JP2005262064A - 混合物分離膜とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、欠陥が発生し難く、高性能の分離機能を有する優れたチタノシリケート型ゼオライトを用いた混合物分離膜とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 構造規定剤として水酸化テトラアルキルアンモニウムと、ケイ素源としてケイ素酸化物と、チタン源としてチタン酸化物と、水と、過酸化水素水とを混合させる工程S1〜S3と、混合後に撹拌してゲル化した原料を調製する工程S4と、前記ゲル化した原料に多孔質支持体を浸漬する工程S5と、前記浸漬された多孔質支持体を100℃〜220℃で10時間〜150時間水熱合成する工程S6と、その後焼成する工程S7とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気体あるいは液体から成る混合物を分離する混合物分離膜に係り、特には多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライト結晶層を析出させた混合物分離膜に関する。
従来、気体や液体の混合物の分離には、蒸留法、吸着法、膜分離法等が知られている。しかし、このうち蒸留法は熱を加えるため多くのエネルギーを必要とし、耐熱性の低いものや沸点の近いものや水とエタノールなど共沸混合物では分離が困難である。また、吸着法では、吸着剤の再生のための装置が大型であり、また多くのエネルギーを必要とするという課題がある。
これらの蒸留法や吸着法における課題を解決すべく膜分離法が期待されるが、膜分離法の膜には酢酸セルロース、シリコンゴム、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの種々の高分子を素材としたものが使用されており、高分子膜の膜性能に限界があり分離性が低いこと、さらに耐熱性や耐薬品性に難点があるため適用範囲が限定されるという課題がある。
そこで、このような高分子材料による課題を解決するため、近年では、無機質材料であるゼオライトを用いた分離膜が注目されている。しかし、ゼオライト結晶単独で形成された膜は、ゼオライト結晶間のつながりが弱く機械的強度が弱いことから、分離膜として利用することは困難である。
このため従来からゼオライトを多孔質の支持体に担持させた形態での使用が検討されてきた。
これまでに開発されたゼオライト膜には、例えば、特許文献1には、「ゼオライト膜及びその製造方法」として、シリカ源およびアルカリ金属源を含む水性混合物を多孔質支持体上で水熱合成して得られるシリカライト型ゼオライト膜が開示されている。この特許文献1に開示された発明によれば、化学的・熱的に安定で機械的強度の高く、分離係数が飛躍的に高いアルコール選択性分離膜が得られる。
また、特許文献2には「液体混合物分離膜」として、多孔質支持体上に析出させたA型ゼオライト膜よりなる液体混合物分離膜が開示されている。本特許文献2に開示された発明においても、特許文献1に開示された発明と同様に、ゼオライトの分子ふるい能によって、著しく高い水選択透過性を有している。また、パーベーパレーション法による液体混合率の分離において、分離効率が高く、透過安定性にも優れ、しかも化学的安定性、取扱い性も良好で実用的な液体混合物分離膜を提供することができる。
一方、ゼオライト中にチタンを含める技術についても既に開発されており、例えばシリカ源とチタン源から成るチタノシリケート型ゼオライトの合成例としては、特許文献3に「改良されたチタノシリケート触媒、その製造方法及びこれを触媒として使用する過酸化水素を利用した有機合成反応」として、チタノシリケートの一次粒子同士の結晶質による結合体であって、50〜300オングストロームの細孔を有し、粒度分布メジアンが1μm以上であるチタノシリケート触媒に関する開示がある。
この特許文献3に開示されたチタノシリケート触媒は、ハンドリング特性及び機械的強度に優れ活性の高いチタノシリケート粒子を提供するものである。
特開平6−99044号公報 特開平7−185275号公報 特開平7−100387号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されたゼオライト膜は、いずれも製膜後の乾燥時に、ゼオライトの結晶粒界または支持体と結晶との界面でのクラックの発生、膜の剥離による膜欠陥等が生じ膜として緻密な物が得られず、結果的に分離性能が低いという課題があった。
また、特許文献3に開示されたチタノシリケート触媒は、開示された方法で調製されるチタノシリケート型ゼオライトは、そもそも触媒として開発されたため、いずれも粒子ないし粒子の凝集体であり、そのままでは分離膜としては使用できないか膜状に得られた場合でも分離性能が低いという課題があった。
本発明は、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、チタノシリケート型ゼオライトを用いた高い分離性能を有する混合物分離膜とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライトを膜状に結晶化させた膜が、欠陥が発生し難く、高性能の分離機能を有する優れた分離膜として有用なことを見出して本発明を完成させた。
本発明の請求項1に記載された混合物分離膜においては、上述の課題を解決すべく、多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト結晶層を有するようにしたものである。
このような混合物分離膜においては、チタノシリケート型ゼオライト結晶層が多孔質支持体を覆うように作用する。支持体の形状を利用しながら、欠陥が少なく分離性能に優れる分離膜を生成する作用を有する。
また、本発明の請求項2に記載された混合分離膜製造方法においては、構造規定剤として水酸化テトラアルキルアンモニウムと、ケイ素源としてケイ素酸化物と、チタン源としてチタン酸化物と、水と、過酸化水素水とを混合させる工程と、混合後に撹拌してゲル化した原料を調製する工程と、ゲル化した原料に多孔質支持体を浸漬する工程と、浸漬された多孔質支持体を100℃〜220℃で10時間〜150時間水熱合成する工程と、その後焼成する工程とを有するものである。
上記構成に係る混合分離膜製造方法は、ゲル化した原料に多孔質支持体を浸漬し、その状態で水熱合成することで、欠陥のない均質な混合物分離膜を生成するという作用を有する。焼成工程は、不要となった構造規定剤を飛ばす作用を有する。
請求項3に記載された混合分離膜製造方法においては、請求項2に記載された発明において、チタン酸化物に対するケイ素酸化物の組成比(以下、組成比はモル比で表す。)は5〜500であり、ケイ素酸化物に対する水の組成比は10〜300であり、ケイ素酸化物に対する水酸化テトラアルキルアンモニウムの組成比は0.05〜1.0である。
このような混合分離膜製造方法においては、請求項2に記載された発明と同様の作用を有する。
本発明の請求項1に記載された多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト結晶層を有する混合物分離膜は、製膜性に優れており、その分離性能は著しく改善されている。しかもチタンを含むことから、その疎水性を利用して例えばアルコール/水混合物からアルコールを選択的に分離することができ、また、チタノシリケート型ゼオライト構造が有する細孔径による分子ふるい効果により多種多様の混合物の分離が可能となる。さらに、チタンの触媒作用とこの混合物分離膜の作用の両方を利用して、触媒反応前の反応物から触媒反応後の生成物を分離することが可能となる。
また、請求項2,3に記載された混合分離膜製造方法においては、請求項1に記載される混合物分離膜を容易に製造することができる。
以下、本発明に係る混合物分離膜及びその製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
本実施の形態における多孔質支持体としては、チタノシリケート型ゼオライトを膜状に結晶化出来るような化学的安定性があり多孔質であれば特に制限されるものではなく、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア、チッ化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス、アルミニウム、銀、ステンレス等の金属、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリイミド等の有機高分子からなる多孔質材料を用いることができる。
多孔質支持体の平均気孔径は0.05〜10μm、気孔率が10〜60%程度のものが好適である。これらの内、特に平均気孔径0.1〜2μm、気孔率30〜50%が好ましい。またこれらの多孔質支持体の形状は平板状、管状、円筒状や角柱状の孔が多数存在するハニカム状などいずれの形状のものでもよい。
チタノシリケート型ゼオライトとは、ゼオライト構造をもつ結晶性のSiO(シリカライト)の結晶格子を形成するSiの一部をTiで置換することにより得られる化合物で、過酸化水素を酸化剤とした種々の有機化合物の酸化触媒として知られている。結晶格子内にTi原子が導入されると、赤外吸収スペクトルにおいて960cm−1付近にTi−O−Si結合に起因する吸収ピークが観測され、紫外・可視吸収スペクトルでは210nm付近に4配位Tiに基づく吸収が観測される。これらの測定によりTi原子の置換が確認できる。
また、多孔質支持体に膜状に析出されるチタノシリケート型ゼオライト結晶層の厚さは0.1〜500μm、さらに0.5〜100μmとすることが好適である。
ここで、本実施の形態に係る混合分離膜製造方法について図1を参照しながら説明する。図1は本実施の形態に係る混合分離膜製造方法を示す工程図である。
まず、ステップS1では構造規定剤と水とケイ素源を混合させる。本実施の形態に係る混合分離膜製造方法では、構造規定剤として水酸化テトラアルキルアンモニウムなど、ケイ素源としてテトラアルキルオルトシリケートやコロイダルシリカ(シリカゲルやゾル)などが考えられる。水は蒸留水であることが望ましい。
次にステップS2ではステップS1で混合したケイ素源、構造規定剤及び水を室温で攪拌する。さらに、ステップS3では、チタン源としてテトラアルキルオルトチタネートやハロゲン化チタン化合物などを添加し、過酸化水素も添加する。その後ステップS4ではこれらの混合物を室温で撹拌する。このようにして得られる原料ゾルあるいはゲルを調製した後、ステップS5では多孔質支持体を浸漬し、所定温度で所定時間、水熱合成を行い、その後、構造規定剤を除去するために焼成を行う。所定温度と所定時間の具体的な値については後述する。
なお、本実施の形態においては、ステップS1乃至ステップS4までをそれぞれ工程として分けたが、これらステップ間の時間は短く、出発原料としてケイ素源、構造規定剤、水、チタン源、過酸化水素を室温にて混合し、原料ゾルあるいはゲルを調製するようにしてもよい。
ここで、ケイ素源として用いるテトラアルキルオルトシリケートは、特に限定する物ではないが、例えばテトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、テトラブチルオルトシリケート、テトラペンチルオルトシリケート、テトラヘキシルオルトシリケート、テトラヘプチルオルトシリケート、テトラオクチルオルトシリケート、トリメチルエチルシリケート、ジメチルエチルシリケート、メチルトリエチルシリケート、ジメチルプロピルシリケート等があげられる。これらの内入手の容易さからテトラエチルオルトシリケートが好ましく用いられる。
チタン源として用いるテトラアルキルオルトチタネートは、特に限定する物ではないが、例えばテトラメチルオルトチタネート、テトラエチルオルトチタネート、テトラプロピルオルトチタネート、テトラブチルオルトチタネート、テトラオクチルオルトチタネート、トリメチルエチルチタネート、ジメチルジエチルチタネート、メチルトリエチルチタネート、ジメチルジプロピルチタネート等があげられる。これらの内入手の容易さからテトラエチルオルトチタネートやテトラブチルオルトチタネートが好ましく用いられる。
構造規定剤として用いる水酸化テトラアルキルアンモニウムは、特に限定する物ではないが、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等があげられ、入手の容易さからテトラプロピルアンモニウムが好ましく用いられる。
多孔質支持体を原料ゲルに浸漬する際に支持体上に種結晶を担持させておくことによりチタノシリケート型ゼオライトの結晶を支持体上に効率よく析出させることが出来る。すなわち、チタノシリケート型ゼオライトの結晶化時間が短縮でき好都合である。種結晶としては、平均粒径が500μm以下、特に0.5〜50μmの結晶が多孔質支持体上に保持しやすく好適である。この種結晶の多孔質支持体への担持量は1〜500mg/cm、特に10〜60mg/cm が好ましい。
多孔質支持体上に種結晶を担持させるには、種結晶の粉末を溶媒、好ましくは水中に分散させ、これを多孔質支持体上にコートするのが好ましいが、多孔質支持体製造時に原料の一部としてT型ゼオライトの粉末を混入させてもよい。
このようにして多孔質支持体の表面にチタノシリケート型ゼオライト結晶層の厚さが前述のとおり、0.1〜500μm、好ましくは0.5〜100μmとなるように析出させることにより、本実施の形態に係る好適な混合物分離膜を得ることができる。
本発明において、多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライト結晶層を膜状に析出させた分離膜を合成する際の反応原料の仕込み組成比は、SiO /TiO =5〜500、HO /SiO =10〜300、RN/SiO=0.05〜1.0(RNは水酸化テトラアルキルアンモニウムを表す。)、となるように調整することが好ましい。さらに好ましくは、SiO /TiO =20〜300、HO /SiO =20〜200、RN/SiO=0.1〜0.8である。
本発明において、水熱合成法により多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライト結晶層を膜状に析出させた分離膜を合成する際の合成温度は100〜220℃、好ましくは150〜200℃であり、合成時間は10〜150時間、好ましくは16〜30時間である。前記合成温度、合成時間にて反応を1回行うことにより、高い分離性能を有する多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライト結晶層を膜状に析出させた分離膜を合成できる。この際、圧力は自圧或いは加圧下のいずれかの方法で行うことが出来るが、通常は自圧下で行える。系の攪拌は必ずしも行う必要はなく、静置状態でも製膜化は十分進行する。
このように水熱合成した膜は水で十分に洗浄後、焼成を行う。焼成処理の温度は300〜700℃であり、好ましくは400〜600℃である。焼成時間は、特に限定されないが、1〜50時間、好ましくは5〜20時間焼成処理を行うことにより、本発明の多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライト結晶層を膜状に析出させた分離膜を製造することが出来る。
本実施の形態に係る混合物分離膜の分離対象は、気体では、ヘリウム、水素、二酸化炭素、酸素、窒素やメタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタンのようなC1〜C4の炭化水素ガスなどをあげることができ、液体としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素のごとき有機液体をあげることができる。本発明において分離の対象とする気体混合物とは上記ガス状化合物を2種類もしくはそれ以上含む混合物、液体混合物とは上記液状化合物を2種類もしくはそれ以上含む混合物である。
以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。これらの実施例は、チタン源であるテトラブチルオルトチタネートの量、水熱合成の温度と時間をパラメータとしてチタノシリケート型ゼオライト膜を合成するものであり、その後、その膜の分離性能について試験を実施した。また、比較例1は実施例1においてチタンを含まないものとするほかは全く条件を同じくして合成されたMFI型シリカライト膜である。
実施例1(合成例1)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.37g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.01:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で24時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
比較例1
比較例として、チタン源を含まないMFI型シリカライト膜を以下のようにして調製した。出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5gを用いて調整した原料ゲル(SiO :RN:HO =1:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒をそなえたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)を、この中に浸漬し、温度200℃で24時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例1で得られた多孔質支持体上にチタノシリケート型ゼオライト結晶層を析出させた分離膜のX線回折を行った結果について図2を参照しながら説明する。
図2に示されるのはいずれもX線回折測定図であり、(1)はチタノシリケート型ゼオライトの結晶粉末、(2)は、実施例1で調製した多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト膜、(3)は比較例1で調製した多孔質支持体上に析出させたMFI型シリカライト膜、(4)は多孔質支持体のものである。測定図の横軸は2theta(θ)、すなわち入射角の2倍値を度(degree)で示すもので、縦軸はX線回折強度を示すものである。
図2において、(1)と(2)のX線回折図のピークパターンはよく一致しており、また、比較例1で調製したチタン源を含まないMFI型シリカライト膜のピークパターンとも良く一致している。しかし、いずれも(4)とは一致していない。したがって、いずれもゼオライトの結晶構造を示しており、今回の実施例におけるチタノシリケート型の混合物分離膜においても適切にチタノシリケート型ゼオライト結晶層が析出していることが確認された。
次に図3を参照しながら、本実施例のチタノシリケート型ゼオライト膜と比較例のMFI型ゼオライト膜について赤外線吸収スペクトルの測定結果について説明する。図3の(1)は本実施例に係るチタノシリケート型ゼオライト膜の赤外線吸収スペクトル測定結果を示し、(2)はMFI型ゼオライト膜の赤外線吸収スペクトル測定結果を示す図である。図3における横軸は1cm当りの波数を示しており縦軸はTransmission(透過率)を示すものである。
図3の本実施例に係る(1)では960cm−1付近にTi−O−Si結合に起因する吸収ピークが観測されている。
更に、図4は本実施例に係るチタノシリケート型ゼオライト膜に対して紫外・可視領域の拡散反射スペクトルを測定した結果を示す図である。図4において、横軸は拡散反射スペクトルの波長を示し、縦軸は吸光度を示す。この図4では、
210nm付近に4配位Tiに基づく吸収が観測された。
図3,4に示された結果によりMFI型骨格におけるTi原子の置換が確認でき、多孔質支持体表面にチタノシリケート型ゼオライト結晶層が生成していることが確認された。
また、図5(a)は、この実施例1で得られた混合物分離膜の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した写真を示すものであり、(b)は同じく断面を撮影した写真である。図5(a),(b)から、多孔質支持体上に緻密にMFI型のチタノシリケート型ゼオライトが析出しているのが確認された。
実施例2(合成例2)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.37g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.01:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で12時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例3(合成例3)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.37g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.01:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で16時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例4(合成例4)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.37g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.01:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で20時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例5(合成例5)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.37g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.01:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で40時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例6(合成例6)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.19g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.005:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で24時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例7(合成例7)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で20時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例8(合成例8)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)1.11g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.03:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で24時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例9(合成例9)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度170℃で48時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例10(合成例10)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)80.3g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)3.86g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)134.5g、水81.3g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.03:0.35:28)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度175℃で48時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例11(合成例11)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度170℃で120時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例12(合成例12)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度180℃で72時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例13(合成例13)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度190℃で40時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例14(合成例14)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水211.5g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:120)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度210℃で20時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例15(合成例15)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水73.8g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:40)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で24時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例16(合成例16)
出発原料としてテトラエチルオルトシリケート(アルドリッチ社製98%)22.1g、テトラブチルオルトチタネート(和光純薬製95%)0.78g、水酸化テトラプロピルアンモニウム(東京化成社製20%)16.0g、水264.4g、過酸化水素水(和光純薬製30%)1mlを用いて調整した原料ゲル(SiO :TiO :RN:HO =1:0.02:0.17:150)を、テフロン(登録商標)内筒を備えたステンレス製耐圧反応管に仕込み、多孔質ムライト製支持体(長さ10cm、平均孔径約1ミクロン)をこの中に浸漬し、温度200℃で24時間水熱合成を行った。前記反応終了後、表面に膜が析出した前記支持体を取り出し、水中で洗浄した後、500℃で10時間焼成した。
実施例17(使用例1)
実施例7で作製した膜について、マスフローメータ(STEC社製、SEF−7330M)を用いて、作製した膜のヘリウム、水素、二酸化炭素、酸素、窒素、メタン、n−ブタン、およびi−ブタンガスの透過速度を50℃で測定した。また、各気体の透過速度の比を以って分離係数とした結果、気体透過速度はそれぞれ240、600、1900、590、570、1600、210、1.8×10−6(cm(STP)/cmscmHg)となり、分子径の大きいi−ブタンが他のガスに比べて透過速度が非常に小さくなり、本発明の膜は分子ふるい能を有している。
上記結果より、本実施例における混合物分離膜は、分子径の大きいi−ブタンと分子径の小さいヘリウム、水素、二酸化炭素、酸素、窒素、メタン、n−ブタンを効率よく分離できることが明らかとなった。
実施例18〜33(使用例2〜17)
実施例1〜16で得られた分離膜を用いて、浸透気化(パーベーパレーション)法によりエタノール/水(5/95wt%)混合溶液からエタノールを選択的に透過させる実験を75℃でおこなった。
比較例2
同様に、比較例1で得られたMFI型シリカライト膜を用いて、浸透気化(パーベーパレーション)法によりエタノール/水(5/95wt%)混合溶液からエタノールを選択的に透過させる実験を75℃でおこなった。
測定に使用した装置の概略図を図6に示す。図6おいて、符号1は実施例1〜16及び比較例1で調製したゼオライト分離膜である。このゼオライト分離膜1は、中空円筒形でありガラス容器9内に貯留された供給液2内に浸漬されている。供給液2は、エタノール/水(5/95wt%)混合溶液であり、撹拌子4とスターラー5の作用によって攪拌される。ガラス容器9はさらに恒温槽6内に浸漬されており、温度調節装置7によって温度を一定に維持している。
ゼオライト分離膜1の上端部にはシリコンチューブ3が接続されており、このシリコンチューブ3はコールドトラップ11を介して真空ポンプ12を備える真空ライン15に接続されている。
従って、ゼオライト分離膜1の内部は減圧されており、供給液2のうちゼオライト分離膜1を透過気化した蒸気はシリコンチューブ3を介してコールドトラップ11に捕集されて液化する。
なお、ゼオライト分離膜1の底部から供給液2が侵入しないように栓10によって塞いでいる。また、真空ライン15の真空度は真空計14によって測定されている。Nガス13は、真空ライン15を常圧に戻すリーク時に封入される。空気を吸入すると水蒸気が混入するため、Nガス13を用いるものである。
供給液2とコールドトラップ11で捕集された透過物の組成はガスクロマトグラフにより測定し、膜の透過性能は単位面積、単位時間あたりの全透過量Q(kg/mh)と下記式で定義する分離係数αにより評価した。
(式中、F、Fはそれぞれ供給液中の液体A、Bの平均濃度(wt%)であり、P、Pはそれぞれ透過物中のA、Bの平均濃度(wt%)である。)
実施例1〜16で調製した分離膜、及び比較例1で調製したMFI型シリカライト膜の、処理温度75℃におけるエタノール/水(5/95wt%)混合溶液中のエタノールに対する全透過量Q(kg/mh)及び分離係数αを表1に示す。
表1において、比較例2として示したMFI型シリカライト膜による分離性能は、全透過量Qが1.6で分離係数αが42である。これに対して実施例18から実施例33として示したチタノシリケート型ゼオライト膜による分離性能は、様々な値が示されている。
今回の実験で分離係数αが大きい場合には、水とエタノールに対してより高い分離能を備えていると言えるが、その際には相対的に全透過量Qが小さいという傾向がある。実施例18乃至33では、比較例2のQとαに対していずれも上回る値を有する結果は得られなかった。
しかしながら、実施例18乃至33で比較してみると、分離係数αが1であるもの、すなわち分離膜として機能していないものを除くと、優劣が見受けられる。例えば、最も大きな分離係数αを示した実施例24の結果では、全透過量Qもこれらの実施例の中で2番目に大きな値を示している。
最も大きな全透過量Qを有する実施例20では、分離係数αが66と実施例24の127の半数程度となっているため、今回の実施例の中では実施例24の結果から実施例7で調製された膜が最も分離性能に優れているということが理解される。
また、実施例18乃至33を比較例2と比較した場合、分離係数αが1であるものを除けば、いずれも分離係数αは大きくなっており、本実施の形態に係る混合物分離膜は高いエタノール選択透過性を示し、エタノール/水混合液を効率よく分離できることが確認された。
また、これらの実施例から本実施の形態に係る混合物分離膜の製造方法においても、優れた分離性能を備えた混合物分離膜を提供することができるという効果を確認することができた。
本発明に係る混合物分離膜とその製造方法は、多種多様の気体混合物あるいは液体混合物の分離に利用できる。さらに、チタンの触媒作用とこの混合物分離膜の作用の両方を利用して、触媒反応前の反応物から触媒反応後の生成物を分離することが可能であるので、単に複数の種類の混合物を分離するだけでなく、触媒反応生成物を抽出するような化学反応システムなどにも利用可能である。
本実施の形態に係る混合分離膜製造方法を示す工程図である。 いずれもX線回折測定図であり、(1)はチタノシリケート型ゼオライトの結晶粉末、(2)は、実施例1で調製した多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト膜、(3)は比較例1で調製した多孔質支持体上に析出させたMFI型シリカライト膜、(4)は多孔質支持体のものである。 実施例1で調製した多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト膜(1)と、比較例1で調製した多孔質支持体上に析出させたMFI型シリカライト膜(2)の赤外線吸収スペクトル測定図である。 実施例1で調製した多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト膜の紫外・可視領域の拡散反射スペクトルの測定結果図である。 実施例1で調製した多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例18〜33で測定に用いた装置の概略図である。
符号の説明
1…ゼオライト分離膜 2…供給液 3…シリコンチューブ 4…撹拌子 5…スターラー 6…恒温槽 7…温度調節装置 8…冷却管 9…ガラス容器 10…栓 11…コールドトラップ 12…真空ポンプ 13…Nガス 14…真空計 15…真空ライン

Claims (3)

  1. 多孔質支持体上に析出させたチタノシリケート型ゼオライト結晶層を有することを特徴とする混合物分離膜。
  2. 構造規定剤として水酸化テトラアルキルアンモニウムと、ケイ素源としてケイ素酸化物と、チタン源としてチタン酸化物と、水と、過酸化水素水とを混合させる工程と、混合後に撹拌してゲル化した原料を調製する工程と、前記ゲル化した原料に多孔質支持体を浸漬する工程と、前記浸漬された多孔質支持体を100℃〜220℃で10時間〜150時間水熱合成する工程と、その後焼成する工程とを有することを特徴とする混合分離膜製造方法。
  3. 前記チタン酸化物に対するケイ素酸化物の組成比(以下、組成比はモル比で表す。)は5〜500であり、前記ケイ素酸化物に対する水の組成比は10〜300であり、前記ケイ素酸化物に対する前記水酸化テトラアルキルアンモニウムの組成比は0.05〜1.0であることを特徴とする請求項2記載の混合分離膜製造方法。
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