JP2005260834A - Pll回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基準クロック信号frの1周期毎に、その基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相を比較し、その基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相が一致していれば、Hレベルの時間幅とLレベルの時間幅とが一致している矩形波信号を出力する一方、その基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相が一致していなければ、Hレベルの時間幅とLレベルの時間幅との差分が両信号間の位相差θに比例している矩形波信号を出力する位相比較器2を設ける。
【選択図】 図1
Description
まず、位相比較器は、基準クロック信号入力端子から基準クロック信号frを入力するとともに、VCOにより発振されたクロック信号が、クロック分周器により周波数がN分の1に分周されたクロック信号(以下、分周クロック信号fpという)を入力し、その基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相をリアルタイムに比較する。
なお、位相比較器の比較結果は、基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相差を示す位相差検出信号としてループフィルタに出力される。
VCOは、ループフィルタから周波数制御電圧を受けると、その周波数制御電圧に応じた周波数のクロック信号を発振する。
なお、VCOから発振されたクロック信号は、PLL回路の出力信号として外部に出力される他、位相比較器に与える分周クロック信号fpを生成するためにクロック分周器に出力される。
この数式モデルは、VCOから発振されるクロック信号の位相が伝達関数で表現された自動制御系のブロック線図として扱われ、各構成要素も伝達関数で表現される。
即ち、基準クロック信号frは入力位相X(s)、分周クロック信号fpは出力位相Y(s)、位相比較器はX(s)−Y(s)の演算結果を出力する減算器、ループフィルタは伝達関数F(s)の構成要素、VCOとクロック分周器は併せて伝達関数G(s)の構成要素で表現される。
VCOの比例定数をKとすると、伝達関数G(s)は、次の式(1)で表されるとされている。
G(s)=K(1/s)/N (1)
ただし、比例定数Kは、VCOの特性により定まる値であり、K=2df/Vccである。sはラプラス変換における複素角周波数、Vccは電源電圧である。
Y(s)/X(s)
=F(s)・G(s)/(1+F(s)・G(s)) (2)
上記の式(2)において、設計の自由があるのはループフィルタの伝達関数F(s)だけであり、例えば、ループフィルタが1次ループ型の場合、その伝達関数F(s)は定数になる。
このように、従来のPLL回路では、VCOの電圧−周波数特性は、線形な特性でなければならない。
なお、従来のPLL回路は、伝達関数によって表現された数式モデルを用いて表現されるので、回路の応答解析が複雑であり、特に、非線形要素が含まれていると、解析的には解法できず、実際の回路動作とのズレが大きくなる。
図1はこの発明の実施の形態1によるPLL回路を示す構成図であり、図において、基準クロック信号入力端子1は外部から基準クロック信号frを入力する端子である。
位相比較器2は基準クロック信号frの1周期毎に、その基準クロック信号frとクロック分周器5から出力された分周クロックfp信号との位相を比較し、その基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相が一致していれば、高電圧レベル(以下、Hレベルという)の時間幅と低電圧レベル(以下、Lレベルという)の時間幅とが一致している矩形波信号を出力する一方、その基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相が一致していなければ、Hレベルの時間幅とLレベルの時間幅との差分が両信号間の位相差に比例している矩形波信号を出力する。
即ち、位相比較器2は、基準クロック信号frの位相が分周クロック信号fpの位相より遅れていれば、Hレベルの時間幅がLレベルの時間幅より短い矩形波信号を出力し、その基準クロック信号frの位相が分周クロック信号fpの位相より進んでいれば、Hレベルの時間幅がLレベルの時間幅より長い矩形波信号を出力する。
即ち、レベルシフタ3は、位相比較器2から出力される矩形波信号がHレベルである期間中は第1の周波数制御電圧をVCO4に出力し、その矩形波信号がLレベルである期間中は第1の周波数制御電圧より低い第2の周波数制御電圧をVCO4に出力する。
クロック分周器5はVCO4により発振されたクロック信号clkの周波数foをN分の1に分周し、その分周クロック信号fpを位相比較器2に出力する。
クロック信号出力端子6はVCO4により発振されたクロック信号clkを外部に出力する端子である。
抵抗13は抵抗値R1を有し、抵抗14は抵抗値R2を有し、抵抗15は抵抗値R3を有している。
VCO4から出力されるクロック信号clkの周波数foからの変化分gは、レベルシフタ3から与えられる周波数制御電圧vの関数g(v)で表現すると、図3の電圧−周波数特性より次のようになる。
g(VH)=−g(VL)=Δf (3)
Δf=定数G
なお、定常状態での周波数の関係は次の通りである。
fo=N×fr
fr=fp
図4は位相比較器2及びレベルシフタ3の基本動作を示す信号波形図である。
まず、位相比較器2は、基準クロック信号入力端子1が外部から基準クロック信号frを入力すると、基準クロック信号入力端子1より基準クロック信号frを入力する。また、クロック分周器5がVCO4により発振されたクロック信号clkの周波数foをN分の1に分周すると、クロック分周器5よりその分周クロック信号fpを入力する。
図5では、基準クロック信号frの位相が分周クロック信号fpの位相より、位相θだけ遅れている場合を示しており、Hレベルの時間幅が(T/2)−(θ/2π)Tとなり、Lレベルの時間幅が(T/2)+(θ/2π)Tとなる。
即ち、レベルシフタ3のアナログスイッチ12は、位相比較器2から出力される矩形波信号がHレベルである期間中はオフ状態になるので、第1の周波数制御電圧v1(=VH)をVCO4に出力する(図3を参照)。
v1=Vcc・(R2+R3)/(R1+R2+R3) (4)
一方、位相比較器2から出力される矩形波信号がLレベルである期間中はオン状態になるので、第2の周波数制御電圧v2(=VL)をVCO4に出力する(図3を参照)。
v2=Vcc・R3/(R1+R3) (5)
即ち、VCO4は、レベルシフタ3から第1の周波数制御電圧v1(=VH)を受けている間は、図3から明らかなように、クロック信号clkの周波数をfoからΔf高めるように作用する。
一方、VCO4は、レベルシフタ3から第2の周波数制御電圧v2(=VL)を受けている間は、図3から明らかなように、クロック信号clkの周波数をfoからΔf下げるように作用する。
クロック分周器5は、VCO4からクロック信号clkを受けると、そのクロック信号clkの周波数foをN分の1に分周し、その分周クロック信号fpを位相比較器2にフィードバックする。
ここで、Vnの位置を基準線として、この波形のHレベル部分とLレベル部分を見ると、図3のVCO特性より、Hレベル部分は位相を進める要素となり、Lレベル部分は位相を遅らせる要素となる。
図5から明らかなように、基準クロック信号frの位相が分周クロック信号fpの位相より、θだけ位相が遅れている場合、基準クロック信号frの1周期(T=1/fr)を通してみれば、位相遅れ要素の方が位相進め要素より大きく、T全体では位相進め要素との差引きで、クロック信号clkを位相差θに比例した量だけ遅らせることになる。
時刻t=0における基準クロック信号frと分周クロック信号fpの位相差をθとすると、時刻t>0における位相差Ψ(t)は次式で与えられる。
t>0 → U(t)=1
t<0 → U(t)=0 (7)
v(t)
=VH・U(t−(n−1)T)−VH・U(t−τn)
+VL・U(t−τn)−VL・U(t−nT) (8)
ただし、τn=(n−1)T+(T/2)−(θn−1/2π)T
(n−1)T<t≦τn → v(t)=VH
τn<t≦nT → v(t)=VL (9)
(n−1)T<t≦τn → g(t)=g(v)=g(VH)=Δf=G
τn<t≦nT → g(t)=g(v)=g(VL)=−Δf=−G
(10)
したがって、(n−1)T<t≦nTにおける周波数変化量g(t)は、次のようになる。
g(t)=G{U(t−(n−1)T)−2U(t−τn)} (11)
θn=(1−(G・T)/N・π)・θn−1 (13)
したがって、下記の式(14)が周期T毎の位相差変化を表す数式モデルとなる。
θn=(1−(G・T)/N・π)n (14)
0 < G・T/N・π < 2 (15)
逆に、式(15)の条件を満足すれば、初期(時刻t=0)の位相差θが如何なる値であっても、必ずロックアップすることを意味している。
また、G・T/N・π=1の場合は、1周期で位相差が“0”となることが解る。
つまり、上記の数式モデルを用いれば、図1のPLL回路のステップ位相入力に対する応答動作を把握することができ、ロックアップ時間の設計も可能となる。
また、位相収束条件|θn|<εのεの値が決まれば、この位相収束条件を満足するnから収束速度n×Tも直ちに算出することができる効果も奏する。
さらに、位相比較器2からレベルシフタ3、レベルシフタ3からVCO4の間では、信号がハイインピーダンス状態にならないので、ノイズの影響を受け難く、ノイズに強いPLL回路を得ることができる効果を奏する。
Claims (4)
- 基準クロック信号の1周期毎に、その基準クロック信号と分周クロック信号の位相を比較し、その基準クロック信号と分周クロック信号の位相が一致していれば、高電圧レベルの時間幅と低電圧レベルの時間幅とが一致している矩形波信号を出力する一方、その基準クロック信号と分周クロック信号の位相が一致していなければ、高電圧レベルの時間幅と低電圧レベルの時間幅との差分が両信号間の位相差に比例している矩形波信号を出力する位相比較器と、上記位相比較器から出力された矩形波信号を周波数制御電圧に変換するレベルシフタと、上記レベルシフタにより変換された周波数制御電圧に応じた周波数のクロック信号を発振する電圧制御発振器と、上記電圧制御発振器により発振されたクロック信号を分周し、その分周クロック信号を上記位相比較器に出力するクロック分周器とを備えたPLL回路。
- 位相比較器は、基準クロック信号の位相が分周クロック信号の位相より遅れていれば、高電圧レベルの時間幅が低電圧レベルの時間幅より短い矩形波信号を出力し、その基準クロック信号の位相が分周クロック信号の位相より進んでいれば、高電圧レベルの時間幅が低電圧レベルの時間幅より長い矩形波信号を出力することを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
- レベルシフタは、位相比較器から出力される矩形波信号が高電圧レベルである期間中は第1の周波数制御電圧を電圧制御発振器に出力し、その矩形波信号が低電圧レベルである期間中は第1の周波数制御電圧より低い第2の周波数制御電圧を電圧制御発振器に出力することを特徴とする請求項2記載のPLL回路。
- 位相比較器、レベルシフタ、電圧制御発振器及びクロック分周器の応答が数列によって表現された数式モデルの動作原理と一致していることを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
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JPH08172322A (ja) * | 1994-12-15 | 1996-07-02 | Susumu Kimura | 高周波pwm制御回路 |
JP2004040227A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-02-05 | Mitsubishi Electric Corp | Pll回路およびその設計方法 |
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