JP2005263660A - 尿素含有皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】保湿効果が高く、保存中だけでなく、皮膚塗布後においても尿素の結晶析出が抑制された尿素含有皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】
尿素(X)と、
下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体(Y)と、
水(Z)とを含み、上記三成分の配合質量比が、三相図において以下の座標で囲まれる範囲内である尿素含有皮膚外用剤。
(X,Y,Z)=(50, 0.1, 49.9)、(33, 67, 0)、(30, 70, 0)、(7, 70, 23)、(7, 0.1, 92.9)
(化1)
R1O−[(AO)m(EO)n]−R2 (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれAO、EOの平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。AOとEOの合計に対するEOの割合は20〜80質量%である。AOとEOはブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R1及びR2は、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R1及びR2の炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。)
【選択図】 図1
【解決手段】
尿素(X)と、
下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体(Y)と、
水(Z)とを含み、上記三成分の配合質量比が、三相図において以下の座標で囲まれる範囲内である尿素含有皮膚外用剤。
(X,Y,Z)=(50, 0.1, 49.9)、(33, 67, 0)、(30, 70, 0)、(7, 70, 23)、(7, 0.1, 92.9)
(化1)
R1O−[(AO)m(EO)n]−R2 (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれAO、EOの平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。AOとEOの合計に対するEOの割合は20〜80質量%である。AOとEOはブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R1及びR2は、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R1及びR2の炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。)
【選択図】 図1
Description
本発明は尿素含有皮膚外用剤、特に尿素を高濃度配合した皮膚外用剤に関する。
尿素は、皮膚の水分保持作用・組織膨化作用・角質軟化作用等を有するため、尋常性魚鱗癬、老人性乾皮症、アトピー性皮膚炎、進行性指掌角皮症等の皮膚科学的疾病用の外用剤中に配合されている。また、保湿効果を高めるため、医薬品をはじめとして医薬部外品や化粧料中にも配合されており、「皮膚軟化薬」のカテゴリーとして「手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、小児乾燥性皮膚、老人の乾皮症、さめ肌等」の効能を取得している。
皮膚疾患は人目に付きやすいため、患者の心理的負担が大きく、速やかに治療を行うことが必要であるが、上記製剤においては、より高い治療効果を得ようとして尿素を高濃度配合させた場合、低温保存時において経時的に尿素の結晶が析出し、塗布に際して物理的刺激を生じるという問題があった。また場合によっては、分離、離漿、凝集、沈殿が起こる等、製剤の安定性が悪くなり、商品価値を著しく損なうことが認められている。
更に、上記製剤においては、皮膚への塗布後、水分が蒸散することにより塗布面上での尿素結晶の析出が促進されるため、尿素の経皮吸収を妨げることが懸念される。
更に、上記製剤においては、皮膚への塗布後、水分が蒸散することにより塗布面上での尿素結晶の析出が促進されるため、尿素の経皮吸収を妨げることが懸念される。
そこで、尿素結晶析出を抑制する従来技術としては、製剤中の水分量を増大する方法や尿酸を配合する方法(特公昭47−47662号公報)、あるいはビタミンE類を添加する方法(特開2001−131063号公報)等が示されている。
また、保湿効果を向上させるために、一般的な保湿剤である多価アルコール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等)が併用される事が示されている(特開2001−19631号公報、特開2001−226251号公報)。
特公昭47−47662号公報
特開2001−131063号公報
特開2001−19631号公報
特開2001−226251号公報
また、保湿効果を向上させるために、一般的な保湿剤である多価アルコール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等)が併用される事が示されている(特開2001−19631号公報、特開2001−226251号公報)。
しかしながら、結晶析出を抑制する上記方法は、効果が十分であるとは言い難いものであった。すなわち、尿素を高濃度配合した皮膚外用剤においては、使用感や有効性の点から、保存中だけでなく、皮膚への塗布後にも尿素の結晶析出を抑制することが望まれているが、上記の結晶析出防止方法は、保存中の尿素析出はある程度抑制できるものの、皮膚への塗布時においては、すぐに塗布面上に尿素結晶が析出してしまうという問題があった。また水分量を増大する方法では、低温で保存された場合に尿素が析出したり製剤が凍結したりしてしまうことが問題であった。
また、多価アルコール類を併用する方法においては、水分保持機能を発揮させるためには多価アルコールをある程度の量を配合する必要があるが、配合量が多いと特有のべたつきが出るなど使用感の点で十分に満足できない事が多く、製品形態が限定されてしまうという問題もあった。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、保湿効果が高く、保存中だけでなく、皮膚塗布後においても尿素の結晶析出が抑制された尿素含有皮膚外用剤を提供することにある。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、保湿効果が高く、保存中だけでなく、皮膚塗布後においても尿素の結晶析出が抑制された尿素含有皮膚外用剤を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者等が検討を行った結果、尿素含有製剤に特定のアルキレンオキシド誘導体を配合すると、尿素製剤が本来有する保湿効果、特に乾燥性皮膚疾患治療効果が更に高められ、また保存中だけでなく、皮膚塗布後にも尿素の結晶析出を抑制する十分な効果が認められることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の尿素含有皮膚外用剤は、
尿素(X)と、
下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体(Y)と、
水(Z)とを含み、上記三成分の配合質量比が、三相図において、以下の座標で囲まれる範囲内であることを特徴とする。
(X,Y,Z)=(50, 0.1, 49.9)
=(33, 67, 0)
=(30, 70, 0)
=(7, 70, 23)
=(7, 0.1, 92.9)
(化1)
R1O−[(AO)m(EO)n]−R2 (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R1及びR2は、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R1及びR2の炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。)
すなわち、本発明の尿素含有皮膚外用剤は、
尿素(X)と、
下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体(Y)と、
水(Z)とを含み、上記三成分の配合質量比が、三相図において、以下の座標で囲まれる範囲内であることを特徴とする。
(X,Y,Z)=(50, 0.1, 49.9)
=(33, 67, 0)
=(30, 70, 0)
=(7, 70, 23)
=(7, 0.1, 92.9)
(化1)
R1O−[(AO)m(EO)n]−R2 (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R1及びR2は、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R1及びR2の炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。)
前記皮膚外用剤において、前記アルキレンオキシド誘導体のオキシアルキレン基とオキシエチレン基がランダム状に付加していることが好適である。
前記皮膚外用剤は、乾燥性皮膚疾患用であることが好適である。
前記皮膚外用剤は、乾燥性皮膚疾患用であることが好適である。
本発明によれば、尿素製剤に、特定のアルキレンオキシド誘導体を配合することにより、保湿効果、特に乾燥性皮膚疾患治療効果が高く、且つ保存中だけでなく、皮膚塗布後にも尿素の結晶析出が抑制された尿素含有皮膚外用剤を得ることができる。
以下、本発明の構成について述べる。
<尿素>
本発明における尿素の配合量は、皮膚外用剤全体に対して7.0〜50.0質量%、好ましくは8.0〜30.0質量%、さらに好ましくは10.0〜20.0質量%である。この配合量は、薬効発現に十分な量であればよく、さらに剤型、治療目的、患者の年齢・体重・疾病の進行度などに応じて適宜調整される。但し、尿素の含有量が少なすぎると期待される薬理効果が得られないため好ましくなく、逆に多すぎると尿素の結晶が析出しやすくなるため好ましくない。
<尿素>
本発明における尿素の配合量は、皮膚外用剤全体に対して7.0〜50.0質量%、好ましくは8.0〜30.0質量%、さらに好ましくは10.0〜20.0質量%である。この配合量は、薬効発現に十分な量であればよく、さらに剤型、治療目的、患者の年齢・体重・疾病の進行度などに応じて適宜調整される。但し、尿素の含有量が少なすぎると期待される薬理効果が得られないため好ましくなく、逆に多すぎると尿素の結晶が析出しやすくなるため好ましくない。
<アルキレンオキシド誘導体>
本発明に用いる、上記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦60である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは2≦n≦60である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基またはオキシエチレン基が0であると乾燥性皮膚疾患に対する治療効果が十分発揮されず、70を越えるとべたつき感が出てきて、使用感が劣る。
本発明に用いる、上記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦60である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは2≦n≦60である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基またはオキシエチレン基が0であると乾燥性皮膚疾患に対する治療効果が十分発揮されず、70を越えるとべたつき感が出てきて、使用感が劣る。
また、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20〜80質量%であることが好ましい。オキシエチレン基の割合が20質量%未満、あるいは80質量%を超えると本発明の効果が得られない。エチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定はない。またオキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。ブロック状には2段ブロックのみならず、3段以上のブロックも含まれる。好ましくはランダム状に付加されているものが挙げられる。
R1及びR2は炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、本発明の効果が得られない。R1とR2は、同一であっても異なっていても良い。
R1及びR2はそれぞれ一種のみを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。ただし、R1及びR2の炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下、好ましくは0.06以下である。Y/Xの割合が0.15を越えると、べたつき感がでてくる。
R1及びR2はそれぞれ一種のみを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。ただし、R1及びR2の炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下、好ましくは0.06以下である。Y/Xの割合が0.15を越えると、べたつき感がでてくる。
上記アルキレンオキシド誘導体としては、具体的には、POE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下このように略して記載することがある。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下このように略して記載することがある。
本発明のアルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
本発明のアルキレンオキシド誘導体は、その物性に応じて油相あるいは水相に添加して配合される。
また、尿素含有皮膚外用剤中への上記アルキレンオキシド誘導体の配合量は、皮膚外用剤全体に対して0.01〜70質量%、好ましくは0.5〜40質量%、さらに好ましくは1〜30質量%である。アルキレンオキシド誘導体の配合量が0.01質量%未満であると、乾燥性皮膚疾患に対する治療効果が十分発揮されず、低温で長期にわたって保存した場合の組成物中や、皮膚への塗布後に尿素の結晶が析出することがある。一方70質量%を超えると、使用感がべたついたものとなり、低温保存で組成物中に尿素が析出することがある。
本発明のアルキレンオキシド誘導体は、その物性に応じて油相あるいは水相に添加して配合される。
また、尿素含有皮膚外用剤中への上記アルキレンオキシド誘導体の配合量は、皮膚外用剤全体に対して0.01〜70質量%、好ましくは0.5〜40質量%、さらに好ましくは1〜30質量%である。アルキレンオキシド誘導体の配合量が0.01質量%未満であると、乾燥性皮膚疾患に対する治療効果が十分発揮されず、低温で長期にわたって保存した場合の組成物中や、皮膚への塗布後に尿素の結晶が析出することがある。一方70質量%を超えると、使用感がべたついたものとなり、低温保存で組成物中に尿素が析出することがある。
本発明に用いる水は、特に限定されないが通常精製水であり、その配合量は皮膚外用剤全体に対して0〜92.99質量%、好ましくは0.1〜80質量%、さらに好ましくは1〜70質量%である。
本発明の尿素含有皮膚外用剤において、本発明の効果を発揮する尿素(X)、アルキレンオキシド誘導体(Y)及び水(Z)の三成分の配合割合(質量)を三相図で表すと、図1の斜線部で囲まれた範囲(ABCDEの線上及びその内部)、すなわち以下の座標で囲まれる範囲に相当する。
(X,Y,Z)=A(50, 0.1, 49.9)
=B(33, 67, 0)
=C(30, 70, 0)
=D(7, 70, 23)
=E(7, 0.1, 92.9)
本発明の尿素含有皮膚外用剤において、本発明の効果を発揮する尿素(X)、アルキレンオキシド誘導体(Y)及び水(Z)の三成分の配合割合(質量)を三相図で表すと、図1の斜線部で囲まれた範囲(ABCDEの線上及びその内部)、すなわち以下の座標で囲まれる範囲に相当する。
(X,Y,Z)=A(50, 0.1, 49.9)
=B(33, 67, 0)
=C(30, 70, 0)
=D(7, 70, 23)
=E(7, 0.1, 92.9)
以上のように、尿素含有製剤に一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体を配合し、尿素と、該アルキレンオキシド誘導体と、水との配合割合を特定範囲とすることにより、尿素が高濃度に配合されていても、製剤の保存中及び塗布後における経時的な尿素の結晶析出が防止される。なお、尿素は水の存在下で加水分解され、アンモニアガスを生じることもよく知られているが、本発明の皮膚外用剤においては、製剤中の尿素の加水分解も同時に抑制される。
本発明の皮膚外用剤において、上記アルキレンオキシド誘導体は、単独で用いても良いが、他の多価アルコール類と併用して製剤中に配合するとより効果的である。多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
本発明の尿素含有皮膚外用剤には、上記必須成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の成分を配合することができる。
例えば有効成分としてイオウ、サリチル酸等の角質軟化剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン等の殺菌消毒剤;塩酸テトラサイクリン、硫酸ゲンタマシシン等の抗生物質;スルファジアジン、スルファミン等のサルファ剤;酢酸ヒドロコルチゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン等のステロイド系抗炎症剤;塩酸ジブカイン、リドカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔剤;塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;カンフル、メントール、クロタミトン、サリチル酸メチル等の鎮痒剤;インドメタシン、カラミン、グリチルリチン酸およびその塩類、グリチルレチン酸およびその塩類等の鎮痛・消炎・抗アレルギー・収斂剤;硝酸ミコナゾール、塩酸クロコナゾール等の抗真菌剤(抗菌剤);酸化亜鉛、ヘパリン類似物質等の保湿・保護(創傷)剤;アラントイン、銅クロロフィリン等の組織修復剤;塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン等の血管収縮剤;酢酸トコフェロール、ノニル酸ワレニルアミド等の血行促進剤(血管拡張剤);アンモニア水、ハッカ油、ユーカリ油等の局所刺激剤;パンテノール、大豆リン脂質等の代謝性剤;アシクロビル、ビダラビン等の抗ウイルス剤;塩化カルプロニウム、ミノキシジル等の毛髪用剤;硫酸ブレオマイシン、フルオロウラシル、トレチノイン等の抗悪性腫瘍剤;ムピロシンカルシウム水和物等の鼻腔内MRSA除菌剤;その他塩化リゾチーム、シクロスポリン及びその類縁物質、タクロリムス水和物およびその類縁物質等が挙げられる。
例えば有効成分としてイオウ、サリチル酸等の角質軟化剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン等の殺菌消毒剤;塩酸テトラサイクリン、硫酸ゲンタマシシン等の抗生物質;スルファジアジン、スルファミン等のサルファ剤;酢酸ヒドロコルチゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン等のステロイド系抗炎症剤;塩酸ジブカイン、リドカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔剤;塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;カンフル、メントール、クロタミトン、サリチル酸メチル等の鎮痒剤;インドメタシン、カラミン、グリチルリチン酸およびその塩類、グリチルレチン酸およびその塩類等の鎮痛・消炎・抗アレルギー・収斂剤;硝酸ミコナゾール、塩酸クロコナゾール等の抗真菌剤(抗菌剤);酸化亜鉛、ヘパリン類似物質等の保湿・保護(創傷)剤;アラントイン、銅クロロフィリン等の組織修復剤;塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン等の血管収縮剤;酢酸トコフェロール、ノニル酸ワレニルアミド等の血行促進剤(血管拡張剤);アンモニア水、ハッカ油、ユーカリ油等の局所刺激剤;パンテノール、大豆リン脂質等の代謝性剤;アシクロビル、ビダラビン等の抗ウイルス剤;塩化カルプロニウム、ミノキシジル等の毛髪用剤;硫酸ブレオマイシン、フルオロウラシル、トレチノイン等の抗悪性腫瘍剤;ムピロシンカルシウム水和物等の鼻腔内MRSA除菌剤;その他塩化リゾチーム、シクロスポリン及びその類縁物質、タクロリムス水和物およびその類縁物質等が挙げられる。
その他基剤成分としては、以下のものが挙げられる。
例えばその他の保湿剤としては、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース、エリスリトール、コンドロイチン硫酸およびその塩類、ヒアルロン酸およびその塩類、ムコイチン硫酸、カロニン酸、フィッシュコラーゲン、フィトステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
例えばその他の保湿剤としては、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、トレハロース、エリスリトール、コンドロイチン硫酸およびその塩類、ヒアルロン酸およびその塩類、ムコイチン硫酸、カロニン酸、フィッシュコラーゲン、フィトステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
油分としては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等のシリコーン油;流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等の合成エステル油;その他アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、グレープシード油、アーモンド油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油等の植物性油脂;タートル油、卵黄油、ミンク油等の動物性油脂、等が挙げられる。
界面活性剤としては、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキセチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキルグルコシド、シュガーエステル、ポリエーテル系シリコーン活性剤等の非イオン性活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤;パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、リニアドデシルベンゼン硫酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤;イミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミンオキサイド、アミドアミン型両性界面活性剤;アルキルベタイン、スルホベタイン、アミドベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられる。
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、セリサイト、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等)等が挙げられる。
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000、1000,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);カチオンポリマー等が挙げられる。
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000、1000,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);カチオンポリマー等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ジェランガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム) 、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、δ−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、δ−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等)等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、外皮に適用される化粧料、医薬品、及び医薬部外品に広く適用することが可能である。その剤型は本発明の効果を損なわない限り任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水-油二層系、水-油-粉末三層系、ゲル、エアゾール、ミスト、及びカプセル等とすることができ、それぞれ常法により製造することができる。また、本発明の皮膚外用剤の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェーシャル化粧料;ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、サンスクリーン等のメーキャップ化粧料;ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、洗顔料、ボディーシャンプー等の皮膚洗浄料;ヘアーリンス、シャンプー等の毛髪化粧料;軟膏;浴用剤等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもできる。
本発明において、乾燥性皮膚疾患とは、尋常性魚鱗癬(鮫肌)、老人性乾皮症、小児乾燥性皮膚、アトピー性皮膚炎、進行性指掌角皮症(主婦湿疹等)、足蹠角皮症(かかとのひび割れ等)、皮脂減少性湿疹の他、近年若年女性を中心に増加傾向にある生活環境の変化や清潔志向から過度な皮脂の脱脂等の影響による乾燥性敏感肌等を意味する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
<合成例1 ランダムポリマーの合成例>
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
(化2)
CH3O[(EO)10/(PO)10]CH3
なお、以下において、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、[(EO)/(PO)]はランダム状結合を表す。
<合成例1 ランダムポリマーの合成例>
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
(化2)
CH3O[(EO)10/(PO)10]CH3
なお、以下において、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、[(EO)/(PO)]はランダム状結合を表す。
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド522gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ランダムポリマーを得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が107、化合物2の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.004であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が107、化合物2の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.004であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
<合成例2 ブロックポリマーの合成>
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
(化3)
CH3O(EO)5(PO)10(EO)5CH3
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド522gを滴下させ、2時間攪拌した。引き続き滴下装置によりエチレンオキシド440gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロックポリマーを得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が110、化合物3の水酸基価が0.3、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.003であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル
(化3)
CH3O(EO)5(PO)10(EO)5CH3
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド522gを滴下させ、2時間攪拌した。引き続き滴下装置によりエチレンオキシド440gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ブロックポリマーを得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が110、化合物3の水酸基価が0.3、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.003であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
本発明で用いた評価方法を説明する。
(評価1)保存時の尿素結晶析出
試料を各温度(50℃、室温、0℃、−5℃)にて保存し、1週間後における尿素の結晶析出を確認する。
評価基準
◎:結晶析出なし
○:極少量の結晶析出あり
△:結晶析出あり
×:多量の結晶析出あり
(評価1)保存時の尿素結晶析出
試料を各温度(50℃、室温、0℃、−5℃)にて保存し、1週間後における尿素の結晶析出を確認する。
評価基準
◎:結晶析出なし
○:極少量の結晶析出あり
△:結晶析出あり
×:多量の結晶析出あり
(評価2)皮膚塗布後の尿素結晶析出
常法に従って前腕内側部を洗浄し30分間安静にした後、試料15μLを前腕内側部2×4cm2に塗布する。90分後にビデオマイクロスコープにて皮膚表面の状態を観察し、尿素の結晶析出を確認する。
評価基準
◎:結晶析出なし
○:一部に極少量の結晶析出あり
△:一面に結晶析出あり
×:一面に多量の結晶析出あり
常法に従って前腕内側部を洗浄し30分間安静にした後、試料15μLを前腕内側部2×4cm2に塗布する。90分後にビデオマイクロスコープにて皮膚表面の状態を観察し、尿素の結晶析出を確認する。
評価基準
◎:結晶析出なし
○:一部に極少量の結晶析出あり
△:一面に結晶析出あり
×:一面に多量の結晶析出あり
(評価3)コンダクタンス値
コンダクタンスは、皮膚表面の水分量を電気伝導度の観点で測定した数値である。皮膚表面に多量の結晶が析出した場合は、値が開始時よりも小さくなると考えられる。また、値が大きいほど保湿効果が高いと言える。
常法に従って前腕内側部を洗浄し30分間安静にした後、試料15μLを前腕内側部2×4cm2に塗布した。塗布直後、60分後、120分後に湿潤度計(SKICON-200TM)にて、室温でのコンダクタンスを測定した。なお、1名のパネルから各試料につき5個所の平均値を求め、さらに6名の平均値から全体の平均値を求めた。
コンダクタンスは、皮膚表面の水分量を電気伝導度の観点で測定した数値である。皮膚表面に多量の結晶が析出した場合は、値が開始時よりも小さくなると考えられる。また、値が大きいほど保湿効果が高いと言える。
常法に従って前腕内側部を洗浄し30分間安静にした後、試料15μLを前腕内側部2×4cm2に塗布した。塗布直後、60分後、120分後に湿潤度計(SKICON-200TM)にて、室温でのコンダクタンスを測定した。なお、1名のパネルから各試料につき5個所の平均値を求め、さらに6名の平均値から全体の平均値を求めた。
(評価4)肌荒れ抑制効果
乾燥性皮膚疾患を反映させたモデルとして、通常医薬品の効力薬理試験に用いられる小動物を用い、製剤の肌荒れ抑制効果の評価を行なった。
具体的には、ヘアレスマウスの背部を脱毛処理した後、5%SDS水溶液を浸した脱脂綿(2×2cm2)を当て15分間固定し肌荒れを惹起させ、乾燥させた後、そこに試料20μLを塗布した(n=6)。この操作を4日間繰り返し、塗布開始から5日目に紅斑、落屑、乾燥の程度を目視判定にて行い、以下の判定基準に基づき評点を付けた。各試料の3項目の評点を合計し、肌荒れスコアとした。点数が低い程、荒れ抑制効果が高いことを示す。
判定基準
0:認めない
1:軽度に紅斑(又は落屑、乾燥)が認められる
2:中等度に紅斑(又は落屑、乾燥)が認められる
3:著明に紅斑(又は落屑、乾燥)が認められる
乾燥性皮膚疾患を反映させたモデルとして、通常医薬品の効力薬理試験に用いられる小動物を用い、製剤の肌荒れ抑制効果の評価を行なった。
具体的には、ヘアレスマウスの背部を脱毛処理した後、5%SDS水溶液を浸した脱脂綿(2×2cm2)を当て15分間固定し肌荒れを惹起させ、乾燥させた後、そこに試料20μLを塗布した(n=6)。この操作を4日間繰り返し、塗布開始から5日目に紅斑、落屑、乾燥の程度を目視判定にて行い、以下の判定基準に基づき評点を付けた。各試料の3項目の評点を合計し、肌荒れスコアとした。点数が低い程、荒れ抑制効果が高いことを示す。
判定基準
0:認めない
1:軽度に紅斑(又は落屑、乾燥)が認められる
2:中等度に紅斑(又は落屑、乾燥)が認められる
3:著明に紅斑(又は落屑、乾燥)が認められる
<尿素の結晶析出抑制効果>
尿素の結晶析出抑制効果を調べるために、表1に記載した配合組成よりなる尿素含有皮膚外用剤を常法により製造し、上記の評価方法に基づいて保存時及び皮膚塗布後の尿素結晶析出の有無を試験した。結果を表1に示す。
(表1)
尿素の結晶析出抑制効果を調べるために、表1に記載した配合組成よりなる尿素含有皮膚外用剤を常法により製造し、上記の評価方法に基づいて保存時及び皮膚塗布後の尿素結晶析出の有無を試験した。結果を表1に示す。
(表1)
従来知られている方法であるビタミンE類(酢酸トコフェロール)を添加した場合(試験例7)は、試験例8と比較して、結晶析出の抑制が見られなかった。また、ポリオキシエチレン(20)グリコール、ポリオキシプロピレン(20)グリコールを配合した場合(試験例5,6)も、結晶析出の抑制が見られなかった。これに対し、本発明のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合(試験例1〜4)には、低温保存時及び皮膚塗布後の結晶析出が抑制されることが確認された。
また、皮膚表面に多量の結晶が析出した場合は、コンダクタンス値が開始時よりも小さくなると考えられるが、試験例1〜4ではコンダクタンス値からも結晶析出抑制効果が確認された。
以上より、尿素含有皮膚外用剤に本発明のアルキレンオキシド誘導を配合することにより、特異的に尿素の結晶析出抑制効果が発揮されることがわかった。
また、皮膚表面に多量の結晶が析出した場合は、コンダクタンス値が開始時よりも小さくなると考えられるが、試験例1〜4ではコンダクタンス値からも結晶析出抑制効果が確認された。
以上より、尿素含有皮膚外用剤に本発明のアルキレンオキシド誘導を配合することにより、特異的に尿素の結晶析出抑制効果が発揮されることがわかった。
<乾燥性皮膚疾患治療効果>
乾燥性皮膚疾患治療効果を調べるために、表2に記載した配合組成よりなる尿素含有皮膚外用剤を常法により製造し、上記の評価方法に基づいて保湿効果と肌荒れ抑制効果を試験した。結果を表2と図2に示す。
(表2)
乾燥性皮膚疾患治療効果を調べるために、表2に記載した配合組成よりなる尿素含有皮膚外用剤を常法により製造し、上記の評価方法に基づいて保湿効果と肌荒れ抑制効果を試験した。結果を表2と図2に示す。
(表2)
図2より、従来の保湿剤であるグリセリンを配合した試験例9では、無塗布の場合と比較して、肌荒れ抑制効果がほとんど見られなかった。また、尿素のみを配合した試験例10、及び尿素とグリセリンを併用した試験例11でも、肌荒れ抑制効果は十分ではなかった。これに対し、本発明のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合(試験例12〜14)には、顕著な肌荒れ抑制効果が確認された。
またコンダクタンスは、皮膚表面の水分量を表す数値であるが、表2より、尿素のみを配合した試験例10、及び尿素とグリセリンを併用した試験例11ではコンダクタンス値が時間経過と共に低下しており、皮膚の乾燥が一層進んでいるのに対し、本発明のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合(試験例12〜14)には、時間の経過と共に著しく皮膚の水分量が増加することが確認された。
以上より、尿素含有皮膚外用剤に本発明のアルキレンオキシド誘導を配合することにより、特異的に乾燥性皮膚疾患治療効果が発揮されることがわかった。
またコンダクタンスは、皮膚表面の水分量を表す数値であるが、表2より、尿素のみを配合した試験例10、及び尿素とグリセリンを併用した試験例11ではコンダクタンス値が時間経過と共に低下しており、皮膚の乾燥が一層進んでいるのに対し、本発明のアルキレンオキシド誘導体を配合した場合(試験例12〜14)には、時間の経過と共に著しく皮膚の水分量が増加することが確認された。
以上より、尿素含有皮膚外用剤に本発明のアルキレンオキシド誘導を配合することにより、特異的に乾燥性皮膚疾患治療効果が発揮されることがわかった。
<尿素、アルキレンオキシド誘導体、及び水の配合割合>
本発明者らは、鋭意検討する中で、保湿効果と尿素の結晶析出抑制効果は、尿素、アルキレンオキシド誘導体、及び水の配合割合に関連すると考え、好適な配合割合を調べるために、表3に記載した配合組成よりなる尿素含有皮膚外用剤を常法により製造し、上記の評価方法に基づいて試験を行なった。なお表3の試料における尿素、アルキレンオキシド誘導体、及び水の配合割合は、図3の三相図に示すとおりである。
本発明者らは、鋭意検討する中で、保湿効果と尿素の結晶析出抑制効果は、尿素、アルキレンオキシド誘導体、及び水の配合割合に関連すると考え、好適な配合割合を調べるために、表3に記載した配合組成よりなる尿素含有皮膚外用剤を常法により製造し、上記の評価方法に基づいて試験を行なった。なお表3の試料における尿素、アルキレンオキシド誘導体、及び水の配合割合は、図3の三相図に示すとおりである。
表3より、本発明の尿素含有皮膚外用剤において、尿素(X)、アルキレンオキシド誘導体(Y)及び水(Z)の配合割合は、図1の三相図において、斜線部で囲まれた範囲(ABCDEの線上及びその内部)、すなわち以下の座標で囲まれる範囲であることが好適であることが確認された。
(X,Y,Z)=A(50, 0.1, 49.9)、B(33, 67, 0)、C(30, 70, 0)、D(7, 70, 23)、E(7, 0.1, 92.9)。
また、試験例15〜22は、評価3,4においても優れた乾燥性皮膚疾患治療効果が確認された。
(X,Y,Z)=A(50, 0.1, 49.9)、B(33, 67, 0)、C(30, 70, 0)、D(7, 70, 23)、E(7, 0.1, 92.9)。
また、試験例15〜22は、評価3,4においても優れた乾燥性皮膚疾患治療効果が確認された。
本発明にかかる尿素含有皮膚外用剤の処方例を以下に示す。本発明の範囲はこれらの処方例に限定されるものではない。いずれの皮膚外用剤も保存中だけでなく、皮膚塗布後においても、尿素の結晶析出が抑制されたものであった。各処方例の製法に関しては、通常の製法に準ずる。
<処方例1 ハンドクリーム>
尿素 30.0%
グリチルレチン酸 0.3%
酢酸トコフェロール 0.5%
CH3O[(EO)14/(PO)7]CH3 5.0%
流動パラフィン 5.0%
スクワラン 4.0%
ステアリルアルコール 3.0%
ステアリン酸 1.5%
DES 1.0%
POE(25)セチルアルコールエーテル 3.0%
モノステアリン酸グリセリン 2.0%
濃グリセリン 15.0%
1,3ブチレングリコール 5.0%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1%
クエン酸ナトリウム 適量
水酸化ナトリウム 適量
ブチルパラベン 適量
水 残余
合計 100.0%
<処方例1 ハンドクリーム>
尿素 30.0%
グリチルレチン酸 0.3%
酢酸トコフェロール 0.5%
CH3O[(EO)14/(PO)7]CH3 5.0%
流動パラフィン 5.0%
スクワラン 4.0%
ステアリルアルコール 3.0%
ステアリン酸 1.5%
DES 1.0%
POE(25)セチルアルコールエーテル 3.0%
モノステアリン酸グリセリン 2.0%
濃グリセリン 15.0%
1,3ブチレングリコール 5.0%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1%
クエン酸ナトリウム 適量
水酸化ナトリウム 適量
ブチルパラベン 適量
水 残余
合計 100.0%
<処方例2 ゲル製剤>
尿素 7.0%
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5%
アスコルビン酸 1.0%
CH3O[(EO)14/(PO)7]CH3 3.0%
ソルビトール 5.0%
ジプロピレングリコール 5.0%
PEG1500 2.0%
コラーゲン 0.1%
カルボキシビニルポリマー 0.4%
キサンタンガム 0.1%
l−メントール 1.0%
スクワラン 0.5%
POE(15)オレイルアルコールエーテル 1.0%
トリエタノールアミン 適量
メチルパラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
エタノール 適量
水 残余
合計 100.0%
尿素 7.0%
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.5%
アスコルビン酸 1.0%
CH3O[(EO)14/(PO)7]CH3 3.0%
ソルビトール 5.0%
ジプロピレングリコール 5.0%
PEG1500 2.0%
コラーゲン 0.1%
カルボキシビニルポリマー 0.4%
キサンタンガム 0.1%
l−メントール 1.0%
スクワラン 0.5%
POE(15)オレイルアルコールエーテル 1.0%
トリエタノールアミン 適量
メチルパラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
エタノール 適量
水 残余
合計 100.0%
<処方例3 乳液>
尿素 15.0%
ジフェンヒドラミン 1.0%
リドカイン 2.0%
クロタミトン 1.0%
d−カンフル 0.5%
CH3O[(EO)36/(PO)41]CH3 3.0%
セチルアルコール 1.0%
ワセリン 2.0%
IPM 1.0%
スクワラン 2.0%
ジメチルポリシロキサン 2.0%
濃グリセリン 1.0%
プロピレングリコール 5.0%
POE(10)モノオレイン酸エステル 1.0%
モノステアリン酸グリセリン 1.0%
エチルパラベン 適量
水 残余
尿素 15.0%
ジフェンヒドラミン 1.0%
リドカイン 2.0%
クロタミトン 1.0%
d−カンフル 0.5%
CH3O[(EO)36/(PO)41]CH3 3.0%
セチルアルコール 1.0%
ワセリン 2.0%
IPM 1.0%
スクワラン 2.0%
ジメチルポリシロキサン 2.0%
濃グリセリン 1.0%
プロピレングリコール 5.0%
POE(10)モノオレイン酸エステル 1.0%
モノステアリン酸グリセリン 1.0%
エチルパラベン 適量
水 残余
Claims (3)
- 尿素(X)と、
下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体(Y)と、
水(Z)とを含み、上記三成分の配合質量比が、三相図において、以下の座標で囲まれる範囲内であることを特徴とする尿素含有皮膚外用剤。
(X,Y,Z)=(50, 0.1, 49.9)
=(33, 67, 0)
=(30, 70, 0)
=(7, 70, 23)
=(7, 0.1, 92.9)
(化1)
R1O−[(AO)m(EO)n]−R2 (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよい。R1及びR2は、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子であり、R1及びR2の炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下である。) - 請求項1記載の皮膚外用剤において、前記アルキレンオキシド誘導体のオキシアルキレン基とオキシエチレン基がランダム状に付加していることを特徴とする尿素含有皮膚外用剤。
- 請求項1又は2記載の皮膚外用剤において、乾燥性皮膚疾患用であることを特徴とする尿素含有皮膚外用剤。
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---|---|---|---|
JP2004076191A JP2005263660A (ja) | 2004-03-17 | 2004-03-17 | 尿素含有皮膚外用剤 |
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JP (1) | JP2005263660A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006001859A (ja) * | 2004-06-16 | 2006-01-05 | Shiseido Co Ltd | 絆創膏組成物 |
WO2007004512A1 (ja) | 2005-07-01 | 2007-01-11 | Nikon Corporation | 投影装置 |
WO2007111370A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. | 皮膚外用剤 |
WO2007111371A1 (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-04 | Kobayashi Pharmaceutical Co., Ltd. | 知覚過敏型肌掻痒感改善剤 |
JP2008088127A (ja) * | 2006-10-04 | 2008-04-17 | Shiseido Co Ltd | ニキビ肌用皮膚外用組成物 |
JP2010043009A (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-25 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
WO2022131081A1 (ja) * | 2020-12-15 | 2022-06-23 | 小林製薬株式会社 | 外用乳化組成物 |
WO2022131080A1 (ja) * | 2020-12-15 | 2022-06-23 | 小林製薬株式会社 | 外用乳化組成物 |
JP7465066B2 (ja) | 2019-06-17 | 2024-04-10 | 小林製薬株式会社 | 乳化安定化剤 |
-
2004
- 2004-03-17 JP JP2004076191A patent/JP2005263660A/ja active Pending
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