JP2018034869A - 組立式パレット - Google Patents
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Abstract
Description
前記特許文献1に係る組立式パレットは、前記面板をパレット基台の辺に沿う方向にスライドさせた時に、前記面板の下端面に垂直に突き出した状態で固定した抜け止めリベット(31)とパレット基台に設けた鍵穴型の係止穴(14c)とが係合することにより、当該面板が上方に離れることを規制する抜け止め構造が開示されている(請求項1、2を参照)。
前記正面板と背面板及び/又は左右の側面板は、各下辺部に、上下端に頭部を備えた上下頭付きピンと、前記上下頭付きピンが貫通状態で上下動可能に支持され当該ピンの下端の頭部を出し入れ可能に収容する収容部を備えた筒状のピン支持体とからなるピンユニットが設けられていること、
前記パレット基台は、前記上下頭付きピンの下端の頭部が挿入されてスライドさせると当該ピンが引き抜き不能となる係止孔が設けられ、前記係止孔に前記上下頭付きピンの下端の頭部が挿入された状態で、当該正面板と背面板及び/又は左右の側面板が前記パレット基台に対し上方に引き抜き不能に接続されていることを特徴とする。
よって、使用時(組立時)は自重(又は固定式)で面板(本実施例では正面板2、背面板3)の下面に突き出した状態で前記抜け止め機構を実現することができ、不使用時は、縦向きの場合は床等の部材との接触、横向きの場合は手動により(又は固定式の場合は予め)、前記面板の内部に収容することができる。
したがって、上下頭付きピン(の下端の頭部)の損傷を未然に防止できることはもとより、効率的で安全性の高い面板自体の搬送、保管を実現できる、経済的、合理的な組立式パレットを提供することができる。
前記正面板2と背面板3(及び/又は左右の側面板4、5)は、図5〜図8に示したように、各下辺部に、上下端に頭部11a、11bを備えた上下頭付きピン11と、前記上下頭付きピン11が貫通状態で上下動可能に支持され当該ピン11の下端の頭部11bを出し入れ可能に収容する収容部12aを備えた筒状のピン支持体12とからなるピンユニット8が設けられている。
前記パレット基台1は、図3、図4に示したように、前記上下頭付きピン11の下端の頭部11bが挿入されてスライドさせると当該ピン11が引き抜き不能となる係止孔9が設けられ、前記係止孔9に前記上下頭付きピン11の下端の頭部11bが挿入された状態で、当該正面板2と背面板3(及び/又は左右の側面板4、5)が前記パレット基台1に対し上方に引き抜き不能に接続されている。
前記組立式パレット10は、主として、パレット基台1と、4つの面板2〜5と、ハンドル式連結装置6、7とで構成される。
前記略溝形鋼1aの底面部には、軸(長手)方向中央部に所要の間隔を開けて、バランスよく2箇所に、前記係止孔9が穿設されている。
なお、前記略溝形鋼1a、1bは、前記4つの面板2〜5を安定した状態で立設するために供されるもので、例えばアングル材(山形鋼)でも代用可能である。要するに、前記パレット基台1の四辺部は、面板2〜5の下面と当接するレール部と、面板2〜5の面外方向へのずり動きを良好に拘束する側壁部とを備えた所謂嵌合溝部を備えた構造であればよい。
また、組立式パレット10の搬送物(保管物)にもよるが、前記底面板16の代わりに、薄板材をスノコ状に配設した構成でも実施可能である。
本実施例では一例として、側縁部材2d、縦部材2e、および下縁部材2cは、同一の断面形状(縦20mm×横20mm×板厚1mm)の角形鋼管(角パイプ)を用い、上縁部材2bはそれより高さと板厚が大きい断面形状(縦40mm×横20mm×板厚2mm)の角形鋼管を用いている。
そして、前記下縁部材2cとして用いる角形鋼管の管軸方向中央部における前記係止孔9、9に対応する部位の2箇所に、上下頭付きピン11とピン支持体12とからなるピンユニット8、8が設けられている。
その理由は、一般的に、組立式パレットは重量物(例えば1t程度)を搬送、保管することも少なくなく、繰り返し使用することにより、どの組立式パレットであっても、パレット基台の長手方向中央部が経時的にたわみ変形し、組立式パレットの組立・解体作業に支障を来したり、パレット基台と面板との間の隙間から原料(収容物)が漏出したりする問題を内在しているが、このような問題を最も効果的に防止できるからである。
前記側縁部材5dはアングル材(縦30mm×横40mm×板厚2mm)を用いており、図2に示したように、その垂直方向のフランジ部5d’(突き出し寸法30mm)が、前記正面板2の外面に当接する構成で実施されている。
本実施例では一例として、縦部材5eと下縁部材5cは、同一の断面形状(縦20mm×横20mm×板厚1mm)の角形鋼管を用い、上縁部材5bはそれより高さと板厚が大きい断面形状(縦30mm×横20mm×板厚1.2mm)の角形鋼管を用いている。また、前記正面板2(上縁部材2b)の天端と右方の側面板5(上縁部材5b)の天端は、組立式パレット10を組み立てたとき、上面が略面一となる構造設計で実施されている(図2参照)。
前記ハンドル式連結装置6、7は、共通する構成(左右対称構造)をなすので右方のハンドル式連結装置7を例に説明すると、図2に示したように、鋼板を平面視コ字状に折り曲げて形成した軸受け部材7aでラッチ棒7bを支持し、該ラッチ棒7bに延設されたハンドル7cを位置決め規制するハンドル受け7dが、前記軸受け部材7aと一連の曲げ成形により一体的に形成されている。ちなみに図中の符号7b’は、ラッチ棒7bの先端部に形成したフック部を示し、符号7eは、補強部材(アングル材)を示している。
次に、前記正面板2の右方に設けたハンドル式連結装置7のハンドル7cを、図2の状態から手前側へ90度回転させて引き寄せ、ラッチ棒7bの先端部に形成したフック部7b’を縦向きに位置決めする。
しかる後、右方の側面板5を略溝形鋼1bの溝内に斜めに立て込んで垂直に起立させる際に、当該側面板5の側縁部材5dに形成した縦長孔5f内へ前記縦向きのフック部7b’を挿通し、当該フック部7b’を右方の側面板5の面外方向へ突き出させる。
次に、前記ハンドル7cを90度回転させて、当該ハンドル7cの縦辺部をハンドル受け7d内へ納め、もって、正面板4と右方の側面板5とを連結する組立が行われる(図2参照)。
前記正面板2と右方の側面板5との連結状態を解除する場合は、図2の状態からハンドル7cを手前側へ90度回転させて引き寄せ、フック部7b’を前記縦長孔5fと同一の向きにする。そして、正面板2から右方の側面板を離脱させて、正面板2と側面板5との相互の結合を解く。
このスライド式の引き抜き不能機構は、パレット基台1側に設けた前記係止孔9と正面板2(又は背面板3)側に設けた前記ピンユニット8で実現される。
前記上下頭付きピン11は、下端に頭部11b(外径12mm程度、長さ7mm程度)を備えたピン軸(外径8mm程度、長さ30mm程度)の上端部を前記筒状のピン支持体12へ貫通させて突き出し、当該突き出した上端部に頭部11a(外径12mm程度、長さ7mm程度)をねじ込み構成される。また、前記頭部11a、11bの基部の外周には、3mm程度の長さにわたって雄ねじが形成されている。
なお、前記頭部11a、11bは、同形・同大の略半球状(凸球面状)に形成されているが、同形・同大には限らない。また、前記頭部11a、11bの形状も略半球状に限定されるものではないが、下端の頭部11bについては、外方に露出(晒)されて他部材と接触する虞があるため、互い(頭部11bと他部材と)の損傷を回避するのに好適な滑らかな略半球状が好ましい。
かくして、前記正面板2の下縁部材2cの管軸方向中央部に所要の間隔を開けて、バランスよく2箇所に、前記ピンユニット8が一体的に固定された構造を実現することができる。
ちなみに、この使用時、未使用時に係るねじ込み作業は、作業員が前記上下頭付きピン11の上端の頭部11a又は下端の頭部11bを右回り又は左回りに回動させるだけで容易に実施できる。このねじ込み作業は、作業員が当該頭部11a又は頭部11bを手指により回動させることもできるし、図8Bに破線で例示したように、当該頭部11a又は頭部11bの頭頂部にプラス(+)穴、マイナス(−)穴、六角穴、あるいは六角星型穴等の凹部(窪み部)を形成し、ドライバーや六角レンチ等の工具を用いて回動操作する手法で行うことも勿論できる。
次に、上記構成の組立式パレット10の組み立て手法について、その一例を説明する。
なお、この組立作業は1人の作業員でも十分に行うことができる。また、以下に説明する面板2〜5の取り付け手順はあくまでも一例に過ぎない。
この場合、予め図7Bに示したように、前記上下頭付きピン11の上端の頭部11aをピン支持体12の上部に形成した拡径部(雌ねじ部)12cにねじ込んで固定して、下端の頭部11bを正面板2の下縁部材2cの底面から下方へ突き出した状態(突き出したピン軸の寸法は6mm程度)を保持しておく。ちなみに図7中、正面板2の面板2a(板厚が0.5mm未満)は図示の便宜上省略している。
そして、図7Cに示すように、前記正面板2を、その下端に突き出した前記頭部11bがパレット基台1の略溝形鋼1a(板厚は2〜4mm程度)に設けた係止孔9の幅広部分9aへ挿入された状態で鉛直に立て込み、次いで幅狭部分9b側にスライドさせる。このスライド操作により、前記頭部11b、ひいては正面板2の引き抜き不能な構成(抜け止め)が図られる。
なお、前記側面板4、5とパレット基台1の略溝形鋼1bとの位置決めは、一例として、本実施例では従来から公知の手法に倣い、前記略溝形鋼1bの両端部に水平に突き出したダボ(突出部)に、前記側面板4、5の両端部に設けたダボ孔を嵌め込む構成で実施している。
また、図9A〜Dに示したように、ピン支持体12の収容部aの深さを若干深く形成し、前記頭部11bをピン支持体12(正面板2等)から出し入れ自在なフリーな構成でも実施できるし(図9A参照)、固定したい場合はねじ機構を用いて固定する(図9B参照)、所謂二段階方式の構成でも同様に実施できる。
さらに、本実施例では、前記4つの面板のうち、対向する2つの面板(正面板2と背面板4)に対して所謂スライド式の引き抜き不能機構を適用しているが、4つの面板2〜5のすべてに適用することもできる。この場合、本実施例について言えば、右方の側面板5(又は左方の側面板4)の左右両端部に設けた側縁部材(アングル材)5dのフランジ部5d’がスライド操作の障害になるので、例えば、いずれか一方の側縁部材5dを着脱式で実施したり、いずれか一方のフランジ部5d’をヒンジ機構等を利用した折り曲げ式で実施したりすることが考えられる。
1a、1b 略溝形鋼
2 正面板
3 背面板
4、5 側面板
6、7 ハンドル式連結装置
8 ピンユニット
9 係止孔
9a 幅広部分
9b 幅狭部分
10 組立式パレット
11 上下頭付きピン
11a、11b 頭部
12 ピン支持体
12a 収容部
13 縦材
14 横材
15 束材
16 底面板
Claims (5)
- 平面が矩形のパレット基台の四辺に沿って正面板と背面板及び左右の側面板を立て、当該四辺の各面板をハンドル式連結装置で連結し、又は連結を解除することで組立・解体が可能に構成された組立式パレットにおいて、
前記正面板と背面板及び/又は左右の側面板は、各下辺部に、上下端に頭部を備えた上下頭付きピンと、前記上下頭付きピンが貫通状態で上下動可能に支持され当該ピンの下端の頭部を出し入れ可能に収容する収容部を備えた筒状のピン支持体とからなるピンユニットが設けられていること、
前記パレット基台は、前記上下頭付きピンの下端の頭部が挿入されてスライドさせると当該ピンが引き抜き不能となる係止孔が設けられ、前記係止孔に前記上下頭付きピンの下端の頭部が挿入された状態で、当該正面板と背面板及び/又は左右の側面板が前記パレット基台に対し上方に引き抜き不能に接続されていることを特徴とする、組立式パレット。 - 前記上下頭付きピンの上下端の頭部は、略半球状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した組立式パレット。
- 前記筒状のピン支持体の収容部の内周面には雌ねじが形成され、前記上下頭付きピンの下端の頭部の外周面には前記雌ねじにねじ込み可能な雄ねじが形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した組立式パレット。
- 前記筒状のピン支持体の上端部の内周面には雌ねじが形成され、前記上下頭付きピンの上端の頭部の外周面には前記雌ねじにねじ込み可能な雄ねじが形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した組立式パレット。
- 前記係止孔は、略鍵穴状、又は略ダルマ形状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載した組立式パレット。
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