JP2005263168A - 乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】下肢の保護作用をより一層高めることのできる乗員保護装置を提供する。
【解決手段】乗員保護装置を、衝突荷重を受けて変形する部材にそれぞれが結合され、且つ衝突荷重の作用する向きに沿って相対移動可能な固定体1及び可動体2と、これら2つの部分のうちの衝突初期により変形し難いサブビーム10と一体のダッシュボード9側に設けられたブレーキペダル14等と、衝突時に先に衝突荷重の影響を受けるメインビーム8と一体のフロア部4側に設けられたシートベルト付きシート5と、衝突荷重の作用方向に対向する向きの力をダッシュボード9側に加えるべく2つの部分同士間に設けられた制動部材16及びストッパ17と、衝突荷重の作用方向に対向する向きに移動するダッシュボード9側の慣性力を吸収すべく2つの部分同士間に設けられた荷重吸収体11とを有するものとする。
【選択図】図1
【解決手段】乗員保護装置を、衝突荷重を受けて変形する部材にそれぞれが結合され、且つ衝突荷重の作用する向きに沿って相対移動可能な固定体1及び可動体2と、これら2つの部分のうちの衝突初期により変形し難いサブビーム10と一体のダッシュボード9側に設けられたブレーキペダル14等と、衝突時に先に衝突荷重の影響を受けるメインビーム8と一体のフロア部4側に設けられたシートベルト付きシート5と、衝突荷重の作用方向に対向する向きの力をダッシュボード9側に加えるべく2つの部分同士間に設けられた制動部材16及びストッパ17と、衝突荷重の作用方向に対向する向きに移動するダッシュボード9側の慣性力を吸収すべく2つの部分同士間に設けられた荷重吸収体11とを有するものとする。
【選択図】図1
Description
本発明は、衝突時に乗員が受ける衝撃を最小化するための乗員保護装置に関するものである。
自動車が衝突した際に、車体が変形してダッシュボード等、車体の一部が車室内に侵入すると共に、慣性によって乗員が前方へ移動し、ダッシュボート等に乗員の下肢が突き当たることがあり得る。このことによって乗員の下肢に損傷が及ぶことを抑制するために、乗員の下肢に直接または内装材を介して当接する保護部材をダッシュボードの後方に設け、この保護部材の塑性変形によって乗員の下肢に加わる衝撃荷重を低減しようとする乗員保護装置が知られている(特許文献1を参照されたい)。
特開平11−059302号公報
しかるに、衝突時の車体変形モードは、座屈や曲げなどが複合しており、乗員に加わる衝撃荷重を正確に予測することは困難である。そのため、実際のところ、乗員の下肢に対向配置した衝撃吸収部材による保護効果には限界があった。
本発明は、このような不都合を解消すべく案出されたものであり、その主な目的は、下肢の保護作用をより一層高めることのできる乗員保護装置を提供することにある。
このような課題を解決するため、本発明の請求項1は、乗員保護装置を、衝突荷重を受けて変形する部材にそれぞれが結合され、且つ衝突荷重の作用する向きに沿って相対移動可能な2つの部分(固定体1、可動体2)と、これら2つの部分のうちの衝突初期により変形し難い第1の部分側(サブビーム10と一体のダッシュボード9)に設けられた乗員の足で踏まれる部材(ブレーキペダル14)と、第1の部分よりも先に衝突荷重の影響を受ける第2の部分側(メインビーム8と一体のフロア部4)に設けられたシートベルト付きシート(5)と、衝突荷重の作用方向に対向する向きの力を第1の部分側に加えるべく2つの部分同士間に設けられた制動力発生手段(制動部材16、ストッパ17)と、衝突荷重の作用方向に対向する向きに移動する第1の部分側の慣性力を吸収すべく2つの部分同士間に設けられた荷重吸収体(11)とを有するものとした。
また本発明の請求項2は、上記構成に加えて、乗員の足で踏まれる部材と第1の部分との間に圧潰可能な緩衝部材(15)を設けるものとした。
このような本発明によれば、第2の部分側だけが変形する軽衝突の場合と、両方の部分が共に変形する重衝突の場合とで、荷重吸収体による衝突荷重の吸収と、衝突時の減速度波形制御とに作用を分けることができるので、衝突の規模に応じた最適な衝撃吸収モードを実現し得る。また、乗員の足で踏まれる部材とシートとを互いに異なる部分に設けることにより、衝突初期にいち早く車両の後方へ下肢を移動させることができるので、ダッシュボードなどの予測不可能で不安定な室内侵入が下肢に傷害を与える危険性を好適に排除することができる。
特に乗員が足で踏む部材とダッシュボードとの間に設けた緩衝部材により、足を強く踏み込んだとき、あるいはダッシュボードが車室内に侵入したときの下肢に加わる衝撃荷重を大幅に緩和することができる。
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明に基づき構成された自動車の車体の概略構成を示している。この自動車の車室部分を構成するフロア及びダッシュボードは、車体外殻と実質的に一体をなす固定体1(第2の部分)と、固定体1の内側で固定体1に対して前後に移動可能な可動体2(第1の部分)との二重構造をなしている。可動体2のフロア部3は、固定体1のフロア部4上に設置されたシート5に干渉しないようにされた上で、例えばスライドボールベアリングなどの適宜な低摩擦摺動機構6を介して固定体1のフロア部4上に設置されている。
固定体1のダッシュボード部7の前面には、車体の略最前端まで延びるメインビーム8が固着されている。また可動体2のダッシュボード部9の前面には、固定体1のダッシュボード部7を貫通して車体の前方へ向けて延出されたサブビーム10が固着されている。このサブビーム10は、メインビーム8よりも座屈強度が高く設定され、しかもその前端をメインビーム8よりも後方に位置させている。
固定体1と可動体2との各ダッシュボード部7・9同士間には、例えばハニカム構造体などからなる所定の荷重で圧潰変形する荷重吸収体11が挟設されている。
固定体1のフロア部4上に設けられたシート5には、運転者12を拘束するためのシートベルト13が付設され、可動体2のダッシュボード部9には、ブレーキペダル14が設けられている。また可動体2のダッシュボード部9とブレーキペダル14との間には、所定の荷重で圧潰変形する緩衝部材15が設けられている。
固定体1のフロア部4の後端には、例えばハニカム構造体などからなる所定の荷重で圧潰変形する制動部材16が設けられている。そして可動体2のフロア部3の後端には、制動部材16が突き当たるストッパ17が設けられている。
次に本発明装置の衝突時の作用について説明する。
路上建造物などに自動車が正面衝突すると、図2に示すように、その前端がより突き出しているメインビーム8が先ず座屈変形を開始する。この時、メインビーム8の前後方向寸法が収縮する分だけ車室部分(固定体1並びに可動体2のダッシュボード部7・9及びフロア部3・4)は前方への移動を継続する。つまりメインビーム8に作用する座屈応力に応じた減速度で固定体1並びに可動体2の車室部分が減速する。
ここで車体前部に加わる衝突荷重が比較的小さく、固定体1並びに可動体2の各ダッシュボード部7・9同士間に挟設された衝撃吸収体11が変形せずに衝突荷重を支えられる程度の軽衝突時は、慣性質量の小さい可動体2は慣性質量の大きい固定体1と共に減速する(図4のAの領域)。
一方、シートベルト13でシート5に拘束された運転者12は、自身の慣性力が前方へ作用しているので、衝突の瞬間にブレーキペダル14を強く踏み込んで乗車姿勢を維持しようとする。このときの踏力でブレーキペダル14と可動体2のダッシュボード部9との間に設けられた緩衝部材15が圧潰変形し、足首など下肢への衝撃的な入力が緩和される(図4のBの領域)。
衝突が進行して路上構築物などにサブビーム10が突き当たると、図3に示すように、サブビーム10の圧縮強度が比較的高く設定されているので、サブビーム10は変形せずに固定体1と可動体2との各ダッシュボード部7・9同士間に挟設された衝撃吸収体11が圧潰変形し、可動体2の減速度が固定体1の減速度と等しく保たれ、下肢への過大な入力が抑制される(図4のCの領域)。
他方、大規模な重衝突時には、衝突初期はメインビーム8の座屈変形で車室部分の減速度を制限するが、サブビーム10の前端までもが早期に路上建造物に突き当たってしまう。ここでサブビーム10の座屈強度が比較的高く設定されているので、図5に示すように、慣性質量のより小さい可動体2は後方へ押し出され、これによって可動体2は固定体1よりもより高い減速度をもって減速する(図8のaの領域)。つまりシート5とシートベルト13で拘束された運転者12の上体は固定体1と共に減速するが、運転者の下肢の減速度がより高くなる。このとき、下肢が後退させられることで膝や足首が折り曲げられるが、ブレーキペダル14と可動体2のダッシュボード9との間に設けられた緩衝部材15が圧潰変形してこの時の衝撃荷重を吸収する。
さらに可動体2が後退すると、図6に示すように、そのフロア部3の後端のストッパ17が固定体1のフロア部4の後端の制動部材16に突き当たり、ストッパ17は制動部材16を圧縮変形させる。この時発生する制動部材16の座屈応力によって可動体2の後方移動速度が減速すると、可動体2上の下肢の後方移動も減速する。これは可動体2並びに下肢に前向きの加速度が作用したのに等しい(図8のb領域)。
制動部材16の変形が底付きすると、固定体1のダッシュボード部7が車室内に侵入しようとするが、図7に示すように、両ダッシュボード部7・9同士間の荷重吸収体11が圧潰変形して固定体1のダッシュボード部7の移動量並びに衝突荷重が吸収され、可動体2の減速度が固定体1の減速度と釣り合うようになり、可動体2のフロア部3への入力は低減される(図8のc領域)。
衝突終盤では、下肢および可動体2と、シート5、運転者12の上体、および固定体1の各減速度が釣り合い、全てが同じ減速度となり、この状態は車両が完全停止するまで継続する(図8のd領域)。
このようにして、下肢、特に足首への過大な入力が抑制される。
上記実施例においては、メインビーム8の前端をサブビーム10の前端よりも前方へ突出させることにより、衝突初期においてメインビーム8が先に衝突荷重を受け、シート5がより早期に衝突荷重の影響を受けられるものとしたが、これは両ビーム8・10の剛性差によってシート5に先に衝突荷重が加わるものとしても良い。また、ブレーキペダル14に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、ブレーキペダル以外の他のペダル或いはフットレストに適用することも可能である。
1 固定体
2 可動体
3 フロア部(可動側)
4 フロア部(固定側)
5 シート
7 ダッシュボード(固定側)
8 メインビーム
9 ダッシュボード(可動側)
10 サブビーム
11 荷重吸収体
13 シートベルト
14 ブレーキペダル
15 緩衝部材
16 制動部材
17 ストッパ
2 可動体
3 フロア部(可動側)
4 フロア部(固定側)
5 シート
7 ダッシュボード(固定側)
8 メインビーム
9 ダッシュボード(可動側)
10 サブビーム
11 荷重吸収体
13 シートベルト
14 ブレーキペダル
15 緩衝部材
16 制動部材
17 ストッパ
Claims (2)
- 衝突荷重を受けて変形する部材にそれぞれが結合され、且つ衝突荷重の作用する向きに沿って相対移動可能な2つの部分と、
前記2つの部分のうちの衝突初期により変形し難い第1の部分側に設けられた乗員の足で踏まれる部材と、
前記第1の部分よりも先に衝突荷重の影響を受ける第2の部分側に設けられたシートベルト付きシートと、
前記衝突荷重の作用方向に対向する向きの力を前記第1の部分側に加えるべく前記2つの部分同士間に設けられた制動力発生手段と、
前記衝突荷重の作用方向に対向する向きに移動する前記第1の部分の慣性力を吸収すべく前記2つの部分同士間に設けられた荷重吸収体とを有することを特徴とする乗員保護装置。 - 前記乗員の足で踏まれる部材と前記第1の部分との間に圧潰可能な緩衝部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004083092A JP2005263168A (ja) | 2004-03-22 | 2004-03-22 | 乗員保護装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004083092A JP2005263168A (ja) | 2004-03-22 | 2004-03-22 | 乗員保護装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005263168A true JP2005263168A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35088149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004083092A Pending JP2005263168A (ja) | 2004-03-22 | 2004-03-22 | 乗員保護装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005263168A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011104042A3 (de) * | 2010-02-24 | 2011-12-01 | Robert Bosch Gmbh | Fahrzeug mit deformierbarer fahrgastzelle |
-
2004
- 2004-03-22 JP JP2004083092A patent/JP2005263168A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011104042A3 (de) * | 2010-02-24 | 2011-12-01 | Robert Bosch Gmbh | Fahrzeug mit deformierbarer fahrgastzelle |
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