JP2005262799A - インクジェット記録用紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、インク吸収性に優れ、かつ印地面がこすれや押されによる傷がつきにくいインクジェット記録用紙とその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有する多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、該支持体のJIS P8125に基づくMD方向のテーバー剛度が0.3〜3.0mN・mであり、かつ親水性バインダーが電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)及びその製造方法に関し、詳しくは、インク吸収性に優れ、かつ印地面がこすれや押されによる傷がつきにくいインクジェット記録用紙及びその製造方法に関する。
近年、インクジェット記録方式においては、急速に画質向上が図られてきており、銀塩写真画質に迫りつつある。この様な銀塩写真画質をインクジェット記録方式で達成するための手段として、使用するインクジェット記録用紙においても急速な技術改良が進められている。
一般にインクジェット記録用紙に使われるインク受容層としては、例えば、高平滑性を有する支持体上に、インク吸収層としてゼラチンやポリビニルアルコールなどの親水性バインダーを塗布してインク受容層とするインクジェット記録用紙が知られている。このタイプの記録用紙は、バインダーの膨潤性を利用してインクを吸収する方法で、膨潤型インクジェット記録用紙と呼ばれている。
この膨潤型のインク受容層は、構成するバインダーが水溶性樹脂であるが故に、プリント後のインク乾燥性に難があり、画像や皮膜が水分に対して弱く耐水性に乏しく、更に昨今のインクジェットプリンターにおいては印画速度が早いため、バインダーの膨潤による吸収性がインクの吐出量や吐出速度に追いつかず、インク溢れやまだらとなり適応性がなく、高速印字には不適である等の問題があった。
そこで、変性ポリビニルアルコールと耐水化剤によるインク受容層が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。また、電離放射線により架橋された親水性樹脂によるインク受容層を有する水性インク用記録シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この様に、硬化されたバインダーをインク受容層とすることにより、画像や皮膜の耐水性は解決されているが、本来、樹脂の膨潤性によりインクを吸収させているものゆえ、インクの吸収性は改善されてはいない。
上記水系樹脂の膨潤性を利用してインクを吸収するタイプの膨潤型インクジェット用記録シートに対し、もう一方の方法として、微小な空隙を有する多孔質層をインク吸収層として設けた空隙型のインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この方法は、高インク吸収性と高速乾燥性を有しており、最も銀塩写真画質に近いものが得られる方法の一つになりつつある。
この多孔質層は、主に親水性バインダーと微粒子とで形成されており、微粒子としては無機または有機の微粒子が知られているが、一般的には、無機微粒子がより小粒径で高光沢の多孔質層を実現できるため好ましく用いられる。
このような無機微粒子に対して、比較的少量の親水性バインダーを使用することにより、無機微粒子間に空隙が形成されて高空隙率の多孔質層が得られる。
この空隙部は、毛管現象によりインクを吸収するので、ホウ酸等の架橋剤を併用してバインダーを架橋し、耐水性を向上させても、吸収速度を損なうことはないという利点を有している。
しかしながら、このような多孔質層を有するインクジェット記録用紙は、凹凸がある面の上で擦れたり押さえつけられたりすると印字面の光沢が変化したり、インク吸収性が低下することがある。
例えば、プリントした記録用紙を壁に貼り付けてそれを布でこすると、記録用紙の後ろ側の壁の凹凸が浮き出るように光沢が変化したり、あるいはプリンターでプリント時に搬送中に記録用紙がローラーで凹凸がある面に強く押さえつけられたりすると、その凹凸の模様が写ってインク吸収性が低下するといった問題があった。
特開昭63−18387号公報 特開平1−286886号公報 特開平10−119423号公報
本発明の目的は、インク吸収性に優れ、かつ印地面が擦れや押されによる傷がつきにくいインクジェット記録用紙とその製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
(請求項1)
支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有する多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、該支持体のJIS P8125に基づくMD方向のテーバー剛度が0.3〜3.0mN・mであり、かつ親水性バインダーが電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
(請求項2)
電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物が、重合度が500以上であり、かつ架橋基変性率が0.1〜4mol%である紫外線架橋型変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項3)
無機微粒子の平均粒径が5〜400nmのシリカ、アルミナ、またはアルミナ水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項4)
無機微粒子の平均粒径が5〜200nmの気相法シリカであり、かつシリカ表面の孤立シラノール基の比率が0.5〜1.1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項5)
親水性高分子化合物に対する無機微粒子の比率が、質量比で3〜50倍であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項6)
支持体が非吸水性であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項7)
インク受容層の吸収容量が15〜40ml/m2であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項8)
支持体の厚さが140〜300μmであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項9)
請求項1〜8の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法であって、該支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋する親水性高分子化合物とを含有する多孔質層を塗布後、発光主波長が300〜400nmであるメタルハライドランプを用いて波長350nmにおける照射エネルギーが0.1〜100mJ/cm2の紫外線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
本発明により、インク吸収性に優れ、かつ印地面が擦れや押されによる傷がつきにくいインクジェット記録用紙とその製造方法を提供することができた。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット記録用紙において、支持体のJIS P8125に基づくMD方向のテーバー剛度が0.3〜3.0mN・mであり、かつ親水性バインダーが電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物であると、インク吸収性に優れ、かつかつ印地面が擦れや押されによる傷がつきにくくなる理由は次のように考えている。
多孔質層を有するインクジェット記録用紙においては、インク受容層が少量の親水性バインダーと無機微粒子から構成され、その親水性バインダー間をホウ酸のような無機塩で架橋して無機微粒子を保持し多孔質層を形成しているが、架橋の結合に携わる原子数が少ないため架橋間距離が短く、しかもイオン性の結合様式になることが多いためインク受容層が脆弱となる。
特に、支持体に非吸収性支持体を使用した場合、吸水性支持体にみられるようなプリント後のコックリング(しわ)がなく、高平滑な表面を維持できる為、より高品位な印字プリントを得ることができる反面、このような非吸収性支持体を使用した記録用紙の場合はプリンターから塗出されるインクのすべてをインク受容層で吸収する必要があるため、インク受容層には高い吸収性能が求められ、そのため多くの塗工量が必要となり比較的厚膜の塗工となってインク受容層がさらに脆弱となる。
このような多孔質の記録用紙を凹凸がある面の上に置いて擦ったり押さえつけたりする場合、インク受容層が脆く、しかも支持体のいわゆる腰が弱いと、支持体が凹凸にあわせて変形し、凸部に応力が集中してその上にあるインク受容層の空隙がつぶれてしまい、インクの吸収が阻害されたり、光沢ムラが発生すると考えられる。
しかしながら、親水性バインダーが電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物からなる多孔質層であると架橋の結合が共有結合でしかも架橋に携わる原子数が多いため架橋間距離が長くなり、無機塩で架橋された親水性バインダーからなる多孔質層よりも皮膜が粘り強くなると思われる。さらに支持体のMD方向のテーバー剛度が0.3mN・m以上であれば、必要以上の支持体の変形が抑えられ、上記のような問題が起こりにくくなるものと考えている。また支持体のMD方向のテーバー剛度が3.0mN・m以内であると、記録用紙がプリント時の搬送中に丸まるなど適度に変形して搬送されやすくなるため好ましい。
本発明のインク需要層に用いられる水溶性の電離放射線により架橋する高分子化合物とは、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、反応を起こして架橋反応をする水溶性の樹脂であり、架橋反応前には水溶性であるが、架橋反応後には実質的に非水溶性となる樹脂であり、かかる樹脂は架橋反応後も親水性を有し、十分なインクとの親和性を維持するものである。
このような樹脂としては、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。なかでも、光二量化型、光重合型の変性基により変性した樹脂が、感度または樹脂自身の安定性の観点から好ましい。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、たとえば1級アミノ基ないし4級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、たとえば特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になるアジド基のような硬化後カチオン性になる樹脂、たとえば特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)があげられる。具体的には、例えば次のような物が上げられる。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、又は式(3)で表される4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2005262799
樹脂の具体例は該公報中の実施例1−2に、樹脂の構成成分及びその使用割合は該公報第2頁に記載されている。
特開昭60−129742号公報には感光性樹脂として、ポリビニルアルコール構造体中に式(4)または式(5)の構造を有する樹脂組成物があげられている。
Figure 2005262799
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062開示されている下記式(6)で示される構造を有する樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2005262799
本発明に係る親水性高分子化合物において重合度や架橋密度は、皮膜形成時の強度や柔軟性に影響し、重合度が低かったり架橋変性基が多すぎたりすると塗布乾燥時のひび割れや乾燥塗膜の折れ割れといった故障が生じてしまう。したがって重合度は400〜5000であることが好ましく、1000〜4000であることがより好ましい。また、セグメントに対する電離放射線反応架橋基の変性率が0.1〜4mol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜2mol%である。
なお、本発明においては、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来公知の親水性樹脂を併用しても良い。公知の親水性樹脂としては例えばゼラチン、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶性ポリビニルブチラール等を挙げることができる。
本発明においては、光開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光開始材、光増感剤について特に制限はないが、一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等があげられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
本発明の多孔質層を有するインク吸収層は無機微粒子を含有する。インク吸収層に使用される無機微粒子の例として、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
これら無機微粒子は、1次粒子のまま均一に分散された状態で用いられていても、また2次凝集粒子を形成して分散された状態で用いられていても良い。
無機微粒子の平均粒子径は5〜400nmのものがインク受容層の光沢の点で好ましい。ここでいう無機微粒子の平均粒子径は、空隙層の断面や表面を走査型電子顕微鏡で観察し、複数個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均値)として求めることができる。ここにおいて、個々の粒径はその投影面積に等しい円を想定した時の直径で表したものである。
本発明においては、インク受容層に微細な空隙を形成でき、さらにインク受容層の光沢の点で平均粒子径が5〜400nmの気相法により合成されたシリカまたはアルミナ、およびアルミナ水和物が好ましく、特に平均粒径が5〜200nmであり、かつ表面の孤立シラノール基の比率が0.5〜1.1である気相法シリカが好ましい。
本発明に係る多孔質層において、親水性高分子化合物に対する無機微粒子の比率は、質量比で3〜50倍であることが好ましい。質量比が3倍未満であると多孔質層の空隙率が低いためインク受容層の脆弱性が小さく、凹凸がある面の上で擦れたり押さえつけられたりした時の印字面の光沢の変化目立たなくなるが、インク吸収性が低下して印字時にインク溢れやまだらといった現象が起こる。質量比が3倍以上であれば、多孔質層の空隙率は良好であり、充分な吸収容量が得やすい。一方、この比率が50倍以下であれば、多孔質層を厚膜で塗布した際に、ひび割れが生じにくく好ましい。特に好ましい親水性高分子化合物に対する無機微粒子の比率は、5〜20倍である。
本発明に係る多孔質層からなるインク受容層は、その塗工されたインク受容層が15〜40ml/m2の吸収容量を持つことが好ましい。吸収容量が15ml/m2未満ではインク受容層が比較的薄くなり多孔質層であるインク受容層の脆弱性があまり影響せず、凹凸がある面の上で擦れたり押さえつけられたりした時の印字面の光沢の変化やインク吸収性が低下が目立たない反面、吸収容量が少ないため印字時に吐出されたインクを吸収しきれず、画像が乱れてしまうことがある。また40ml/m2以下であれば多孔質層を塗布乾燥した際に、ひび割れが生じにくい。
ここでいう吸収容量とは、最終的に得られる記録用紙を、J.TAPPI 51に規定される紙および板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)で測定したときの、接触時間が2秒における液体転移量を測定したり、または単位体積の塗膜を水につけたときに発生した気泡の体積や塗膜が吸収しうる水の体積を測定するなどの方法で定義される。
インク受容層に用いられる無機微粒子の使用量は上記吸収容量と空隙率から決まり、無機微粒子の種類や親水性高分子と無機微粒子の比率に依存するが、おおむねインクジェット記録用紙1m2あたり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
本発明に係るインク受容層やインク吸収層を形成する水溶性塗布液中には、各種の添加剤を添加することもできる。そのような添加剤としては例えば、媒染剤としてカチオン性媒染剤や多価金属化合物、界面活性剤(例えば、カチオン、ノニオン、アニオン、両性界面活性剤)、白地色調調整剤、蛍光増白剤、防黴剤、粘度調整剤、低沸点有機溶媒、高沸点有機溶媒、ラテックスエマルジョン、退色防止剤、紫外線吸収剤、マット剤、シリコンオイル等が挙げられる。
カチオン媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基および第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が用いられるが、長期保存での変色や耐光性の劣化が少ないこと、染料の媒染能が充分高いことなどから、第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好ましい。好ましいポリマー媒染剤は、上記第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。
また、多価金属化合物としてはアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属塩があげられる。中でもマグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、カルシウム、亜鉛からなる化合物は無色の為好ましい。また、水溶性の多価金属イオンの塩として、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマーを使用しても良い。
カチオン性ポリマー、あるいは水溶性の多価金属化合物の使用量は、無機微粒子に対する質量比で10質量%以下、より好ましくは8質量%以下であることがインク吸収性の劣化を抑制する為に好ましい。
カチオン性ポリマー、あるいは水溶性の多価金属化合物の添加方法としては、塗布液に直接添加して塗布する方法のほか、記録媒体の塗布乾燥後にカチオン性の樹脂や水溶性の多価金属化合物の水溶液をオーバーコートして乾燥するといった方法でもかまわない。
本発明のインクジェット記録媒体の支持体としては従来知られている公知の支持体の中で、該支持体のJIS P8125に基づくMD方向のテーバー剛度が0.3〜3.0mN・mであるものを使用することができ、吸水性支持体であってもよいが、非吸水性支持体であることが好ましい。
本発明で使用することができる吸水性支持体としては、例えば一般の紙、布、木材等を有するシートや板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。また必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。
上記紙支持体中には必要に応じてサイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加物を添加することができる。
紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることもできる。
本発明で好ましく使用できる非吸水性支持体としては、透明支持体、不透明支持体がある。透明支持体としてはポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもOHPとして使用されたときの輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、不透明支持体としては、例えば基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなる、いわゆるホワイトペットが好ましい。
前記各種支持体とインク吸収層の接着強度を大きくする目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引き処理等を行うことが好ましい。更に、本発明のインクジェット記録媒体は必ずしも無色である必要は無く、着色されたものであってもよい。
本発明のインクジェット記録媒体では原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体について以下に説明する。
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSPおよび/またはLDPの比率は10〜70質量%が好ましい。
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増箔剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%であることが好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に80〜200gが好ましい。原紙の厚さは80〜250μmが好ましい。
原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理をして高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。さらに原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面および裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特にインク吸収層側のポリエチレン層は写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリエチレンに対して通常3〜20質量%、好ましくは4〜13質量%である。
ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行って、通常の写真用紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものでも本発明で使用できる。
上記ポリエチレン被覆紙においては紙中の含水率を3〜10質量%に保持するのが特に好ましい。
上記支持体の厚さは紙支持体やそれを被覆するポリエチレンの厚さによるが、おおむね140〜300μmがプリント時の搬送性の点で好ましい。
支持体のMD方向のテーバー剛度を0.3〜3.0mN・mにする方法としては、支持体に用いる原紙中のセルロースパルプの種類を変更する、叩解を弱くする、填料の添加量の調整をする、紙力増強剤等の接着剤の量を増やす、表面サイズの実施、表面サイズ剤の塗布量を増加する、マシンカレンダー処理を軽度にする、紙の坪量、厚みを増加させること等で達成できるが、これらの方法に限定されるものではない。
上記支持体のインク受容層面側には、インク受容層との接着性を改良する目的で、下引き層を設けることができる。下引き層のバインダーとしては、ゼラチンやポリビニルアルコール等の親水性ポリマーやTgが−30〜60℃のラテックスポリマーなどが好ましい。これらバインダーは、記録用紙1m2当たり0.001〜2gの範囲で用いられる。下引き層中には、帯電防止の目的で、従来公知のカチオン性ポリマーなどの帯電防止剤を少量含有させることができる。
上記支持体のインク受容層面側とは反対側の面には、滑り性や帯電特性を改善する目的でバック層を設けることもできる。バック層のバインダーとしては、ゼラチンやポリビニルアルコール等の親水性ポリマーやTgが−30〜60℃のラテックスポリマーなどが好ましく、またカチオン性ポリマーなどの帯電防止剤や各種の界面活性剤、更には平均粒径が0.5〜20μm程度のマット剤を添加することもできる。バック層の厚みは、概ね0.1〜1μmであるが、バック層がカール防止のために設けられる場合には、概ね1〜20μmの範囲である。また、バック層は2層以上から構成されていても良い。
本発明のインクジェット記録用紙の製造において、支持体上にインク受容層塗布液を塗設する際に用いる塗布方法としては、公知の方法から適宜選択して行うことができ、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
本発明の記録用紙に係る多孔質層は、単層であっても2層以上で構成されていても良く、2層以上で構成されている場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。また2層以上で構成する場合には、全ての構成層を同時に塗布する方法であることが、生産性向上の観点から好ましい。
本発明のインクジェット記録用紙の製造方法においては、電離放射線により高分子化合物と無機微粒子とが架橋形成されうる構造を含む塗布液を塗布し、該塗工層の総固形分濃度が5〜90%の時に電離放射線を照射して塗工層をゲル化させ、その後乾燥することを特徴とする。本発明でいう電離放射線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や取り扱いが容易で、かつ工業的にもその利用が普及している点で電子線または紫外線が好ましい。
電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。電子線の加速電圧は、塗膜の比重と膜圧により適時変化させることができるが、20kV〜300kVが適当である。電子線の照射量は0.1〜20Mradの範囲が好ましい。
紫外線の光源としては例えば100Pa〜1MPaの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。
特に光源の波長に300nm以下の紫外線が含まれる場合や、照射エネルギーとして100J/cm2を超える場合には、電離放射線架橋性樹脂の母核、または共存させる各種添加剤が電離放射線により分解を起こし、本発明の効果を得られないだけでなく、分解物に由来する臭気などの問題を生ずる可能性がある。逆に、照射エネルギーが0.1mJ/cm2に満たない場合では、架橋効率が不足し、本発明の効果を十分に得ることができなくなる。したがって、光源としては300nm以下の波長光をカットするフィルターを設けることが好ましく、ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては10mW/cm2〜10kW/cm2が好ましい。本発明では照射エネルギーとしては0.1mJ/cm2〜100mJ/cm2であることが好ましく、1mJ/cm2〜50mJ/cm2であることがより好ましい。
同一積算光量(mJ/cm2)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。照度が好ましい範囲にある場合には、表層の架橋度合いも低く、深部方向への光透過性が高いため緩やかな架橋が深部方向へ均一に形成される。照度が低すぎる場合には、必要積算照度を与える場合に照射時間がかかってしまい、設備導入等の面で不利であるばかりでなく、塗膜による紫外線の散乱による絶対光線量が不足するため好ましくない。
本発明のインクジェット記録用紙を用いて画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好ましく用いられる。
上記水性インクとは、下記着色剤及び液媒体、その他の添加剤を有する記録液体である。着色剤としては、インクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料あるいは水分散性顔料が使用できる。
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
その他の水性インクの添加剤としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、等が挙げられる。
水性インク液は記録用紙に対する濡れ性を良好にするために、20℃において、通常、0.025〜0.06N/m、好ましくは0.03〜0.05N/mの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。上記インクのpHは、好ましくは5〜10であり、特に好ましくは6〜9である。
以下、本発明の効果について実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中に記載の「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
〈支持体の作製〉
支持体に用いる紙のマシンカレンダー処理強度、紙の厚みを変化させて作成した原紙の裏面に押し出し塗布法により密度が0.92の低密度ポリエチレンを32μmの厚さで塗布した。ついで表側にアナターゼ型チタン8質量%含有する密度が0.92の低密度ポリエチレンを34μmの厚さで押し出し塗布法で塗布して両面をポリエチレンで被覆後、さらにインク受容層面側に0.05g/m2のゼラチン下引き層、反対側にTgが約80℃のラテックスポリマーを0.2g/m2含有するバック層をつけ、表1に示すようなMD方向のテーバー剛度の支持体を作製した。
〈電離放射線により架橋される高分子化合物水溶液A−1〜A−5の作製〉
特開2000−181062号を参考にして、重合度2400、ケン化度88%のポリビニルアルコールにp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを反応させ、前記式(6)の構造を有する紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液A−1(架橋基変性率1mol%、固形分濃度10%)を作製した。
原料のポリビニルアルコールの重合度を変更した以外はA−1と同様にして、重合度1700で架橋基変性率1mol%の樹脂水溶液(A−2)、重合度300で架橋基変性率1mol%の樹脂水溶液(A−3)、重合度2500で架橋基変性率2mol%の樹脂水溶液(A−4)を作製した。また前記式(4)で示されるスチルバゾニウム基を導入した紫外線重合型ポリビニルアルコール誘導体の水溶液A−5(重合度2400、架橋基変性率1mol%、固形分濃度10%)も同様にして作製した。
〈無機微粒子分散液S−1の作製〉
高速攪拌分散機を用いて、硝酸でpH4に調整した1%エタノール水溶液700ml中に平均一次粒子径が12nmでBET法により測定した比表面積が200m2/gの気相法シリカを200g徐々に加えて分散した。次いでこの液に下記カチオン性ポリマー(1)の25%水溶液85gを加え、さらにサンドミルで分散液中の無機微粒子の平均二次粒子径が0.2μm未満になるまで分散し、最後に純水を加えて1000mlに仕上げ、無機意微粒子分散液S−1を得た。なお、分散液中での無機微粒子の平均二次粒子径は、分散液を50倍に希釈し動的光散乱方式粒子径測定装置ゼータサイザー1000HB(マルバーン社製)を用いて測定した値である。
Figure 2005262799
〈無機微粒子分散液S−2、S−3の作製〉
高速攪拌分散機を用いて、硝酸でpH4に調整した1%エタノール水溶液700ml中に平均一次粒子径が13nmの気相法アルミナを280g徐々に加えて分散した。その後さらにサンドミルで分散液中の無機微粒子の平均二次粒子径が0.2μm未満になるまで分散し、最後に純水を加えて1000mlに仕上げ、無機微粒子分散液S−2を作製した。
同様にして、無機微粒子を平均一次粒子が100×10nmの針状の疑ベーマイトに替えて無機微粒子分散液S−3を作製した。
〈無機微粒子分散液S−4の作製〉
無機微粒子分散液S−1の作製において、カチオン性ポリマー水溶液添加後、さらにホウ酸3.0g、ホウ砂3.0gを溶解した水溶液85mlを添加し、その後は同様にしてサンドミルで分散を行い、最後に純水を加えて1000mlに仕上げて無機微粒子分散液S−4を作製した。
〈記録用紙1の作製〉
125mlの微粒子分散液S−1を40℃に加温し、ここに50gの電離放射線により架橋される高分子化合物の水溶液A−1と光重合開始剤(日本化薬製 カヤキュアQTX)0.07gとを攪拌しながら徐々に添加し、最後に純水で250mlに仕上げて、インク受容層塗布液を調製した。なお、高分子化合物に対する無機微粒子の質量比(無機微粒子/高分子化合物)をP/Bとして表1に示す。
次いで、表1に示す支持体に、上記塗布液をバーコーターにより湿潤膜厚160μmとなるように塗布し、その後、365nmに主波長を持つメタルハライドランプに300nm以下の波長をカットするフィルター(岩崎電気(株)製:365フィルター)を設け、照度100mw/cm2でエネルギー量として30mJ/cm2となるように紫外線を照射し、その後、80℃の熱風型オーブンで乾燥させて記録用紙1を作製した。
〈記録用紙2〜5の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙2〜5を作製した。
〈記録用紙6〜8の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更し、無機微粒子分散液をS−1からS−2に変更した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙6〜8を作製した。
〈記録用紙9〜11の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更し、無機微粒子分散液をS−1からS−3に変更した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙9〜11を作製した。
〈記録用紙12〜15の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更し、電離放射線により架橋される高分子化合物の水溶液A−1をA−5に変更した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙12〜15を作製した。
〈記録用紙16〜18の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更し、電離放射線により架橋される高分子化合物の水溶液A−1を表1に示すA−2〜A−4に変更した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙16〜18を作製した。
〈記録用紙19および20の作製〉
125mlの微粒子分散液S−4を40℃に加温し、ここに10%の未変性のポリビニルアルコール水溶液(重合度2400、ケン化度88%)50gを攪拌しながら徐々に添加し、最後に純水で250mlに仕上げて、インク受容層塗布液を調製した。なお、高分子化合物に対する無機微粒子の質量比(無機微粒子/高分子化合物)をP/Bとして表1に示す。
次いで、表1に示す支持体に、上記塗布液をバーコーターにより湿潤膜厚160μmとなるように塗布し、その後80℃の熱風型オーブンで乾燥させて記録用紙19および20を作製した。
〈記録用紙21および22の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更し、電離放射線により架橋される高分子化合物の水溶液A−1の添加量を50gから125gに変更した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙21および22を作製した。
〈記録用紙23の作製〉
支持体を表1に示すテーバー剛度のものに変更し、湿潤膜厚を80μmとなるように塗布した以外は記録用紙1と同様にして記録用紙23を作製した。
(記録用紙の各特性の評価)
以上により作製した各記録用紙について、以下に記載の方法により評価を行った。
〈吸収容量の測定〉
80mm×100mmの各記録用紙を、25℃50%RHの雰囲気下で24時間調湿した後、この試料を純水中に10秒間浸漬した。この際、水の吸収に伴って試料の空隙中の空気が追い出されて試料表面に気泡として付着するが、この気泡が吸水を妨げるので、試料を適度に振動させて気泡の除去を行った。次いで10秒後に水中から試料を引き上げ、速やかにろ紙でその表面の水分を取り除いた後、浸漬前後の質量を測定し、その質量変化を吸収容量として求めた。
〈インク吸収性の評価〉
各記録用紙に、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−800Cで反射濃度が1.0のニュートラルグレー色を印字し、画像印字部を目視観察して下記の判定基準に従いインク吸収性の評価を行った。△以上であれば実用上許容の範囲であると判断した。
◎:20cmの観察距離でも印字画像のムラが全く認められない
○:20cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められるが、30cmの観察距離では印字画像のムラは認められない
△:30cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められるが、50cmの観察距離では印字画像のムラは認められない
×:50cmの観察距離でも印字画像のムラが認められる
〈擦れ評価・光沢ムラ〉
平面性が保たれた定盤に幅5mm、厚さ0.2mmのステンレスの板を2cm間隔で貼り付けた評価台を準備した。ここへ10cm四方の記録用紙を印字面を上にして貼り付け、その上から平面性を保った10cm四方の底面を持つ重さ2kgのステンレス製のおもりをあてがい、機械的に30回往復させて印字面を擦った。その後、目視で記録用紙の印字面の光沢のムラの評価を行った。△以上であれば実用上許容の範囲であると判断した。
◎:印字面の光沢は均一でムラが全く認められない
○:ステンレスの板の跡に沿って目立たない程度の光沢のムラがわずかに認められる。
△:ステンレスの板の跡に沿って光沢のムラが認められるが、美観を損ねることはない。
×:ステンレスの板の跡に沿って光沢のムラがくっきりと生じ、美観を損ねる。
〈擦れ評価・吸収ムラ〉
擦れ評価・光沢ムラと同様にして記録用紙を擦り、その後セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−800Cで反射濃度が1.0のニュートラルグレー色を印字し、画像印字部を目視観察して下記の判定基準に従いインク吸収性の評価を行った。△以上であれば実用上許容の範囲であると判断した。
◎:印字画像は均一でムラが全く認められない
○:ステンレスの板の跡に沿って目立たない程度の印字ムラがわずかに認められる。
△:ステンレスの板の跡に沿って印字ムラが認められるが、美観を損ねることはない。
×:ステンレスの板の跡に沿って印字ムラがくっきりと生じ、美観を損ねる。
以上の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2005262799
表1に示す結果のとおり、本発明の記録用紙は高いインク吸収性および耐擦れ性を有していることがわかる。一方比較例の記録用紙は、擦れにより光沢ムラや吸収ムラが生じ、擦れ耐性がないことがわかった。

Claims (9)

  1. 支持体上に無機微粒子と親水性バインダーを含有する多孔質のインク受容層を有するインクジェット記録用紙において、該支持体のJIS P8125に基づくMD方向のテーバー剛度が0.3〜3.0mN・mであり、かつ親水性バインダーが電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 電離放射線により架橋または重合された親水性高分子化合物が、重合度が500以上であり、かつ架橋基変性率が0.1〜4mol%である紫外線架橋型変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 無機微粒子の平均粒径が5〜400nmのシリカ、アルミナ、またはアルミナ水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 無機微粒子の平均粒径が5〜200nmの気相法シリカであり、かつシリカ表面の孤立シラノール基の比率が0.5〜1.1であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 親水性高分子化合物に対する無機微粒子の比率が、質量比で3〜50倍であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 支持体が非吸水性であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  7. インク受容層の吸収容量が15〜40ml/m2であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  8. 支持体の厚さが140〜300μmであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法であって、該支持体上に無機微粒子と電離放射線により架橋する親水性高分子化合物とを含有する多孔質層を塗布後、発光主波長が300〜400nmであるメタルハライドランプを用いて波長350nmにおける照射エネルギーが0.1〜100mJ/cm2の紫外線を照射し、その後乾燥することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
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