JP2005259198A - 磁気ヘッド装置、磁気テープドライブ装置及び磁気ヘッドのアジマス調整方法 - Google Patents

磁気ヘッド装置、磁気テープドライブ装置及び磁気ヘッドのアジマス調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 リニア型磁気テープシステムによる磁気ヘッド装置において問題となる磁気テープの温度、湿度、テンション、クリープ等による磁気テープの幅変動によっても、高い精度をもって各磁気ヘッド素子が、正確に、所定トラックに対峙してすぐれた再生特性が得られるようにする。
【解決手段】 それぞれ複数の磁気ヘッド素子が配列された隣接する第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11および12を回動させて、磁気テープ51に対するアジマス調整を行うアジマス調整機構61を設ける。このアジマス調整手段は、磁気ヘッドスタックの可動支持手段62を有し、これによって第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12を、その各磁気ヘッド素子の配列直線を平行関係に保持して相互に移動させて、それぞれの磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に正確に対峙させることができるようにする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、特にリニア型磁気テープシステムが適用される磁気ヘッド装置、磁気テープドライブ装置及び磁気ヘッドのアジマス調整方法に関する。
近年、例えばコンピュータシステムで、取り扱うデータ量の増大化によって、そのバックアップ装置として磁気テープを用いたデータストレージシステムの需要が高まっている。
このデータストレージシステムとして、リニア型磁気テープシステムドライブ方式によるストレージシステムがある。
このリニア型磁気テープシステムにおいては、磁気テープの長手方向の走行方向に沿って直線的にデータの記録再生が行われる。図2は、このリニア磁気テープの一例のフォーマットの模式図で、それぞれサーボ信号が記録されたサーボバンドSBが磁気テープ51の長手方向に沿って形成され、これらサーボバンドSB間に、データバンドDBが配置された構成を有する。
データバンドDBには、多数本のデータトラック、すなわち記録トラック(図示せず)が磁気テープ51の長手方向に沿って、幅方向に多数本並置形成され、大容量化が図られている。
この磁気テープ51に対する記録・再生は、複数の磁気ヘッド素子が配列されたマルチチャンネルによる磁気ヘッド装置が用いられる。
そして、この磁気ヘッド装置に対して磁気テープ51を往復移行し、磁気ヘッド装置の磁気ヘッド部10を、磁気テープ51の幅方向に、所定量移行することで、それぞれの往復移行において、それぞれ複数の選択されたトラックに対して、同時に記録もしくは再生を行うことでデータの大容量化記録再生の高速化を図っている。
この磁気ヘッド装置は、例えば図14にその一部の正面図を示すように、それぞれ磁気ヘッド素子が配列された第1および第2の磁気ヘッドスタック部101及び102が接合されて成る磁気ヘッド部100より成る。
各磁気ヘッドスタック部101及び102においては、同一トラック(トラックのセンターをCT1,CT2,CT3・・・として示す)上に、それぞれ記録磁気ヘッド素子1Wと再生磁気ヘッド素子1Pとが、並置形成される。各スタック部101及び102において、各記録磁気ヘッド素子1W及び再生磁気ヘッド素子1Pは、その作動磁気ギャップが、所定の間隔を保持してそれぞれ直線的に配列される。
この構成において、例えば磁気テープ走行の往路において、第1のスタック部101における各記録磁気ヘッド素子1Wによって、データ信号記録がなされ、この記録を、各磁気ヘッド素子1Wと並置された他方の第2のスタック部102における再生磁気ヘッド素子1Pによって再生し、例えば記録状態のモニタ等がなされる。
また、例えば磁気テープ走行の復路において、第2のスタック部102における各記録磁気ヘッド素子1Wによって、データ信号記録がなされ、この記録を、第1のスタック部101における再生磁気ヘッド素子1Pによって再生される。
これら記録・再生における磁気ヘッド素子のデータトラックに対するトラッキングは、対象とするデータバンドDBを挟んでその両側に配置されたサーボバンドに記録されたヘッド位置制御用サーボデータ信号の読み出しによってなされる。
しかしながら、磁気テープは、温度、湿度、テンション、クリープ(Creep:経時的なテープの縮み)により、テープ幅の寸法は、最大0.1%程度にも変化すると見積もられている。
このため、データトラック幅が変化する。特に、より大容量化を図るために、高記録密度化を図ってデータトラック幅を狭くすると、このテープの幅の変化が無視できなくなってくる。
例えば、多チャンネル磁気ヘッド装置において、両端のチャンネルの間隔が2mmとする場合、テープ幅方向の変動は、ヘッドチャンネルの両端で、最大で、2mm×0.1%≒2μmとなることから、必然的に両端のチャンネルを比較すると、約2μmのオフトラックが発生することになる。
このオフトラックに関しては、テープ幅方向の寸法変化に加えて、いわゆるラテラル・テープ・モーションと言われるテープ走行時の上下の変動も考慮しなければならない。
このラテラル・テープ・モーションによるオフトラックを克服する技術としては、上述したサーボバンドSBに予めヘッド位置制御用サーボ信号を記録し、この信号に基いて、ヘッドを正しい位置に制御する方法がとられている。
しかしながら、このようにしても、位置の誤差(トラッキングエラー)を0(ゼロ)μmにすることは、現状においては至難である。
そこで、このラテラル・テープ・モーションにおけるオフトラックの問題に対処して、リニア型テープのフォーマットでは、書き込みトラック幅が、再生トラック幅より大となるように磁気ヘッドの設計がなされている。このようにして、書き込みトラック幅と、再生トラック幅との差によって、サーボトラッキング後のトラッキングエラーに対する設計マージンを得ている。
しかしながら、この場合、テープ幅の経時変化等に対しては、考慮されておらず、記録密度をより高くしていく上での障害となる。
例えば、記録トラック幅を5μm、トラッキングエラーを±0.5μmとした場合、このトラッキングエラーは、記録及び再生時、いずれにも影響することから、再生トラック幅は3μm以下にしなければならないことになる。更に、ここで、テープの幅変動要因を考慮すると、前述したように、マルチチャンネル磁気ヘッドにおける両端の磁気ヘッド素子の間隔が2mmとする場合、最大2μmの幅変動を考慮しなければならないことから、再生トラック幅は1μm以下に設計することになる。
しかし、このような狭隘な再生トラック幅(再生作動磁気ギャップ幅)とするときは、再生出力が小さくなるという問題が生じる。
これに対し、マルチチャンネル磁気ヘッドにおける両端の磁気ヘッド素子の間隔を1mmとする場合、テープ幅変動は1μmを想定すればよいことになり、このとき、再生トラック幅は2μm以下とすればよいことになり、2μm幅程度で、再生出力に関しても現実性が高くなる。
このように、テープ幅変動の影響を少なくするためには、マルチチャンネル磁気ヘッドにおいて、両端のチャンネル間隔すなわちチャンネル間隔を狭くすれば良い。このためには、磁気ヘッドチャンネル数を減らしてテープ幅方向の両端のチャンネル間隔を狭くすれば良いことになるが、この場合、データの転送レートが低下するという問題が発生する。
これに対して、チャンネル数を減らすことなく、チャンネル間隔を狭くすることによって、両端のチャンネル間隔を狭くする場合、実際には、記録磁気ヘッド素子にあっては、電磁誘導型構成が採られ、薄膜磁気ヘッド構成による場合においても、平面的に巻回する薄膜磁気ヘッドコイルによって、所要の記録磁界を発生させるに必要な巻回数に選定するとき、その占有幅が大となることから、薄膜磁気ヘッド素子間の間隔、すなわちチャンネル間隔を充分小さくすることができないという問題がある。
上述したところから分かるように、テープ幅変動が0.1%という値は、必ずしも小さな値ではなく、今後更にトラック密度を向上させて行くことによって、記録トラック幅を
5μm以下とする場合において、テープ幅変動によるトラッキングエラーの補正が必要となる。
このようなテープ形状変動によるトラッキングエラーを補正する方法については、磁気テープの形状の変動に応じて、磁気ヘッドを傾斜させ、その傾斜角すなわちアジマス角を変更することによって、テープ幅方向に関する磁気ヘッド素子の実質的な間隔を制御して磁気ヘッド素子が所定のトラックに対峙することができるようになされている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−92809号公報
また、磁気ヘッド素子が配列された磁気ヘッドスタックを有する構成において、その傾斜角を制御する方法が、本出願人による出願に係る特願2002−193225号で提案されている。
しかしながら、上述したような、磁気テープの往路及び復路に関する磁気ヘッド素子が配列された第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を有する磁気ヘッド装置において、上述した従来方法によるアジマス調整による補正では、各磁気ヘッド素子に関して、充分なオフトラックの回避が図られない。
これについて図15を参照して説明する。図15において図14と対応する部分には、同一符号を付して重複説明を省略するが、図15においては、磁気ヘッド部100における3本のトラックに対する3組の両磁気ヘッドスタック部101及び102の磁気ヘッド素子1W及び1Pを代表的に示している。
そして、磁気テープ51の幅の変動によって磁気ヘッド部100のアジマス角θを変化させる。例えば図15において、右側の状態では、磁気テープ51の幅が狭い幅Lsの状態を示し、このとき所要の傾きθを有するようになされ、同図左側に図示したように、磁気テープ51の幅が最も広がった幅Leのとき、θ=0となるように選定される。
このようにアジマス角θを磁気テープ51の幅に応じて変化させることによって、磁気テープの幅の変動によるオフトラックを緩和することができる。
しかしながら、図14で説明したように、磁気テープの往復走行に関してそれぞれ一方のスタック部の記録磁気ヘッド素子による記録を行いつつ、他方のスタック部における再生磁気ヘッド素子によってその記録を再生する構成とする場合、その記録磁気ヘッド素子1Wとこのときの再生磁気ヘッド素子1Pとの間隔Dは、相互の磁気的影響を回避するなどの理由から、例えば1.5mmとされる。
この場合、例えばθを1°に傾けたとすると、上述した記録磁気ヘッド素子1Wとこのときの再生磁気ヘッド素子1Pとの間には、磁気テープの幅方向に変位dが発生し、この変位dは2.6μmにも及ぶ。
したがって、上述した記録と再生とを同時に行う場合において、再生磁気ヘッドにおけるオフトラックによる再生出力の低下、クロストーク等の問題を生じ、高記録密度化が阻害される。
本発明においては、上述したように、リニア型磁気テープシステムによる磁気ヘッド装置において問題となる磁気テープの温度、湿度、テンション、クリープ等による磁気テープ幅の変動によっても、高い精度をもって各磁気ヘッドスタック部の磁気ヘッドが共に、所定トラックに正確に対峙、すなわち各トラックのセンターCT(CT1,CT2.CT3・・・)がほぼ一致する位置に持ち来たす(以下この状態を、対峙と呼称する)ことができるようにした磁気ヘッド装置、磁気テープドライブ装置及び磁気ヘッドのアジマス調整方法を提供するものである。
本発明による磁気ヘッド装置は、長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用いる磁気ヘッド装置であって、それぞれ複数の磁気ヘッド素子が配列された隣接する第1及び第2の磁気ヘッドスタック部と、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を回動させて、上記磁気ヘッド素子の、上記磁気テープに対するアジマス調整を行うアジマス調整機構と、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部は、上記複数の磁気ヘッド素子が、それぞれ磁気テープ走行面に臨んで所要の間隔をもって直線上に配列されて成り、上記アジマス調整機構は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、上記複数の磁気ヘッド素子の配列直線を平行関係に保持して該配列直線方向に沿って平行移動させつつ上記対の第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を同一アジマス角をもって回動させる磁気ヘッドスタックの可動支持手段と、駆動手段とを有し、上記磁気テープ幅の変動に応じて、上記駆動手段により駆動して上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回動及び平行移動によるアジマス調整を行って、上記磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする。
本発明による磁気テープドライブ装置は、長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用いる磁気テープドライブ装置であって、磁気ヘッド装置と、該磁気ヘッド装置に対して上記磁気テープを往復走行させる走行駆動部を有し、上記磁気ヘッド装置は、長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用いる磁気ヘッド装置であって、それぞれ複数の磁気ヘッド素子が配列された隣接する第1及び第2の磁気ヘッドスタック部と、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を回動させて、上記磁気ヘッド素子の、上記磁気テープに対するアジマス調整を行うアジマス調整機構と、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部は、上記複数の磁気ヘッド素子が、それぞれ磁気テープ走行面に臨んで所要の間隔をもって直線上に配列されて成り、上記アジマス調整機構は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、上記複数の磁気ヘッド素子の配列直線を平行関係に保持して該配列直線方向に沿って平行移動させつつ上記対の第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を同一アジマス角をもって回動させる磁気ヘッドスタックの可動支持手段と、駆動手段とを有し、上記磁気テープ幅の変動に応じて、上記駆動手段により駆動して上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回動及び平行移動によるアジマス調整を行って、上記磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする。
また、本発明は、上述した磁気ヘッド装置及び磁気テープドライブ装置において、その磁気ヘッド装置が、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部には、作動磁気ギャップが所定の間隔をもって直線的に配列する複数の記録磁気ヘッド素子の配列部と、該記録磁気ヘッド素子と並置して配置された再生磁気ヘッド素子の配列部と、上記磁気テープに記録されたサーボ信号を再生するサーボ信号再生磁気ヘッド素子の配置部とを有し、上記サーボ信号再生磁気ヘッド素子により上記サーボ信号に基く、上記磁気テープ幅変動の情報と、磁気ヘッド素子の位置の情報とを得て、これら情報により上記駆動手段を制御して上記記録磁気ヘッド素子及び上記再生磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする。
また、本発明においては、上述した磁気ヘッド装置及び磁気テープドライブ装置において、上記駆動手段が、圧電バイモルフによることを特徴とする。
また、本発明においては、上述した磁気ヘッド装置及び磁気テープドライブ装置において、上記アジマス調整機構の上記可動支持手段が、磁気ヘッドスタック部を支持する磁気ヘッドベースに、上記隣接する対の磁気ヘッドスタック部を挟持して支持する支持腕を有して成り、該支持腕は、それぞれ上記磁気ヘッドベースに固定された少なくとも第1および第2の支持腕を有し、該第1及び第2の支持腕の先端を上記隣接する磁気ヘッドスタック部の互いに隣接する側面とは反対側の外側面のトラック幅方向に関する中央部に接触させて、これら対の支持腕間に、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を支持させ、上記駆動手段は、第1及び第2の圧電バイモルフを有して成り、該第1及び第2の圧電バイモルフは、上記磁気ヘッドベースに支持され、各変位端が、上記隣接する上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の上記磁気ヘッド素子の配列直線方向の両端間に弾性体を介して挟持され、上記第1及び第2の圧電バイモルフの各駆動端は、互いに逆向きに駆動されて上記弾性体の変形によって上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を、相互に上記平行関係を保持して上記磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小平行移動しつつ回動して、アジマス調整を行う構成とされたことを特徴とする。
また、本発明においては、上述した磁気ヘッド装置及び磁気テープドライブ装置において、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、第1及び第2の磁気ヘッドベースにそれぞれ取り付けられ、上記アジマス調整機構の上記可動支持手段は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回転中心を挟んで上記磁気ヘッド素子の配列直線方向の一方側と他方側に、第1のブロックと第2のブロックとが、上記第1の磁気ヘッドベースと上記第2の磁気ヘッドベースとに差し渡って配置され、上記第1のブロックが、第1及び第2の磁気ヘッドベースに、第1及び第2の枢軸によって回動軸支されて配置され、上記第2のブロックが、上記第1及び第2の磁気ヘッドベースに、第3及び第4の枢軸によって回動軸支されて配置され、上記第1及び第2の枢軸間の間隔と上記第3及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定され、上記共通の磁気ヘッドベースに軸支する第1及び第3の枢軸間の間隔と、上記第2及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定され、上記アジマス調整機構の上記駆動手段は、上記第1及び第2のブロック間に差し渡って上記第1のブロックの上記第1及び第2の枢軸間の中心を支点とし、駆動端を上記第2のブロックの上記第3及び第4の枢軸間の中心に、弾性体を介して配置した圧電バイモルフを有して成り、
上記圧電バイモルフの駆動により、上記第1及び第2の枢軸を中心とする上記第1及び第2の磁気ヘッドベースと上記第2のブロックが同一方向に、第2のブロックによって平行関係を保持して上記磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小移動させる構成とされたことを特徴とする。
また、本発明によるアジマス調整方法は、長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用い、それぞれ磁気ヘッド素子が配列された第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を有する磁気ヘッド装置におけるアジマス調整方法であって、
上記磁気テープが、上記記録トラックが並置されたデータバンドを挟んでサーボバンドが形成され、上記サーボバンドから読み出した信号に基いて、上記磁気テープの幅の変動とヘッド位置とを検出し、該検出信号によって上記磁気ヘッド装置の上記第1及び第2のスタック部のアジマス調整と、トラッキングとを行い、上記アジマス調整は、上記第1及び第2のスタック部相互の平行移動を伴って行い、上記磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする。
上述の本発明構成による磁気ヘッド装置によれば、それぞれ磁気ヘッド素子が配列された第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、可動支持手段によって磁気テープの幅変動に応じて相互に平行移動しつつ、同一アジマス角をもって回動する構成としたことから単にアジマス調整を行うだけでなく、図15で説明した磁気ヘッドスタック部間の磁気テープの幅方向の変位dの発生を回避できる。
すなわち、本発明構成によれば、同一トラックに対して記録、再生がなされる磁気ヘッド素子を高精度をもって対峙、すなわちトラックのセンターと、これに対する記録・再生磁気ヘッド素子の磁気ギャップの中心とをほぼ一致させ、両磁気ヘッドスタック部の磁気ヘッド素子間に磁気テープの幅方向の変位dが生じることを回避できる。
したがって、例えば再生出力の低下等が回避され、S/Nの改善が図られる。
また、リニア磁気テープにおいて、これに記録されたサーボバンドのサーボ信号によって例えばラテラル・テープ・モーション等による、磁気テープの幅方向に関する両磁気ヘッドスタック部の位置ずれを検出し、これによって通常のトラッキングサーボを行うことができる。
また、本発明による磁気テープのドライブ装置によれば、その磁気ヘッド装置が、上述したような、高い精度をもって、磁気テープの幅の補正がなされることから、ドライブ装置における湿度、温度等の環境の変化、磁気テープ、すなわち例えば磁気テープカセットの保管状態、巻き込み強度等による、テープテンション、クリープ等による磁気テープの幅の変動の問題が解決される。
また、本発明によるアジマス調整方法によれば、磁気テープに記録されているサーボ信号によって、磁気テープの幅の変動の情報とヘッド位置情報とを得ることから、情報取得に特段の煩雑さを回避できるものである。
本発明による磁気ヘッド装置、磁気テープドライブ装置及び磁気ヘッドのアジマス調整方法の実施の形態を説明するが、本発明はこの形態例に限定されるものではない。
まず、本発明による磁気テープドライブ装置の一実施形態例を、図1の概略構成図を参照して説明する。
本発明による磁気テープドライブ装置50は、本発明による磁気ヘッド装置60を有し、磁気テープ51を磁気ヘッド装置60のテープ走行面に対して往復移行するように走行させる走行駆動部70と、磁気ヘッド装置60の磁気ヘッド素子の磁気テープ51に対する
アジマス調整手段61とを有する。
走行駆動部70は、磁気テープ51が、巻回される第1の巻回部52を有するテープカセット53のテープカセット装着部54と、テープカセット53から引き出された磁気テープ51を磁気ヘッド装置60に案内するガイドローラ、ガイドピン等の案内体55を有する案内手段と、例えばカセット53外に配置された磁気テープ51の第2の巻回部56と、第1及び第2の巻回部52との間に磁気テープ51をその長手方向に往復走行させる各巻回部52及び56の回転駆動部(図示せず)等を有して成る。
磁気テープは、図2で説明したと同様に、それぞれサーボ信号が記録されたサーボバンドSBが磁気テープ51の長手方向に沿って形成され、これらサーボバンドSB間に、データバンドDBが配置された構成を有する。
データバンドDBには、多数本のデータトラック、すなわち記録トラック(図示せず)が磁気テープ51の長手方向に沿って、幅方向に多数本並置形成される。
磁気ヘッド装置60は、図3に一部の正面図を示すように、それぞれ磁気ヘッド素子が配列された第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が分離して形成されて成る磁気ヘッド部10を有する。
この磁気ヘッド部10の、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12は、図14で説明した第1及び第2の磁気ヘッドスタック部101及び102におけると同様に、同一データトラックに対応する記録磁気ヘッド素子1Wと再生磁気ヘッド素子1Pとが、それぞれ並置形成される。各スタック部11及び12において、各記録磁気ヘッド素子1W及び再生磁気ヘッド素子1Pは、その磁気ギャップが、所定の間隔を保持してそれぞれトラック幅方向に直線的に配列される。
更に、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の、これら記録磁気ヘッド素子1W及び再生磁気ヘッド素子1Pの配列部13の両端に、サーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sが配置される。
これら第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12は、それぞれ例えばアルチック等の基板に例えば電磁誘導型の薄膜磁気ヘッドより成る記録磁気ヘッド素子1Wと、例えば磁気抵抗素子(MR素子)による再生磁気ヘッド1Pおよびサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sが積層されて成る構成とすることができる。
また、磁気ヘッド部10の磁気ヘッド素子の配列方向、すなわちトラック幅方向の長さは、磁気テープ51の幅の2倍程度の長さに選定され、この磁気ヘッド部10が、磁気テープ51の全トラックに対し所定の磁気ヘッド素子を対向させる磁気テープの幅方向の移行において、磁気ヘッド部10が、磁気テープ51の全幅に渡って、均一に対接ないしは対向状態を維持して、磁気テープ51に不均一な応力を与えるような不都合を回避する。
そして、記録・再生時において、磁気ヘッド部10を、例えば粗動追従機構(図示せず)によって磁気テープ51の幅方向に移動させ、その磁気ヘッド素子の配列部13を、選択されたデータバンドDBに持ち来たし、更に、このデータバンドDBにおいて、例えば磁気テープ走行の往路において、第1のスタック部11における各記録磁気ヘッド素子1Wを、これら記録磁気ヘッド素子の配置間隔に対応する選択されたデータトラックに対向させデータ信号記録を行い、この記録を、同一トラックに位置する他方の第2のスタック部12における再生磁気ヘッド素子1Pによって再生する。
磁気テープ走行の復路においては、磁気ヘッド部10を、磁気テープ51の幅方向に所定量移動させ、他の選択されたトラックに対向させ、第2のスタック部12における各記録磁気ヘッド素子1Wによって、データ信号記録がなされ、この記録を、同一トラックに位置する第1のスタック部11における再生磁気ヘッド素子1Pによって再生する。このようにして、各往路及び復路において、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の共働によってそれぞれ複数のデータトラックに対して同時記録再生の動作がなされる。
このような往復移行が繰り返されて、全データバンドDB及びデータトラックに対して上述した同時記録再生、再生動作を行う。
そして、本発明構成においては、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が、後述するアジマス調整機構によって、それぞれ同一アジマス角度をもって回動するようになされると共に、この回動において、トラック幅方向に平行移動するように構成され、アジマス調整によって、各磁気ヘッド素子が対応するデータトラックに、良好に対峙することができるようにする。
このとき、記録再生がなされるデータバンドDBの両側に位置する対のサーボバンドSBに予め記録されたサーボ信号に基いて、磁気テープ51の幅変動の情報及び磁気ヘッド素子の位置情報を得て、これらによって、磁気ヘッド部10の第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12のアジマス調整と、更に後述する微動追従機構によるトラッキング制御を行う。
先ず、本発明によるアジマス調整の基本的構成を、図4の磁気テープ51と磁気ヘッド部10との対応関係を示す模式図を参照して説明する。
図4においては、CT1,CT2,CT3をトラックセンターとする3本のトラックを代表的に示し、これらに対して記録再生がなされる3つのチャンネルについての記録磁気ヘッド素子1Wと再生磁気ヘッド素子1Pを対峙させた状態を示す。
図4において、磁気テープ51の左半部が、テープ幅が最も広がった状態の幅広の幅Weとされた状態を示し、右半部が、例えば磁気テープが、テープテンション等によって引き伸ばされることによってテープ幅が収縮した状態の最も幅狭の幅Wsとされた状態を対比して示す。
本発明においては、図4に示すように、例えばテープ幅が最大幅Weの状態で、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が、共に磁気テープの幅方向に、各磁気ヘッドギャップがアジマス角0(ゼロ)に配置され、テープ幅が最小幅Wsの状態で、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が、共に磁気テープの幅方向に対し所要の傾きをもって配置される。そして、この最小幅Wsの状態での傾きは、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部のアジマス角θ11及びθ12が同一角(θ11=θ12)とされ、かつ相互にそれぞれの磁気ギャップのトラック幅方向に平行移動されることによって、第1及び第2の各磁気ヘッドスタック部11及び12の、対応するトラックにおける隣り合う磁気ヘッド素子1W及び1Pの例えば中心が、対応するトラックセンターに位置するように、すなわち対峙するように、それぞれが図1のアジマス調整手段61によって調整される。
今、例えば前述したように両端のチャンネル間隔が、2mmとし、テープ幅変動は、前述したように、例えば2mm±0.05%とすると、ここでテープ幅が広がる方向に対するアジマス角θは、
θ=cos-1(2/2(2×1.0005)=1.81°
となるので、逆に、予め磁気ヘッド部10すなわち第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12に1.81°のアジマス角を与えておくことによってテープ幅が広がったときにアジマス角が0°となるようにする。
また、テープが縮む方向への補正は、この1.81°のアジマスを更に傾ける。この値は
θ=cos-1((2×0.9995)/ (2×1.0005)=2.56°
となる。これらの計算により約2.56°傾けることでテープ幅変動の補正を行うことができる。
この場合において、磁気ヘッド部10、すなわち第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の長さを20mmとすると、2.56°傾けるのに必要な変位量は、
20sin2.56=0.893mm
となるが、磁気ヘッド部10の両端で傾ける構造とすることで、0.893/2=0.447の変位量をもって2.56°傾けることができる。
そして、アジマス角θとアジマス損失Lθとの関係を、トラック幅をパラメータとして
下記計算式(1)に基いて計算した結果を、図5に示す。
Lθ=−20Log [sin{(πW/λ)tanθ}/(πW/λ)tanθ} ・・・(1)
ここで、W:再生トラック幅
λ:記録波長
θ:アジマス
これによれば、トラック幅が3μm以下の場合、アジマス角として2.5°傾けた場合においても、その損失は1dB以下であり、更に、高記録密度を達成するために、トラック幅を狭くした場合、このアジマス損失の影響が更に少なくなることが分かる。
本発明においては、図4で説明したように、磁気テープ幅の変動に応じて、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11および12のアジマス調整、すなわちこれらの磁気ヘッド素子のアジマス調整を行い、かつ第1および第2の磁気ヘッドスタック部11及び12間において平行移動を行うことによって、図15で示した互いに他の磁気ヘッドスタック部11及び12の同一トラックに関する磁気ヘッド素子間での変位dの発生を回避する。このとき、同時に磁気テープの幅の変動以外の例えば磁気ヘッド装置の移動機構、外部からの振動そのほかに起因する通常におけるトラッキング制御を行う。
このために、磁気テープ51のサーボバンドSBに記録されたサーボ信号によって、磁気テープの幅変動の検出による幅変動を補正するサーボ出力と、磁気ヘッド位置の検出による位置補正のサーボ出力が得られるようになされる。
これらサーボ出力の取り出しを、図6及び図7を参照して説明する。
図6の各(a)図は、それぞれ左側、中央、及び右側に示す各位置において、磁気テープ51の幅が広い場合、変化しない場合、狭い場合の、対象とするデータバンドの両側に位置するサーボバンド(Servo Band)AおよびBの各区間T1〜T2のサーボ信号と、これらを読み出すサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡(Servo head trace)との関係を示すものである。
また、図7の各(a)図は、それぞれその左側、中央、及び右側に示す各位置において、サーボ信号再生磁気ヘッド素子が、サーボトラックの図において、上部にある場合、中心にある場合、下部にある場合の、対象とするデータバンドの両側に位置するサーボバンド(Servo Band)AおよびBの各区間T1〜T2のサーボ信号と、これらを読み出すサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡(Servo head trace)との関係を示すものである。
そして、図6及び図7において、各(b)図は、各(a)図の上述した各位置関係に対応したサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sから得られるサーボ出力波形を示すものである。
サーボ信号は、所定の周波数による磁気記録によって形成され、その記録領域が、各区間T1〜T4において、それぞれ磁気テープ51の長手方向に沿う直線を挟んで交互にいわゆる千鳥配置によって、記録された状態を示している。そして、これら信号において、サーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡が重なる領域、すなわち再生磁気ヘッド素子1Sによってサーボ信号の読み出しがなされた領域を、斜線を付して模式的に示し、サーボ信号再生磁気ヘッドが信号からずれて信号の読み出しがなされなかった領域を、白抜きをもって模式的に示す。
したがって、この場合、サーボ信号再生磁気ヘッドがサーボ信号領域に跨る幅によって、その再生出力は、各図(b)で示す各サーボバンドA及びBの各区間T1〜T4得たサーボ信号出力T1A〜T4A、T1B〜T4Bで示す振幅が変化する。
そして、図6と図7とを対比して明らかなように、図6に示すように、磁気テープ51の幅が変化することによってサーボバンドA及びBの間隔の伸縮と、図7に示すようにサーボトラックに対する再生磁気ヘッドの位置が上下にずれた場合とは、それぞれ異なるパターンのサーボ出力が得られる。

したがって、これらの信号によって、磁気テープの幅変動の補正を行うアジマス調整と磁気ヘッドの磁気テープの幅方向に対する位置変動、すなわちトラッキング補正を行う。
これらアジマス調整と、トラッキング調整とを、図8で示すフローチャートを参照してサーボ信号出力T1A,T1B,T2Aの関係を代表的に例示して説明する。この場合、ステップ91において、図6及び図7で説明した磁気ヘッド位置と、磁気テープ幅変動のサーボ出力を測定し、この測定結果を、ステップ92でT1A>T1Bであるか否かを判断し、T1A>T1Bの関係にある場合は、93で示すように、図1のアジマス調整機構61よって、図4で説明したようにアジマス角を0°方向に傾ける。
そして、T1A>T1Bでない場合においては、ステップ94において、T1A<T1Bであるか否かを判断し、T1A<T1Bである場合は、95で示すように、アジマス調整機構によってアジマス角を+方向に傾ける。
更に、T1A<T1Bでないと判断された場合には、ステップ96で、T1A<T2Aであるかを判断し、T1A<T2Aである場合は、97で示すように、ヘッド部を磁気テープに対し下げる。
そして、T1A<T2Aでないと判断されたときは、ステップ98でT1A>T2Aであるか否かを判断し、T1A>T2Aである場合は、99で示すように、ヘッド部を磁気テープに対し上げる。
そして、T1A>T2Aでもなければ、テープ幅変化に対する補正もトラッキングも完了したことになる。
尚、図6及び図7においては、磁気テープの往復移動の往路もしくは復路の一走行分についてのみ、すなわち上述した千鳥配置のサーボ信号の列は、サーボバンドA及びBにおいて、それぞれ1本のサーボ信号トラックのみを例示しているものであるが、往路及び復路の走行数に応じた本数のサーボ信号トラックが並置配列されているものであり、往路及び復路に関してそれぞれ同様の動作がなされる。
次に、磁気ヘッド装置の実施の形態を説明する。
図9は、本発明による磁気ヘッド装置60の実施形態例の概略斜視図である。
この場合、図3で示した第1の磁気ヘッドスタック部11と、第2の磁気ヘッドスタック部12とが隣接されて平行配置された状態で、磁気テープ(図示せず)に対するアジマス調整を行うアジマス調整機構61を介して磁気ヘッドベース80に取り付けられる。
第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12は、それぞれ図3で説明した複数の記録磁気ヘッド素子1W及び再生磁気ヘッド素子1P、更にサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sが、前方面、すなわち磁気テープの走行面に臨んで配列された磁気ヘッド素子の配列部13を中央部に有して成る。
アジマス調整機構61は、可動支持手段62と、アジマス調整の駆動部63を有し、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が、互いに平行に付き合わされた状態で、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12を、その磁気ヘッド素子の配列直線が平行関係に保持された状態で、その配列直線方向に沿って平行移動させつつ、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11および12を、同一アジマス角をもって回動させる。
可動支持手段62は、例えば1対の支持腕62Mを有して成る。
これら支持腕62Mは、それぞれ一端が磁気ヘッドベース80に固定され、その先端が、磁気ヘッドスタック部11及び12の互いに隣接する側面が相互に摺動可能とされ、これとは反対側の外側面のトラック幅方向に関する中央部に点接触させて、これら対の支持腕62M間に第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12を支持させる。
この場合、必要に応じて、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の互いの外面にそれぞれ補強板11A及び12Aを接合しておき、これに上述した支持腕62Mの先端が接触するようにすることができる。
駆動手段63は、それぞれ第1及び第2の圧電バイモルフ63MF1及び63MF2を有して成る。第1及び第2の圧電バイモルフ63MF1及び63MF2は、磁気ヘッドベース80に支持され、各変位端が、隣接する上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の磁気ヘッド素子の配列直線方向の両端間にそれぞれゴム板等のヤング率が小さく変形可能な弾性体64を介して挟持された構成とする。
この構成において、第1及び第2の圧電バイモルフ63MF1及び63MF2の駆動端は、互いに逆向きに駆動されて弾性体64の変形によって第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12を、可動支持体62による支持によって相互に平行関係を保持して磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小平行移動しつつ回動して、アジマス調整を行う。
この駆動部63すなわち圧電バイモルフ63MF1及び63MF2に対し、前述したアジマス調整のための磁気テープ51の幅変動に基くサーボ出力による制御電圧を印加することによって、それぞれ所要の撓曲を生じさせ、磁気ヘッドスタック部11及び12を支持腕62M1及び62M2の先端を支点とする回動がなされ、同時にこの回動による第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が相互に弾性体64の変形によって相互に平行関係を保持しながら互いに摺動移動する。すなわち図4で説明した動きがなされる。
一方、磁気ヘッドベース80は、例えばボイスコイルモータ(VCM)等による微動追従機構83によって磁気テープの幅方向に微小移動することができるようになされ、図8で説明した磁気ヘッドの上下移動のトラッキングを行う。
また、磁気ヘッドベース80及びその微動追従機構83と共に、磁気ヘッド部10を、所望のデータバンドの、選択されたトラック位置に持ち来たす動作を行うことができる。
また、本発明による磁気ヘッド装置60の他の実施形態例を、図10〜図12を参照して説明する。
図10は、その背面からみた概略斜視図で、図11A及び図11Bは、そのアジマス角ゼロの状態と所要の傾きを有する状態を示す正面図である。また、図12A及び図12Bは、動作説明図である。
この例においては、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82にそれぞれ取り付けられる。
そして、この例においても、アジマス調整機構61が設けられる。
このアジマス調整機構61は、可動支持手段62と、アジマス調整の駆動部63を有し、この場合においても、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12が、互いに平行に付き合わされた状態で、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12を、その磁気ヘッド素子の配列直線が平行関係に保持された状態で、その配列直線方向に沿って平行移動させつつ、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11および12を、同一アジマス角をもって回動させる
可動支持手段62は、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の回転中心を挟んで磁気ヘッド素子の配列直線方向の一方側と他方側に、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82に差し渡って、第1のブロック62B1と第2のブロック62B2とが配置されて成る。
第1のブロック62B1には、図9で説明したと同様の微動追従機構83が連結され、これによってトラッキングがなされる。
そして、第1のブロック62B1が、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82に、第1及び第2の枢軸62P1及び62P2によって回動軸支されて配置される。
また、第2のブロック62B2が、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82に、第3及び第4の枢軸62P3及び62P4によって回動軸支されて配置される。
この構成において、第1及び第2の枢軸62P1及び62P2間の間隔と、第3及び第4の枢軸62P3及び62P4間の間隔とが同一間隔に選定され、共通の磁気ヘッドベースに軸支する第1及び第3の枢軸間の間隔と、上記第2及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定される。
アジマス調整機構61の駆動手段63は、第1及び第2のブロック62B1及び62B2間に差し渡って第1のブロックの第1及び第2の枢軸62P1及び62P2間の中心を支点とし、駆動端を第2のブロック62B2の第3及び第4の枢軸P3及び62P4間の中心に、弾性体64を介して配置した圧電バイモルフ63MFを有して成る。
そして、圧電バイモルフ63MFに前述した磁気テープの幅の変動情報によるサーボ出力電圧に基く制御電圧を印加することにより、図11A及び図12Aの状態から、図11B及び図12Bで示す状態に、微動追従機構83に連結されて固定状態にある第1のブロック62B1の第1及び第2の枢軸62P1及び62P2を中心として、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82と第2のブロック62B2が同一方向に例えば鎖線図示のように回動する。図12は、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82の動き、したがって、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11及び12の動きが理解のために、第2のブロック62B2を排除して、開示したものである。
これによって理解されるように、第1及び第2の枢軸62P1及び62P2をそれぞれ支点として、第1及び第2の磁気ヘッドベース81及び82とこれに配置された磁気ヘッド素子スタック部11及び12が回動し、アジマスの調整がなされる。したがって、この回動は、第2のブロック62B2によって平行関係が保持されつつなされ、このため、磁気ヘッドベース81及び82と、磁気ヘッド素子スタック部11及び12は、磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って相互に、その回動に応じて回動の外側に当たる磁気ヘッドベース、図12Bにおいて、第2の磁気ヘッドベース82側が、内側に位置する第1の磁気ヘッドベース81に比し、後退するように相対的に、微小平行移動される。
このように、図10〜図12の実施形態例においても、磁気ヘッドスタック部11及び12を、同一角度をもって回動することができると共に、両者が平行関係を保持しつつ、相互に磁気ヘッドの配列直線方向に沿って、回動の外側の磁気ヘッドスタック部が、回動の内側の磁気ヘッドスタック部12に比し、回動遊端を後退させるように平行移動させることができる。これによって、両磁気ヘッドスタック部11及び12に、磁気ヘッド素子を目的とするトラックの中心位置正確に対峙させることができる。
そして、通常のトラッキングサーボは、前述したヘッド位置情報によるトラッキングサーボ出力に基いてブロック62B1を微動追従機構83によって図10〜図12において上下に微小移動させることによってなされる。
上述した各例における磁気テープ幅変動によるアジマス制御を行う圧電バイモルフは、図14に示すS型構造をそれぞれ採用することにより、目的とするアジマス補正を行うためのバイモルフの変位を微小化することができる。例えば上述した変位量0.447mmを得るに、0.447mm/2の約224μmとなる。
図14は、圧電バイモルフ63MFの固定端の軸方向を、直線0−0とするとき、その駆動端すなわち変位遊端の直線0−0との距離がX、S字彎曲の変曲点の中心と直線0−0との距離がX/2、変曲点を挟んでその両側の半径がR、各彎曲部の中心角がα、1枚の圧電体の厚さがΔRとする。
ここで、変位量:X=224μm、圧電定数:d31=−290[pm/V]、V]、ΔR=0.1[mm]、電界強度:E=V/ΔR=200V/0.1mm=200×104[V/m]とすると、
電歪:ε= d31×E=−5.74×10-4
(R+ΔR)×α−R×α=R×α×ε
R=ΔR/ε=174[mm]
R(1-cosα)=Xより
α=cos-1(1−X/R)=5.074×10-2[rad]
バイモルフの長さ:R×α=8.83[mm]となり、S型構造の場合、バイモルフの長さは2倍の8.83×2=17.7[mm]となり、実用的である。
上述したように、本発明による磁気ヘッド装置、磁気テープドライブ装置及び磁気ヘッドのアジマス調整方法によれば、その磁気ヘッド装置の対の磁気ヘッドスタック部が配列された構造のものにおいても、そのアジマス調整と、各磁気ヘッド素子の対応するトラックに正確に対峙させることができるものである。
そして、そのテープの幅方向の変動をデータバンド両端のサーボバンド信号より検出することにより、特段のサーボ出力を得るために複雑なフォーマット変更等を来たすことなく、リニア系磁気テープドライブのトラック密度向上させることが可能となる。
本発明によるドライブ装置の一例の構成図である。 リニア磁気テープのフォーマットの例を示す模式図である。 磁気ヘッド装置の一部を示す模式的正面図である。 磁気テープと磁気ヘッド部との対応関係を示す模式図である。 アジマス損失とアジマス角の関係を示す図である。 テープ幅の伸縮とサーボ出力との関係を示す図である。 ヘッド位置とサーボ出力との関係を示す図である。 トラッキングのフローチャートを示す図である。 本発明による磁気ヘッド装置の一例の斜視図である。 本発明による磁気ヘッド装置の他の例の背面から見た斜視図である。 A及Bは、それぞれ図10で示した本発明による磁気ヘッド装置の各動作状態における正面図である。 A及Bは、それぞれ図10で示した本発明による磁気ヘッド装置の動作説明の正面図である。 S型圧電バイモルフの説明図である。 従来の磁気ヘッド部の正面図である。 従来装置における磁気テープと磁気ヘッド部との対応関係を示す模式図である。
符号の説明
1W・・・記録磁気ヘッド素子、1P・・・再生磁気ヘッド素子、1S・・・サーボ信号再生磁気ヘッド素子、10,100・・・磁気ヘッド部、11,101・・・第1の磁気ヘッドスタック部、12,102・・・第2の磁気ヘッドスタック部、13・・・磁気ヘッド素子の配列部、50・・・磁気テープドライブ装置、51・・・磁気テープ、52・・・第1の巻回部、53・・・テープカセット、54・・・テープカセット装着部、55・・・案内体、56・・・第2の巻回体、60・・・磁気ヘッド装置、61・・・アジマス調整機構、62・・・可動支持手段、62M1・・・第1の支持腕、62M2・・・第2の支持腕、62B1・・・第1のブロック、62B2・・・第2のブロック、62P1・・・第1の枢軸、62P2・・・第2の枢軸、62P3・・・第3の枢軸、62P4・・・第4の枢軸、63・・・駆動手段、64・・・弾性体、80・・・磁気ヘッドベース、81・・・第1の磁気ヘッドベース、82・・・第2の磁気ヘッドベース、83・・・微動追従機構、DB・・・データバンド、SB・・・サーボバンド

Claims (11)

  1. 長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用いる磁気ヘッド装置であって、
    それぞれ複数の磁気ヘッド素子が配列された隣接する第1及び第2の磁気ヘッドスタック部と、
    上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を回動させて、上記磁気ヘッド素子の、上記磁気テープに対するアジマス調整を行うアジマス調整機構と、
    上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部は、上記複数の磁気ヘッド素子が、それぞれ磁気テープ走行面に臨んで所要の間隔をもって直線上に配列されて成り、
    上記アジマス調整機構は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、上記複数の磁気ヘッド素子の配列直線を平行関係に保持して該配列直線方向に沿って平行移動させつつ上記対の第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を同一アジマス角をもって回動させる磁気ヘッドスタックの可動支持手段と、駆動手段とを有し、
    上記磁気テープ幅の変動に応じて、上記駆動手段により上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回動及び平行移動によるアジマス調整を行って、上記磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部には、作動磁気ギャップが所定の間隔をもって直線的に配列する複数の記録磁気ヘッド素子の配列部と、該記録磁気ヘッド素子と並置して配置された再生磁気ヘッド素子の配列部と、上記磁気テープに記録されたサーボ信号を再生するサーボ信号再生磁気ヘッド素子の配置部とを有し、
    上記サーボ信号再生磁気ヘッド素子により上記サーボ信号に基く、上記磁気テープ幅変動の情報と、磁気ヘッド素子の位置の情報とを得て、これら情報により上記駆動手段を制御して上記記録磁気ヘッド素子及び上記再生磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド装置。
  3. 上記駆動手段が、圧電バイモルフによることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド装置。
  4. 上記アジマス調整機構の上記可動支持手段が、磁気ヘッドスタック部を支持する磁気ヘッドベースに、上記隣接する対の磁気ヘッドスタック部を挟持して支持する支持腕を有して成り、
    該支持腕は、それぞれ上記磁気ヘッドベースに固定された少なくとも第1及び第2の支持腕を有し、該第1及び第2の支持腕の先端を上記隣接する磁気ヘッドスタック部の互いに隣接する側面とは反対側の外側面のトラック幅方向に関する中央部に接触させて、これら対の支持腕間に、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を支持させ、
    上記駆動手段は、第1及び第2の圧電バイモルフを有して成り、
    上記第1及び第2の圧電バイモルフは、上記磁気ヘッドベースに支持され、各変位端が、上記隣接する上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の上記磁気ヘッド素子の配列直線方向の両端間に弾性体を介して挟持され、
    上記第1及び第2の圧電バイモルフの駆動端は、互いに逆向きに駆動されて上記弾性体の変形によって上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を、相互に上記平行関係を保持して上記磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小平行移動しつつ回動して、アジマス調整を行う構成とされたことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド装置。
  5. 上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、第1及び第2の磁気ヘッドベースにそれぞれ取り付けられ、
    上記アジマス調整機構の上記可動支持手段は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回転中心を挟んで上記磁気ヘッド素子の配列直線方向の一方側と他方側に、第1のブロックと第2のブロックとが、上記第1の磁気ヘッドベースと上記第2の磁気ヘッドベースとに差し渡って配置され、
    上記第1のブロックが、上記第1及び第2の磁気ヘッドベースに、第1及び第2の枢軸によって回動軸支されて配置され、
    上記第2のブロックが、上記第1及び第2の磁気ヘッドベースに、第3及び第4の枢軸によって回動軸支されて配置され、
    上記第1及び第2の枢軸間の間隔と上記第3及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定され、上記共通の磁気ヘッドベースに軸支する第1及び第3の枢軸間の間隔と、上記第2及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定され、
    上記アジマス調整機構の上記駆動手段は、上記第1及び第2のブロック間に差し渡って上記第1のブロックの上記第1及び第2の枢軸間の中心を支点とし、駆動端を上記第2のブロックの上記第3及び第4の枢軸間の中心に、弾性体を介して配置した圧電バイモルフを有して成り、
    上記圧電バイモルフの駆動により、上記第1及び第2の枢軸を中心とする上記第1及び第2の磁気ヘッドベースと上記第2のブロックが同一方向に、第2のブロックによって平行関係を保持して上記磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小移動させる構成とされたことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド装置。
  6. 長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用いる磁気テープドライブ装置であって、
    磁気ヘッド装置と、該磁気ヘッド装置に対して上記磁気テープを往復走行させる走行駆動部とを有し、
    上記磁気ヘッド装置は、長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用いる磁気ヘッド装置であって、
    それぞれ複数の磁気ヘッド素子が配列された隣接する第1及び第2の磁気ヘッドスタック部と、
    上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を回動させて、上記磁気ヘッド素子の、上記磁気テープに対するアジマス調整を行うアジマス調整機構と、
    上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部は、上記複数の磁気ヘッド素子が、それぞれ磁気テープ走行面に臨んで所要の間隔をもって直線上に配列されて成り、
    上記アジマス調整機構は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、上記複数の磁気ヘッド素子の配列直線を平行関係に保持して該配列直線方向に沿って平行移動させつつ上記対の第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を同一アジマス角をもって回動させる磁気ヘッドスタックの可動支持手段と、駆動手段とを有し、
    上記磁気テープ幅の変動に応じて、上記駆動手段により上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回動及び平行移動によるアジマス調整を行って、上記磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを
    特徴とする磁気テープドライブ装置。
  7. 上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部には、作動磁気ギャップが所定の間隔をもって直線的に配列する複数の記録磁気ヘッド素子の配列部と、再生磁気ヘッド素子の配列部と、上記磁気テープに記録されたサーボ信号を再生するサーボ信号再生磁気ヘッド素子の配置部とを有し、
    上記サーボ信号再生磁気ヘッド素子により上記サーボ信号に基く、上記磁気テープ幅変動の情報と、磁気ヘッド素子の位置の情報とを得て、これら情報により上記駆動手段を制御して上記記録磁気ヘッド素子及び上記再生磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする請求項6に記載の磁気テープドライブ装置。
  8. 上記駆動手段が、圧電バイモルフによることを特徴とする請求項6に記載の磁気テープのドライブ装置。
  9. 上記アジマス調整機構の上記可動支持手段が、磁気ヘッドスタック部を支持する磁気ヘッドベースに、上記隣接する対の磁気ヘッドスタック部を挟持して支持する支持腕を有して成り、
    該支持腕は、それぞれ上記磁気ヘッドベースに固定された少なくとも第1および第2の支持腕を有し、該第1及び第2の支持腕の先端を上記隣接する磁気ヘッドスタック部の互いに隣接する側面とは反対側の外側面のトラック幅方向に関する中央部に接触させて、これら対の支持腕間に、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を支持させ、
    上記駆動手段は、第1及び第2の圧電バイモルフを有して成り、
    該第1及び第2の圧電バイモルフは、上記磁気ヘッドベースに支持され、各変位端が、上記隣接する上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の上記磁気ヘッド素子の配列直線方向の両端間に弾性体を介して挟持され、
    上記第1及び第2の圧電バイモルフの各駆動端は、互いに逆向きに駆動されて上記弾性体の変形によって上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を、相互に上記平行関係を保持して上記磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小平行移動しつつ回動して、アジマス調整を行う構成とされたことを特徴とする請求項6に記載の磁気テープドライブ装置。
  10. 上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部が、第1及び第2の磁気ヘッドベースにそれぞれ取り付けられ、
    上記アジマス調整機構の上記可動支持手段は、上記第1及び第2の磁気ヘッドスタック部の回転中心を挟んで上記磁気ヘッド素子の配列直線方向の一方側と他方側に、第1のブロックと第2のブロックとが、上記第1の磁気ヘッドベースと上記第2の磁気ヘッドベースとに差し渡って配置され、
    上記第1のブロックが、第1及び第2の磁気ヘッドベースに、第1及び第2の枢軸によって回動軸支されて配置され、
    上記第2のブロックが、上記第1及び第2の磁気ヘッドベースに、第3及び第4の枢軸によって回動軸支されて配置され、
    上記第1及び第2の枢軸間の間隔と上記第3及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定され、上記共通の磁気ヘッドベースに軸支する第1及び第3の枢軸間の間隔と、上記第2及び第4の枢軸間の間隔とが同一間隔に選定され、
    上記アジマス調整機構の上記駆動手段は、上記第1及び第2のブロック間に差し渡って上記第1のブロックの上記第1及び第2の枢軸間の中心を支点とし、駆動端を上記第2のブロックの上記第3及び第4の枢軸間の中心に、弾性体を介して配置した圧電バイモルフを有して成り、
    上記圧電バイモルフの駆動により、上記第1及び第2の枢軸を中心とする上記第1及び第2の磁気ヘッドベースと上記第2のブロックが同一方向に、第2のブロックによって平行関係を保持して上記磁気ヘッド素子の配列直線方向に沿って微小移動させる構成とされたことを特徴とする請求項6に記載の磁気テープのドライブ装置。
  11. 長手方向に沿う記録トラックが複数本並置形成されるリニア型磁気テープを用い、それぞれ磁気ヘッド素子が配列された第1及び第2の磁気ヘッドスタック部を有する磁気ヘッド装置におけるアジマス調整方法であって、
    上記磁気テープが、上記記録トラックが並置されたデータバンドを挟んでサーボバンドが形成され、
    上記サーボバンドから読み出した信号に基いて、上記磁気テープの幅の変動とヘッド位置とを検出し、該検出信号によって上記磁気ヘッド装置の上記第1及び第2のスタック部のアジマス調整と、トラッキングとを行い、
    上記アジマス調整は、上記第1及び第2のスタック部相互の平行移動を伴って行い、
    上記磁気ヘッド素子を所定の記録トラック位置に対峙させることを特徴とする磁気ヘッドのアジマス調整方法。
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