JP2005262616A - マスターモデル、マスターモデルを用いたタイヤ成形用金型の製造方法及びタイヤ成形用金型 - Google Patents

マスターモデル、マスターモデルを用いたタイヤ成形用金型の製造方法及びタイヤ成形用金型 Download PDF

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Abstract

【課題】作業者の熟練を不要とし、しかも安価に製品品質の安定化を実現することができるマスターモデル、そのマスターモデルを用いたタイヤ成型用金型の製造方法及びタイヤ成形用金型を提供すること。
【解決手段】サイプ形状を模した打ち込み用ブレード10の一縁部に複数の脚部11が一体に突出形成され、樹脂材料若しくは石膏材料からなるマスターモデル31のモデル表面31aに打ち込み用ブレード10の各脚部11が打ち込まれてモデル表面31aから打ち込み用ブレード10が立設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タイヤのトレッド部のパターン、特にそのサイプ形状を形成するためのブレードを用いたマスターモデル、そのマスターモデルを用いたタイヤ成形用金型の製造方法及びタイヤ成形用金型に関するものである。
従来から、加工し易い樹脂材料や石膏材料からなるマスターモデルによってゴム型を反転製作し、そのゴム型を石膏等の材質からなる鋳型へとさらに反転し、その鋳型を乾燥させてからリング状に組み立て、それらの鋳型を鋳枠で囲んで合金(例えば、アルミ)溶湯を鋳枠内へと流し込んで鋳造した後、鋳物を所定の外周形状に加工してタイヤ成型用金型を作製するタイヤ成形用金型が周知である。
また、このようなタイヤ成形用金型には、成形後のタイヤのトレッドパターンの一部として細かな溝状のサイプを形成するためのブレードを立設させたものも知られている。
図4は、このようなブレードを有するタイヤ成形用金型の製造方法を時系列で示した説明図である(例えば、特許文献1参照。)。
図4に示したタイヤ成形用金型の製造方法は、マスターモデルからゴム型に反転された後、そのゴム型から反転された石膏等の材質からなる鋳型1の表面に加工具2を用いてブレード埋設用溝3を加工した後(図4(A)参照)、そのブレード埋設用溝3に所定形状のブレード4を埋設(図4(B)参照)した状態で鋳造によってタイヤ成形用金型5にブレード4を移設(図4(C)参照)している。
また、このようなブレード4を鋳型1の表面に埋設させるものとしては、加工具2の代わりにNC加工機を用いた方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−334531号公報(図4) 特開2001−071093号公報(図6)
しかしながら、上記したタイヤ成形用金型の製造方法、例えば、特許文献1に開示のものにあっては、加工具2を用いてブレード埋設用溝3を鋳型1の表面に加工するものであるため、その加工を行うための作業者に熟練を要するうえ、タイヤ成形用金型5のブレード取り付け位置にばらつきが発生して安定したタイヤ成形用金型5を提供することが困難であるという問題が生じていた。
一方、特許文献2に開示のNC加工機を用いたものにあっては、上述したような作業者の熟練や製品のばらつきといった問題は発生しないものの、NC加工機が大型でしかも高価であることから、作業スペースを充分に確保した大型な金型製造工場を必要とし、タイヤ成形用金型5の製造コストが高騰してしまうといった新たな問題が発生していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者の熟練を不要とし、しかも安価に製品品質の安定化を実現することができるマスターモデル、そのマスターモデルを用いたタイヤ成型用金型の製造方法及びタイヤ成形用金型を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明に係るマスターモデルは、タイヤトレッド部のサイプを形成するためのサイプ形状を模した打ち込み用ブレードの一縁部から複数の脚部が一体に突出され、該複数の脚部が樹脂材料若しくは石膏材料からなるモデル表面に打ち込まれて該モデル表面から前記打ち込み用ブレードが立設されていることを特徴とする。
本発明においては、サイプ形状を模した打ち込み用ブレードの一縁部に複数の脚部が一体に突出形成され、樹脂材料若しくは石膏材料からなるマスターモデルのモデル表面に前記打ち込み用ブレードの各脚部が打ち込まれてモデル表面から打ち込み用ブレードが立設されることにより、加工具を用いて多数の細かいブレード埋設溝を形成するといった煩雑且つ熟練を要する作業を行うことなく容易且つ安定してサイプ形成用ブレードを植え込みすることができる。
第2の発明に係るマスターモデルは、上記第1の発明において、前記打ち込み用ブレードが平面視略直線状であり且つ前記脚部が正面視矩形であることを特徴とする。
第3の発明に係るマスターモデルは、上記第1の発明において、前記打ち込み用ブレードが平面視略波線状であり且つ前記脚部が正面視先細りの三角形であることを特徴とする。
第4の発明に係るマスターモデルは、上記第3の発明において、前記脚部の先端が波線状に屈曲された屈曲頂点の稜線と略同一線上に位置していることを特徴とする。
上記目的を達成するために、第5の発明に係るタイヤ成形用金型の製造方法は、上記第1乃至第4の何れか1つに記載のマスターモデルを用いてゴム型を反転製作すると同時にそのゴム型にサイプ形成用ブレード打ち込み溝を形成し、そのサイプ形成用ブレード打ち込み溝にサイプ形成用ブレードを植え込んだゴム型を用いて石膏等の材質からなる鋳型を反転製作すると同時にその鋳型へと前記サイプ形成用ブレードを移設し、その鋳型を用いて鋳造によってタイヤ成形用金型を反転製作すると同時にそのタイヤ成形用金型に前記サイプ形成用ブレードを移設することを特徴とする。
上記目的を達成するために、第6の発明に係るタイヤ成形用金型の製造方法は、複数の脚部を突出させたサイプ形成を模した打ち込み用ブレードを板金から打ち抜き若しくは切断加工により成形する打ち込み用ブレード成形ステップと、樹脂若しくは石膏によりマスターモデルを成形するマスターモデル成形ステップと、前記マスターモデルに前記打ち込み用ブレードの前記脚部を打ち込む脚部打ち込みステップと、前記打ち込み用ブレードを立設した前記マスターモデルに溶融ゴム材料を流し込んでゴム型を反転成形するゴム型成形ステップと、前記打ち込み用ブレードによって表面に開放したサイプ形成用ブレード埋め込み用溝を形成しつつ前記マスターモデルから前記ゴム型を離型するゴム型離型ステップと、前記サイプ形成用ブレード埋め込み用溝にサイプ形成用ブレードを植え込むブレード打ち込みステップと、前記サイプ形成用ブレードを植え込んだ前記ゴム型に石膏材料を流し込んで鋳型を反転成形する鋳型成形ステップと、前記サイプ用ブレードを移設しつつ前記ゴム型から前記鋳型を離型する鋳型離型ステップと、前記鋳型に合金材料を流し込んでタイヤ成形金型を反転成形するタイヤ成形金型成形ステップと、前記サイプ用ブレードを移設しつつ前記鋳型から前記タイヤ成形金型を離型するタイヤ成形金型離型ステップと、を備えていることを特徴とする。
第7の発明に係るタイヤ成形金型は、上記第5又は第6に記載のタイヤ成形金型の製造方法により成形されたことを特徴とする。
本発明によれば、作業者の熟練を不要とし、しかも安価に製品品質の安定化を実現することができるマスターモデルを得ることができ、このマスターモデルを用いてタイヤ成型用金型を容易に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態のタイヤ成形用金型の製造工程を時系列に示す説明図、図2(A)は本発明のタイヤ成形用金型に使用される打ち込み用ブレードの一例を示す斜視図、図2(B)は脚部の正面図、図3(A)は本発明のタイヤ成形用金型に使用される打ち込み用ブレードの他例を示す斜視図、図3(B)は脚部の正面図である。
(打ち込み用ブレード)
まず、図2及び図3に基づいて打ち込み用ブレードの説明をする。
図2(A)において、打ち込み用ブレード10は、板金の打ち抜き加工若しくはレーザー等の切断加工により形成されており、その一縁の両端付近(とその中央)等の複数箇所に脚部11が一体に突出形成されている。
この脚部11は、図2(B)に示すように、正面視矩形に形成されており、例えば、その突出長さは3mm、その巾は1mmとなっている。
尚、この打ち込み用ブレード10は、その平面視形状(図の脚部11と反対側の縁部形状)がタイヤ形成時のトレッドパターンの一部を構成するサイプ形状に一致する。
従って、図3(A)に示すように、サイプ形状が波型の場合には、打ち込み用ブレード20も平面視波型に形成される。このような場合には、板金を打ち抜き若しくはレーザー等の切断加工を施した後に、波型に屈曲プレスされる。
また、このような波型とした場合、図3(B)に示すように、脚部21は先端を先細りとした正面視三角形状となっており、その頂点が波型に屈曲させた際の稜線に一致するように設定されている。
(タイヤ成形用金型の製造)
上述した打ち込み用ブレード10,20(以下、打ち込み用ブレード10の場合で説明する)は、図1(A),(B)に示すように、360°を分割(例えば4分割)した状態で所定形状に形成された樹脂材料若しくは石膏材料といった加工が容易な材料から形成されたマスターモデル31の表面31aに脚部11が打ち込まれる。
この表面31aに打ち込み用ブレード10を立設したマスターモデル31に溶融ゴム材料を流し込んでゴム型32を反転成形する(図1(C)参照)。
この際、打ち込み用ブレード10は、脚部11がマスターモデル31に食い込んでいることにより、マスターモデル31から離脱することが防止されているが、例え、ゴム型32に打ち込み用ブレード10が入り込んでマスターモデル31から離脱してしまったとしても、ゴム型32の表面からは脚部11が露出した状態となるため、その脚部11を工具(例えば、ペンチなど)によって容易に抜き出すことができる。
次に、打ち込み用ブレード10によって表面に開放したサイプ形成用ブレード埋め込み用溝32aを形成しつつマスターモデル31からゴム型32を離型する(図1(D)参照)。
さらに、サイプ形成用ブレード埋め込み用溝32aにサイプ形成用ブレード33を植え込み(図1(E)参照)、そのサイプ形成用ブレード33を植え込んだゴム型32に石膏材料を流し込んで鋳型34を反転成形する(図1(F)参照)。
この状態から、サイプ用ブレード33を移設しつつゴム型32から鋳型34を離型(図1(G)参照)した後、その鋳型34に合金材料(例えば、アルミ合金)を流し込んでタイヤ成形金型35を反転成形(図1(H)参照)し、最後にサイプ用ブレード33を移設しつつ鋳型34からタイヤ成形金型35を離型(図1(I)参照)する。
このように、本発明のマスターモデル31にあっては、接着剤等の固定手段を用いることなくマスターモデル31の表面31aに打ち込み用ブレード10,20を容易に配置することができ、その打ち込み用ブレード10,20にて形成されたサイプ形成用ブレード埋め込み用溝32aにサイプ形成用ブレード32を埋め込むことによって以降の各型33,34,35に順次移設していくことが可能となり、特殊で且つ熟練を要せず、しかも、タイヤ形状や目的(例えば、スタッドレス)によって複雑且つ大量に形成されるサイプの数に応じて大量に配置するための溝を離型と同時に容易に形成することができる。
(A)〜(I)は本実施形態のタイヤ成形用金型の製造工程を時系列に示す説明図である。 (A)は本発明のタイヤ成形用金型に使用されるブレードの一例を示す斜視図、(B)は脚部の正面図である。 (A)は本発明のタイヤ成形用金型に使用されるブレードの他例を示す斜視図、(B)は脚部の正面図である。 (A)〜(C)は従来のタイヤ成形用金型の製造工程を時系列に示す説明図である。
符号の説明
10…打ち込み用ブレード、11…脚部、20…打ち込み用ブレード、
21…脚部、31…マスターモデル、31a…表面、32…ゴム型、
32a…サイプ形成用ブレード埋め込み用溝、33…サイプ形成用ブレード、
34…鋳型、35…タイヤ成形用金型。

Claims (7)

  1. タイヤトレッド部のサイプを形成するためのサイプ形状を模した打ち込み用ブレードの一縁部から複数の脚部が一体に突出され、該複数の脚部が樹脂材料若しくは石膏材料からなるモデル表面に打ち込まれて該モデル表面から前記打ち込み用ブレードが立設されていることを特徴とするマスターモデル。
  2. 前記打ち込み用ブレードが平面視略直線状であり且つ前記脚部が正面視矩形であることを特徴とする請求項1に記載のマスターモデル。
  3. 前記打ち込み用ブレードが平面視略波線状であり且つ前記脚部が正面視先細りの三角形であることを特徴とする請求項1に記載のマスターモデル。
  4. 前記脚部の先端が波線状に屈曲された屈曲頂点の稜線と略同一線上に位置していることを特徴とする請求項3に記載のマスターモデル。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のマスターモデルを用いてゴム型を反転製作すると同時にそのゴム型にサイプ形成用ブレード打ち込み溝を形成し、そのサイプ形成用ブレード打ち込み溝にサイプ形成用ブレードを植え込んだゴム型を用いて石膏等の材質からなる鋳型を反転製作すると同時にその鋳型へと前記サイプ形成用ブレードを移設し、その鋳型を用いて鋳造によってタイヤ成形用金型を反転製作すると同時にそのタイヤ成形用金型に前記サイプ形成用ブレードを移設することを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  6. 複数の脚部を突出させたサイプ形成を模した打ち込み用ブレードを板金から打ち抜き若しくは切断加工により成形する打ち込み用ブレード成形ステップと、樹脂若しくは石膏によりマスターモデルを成形するマスターモデル成形ステップと、前記マスターモデルに前記打ち込み用ブレードの前記脚部を打ち込む脚部打ち込みステップと、前記打ち込み用ブレードを立設した前記マスターモデルに溶融ゴム材料を流し込んでゴム型を反転成形するゴム型成形ステップと、前記打ち込み用ブレードによって表面に開放したサイプ形成用ブレード埋め込み用溝を形成しつつ前記マスターモデルから前記ゴム型を離型するゴム型離型ステップと、前記サイプ形成用ブレード埋め込み用溝にサイプ形成用ブレードを植え込むブレード打ち込みステップと、前記サイプ形成用ブレードを植え込んだ前記ゴム型に石膏材料を流し込んで鋳型を反転成形する鋳型成形ステップと、前記サイプ用ブレードを移設しつつ前記ゴム型から前記鋳型を離型する鋳型離型ステップと、前記鋳型に合金材料を流し込んでタイヤ成形金型を反転成形するタイヤ成形金型成形ステップと、前記サイプ用ブレードを移設しつつ前記鋳型から前記タイヤ成形金型を離型するタイヤ成形金型離型ステップと、を備えていることを特徴とするタイヤ成形金型の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のタイヤ成形金型の製造方法により成形されたことを特徴とするタイヤ成形金型。
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