JP2005261697A - 車両用シート - Google Patents

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治久 是
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Abstract

【課題】後突時にシートバックに設けられた荷重検知部により、乗員の体がシートバックに当接した状態を検知し、ヘッドレストを所定位置に設置する車両用シートにおいて、乗員の体がシートバックに当接した状態の検知遅れを抑制することで、後突時の乗員への負担をより確実に低減することにある。
【解決手段】乗員の体が前傾姿勢にあり、シートバック2の前面と乗員背面との離間距離が大きい場合であっても、後突が予知されるとエアクッション32が膨張されて、その後に発生するであろう後突の対応がなされる。こうした対応後、後突時において、シートバック2の前面と乗員背面との離間距離が大きい場合であっても、乗員背面による支持プレート7への荷重伝達を、エアクッション32を介して遅れなく伝達でき、支持プレート7を早急に後退させてヘッドレスト前方移動手段31を早急に作動させることができる。
【選択図】 図5


Description

本発明は、車両の車室内に設置される車両用シートに関し、特に、後突時にヘッドレストを所定位置に変位させるアクティブヘッドレスト技術に属す。
従来、例えば、下記の特許文献1のように、車室内に設置され、シートの背もたれに相当するシートバックと、このシートバックの上方側に設置されるヘッドレストとから成る車両用のシートにおいて、車両に対して後方側から障害物が接近して衝突する、所謂、後突時に、ヘッドレストを例えば通常のヘッドレストの位置よりも前方側の位置など所定位置に変位させるアクティブヘッドレストは公知の技術である。具体的には、後突時において、シートバックに設置された支持プレート(特許請求の範囲に記載の「荷重検知部」に相当)により、乗員の体がシートバックに押し付けられることを検知した直後、ヘッドレストを所定位置に変位させる。
こうした技術により、後突時に、シートに着座した乗員の頭部と胴体とが異なる動きをすることに起因する乗員への負担を軽減可能となる。
特開2000−4977号公報
ところで、上述の特許文献1では、シートバック内にこうした荷重検知部を設けているが、この場合、ヘッドレストの所定位置への変位遅れが発生し、乗員の負担を十分軽減できないといった問題がある。
例えば、乗員が、シートの車両前方側に設置されたインストルメントパネルの装置を操作中で、乗員の体が全体的に前方側に移動していた時には、乗員の体と荷重検知部が設置されたシートバックとの間に大きな距離が開いており、この状態で後突すると、乗員の体がシートバックに当接するまでには比較的時間を要してしまう。従って、支持プレートによる検知が遅れることで、ヘッドレストの所定位置への変位が遅れてしまい、後突初期に発生する乗員頭部の大きな動きをヘッドレストにより十分規制できない。
本発明は、以上のような課題に勘案してなされたもので、その目的は、後突時にシートバックに設けられた荷重検知部により、乗員の体がシートバックに当接した状態を検知し、ヘッドレストを所定位置に位置させる車両用シートにおいて、乗員の体がシートバックに当接した状態の検知遅れを抑制することで、後突時の乗員への負担をより確実に低減することにある。
このような目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明においては、シートバック内に設けられて、乗員の背面からの荷重を検知可能な荷重検知部と、該荷重検知部により検知された乗員の背面の荷重に対応して、シートバックの上方側に設置されたヘッドレストを、所定の位置に変位させるヘッドレスト変位手段とを備えた車室内に設置される車両用シートにおいて、障害物による車両の後方部への後突を予知する後突予知手段を備え、該後突予知手段により後突が予知されたときは、乗員背面を、衝突が予知されないときよりも、乗員の着座位置における前方側で検知して、上記荷重検知部による乗員背面の荷重の検知を促進する検知促進部を含むことを特徴とする。
このような構成によって、例えば、乗員がシートの車両前方側に設置されたインストルメントパネルの装置を操作中等により、乗員の体が全体的に前方側に移動し、シートバックと乗員背面との間が大きく開いていた場合であっても、検知促進手段によって乗員背面の荷重を衝突が予知されていないときよりも早期に検知できる。従って、荷重検知手段による検知遅れを抑制して、ヘッドレストを所定位置に大きく遅れることなく変位させることができ、よって、後突時の乗員への負担をより確実に低減可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1において、上記検知促進部は、上記荷重検知部の前方あるいは後方に設置された拡大部を含み、上記後突予知手段により後突が予知されたときには、該拡大部の車両前後方向の長さを拡大することを特徴とする。
このような構成により、拡大部が拡大することで、乗員の体が全体的に前方側に移動し、シートバックと乗員背面と離間距離が大きい場合であっても、乗員背面の荷重を早期に検知できる。しかも簡単に構成できる。
請求項3記載の発明は、請求項2において、上記検知促進部は、上記拡大部として膨張可能なエアクッションを含み、上記後突予知手段により後突が予知されたときに、該エアクッションを膨張させることを特徴とする。
このような構成により、シートバック内の狭い空間に小規模なエアクッションを設置するとともに、後突が予知されたときにこのエアクッションを膨張させるだけでよく、従って、より簡単且つ小規模な構成で荷重検知部による検知遅れを抑制できる。
請求項4記載の発明は、請求項3おいて、上記荷重検知部は、乗員の背面の荷重を面に亘って検知する荷重検知面を備え、上記検知促進部のエアクッションは、該荷重検知面より車両前方側に位置し、膨張時の該エアクッションにおける車両前方から見た面積が、該荷重検知面の車両前方から見た面積よりも大きくなるよう設置されることをしたことを特徴とする。
このような構成により、乗員の姿勢や、体格のバラツキによらずに、確実に荷重検知部による検知遅れを抑制できる。
請求項5記載の発明は、請求項2おいて、上記検知促進部は、検出された乗員の着座状態に基づいて、乗員の背面とシートバックとの離間距離が小さい状態であると判断された場合、検知の促進を規制することを特徴とする。
このような構成により、シートバックに背中を略接触させたような正常な着座姿勢の状態にあるときには、荷重検知部による検知促進が規制されるため、正常な着座姿勢の状態にある乗員が、検知促進部の作動に違和感を持つことが防止できる。
請求項6記載の発明は、請求項1おいて、上記検知促進部は、検出された乗員の体格に基づいて、上記拡大部における車両前後方向の長さの拡大度合を調整することを特徴とする。
このような構成により、乗員の体格に応じて検知促進部の拡大部における拡大度合を調整できるため、体格によらずに確実に荷重検知部による検知遅れを抑制できる。
請求項7記載の発明は、請求項1おいて、上記検知促進部は、上記後突予知手段による後突予知から所定期間内に、後突が検知されなかった場合には、検知の促進を規制することを特徴とする。
このような構成により、後突が回避された後は、検知促進部を非作動とすることで、衝突回避後には、乗員は違和感なく正常に近い着座姿勢で運転可能となる。
請求項8記載の発明は、シートバック内に設けられて、乗員の背面からの荷重を検知可能な荷重検知部と、該荷重検知部により検知された乗員の背面の荷重に対応して、シートバックの上方側に設置されたヘッドレストを、所定の位置に変位させるヘッドレスト変位手段とを備えた車室内に設置される車両用シートにおいて、障害物による車両の後方部への後突を予知する後突予知手段と、上記荷重検知部の前方あるいは後方に設置された拡大部を含み、上記後突予知手段により後突が予知されたときには、該拡大部の車両前後方向の長さを拡大することで、上記荷重検知部による乗員背面の荷重の検知を促進する検知促進部とを含むことを特徴とする。
このような構成により、上述の請求項1記載と同様の作用及び効果を奏す。
以上のように、本発明に係る発明においては、例えば、乗員がシートの車両前方側に設置されたインストルメントパネルの装置を操作中等により、乗員の体が全体的に前方側に移動し、シートバックと乗員背面との間が大きく開いていた場合であっても、検知促進部によって乗員背面の荷重を、衝突が予知されていないときよりも早期に検知できる。従って、これにより荷重検知部による検知遅れを抑制して、ヘッドレストの所定位置への変位遅れを抑制でき、よって、後突時における乗員の負担をより確実に低減できる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用シート1を搭載した車両全体を示す図である。
車両V1の車室内V2には、ドライバー用のシート1と、助手席用のシート1が設置されている。また、シート1,1との後方には、後座席V3が設置させており、シート1,1との前方には、オーディオや空調、ナビゲーション装置などが設置されたインストルメントパネルV4が設けられており、また車体には、後突を検出するために衝撃検出可能な加速度センサから成る衝突センサV5が設置されている。
また、車両V1の後端部には、車両V1の後方側に存在する後方車両と車両V1との距離が検出可能となるようなレーダや後方画像の画像認識処理による車両距離センサV6が設置されている。
次に、図2及び図3を参照して、車両用のシート1を詳細に説明する。尚、図2、図3のシート1は、車両前方から見て左側のドライバー用のシート1である。また、図3において、Pは乗員の外形を概略的に示している。(図4、図5において同じ)
シート1は、略水平なシートクッション2aと、背もたれであるシートバック2と、シートバック2の上側で乗員の頭部を支持可能なヘッドレスト3とを備えている。
シートバック2の内部には方形枠状のシートバックフレーム4が固定され、このシートバックフレーム4の車幅方向に延びるフレーム上部4aにはポールガイド5およびヘッドレストポール6を介して上述のヘッドレスト3が高さ調整可能に取付けられている。
シートバックフレーム4の内側前方には乗員の胸部位置に対応して荷重受け部としての支持部プレート7(荷重検知部)を設けている。この支持プレート7はクッション部材8を介して乗員の荷重を受けるものである。
この支持プレート7の背面両サイドにブラケット9,9を設ける一方、上述のシートバックフレーム4の左右のフレーム側部4b,4c背面にブラケット10,10を設け、上下のブラケット9,10間をピン11,12およびリンク13を介して連結している。
上述の左右のリンク13,13とシートバックフレーム4との間には、車両に後突による前方への加速度が加わらない通常時(非後突時)には支持プレート7の後方移動を禁止すると共に、この支持プレート7が後方荷重(乗員の後退動による後方荷重)を受ける後突時には支持プレート7の後方移動を許容する後方移動許容機構14,14を介設している。
この後方移動許容機構14はリンク13の外面に突設した係止ピン15と、シートバックフレーム4にブラケット16を介して突設された支軸17と、この支軸17に枢支され後端には上述の係止ピン15に係合するフック18が形成され、下端には重り19が取付けられたアーム20とを備えている。
この後方移動許容機構14は、通常時(非衝突時)においてはフック18でリンク13側の係止ピン15をロックして、各要素13,7,8の後退動(後方移動)を禁止し、車両の後突時には重り19に対して作用する慣性力により、フック18が係止ピン15から外れて、そのロックを解除(アンロック)して、各要素13,7,8の後退動(後方移動)を許容すべく構成したものである。これにより、通常時では、乗員の背面がシートバック2に略接触した正常な運転姿勢で運転ができ、乗員による座り心地を向上できる。
また、シートバックフレーム4のフレーム上部4aには、2つのガイド孔23を備えたガイドブラケット24を接合固定する一方、該ガイド孔23にて案内される閉ループ状の可動フレーム25を設けている。この可動フレーム25の上端部にはブラケット26を固定して、このブラケット26にポールガイド5を取付けると共に、このポールガイド5に挿入したヘッドレストポール6にはヘッドレスト3を取付けている。
さらに上述の可動フレーム25の下端部にはピン27を突設する一方、シートバックフレーム4にはブラケット28を接合固定し、このブラケット28に枢支ピン29を介してその中間部を枢支させたリンク30を設け、このリンク30の前部長孔を上述のピン11に遊嵌すると共に、該リンク30の後部長孔を上述のピン27に遊嵌し、後方移動許容機構14によるシートバック2の後方移動時には、図5に示すように、枢支ピン29を支点として回動するリンク30で、可動フレーム25を可動変位させ、この可動フレーム25をガイド孔23で案内することで、ヘッドレスト3を、上方側の斜め前方へ変位させるように構成したものである。つまり、上述の各要素23〜30にてヘッドレスト前方移動手段31を構成したものである。
このような構成により、上述のヘッドレスト前方移動手段31は後方移動許容機構14によるシートバック2の後方移動時(図5参照)にヘッドレスト3を上方側の斜め前方に移動(変位)させる。この結果、後突時における乗員の頭部とヘッドレスト3との間の間隔を小さくすることができて、ヘッドレスト3にて乗員の頭部の動きを規制できるので、乗員に対する負担を未然防止することができる効果がある。
本発明にかかる本実施形態においては、上述のようなヘッドレスト前方移動手段31、つまりアクティブヘッドレスト機能を有するシート1に対して、更に以下のような改良が施されている。
つまり、シートバック2内における支持プレート7の車両前方側に、エアクッション32が設置されており、このエアクッション32は、シート1の近傍、例えば側部に設けられたブロワ装置33(図1参照)と、シートバック2内に埋設されたエアダクト34(図2参照)を介して連通可能に接続されている。尚、このエアクッション32は、通常の走行中や停車中等は、折り畳んだ収納状態で設置されているが、後突を予知した後は展開されて膨張されることになる。
また、エアクッション32は少なくとも膨張した状態においては、その車両前方側から見た時の面積が、支持ブレート7の車両前方側から見た時の面積よりも大きくなるよう設置されており、しかも、車両前方側から見て、エアクション32の外形内に、支持プレート7が収まるように設置されている。
また、図3に示すように、シートバック2の乗員背面と対面する側の上部と中部と下部とのクッション部8に、それぞれ直前に位置する乗員の対応部位との距離を検出するシート距離センサ34a,34b,34cとが埋設されている。また、ヘッドレスト3にも、乗員の頭部と対面する側に、直前に位置する乗員の対応部位との距離を検出するシート距離センサ34dとが埋設されている。
更に、シートクッション2aの上面付近には、乗員の体格を検出するための体格センサ35が埋設されている。この体格センサは、乗員の体重を検出することで、体重が重ければ体格が大柄であり、体重が小さければ体格が小柄であるとして体格を推定している。
図6に示すように、車両V1には、コントローラ36が搭載されており、コントローラ36には、車両距離センサV6、衝突センサV5、各シート距離センサ34a,・・・,34d、体格センサ35が信号の受信可能に接続されている。また、コントローラ36は、ブロアファン装置33のブロアモータ33aと電気的に接続されている。
次に本実施形態における動作を、図3乃至は図5を参照して説明する。
図3に示すように、通常の走行状態や停車状態などは、エアクッション32は収納状態にあり、これによりシートバック2の車両前後方向の長さ(厚さ)は長くなっていないので、乗員は違和感なくシート1に着座でき、運転操作は阻害されることはない。
次に、車両距離センサV6により、車両V1と後方車両との距離が所定値以下となっており、急速にその距離が減少していると判断した時には、後突する可能性が高いと判断して、フロアファン装置33のブロアモータ33aを急速回転させて、エアクッション32にエアを供給してこれを膨張させ、この状態を維持する。(図4参照)
これにより、通常の走行状態のときに、乗員が例えば前傾姿勢をとり、乗員の背面とシートバック2との離間距離が大きい状態であったとしても、エアクッション32の膨張により、乗員の背面とシートバック2の前面との離間距離を小さくすることができる。このことは、つまり、乗員背面から後方側を指向する荷重が、エアクッション32を介して支持プレート7に略直結して伝達されるような状態を形成したことになる。
次に、車両V1の後部に後方車両が後突した時には、乗員の胴体は後方側に変位し、シートバック2のエアクッション32に押し付けられる。エアクッション32は、これによりその車両前後方向の長さ(厚さ)が若干短くなるが殆ど収縮されずに、エアクッション32の後方に位置する支持プレート7に乗員背面の荷重を伝達して、これを受けて支持プレート7は後方に変位されることになる。このような支持プレート7の変位により、上述のヘッドレスト前方移動手段31が動作されて、ヘッドレスト3が上方側で且つ斜め前方に変位されることになる。こうして変位されたヘッドレスト3により、後突に起因する乗員の頭部の大きな動きを、規制することが可能となる。
このような動作にかかる制御フローについて、図7を参照して詳細に説明する。
図7の制御フローチャートにおいて、コントローラ36による制御がスタートされるとステップS1に進み、車両距離センサV6の検出信号が読込まれて、ステップS2において後突予知判断が実行される。具体的には、上述したように、車両V1と後続車両との距離と、その減少度合とを判断して、ステップS3に進み、ステップS3において、この距離が所定値以下で減少度合が大きいと判断した時には、後突する可能性が高いと判断して、ステップS4に進む。この距離が所定値以上か、あるいは減少度合が小さいと判断した時には、後突する可能性が小さいと判断してステップS1に戻って、後突予知判断を繰り返す。
ステップS4では、シート距離センサ34a,・・・,34dの検出信号を読み込んで、これらの検出信号から、乗員が例えば前傾姿勢で、乗員の背面とシートバック2の前面との間の離間距離が大きいか否かを判断する。この離間距離が小さく、乗員の着座姿勢が正常であると判断した場合には、リターンに進んで、ステップS1からの制御を繰り返す。これにより、乗員が正常に着座している場合には、シートバック2とヘッドレスト前方移動手段31とによる乗員の頭部と胴体との動きの規制を的確に行うことが可能となる。一方、この離間距離が大きく、乗員が正常に着座していないと判断した場合には、後突の際、ヘッドレスト3の変位動作が遅れ、後突に起因する乗員頭部の大きな動さを規制できない可能性があるとして、ステップS6に進む。ステップS6では、体格センサ35からの検出信号を読み込んで、この検出信号により体格を判断してステップS7に進み、ステップS7において、乗員の体格に基づいてエアクッション32の膨張度合を設定する。この処理は、乗員の体格が小さければ(乗員が小柄であれば)後突しても乗員背面の荷重が小さく、この荷重を、エアクッション32を介して支持プレート7に伝達する際に遅れが大きくなることを補償するためのものであり、従って、体格が小さいと判断された場合には、エアクッション32に大量のエアを供給して膨張度合を大きくする。一方、体格が大きい乗員に対しては、エアクッション32に供給されるエア量を少なくすることで膨張度合を低減させ、これにより、大柄の乗員が、大きく膨張したエアクッション32に大きな荷重で押し付けられることで、乗員が不快感を抱くことを防止している。
次にステップ8に進み、ステップS7で設定された膨張度合に基づいて、エアクッション32を展開させ、ステップS9に進む。ステップS9において、エアクッション32の展開後、所定時間経過前であれば、後突する可能性が高い状態であるので、ステップS8に戻ってエアクッション32の展開を継続する。しかし、展開後所定時間経過しても衝突センサV5による後突が検出されない場合には、後突が回避されたと判断して、ステップS10で、エアクッション32を収縮させて、ステップ1に戻る。これにより、通常の走行中や停車中においてはエアクッション32を収縮させて、シートバック2の変形により乗員が違和感を抱くのを防止できる。
以上のような構成により、例えば、乗員がシート1の車両前方側に設置されたインストルメントパネルの装置を操作中等により、乗員の体が前傾姿勢にあり、シートバック2の前面と乗員背面との離間距離が大きい場合であっても、後突が予知されるとエアクッション32が膨張されて、その後に発生するであろう後突の対応がなされる。
よって、こうした対応の後、シートバック2の前面と乗員背面との離間距離が大きい状態で後突が発生した場合であっても、乗員背面による支持プレート7への荷重伝達を、エアクッション32を介して遅れなく伝達でき、支持プレート7を早急に後退させてヘッドレスト前方移動手段31を作動させることができる。従って、後突初期における乗員頭部の大きな動きをヘッドレスト3により確実に規制して、乗員に対する負担を、未然に防止可能となる。
また、また、スペース上規制のあるシートバック2内に小規模なエアクッション32を設置し、これをブロアファン装置38で膨張させるため、簡単に構成できしかも応答性の向上も図れる。
(他の実施形態)
尚、本実施形態におけるヘッドレスト前方移動手段31は、支持プレート7から成るリンク機構によりヘッドレスト3を変位させるよう構成したが、これに限定されず、例えば、シートバック2やヘッドレスト3の前面に圧力センサを設置し、後突時にこの圧力センサが乗員背面からの荷重を検出すると、電動あるいは流体圧を利用してヘッドレスト3を前方に変位させる電子制御タイプであってもよい。この場合、エアクッション32は、圧力センサの前方側に設置しても後方側に設置してもよい。
また、体格センサ35や、乗員の姿勢を検出するシート距離センサ34a,・・・,34dを、シート1に設置させたが、これに限らず、車室内V2のシート1の前方にカメラなどの画像検出器を設け、画像認識技術により、体格や乗員の姿勢を判断してもよい。
また、エアクッション32に変えて、スプリングなど車両前後方向に伸縮可能な代替品を適用して、この伸縮度合を調整してもよい。
また、本実施形態では、後突を予知した時に、乗員が正常な着座状態であれば、エアクッション32を全く展開させなかったが、これに代えて、後突を予知した時に乗員が正常な着座状態の場合、乗員に違和感を持たせない程度で若干エアクッション32を展開させて、ヘッドレスト前方移動手段31の動作の応答性を高めてもよい。
本実施形態に係る車両用シートを搭載した車両全体を示す図。 シートバック2の内部機構を、車両後方側から見たときの概略背面図。 図2のA−A断面図。 図2のA−A断面図。 図2のA−A断面図。 本実施形態を示す制御ブロック図。 本実施形態における制御フローを示す制御フローチャート図。
符号の説明
1:シート
2:シートバック
3:ヘッドレスト
7:支持プレート(荷重検知部)
31:ヘッドレスト前方移動手段(ヘッドレスト変位手段)
32:エアクッション(検知促進手段)
33:ブロアファン装置(検知促進手段)
34a,・・・,34d:シート距離センサ
35:体格検出センサ
V5:衝突センサ
V6:車両距離センサ(後突予知手段)

Claims (8)

  1. シートバック内に設けられて、乗員の背面からの荷重を検知可能な荷重検知部と、該荷重検知部により検知された乗員の背面の荷重に対応して、シートバックの上方側に設置されたヘッドレストを、所定の位置に変位させるヘッドレスト変位手段とを備えた車室内に設置される車両用シートにおいて、
    障害物による車両の後方部への後突を予知する後突予知手段を備え、
    該後突予知手段により後突が予知されたときは、乗員背面を、衝突が予知されないときよりも、乗員の着座位置における前方側で検知して、上記荷重検知部による乗員背面の荷重の検知を促進する検知促進部を含むことを特徴とする車両用シート。
  2. 上記検知促進部は、上記荷重検知部の前方あるいは後方に設置された拡大部を含み、上記後突予知手段により後突が予知されたときには、該拡大部の車両前後方向の長さを拡大することを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
  3. 上記検知促進部は、上記拡大部として膨張可能なエアクッションを含み、上記後突予知手段により後突が予知されたときに、該エアクッションを膨張させることを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  4. 上記荷重検知部は、乗員の背面の荷重を面に亘って検知する荷重検知面を備え、
    上記検知促進部のエアクッションは、該荷重検知面より車両前方側に位置し、膨張時の該エアクッションにおける車両前方から見た面積が、該荷重検知面の車両前方から見た面積よりも大きくなるよう設置されることをしたことを特徴とする請求項3記載の車両用シート。
  5. 上記検知促進部は、検出された乗員の着座状態に基づいて、乗員の背面とシートバックとの離間距離が小さい状態であると判断された場合、検知の促進を規制することを特徴とする請求項2記載の車両用シート
  6. 上記検知促進部は、検出された乗員の体格に基づいて、上記拡大部における車両前後方向の長さの拡大度合を調整することを特徴とする請求項2記載の車両用シート。
  7. 上記検知促進部は、上記後突予知手段による後突予知から所定期間内に、後突が検知されなかった場合には、検知の促進を規制することを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
  8. シートバック内に設けられて、乗員の背面からの荷重を検知可能な荷重検知部と、該荷重検知部により検知された乗員の背面の荷重に対応して、シートバックの上方側に設置されたヘッドレストを、所定の位置に変位させるヘッドレスト変位手段とを備えた車室内に設置される車両用シートにおいて、
    障害物による車両の後方部への後突を予知する後突予知手段と、
    上記荷重検知部の前方あるいは後方に設置された拡大部を含み、上記後突予知手段により後突が予知されたときには、該拡大部の車両前後方向の長さを拡大することで、上記荷重検知部による乗員背面の荷重の検知を促進する検知促進部とを含むことを特徴とする車両用シート。

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