JP2005263312A - 接続構体および接続構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 輸送容器などの骨材と桟部材などの被接続部材を着脱容易にして作業性、信頼性よく取付け、取付位置の変更が容易な取付構体の提供。
【解決手段】 凹部4を有する骨材2と被接続部材の桟部材3を着脱可能に接続する接続構体10で、板金製品の基材20と挿入部材30を備える。基材20は軸方向両端が開口した空間nを備えた軸部21と、軸部21の一端から軸方向に延在して軸方向と直交方向に屈曲変形可能な係合部22を有し、挿入部材30を軸部21から係合部22の延在位置まで挿入して係合部22を拡径する方向に変形させる。桟部材3に固定した基材3の係合部22を骨材2の凹部4に挿入して、基材3に挿入部材30を挿入することで、骨材2に桟部材3を接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、輸送容器や収納棚などを構築する鋼板製の骨材に桟部材などの被接続部材を接続する接続構体と、この接続構体を使用した接続構造に関する。
複数の鋼材製骨材を縦横に連結した骨組み構造の輸送容器に、機械製品などの被輸送物品を収納する場合、輸送容器内の定位置に被輸送物品を安定に取付ける目的で鋼材の内装材が使用される。この内装材は、輸送容器の内部に複数が縦横に配置され、各々が輸送容器の柱や床材、天井材などの骨材に接続される。
図12に示す輸送容器1は、多数本の鋼材製骨材2を枠状に組合わせたものである。骨材2は、4本の平行な台脚2a、台脚2a上に矩形枠状に固定した下かまち2b、下かまち2bから垂直に立設した多数本の柱2c、これら柱2cの上端を連結する矩形枠状の上かまち2dなどである。輸送容器1の内部に収納される被輸送物品(図示せず)の形状に合せて、図12の鎖線で示すような桟構造の鋼材(内装材)3が骨材2に接続される。以下、鋼材3を桟部材と称する。この桟部材3は、対向する2本の柱2c、2cの間に水平に設置される横桟部材3aや、同一平面で平行に並ぶ4本の柱2c〜2cの内面に横架される横桟部材3b、複数の台脚2a上に架設した台桟部材3cの他、下かまち2bと上かまち2dの間に連結される縦桟部材(図示せず)などである。これら桟部材3と骨材2の接続構造は、ボルト/ナット止め構造、ビス止め構造が一般的であり、他に嵌め込み構造(例えば、特許文献1参照)が公知である。
特許第3318293号(特開2001−88895号)公報
上記のような輸送容器の骨材と桟部材を接続するボルト/ナット止め構造は、骨材の所定の箇所にナット(またはボルト)を溶接で固定しておいて、輸送容器内部の所定の位置に桟部材をボルト(またはナット)で取付けるため、輸送容器内での桟部材の取付位置の変更が難しく、輸送容器が被輸送物品の専用容器とならざるを得ない不具合がある。また、ボルト/ナット締めは作業工数が多くて、梱包と開梱の各作業性の改善を難しくすると共に、ボルト/ナット締めする作業員の個人差でボルト弛み、ナット弛みが生じて信頼性に問題がある。
また、輸送容器の骨材に桟部材をビス止めする場合も、骨材の所定の箇所にビス穴を形成する必要があり、輸送容器が被輸送物品の専用容器となる不具合や、作業員の個人差でビスのねじ込み不足や、ねじ込み過剰が発生する信頼上の問題がある。
かかる問題から、本出願人は上記特許文献1のような嵌め込み構造を開発した。この嵌め込み構造は、輸送容器の骨材に相当する部分の横桟取付材の定箇所に設けた固定部に接続対象の横桟の固定部を相互に孔と片の係合で接続するもので、輸送容器の骨材側と桟側の着脱作業が手動で簡単にでき、また、ボルト弛みやビス弛みといったトラブル発生がなくて信頼性に優れる。しかし、輸送容器の所定の位置に横桟と係合する部分を設けるため、横桟の取付位置の変更が難しく、輸送容器が被輸送物品の専用容器となる問題が残る。
本発明の接続構体は、凹部を有する骨材と被接続部材を接続するもので、軸方向に連通し両端が開口した空間を備えた軸部と、この軸部の一端から軸部に対して直交方向に屈曲変形可能に延在した係合部を備えた基材と、前記基材の空間に軸方向に挿入した挿入部材とを備え、基材は、前記骨材と被接続部材を接続する部位において、係合部が骨材の凹部に向くように被接続部材に固定しておき、骨材と被接続部材を接続する際に、基材の係合部を骨材の凹部に挿入し、挿入部材を基材の係合部が延在した位置まで進入させることにより、係合部を骨材の凹部の内面に押圧するように係合させて、骨材と被接続部材を接続することを特徴とする。
ここで、骨材は、例えば輸送容器や棚、建造物などの構造物構成部材であり、被接続部材は、例えば棒状やパネル状、パイプ状など各種形状の構造物構成部材である。骨材の凹部は、骨材の長手方向に長尺な溝、骨材の長手方向に一連に形成された多数の貫通穴や矩形溝などであり、本発明の接続構体このような凹部を利用して骨材と被接続部材を接続する。接続構体の基材と挿入部材は例えば金属製品、硬質樹脂製品、或いは、金属製品と樹脂製品を組合わせて構成してもよい。基材の軸部は、軸方向の前後両端が開口したみぞ形鋼形状、鋼管形状などの軸部品で、被接続部材に固定される。基材の係合部は、軸部の開口端から前方に延在する一対或いは複数対の屈曲可能な係合片や、断面形状がコ字状やロ字状などの弾性部材であればよく、軸部から挿入部材が係合部の先端近くまで挿入されると、係合部が内側から挿入部材で押圧されて軸方向と直交する外方向に屈曲変形する。この屈曲変形は、係合部が互いに対向する一対の屈曲可能な係合片を有する場合に一対の係合片が互いに離反する方向で行われ、係合部が筒状弾性部材を有する場合に筒状弾性部材が拡径する方向で行われる。挿入部材は、基材の係合部を屈曲変形させる機械的強度を持つ軸体、筒体、枠体を適用すればよい。被接続部材に基材の軸部を固定しておき、係合部を骨材の凹部に挿入した状態で軸部から係合部に向けて挿入部材を挿入することで、係合部が屈曲変形して凹部内面に係合して、骨材と被接続部材が接続される。この接続は、骨材の凹部の任意の箇所で行うことができ、また、基材に挿入部材をハンマーなどで打ち込んで圧入する簡単な作業、個人差が影響しない作業で行うことができる。
本発明においては、接続構体における基材の係合部は、例えば先端部に骨材の凹部の内面に係合する突起を備える構造としてもよい。この係合部の突起は、骨材の凹部の内面形状に対応させた形状、数で構成でき、係合部の屈曲変形で骨材の凹部内面に食い込む突起や、凹部内面に部分的に形成した段部分に弾圧的に係合する突起で構成できる。係合部の突起を骨材の凹部内面に局部的に係合させることで、骨材と基材の接続強度を大きくすることができ、基材と被接続部材の接続強度が安定する。
また、本発明においては、挿入部材を基材の軸部の空間に挿入した状態で、挿入部材が基材から脱落するのを防止する第1抜止手段を備えた構造にすることができる。さらに、挿入部材を基材の係合部が延在した位置に進入させた状態で、挿入部材が基材から脱落するのを防止する第2抜止手段を備えた構造にすることができる。
ここでの抜止手段は、弾性変形して互いに離脱可能に係合し合う凹所と凸所の組合わせや、凸所同士の組合わせで構成すればよい。第1抜止手段は、基材の軸部に形成した凹所と、挿入部材に形成した凸所を係合させることで構成できる。第2抜止手段は、基材の軸部に形成した第1抜止手段でもある凹所と、挿入部材に第1抜止手段と別の箇所に形成した凸所を係合させることで構成できる。基材軸部の凹所は、軸部の外面に挿入部材の凸所が露呈するような穴で構成することが、凹所と凸所の係合を手動で外す際の作業性を良くする上で望ましい。第1と第2の各抜止手段は、基材と挿入部材を常に一体的に連結して、両者が不本意に分離することを防止するため、基材と挿入部材からなる接続構体の取扱いを容易にし、接続構体で骨材と被接続部材の接続作業を容易にする。
また、本発明の接続構造は、接続構体の基材を被接続部材に固定し、この基材の係合部を骨材の凹部に挿入し、挿入部材を基材の係合部が延在した位置に進入させることにより、係合部を骨材の凹部の内面に係合させて、骨材と被接続部材を接続した構造を特徴とする。
この接続構造においては、骨材が輸送容器用骨組み材であり、被接続部材が輸送容器の内部で被輸送物品を保持する桟部材である構造とすることができる。さらに、本発明においては、骨材の凹部が、骨材の長手方向に延在する断面コ字状の溝で、この溝の任意の位置に基材の係合部を係合させる構造とすることができる。
ここでの輸送容器は、例えば複数本のみぞ形鋼やリップみぞ形鋼、角形鋼管などの骨材で骨組みされた容器や、この容器に波板を組付けた容器である。また、輸送容器は、自動車ボディの構成パーツ、電気製品、機械製品のような大形の被輸送物品を位置決めして収納する。輸送容器の桟部材は、輸送容器に被輸送物品を収納する際に、被輸送物品を位置決めして整列させ、また、輸送時に輸送容器内で被輸送物品が動かないようにする。この桟部材を輸送容器の骨材に接続構体で接続する。接続構体は骨材の長手方向に延在する溝の任意の位置に接続することができるので、輸送容器内での桟部材の取付位置が任意に変更でき、輸送容器が形状の異なる複数種類の被輸送物品に適用できる。
本発明によれば、輸送容器などの骨材と輸送容器の桟部材などの被接続部材の接続が、接続構体の基材に対して挿入部材を挿入する簡単な作業で行え、また、基材の係合部を挿入部材の圧入で変形させて骨材の凹部内面に強圧的に係合させるようにすることで、骨材と被接続部材の接続強度を常に高く安定させることができる優れた効果がある。また、接続構体の基材の係合部は、骨材の凹部の任意の位置に移動させて係合させることができるので、輸送容器においては桟部材の取付位置の変更が容易にできて、形状の異なる複数種類の被輸送物品に適用できる汎用性に優れた輸送容器とすることができる。また、この輸送容器においては、桟部材の着脱作業が接続構体の基体と挿入部材の簡単な挿脱作業でできるので、梱包や開梱の作業性の向上が図れる実用上に優れた効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11を参照して説明する。
図1(A)(B)と図2(A)(B)は、図12の輸送容器1の骨材2と被接続部材である桟部材3を接続構体10で接続した接続構造を示す。また、図3は、輸送容器1の概要を示す部分側面図で、同図に示される桟部材3a、3b、3cは図12の桟部材3a、3b、3cと同じもので、それぞれが同一構造の接続構体10で対応する骨材2に接続される。
図1に示す接続構造の骨材2は図12の輸送容器1の柱2cであり、桟部材3は2本の柱2c、2cの間に横架される桟部材3aで、1本の桟部材3aの両端部がそれぞれに接続構体10、10で対応する柱2c、2cに着脱可能に接続される。以下、柱2cを骨材2cと称する。この骨材2cは、長さ方向全長に亘り延在する横断面コ字状の溝4を有するフランジ付みぞ形鋼で、以下、溝4を凹部4と称する。桟部材3aは、図4の鎖線で示すようなみぞ形鋼で、溝部分を下向きにして使用される。この桟部材3aの片端部を骨材2cに直交させて接続する接続構体10の具体例を図4に示すと、この接続構体10は、板金製品の基材20と挿入部材30を備える。
基材20は、軸方向に連通し両端が開口した空間nを備えたみぞ形鋼形状の軸部21と、軸部21の一端から軸方向に延在する係合部22を有する。軸部21は、図5の展開図に示すように、長方形の天板部21aと一対の側板部21bを有し、天板部21aの両側辺から各側板部21bを90°で山折りして空間nを形成する。天板部21aの一部に挿入部材30の抜止手段である、例えば矩形の凹所である止め穴24が形成され、側板部21bには軸部21を桟部材3aに取付けるための座板部23が一体に形成される。係合部22は、軸部21の一対の側板部21bの先端側から延在する一対の係合片22a、22bを備える。各係合片22a、22bは矩形の平板で、軸部21の各側板部21bの先端から一体にして軸部21の軸方向前方に延在する。各係合片22a、22bは、図4に示すように軸部21の各側板部21bから内方に向けて所望角度で折曲されて平面視でハ字状に対向する。各係合片22a、22bの先端に外側に向けて略90°折曲した突起25が形成される。両係合片22a、22bは、軸部21との連結部分を支点に板厚方向に屈曲変形可能であり、平常時はハ字状に対向した状態に保持され、このときの両係合片22a、22bの突起先端間の距離は軸部20の幅より小さく設定される。
軸部21の座板部23を桟部材3aの上面にスポット溶接などで固定することで、桟部材3aの上面と軸部21で囲まれた角筒状の空間nが形成される。空間nは、軸部21の軸方向両端の開口を連通する直線状の貫通穴であり、空間nの直前に一対の係合片22a、22bの間の空間が連通する。
挿入部材30は、基材20の空間nに軸方向に挿脱可能に挿入される硬質の矩形ブロック体で、桟部材3aの上面と軸部21の内面に摺動して空間nに挿入される幅、高さを有する。挿入部材30の軸方向長さは、基材20の全長と同程度か少し大き目に設定される。挿入部材30は、図6の展開図に示すように、長方形の天板部30aと一対の側板部30b及び底板部30cを有し、天板部30aの両側辺から各側板部30bを90°で山折りし、各側板部30bから底板部30cを90°で山折りして、両底板部30cの先端を突き合わせることで、形状の安定した角筒状の挿入部材30を構成する。天板部30aの前端から延在させたフラップ部33’を山折りし、一対の側板部30bの前後から延在させた2枚のフラップ部33を山折りしてフラップ部33’に重ねて突き合わせ、また、一対の側板部30bの後端側の一対のフラップ部34を山折りして突き合わせることで、挿入部材30の前後両端部の形状を安定させ、機械的強度を確保する。
なお、挿入部材30の前端部は、図4で左側の端部であり、後端部は図4で右側の端部である。挿入部材30は前端部から基材20の軸部21の空間nに挿入される。挿入部材30の前端部が軸部21から係合部22の先端近くまで挿入されると、挿入部材30の後端部が軸部21内に達するように、挿入部材30の全長が設定される。また、挿入部材30の先端部を基材20の係合部22に挿入する際に、先端部の両側面で係合部22の一対の係合片22a、22bの内面を押圧して、各係合片22a、22bを互いに反対方向に押し拡げるように、挿入部材30の幅、高さが設定される。
また、挿入部材30の天板部30aには前後2箇所に、基材20の止め穴24に適宜に嵌合して係止する抜止手段、例えば切起し部31、32を形成している。この実施の形態で各切起し部31、32は、天板部30aに図6で実線の切り込み35を入れて破線の切り起し線36、37に沿って天板部30aの部分31、32を後方上向きに板厚程度の高さで曲げ起している。一方の切起し部31と基材20の止め穴24が、図1に示すように互いに係止して、基材20に対して挿入部材30を第1の定位置に保持する第1抜止手段41を構成する。他方の切起し部32と基材20の止め穴24が、図2に示すように互いに係止して、基材20に対して挿入部材30を第2の定位置に保持する第2抜止手段42を構成する。
接続構体10による骨材2cと桟部材3aの接続は、次のように行われる。
まず、桟部材3aの端部に基材20を固定し、この基材20の軸部21と桟部材3aの上面で形成される断面矩形の空間nに挿入部材30を挿入する。挿入部材30を桟部材3aの上面に置き、この上面を滑らせて空間nに挿入する。この挿入で挿入部材30の前端部上面に突出する切起し部31が軸部21の天板部30a下面を摺動し、切起し部31の傾斜先端が天板部30aの止め穴24のエッジまで達すると、図1(A)(B)に示すように止め穴24のエッジに係止する。この時点で軸部21に対する挿入部材30の反挿入方向、つまり、抜け方向の動きが規制され、切起し部31と止め穴24による第1抜止手段41が機能する。このときの挿入部材30の先端は、軸部21の先端近くにあって係合部22に届かないようにしてある。なお、桟部材3aに固定された基材20への挿入部材30の挿入は、輸送容器1に桟部材3aを接続する現場で任意時に手動で行えばよいが、工場出荷される桟部材3aに基材20を固定し、基材20に挿入部材30を挿入しておいてもよい。桟部材3aに接続構体10を取付け、基材20から挿入部材30が抜けないように組付けておくことで、桟部材3a自体の取扱いや、骨材2cへの接続作業が便利になる。
桟部材3aの両端部に接続構体10を取付けると、桟部材3aを一対の骨材2cの間の所望の高さ位置に配置し、各接続構体10の基材20の係合部22を骨材2cの凹部4に挿入する。図1(B)に示すように、桟部材3aの端面を骨材2cの内側端面に接近または接触させた状態で、係合部22の一対の係合片22a、22bを凹部4に挿入する。係合片22a、22bの長さを凹部4の奥行き深さに近似させ、凹部4に挿入した係合片22a、22bの先端の突起25、25を凹部4の最奥両側のコーナ部4’近くに位置させる。
次に、図2(A)(B)に示すように、基材20の軸部21に途中まで挿入された挿入部材30の後端をハンマーで叩くなどして、挿入部材30を基材20内に挿入(圧入)する。この挿入で挿入部材30の前端部が基材20の係合部22内へと前進して一対の係合片22a、22bを押し拡ろげて突起25、25を凹部4の最奥両側のコーナ部4’に強圧して、突起25、25が凹部4の対向内壁面に食い込むように強固に係止する。これとほぼ同時に挿入部材30の後端部の切起し部32が軸部21の止め穴24に係止して、軸部21に対する挿入部材30の抜け方向の動きが規制され、切起し部32と止め穴24による第2抜止手段42が機能して、基材20に対して挿入部材30がロックされる。このようなロック作業が桟部材3aの両端部で行われて、一対の骨材2cと1本の桟部材3aの接続が完了する。
上記のように、基材20の一対の係合片22a、22bを挿入部材30で押し拡ろげて突起25、25を凹部4の対向内壁面に係合させる場合、凹部4の最奥両側のコーナ部4’に突起25、25を押圧するようにして、みぞ形鋼の骨材2cの変形を阻止する。すなわち、突起25、25で押圧する骨材2cの内壁面の箇所がコーナ部4’から離れるほど、骨材2cの対向側壁が互いに離反して開く方向に変形し易くなるが、最も強度が大きく安定したコーナ部4’に突起25、25を係合させるようにすれば、骨材2cが開く変形をせず、骨材2cと係合部22の十分な結合強度が安定して得られる。また、係合部22を変形させる挿入部材30の先端部は、図4に示すフラップ部33、33’で補強された変形し難い構造であるので、係合部22の変形を強固に維持して、骨材2cと係合部22の結合強度を安定したものにする。
骨材2cからの桟部材3aの取り外しや、骨材2cに取付けた桟部材3aの取付位置の変更は、次のように行えばよい。図2(A)(B)の状態において、基材20の係合部22と骨材2cの凹部4の内壁面との間には多少の隙間が存在することから、この隙間にドライバー、バールのような細い工具を差し込んで、突起25と凹部4の内壁面との係合を外す。これと前後して基材20の止め穴24に露呈している切起し部32をドライバーなどで押圧して止め穴24との係止を外す。その後、挿入部材30の後端部をペンチなどで把持して挿入部材30を基材20から図1(A)(B)に示す状態まで引き抜く。図1(A)(B)の状態で、桟部材3aを斜めに傾ければ係合部22が凹部4から外れて、桟部材3aの取外しが簡単に行われ、また、骨材2cに対して桟部材3aを持ち上げれば、係合部22が凹部4内を上昇して、桟部材3aの取付位置の変更が容易に行われる。
図7は、図3に示す輸送容器1の骨材(柱)2cに横桟部材3bを接続した接続構造を示す。鉛直な2本の骨材2cに対して水平な1本の桟部材3bの2箇所に接続構体10を取付ける。桟部材3bはみぞ形鋼で、水平な一側板上に接続構体10の基材20をスポット溶接などで固定する。基材20の軸方向と桟部材3bの長さ方向を直交させ、基材20の係合部22を水平な桟部材3bの外側面から突出させる。この基材20の軸部21に挿入部材30を挿入して、第1抜止手段41で挿入部材30を基材20に保持させる。桟部材3bを骨材2cの内側面に沿わせ、各接続構体10の係合部22を対応する骨材2cの凹部4に挿入して、基材20に対して挿入部材30をハンマーなどで前進させ、係合部22を押し拡ろげて凹部4の対向内壁面に係合させ、桟部材3bを骨材2cに接続する。この桟部材3bの場合も、図7の鎖線で示すように骨材2cの任意高さで取付位置を変更させることができる。
図8は、図3に示す輸送容器1の骨材(下かまち、台脚)2bに横桟部材3cを接続した接続構造を示す。水平な2本の骨材2bに対して水平な1本の桟部材3cの2箇所に接続構体10を取付ける。桟部材3cは角形管鋼で、鉛直な一側面に接続構体10の基材20をスポット溶接などで鉛直に固定する。基材20の軸方向と桟部材3cの長さ方向を直交させ、基材20の係合部22を水平な桟部材3cの下面から突出させる。この基材20の軸部21に真上から挿入部材30を挿入して、第1抜止手段41で挿入部材30を基材20に保持させる。桟部材3cを骨材2b上に載せ、各接続構体10の係合部22を対応する骨材2bの凹部4に挿入して、基材20に対して挿入部材30をハンマーなどで下降させ、係合部22を押し拡ろげて凹部4の対向内壁面に係合させ、桟部材3cを骨材2bに接続する。この桟部材3cは、図8の鎖線で示すように水平な骨材2bに対する水平方向での取付位置変更が可能である。
次に、本発明の他の実施の形態を図9〜図11に基づき順に説明する。
図9(A)(B)は、図4の接続構体10の変形例を示すもので、基材20を桟部材3aに差し込み式に固定する構造例を示している。基材20の軸部21は、天板部21aと一対の側板部21bを備え、両側板部21bの下辺から差込片部21cを一体に延在させて、差込片部21cにストッパー27を上向きの切起し部として形成する。対する桟部材3aの上面に軸部21の一対の差込片部21cが差し込まれる一対のスリット5を形成する。図9(B)に示すように、一対の差込片部21cをスリット5に差し込み、側板部21bの下辺を桟部材3aの上面に当接させ、ストッパー27の上端を桟部材3aの下面に当接させることで、桟部材3a上に基材20をワンタッチで取付ける。このような取付構造は、溶接機など特殊な機器を使用することなく経済的に行え、また、輸送容器のある現場での手動による桟部材への接続構体の取付け、骨材と桟部材の接続を容易にする。
図10は、図9の接続構体10の更なる変形例を示すもので、基材20の一方の差込片部21cをそのままにして、他方の差込片部21dを側板部21bの下辺から外側に屈曲させている。図10の鎖線で示すように、桟部材3aに対して基材20を傾けた状態で屈曲差込片部21bを桟部材3aの一対のスリット5の一方に差し込み、この一方のスリット5を支点に基材20を揺動させて他方の差込片部21bを別のスリット5に差し込んで、桟部材3a上に基材20をワンタッチで取付ける。
図11(A)(B)に示す接続構体10は、基材20の軸部21を角筒状にして、その矩形の前端から計4枚の係合片22a〜22dを延在させて係合部22を構成している。係合部22の左右2枚の係合片22a、22bは図4のものと同じであり、これに上下2枚の係合片22c、22dを追加している。
図4の接続構体10と同様にして軸部21を水平な桟部材3a上に固定し、図11(A)に示すように、係合部22をみぞ形鋼である鉛直な骨材2eの凹部4に挿入する。この係合部22を挿入部材30の挿入で押し拡ろげると、左右2枚の係合片22a、22bが凹部4の内壁面に係合して、桟部材3aを骨材2eに接続する。このとき、残りの係合片22c、22dも挿入部材30の挿入で押し拡ろげられるが、凹部4が上下に延在する縦溝であるので溝内面には係合しない。
また、図11(B)に示すように、軸部21を水平な桟部材3a上に固定し、係合部22をみぞ形鋼である水平な骨材2fの凹部4に挿入して、係合部22を挿入部材30の挿入で押し拡ろげることもできる。この場合、係合部22の上下2枚の係合片22c、22dが上下に押し拡ろげられて、水平な骨材2fの凹部4の天面と底面に係合することで、桟部材3aを骨材2eに接続する。このとき、残りの係合片22a、22bも挿入部材30の挿入で押し拡ろげられるが、凹部4が水平方向に延在する横溝であるので溝内面には係合しない。
図11(A)(B)に示すような4枚係合片構造の接続構体においては、4枚の係合片が同時に挿入される矩形穴を有する骨材を適用することができる。この骨材の矩形穴に接続構体の4枚の係合片を挿入して、4枚の係合片を挿入部材の挿入で押し拡ろげ、4枚の係合片を矩形穴の4面の内面に同時に係合させることで、骨材により強固に接続させることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の接続構体は、骨材で骨組みした輸送容器のほかに、骨材を組合わせた収納棚、家屋の壁構造、天井構造、床構造にも適用できる。
(A)は本発明の実施の形態を示す接続構体及び接続構造の接続前の部分断面を含む側面図、(B)は部分断面を含む平面図である。 (A)は図1(A)の接続後の側面図、(B)は図1(B)の接続後の平面図である。 接続構造の概要を示す側面図である。 接続構体の分解斜視図である。 接続構体における基体の展開図である。 接続構体における挿入部材の展開図である。 他の接続構造を示す斜視図である。 さらに他の接続構造を示す斜視図である。 (A)は接続構体の変形例を示す斜視図、(B)は断面図である。 接続構体の他の変形例を示す断面図である。 (A)と(B)は接続構体の更に他の変形例を示す斜視図である。 輸送容器の骨組みを示す斜視図である。
符号の説明
1 輸送容器
2 骨材
3 被接続部材、桟部材
4 凹部、溝
5 スリット
10 接続構体
20 基材
21 軸部
n 空間
22a〜22d 係合片
24 抜止手段、止め穴
25 突起
30 挿入部材
31、32 抜止手段、切起し部
33、33’ フラップ部
41 第1抜止手段
42 第2抜止手段

Claims (7)

  1. 凹部を有する骨材と被接続部材を接続する接続構体であって、
    軸方向に連通し両端が開口した空間を備えた軸部と、前記軸部の一端から当該軸部に対して直交方向に屈曲変形可能に延在した係合部を備えた基材と、
    前記基材の空間に軸方向に挿入した挿入部材とを具備し、
    前記基材は、前記骨材と被接続部材を接続する部位において、前記係合部が骨材の凹部に向くように被接続部材に固定し、
    前記骨材と被接続部材を接続する際に、前記基材の係合部を骨材の凹部に挿入し、前記挿入部材を前記基材の係合部が延在した位置に進入させることにより、前記係合部を骨材の凹部の内面に係合させて、骨材と被接続部材を接続することを特徴とする接続構体。
  2. 前記基材の係合部は、先端部に前記骨材の凹部の内面に係合する突起を備えていることを特徴とする請求項1に記載の接続構体。
  3. 前記挿入部材を前記基材の軸部の空間に挿入した状態で、挿入部材が基材から脱落するのを防止する第1抜止手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の接続構体。
  4. 前記挿入部材を前記基材の係合部が延在した位置に進入させた状態で、挿入部材が基材から脱落するのを防止する第2抜止手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の接続構体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の接続構体の基材を被接続部材に固定し、この基材の係合部を前記骨材の凹部に挿入し、前記挿入部材を基材の係合部が延在した位置に進入させることにより、係合部を骨材の凹部の内面に係合させて、骨材と被接続部材を接続したことを特徴とする接続構造。
  6. 前記骨材が輸送容器用骨組み材であり、前記被接続部材が前記輸送容器の内部で被輸送物品を保持する桟部材であることを特徴とする請求項5に記載の接続構造。
  7. 前記骨材の凹部が、骨材の長手方向に延在する断面コ字状の溝で、この溝の任意の位置に前記基材の係合部を係合させることを特徴とする請求項5に記載の接続構造。

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