JP2005259666A - 排気処理装置および表示パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排気開始時から所定の圧力ポイントに達するまで、また、排気経路が切り替わるタイミングで、排気系統にリークが発生するという問題や、排気速度調整のためポンプの回転速度を変えた場合に、排気効率が低下するという問題を、解決する。
【解決手段】 ターボ分子ポンプ(第2の排気手段)56及びロータリポンプ(第1の排気手段)58の排気通路63に絞り弁(排気コンダクタンス制御手段)61を設け、排気対象物40内が所定の基準圧力になるまでの間、絞り弁(排気コンダクタンス制御手段)61により排気コンダクタンスを減少させる。
【選択図】 図5
【解決手段】 ターボ分子ポンプ(第2の排気手段)56及びロータリポンプ(第1の排気手段)58の排気通路63に絞り弁(排気コンダクタンス制御手段)61を設け、排気対象物40内が所定の基準圧力になるまでの間、絞り弁(排気コンダクタンス制御手段)61により排気コンダクタンスを減少させる。
【選択図】 図5
Description
本発明は、排気対象物内の排気処理をする排気処理装置およびこの排気処理を経て製造される表示パネルの製造方法に関する。
コンピュータモニタやテレビ受像器等の表示パネルとして、プラズマディスプレイパネルが広く用いられている。
図1は、交流型のプラズマディスプレイパネルの構成の一例を示す概略図である。このプラズマディスプレイパネルは、前面ガラス基板10と背面ガラス基板20とを貼り合わせたものからなる(例えば、特許文献1参照)。
図1は、交流型のプラズマディスプレイパネルの構成の一例を示す概略図である。このプラズマディスプレイパネルは、前面ガラス基板10と背面ガラス基板20とを貼り合わせたものからなる(例えば、特許文献1参照)。
前面ガラス基板10は、内面側に放電電極11を有する。放電電極11は誘電体ガラス層12および酸化マグネシウム(MgO)からなる誘電体保護層13により覆われている。
また、背面ガラス基板20は、内面側にアドレス電極21を有する。このアドレス電極21は可視光反射層22により覆われ、この可視光反射層22上に複数の隔壁部材23が設けられている。この隔壁部材23上に蛍光体層24が設けられ、この蛍光体層24で覆われた各隔壁部材間が放電空間25とされている。
蛍光体層24は、カラー表示のために、放電空間ごとに赤、緑、青の順で繰り返し配置されている。これらの蛍光体層24は、放電により発生する波長の短い紫外線により励起発光する。
このような構成のプラズマディスプレイパネルは、次のようにして製造される。
まず、前面ガラス基板10上に放電電極11を形成し、これを覆うように誘電体ガラス層12を形成する。さらに、この誘電体ガラス層12上にMgOからなる保護層を形成する。
まず、前面ガラス基板10上に放電電極11を形成し、これを覆うように誘電体ガラス層12を形成する。さらに、この誘電体ガラス層12上にMgOからなる保護層を形成する。
一方、背面ガラス基板20にはアドレス電極21を形成し、その上に誘電体ラスからなる可視光反射層22とガラス製の隔壁部材23を、所定のピッチで作成する。
これらの隔壁に挟まれた各空間内には、各色の蛍光体ペーストが順に配設されて、蛍光体層24とされる。この蛍光体層24を500℃程度で焼成し、ペースト内の樹脂成分を除去する(蛍光体焼成工程)。
これらの隔壁に挟まれた各空間内には、各色の蛍光体ペーストが順に配設されて、蛍光体層24とされる。この蛍光体層24を500℃程度で焼成し、ペースト内の樹脂成分を除去する(蛍光体焼成工程)。
次に、背面ガラス基板20の周囲に封着用ガラスフリットを塗布し、これを350℃程度に仮焼成して、樹脂成分等を除去する(封着用ガラス仮焼成工程)。
続いて、前記放電電極11、誘電体ガラス層12および誘電体保護層13を持った前面ガラス基板10と背面ガラス基板20とを、放電電極11とアドレス電極21とが直交するように、隔壁部材23を介して配置および接合させる。この状態において450℃で焼成して、封着用ガラスによって各ガラス基板10、20の周囲を密封してパネルを形成する(封着工程)。
この後、所定の温度に加熱しながらパネル内を排気し(排気工程)、この排気後に放電ガスを所定圧力だけ導入し、かつ封止することで(ガス封入工程)、プラズマディスプレイパネルが完成する。
図2は、前記封着・排気処理を実施する封着・排気処理装置の一例を示す構成図である。この封着・排気処理装置30は、各ガラス基板10、20を貼り合わせた外囲器(排気対象物40)を収納して加熱する加熱炉41と、ガス導入系統42と、排気系統43とから構成されている。
各ガラス基板10、20周辺の対向面に封着材層44が介在されている。45は加熱炉41内に設けられたヒータである。
背面ガラス基板20には通気孔46、47が設けられ、これらにガラス製の接続管48、49が接続されている。各接続管48、49は加熱炉41に取り付けられた連結管50、51を介してガス導入系統42および排気系統43に接続されている。
背面ガラス基板20には通気孔46、47が設けられ、これらにガラス製の接続管48、49が接続されている。各接続管48、49は加熱炉41に取り付けられた連結管50、51を介してガス導入系統42および排気系統43に接続されている。
そして、連結管50端には開閉バルブ52を介してガスボンベ53が接続されている。一方、連結管51端にはマニホルド54および主弁(MV)55を介してターボ分子ポンプ(TMP)56が接続されている。
また、このターボ分子ポンプ56には補助弁(FV)57を介してロータリポンプ(RP)58が接続されている。さらに、マニホルド54には粗引弁(RV)59を介して前記ロータリポンプ58が接続されている。
このような封着・排気処理装置30では、排気対象物40の排気処理を、加熱炉41内が封着材層44の軟化温度に達したとき開始する。この封着材層44の軟化により、両ガラス基板10、20間の外周部の気密シール性が保持される。
次に、加熱炉41内の温度を、前記封着材層44の軟化点より低い温度で加熱(ベーキング)しながら、主弁55および補助弁57を適度に開いた状態で、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58を駆動させる。
これにより、排気対象物40内を真空状態にまで吸引する。この後、ガス導入系統42のガスボンベ53から放電ガスを充填し、続いて、この放電ガスの充填を止め、排気対象物40内の放 電ガスを吸引、排出する。これにより、排気対象物40内を再び真空状態とする。
このような真空排気、放電ガスの導入、真空排気という処理を繰り返し、排気対象物40内の不純物ガスを低濃度とする。そして、予定の真空状態とされた排気対象物40内に再び放電ガスを所定の圧力に封入し、接続管48、49の不振部分をバーナで溶融して封じ切ることで、封着工程を終了する。
次に、従来の排気処理装置およびその動作について図を参照して説明する。
図3は、従来の排気処理装置100の排気系統図であり、図2に示した封着・排気処理装置30における主弁55、補助弁57および粗引弁59が弁開閉制御部60により開閉制御される構成となっている。
図3は、従来の排気処理装置100の排気系統図であり、図2に示した封着・排気処理装置30における主弁55、補助弁57および粗引弁59が弁開閉制御部60により開閉制御される構成となっている。
次に、この排気系統での排気手順を、図4に示す排気系統各部の圧力遷移図に従って説明する。排気開始時には、排気対象物40内は大気圧P0である。まず、弁開閉制御部60により粗引弁59が開、主弁55および補助弁57が閉、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58はオン(駆動)される。
これにより、ロータリポンプ58は粗引弁59を通じて排気対象物である排気対象物40内を排気する。この排気は、排気対象物40内が所定圧力P1となるまで継続する(排気経路A)。一方、弁開閉制御部60はこの所定圧力P1 を検知すると、粗引弁59を閉、主弁55および補助弁57を開にする。
このため、ロータリポンプ58およびターボ分子ポンプ56が協働して排気対象物40内をさらに効率的に排気する。この排気を一定時間継続し、その後放電ガスの封入を行うことは、前述した通りである。
特開2001−43802号公報
しかしながら、上記の従来の排気処理装置100は、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58の排気能力が高い場合に、排気開始時と、排気経路Aが排気経路Bに切り替わるときに、排気対象物40内に大きな圧力変動を招く。特に、排気開始時においては、気体分子の移動による衝撃が大きく、排気系統の一部にリークが発生する虞がある。
一方、このリークの発生を防止するため、前記ポンプ56、58の回転数を制御することで、排気速度を調整することが考えられている。しかし、ポンプ56、58を所定の回転数にするまでに時間遅れを発生し、効率的な排気が行えないなどの不都合がある。
本発明が解決しようとする課題としては、排気開始時から所定の圧力ポイントに達するまで、また排気経路が切り替わるタイミングで、排気系統にリークが発生するという問題の解決や、排気速度調整のためポンプの回転速度を変えた場合に、排気効率が低下するという問題の解決などが、それぞれ一例として挙げられる。
請求項1に記載の排気処理装置は、排気対象物に接続され、前記排気対象物内を排気する排気手段を備えた排気処理装置であって、前記排気手段の排気通路に排気コンダクタンス制御手段を設け、前記排気対象物内が所定の基準圧力になるまでの間、前記排気コンダクタンス制御手段により排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする。
請求項6に記載の表示パネルの製造方法は、排気対象物の内部空間を排気手段により排気する排気工程を有する表示パネルの製造方法であって、前記排気工程において、前記排気手段による排気開始から、前記排気対象物内が所定の基準圧力になるまでの間、排気コンダクタンス制御手段により排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、前述の図1〜図4に対応する部分には同一符号が付してある。
(第1の実施の形態)
図5は、第1の実施の形態に係る排気処理装置の排気系統図である。
図5に示すように、排気処理装置1は、例えばプラズマディスプレイパネルやFED(Field emission display)等の表示パネルを構成するガラス基板を貼り合わせた排気対象物40に接続され、この排気対象物40内を排気するものであり、例えば前述の図2で示した、封着・排気処理装置30の排気系統43に相当する。
即ち、図5に示すように排気処理装置1は、排気コンダクタンス制御手段としての絞り弁61、主弁55、ターボ分子ポンプ56、補助弁57、ロータリポンプ58、粗引弁59、弁開閉制御部60および圧力計62を備えている。
(第1の実施の形態)
図5は、第1の実施の形態に係る排気処理装置の排気系統図である。
図5に示すように、排気処理装置1は、例えばプラズマディスプレイパネルやFED(Field emission display)等の表示パネルを構成するガラス基板を貼り合わせた排気対象物40に接続され、この排気対象物40内を排気するものであり、例えば前述の図2で示した、封着・排気処理装置30の排気系統43に相当する。
即ち、図5に示すように排気処理装置1は、排気コンダクタンス制御手段としての絞り弁61、主弁55、ターボ分子ポンプ56、補助弁57、ロータリポンプ58、粗引弁59、弁開閉制御部60および圧力計62を備えている。
絞り弁61は、排気コンダクタンス制御機能を有し、絞り弁61に代えてオリフィスを用いることができる。この絞り弁61は排気対象物40に接続された排気通路63の途中に接続されている。
主弁55は、絞り弁61を介して排気対象物40に接続され、弁開閉制御部60の制御下で開閉される。
主弁55は、絞り弁61を介して排気対象物40に接続され、弁開閉制御部60の制御下で開閉される。
ターボ分子ポンプ56は、絞り弁61および主弁55を介して排気対象物40に接続され、排気対象物40内を吸引排気するものである。
ロータリポンプ58は、補助弁57を介してターボ分子ポンプ56に接続され、このターボ分子ポンプ56の背圧を下げて、排気対象物40内の排気力を高めるように機能する。
ロータリポンプ58は、補助弁57を介してターボ分子ポンプ56に接続され、このターボ分子ポンプ56の背圧を下げて、排気対象物40内の排気力を高めるように機能する。
補助弁57は、弁開閉制御部60の制御下で開閉されて、ロータリポンプ58によるターボ分子ポンプ56の背圧を調節するように機能する。
粗引弁59は、主弁55、ターボ分子ポンプ56および補助弁57をバイパスするように、絞り弁61およびロータリポンプ58間に接続されている。この粗引弁59も弁開閉制御部60の制御下で開閉される。
粗引弁59は、主弁55、ターボ分子ポンプ56および補助弁57をバイパスするように、絞り弁61およびロータリポンプ58間に接続されている。この粗引弁59も弁開閉制御部60の制御下で開閉される。
次に、図5に示す排気系統による排気手順を、図6に示す排気系統各部の圧力遷移図に従って説明する。
排気対象物40内を大気圧P0(1×105pa)から第1の圧力P1
(1×10-1pa)まで排気する。このために、弁開閉制御部60により、粗引弁59を開、主弁55および補助弁57を閉、絞り弁61を開(絞り)、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58をオン(駆動)にする。
排気対象物40内を大気圧P0(1×105pa)から第1の圧力P1
(1×10-1pa)まで排気する。このために、弁開閉制御部60により、粗引弁59を開、主弁55および補助弁57を閉、絞り弁61を開(絞り)、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58をオン(駆動)にする。
これにより、ロータリポンプ58は絞り弁61および粗引弁59を介して排気対象物40内の排気を行う。このとき絞り弁61は、排気対象物40内の圧力が所定の基準圧力P2 (1×105pa〜1pa間の所定の圧力>P1)になるまでの間、弁開閉制御部60の制御下で排気速度を遅くするように絞り動作する。つまり、排気コンダクタンスを小さく抑える。
これにより、気体分子の移動による衝撃を和らげて、排気系統でのリークによる不具合を防止できる。
これにより、気体分子の移動による衝撃を和らげて、排気系統でのリークによる不具合を防止できる。
また、このようにして排気対象物40内の圧力が所定の基準圧力P2になると、弁開閉制御部60は絞り弁61のみを制御し、これを閉(絞り解除)にする。このため、排気対象物40内の排気速度は粗引弁59を介して高められる。所定の基準圧力P2付近での圧力変動は緩やかとなり、前記リークの発生を防止できる。
絞り弁61の絞りが解除されて、排気対象物40内の圧力が第1の圧力P1になると、弁開閉制御部60の制御下で、粗引弁59が閉、主弁55および補助弁57が開となる。
このため、絞り弁61、主弁55、補助弁57を通じて両ポンプ56、58による排気動作が始まり、排気対象物40内はP1より低い第2の圧力(例えば、表示パネルの排気工程終了時の圧力)に向かって排気が高速で行われる。従って、所定の基準圧力P2以降はP2以前に比べて排気効率が高められる。
このため、絞り弁61、主弁55、補助弁57を通じて両ポンプ56、58による排気動作が始まり、排気対象物40内はP1より低い第2の圧力(例えば、表示パネルの排気工程終了時の圧力)に向かって排気が高速で行われる。従って、所定の基準圧力P2以降はP2以前に比べて排気効率が高められる。
図6に示すように、排気制御では、所定の基準圧力P2になるまでは排気コンダクタンスを小さくして、排気系統の前記リーク発生を防止でき、所定の基準圧力P2以後は排気効率を高めることができる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係る排気処理装置1aの排気系統図を示す。図7は、絞り弁61を排気対象物40と主弁55との間に接続せず、粗引弁59に並列接続した点のみ、図5とは異なる。
図7は、第2の実施の形態に係る排気処理装置1aの排気系統図を示す。図7は、絞り弁61を排気対象物40と主弁55との間に接続せず、粗引弁59に並列接続した点のみ、図5とは異なる。
この図7に示す排気系統による排気手順を、図8に示す排気系統各部の圧力遷移図に従って説明する。
排気対象物40内を大気圧P0から前記第1の圧力P1まで排気する。このために、まず、弁開閉制御部60により、粗引弁59、主弁55および補助弁57を閉、絞り弁61を開(絞り)、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58をオン(駆動)にする。
排気対象物40内を大気圧P0から前記第1の圧力P1まで排気する。このために、まず、弁開閉制御部60により、粗引弁59、主弁55および補助弁57を閉、絞り弁61を開(絞り)、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58をオン(駆動)にする。
このため、ロータリポンプ58は絞り弁61を含む排気経路Aを通して排気対象物40内の排気を行う。このとき、絞り弁61は、排気対象物40内の圧力が所定の基準圧力P2になるまでの間、排気速度を遅くするように開度を絞る。
このため、排気開始時の排気コンダクタンスが小さく抑えられ、気体分子の移動による衝撃を和らげて、排気系統でのリークおよびこれによる不具合を防止できる。
このようにして排気対象物40内の圧力が所定の基準圧力P2になると、弁開閉制御部60は、絞り弁61を閉(絞り解除)するとともに、粗引弁59を開に切り替える。このため、ロータリポンプ58は開となった粗引弁59および絞り弁61を通して、排気対象物40内の排気を高速で行う。
そして、所定の基準圧力P2になると、弁開閉制御部60は再び粗引弁59を閉、主弁55および補助弁57を開に切り替える。このため、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58の両ポンプが協働して、排気経路Bを通して排気対象物40内を高速で排気する。
図7に示す排気制御では、排気開始後の所定の基準圧力P2に低下するまでは、排気コンダクタンスを小さく抑えて、排気系統でのリーク発生を防止でき、所定の基準圧力P2以下では、排気効率を高めて、排気速度を向上することができる。
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係る排気処理装置1bの排気系統図を示す。図9は、絞り弁64を主弁55に並列接続した点のみ、図7とは異なる。つまり、2つの絞り弁61、64がそれぞれ粗引弁59および主弁55に並列接続される。
図9は、第3の実施の形態に係る排気処理装置1bの排気系統図を示す。図9は、絞り弁64を主弁55に並列接続した点のみ、図7とは異なる。つまり、2つの絞り弁61、64がそれぞれ粗引弁59および主弁55に並列接続される。
この図9に示す排気系統による排気手順を、図10に示す排気系統各部の圧力遷移図に従って説明する。
排気対象物40内を大気圧P0から前記第1の圧力P1まで排気する。このために、まず、排気開始時には、弁開閉制御部60により、粗引弁59、主弁55および補助弁57を閉、絞り弁(KVI)61、絞り弁(KV2)64を開(絞り)、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58をオン(駆動)にする。
排気対象物40内を大気圧P0から前記第1の圧力P1まで排気する。このために、まず、排気開始時には、弁開閉制御部60により、粗引弁59、主弁55および補助弁57を閉、絞り弁(KVI)61、絞り弁(KV2)64を開(絞り)、ターボ分子ポンプ56およびロータリポンプ58をオン(駆動)にする。
すると、ロータリポンプ58は絞り弁61を介して排気対象物40内の排気をゆっくり行う。絞り弁61は、排気対象物40内の圧力が所定の(第1の)基準圧力P2になるまでの間、排気速度を遅くするように開度を絞る。
これにより、排気開始時の排気コンダクタンスが小さく抑えられ、気体分子の移動による衝撃を和らげて、排気系統でのリークおよびこれによる不具合を確実に防止できる。
このようにして、排気対象物40内が圧力P2になると、弁開閉制御部60は粗引弁59を開、絞り弁61を閉(絞り解除)にする。このため、排気対象物40内は、粗引弁59を介してロータリポンプ58により急速に排気が行われる。
続いて、排気対象物40内が前記第1の圧力P1になると、弁開閉制御部60は再び粗引弁59を閉、補助弁57を開、絞り弁64を開(絞り)に切り替える。
これにより、ロータリポンプ58およびターボ分子ポンプ56の2つのポンプによる絞り弁64および補助弁57を介しての排気経路Bによって、圧力P2に比べて幾分低い排気速度にて排気対象物40内が排気される。
この場合には、所定の(第1の)基準圧力P2から所定の(第2の)基準圧力P3になるまでの間での排気コンダクタンスを小さく抑えるため、この間での排気系統におけるリーク発生を防止できる。
さらに、排気対象物40内がさらに所定の(第2の)基準圧力P3に低下すると、主弁55が開、絞り弁64が閉(絞り解除)となる。従って、両ポンプ56、58により排気経路Bを通して61、64が共に閉(絞り解除)になり、主弁55および補助弁57も開となるため、両ポンプ56、58により2つの排気経路A、Bを通して、排気対象物40内が高速で排気される。
このように、排気対象物40の排気系統に絞り弁61を挿入し、2つのポンプの切り替え時に生じる圧力変化のポイント付近で排気スピードを制御することで、排気コンダクタンスを小さく抑えることができる。従って、排気系統における前記リークの発生を防止することができる。一方、圧力変化のポイント以降は、排気スピードを最大限上げて、排気能率を稼ぐことができる。
なお、前述の各実施の形態における絞り弁61、64は、粗引弁59、主弁55に対し、それぞれ1個ずつを並列接続した例を示したが、図11に示すように、粗引弁59や主弁55に対し直列接続してもよい。
また、図12に示すように、粗引弁59および主弁55に対し、それぞれ2個以上の絞り弁61、64を並列接続するようにしてもよい。図11および図12の場合にも、リークが発生するポイントで、これらの絞り弁61、64を開制御して、排気コンダクタンスを小さく抑えることができる。
なお、前記各絞り弁61、64は、前記排気経路A、B以外に設けた別の系統中に設けてもよい。また、これらの各絞り弁61、64を前記のような自動弁とするほか、手動弁としてもよい。
排気制御手段として、前記絞り弁61、64に代えてオリフィスを排気通路中に設けてもよく、また、排気通路配管自体の内径を所定径に狭めてもよい。
また、このような排気処理方法を用いて排気対象物40の排気を行って製造されたプラズマディスプレイパネルやFEDなどの表示パネルは、発光特性および放電特性を安定化し、長寿命化を図ることができる。
以上詳述したように、上記各実施の形態における排気処理装置1,1a,1bは、排気対象物40に接続され、この排気対象物40内を排気するポンプ56、58を備えているものであり、ポンプ56、58の排気通路63に排気コンダクタンス制御手段としての絞り弁61を設け、排気対象物40内が所定の基準圧力になるまでの間、絞り弁61により排気コンダクタンスを減少させる。
これにより、排気処理時にポンプ56、58を切り替えることによる圧力変化点で、排気対象物40や排気系統が衝撃を受けてリークが発生してしまうことを防止することができる。また、従来の排気処理装置の排気系統に対して、絞り弁61のみを追加した構成によりリーク発生の防止効果を奏するので、排気処理装置の改造が簡単に実現できる。
また、本発明の形態における表示パネルの製造方法は、排気対象物40(プラズマディスプレイパネルやFED等の表示パネル)の内部空間をポンプ56、58により排気する排気工程を有する製造方法であり、この排気工程において、ポンプ56、58による排気開始から、排気対象物40内が所定の基準圧力になるまでの間、絞り弁61により排気コンダクタンスを減少させる。
これにより、排気開始時の大気圧から排気圧力を高めていく際に、圧力の変化点付近で生じる気体分子の移動による衝撃により、排気系統および排気対象物40自体にリークを発生するような損傷等ができるのを未然に回避できる。また、そのような衝撃が発生する圧力変化ポイント以外では、十分な排気能力を発揮して排気速度を早めることができる。結果として、表示パネルの生産能率の向上に寄与することができる。
40 排気対象物
56 ターボ分子ポンプ(第2の排気手段)
58 ロータリポンプ(第1の排気手段)
61、64 絞り弁(排気コンダクタンス制御手段)
56 ターボ分子ポンプ(第2の排気手段)
58 ロータリポンプ(第1の排気手段)
61、64 絞り弁(排気コンダクタンス制御手段)
Claims (9)
- 排気対象物に接続され、前記排気対象物内を排気する排気手段を備えた排気処理装置であって、
前記排気手段の排気通路に排気コンダクタンス制御手段を設け、
前記排気対象物内が所定の基準圧力になるまでの間、前記排気コンダクタンス制御手段により排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする排気処理装置。 - 前記排気手段は、
前記排気対象物内を前記基準圧力よりも低い第1の圧力まで排気する第1の排気手段と、
前記第1の排気手段に接続され、前記排気対象物内を前記第1の圧力より低い第2の圧力まで排気する第2の排気手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の排気処理装置。 - 前記排気コンダクタンス制御手段は、前記第1の排気手段による排気開始時点から前記排気対象物内が第1の基準圧力になるまでの間、排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする請求項2に記載の排気処理装置。
- 前記排気コンダクタンス制御手段は、前記第2の排気手段による排気開始時点から前記排気対象物内が前記第1の圧力よりも低い所定の第2の基準圧力になるまでの間、排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする請求項2に記載の排気処理装置。
- 前記排気対象物が、プラズマディスプレイパネルであることを特徴とする請求項1に記載の排気処理装置。
- 排気対象物の内部空間を排気手段により排気する排気工程を有する表示パネルの製造方法であって、
前記排気工程において、前記排気手段による排気開始から、前記排気対象物内が所定の基準圧力になるまでの間、排気コンダクタンス制御手段により排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする表示パネルの製造方法。 - 前記排気手段による排気工程が、
前記排気対象物内を前記基準圧力よりも低い第1の圧力まで排気する第1排気工程と、
前記排気対象物内を第1の圧力よりも低い第2の圧力まで排気する第2排気工程と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の表示パネルの製造方法。 - 前記第1排気工程による排気開始時点から前記排気対象物内が第1の基準圧力になるまでの間、排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする請求項7に記載の表示パネルの製造方法。
- 前記第2排気工程による排気開始時点から前記排気対象物内が第2の基準圧力になるまでの間、排気コンダクタンスを減少させることを特徴とする請求項7に記載の表示パネルの製造方法。
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WO2011108260A1 (ja) * | 2010-03-02 | 2011-09-09 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
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