ素化合物の半極性結合の部分と塩基性窒素とが結合することによってイオン対が形成され、生じた酸性プロトンがホウ素側と窒素側の両方に結合性を残す形で移動することにより共鳴構造を呈し、それと接触している絶縁体材料中で複数の電子の動きをもたらしてフェルミ準位を与え、半導体型の電気特性を示すものへと転換させ得る原動力になっていると思われる。
本発明に用いられる所定の電荷移動型ボロンポリマーとその中間体である所定の半極性有機ボロンポリマーを導くための原料は、下記の通りである。まず、所定の半極性有機ボロンポリマーを導く(a)法の原料である一般式〔II〕で表される化合物としては、例えば、ジグリセリン、ジ(グリセリン)−マロナート、ジ(グリセリン)−マレアート、ジ(グリセリン)−アジパート、ジ(グリセリン)−テレフタラート、ジ(グリセリン)−ドデカナート、ポリ(9モル)オキシエチレン−ジ(グリセリンエーテル)、ジ(グリセリン)−トリレンジカルバマート、ジ(グリセリン)−メチレンビス(4−フェニルカルバマート)などを挙げることができる。
一方、(b)法における所定のジカルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、ドデカン・二酸、リノール酸から誘導されたダイマー酸、ドデシルマレイン酸、ドデセニルマレイン酸、オクタデシルマレイン酸、オクタデセニルマレイン酸、平均重合度20のポリブテニル基を連結させているマレイン酸等が挙げられ、また、所定のジイソシアナートとしては、例えばエチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート及びメチレンビス(4−フェニルイソシアナート)等が挙げられる。
次に、所定の半極性有機ボロンポリマーと反応させる所定の三級アミンとしては、例えば、ジエチル−ヒドロキシメチルアミン、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、メチル−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシメチル−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジベンジル−2−ヒドロキシプロピルアミン、シクロヘキシル−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジ(ヘキサデシル)アミンのエチレンオキシド(1〜25モル)付加体、およびモノブチルアミンのプロピレンオキシド(1〜26モル)付加体等が挙げられる。
本発明において、上記帯電防止剤は溶媒へ可溶性、或は分散性の有機ポリマーからなるバインダー樹脂に混合して積層してもよいが、粘着剤との親和性が高いアクリル系共重合樹脂が都合が良い。また、必要に応じて、着色剤、耐ブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、無機又は有機微粒子よりなる滑剤等の添加剤を含有させてもかまわない。
本発明の半導体固定用テープは、その片面に、アクリル系粘着剤など、又はその溶液を塗布又は塗布後乾燥して得られる粘着剤層を有する。
粘着剤ベースポリマーとしては、常用のものを用い得るが、アクリル系粘着剤の場合、具体的には、アクリル酸エステルを主たる構成単量体単位とする単独重合体および共重合体から選ばれたアクリル系重合体その他の官能性単量体との共重合体およびこれら重合体の混合物が用いられる。たとえば、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど、また上記のアクリル酸エステルをたとえばメタクリル酸エステルに代えたものなども好ましく使用できる。
さらに接着性や凝集力を制御する目的でアクリル酸あるいはメタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどのモノマーを共重合させてもよい。これらのモノマーを重合して得られるアクリル系重合体の重量平均分子量は、5×104〜2×106であり、好ましくは、4.0×105〜8.0×105である。
上記のような粘着剤は、架橋剤を使用することにより接着力と凝集力とを任意の値に設定することができる。このような架橋剤としては、多価イソシアナート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等がある。多価イソシアナート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナートおよびこれらのアダクトタイプのもの等が用いられる。多価エポキシ化合物としては、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等が用いられる。多価アジリジン化合物としては、具体的にはトリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が用いられる。またキレート化合物としては、具体的にはエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が用いられる。
また、上記のような粘着剤層中に光重合性化合物を含ませることによって、該粘着剤層に紫外線を照射することにより、粘着力をさらに低下させることができる。このような光重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
さらに上記の粘着剤中に、光照射用の場合には、光開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。このような光開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光開始剤は、通常光重合性化合物100質量部に対し0.1〜10質量部の量が用いられる。このようにして形成される光架橋型粘着剤層に対し、光、好ましくは紫外線を照射することにより、初期の接着力が大きく低下し、容易に被着体から該粘着テープを剥離することができる。
ここで、上述の電荷移動型錯体やその他の帯電防止剤などを含有する帯電防止層をいかに配置するかが問題となるところ、発明者らは粘着剤層を分層し、それぞれの層が有効に機能を発揮しうる構造を見いだした。たとえば、図1のように3層に粘着剤層を分割した構造である。ここで、11は被粘着体となる半導体回路の基板(ウエハ)であり、12ないしは14が粘着剤層にあたり、12が最表層にあたる粘着剤層であり、13は帯電防止層、そして14が帯電防止層の下に位置する粘着剤層であり、15が基材フィルムとなる。このように配置することで、最表層は回路等との接着に関する機能を重視した成分組成とすることができ、また、2番目の層である帯電防止層には帯電防止機能を重視した成分組成を適用可能とした。さらに重要なことは、帯電防止層が2番目の層として位置することで、帯電防止層と回路の距離を適宜調整可能であることから、被着体との接着には影響を与えずに被着体の形状および性質に広範に対応し、有効な帯電防止効果を発揮することが可能な点である。また、その他の機能を有す層を追加して挿入することも考えられ、本発明において、全積層数を適宜設定できるが、好ましくは4層程度である。
さらに、発明者らは帯電防止層から粘着剤層表面までの距離と帯電防止効果の関係を、試験および解析を重ねて、半導体用粘着テープとしての基本性能と帯電防止性能のバランスと粘着剤層厚さとの関係を確認することにより、当該距離が10μm以下で好ましく、5μm以下でより好ましいことを見いだした。このような現象の作用機構はまだ定かではないが、被着体である回路等の部品と粘着剤層表面の剥離帯電により生じた静電気が、最表層である粘着剤層を導通して、帯電防止層を通じて外界に容易に放出されることに起因すると考えられる。ここで、最表層の厚さは、最表層成形上のばらつきや、回路表面の凹凸による押し出しも考慮して少なくとも2μmとするのが望ましい。
一方、全粘着剤層の厚さには制約は無いが、当該発明の目的とする効果の点から、全粘着剤層の厚さが25μm以上で好ましく、30μm以上がより好ましい。また、当該厚さの上限に関して特に制限はないが、実際上の半導体固定用粘着テープでの使用を考慮すると200μm以下とするのが好ましい。
本発明の半導体固定用粘着テープは、多様な電気、電子、半導体部品を製造する際に、例えばシリコンウェハやガラス、セラミックス、ポリマー等の基板の保護用、ダイシング用の粘着テープとして有用である。
以下本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ38μmのPETフィルムセパレーターの離型処理面にポリエチレンイミンのエチレンオキサイド付加物(ポリエチレンイミンの分子量約1800 、付加率約100%)およびジ(グリセリン)ボラートの1:1当量比からなる窒素原子−ホウ素原子錯体構造の電荷移動型ボロンポリマー(A)40質量部をアクリル系接着剤100質量部に分散し、塗工乾燥し1μm厚の帯電防止層(B)を得た。その後、アクリル系粘着剤(2―エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートの共重合体)100質量部にポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートL)4質量部、イソシアヌレート化合物としてトリス−2−アクリロキシエチルイソシアヌレート100質量部および光重合開始剤としてα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1質量部を添加混合して放射線硬化性粘着剤(C)を得た。得られた粘着剤(C)を得られる乾燥後の厚さが25μmとなるように厚さ100μmのポリエチレンフィルムに塗工し、厚さ1μmの帯電防止層(B)を積層した後、厚さ5μmの粘着剤(C)を積層して放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
(実施例2)
上記実施例1において、電荷移動型ボロンポリマー(A)の配合量を80質量部とした以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
(実施例3)
上記実施例1において、帯電防止層(B)を2μmとしたこと以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
(比較例1)
上記実施例1において、帯電防止層を設けないこと以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
(比較例2)
上記実施例1において、厚さ5μmの粘着剤(C)の積層を省略した以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
(比較例3)
上記実施例1の帯電防止層の位置を基材フィルムから5μm(最表層から25μm)の位置に積層したこと以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
(比較例4)
上記実施例1の帯電防止層の位置を基材フィルムから18μm(最表層から12μm)の位置に積層したこと以外は同様にして放射線硬化性の半導体固定用粘着テープを得た。
照会沿って
上記実施例1〜3および比較例1〜4で得られた各粘着テープについて、以下に示す各試験により、その表面固有抵抗、平衡帯電圧、半減期、表面汚染性(パーティクル)、初期粘着力、経時粘着力、エキスパンド性、背面帯電防止層密着性、耐水性を評価したところ、表1の結果を得た。
(1)表面固有抵抗値:
JIS K6911に準拠して、(株)アドバンテスト製R−8740(商品名)を用いて測定した。
(2)平衡帯電圧および半減期:
シシド商会社製のスタティックオネストメーターを用いて印加電圧10kVとして測定した。
(3)表面汚染性(パーティクル):
半導体ウエハに粘着テープを貼付し、これを200mJ/cmでUV照射した後、粘着テープを剥離した。粘着テープ剥離後の該ウエハ上の0.3μm以上のパーティクルの数を表面異物検査装置(商品名Surfscan6420、KLA−Tencor社製)を用いて測定した。
(4)初期粘着力:
製造後2週間以内のテープサンプルについて、JIS Z0237に準拠してUV照射(UV照射量は、200mJ/cm)前後のそれぞれの粘着力を測定した。試験用の被着体はシリコンウエハーミラー面とし、試験は90゜剥離、剥離速度50mm/分で行った。
(5)6ヶ月後粘着力:
製造から6ヶ月を経過したテープについて、初期粘着力測定と同様にしてUV照射前後の粘着力を測定した。
表1より明らかなように、請求項1の発明に対する比較例1の粘着テープは、帯電防止層を持たないため非常に帯電しやすい。同様に請求項1に対する比較例2では、帯電防止層が直接被着体に接するために被着体への汚染が大きく半導体用途での使用には適していない。また、請求項4に対する比較例3では帯電防止層を有するが、帯電防止層の上に絶縁性の粘着剤層が25μm厚存在するために絶縁性の高まるUV照射後には帯電防止性能が著しく低下してしまう。
これに対し、実施例1の結果から明らかなように、本発明の半導体固定用テープは、UV照射後の帯電防止性能が良好で、UV照射前の粘着力は高くUV照射後の粘着力は低く、かつ、被着体表面を汚染しないことがわかる。一般的には、帯電防止層を設けることで、被着体汚染性、粘着力の経時安定性が損なわれるが本発明の半導体固定用粘着テープは、帯電防止性能は高くその他のテープ特性へのマイナス要因もないことが分かる。
3層構造を有する半導体固定用粘着テープの断面図である
符号の説明
11 ウエハ
12 粘着剤層(最表層)
13 帯電防止層
14 粘着剤層
15 基材フィルム

Claims (4)

  1. 基材フィルムと粘着剤層を有してなる半導体固定用粘着テープであって、前記粘着剤層が少なくとも3層より構成され、最表層から2番目の層に帯電防止層を含むことを特徴とする半導体固定用粘着テープ。
  2. 前記帯電防止層は電荷移動型錯体を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体固定用粘着テープ。
  3. 最表層の粘着剤層が放射線硬化型粘着剤からなることを特徴とする請求項1または2記載の半導体固定用粘着テープ。
  4. 基材フィルムと粘着剤層を有してなる半導体固定用粘着テープであって、前記粘着剤層が少なくとも最表層と帯電防止層を有し、全粘着剤層の厚さが30μm以上であり、かつ、最表層の厚さが10μm以下であることを特徴とする半導体固定用粘着テープ。
JP2004075418A 2004-03-16 2004-03-16 半導体固定用粘着テープ Expired - Lifetime JP4865192B2 (ja)

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