JP2005259638A - 導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品 - Google Patents

導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2005259638A
JP2005259638A JP2004072561A JP2004072561A JP2005259638A JP 2005259638 A JP2005259638 A JP 2005259638A JP 2004072561 A JP2004072561 A JP 2004072561A JP 2004072561 A JP2004072561 A JP 2004072561A JP 2005259638 A JP2005259638 A JP 2005259638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
powder
ceramic powder
internal electrode
conductive paste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004072561A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4517689B2 (ja
Inventor
Masafumi Nakayama
雅文 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004072561A priority Critical patent/JP4517689B2/ja
Publication of JP2005259638A publication Critical patent/JP2005259638A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4517689B2 publication Critical patent/JP4517689B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】非酸化性雰囲気で焼成する際、投入個数が多くても内部電極切れを防止し、ショート不良がなく、高い静電容量と構造欠陥の発生しにくい積層セラミックコンデンサなどに代表される積層電子部品の内部電極に使用する導電ペーストを提供することを目的とする。
【解決手段】セラミック材料と同組成か、もしくはセラミック材料の主成分とCaCO3,SrCO3,BaCO3から選ばれる少なくとも1種以上の炭酸塩を添加したNiペーストを内部電極に用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電ペースト及びこれを用いて形成した内部電極とセラミックシートが交互に積層された構造の積層型電子部品に関するものである。
図1は積層型電子部品の一つである積層セラミックコンデンサの一部切欠斜視図であり、セラミック誘電体層11と内部電極12とが交互に積層されて積層体を構成し、内部電極12はその端部が積層体の対向する両端面に交互に露出するように積層され、積層体の両端面に形成された一対の外部電極13に交互に接続されている。
従来、Niを主成分とした内部電極を有する積層セラミックコンデンサの製造方法としては、セラミック誘電体層11となるセラミックシート上に内部電極12となるNiを主成分とする導電ペーストを印刷し、これを積層して、個片に分離後、内部電極のNiの酸化を防ぐため、非酸化性雰囲気下でバインダー除去後、焼成している。
ところが、焼成の際に、一般に内部電極のNiの方がセラミックシートに比べて焼結が早いため、焼結に伴う収縮挙動差による構造欠陥が発生したり、内部電極の焼結が進みすぎた場合には内部電極の連続性が低下し、いわゆる電極切れに伴う静電容量の低下などの不具合が発生する場合があり、これを防ぐため、導電ペーストに共材と言われるセラミック材料を添加し、内部電極となるNiの焼結を遅らせる手法が取られている。
上記共材として使用するセラミック材料は、セラミックシートに含まれるセラミック粉体の組成と同じものか、またはセラミック粉体の主成分に使用している材料が用いられることが多い。
特にチタン酸バリウム系の積層セラミックコンデンサの場合、内部電極を形成するための導電ペーストには、チタン酸バリウムを添加、分散したものが用いられている。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
特開2001−110233号公報 特開2000−277369号公報
しかしながら、上記従来の構成では、非酸化雰囲気下でバインダー除去し、焼成する際に、同時に処理する積層セラミックコンデンサの個数が多いと、昇温中に積層セラミックコンデンサに含まれるバインダーなどから多量のカーボンが発生し、分解するために、炉内雰囲気として還元性が強くなり、内部電極の過焼結による電極切れが発生し易く、静電容量が低下するという課題があった。
さらに、電極切れにより内部電極の厚みが局部的に厚くなることから、誘電体層が薄層化し、かつ積層数が多い積層セラミックコンデンサの場合、誘電体層を内部電極が突き破りショート不良が発生したり、積層セラミックコンデンサの内部に歪が残留し、焼成後の構造欠陥となったり、また実装における半田浸漬の際に、サーマルクラックなどの欠陥が発生するという問題点を有していた。
本発明は上記の課題を解決し、Niなどの卑金属を主成分とする内部電極を有する積層セラミックコンデンサなどの積層型電子部品において、誘電体層が薄層で積層数が多い場合でもショート不良がなく、また製品の構造欠陥の発生も防止することができる内部電極ペースト及びこれを用いた積層型電子部品を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、第1のセラミック粉体を含むセラミックシートを準備し、このセラミックシート上にNiを主成分とする導電ペーストを用いて内部電極を形成し、前記内部電極付きセラミックシートを所定の枚数積層して得られる積層型電子部品において、前記導電ペーストは前記第1のセラミック粉体または第1のセラミック粉体の主成分よりなる第2のセラミック粉体と、CaO3,SrCO3,BaCO3から選ばれる1種または2種以上の炭酸塩よりなる第3のセラミック粉体と、Niを主成分とする導電粉末と、有機バインダーと、有機溶剤とを含み、前記第2のセラミック粉体と前記第3のセラミック粉体との合計重量は前記導電粉末100重量部に対して5〜35重量部であり、かつ前記第2のセラミック粉体と前記第3のセラミック粉体との比率をおのおのA,Bとしたときに、A+B=1であり、かつ0.1≦B≦1.0である導電ペーストであり、この構成により、積層セラミックコンデンサを非酸化性雰囲気でバインダー除去し、焼成する際に、導電ペースト中に添加した炭酸塩からCO2が遊離し、これがバインダー除去及び焼成時に分解するカーボンの燃焼を促進させ、一度に投入する積層セラミックコンデンサの個数が多くても、炉内の還元性が強くなることによる内部電極切れを防止し、安定した雰囲気で焼成することができ、内部電極の連続性が損なわれず、高い静電容量を持ち、構造欠陥の発生しにくい製品を得ることができるという作用効果が得られる。
尚、共材の添加量及び、共材中の炭酸塩の比率Bを規定した理由は、共材の添加量が5重量部未満の場合は、内部電極とセラミックの焼結に伴う収縮挙動差が大きく、構造欠陥が発生し易くなり、また35重量部を超える場合には、導電粉末の比率が小さくなるため、内部電極の連続性が損なわれ、これも内部電極切れになるためである。
また、共材中の炭酸塩の比率Bが、共材となるセラミック粉末全体を1とした場合に0.1(即ち10%)未満の場合は、バインダー除去及び焼成中のカーボンの燃焼促進効果が無く、この場合も炉内の還元性が強くなることにより内部電極切れが発生するとともに、厚み方向にNiが膨張して、静電容量が低下し、さらに構造欠陥が発生し易くなる。
また、選択する炭酸塩の種類は積層型電子部品の温度特性などの電気特性への影響を小さくするため、セラミック材料組成に含まれる元素の炭酸塩を選択するのが好ましい。
本発明の請求項2に記載の発明は、共材中の炭酸塩の比表面積を5〜50m3/gとした導電ペーストであり、比表面積をこの範囲にすることにより、より効果的に薄膜で連続性の良い内部電極を得ることができるという作用効果が得られる。
尚、炭酸塩の比表面積が5m3/g未満の場合は、導電体粉末の粒子間に均一に炭酸塩が入り込むことができず、内部電極の連続性が損なわれ、かつ構造欠陥も発生し易くなる。
また比表面積が50m3/gを超える場合には、炭酸塩の分散が困難で凝集し易く、印刷後の内部電極膜の凹凸が大きくなり、セラミックシートを積層する際、セラミックシートに内部電極中の凝集物が突き刺さり、焼成後、内部電極がセラミック層を貫通してショート不良が発生しやすいためである。
本発明の請求項3に記載の発明は、導電粉末の平均粒径を0.6μm以下とした導電ペーストで、導電粉末の平均粒径を0.6μm以下とすることで、より効果的に薄膜で連続性の良い内部電極を得ることができるという作用効果が得られる。
尚、導電粉末の平均粒径が0.6μmを超える場合には、印刷した内部電極となる導電体膜の膜密度が小さいため、焼成後の内部電極の連続性が損なわれ、また導電体粉末の粒子が大きいことから、セラミックシートを積層する際、セラミックシートに内部電極中の大きいNi粒子が突き刺さり、焼成後、内部電極がセラミック層を貫通してショート不良が発生しやすいためである。
本発明の請求項4に記載の発明は、共材中の炭酸塩の平均粒径が導電粉末の平均粒径よりも小さいことを特徴とした導電ペーストで、これにより、特に炭酸塩と導電粉末の平均粒径の大小関係を規定することで、より効果的に薄膜で連続性の良い内部電極を得ることができるという作用効果が得られる。
尚、炭酸塩と導電粉末の平均粒径の大小関係を規定した理由は、炭酸塩の平均粒径の方が導電粉末の平均粒径より大きい場合は、内部電極切れが発生し易く、所望の効果を得ることができなくなるためである。
本発明の請求項5に記載の発明は、前記導電ペーストを内部電極としてセラミックシート上に形成し、これを積層して得られる積層型電子部品で、これにより、内部電極が薄膜かつ、連続性が良好なことから、積層セラミックコンデンサなどにおいて、高い静電容量を得ることができ、薄層高積層においてもショート不良がなく、また製品の構造欠陥の発生も防止することができるという作用効果が得られる。
本発明の導電ペーストによれば、セラミック粉体と炭酸塩よりなる共材を含み、焼結時のセラミック誘電体層と内部電極の焼結による収縮挙動差を抑制でき、薄膜かつ連続性の良い内部電極が得られ、積層セラミックコンデンサなどにおいて、高い静電容量を得ることができるとともに、誘電体層が薄層化し、積層数が多い積層型電子部品においてもショート不良が無く、また製品の構造欠陥の発生も防止することができる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて本発明の特に請求項1〜5に記載の発明について説明する。
まず、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体セラミック粉末に、溶剤、有機バインダーを加えて混合したスラリーをドクターブレード法などの方法により成形して厚さ3μmのセラミックシートを得る。
次に(表1)に記される粒径のNi粉末に溶剤と有機バインダーを加え、混練し、共材のうち、第2のセラミック粉体としてチタン酸バリウムを、また第2のセラミック粉体として(表1)に示される粒径と比表面積のBaCO3を、有機溶剤中で均一に分散し、バインダーを含むビヒクルを加えた後、これを上記の混練したNi粉に(表1)の比率になるように添加し、3本ロールで均一分散して、それぞれ(表1)の試料番号1〜18の導電ペーストを得た。
Figure 2005259638
そして前記セラミックシート上に(表1)の試料番号1〜18の導電ペーストを、スクリーン印刷により0.55mg/cm2の塗布量になるように印刷した。
次に印刷済みのセラミックシートを300枚積層し、加圧接着後、2.0mm×1.25mmのサイズになるよう個片に切断して、チタン酸バリウム系の積層セラミックコンデンサを得た。
つづいて前記積層セラミックコンデンサを、焼成さやに80個/cm2の数量でさや詰めし、非酸化性雰囲気中でバインダー除去ならびに焼成を行い、得られた焼結体1000個を金属顕微鏡で観察して、焼成後発生した表面の欠陥(焼成ヒビと称する)の発生個数を(表2)にまとめた。
次に前記焼結体の両端部に外部電極を設け、1KHzの周波数、1Vrmの測定電圧で各試料10個について静電容量を測定し、その平均値を(表2)に示した。静電容量では、10.0μF±1.0μFの範囲外のものを不具合品とした。
尚、静電容量を測定する際、測定電圧1Vrmの印加ができないものを初期ショート不良品として数え、その発生個数を(表2)に合わせて示した。
さらに、Ni内部電極の厚みを簡易的に評価するために、積層セラミックコンデンサの厚みをデジタルノギスで各試料5個について測定し、その平均値を(表2)にまとめ、1.25mm±0.1mmから外れるものを不具合品とし、特に厚みが厚いものはNi内部電極が切れて厚み方向に膨張した結果、製品厚みが厚くなっているものと判断した。
さらに、前記積層セラミックコンデンサの各試料100個について、330℃中の半田浴に5秒間含浸させた後、金属顕微鏡で観察し、熱衝撃によるサーマルクラックが発生していないか確認し、その発生数を(表2)に示した。
Figure 2005259638
(表2)に示すように、本発明の範囲外の試料番号1は、Ni粉末に対する共材量が少ないため、セラミックとNi粉末の焼結収縮差が大きく、素体内部に歪が生じ、焼成ヒビやサーマルクラックの構造欠陥が発生し、またNi内部電極が過焼結し、Niが膨張して、焼結過程でセラミックシートを突き破り、初期ショート不良が発生している。
また、試料番号7は、Ni粉末に対する共材量が多すぎるため、Ni内部電極の膜密度が下がり、導電粉末の比率が小さくなるため、内部電極の連続性が損なわれ、静電容量が低下している。
試料番号8においては、共材中の炭酸塩の比率が小さいため、非酸化雰囲気で昇温中に炭酸塩からCO2が遊離して、これが昇温中にバインダーなどの分解により発生するカーボンの燃焼を促進させる効果がなく、この場合も炉内雰囲気の還元性が強くなることにより、内部電極が切れて厚み方向に膨張し、静電容量が低下するとともに製品厚みが厚くなり、焼成ヒビが発生している。
試料番号10では、共材中の炭酸塩の比表面積が小さく、平均粒径もNi粉末より大きいことから、Ni粉末の周りに均一に炭酸塩が分散していないため、カーボンの燃焼を促進させる効果が得られず、試料番号8と同様に内部電極が切れて厚み方向に膨張し、静電容量が低下するとともに製品厚みが厚くなり、焼成ヒビ及び素体歪が残留することによるサーマルクラックが発生している。
また、試料番号15においては、共材中の炭酸塩の比表面積が大きすぎるため、分散が困難になり、凝集した炭酸塩が印刷後の内部電極膜の凹凸が大きくし、セラミックグリーンシートを積層する際、セラミックグリーンシートに内部電極中の凝集物が突き刺さり、焼成後、内部電極がセラミック層を貫通することから、ショート不良が発生している。
さらに試料番号18では、Ni粉の粒径が粗く大きいことから、印刷した内部電極の導電体膜の膜密度が小さいため、内部電極の連続性が損なわれ、Niが厚み方向に膨張して、静電容量の低下と焼成ヒビやサーマルクラックが発生し、またセラミックグリーンシートを積層する際、セラミックグリーンシートに内部電極中の大きいNi粒子が突き刺さり、焼成後、内部電極がセラミック層を貫通してショート不良が発生している。
これに対し、本発明の範囲内である試料番号2〜6,9,11〜14,16,17の導電ペーストを用いた積層セラミックコンデンサでは、積層セラミックコンデンサを非酸化性雰囲気でバインダー除去ならびに焼成する際に、一度に投入する個数が多くても、共材として添加した炭酸塩からCO2が遊離し、これが昇温中にバインダーなどの分解により発生するカーボンの燃焼を促進させ、炉内の還元性雰囲気が強くなりすぎることがない。
その結果、過剰に還元されることで発生する内部電極切れを防止し、安定した雰囲気で焼成することができる。
また上記本発明の導電ペーストでは、比表面積ならびに平均粒径を最適範囲に制御しているため、内部電極の膜密度を高くすることができるとともに、Ni粉末と共材が均一に分散できることから、内部電極膜の表面の凹凸が小さくて、セラミックシートを積層する際にショートへのダメージがなく、積層セラミックコンデンサとした際に、ショート不良がなく、高い静電容量と構造欠陥の発生しにくい結果が得られていることが明らかである。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2として、ジルコン酸ストロンチウムとジルコン酸カルシウムの化合物を主成分とする誘電体セラミック粉末に、溶剤、有機バインダーを加えて混合したスラリーから厚さ30μmのセラミックシートを成形する。
次に(表3)に記される粒径のNi粉末に溶剤と有機バインダーを加え、実施の形態1と同様の工程で(表3)の試料番号19〜26の導電ペーストを得た。
Figure 2005259638
そして実施の形態1と同様の工程で、スクリーン印刷により上記セラミックシート上に(表3)の試料番号19〜26の導電ペーストを0.90mg/cm2の塗布量になるように印刷し、前記印刷済みのセラミックシートを20枚積層し、加圧接着後、1.6mm×0.8mmのサイズになるよう個片に切断して、JISC5101に規定の温度補償用の積層セラミックコンデンサを得た。
つづいて前記積層セラミックコンデンサを、焼成さやに800個/cm2の数量でさや詰めし、非酸化性雰囲気中でバインダー除去ならびに焼成を行い、得られた焼結体1000個を金属顕微鏡で観察して、焼成ヒビの発生個数を(表4)にまとめた。
次に前記焼結体の両端部にどれも厚みが均一になるように外部電極を設け、1MHzの周波数、1Vrmの測定電圧で各試料10個について静電容量を測定し、その平均値を(表4)にまとめ、100.0pF±10.0pFから外れるものを不具合品とした。
尚、静電容量を測定する際、測定電圧1Vrmの印加ができないものを初期ショート不良品として数え、その発生個数を(表4)に示した。
さらに、実施の形態1と同様に製品厚みを測定し、その平均値を(表4)にまとめ、0.80±0.1mmから外れるものを不具合品とし、特に厚みが厚くなるものはNi内部電極が切れて厚み方向に膨張し、製品厚みが厚くなっていると判断した。
さらに、実施の形態1と同様にサーマルクラック試験を行い、その発生数を(表4)に合わせて示している。
Figure 2005259638
(表4)に示すように、本発明の請求項範囲外の試料番号19,23は、共材中の炭酸塩の比率が小さいため、実施の形態1同様に非酸化雰囲気で昇温中に炭酸塩からCO2が遊離して、これが昇温中にバインダーなどの分解により発生するカーボンの燃焼を促進させる効果がなく、この場合も炉内の還元性雰囲気が強くなりすぎることにより、内部電極が切れて厚み方向に膨張し、静電容量が低下するとともに、素体内部歪による焼成ヒビ及びサーマルクラックが発生している。
これに対し、本発明の範囲内の試料番号20〜22,24〜26では、積層セラミックコンデンサを非酸化性雰囲気でバインダー除去ならびに焼成する際に、一度に投入する個数が多くても、実施の形態1同様に高い静電容量と構造欠陥の発生しにくい結果が得られていることが明らかである。
尚、実施の形態では積層セラミックコンデンサの温度特性を考慮し、セラミック材料組成系と近い炭酸塩を選択したが、温度特性に影響を与えない範囲で、材料組成に含まれていない炭酸塩を選択しても同様の効果が得られる。
本発明にかかるNiを主成分とした導電ペーストは積層セラミックコンデンサなどに代表される積層型電子部品において、非酸化性雰囲気で焼成する際、一度に投入する個数が多くても内部電極切れを防止することができ、ショート不良がなく、高い静電容量を実現できるとともに構造欠陥が発生しにくいという効果を有し、Niを主成分とした内部電極ペーストを用いた積層電子部品などに有用である。
積層セラミックコンデンサの一部切欠斜視図
符号の説明
11 セラミック誘電体層
12 内部電極
13 外部電極

Claims (5)

  1. 第1のセラミック粉体を含むセラミックシートを準備し、このセラミックシート上にNiを主成分とする導電ペーストを用いて内部電極を形成し、前記内部電極付きセラミックシートを所定の枚数積層して得られる積層型電子部品において、前記導電ペーストは前記第1のセラミック粉体または第1のセラミック粉体の主成分よりなる第2のセラミック粉体と、CaO3,SrCO3,BaCO3から選ばれる1種または2種以上の炭酸塩よりなる第3のセラミック粉体と、Niを主成分とする導電粉末と、有機バインダーと、有機溶剤とを含み、前記第2のセラミック粉体と前記第3のセラミック粉体との合計重量は前記導電粉末100重量部に対して5〜35重量部であり、かつ前記第2のセラミック粉体と前記第3のセラミック粉体との比率をおのおのA,Bとしたときに、A+B=1であり、かつ0.1≦B≦1.0である導電ペースト。
  2. 炭酸塩の比表面積は5〜50m3/gである請求項1に記載の導電ペースト。
  3. 導電粉末の平均粒径は0.6μm以下である請求項1に記載の導電ペースト。
  4. 炭酸塩の平均粒径は導電粉末の平均粒径よりも小さい請求項1に記載の導電ペースト。
  5. 導電ペーストとして、第1のセラミック粉体または第1のセラミック粉体の主成分よりなる第2のセラミック粉体と、CaO3,SrCO3,BaCO3から選ばれる1種または2種以上の炭酸塩よりなる第3のセラミック粉体と、Niを主成分とする導電粉末と、有機バインダーと、有機溶剤とを含み、前記第2のセラミック粉体と前記第3のセラミック粉体との合計重量は前記導電粉末100重量部に対して5〜35重量部であり、かつ前記第2のセラミック粉体と前記第3のセラミック粉体との比率をおのおのA,Bとしたときに、A+B=1であり、かつ0.1≦B≦1.0である導電ペーストと、セラミックシートを準備し、前記セラミックシート上に前記導電ペーストを用いて内部電極を形成し、前記内部電極付きセラミックシートを所定の枚数積層し、焼成して得られる積層型電子部品。
JP2004072561A 2004-03-15 2004-03-15 導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品 Expired - Lifetime JP4517689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004072561A JP4517689B2 (ja) 2004-03-15 2004-03-15 導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004072561A JP4517689B2 (ja) 2004-03-15 2004-03-15 導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005259638A true JP2005259638A (ja) 2005-09-22
JP4517689B2 JP4517689B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=35085133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004072561A Expired - Lifetime JP4517689B2 (ja) 2004-03-15 2004-03-15 導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4517689B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006269320A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電極用ペーストならびにこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
JP2013236060A (ja) * 2012-05-04 2013-11-21 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 積層型電子部品及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01254749A (ja) * 1988-02-19 1989-10-11 Hoechst Ag 二軸延伸フイルム及びこれを製造するための原料
JP2000277369A (ja) * 1999-03-29 2000-10-06 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミック電子部品とその導電ペースト
JP2002260951A (ja) * 2000-12-28 2002-09-13 Denso Corp 積層型誘電素子及びその製造方法,並びに電極用ペースト材料
JP2003157720A (ja) * 2001-11-22 2003-05-30 Taiyo Yuden Co Ltd 導電性ペーストと積層電子部品の製造方法
JP2004059372A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Baraito Kogyo Kk 微粒炭酸バリウムの製造方法及びチタン酸バリウムの製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01254749A (ja) * 1988-02-19 1989-10-11 Hoechst Ag 二軸延伸フイルム及びこれを製造するための原料
JP2000277369A (ja) * 1999-03-29 2000-10-06 Taiyo Yuden Co Ltd 積層セラミック電子部品とその導電ペースト
JP2002260951A (ja) * 2000-12-28 2002-09-13 Denso Corp 積層型誘電素子及びその製造方法,並びに電極用ペースト材料
JP2003157720A (ja) * 2001-11-22 2003-05-30 Taiyo Yuden Co Ltd 導電性ペーストと積層電子部品の製造方法
JP2004059372A (ja) * 2002-07-29 2004-02-26 Baraito Kogyo Kk 微粒炭酸バリウムの製造方法及びチタン酸バリウムの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006269320A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電極用ペーストならびにこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
JP4595613B2 (ja) * 2005-03-25 2010-12-08 パナソニック株式会社 電極用ペーストならびにこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
JP2013236060A (ja) * 2012-05-04 2013-11-21 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 積層型電子部品及びその製造方法
US9257232B2 (en) 2012-05-04 2016-02-09 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer electronic components with an inhibitor-influencing layer and method for manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP4517689B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5711696B2 (ja) 積層セラミック電子部品
US9129752B2 (en) Ceramic electronic component and method of manufacturing the same
KR101751079B1 (ko) 적층 세라믹 전자부품 및 이의 제조방법
JP2007036003A (ja) 積層コンデンサ
JP2007173714A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法
JP5655036B2 (ja) 誘電体セラミックス、誘電体セラミックスの製造方法及び積層セラミックコンデンサ
JP2006310760A (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
KR20140020473A (ko) 적층 세라믹 전자부품 및 이의 제조방법
JP2012182355A (ja) 積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサの製造方法
JP5870625B2 (ja) 電極焼結体、積層電子部品、内部電極ペースト、電極焼結体の製造方法、積層電子部品の製造方法
JP5925628B2 (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP4809173B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
US9208946B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and method of manufacturing the same
JPH11354374A (ja) 積層セラミック電子部品、積層セラミック電子部品の製造方法及び内部電極形成用導電ペースト
JP2002110444A (ja) 導電性ペーストおよび積層セラミック電子部品
US20230107429A1 (en) Ceramic electronic device
JP4826881B2 (ja) 導電性ペースト、及び積層セラミック電子部品の製造方法、並びに積層セラミック電子部品
CN113272919A (zh) 层叠陶瓷电容器用镍糊料
JP2007234330A (ja) 導電体ペーストおよび電子部品
JP4517689B2 (ja) 導電ペースト及びこれを用いた積層型電子部品
JP2009266716A (ja) 導電性ペーストおよび積層セラミックコンデンサの製造方法
US7605051B2 (en) Method for forming internal electrode pattern and method for manufacturing multilayer ceramic electronic component using same
JP4357460B2 (ja) 電極段差吸収用印刷ペーストおよび積層電子部品の製造方法
JP2001015376A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2019102393A (ja) 積層セラミックコンデンサ用ニッケルペースト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070220

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090804

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100125

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100510

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4517689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130528

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140528

Year of fee payment: 4