JP2005260136A - 低温焼成多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

低温焼成多層セラミック基板の製造方法 Download PDF

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Koichi Shigeno
交市 茂野
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Abstract

【課題】Agを主成分とする電極を有する低温焼成多層セラミック基板のAgの蒸発を防いで電極の接続不良を防止することができる低温焼成多層セラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】被焼成体1である低温焼成多層セラミック基板の周囲をAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック材料2によって被覆して焼成する低温焼成多層セラミック基板の製造方法であり、Agを含む電極の細りや断線といった問題を解決することができる低温焼結セラミック多層基板の製造方法を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、Agを主成分とする電極を用いた低温焼成多層セラミック基板の製造方法に関する。
従来、半導体IC等を実装する多層セラミック基板には大きく分けて高温焼成タイプのHTCC(High Temperature Co−fired Ceramics)系と低温焼成タイプのLTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)系多層セラミック基板に分類できる。HTCC系多層セラミック基板は基材として、Al23やAlN,BeO,SiC−BeOなどの耐熱性を有する無機粉体を用いたものである。これらのセラミック材料は粉末状の前記無機粉体を主成分として混合して成形した後、1500℃以上の高温で焼成することによって製造される。このためHTCC系多層セラミック基板の内部に形成される配線用の導体材料としては融点の高いMoやWが用いられる。しかしながら、このMoやWは導体としては抵抗率が高いという欠点があり、導電率の高いAgやCuは融点が低く、前記HTCC系多層セラミック基板の焼成温度における焼成では溶融してしまい内層用の配線導体として用いることができない。
一方、多層セラミック基板の導体の低抵抗率の要望は高周波域におけるモジュール部品の需要とともに大きくなり、これらの要望を満足するためにアルミナ、フォルステライト等のセラミック原料をAgやCuの溶融しない低温で焼結可能としたものがLTCC系多層セラミック基板である。このLTCC系多層セラミック基板は低温焼成多層セラミック基板とも呼び、前記セラミック原料に低融点のガラス原料を混合することによって低温での焼成を可能としたものであり、例えばホウケイ酸鉛ガラス+アルミナ系、ホウケイ酸ガラス+コージエライト系およびその他各種の組成系などがある。
これらの組成を有する絶縁体材料はAgやCuの導電率の高い金属との同時焼成を可能とするために大体1000℃以下の温度で焼成可能であるように調整している。その結果、低抵抗のAgやCuを内部導体として用いることができ、高周波域で用いる高密度実装を実現できる多層セラミック基板としてはこのLTCC系多層セラミック基板(低温焼成多層セラミック基板)が現在主流になりつつある。
しかしながら、前記LTCC系多層セラミック基板(以下、低温焼成多層セラミック基板と呼ぶ)において、電極材料にAgを用いた場合、焼成時に起こるAg電極の蒸発に起因する配線電極やビア電極のオープン不良を誘発することが問題となっている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、750〜800℃の昇温レートを10℃/Hr以上とする方法や、密封した容器内部にAg固形物を混入して焼成する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−245696号公報
しかしながら、前記従来の低温焼成多層セラミック基板である被焼成体にAgと共晶反応を示すような銅酸化物などの酸化物が含まれる場合あるいは焼結に長時間を必要とする材料を低温焼成多層セラミック基板の基材として用いた場合にはAgの蒸発を十分に抑制することができないという問題点があった。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、より広範囲な材料組成物に対してAgを主成分とする電極の蒸発を抑制しながら焼成するための低温焼成多層セラミック基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、Agを主成分とする電極を有した低温焼成多層セラミック基板の製造方法において、AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック材料によって被焼成体の周囲を被覆して焼成する低温焼成多層セラミック基板の製造方法とするものである。
本発明は、Agを主成分とする電極を有したセラミックグリーンシートを積層して得られる低温焼成多層セラミック基板の製造方法であり、従来の方法よりも焼成時におけるAg電極の蒸発を抑制することが可能であるため、より広範囲な材料組成物に対してAgを主成分とする電極の蒸発を抑制しながら焼成するための低温焼成多層セラミック基板の製造方法を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における低温焼成多層セラミック基板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は本発明の実施の形態1における低温焼成多層セラミック基板の製造方法における焼成方法を説明するための概念図を示す。
図1において、1は被焼成体であり、Agを主成分とする電極を有した低温焼結タイプのセラミックグリーンシートからなる積層体である。
また、2はAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体であり、このセラミック粉体2はAgもしくはAgを含んだ化合物とアルミナやマグネシアなどの被焼成体1の焼結温度以下では焼結せず、被焼成体1と反応しにくいセラミック粉体とを混合分散させたものを用いている。またAgの材料としてはAg粉を用い、Agを含んだ化合物としてはAg2OあるいはAgの合金粉末などを用いることができる。
このセラミック粉体2は焼成後に被焼成体1と容易に分離可能であれば特に限定されない。また、前記セラミック粉体2の粒子径やAgもしくはAgを含んだ化合物の含有量についても被焼成体1との反応性が少なく、焼成後の分離が可能であれば特に限定されないが、AgもしくはAgを含んだ化合物の含有量が少なくなると本発明に記載の効果が得にくくなり、逆に含有量が多くなると被焼成体1との反応が起こりやすくなることから0.1wt%から60wt%の範囲であることが望ましく、より好ましくは2wt%から30wt%とする。
また、3は焼成時に被焼成体1を載置するためのセラミック基板であり、このセラミック基板3は例えばアルミナやジルコニア、マグネシアなどの耐熱性材料から選ぶことができ、化学的に安定で焼成時において被焼成体1やセラミック粉体2と反応しない材料から選択することとなる。そして、セラミック基板3の上に散布したセラミック粉体2は被焼成体1の周囲を被覆するように配置してある。このような状態で被焼成体1の焼成条件で焼成することにより従来の焼成方法と比較して遥かにAg電極の蒸発を抑制することが可能となる。これはAgを電極として含んだ被焼成体1を焼成するとき、AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体2が被焼成体1を覆っていることにより被焼成体1の周りのAgガス濃度を高めることにより被焼成体1の中のAgを含む電極の蒸発を抑制することができることから、Agを含む電極の細りや断線といった問題を解決することができることとなり、Agを含む電極やビア電極のオープン不良の発生を大きく減少させることができるという効果を奏するものである。
また、従来のように被焼成体1を密封した容器などに入れる必要が無くなり、脱バイ性に注意を払うことなく被焼成体1を焼成することができるので生産性の向上にも寄与することができる。
以上のことから、Agを含む電極を有する低温焼成多層セラミック基板の品質と生産性を高めることができる低温焼成多層セラミック基板の製造方法を提供することができる。
次に、図2を用いて本発明の別の焼成方法について説明する。
図2において、図1の焼成方法と特に異なっている点は被焼成体4が板状になっているということとAgまたはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を用いて前記被焼成体4を被覆して焼成していることである。前記被焼成体4は分割部6を有しており、焼成後に分割部6から個片に分割することができるものである。この分割部6を有することにより多数個の部品をあたかも一枚のウエハーとして取り扱うことにより生産性を著しく高めることができるものである。
なお、この分割部6は必要に応じて設けることができる。分割部6を持たない場合にはダイシングソーなどの切断機により個片に分割することも可能である。このような板状を有する被焼成体4を焼成するために、AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体を用いてシート成形したAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を用いていることである。このAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5はAgもしくはAgを含んだ化合物以外に、例えばアルミナやマグネシアなど被焼成体4の焼結温度以下では焼結せず、被焼成体4と反応しにくいセラミック粉体を含有しており、焼成後に被焼成体4と容易に分離可能であれば特に限定されない。
次に、このような形状の被焼成体4を焼成する方法について説明する。
まず図2に示すように、セラミック基板3の上にAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を配置し、このAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5の上に被焼成体4を配置する。次にこの被焼成体4の上にもう一層のAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を重ねる。このようにして被焼成体4はAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5によって被覆された状態となる。
このような状態で被焼成体4が焼結する焼成条件で焼成することにより、被焼成体4の周りのAgガス濃度を高めることができることから、被焼成体4の中のAgを含む電極の蒸発を抑制することによって、Ag電極の細りや断線といった問題を解決することができる低温焼成多層セラミック基板の製造方法を実現することができる。
また、この製造方法は特に被焼成体4である積層体が焼成後に基板分割される板状の低温焼成多層セラミック基板である場合にAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を用いて被覆することにより生産性を高められることと、一定の厚みで均一に被覆することができることから板状の低温焼成多層セラミック基板の均質性を高めることができるという効果を発揮することができる。
また、図2では被焼成体4とセラミック基板3の間にAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を配置して焼成したが、この部分はセラミック基板3が遮蔽板となり、Agの蒸発を防止することが可能であるので直接セラミック基板3の上に被焼成体4を載置して焼成することも可能であり、この場合にはより生産性を高めることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における低温焼成多層セラミック基板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図3は本発明の実施の形態2における低温焼成多層セラミック基板の焼成方法を説明するための概念図である。
図3において、4は分割部6を有した被焼成体であり、図2において説明したものとほぼ同様である。8はAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体より成形した拘束用グリーンシートであり、被焼成体4の上下面の最表面に積層圧着される。この積層圧着の方法は熱圧着によるものや有機系バインダなどを介して接着するなどの方法が用いられるが被焼成体4に強固に接着すれば前記方法に限らない。
また、AgもしくはAgを含んだ化合物を含む拘束用グリーンシート8はAgもしくはAgを含んだ化合物以外に、例えばアルミナやマグネシアなど被焼成体4の焼結温度以下では焼結せず、被焼成体4と反応しにくいセラミック粉体を含有してもよく、焼成後に被焼成体4と容易に分離可能であれば特に限定されない。また、前記AgもしくはAgを含んだ化合物を含む拘束用グリーンシート8に含まれるAgもしくはAgを含んだ化合物の量についても、被焼成体4との反応性が少なく、焼成後の分離が可能であれば特に限定されない。しかし、AgもしくはAgを含んだ化合物の含有量が少なくなると本発明に記載の効果が得にくくなり、逆に含有量が多くなると被焼成体4との反応が起こりやすくなるため、0.1wt%から60wt%の範囲であることが望ましく、より好ましくは2wt%から30wt%とする。
次に、焼成後はサンドブラスト装置などを使って拘束用グリーンシート8を構成する無機粉体が容易に除去される。
以上のように、前記低温焼成多層セラミック基板の焼成温度では実質的に焼結しないAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体からなる無機組成材料によって構成される拘束用グリーンシート8を被焼成体4の上下面の最表層に配置されるように圧着してから焼成するため、焼成時に発生する面方向への収縮を拘束し、厚み方向の収縮だけに一元化することが可能となるため、従来の焼成方法と比較して、焼結体の反りや層間剥離などを防止し、寸法精度を高精度に制御することができる低温焼成多層セラミック基板の製造方法を提供することができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3における低温焼成多層セラミック基板の製造方法について説明する。
実施の形態1,2に記載した低温焼成多層セラミック基板の製造方法において、被焼成体1または4が酸化銅を含む時、Agを主成分とする電極が被焼成体1または4に含まれる酸化銅と共晶反応を起こし、Ag電極の蒸発が誘発されやすくなる。しかしながら、本発明の低温焼成多層セラミック基板の製造方法によれば、従来の方法で製造した場合と比較して著しくAg電極の蒸発を抑制することが可能となることが分かった。このように被焼成体1または4に酸化銅を含む材料を用いたときにおいても、Agを含む電極やビア電極のオープン不良の発生を大きく減少させることができるという効果を奏するものである。
また、被焼成体1または4に含まれるガラス量が10重量部以下とすることで、良好な機械的強度と熱伝導性を保持し、且つAg電極の蒸発を抑制した低温焼成多層セラミック基板の製造方法を実現することができる。
また、焼成の雰囲気として酸素濃度が20wt%以下であればよりAgの飛散を防止することができ、これを組み合わせることによって、さらにAg電極の蒸発を抑制した低温焼成多層セラミック基板の製造方法を実現することができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
主成分にアルミナ(Al23)とホウケイ酸ガラスを用い、副成分として微量の酸化銅(CuO)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化チタン(TiO2)を含むセラミック粉体をボールミルによって混合・乾燥した後、この混合粉体にバインダとしてポリビニルブチラール樹脂、可塑剤としてジブチルフタレート、溶剤として酢酸ブチルを所定量添加し、ボールミルを用いて混合することによりセラミックスラリーを得た。
その後、このセラミックスラリーを用いてドクターブレード法により所望の厚みのセラミックグリーンシートを成形した。
以上のように作製したセラミックグリーンシートのうちビア電極を形成する各セラミックグリーンシートには機械的にビア孔を貫通させた後スクリーン印刷法でAgペーストを充填してビア電極を形成し、導体層や表層の導体層を形成する各セラミックグリーンシート上には同様の方法でAgペーストをパターン印刷した。
これらのセラミックグリーンシートを図4の積層体構成を複数個有するように40℃−100kg/cm2の熱プレス条件で加圧しながら圧着することにより積層体15を製造した。
次に、このようにして製造された多数個取りの積層体15は所望の大きさに切断し個片化した。
図4において、積層体15の製造は誘電体もしくはガラスを主成分とする絶縁体からなるセラミック層10を基材とし、11は導体層である内部Ag電極であり、12はビアAg電極、13は表層Ag電極である。
また、内層に2層の内部Ag電極11によって所定の面積で対向するように電極パターンを設計して配置することによってコンデンサ素子を形成することによりコンデンサ素子内蔵の評価用の低温焼結多層セラミック基板とした。
一方、Agの化合物を含んだセラミック材料として、粒径が数μmのアルミナとAg2Oを重量比で50:50としたAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体2を作製するとともに実施の形態2で説明したAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を作製した。
その後、前記AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体2とAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5を使って、図1および図2に示すような状態に設置するとともに500℃で4時間熱処理することによりバインダおよび可塑剤成分を分解除去した後、連続して920℃、昇降温速度300℃/Hr、2時間保持の条件で焼成して焼結体を得た。
これらの低温焼成多層セラミック基板の静電容量をLCRメータにて1MHzで測定した結果を(表1)に示す。
なお、比較例として、通常の焼成方法により焼成を行った場合についても、その静電容量を表中に記載した(比較例1〜3)。
また、焼成時の酸素濃度の雰囲気を変えて焼成を行った試料の特性についても同様に測定し(表1)に記載した。
また、(表1)中の実施例1、実施例3、比較例1における表層Ag電極13の光学顕微鏡写真を図5(a)〜(c)に示す。
Figure 2005260136
(表1)の結果より、被焼成体である積層体15をAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体2またはAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート5によって被覆した状態で焼成を行った試料(実施例1〜4)に関して、計算から求められる静電容量値をほぼ実現しているのに対して、比較例の焼成方法では5割程度の静電容量しか得られていない。これは、図5に示す観察像からもわかるようにAgの蒸発に起因する電極面積の縮小による静電容量の低下やビアAg電極12の断線によるOPEN不良が発生しているものと考えられる。
また、酸素濃度を20%以上とした場合、いずれの試料に関しても静電容量の低下が見られ、逆に酸素濃度を小さくしたときに、より高容量のコンデンサを形成できていることが確認された。
(実施例2)
主成分にアルミナ(Al23)とホウケイ酸ガラスを用い、副成分として微量の酸化銅(CuO)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化チタン(TiO2)を含むセラミック粉体をボールミルによって混合・乾燥した後、溶剤、バインダ、可塑剤として酢酸ブチル、ポリビニルブチラール樹脂、ジブチルフタレートを添加し、ボールミル混合してセラミックスラリーを得た。その後、このセラミックスラリーをドクターブレード法により所望の厚みのセラミックグリーンシート10を形成した。
一方、アルミナとAgを重量比で90:10としたセラミック粉体を用いた拘束用グリーンシート14も前記工程と同様にして調製した。
以上のように作製したセラミックグリーンシート10のうち、ビア電極12を形成するセラミックグリーンシート10には機械的にビア孔を貫通させた後、スクリーン印刷法でAgペーストをビア孔へ充填し、内部Ag電極11や表層Ag電極13を形成する各セラミックグリーンシート10の上には同様の方法でAgペーストをスクリーン印刷法によりパターン印刷した。これらのセラミックグリーンシート10と拘束用グリーンシート14を用いて図6に示すような積層体16となるように40℃−100kg/cm2の熱プレス条件で加圧しながら積層した。
図6で10は誘電体もしくはガラスを主成分とするセラミック層、11は内部Ag電極、12はビアAg電極、13は表層Ag電極、14は拘束用グリーンシートであり、このようにして実施例1と同じようなコンデンサ素子内蔵の評価用低温焼成多層セラミック基板とした。
このようにして作製された多数個取りの積層体16は500℃で4時間熱処理することによりバインダ、可塑剤成分を焼去した。その後連続して920℃、昇降温速度300℃/Hr、2時間保持の条件で焼成して焼結体を得た。ここで、拘束用グリーンシート14を設けることによって面方向への収縮を抑制することにより面方向の寸法精度を高く維持した低温焼成多層セラミック基板を実現できる。また焼結体の反りなども大きく抑制することが可能であるため、より多数個取りの基板として焼成した後、機械的に個片に切断しても製品としての問題はないことを確認している。最後に、表層に残留した拘束用グリーンシート14の無機組成物はサンドブラスト法を用いて機械的に除去した。
これらのコンデンサ内蔵セラミック基板の静電容量をLCRメータにて1MHzで測定した結果を(表2)を示す。なお、比較例として、通常の焼成方法により焼成を行った場合の静電容量については(表1)の比較例を参照のこと。また、焼成時の雰囲気を変えて焼成を行った試料の特性についても同様に測定し(表2)に記載した。
Figure 2005260136
(表2)の結果より、被焼成体の両最表面にAgもしくはAgを含んだ化合物を含む拘束用グリーンシート14を熱圧着によって積層した実施例5〜7に関しては、計算から求められる静電容量をほぼ実現していることがわかる。また、実施例1でも述べた結果と同様に、酸素濃度を20%以上とした場合、実施例5〜7に関しても静電容量の低下が見られ、逆に酸素濃度を小さくしたときに、より高容量のコンデンサを形成できていることが確認された。
以上のように、本発明にかかる低温焼成多層セラミック基板の製造方法は、従来よりも遥かにAg電極の蒸発を抑制でき、電極切れによるオープン不良が極めて発生しにくいため、Agを主成分とする電極を有する低温焼成多層セラミック基板の製造に有用である。また、セラミックグリーンシートを用いることにより、より高度な寸法精度が要求される低温焼成多層セラミック基板の製造に有用である。
本発明の実施の形態1における低温焼成多層セラミック基板の焼成方法を説明するための概念図 同別の方法の概念図 本発明の実施の形態2における低温焼成多層セラミック基板の焼成方法を説明するための概念図 本発明の実施例1、実施例3、比較例1におけるコンデンサを内蔵した低温焼成多層セラミック基板の断面図 (a)〜(c)本発明の実施例1における焼成後の低温焼成多層セラミック基板の表層Ag電極の光学顕微鏡写真を示す図 本発明の実施例2におけるコンデンサを内蔵した低温焼成多層セラミック基板の断面図
符号の説明
1 被焼成体
2 AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体
3 セラミック基板
4 被焼成体
5 AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミックグリーンシート
6 分割部
8 AgもしくはAgを含んだ化合物を含む拘束用グリーンシート
10 誘電体もしくはガラスを主成分とするセラミック層
11 内部Ag電極
12 ビアAg電極
13 表層Ag電極
14 AgもしくはAgを含んだ化合物を含む拘束用グリーンシート
15 積層体
16 積層体

Claims (8)

  1. Agを主成分とする電極を有したセラミックグリーンシートを積層して得られる低温焼成多層セラミック基板の製造方法において、被焼成体である低温焼成多層セラミック基板の周囲をAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック材料によって被覆して焼成する低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  2. AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック材料に低温焼成多層セラミック基板の焼成温度では焼結しない材料または低温焼成多層セラミック基板と反応しない材料を用いた請求項1に記載の低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  3. AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック材料にセラミック粉末を用いた請求項1に記載の低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  4. AgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック材料にセラミックグリーンシートを用いた請求項1に記載の低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  5. Agを主成分とする電極を有したセラミックグリーンシートを積層して得られる低温焼成多層セラミック基板の製造方法において、前記低温焼成多層セラミック基板の焼成温度では実質的に焼結しないAgもしくはAgを含んだ化合物を含むセラミック粉体からなる無機組成材料によって構成される拘束用グリーンシートを被焼成体である低温焼成多層セラミック基板の上下面に積層圧着し、その後この拘束用グリーンシートを構成する無機組成材料の焼結温度未満の温度で焼成した後、前記焼成で得られた焼結体である低温焼成多層セラミック基板の上下面に残存する拘束用グリーンシートを構成する無機組成材料を除去する工程とからなる低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  6. 低温焼成多層セラミック基板を構成するセラミックグリーンシートに酸化銅を含んだ請求項1または5に記載の低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  7. 低温焼成多層セラミック基板を構成するセラミックグリーンシートに10重量部以下のガラスを含んだ請求項1、5、6のいずれか一つに記載の低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
  8. 酸素濃度20%以下の雰囲気中にて焼成する請求項1、5、6のいずれか一つに記載の低温焼成多層セラミック基板の製造方法。
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