JP2005263171A - トラクタの伝動構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ミッションケースを共用化して多仕様の伝動構造を得るにあたり、一層多様なギヤ変速部と油圧式無段変速部を選択装備できるようにする。
【解決手段】 エンジンの後部に連結されたクラッチハウジングと機体後部の伝動ケース部分とをハウジングフレームを介して連結するとともに、機体後部の伝動ケース部分を構成するミッションケース3の後端に連結したデフケース5に後輪用デフ機構DとリヤPTO軸7を装備し、前後端が開放されたミッションケース3の内部を中間仕切り壁3aで前後に区分し、中間仕切り壁3aに走行系軸支部aとPTO系軸支部bとを所定の軸間距離をもって形成し、ミッションケース3の前端開口部位に、エンジン動力を受けるギヤ変速ケースあるいは油圧式無段変速ケース12を連結する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、機体後部にリヤPTO軸を備えた主として農用に利用されるトラクタの伝動構造に関する。
トラクタにおいては走行用の変速手段としてギヤ式の多段変速装置や油圧式無段変速装置が適宜選択されて利用されているのであるが、近年では、各種の作業に対応できるように、仕様の異なった伝動構造のものが要求されることが多くなっており、要望される仕様の伝動構造を機種ごとに設定するとミッションケースの種類が多くなり、ケース鋳造用の金型コストが嵩むことになる。
そこで、例えば特許文献1で示されているように、ギャ変速仕様と油圧式無段変速仕様に共用できるケース構造を利用することで、金型コストの削減を図ることが提案されている。
特開平2002−127766号公報(図3,図4,図14)
上記したケース共用手段は、鋳造されたクラッチハウジング7とミッションケース9とをセンタープレート12を介して一体連結して機体を構成するモノボディ型に構成されたものであって、クラッチハウジング7の後部の内部に形成された一定形状の限られた空間スペースにギヤ変速部や油圧式無段変速部を選択して組み込む構造であったために、組み込むことのできるギヤ変速部および油圧式無段変速部の外形仕様に限りがあった。
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、ミッションケースを共用化して多仕様の伝動構造を得るにあたり、一層多様なギヤ変速部と油圧式無段変速部を選択装備できるようにすることを目的としている。
第1の発明に係るトラクタの伝動構造は、エンジンの後部に連結されたクラッチハウジングと機体後部の伝動ケース部分とをハウジングフレームを介して連結するとともに、機体後部の伝動ケース部分を構成するミッションケースの後端に連結したデフケースに後輪用デフ機構とリヤPTO軸を装備し、
前後端が開放された前記ミッションケースの前後中間部位に中間仕切り壁を設けてケース内を前後に区分し、前記中間仕切り壁に走行系軸支部とPTO系軸支部とを所定の軸間距離をもって形成し、ミッションケースの後端開口部位に前記デフケースを連結するとともに、ミッションケースの前端開口部位に、エンジン動力を受けるギヤ変速ケースあるいはエンジン動力を受ける油圧式無段変速ケースを連結するよう構成し、
前記ギヤ変速ケースには、前記PTO系軸支部と同心の主ギヤ変速部と、前記走行系軸支部と同心の前後進切換え部と、前記主ギヤ変速部と前記前後進切換え部とを連係する中間伝動軸とを装備して、このギヤ変速ケースをミッションケースの前面に連結した状態では、主ギヤ変速部に支承した入力軸とPTO系軸支部に支承したPTO伝動軸とを突き合せ連結するとともに、前後進切換え部に支承した出力軸を走行系軸支部に支承した走行系伝動軸に突き合せ連結するよう構成し、
油圧式無段変速ケースには、前記PTO系軸支部と同心のポンプ部と、前記走行系軸支部と同心のモータ部とを装備して、この油圧式無段変速ケースをミッションケースの前面に連結した状態では、ポンプ部に貫通支承された入力軸をPTO系軸支部に支承したPTO伝動軸と突き合せ連結するとともに、モータ部に備えられた出力軸を走行系軸支部に支承した走行系伝動軸に突き合せ連結するよう構成してあることを特徴とする。
上記構成によると、ミッションケースの前端開口部位にギヤ変速ケースを取付けると多段のギヤ変速で走行する仕様の伝動構造を構成することができ、また、同じ仕様のミッションケースの前端開口部位に油圧式無段変速ケースを取付けると無段変速で走行する仕様の伝動構造を構成することができ、ミッションケースの金型共用化によってコスト低減を図ることができる。
また、クラッチハウジングと機体後部の伝動ケース部分とをつなぐハウジングフレームは板金構造によって任意に設定することができるので、ミッションケースの前端開口部位に連結するギヤ変速ケースあるいは油圧式無段変速ケースは、軸心位置が設定される外形的な制約を受けることが少なく、エンジン出力など対応した各種仕様のギヤ変速ケースあるいは油圧式無段変速ケースを構成することが容易となり、ミッションケースを共用化して多仕様の伝動構造を得るにあたり、一層多様なギヤ変速部と油圧式無段変速部を選択装備することができる。
また、ミッションケースの前後端は開放されているので、中間仕切り壁の前後に形成された区画への伝動用部材の組み付けが容易となり、生産性の向上にも寄与する。
第2の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第1の発明において、
前記ミッションケースにおける前記中間仕切り壁より後方の区画内に走行系の副ギヤ変速機構を配備してあることを特徴とする。
上記構成によると、ギヤ変速ケースを取付けた多段変速仕様、油圧式無段変速ケースを取付けた無段変速仕様のいずれにおいても副ギヤ変速機構の設置部位を共通にすることができ、各機種における副ギヤ変速機構での部品の共用率を高めやすいものとなる。
第3の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第1または第2の発明において、
前記中間仕切り壁より前方の区画内のPTO伝動系にPTOクラッチを配備してあることを特徴とする。
上記構成によると、ギヤ変速ケースに備えられた主ギヤ変速部の入力軸、あるいは、油圧式無段変速ケースに備えられた入力軸と、中間仕切り壁のPTO系軸支部に支承したPTO伝動軸とを同心に連動連結する部位にPTOクラッチを配備することで、任意に動力を断続することのできるライブPTO伝動系(走行系に関係のないPTO伝動系)を構成することができ、第1または第2の発明の上記効果をもたらすとともに、PTO伝動系に連結した付設作業装置を任意のタイミングで駆動あるいは停止して所望の作業を適切に遂行することができる。
第4の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第1または第2の発明において、
前記中間仕切り壁より前方の区画内のPTO伝動系にPTO変速機構を配備してあることを特徴とする。
上記構成によると、ギヤ変速ケースに備えられた主ギヤ変速部の入力軸、あるいは、油圧式無段変速ケースに備えられた入力軸から分岐されてミッションケースに伝えられた動力を、ミッションケースの前方区画に備えたPTO変速機構で任意に変速することで、任意に変速することのできるライブPTO伝動系(走行系に関係のないPTO伝動系)を構成することができ、第1または第2の発明の上記効果をもたらすとともに、PTO伝動系に連結した付設作業装置を任意の速度で駆動して所望の作業を適切に遂行することができる。
第5の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第1〜4のいずれか一つの発明において、
前記ミッションケースの下端部に、ミッドPTOケースの取付け座を形成してあることを特徴とする。
上記構成によると、共通のミッションケースにおいてミッドPTO軸を備えた仕様と備えない仕様を構成することができ、第1〜4のいずれか一つの発明の上記効果をもたらすとともに、更に多くの仕様の伝動構造をミッションケースを共用して安価に構成することができる。
第6の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第1〜5のいずれか一つの発明において、
前記ミッションケースの前半下部にミッドPTO軸を装備し、前記中間仕切り壁より前方の区画内に、PTO伝動系と前記ミッドPTO軸を連動連結する伝動機構と、前記リヤPTO軸および前記ミッドPTO軸からの動力取出し形態を切換え変更するPTOモード選択機構を配備してあることを特徴とする。
上記構成によると、リヤPTO軸のみを駆動するモード、ミッドPTO軸のみを駆動するモード、および、リヤPTO軸とミッドPTO軸とを共に駆動するモード、などを設定して任意に選択利用することができ、第1〜5のいずれか一つの発明の上記効果をもたらすとともに、作業範囲の拡大に有効となる。
第7の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第1〜6のいずれか一つの発明において、
前記中間仕切り壁に前輪駆動系軸支部を設けるとともに、前記ギヤ変速ケースおよび油圧式無段変速ケースに、前記前輪駆動系軸支部と同心に前輪駆動用伝動軸を軸支可能に構成してあることを特徴とする。
上記構成によると、ギヤ変速ケースを取付けた多段変速仕様、油圧式無段変速ケースを取付けた無段変速仕様のいずれにおいても四輪駆動仕様を設定することができ、第1〜6のいずれか一つの発明の上記効果をもたらすとともに、高い推進性能での走行が可能となる。
第8の発明に係るトラクタの伝動構造は、上記第7の発明において、前記クラッチハウジングに、前記前輪駆動用伝動軸から取り出された動力が伝達される前輪変速機構を内装してあることを特徴とする。
上記構成によると、前輪変速機構を、後輪の周速に近い周速で前輪を駆動する標準四輪駆動モードと、後輪周速より充分速い(例えば2倍)周速で前輪を増速駆動する前輪増速駆動モードとに切換え可能に構成することで、畦際などでの小回り旋回を円滑かつ圃場を荒らすこと少なく行うことができ、第7の発明の上記効果をもたらすとともに、一層機動性に優れた作業走行を行うことができる。
図1に本発明の伝動構造を備えた四輪駆動型の農用トラクタの全体側面が、また、図3にその機体構造の側面図がそれぞれ示されている。このトラクタは、エンジン1の後部に連結されたクラッチハウジング2と、ミッションケース3、および、デフケース5を含む後部伝動ケース部分とが板金製のハウジングフレーム4を介して連結されて機体ボディが構成された構造となっており、ミッションケース3の後端に直結されたデフケース5に左右の後輪6が軸支されるとともにリヤPTO軸7が後ろ向きに突設され、また、左右の前輪8を操向自在に備えた前車軸ケース9が、エンジン1に連結された前フレーム10の下部にローリング自在に装着支持されている。
このトラクタにおいては、鋳造品であるクラッチハウジング2、ミッションケース3、デフケース5、および、前車軸ケース9を、各種仕様の伝動構造に対して共用にしてケース鋳造用金型のコスト節減が図られており、上記ケース類を共用した各種仕様の伝動構造のいくつかを以下に説明する。
〔第1例〕
図4,5に、第1例の伝動構造が示されている。この例において、前記クラッチハウジング2の上部には単板乾式の主クラッチ11が装備されるとともに、後部伝動ケース部分を構成するミッションケース3の前端に走行用の油圧式無段変速ケース12が連結され、この油圧式無段変速ケース12に前記ハウジングフレーム4の後端が連結されている。前記油圧式無段変速ケース12は、後方が開放されたケース本体12aとその後端に連結される厚肉のポートブロック12bとからなり、ケース内の上方にアキシャルプランジャ式に構成された可変容量型のポンプ部Pが組み込まれるとともに、ケース内の下方にアキシャルプランジャ式に構成された定容量型のモータ部Mが組み込まれ、ポンプ軸となる入力軸13がケース本体12aとポートブロック12bとに亘って支承され、この入力軸13の前方突出端とクラッチハウジング2から後方に向けて突出されたクラッチ出力軸14とが主伝動軸15を介して同心に連動連結されている。
そして、油圧式無段変速ケース12に組み込まれた油圧式の無段変速機構は、ポンプ部Pの斜板角度を変更操作して圧油吐出量および吐出方向を変更することでモータ部Mの出力軸16を正あるいは逆方向に無段階に変速駆動する周知構造が採用されており、この油圧式の無段変速機構が、零速発進が可能な無段変速と前後進の切換えとを行うペダル操作式の主変速機構とされている。
前記ミッションケース3は前後が開放されるとともにその前後中間部位に中間仕切り壁3aが備えられて、ミッションケース3が前後に区分されている。そして、この中間仕切り壁3aの下部と上部に走行系軸支部aとPTO系軸支部bとが形成され、走行系軸支部aとデフケース5の前壁5aとに亘って支承した走行系の伝動軸17とモータ部Mの出力軸16とが同心に連結されている。
中間仕切り壁3aより後方の区画において、中間仕切り壁3aとデフケース5の前壁5aとに亘って最終変速軸であるベベルピニオン軸18が支承され、このベベルピニオン軸18と前記伝動軸17との間に走行系の副ギヤ変速機構19が装備されている。この走行系の副ギヤ変速機構19は、伝動軸17にスプライン嵌合したシフトギヤG1をシフトしてベベルピニオン軸18を3段に変速し、ベベルピニオンギヤGpに咬合されたデフ機構Dを介して左右の後輪6を変速駆動するように構成されている。
詳述すれば、伝動軸17の前後には大径遊嵌ギヤG2と小径遊嵌ギヤG3が装着されるとともに、ベベルピニオン軸18には大径遊嵌ギヤG2に常時咬合する小径ギヤG4と小径遊嵌ギヤG3に常時咬合する大径ギヤG5が固着され、さらに、ベベルピニオン軸18にはシフトギヤG1に直接咬合可能な中径ギヤG6が固着されており、シフトギヤG1を後方にシフトしてそのボス部を小径遊嵌ギヤG3のボス部に咬合連結することで、小径遊嵌ギヤG3と大径ギヤG5とのギヤ比での伝動によって「低速」がもたらされ、シフトギヤG1を前後中間位置にまでシフトして中径ギヤG6に直接咬合させることで、シフトギヤG1と中径ギヤG6とのギヤ比での伝動によって「中速」がもたらされ、更に、シフトギヤG1を前方にシフトしてそのボス部を大径遊嵌ギヤG2のボス部に咬合連結することで、大径遊嵌ギヤ2と小径ギヤG4とのギヤ比での伝動によって「高速」がもたらされるのである。
上記のようにして油圧式に正逆に無段変速されるとともに副ギヤ変速機構19によって3段に変速されるベベルピニオン軸18の前端部には前輪8への動力伝達用の出力ギヤG7が固着されている。また、中間仕切り壁3aおよび油圧式無段変速ケース12には前輪駆動系軸支部cが設けられて、ここに前輪駆動用伝動軸20が貫通支架されている。この前輪駆動用伝動軸20の後端部にはシフトギヤG8がスプライン嵌着されており、このシフトギヤG8を前方にシフトしてベベルピニオン軸18の出力ギヤG7に咬合させることで、後輪駆動速度と同調した速度の前輪駆動用動力を前輪駆動用伝動軸20から取り出す四輪駆動状態がもたらされ、また、シフトギヤG8を後方にシフトして出力ギヤG7との咬合を解除することで、前輪駆動を断って後輪6のみによる後二輪駆動状態がもたらされるようになっている。
他方、図2に示すように、クラッチハウジング2には主クラッチ11を収容した乾式のクラッチ室dと、これと隔絶された湿式(オイルバス潤滑式)の変速室eが備えられており、この変速室eに、前輪駆動用伝動軸20から前方に取り出された前輪駆動用動力を受ける前輪変速機構21が装備されている。この前輪変速機構21には、前輪駆動用伝動軸20に中間軸22を介して同心状に連結された入力軸23とこれと平行な変速軸24とが備えられており、変速軸24に備えた変速クラッチ25を入り切りすることで変速軸24を高低2段に変速し、この変速動力をクラッチハウジング2の下端部に配備した前輪駆動軸26にギヤ伝達し、前輪駆動軸26から前方に取り出した高低2段の変速動力を前車軸ケース9に軸伝達するように構成されている。
前記入力軸23には大径ギヤG9と小径ギヤG10が備えられるとともに、変速軸24にはこれらのギヤG9,G10に常時咬合された小径遊転ギヤG11と大径遊転ギヤG12が備えられている。変速軸24に備えられた変速クラッチ25は、図6に示すように、変速軸24に固着されたクラッチドラム27と小径遊転ギヤG11に連設されたスプラインボス部28との間に多板式の摩擦伝動部29を介在し、クラッチドラム27に内嵌装着したピストン部材30を軸内油路を経て給排される圧油および内装したバネ31によって進退変位させることで、摩擦伝動部29を圧接あるいは圧接解除してクラッチ入り切りを行うように構成されている。
また、クラッチドラム27のボス部にシフト可能に外嵌したシフト部材32が、クラッチドラム27を貫通する連結ピン33を介してピストン部材30に一体化されており、ピストン部材30の進退移動に伴ってシフト部材32が一体にシフトされるようになっている。
そして、圧油供給が断たれている状態では、図6に示すように、ピストン部材30が内装バネ31によって図中左方に後退変位して変速クラッチ25が「切り」状態になるとともに、ピストン部材30と一体化されたシフト部材32が大径遊転ギヤG12に側面で咬合され、入力軸23の動力が小径ギヤG10、大径遊転ギヤG12、シフト部材32、および、クラッチドラム27を経て変速軸24に減速伝達された後、変速軸24の前端から取出されて前輪駆動軸26を介して前車軸ケース9に伝達される。そして、この場合、前輪8は後輪周速度と同等(あるいは、若干速い周速度)の周速度で駆動され、もって、標準の四輪駆動モードが現出される。
また、図7に示すように、圧油の供給によってピストン部材30がバネ31に抗して図中右方に移動して摩擦伝動部29を圧接することで変速クラッチ25が「入り」状態になるとともに、ピストン部材30と一体化されたシフト部材32が大径遊転ギヤG12から咬合解除され、入力軸23の動力が大径ギヤG9、小径遊転ギヤG11、摩擦伝動部29、および、クラッチドラム27を経て変速軸24に増速伝達された後、前輪駆動軸26を介して前車軸ケース9に伝達される。そして、この場合、前輪8は後輪周速度の約2倍程度の周速度で駆動され、もって、前輪増速駆動モードが現出される。
図8の油圧回路図に示すように、前記変速クラッチ25の圧油給排油路には、前輪8の操向に連動して切換え操作される前輪制御バルブV1と、前輪8の自動変速を入り切り選択する自動変速選択バルブV2と、副ギヤ変速機構19の変速操作に連動して切換え操作される牽制バルブV3とが直列に配備されており、エンジン動力によって駆動される油圧ポンプOPからの圧油がパワーステアリングユニット67およびオイルクーラ68を経た後に、前輪変速用油圧回路fに供給され、更に、前輪変速用油圧回路fからの戻り油が油圧式無段変速ケース12のチャージ回路gに供給されるようになっている。
図6,7に示すように、前記前輪制御バルブV1、自動変速選択バルブV2、および、牽制バルブV3はそれぞれロータリバルブに構成され、これらバルブV1,V2,V3がクラッチハウジング2の後部に連結された単一のバルブケーシング70に組付けられている。そして、前輪制御バルブV1と牽制バルブV3とが平行に配備されているのに対してこれらの中間に位置する自動変速選択バルブV2は、そのスプール軸心が他のバルブV1,V2のスプール軸心と直交するように配備されている。
前輪制御バルブV1が、前輪8のステアリング機構71に機械的に連動連結されており、前輪8が直進状態にある時には油路を遮断し、前輪8が直進位置から設定角度(例えば35°)以上に左あるいは右に操向されると前輪制御バルブV1が回動されて油路を開放するように構成されている。また、自動変速選択バルブV2は切換えレバー72にリンク連係されており、自動変速「入り」位置では油路が開放され、自動変速「切り」位置では油路が遮断される。また、牽制バルブV3は、走行速度を3段に変速する副ギヤ変速機構19を切換え操作する副変速レバー73にリンク連係されており、副ギヤ変速機構19が「低速」あるいは「中速」に操作されている状態では油路が開放され、副ギヤ変速機構19が「高速」に操作されている状態では油路が遮断されるようになっている。
従って、自動変速選択バルブV2が自動変速「入り」位置に選択されて油路が開放されるとともに、副ギヤ変速機構19が「低速」あるいは「中速」に操作されて態牽制バルブV3が油路を開放している状態でのみ、前輪8の設定角度以上の操向に連動して前輪制御バルブV1が切換えられて、変速クラッチ25に圧油が供給されて前輪8が増速駆動され、円滑な小回り旋回が行われる。そして、自動変速選択バルブV2が自動変速「入り」位置に選択されていても副ギヤ変速機構19が「高速」にある場合には、前輪8の設定角度以上の操向にかかわらず前輪自動増速が実行されることはない。また、自動変速選択バルブV2が自動変速「切り」位置に選択されて油路が閉じられていれば、当然ながら、前輪操向によっても前輪自動増速が行われることはない。
なお、図9,10に、上記油圧回路における圧油供給用の外部管路を形成する一対のパイプ74,75を工具を要することなく簡単容易に接続および分離することができる配管接続構造が示されている。つまり、一方のパイプ74の端部には先端にフランジ76aが形成された大径接続筒76が設けられるとともに、他方のパイプ75の外周部には前記フランジ76aと同径のフランジ板77が溶接固定されている。配管接続に際しては、先ず、他方のパイプ75の外周に芯合わせカラー78と2本のOリング79が挿嵌され、これらを装着した状態で他方のパイプ75が大径接続筒76に挿入され、フランジ76aとフランジ板77とが接当重合される。ここで、芯合わせカラー78が大径接続筒76にガタなく内嵌されることで両パイプ74,75が同芯状に接続され、Oリング79でシールされる。そして、フランジ76aとフランジ板77とを接当重合させた状態で、板バネ材をU形に屈曲形成してなるクリップ80がフランジ接合部位に側方から嵌め付けあっれる。このクリップ80にはフランジ接合部位に係合するスリット81が形成されており、このスリット81にフランジ76aとフランジ板77とが係止されることで両パイプ74,75の分離が阻止される。
図11に、前輪駆動軸26と前車軸ケース9の入力軸91とを伝動軸92を介して同心状に連動連結する構造が示されている。前輪駆動軸26と伝動軸92の後端部とはボールジョイント部93を介して連結されるとともに、伝動軸92の前端部と入力軸91とはスプライン連結されており、伝動軸92への異物の付着や巻き付きを防止するために、前輪駆動軸26を囲繞するようにクラッチハウジング2の下部に備えられたボス部2aと、前車軸ケース9の入力部に形成されたボス部9aとに亘って筒カバー94の両端が内嵌装着されてシールリング95で水封されている。図10(イ)に示すように、組み付けた筒カバー94は、前端近くに膨出形成された環状突起94aが前車軸ケース9のボス部9aの端部に接当することで筒カバー94の前方への移動が阻止されるとともに、筒カバー94の後端近くに外嵌止着した止めリング96がクラッチハウジング2のボス部2aの前端に接当することで筒カバー74の後方への移動が阻止されるようになっている。この構成によると、図10(ロ)に示すように、止めリング96を外して筒カバー94をボス部2aに押し込むことで伝動軸92の前部を露出させることができるようになっている。このようにして露出させた伝動軸92の前部にプライヤなどの工具をかけることで、伝動軸92を回転操作してスプラインの位相合わせを容易に行うことができるようになっているのである。
なお、伝動軸92の前部を露出可能に筒カバー94で囲繞する手段としては、上記構造以外に、例えば、図12(イ)に示すように、筒カバー94の中間に伸縮自在な蛇腹部94bを形成し、蛇腹部94bを伸長させて筒カバー94の前後端をボス部9a,2aにそれぞれ挿入して環状突起で94aで位置決めする手段や、図12(ロ)に示すように、蛇腹部94bを伸長させて筒カバー94の前後端をボス部9a,2aにそれぞれ挿入して環状段部94cで位置決めする手段を利用することもできる。
次に、PTO伝動系について説明する。
前記油圧式無段変速ケース12の上部に貫通支承された入力軸13の後端と、中間仕切り壁3aのPTO系軸支部bに支承されたPTO系伝動軸35とが同心に突き合せ配備されるとともに、両者の間に油圧操作される多板式のPTOクラッチ36が介在されている。
図13に示すように、前記PTOクラッチ36は、前記入力軸13の後端にスプライン連結されたクラッチドラム37と、PTO系伝動軸35にシフト可能にスプライン外嵌されたシフト部材38、このシフト部材38に相対シフト可能にスプライン外嵌したクラッチスリーブ39、クラッチドラム37とクラッチスリーブ39との間に介在した多板式の摩擦伝動部40、クラッチドラム37に内嵌装備したクラッチ操作用のピストン部材41、ピストン部材41を摩擦解除方向に付勢するバネ42、等によって構成されており、軸内油路を介して圧油を供給してピストン部材41をバネ42に抗して図中右方に変位させることで、摩擦伝動部40が圧接された「クラッチ入り」状態がもたらされ、圧油供給を解除してピストン部材41を内装したバネ42で図中左方に変位させることで、摩擦伝動部40の圧接が解除された「クラッチ切り」状態がもたらされるようになっている。
「クラッチ入り」状態においては、クラッチスリーブ39に伝達された動力がシフト部材38を介してPTO系伝動軸35に伝達され、PTO系伝動軸35の後端に同心状に連結された中間伝動軸43を介してデフケース5の後部にまで伝達され、デフケース5の後部に装備されたギヤG13,G14で大きく減速されて前記リヤPTO軸7から取り出されるようになっている。
また、PTOクラッチ36の後方箇所には、「クラッチ切り」作動に連動して伝動下手側の慣性回転を阻止するPTO制動機構45が配備されている。このPTO制動機構45は、前記クラッチスリーブ39にスプライン外嵌した摩擦板46と、ミッションケース3の内部に固設した受け部材47と、ミッションケース3の内部に回転不能に係合支持した制動板48とで構成されており、PTOクラッチ36が切り作動してピストン部材41がバネ42によって図中左方に付勢移動されると、ピストン部材41と一体にクラッチスリーブ39が同方向に移動し、摩擦板46が受け部材47と制動板48とで挟持されてクラッチスリーブ39に制動がかけられるようになっている。
図4に示すように、ミッションケース3における中間仕切り壁3aより前側の下面には、前方に向けてミッドPTO軸50を突設支持したミッドPTOケース51がボルト連結されるとともに、ミッションケース3の前記中間仕切り壁3aより前方の区画内に、PTO系伝動軸35とミッドPTO軸50をギヤ連動するミッドPTO伝動機構52と、リヤPTO軸7とミッドPTO軸50からの動力取出し形態を切換え変更するPTOモード選択機構53が配備されている。
ここで、前記ミッドPTO伝動機構52は、前記PTO系伝動軸35の後部に遊嵌した動力取出し用ギヤG15と、ミッドPTO軸50に一体形成したギヤG16とが中継ギヤG17,G18,G19を介して咬合連動された構造となっており、中継ギヤG17は前輪駆動用伝動軸20に遊嵌されるとともに、中継ギヤG18は走行系伝動軸17に遊嵌支持され、また、中継ギヤG19はミッションケース3の下壁部に装着した支軸54に遊嵌支持されている。なお、ミッションケース3の成形時には前記取付け座3bの上奥部は底壁で閉塞されているが、ミッドPTOケース51が取付けられる仕様では、動力取り出しのために取付け座3bの上奥部が切欠き加工されることになる。
上記PTOモード選択機構53は前記シフト部材38を前後にシフトすることで、リヤPTO軸7のみに動力を伝達するモードと、リヤPTO軸7およびミッドPTO軸50の両者に動力を伝達するモードと、ミッドPTO軸50のみに動力を伝達するモードを選択するものであり、図14に示すように、シフト部材38を最も前方位置にシフト操作すると、シフト部材38がPTO系伝動軸35のスプライン部35aにのみ咬合された状態となり、PTOクラッチ36を介してシフト部材38に伝達された動力は中間伝動軸43を経てリヤPTO軸7にのみ伝達される。
また、シフト部材38を前後中間位置にシフト操作すると、図13に示すように、シフト部材38がPTO系伝動軸35のスプライン部35aと動力取出し用ギヤG15のボス部に亘ってスプライン咬合された状態となり、PTOクラッチ36を介してシフト部材38に伝達された動力が中間伝動軸43を経てリヤPTO軸7に伝達されるとともに、ミッドPTO伝動機構52を介してミッドPTO軸50にも伝達される。
また、図15に示すように、シフト部材38を最も後方位置にシフト操作すると、シフト部材38が動力取出し用ギヤG15のボス部にのみスプライン咬合された状態となり、PTOクラッチ36を介してシフト部材38に伝達された動力はミッドPTO伝動機構52を介してミッドPTO軸50にのみ伝達される。
ここで、PTO系伝動軸35と中間伝動軸43とに亘ってスプライン外嵌された軸連結スリーブ55が、PTOモード選択機構53によってミッドPTO軸50のみが駆動される伝動モードが選択された際に、自由になったリヤPTO軸7が連れ周り回転するのを阻止するPTOブレーキBとして機能するよう構成されている。
前記軸連結スリーブ55は前後シフト可能にスプライン装着されるとともに、この軸連結スリーブ55が、PTOモード選択用のシフト部材38と同期して逆方向にシフトされるように、その操作系が連係されている。つまり、図16,17に示すように、シフト部材38に係合する偏心操作ピン56aが備えられた操作軸56と、軸連結スリーブ55に係合する操作アーム57aが備えられた操作軸57とがミッションケース3の側壁に貫通支承され、操作軸56の外端に設けられた操作ピン56bと、支点p周りに前後揺動可能に配備されたPTOモード選択レバー58とがロッド59を介して連動連結されるとともに、操作軸57の外端部から延出された連係レバー57bと前記操作ピン56bが長孔連係されており、PTOモード選択レバー58の前後揺動操作によってシフト部材38と軸連結スリーブ55とが互いに逆方向にシフトされるようになっているのである。
従って、シフト部材38が最前方位置および前後中間位置にシフトされて、リヤPTO軸7のみが駆動される伝動モード、あるいは、リヤPTO軸7とミッドPTO軸50が共に駆動される伝動モードが選択された状態では、軸連結スリーブ55はそのシフト範囲の最後方位置あるいは前後中間位置にあり、この時の軸連結スリーブ55は単なる軸継ぎ手として機能する。そして、図15に示すように、シフト部材38が最後方位置にシフトされて、ミッドPTO軸50のみが駆動される伝動モードが選択されると、シフト部材38の後方シフトに連動して軸連結スリーブ55が前方に移動し、ミッションケース3における中間仕切り壁3aの後面に形成されたリブ60に軸連結スリーブ55の前端係合爪55aが後方から係合され、もって、PTOブレーキBが機能して回転自由状態になったPTO系伝動軸35と中間伝動軸43の回転が阻止されるのである。
〔第2例〕
図18,19に、クラッチハウジング2,ミッションケース3,デフケース5を第1例と共用した第2例の伝動構造が示されている。この例は、前記ミッションケース3の前端に、前記油圧式無段変速ケース12に代えてギヤ変速ケース61を連結し、他の構成を前記第1例と同様の仕様としたものであり、ギヤ変速ケース61の内部には主ギヤ変速部62と前後進切換え部63とが組み込まれている。
前記主ギヤ変速部62は、入力軸13に入力されたエンジン動力を3段に変速して中間軸64に伝達するよう構成されるとともに、前後進切換え部63は、中間軸64の変速動力を正転あるいは逆転して出力軸16に伝達するよう構成されており、このギヤ変速ケース61で前進3段、後進3段の主変速を行うことができるようになっている。
詳述すると、主ギヤ変速部62の入力軸13には、小径遊転ギヤG20と大径遊転ギヤG21が装着されるととこに、これら遊転ギヤ間に中径のシフトギヤG22がスプライン装着され、他方、中間軸64には、前記小径遊転ギヤG20および大径遊転ギヤG21にそれぞれ常時咬合する大径ギヤG23と小径ギヤG24、および、前記シフトギヤ22Gに咬合可能な中径ギヤG25が固設されている。そして、シフトギヤG22を前方位置にシフトして小径遊転ギヤG20のボス部にスプライン咬合させることで、小径遊転ギヤG20と大径ギヤG23を介して中間軸64に低速(第1速)で動力伝達がなされ、シフトギヤG22を前後中間位置にシフトしてシフトギヤG22を中径ギヤG25に直接咬合させることでで中間軸64に中速(第2速)での動力伝達がなされ、また、シフトギヤ22を後方位置にシフトして大径遊転ギヤG21のボス部にスプライン咬合させることで、大径遊転ギヤG21と小径ギヤG24を介して中間軸64に高速(第3速)での動力伝達がなされるのである。
また、出力軸16には、中間軸64のギヤG26に常時咬合する正転伝達用遊転ギヤG27と、中間軸64のギヤG28に逆転ギヤG29を介して常時咬合連動された逆転伝達用遊転ギヤG30が備えられており、出力軸16にスプライン嵌合したシフトスリーブSをシフトして正転伝達用遊転ギヤG27のボス部、あるいは、逆転伝達用遊転ギヤG30のボス部に選択咬合させることで、中間軸64の変速動力を正転あるいは逆転して出力軸16に伝達するよう構成されている。
〔第3例〕
図20,21に、クラッチハウジング2,ミッションケース3,デフケース5を先例と共用した第3例の伝動構造が示されている。この例においては、前記ミッションケース3の前端に、上記第1例で示した油圧式無段変速ケース12が連結されるとともに、中間仕切り壁3aより前側の区画におけるPTO伝動系にはギヤ式のPTO変速機構65が配備されている。また、中間仕切り壁3aより後側の区画における走行伝動系には副ギヤ変速機構19が装備されている。
この例のPTO伝動系にはミッドPTO軸50が装備されておらず、前例のミッドPTOケース51の取付け座3bの上奥部を切欠き開口加工しない成形時の閉塞状態のままで使用される。
前記PTO変速機構65には、PTO系伝動軸35と変速軸66とが備えられ、油圧式無段変速ケース12から後方に突設された入力軸13の後端がギヤG31,G32を介して変速軸66に連動連結されるとともに、PTO系伝動軸35にスプライン装着したシフトギヤG33をシフトすることで、正転3段、逆転1段の変速を行うよう構成されている。
つまり、シフトギヤG33が最前方の正転3速位置にシフトされると、シフトギヤG33が入力用のギヤG31のボス部に同心状にスプライン咬合され、入力軸13とPTO系伝動軸35とが直結されてリヤPTO軸7が正転第3速(正転高速)で駆動される。また、シフトギヤG33が正転3速位置から後方にシフトされて正転2速位置に切換えられると、シフトギヤG33が変速軸66に固設されたギヤG34に直接に咬合され、2回のギヤ咬合を経てPTO系伝動軸35が正転駆動されてリヤPTO軸7が正転第2速(正転中速)で駆動される。また、シフトギヤG33が正転2速位置から後方にシフトされて正転1速位置に切換えられると、シフトギヤG33がPTO系伝動軸35に遊嵌されたギヤG35のボス部に同心状にスプライン咬合され、2回のギヤ咬合を経てPTO系伝動軸35が正転駆動さてリヤPTO軸7が正転第1速(正転低速)で駆動される。さらに、シフトギヤG33が正転1速位置から後方にシフトされて逆転位置に切換えられると、シフトギヤG33がギヤG35のボス部に遊嵌されたギヤG36のボス部に同心状にスプライン咬合される。このギヤG36は逆転ギヤG37を介して変速軸66のギヤG38に咬合連動されており、これによって3回のギヤ咬合を経てPTO系伝動軸35が逆転駆動されてリヤPTO軸7が逆転駆動される。
なお、この例における走行系の副ギヤ変速機構19は、上記第1例および第2例と同様に3段の変速を行うものであるが、前例では駆動側となる走行系伝動軸17にシフトギヤG1が装備された仕様となっているのに対して、この例では、シフトギヤG1が従動側となるベベルピニオン軸18に装備された仕様となっている。
〔第4例〕
図22,23に、クラッチハウジン2,ミッションケース3,デフケース5を先例と共用した第4例の伝動構造が示されている。この例は、上記第3例において、ミッションケース3の前端に、第2例に示したギヤ変速ケース61を連結した仕様となっており、第2例と同様に、主ギヤ変速部62、前後進切換え部63、および、副ギヤ変速機構19によって前進9段、後進9段の走行変速を行うことができ、また、第3例と同様に、正転3段、逆転1段のPTO変速を行うことができるようになっている。
〔別実施例〕
(1)上記各実施例では、板金製のハウジングフレーム4の後端を、ミッションケース3の前端に連結した油圧式無段変速ケース12、あるいは、ギヤ変速ケース61に連結して機体ボディを構成する場合を例示したが、ハウジングフレーム4の後端をミッションケース3に直接に連結する形態で実施することもできる。
トラクタの全体側面図 前輪伝動構造の縦断側面図 機体構造の側面図 第1例の伝動構造を示す縦断側面図 第1例の伝動構造のギヤトレインを示す概略図 標準四輪駆動モードにある前輪変速機構の縦断側面図 前輪増速駆動モードにある前輪変速機構の縦断側面図 油圧回路図 配管接続構造の断面図 配管接続構造の分解斜視図 前輪駆動用伝動軸のカバー構造を示す縦断側面図 前輪駆動用伝動軸のカバー構造の別実施例を示す縦断側面図 PTOモード選択機構の縦断側面図 PTOモード選択機構の縦断側面図 PTOモード選択機構の縦断側面図 PTOモード選択機構の操作構造を示す側面図 PTOモード選択機構の操作構造を示す正面図 第2例の伝動構造を示す縦断側面図 第2例の伝動構造のギヤトレインを示す概略図 第3例の伝動構造を示す縦断側面図 第3例の伝動構造のギヤトレインを示す概略図 第4例の伝動構造を示す縦断側面図 第4例の伝動構造のギヤトレインを示す概略図
符号の説明
1 エンジン
2 クラッチハウジング
3 ミッションケース
3a 中間仕切り壁
4 ハウジングフレーム
5 デフケース
12 油圧式無段変速ケース
13 入力軸
16 出力軸
19 副ギヤ変速機構
20 前輪駆動用伝動軸
21 前輪変速機構
51 ミッドPTOケース
61 ギヤ変速ケース
62 主ギヤ変速部
63 前後進切換え部
64 中間伝動軸
a 走行系軸支部
b PTO系軸支部
c 前輪駆動系軸支部
P ポンプ部
M モータ部

Claims (8)

  1. エンジンの後部に連結されたクラッチハウジングと機体後部の伝動ケース部分とをハウジングフレームを介して連結するとともに、機体後部の伝動ケース部分を構成するミッションケースの後端に連結したデフケースに後輪用デフ機構とリヤPTO軸を装備し、
    前後端が開放された前記ミッションケースの前後中間部位に中間仕切り壁を設けてケース内を前後に区分し、前記中間仕切り壁に走行系軸支部とPTO系軸支部とを所定の軸間距離をもって形成し、ミッションケースの後端開口部位に前記デフケースを連結するとともに、ミッションケースの前端開口部位に、エンジン動力を受けるギヤ変速ケースあるいはエンジン動力を受ける油圧式無段変速ケースを連結するよう構成し、
    前記ギヤ変速ケースには、前記PTO系軸支部と同心の主ギヤ変速部と、前記走行系軸支部と同心の前後進切換え部と、前記主ギヤ変速部と前記前後進切換え部とを連係する中間伝動軸とを装備して、このギヤ変速ケースをミッションケースの前面に連結した状態では、主ギヤ変速部に支承した入力軸とPTO系軸支部に支承したPTO伝動軸とを突き合せ連結するとともに、前後進切換え部に支承した出力軸を走行系軸支部に支承した走行系伝動軸に突き合せ連結するよう構成し、
    油圧式無段変速ケースには、前記PTO系軸支部と同心のポンプ部と、前記走行系軸支部と同心のモータ部とを装備して、この油圧式無段変速ケースをミッションケースの前面に連結した状態では、ポンプ部に貫通支承された入力軸をPTO系軸支部に支承したPTO伝動軸と突き合せ連結するとともに、モータ部に備えられた出力軸を走行系軸支部に支承した走行系伝動軸に突き合せ連結するよう構成してあることを特徴とするトラクタの伝動構造。
  2. 前記中間仕切り壁より後方の区画内の走行伝動系に副ギヤ変速機構を配備してあることを特徴とする請求項1記載のトラクタの伝動構造。
  3. 前記中間仕切り壁より前方の区画内のPTO伝動系にPTOクラッチを配備してあることを特徴とする請求項1または2記載のトラクタの伝動構造。
  4. 前記中間仕切り壁より前方の区画内のPTO伝動系にPTO変速機構を配備してあることを特徴とする請求項1または2記載のトラクタの伝動構造。
  5. 前記ミッションケースの下端部に、ミッドPTO軸を支承するミッドPTOケースの取付け座を形成してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のトラクタの伝動構造。
  6. 前記ミッションケースの前半下部にミッドPTO軸を装備し、前記中間仕切り壁より前方の区画内に、PTO伝動系と前記ミッドPTO軸を連動連結する伝動機構と、前記リヤPTO軸および前記ミッドPTO軸からの動力取出し形態を切換え変更するPTOモード選択機構を配備してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のトラクタの伝動構造。
  7. 前記中間仕切り壁に前輪駆動系軸支部を設けるとともに、前記ギヤ変速ケースおよび油圧式無段変速ケースに、前記前輪駆動系軸支部と同心に前輪駆動用伝動軸を軸支可能に構成してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のトラクタの伝動構造。
  8. 前記クラッチハウジングに、前記前輪駆動用伝動軸から取り出された動力が伝達される前輪変速機構を内装してあることを特徴とする請求項7記載のトラクタの伝動構造。
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