JP2005263295A - 断熱複合容器 - Google Patents

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【課題】外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップを容易で、確実に一体とすることができ、使用後に廃棄する時、容易に分別することができる形態の断熱複合容器を提供することにある。
【解決手段】本発明は、胴部のテーパー角度が2〜10度の範囲である紙カップと、プラスチックカップとの間に空間が形成されて一体とされた断熱複合容器であって、プラスチックカップの胴部の上端部に断面が上端から下方に略垂直な長さが3〜20mmの範囲の長辺部と該長辺部の下端から内方に伸びる幅が0.5〜5mmの範囲の短辺部からなるL字形状のスタックリブが周回方向に沿って設けられ、紙カップの上縁部に嵌合することにより一体化され、嵌合する前の段階で、その長辺部の下端部におけるプラスチックカップの外径r2と、嵌合時に対応する位置の紙カップの内系r1が、r2−r1=1〜3mmの関係が成り立つように設定したことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを一体とした二重構造の断熱複合容器に関するものである。
一般に、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを一体とした二重構造の断熱複合容器に関しては、数多くの形態が提案され、実用化されている。外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを一体とする方法は、図4−aに示すように、内包装体のプラスチックカップ2の上端の開口部を、外包装体の紙カップ1の上端部で巻き込んで一体とする方法(例えば特許文献1を参照。)、あるいは、図4−bに示すように、外包装体の紙カップ1の胴部11と内包装体のプラスチックカップ2の胴部21とを部分的に接着して一体とする方法等がある。
特開昭59−26405号公報
しかしながら、従来の、二重構造の断熱複合容器では、外包装体の紙カップの上端の開口部を、内包装体のプラスチックカップの上端の開口部の外側を巻き込んで一体とする方法は外包装体の紙カップの上端部を巻き込む工程が、あるいは、外包装体の紙カップの胴部と内包装体のプラスチックカップの胴部とを部分的に接着して一体とする方法は糊付けする工程が必要となり、製造コストが高くなるという問題がある。また、使用後に、断熱複合容器を廃棄する際に、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップを分別するのに手間がかかるという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを容易に、かつ、確実に一体とすることができ、また、使用後に廃棄する時に、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを容易に分別することができる形態の断熱複合容器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、上方を開口した逆円錐台形形状で胴部のテーパー角度が2〜10度の範囲である外包装体の紙カップと、上方を開口した内包装体のプラスチックカップとからなり、前記紙カップと前記プラスチックカップとが間に空間が形成されて一体とされている断熱複合容器であって、前記プラスチックカップの胴部の上端部に断面が上端から下方に略垂直な長さが5〜15mmの範囲の長辺部と該長辺部の下端から内方に伸びる幅が0.5〜5mmの範囲の短辺部からなるL字形状のスタックリブが周回方向に沿って設けられ、前記紙カップの上縁部に前記スタックリブの前記長辺部で嵌合することにより一体化され、嵌合する前の段階で、前記スタックリブの前記長辺部の下端部における前記プラスチックカップの外径r2と、前記プラスチックカップを嵌合する時に対応する位置の前記紙カップの内系r1が、r2−r1=1〜3mmの関係が成り立つように、前記紙カップと前記プラスチックカップを設定したことを特徴とする断熱複合容器である。
本発明の断熱複合容器は、内包装体のプラスチックカップの上端部に断面が上端から下方に略垂直な長辺部と、その長辺部の下端から略直角で内方に伸びる短辺部からなるL字形状のスタックリブを設け、テーパー角度が2〜10度の範囲である外包装体の紙カップの上端部に、このL字形状のスタックリブの長辺部で嵌合することによって、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを、容易に、かつ、確実に一体とすることができるという効果を有するものである。この外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとを一体とした断熱複合容器は、使用する際に、上下を逆にしても外包装体の紙カップから内包装体のプラスチックカップが簡単に抜け落ちず、蓋材やオーバーキャップを外す時にも、脱落することがない。また、外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップとをホットメルト接着剤等で接着していないので、廃棄する時に、外包装体と内包装体とを容易に分別できるという効果も有するものである。
つぎに、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、説明を簡単にするため、各図の対応する部位には同じ符号を付している。図1は本発明に係る断熱複合容器の一実施形態を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図であり、図2は本発明に係る断熱複合容器の外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップの嵌合前の状態を示す断面図であり、図3は本発明に係る断熱複合容器の別の実施形態を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図であり、図4は本発明に係る断熱複合容器の外包装体と内包装体とを嵌合する方法を示す正面図であり、そして、図5は従来の断熱複合容器の外包装体と内包装体とを一体とする方法の例を示す部分拡大断面図である。
図1は本発明に係る断熱複合容器の一実施形態を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図であり、同図の断熱複合容器Aは、上方に開口した逆円錐台形形状の外包装体の紙カップ1と、上方に開口した内包装体のプラスチックカップ2とから構成されている。外包装体の紙カップ1と内包装体のプラスチックカップ2は、それぞれの胴部上部で嵌合され一体となっている。すなわち、紙カップ1の胴部11の上端部にプラスチックカップ2の胴部21の上端部に設けた断面が上端から下方に垂直な長辺部Tと、その長辺部Tの下端から略直角で内方に伸びる短辺部SからなるL字形状のスタックリブ24の長辺部Tを嵌合し、紙カップ1とプラスチックカップ2とを一体としている。
外包装体の紙カップ1は、図2−aに示すように、胴部11と底部12とからなる逆円錐台形形状の紙カップ1であり、一般的な紙カップ成形機により成形される。通常の紙カップと同様に、扇形状のブランクを丸めた胴部11の下方に円形状の底板12を巻き締めると共に上方開口縁に外向きカール部13が形成されたものである。また、この紙カップ1のテーパー角度αは2〜10度の範囲とする。2度未満の場合、嵌合することが難しくなり、10度を超える場合、嵌合が緩くなり脱落しやすくなり、断熱複合容器として使用しにくくなる。
本発明による紙カップ1に使用される紙の材料構成としては、紙を主強度材とし、熱可塑性樹脂層を積層することを基本としている。例えば、紙/ポリエチレン、ポリエチレン/紙、ポリエチレン/紙/ポリエチレン、ポリプロピレン/紙/ポリプロピレン、紙/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン、ポリエチレン/紙/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン、ポリエチレン/アルミニウム/紙/ポリエチレン等があげられる。紙には腰(剛性)があり、カール等の加工適性に優れたカップ原紙が好適に使用され、その斤量は150〜400g/m2の範囲のものを使用し、好ましくは200〜350g/m2の範囲のものを使用する。斤量が150g/m2未満の場合、嵌合が緩くなり、400g/m2を超えた場合、嵌合しにくくなる。
紙カップ1に対する印刷は、公知の印刷方式によって板紙のシート段階での加工が可能である。この印刷効果を従来の断熱性プラスチック容器の曲面印刷と比較すると、インキ濃度、微細性、印刷効率等の点で優れており、紙カップ1は、消費者に内容物に関する情報を伝達する優れた情報媒体となるばかりか、食卓の雰囲気にあったデザインを施すことが可能となる。
一方、内包装体のプラスチックカップ2は、図2−bに示すように、プラスチックシートの成形により形成される。プラスチックシートの材料としては、特に、限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体等があげられる。また、これらの樹脂の積層体、例えば、ポリプロピレン樹脂/酢酸ビニル共重合体/ポリプロピレン樹脂からなる積層体等を使用することもできる。あるいは、これらの樹脂に珪酸マグネシウム等のフィラーを混入して使用することもできる。プラスチックシートの厚さは0.3〜3.0mmの範囲のものを使用し、好ましくは0.5〜2.0mmの範囲のものを使用する。厚さが0.3mm未満の場合、プラスチックカップ2の強度が弱く嵌合しなくなり、0.5mmを超えた場合、成形加工がしにくくなる。
このプラスチックカップ2は、これらの樹脂からなるプラスチックシートを真空成形あるいは圧空成形により成形することにより、胴部21と底部22とからなるカップ形状に形成されている。また、胴部21の上端からは外方にフランジ部23が形成され、そして、胴部21の上端部には周回方向に沿ってL字形状のスタックリブ24が形成されている。このL字形状のスタックリブ24は、断面が長辺部Tと短辺部SとからなるL字形状に形成され、その胴部21の上端から形成される長辺部Tは、略垂直形状であり、そして、その長辺部Tの下端から内方に略直角に伸びる短辺部Sが設けられている。
すなわち、プラスチックカップ2のL字形状のスタックリブ24の長辺部Tは、紙カップ1の上縁部で嵌合するために、略垂直形状に設けられ、その長さtは5〜15mmの範囲とすることが好ましい。5mm未満の場合、嵌合が緩くなり、15mmを超えた場合、嵌合が緩くなり、スタックの効率が悪くなる。短辺部Sは、紙カップ10との間に空間3を形成するために設けられ、断熱性を持たせるためには、その幅sは0.5〜5mmの範囲とすることが好ましい。なお、スタックリブ24における長辺部Tとフランジ部23との角度βは略直角とするが、紙カップ1のテーパー角度以内であればテーパー角度αを加えた鈍角としてもよく、また、逆に成形可能な範囲で逆テーパーとした鋭角としてもよい。
上記の紙カップ1の中にプラスチックカップ2を嵌合して本発明の断熱複合容器とするが、外包装体の紙カップ1と内包装体のプラスチックカップ2の嵌合の度合いは、プラスチックカップ2のL字形状のスタックリブ24の長辺部Tに対する紙カップ1の上縁部の断面形状および径差による要因が大きく、紙カップ1およびプラスチックカップ2の材料の剛性、復元性等の要因によっても決まるが、両者を分離不能に強固に嵌合させる必要はなく、使用後は、指先でプラスチックカップ2のフランジ部23と紙カップ1の底部12を持って引き離せば分離可能な程度に嵌合しておれば十分である。むしろその方が、使用後の分別廃棄に有効である。そのためには、嵌合する前の段階で、スタックリブ24の長辺部Tの下端部の外径r2と、紙カップ1の嵌合した時に対応する位置の内系r1が、r2−r1=1〜3mmの関係が成り立つように、紙カップ1とプラスチックカップ2を設定することである。例えば、プラスチックカップ2のスタックリブ24の長辺部Tの長さを10mmとした時、その長辺部Tの下端部におけるプラスチックカップ2の外径をr2とし、同様に、紙カップ1の上端から垂直に10mmの位置における内径をr1とし、紙カップ1の内径r1をプラスチックカップ2のスタックリブ24の長辺部Tの下端部の外径r2より1〜3mmの範囲で小さく設定している。このように設定したプラスチックカップ2を紙カップ1に挿入して嵌合することによって、使用時には脱落しにくく、かつ、使用後には分別して廃棄しやすい断熱複合容器することができる。
内包装体のプラスチックカップ2は、図1に示すように、外包装体の紙カップ1によって宙吊りになった状態である。従って、プラスチックカップ2の形状は紙カップ1の空間3内であれば自由であり、例えば、底部22が曲線である半球状であってもよい。また、紙カップ1においても、図3に示すように、底部に内カール部14を設けて底部12のない形状としてもよい。
なお、図示されていないが、プラスチックカップ2に内容物充填後、フィルム蓋材をフランジ部23に熱シールするか、あるいは、開口部全体を覆うようにオーバーキャップを施すようにしてもよい。
このように、充填、蓋シールを終わったプラスチックカップ2を紙カップ1内に挿入して嵌合する。この嵌合は空のプラスチックカップ2に対して紙カップ1を嵌合させ、その後に充填、蓋シールを行ってもよい。その嵌合は、紙カップ1に対して、図4−aに示すように、プラスチックカップ2を単に上方から落とし込んで、プラスチックカップ2のL字形状のスタックリブ24の長辺部Tが紙カップ1の上縁部に嵌合するまで押し込めばよく、また逆に、図4−bに示すように、プラスチックカップ2の方に紙カップ1を下方から被せるように押し込んでもよい。このようにして組み合わされた二重構造の断熱複合容器Aにおいて、外包装体の紙カップ1は上記の嵌合によって内包装体のプラスチックカップ2と一体化し、両者の胴部11と胴部21の間、底部12と底部22の間に空間3が形成され、この空間3によって、断熱複合容器Aに断熱性が賦与される。
つぎに、本発明の断熱複合容器について実施例をあげて、さらに具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。
内容物が調理済みの食品を収納した電子レンジ用の断熱複合容器を作製した。 まず、内包装体のプラスチックカップを作製した。材料として、ポリプロピレン0.55mm/酢酸ビニル共重合体0.15mm/ポリプロピレン0.55mmからなる積層体(厚み1.25mm)を使用し、圧空・真空成形法で成形して、高さが61mm、開口部の内径が81mmで内容量180ccのプラスチックカップを作製した。その胴部の上端部には上端から下方に垂直に長辺部6.5mm、長辺部の下端から直角に内方に伸びる短辺部1mmからなるL字形状のスタックリブを設けた。
一方、別に外包装体の紙カップを作製した。材料として、外側から順にポリエチレン20μm/カップ原紙260g/m2/ポリエチレン20μmからなる積層体を使用し、高さが77mm、開口部の内径が80.5mm、胴部下端の外径が66mm、胴部のテーパー角度が略5度である紙カップを作製した。
嵌合する前の段階で、プラスチックカップのスタックリブの長辺部の下端部におけるプラスチックカップの外径r2を82.0mmとし、プラスチックカップを嵌合する時に対応する位置の紙カップの内系r1を80.5mmとし、従って、r2−r1=1.5mmで1〜3mmの範囲内であるように、紙カップとプラスチックカップを設定した
そして、内容物を充填し、蓋材をフランジ部でシールした内包装体のプラスチックカップを外包装体の紙カップの中に上方から落とし込んで、プラスチックカップのL字形状のスタックリブの長辺部が紙カップの上端部に嵌合するまで押し込んで嵌合し、外包装体の紙カップと内包装体とプラスチックカップを一体化した、両者の胴部と胴部の間、底部と底部の間に空間を有する断熱複合容器Aを作製した。
この断熱複合容器Aの外包装体の紙カップの底部に穴をあけ、直径20mmの円筒で内包装体のプラスチックカップを紙カップから外す方向に押圧してその抵抗力(嵌合強度)を測定した結果、1kgf以上であった。
電子レンジで加熱調理を行い、直ちに素手で取り出した。その結果、本実施例の場合は手で持っても熱くなく電子レンジから容易に取り出すことができ、食卓でも容器を持つことができた。また、使用時に、外包装体の紙カップから内包装体のプラスチックカップが抜け出すことはなく、使用後に、プラスチックカップを紙カップから、簡単に手で取り外し、廃棄することができた。
本発明に係る断熱複合容器の一実施形態を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図である。 本発明に係る断熱複合容器の外包装体の紙カップと内包装体のプラスチックカップの嵌合前の状態を示す断面図である。 本発明に係る断熱複合容器の別の実施形態を示すもので、左半分及び右半分をそれぞれ断面図と正面図で示す概略構成図である。 本発明に係る断熱複合容器の外包装体と内包装体とを嵌合する方法を示す正面図である。 従来の断熱複合容器の外包装体と内包装体とを一体とする方法の例を示す部分拡大断面図である。
符号の説明
A 断熱複合容器
1 紙カップ
2 プラスチックカップ
3 空間
11 胴部
12 底部
13 外カール部
14 内カール部
21 胴部
22 底部
23 フランジ部
24 L字形状のスタックリブ
T 長辺部(L字形状のスタックリブ)
t 長さ(長辺部の)
S 短辺部(L字形状のスタックリブ)
s 幅(短辺部の)
r1 内径(紙カップの嵌合部における)
r2 外径(プラスチックカップの長辺部の下端部における)
α テーパー角度(紙カップの胴部の)
β 角度(プラスチックカップにおける長辺部とフランジ部との)

Claims (1)

  1. 上方を開口した逆円錐台形形状で胴部のテーパー角度が2〜10度の範囲である外包装体の紙カップと、上方を開口した内包装体のプラスチックカップとからなり、前記紙カップと前記プラスチックカップとが間に空間が形成されて一体とされている断熱複合容器であって、
    前記プラスチックカップの胴部の上端部に断面が上端から下方に略垂直な長さが3〜20mmの範囲の長辺部と該長辺部の下端から内方に伸びる幅が0.5〜5mmの範囲の短辺部からなるL字形状のスタックリブが周回方向に沿って設けられ、前記紙カップの上縁部に前記スタックリブの前記長辺部で嵌合することにより一体化され、嵌合する前の段階で、前記スタックリブの前記長辺部の下端部における前記プラスチックカップの外径r2と、前記プラスチックカップを嵌合する時に対応する位置の前記紙カップの内系r1が、r2−r1=1〜3mmの関係が成り立つように、前記紙カップと前記プラスチックカップを設定したことを特徴とする断熱複合容器。
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