JP2005285196A - 磁気記録再生方法および磁気記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリープ誤差による記録時と再生時とでの磁気テープ幅の変化を抑制することができるようにした磁気記録再生方法および磁気記録再生装置を提供する。
【解決手段】 磁気テープ51のテンションを制御するテープテンション制御機構80を有し、磁気テープ51に対する記録再生時に、磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を磁気テープに与える制御を行う構成とすることによって、荷重−伸び率特性のヒステリシス領域での使用を回避し、記録および再生における所定のテープ伸び率の変化、したがって、テープ幅の変化を抑制する効果を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 磁気テープ51のテンションを制御するテープテンション制御機構80を有し、磁気テープ51に対する記録再生時に、磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を磁気テープに与える制御を行う構成とすることによって、荷重−伸び率特性のヒステリシス領域での使用を回避し、記録および再生における所定のテープ伸び率の変化、したがって、テープ幅の変化を抑制する効果を得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、特に磁気記録媒体として磁気テープが用いられる磁気記録再生方法および磁気記録再生装置に関する。
通常一般の磁気記録再生装置に用いられる磁気記録媒体としての磁気テープにおいては、そのベース材料として、廉価なPET(ポリエチレンテレフタレート)が広く用いられている。
ところで、近年、例えばコンピュータシステムで、取り扱うデータ量の増大化によって、そのバックアップ装置として磁気テープを用いたデータストレージシステムの需要が高まっている。
このデータストレージシステムとして、リニア磁気テープ方式による磁気記録再生方法およびこの方式による磁気記録再生装置が注目されている。
このデータストレージシステムとして、リニア磁気テープ方式による磁気記録再生方法およびこの方式による磁気記録再生装置が注目されている。
このリニアテープシステムにおいては、磁気テープの長手方向の走行方向に沿う多数の直線的データトラックが、テープ幅方向に並置形成され、記録容量の増大化を図るものである。
この場合、記録時と再生時とで、テープ形状に変動を来たし、テープ幅は変化し、トラック間隔が相違すると、トラッキングミスが生じ、再生出力の低下、S/Nの低下を来たす。特に、昨今、より大容量化が求められ、これにともなって、記録トラックの線密度の向上、トラック幅、およびピッチの狭小化がなされていることから、この磁気テープの形状変化による特性への影響が大となる。また、これが、より大容量化を阻害することになっている。
この場合、記録時と再生時とで、テープ形状に変動を来たし、テープ幅は変化し、トラック間隔が相違すると、トラッキングミスが生じ、再生出力の低下、S/Nの低下を来たす。特に、昨今、より大容量化が求められ、これにともなって、記録トラックの線密度の向上、トラック幅、およびピッチの狭小化がなされていることから、この磁気テープの形状変化による特性への影響が大となる。また、これが、より大容量化を阻害することになっている。
この磁気テープにおける形状変化は、殆ど磁性層が形成される非磁性ベースの変形に起因する。
そして、この非磁性ベースの変形は、磁気テープに与えられたテンション(引張り)の開放による形状復帰によって発生する。また、磁気テープベースの製造や、磁気テープ製造工程で、少なからず伸縮方向の応力が蓄積されることから、この内部応力が長期保存や温度、湿度等の影響で何れかの時期に放出されることによっても変形が生じる。
そして、この時、上述した開放テンションによる形状復帰と内部応力放出による変形とがプラスされ、このプラス分が大きいとクリープ誤差を生じ、たとえ、例えば記録時と再生時とにおいて、テープテンションを一定としても、形状変化を来たす。
そして、この非磁性ベースの変形は、磁気テープに与えられたテンション(引張り)の開放による形状復帰によって発生する。また、磁気テープベースの製造や、磁気テープ製造工程で、少なからず伸縮方向の応力が蓄積されることから、この内部応力が長期保存や温度、湿度等の影響で何れかの時期に放出されることによっても変形が生じる。
そして、この時、上述した開放テンションによる形状復帰と内部応力放出による変形とがプラスされ、このプラス分が大きいとクリープ誤差を生じ、たとえ、例えば記録時と再生時とにおいて、テープテンションを一定としても、形状変化を来たす。
そして、通常、磁気記録媒体のベースとして広く用いられている上述したPETは、例えばPEN(ポリエチレンナフタレート)に比し、クリープ誤差が大きい。そこで、磁気テープのベース材としてクリープ誤差が小さい例えばPENを用いることが望ましいが、現状において、クリープ誤差が小さいPEN等は、PETに比し、高価格であるという問題がある。
一方、テープ形状変動によるトラッキングエラーを補正する方法の提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
これは、磁気テープ形状の変動に応じて、磁気ヘッドを傾斜させ、その傾斜角すなわちアジマス角を変更することによって、テープ幅方向に関する磁気ヘッド素子の実質的な間隔を制御して磁気ヘッド素子が所定のトラックに対峙することができるようにするものである。
しかしながら、テープの形状変化に応じて、磁気ヘッド素子のアジマスを変更する機械的構成および制御方法は、複雑であり、装置の組立て製造、調整に問題がある。
特開2002−92809号公報
これは、磁気テープ形状の変動に応じて、磁気ヘッドを傾斜させ、その傾斜角すなわちアジマス角を変更することによって、テープ幅方向に関する磁気ヘッド素子の実質的な間隔を制御して磁気ヘッド素子が所定のトラックに対峙することができるようにするものである。
しかしながら、テープの形状変化に応じて、磁気ヘッド素子のアジマスを変更する機械的構成および制御方法は、複雑であり、装置の組立て製造、調整に問題がある。
本発明は、上述した複雑な構成によることなく、クリープ誤差による例えば記録時と再生時とで、磁気テープ幅が相違するという問題を解決ないしは改善をはかり、磁気テープ材料の選定の自由度を高め、また、むしろ上述した廉価なPETをベース材料として積極的に用いて、良好な形状の安定化を図ることができるようにした磁気記録再生方法および磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明による磁気記録再生方法は、磁気テープに対する磁気記録再生方法であって、
磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を与えるテープテンションを掛けた状態のもとで、上記磁気テープに対する記録および再生を行う
ことを特徴とする。
磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を与えるテープテンションを掛けた状態のもとで、上記磁気テープに対する記録および再生を行う
ことを特徴とする。
本発明による磁気記録再生装置は、磁気テープに対する磁気記録再生装置であって、
上記磁気テープに所定のテープテンションを付与するテープテンション付与手段を有し、
該テープテンション付与手段によって、上記磁気テープに対する記録再生時に、上記磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を上記磁気テープに与えるようにしたことを特徴とする。
上記磁気テープに所定のテープテンションを付与するテープテンション付与手段を有し、
該テープテンション付与手段によって、上記磁気テープに対する記録再生時に、上記磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を上記磁気テープに与えるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、上述の本発明による磁気記録再生方法および磁気記録再生装置にあって、上記磁気テープが、該磁気テープに対し、記録トラックが、磁気テープの長手方向に沿って延長し、幅方向に複数本平行に配列形成されるリニア型磁気テープによることを特徴とする。
また、本発明は、上述の本発明による磁気記録再生方法および磁気記録再生装置にあって、上記磁気テープが、ポリエチレンテレフタレートベースによる磁気テープであることを特徴とする。
本発明においては、磁気テープに対する記録および再生において、磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を与えるテープテンションを掛けた状態のもとで、磁気テープに対する記録および再生を行うことによってクリープ誤差による記録および再生における磁気テープの形状、すなわちテープ幅の均一化を図ることができるものである。
これについて説明する。図9は、磁気テープを構成するベース材のテンションによる伸縮特性を示すもので、曲線aおよびbは、それぞれ上述したPETおよびPENのそれぞれのテンションによる伸縮特性を例示したものである。いずれもテンションを上げていくにつれ、テープ長が伸びこれに応じてテープ幅が減少する。
図9に示されるように、PETは、PENに比し、テンションに対するテープ長とテープ幅の変化が大きい。
この伸縮特性は、ベース材のテンスライズ程度、厚さ等によっても伸縮特性曲線が変化する。
図9に示されるように、PETは、PENに比し、テンションに対するテープ長とテープ幅の変化が大きい。
この伸縮特性は、ベース材のテンスライズ程度、厚さ等によっても伸縮特性曲線が変化する。
そして、ベース材に対するテンションを更にあげていくと、図9には示されないが、塑性変形、破断に達する。図10は、この様子を模式的に示したもので、横軸にテンションを、縦軸に伸び率をとった伸縮特性において、そのテンションが、初期状態から伸び率が屈曲点を示すまでのヒステリシスクリープを示す不安定領域Iと、屈曲点から降伏点までの弾性変形領域II、降伏点から破断点までの塑性変形領域IIIに区分される性状を示す。
次に、クリープ特性について説明すると、これは、テープベースの、静止保存状態で、内部応力の開放により、テープ幅が広がり、テープ長が収縮するクリープ現象がある。そして、その内部応力が、すべて開放し切った時点で、このクリープ現象は終焉する。
したがって、図9に示したように、テンションに対する伸び量の大きいPETは、PENに比してクリープが大きい。しかし、クリープによるテープ形状変化は温度、湿度等保存環境によって異なる。実際の磁気テープはテンションを掛けて巻かれているためクリープ誤差が巻き径の箇所によって異なることがある。
したがって、図9に示したように、テンションに対する伸び量の大きいPETは、PENに比してクリープが大きい。しかし、クリープによるテープ形状変化は温度、湿度等保存環境によって異なる。実際の磁気テープはテンションを掛けて巻かれているためクリープ誤差が巻き径の箇所によって異なることがある。
図11は、テープベース材のヒステリシスとテープテンションとの関係を示す図で、上述したように、PETとPENに対しそれぞれ初期のテンション0(ゼロ)の状態(図の原点)から、テンションを上げていくと、それぞれ図9で示した曲線aおよびbにしたがってテープ長が増加し、テープ幅が減少する。
しかし、テープテンションを下げていくと、それぞれテープテンションゼロの状態では、初期の原点位置に戻らず、それぞれ曲線a’およびb’に示すように、クリープ特性との合成によって初期に比しテープ長は減少し、テープ幅は増大するヒステリシス特性を示す。
しかし、テープテンションを下げていくと、それぞれテープテンションゼロの状態では、初期の原点位置に戻らず、それぞれ曲線a’およびb’に示すように、クリープ特性との合成によって初期に比しテープ長は減少し、テープ幅は増大するヒステリシス特性を示す。
したがって、今、図11において、ヒステリシスが存在する領域、すなわち図10の領域IにおけるテープテンションT1で、記録し、その後、このテンションT1で再生する場合は、PETにおいては、記録と再生とにおいて、同一テンションT1に設定しても、クリープ誤差Aδ1に相当するテープ幅変化を生じることになって、トラッキングミスの発生、再生特性の低下を来たす。
同様に、PENを用いた場合においても、Aδ1に比しては、小さいものの、Bδ1に相当する差が生じる。
同様に、PENを用いた場合においても、Aδ1に比しては、小さいものの、Bδ1に相当する差が生じる。
これに対し、本発明記録再生方法においては、ヒステリシス、すなわちクリープ誤差の大きいPETを磁気テープのベースとする場合において、その記録および再生を、図11のヒステリシスが存在しない領域、すなわち図10の弾性領域IIにおけるテンションT2で行うものであり、このようにして、テンションT2おける誤差Aδ2がゼロもしくは殆どない状態で記録および再生がなされることから、記録および再生間のトラッキングミス、再生特性の劣化等を改善できるものである。
そして、このテンションT2での記録再生によるときは、PENについても、Bδ1に比しては充分小さいBδ2の誤差で記録再生を行うことができる。しかしながら、PETに比しては効果が低くなる。
そして、このテンションT2での記録再生によるときは、PENについても、Bδ1に比しては充分小さいBδ2の誤差で記録再生を行うことができる。しかしながら、PETに比しては効果が低くなる。
上述したように、本発明方法によれば、記録・再生間のトラッキングずれの改善が図られることから、特に、磁気テープに多数本の記録トラックが形成されるリニア型磁気テープシステムによる場合、よりトラック幅の縮小、トラック密度の向上が図られ、高記録密度、大容量化を図ることができる。
上述したように、本発明による磁気記録再生方法によれば、記録および再生におけるテープテンションを、弾性変形領域におけるテンションに選定することによって、記録および再生における磁気テープ形状を一様化するものである。
このように、本発明においては、むしろクリープ誤差が大きいPETをベース材とすることから、廉価に、また材料の選定の自由度が高められて、記録および再生のミストラックの回避、再生特性の劣化を安定して回避できるものである。
このように、本発明においては、むしろクリープ誤差が大きいPETをベース材とすることから、廉価に、また材料の選定の自由度が高められて、記録および再生のミストラックの回避、再生特性の劣化を安定して回避できるものである。
そして、この本発明方法に基く本発明装置によれば、単に磁気テープのテンションの選定のみで、良好な記録再生を行うことができるものであり、このテープテンションの付与は、通常、記録再生装置においては、テープテンションを制御する機構が設けられていることから、本発明装置において、特段のテープテンション制御機構を設けるものではなく、本発明装置において、構造が複雑化し、組立て製造が増加することは回避される。
本発明による磁気記録再生方法と、この磁気記録再生方法が適用された本発明による磁気記録再生装置を、図1〜図12を参照して説明するが、本発明はこの実施の形態例に限られるものではない。
本発明による磁気記録再生方法および記録再生装置においては、図10で模式的に示す、磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において、荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の、領域IIとして示した弾性変形領域の範囲、すなわち図11で示すT2の荷重を与えるテープテンションを掛けた状態のもとで、磁気テープに対する記録および再生を行う。
本発明による磁気記録再生方法および磁気記録再生装置における磁気テープは、PETベースによる磁気テープを用いることが、図11で説明したことから望ましいが、前述したように、例えばPEN等によることができる。PETベースとしては、例えば2軸伸延ポリエステルフィルムを用いることができ、PENベースとしては、例えば2軸伸延ポリエチレンナフタレートフィルムを用いることができる。
図10は、PETベースの荷重−伸び率特性の測定した結果の模式図で、伸び率0.5%で屈曲点を示し、5%で降伏点を示し、150%で破断した。すなわち、各領域I,II,IIIにおいて、
領域I(不安定領域)<0.5%であり、
0.5%<領域II(弾性変形領域)<5%であり、
5%<領域III(塑性変形領域)<150%となった。
このPETベースの測定試料は、厚さ9μm、テープ幅1/2インチ、試料長20cmである。
領域I(不安定領域)<0.5%であり、
0.5%<領域II(弾性変形領域)<5%であり、
5%<領域III(塑性変形領域)<150%となった。
このPETベースの測定試料は、厚さ9μm、テープ幅1/2インチ、試料長20cmである。
また、図12(a),(b),(c)は、それぞれ同様にPETベースにおける製造直後、製造後6ケ月経過後、1年経過後の伸び率−荷重の測定結果を示すもので、この特性において、伸び率小の領域すなわち上述した不安定性領域Iにおいて、荷重80gについて対比すると、それぞれ0.34%、0.28%,0・26%と経時による内部応力放出のため徐々に小さくなっている。しかし、荷重100gになると弾性変形領域IIに入り、伸び率0.5%で(a),(b),(c)は、同じとなり、伸び率の変化は殆ど見られなかった。
更に、図13に、PENおよびPETをベース材とする磁気テープについて、その記録および再生を、同一テンションで行うものの、そのテンションを、上述した弾性変形領域IIによる場合(図13(a)および(b))と、不安定領域Iによる場合(図13(c)および(d))とにおいて、それぞれの初期(イニシャル)状態、記録状態、長期保存すなわちクリープの状態、再生状態の各状態における形状変化の測定結果を対比して模式的に示す。
図13においては、形状変化を長方形で模式的に示し、その上下に、各状態でのテンション(N)と初期のテープ幅を100としたときの各状態でのテープ幅とを付記したものである。
図13においては、形状変化を長方形で模式的に示し、その上下に、各状態でのテンション(N)と初期のテープ幅を100としたときの各状態でのテープ幅とを付記したものである。
図13によって明らかなように、本発明による図13(a)および(b)の、記録および再生において、テープテンションを弾性変形領域IIで同一テンションとするときは、記録および再生におけるテープの形状変化が全くもしくは殆ど生じないようにすることができることが分かる。
上述したように、本発明においては、記録および再生において、用いる磁気テープにおける弾性変形領域の所定の同一もしくは相互にできるだけ近似したテープテンションで駆動することによって、同一もしくはほとんど同一の磁気テープ形状状態で、記録再生を行うことができることから形状変化によるテープ幅変動等によるオフトラック等による再生特性劣化を回避できる。
次に、本発明による磁気記録再生装置の実施の形態例、この例では、リニアテープドライブ装置について説明する。
図1は、リニアテープドライブ装置の概略構成図を示す。このリニアテープドライブ装置は、磁気ヘッド部10を有する磁気ヘッド装置60と、磁気ヘッド部10の磁気テープ走行面に対して磁気テープを往復移行させる磁気テープ走行駆動部70と、磁気テープ51のテープテンション制御機構80、トラッキングおよびテープテンション制御系90とを有して成る。
図1は、リニアテープドライブ装置の概略構成図を示す。このリニアテープドライブ装置は、磁気ヘッド部10を有する磁気ヘッド装置60と、磁気ヘッド部10の磁気テープ走行面に対して磁気テープを往復移行させる磁気テープ走行駆動部70と、磁気テープ51のテープテンション制御機構80、トラッキングおよびテープテンション制御系90とを有して成る。
走行駆動部70は、磁気テープ51が、巻回される第1の巻回部52を有するテープカセット53のテープカセット装着部54と、テープカセット53から引き出された磁気テープ51を磁気ヘッド装置60に案内する複数のガイドローラ、ガイドピン等の案内体を有する案内手段55と、例えばカセット53外に配置された磁気テープ51の第2の巻回部56と、第1および第2の巻回部52との間に磁気テープ51をその長手方向に往復走行させる各巻回部52および56の回転駆動部(図示せず)等を有して成る。
磁気ヘッド装置60は、図2に示すように磁気ヘッド部10を支持する磁気ヘッド構体61を有する。
磁気ヘッド構体61は、この磁気ヘッド構体61を磁気テープの幅方向に移動させる粗動追従機構62を具備する。
また、磁気ヘッド部10は、磁気ヘッド構体61に、磁気ヘッド部10を磁気テープの幅方向に微小移動させる微動追従機構63を介して取着される。
磁気ヘッド構体61は、この磁気ヘッド構体61を磁気テープの幅方向に移動させる粗動追従機構62を具備する。
また、磁気ヘッド部10は、磁気ヘッド構体61に、磁気ヘッド部10を磁気テープの幅方向に微小移動させる微動追従機構63を介して取着される。
粗動追従機構62は、例えばステップモータ等によって、磁気ヘッド61を、磁気テープ51の幅方向に移動するようになされ、微動追従機構63は、例えば1対の圧電バイモルフ63aおよび63bより成り、これらバイモルフ63aおよび63bの各固定部を、磁気ヘッド構体61に固定し、駆動部すなわち変位部を磁気ヘッド部10の両端に結合する。
磁気テープ51は、図3で説明したと同様に、それぞれサーボ信号が記録されたサーボバンドSBが磁気テープ51の長手方向に沿って形成され、これらサーボバンドSB間に、データバンドDBが配置された構成を有する。
データバンドDBには、多数本のデータトラック、すなわち記録トラック(図示せず)が磁気テープ51の長手方向に沿って、幅方向に多数本並置形成される。
データバンドDBには、多数本のデータトラック、すなわち記録トラック(図示せず)が磁気テープ51の長手方向に沿って、幅方向に多数本並置形成される。
磁気ヘッド部10は、図4で説明したように、それぞれ磁気ヘッド素子が配列された第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12を有する。
この磁気ヘッド部10の、第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12は、磁気テープの同一データトラックに対応する記録磁気ヘッド素子1Wと再生磁気ヘッド素子1Pとが、それぞれ並置形成される。
各スタック部11および12において、各記録磁気ヘッド素子1Wおよび再生磁気ヘッド素子1Pは、その磁気ギャップが、所定の間隔を保持してそれぞれトラック幅方向に直線的に配列される。
更に、第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12の、これら記録磁気ヘッド素子1Wおよび再生磁気ヘッド素子1Pの配列部の両端に、サーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sが配置される。
この磁気ヘッド部10の、第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12は、磁気テープの同一データトラックに対応する記録磁気ヘッド素子1Wと再生磁気ヘッド素子1Pとが、それぞれ並置形成される。
各スタック部11および12において、各記録磁気ヘッド素子1Wおよび再生磁気ヘッド素子1Pは、その磁気ギャップが、所定の間隔を保持してそれぞれトラック幅方向に直線的に配列される。
更に、第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12の、これら記録磁気ヘッド素子1Wおよび再生磁気ヘッド素子1Pの配列部の両端に、サーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sが配置される。
これら第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12は、それぞれ例えばアルチック等の基板に例えば電磁誘導型の薄膜磁気ヘッドより成る記録磁気ヘッド素子1Wと、例えば磁気抵抗素子(MR素子)による再生磁気ヘッド素子1Pおよびサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sが積層されて成る構成とすることができる。
また、磁気ヘッド部10の磁気ヘッド素子の配列方向、すなわちトラック幅方向の長さは、磁気テープ51の幅の2倍程度の長さに選定され、その長さの中央部に、上述した磁気ヘッド素子が配列された磁気ヘッド配列部13が配置される。このようにして磁気ヘッド部10の長さの選定により、磁気テープ51の全トラックに対し所定の磁気ヘッド素子を対向させる磁気テープの幅方向の移行において、磁気ヘッド部10が、磁気テープ51の全幅に渡って、均一に対接ないしは対向状態を維持して、磁気テープ51に不均一な応力を与えるような不都合を回避する。
そして、記録・再生時において、磁気ヘッド部10を、例えば粗動追従機構62によって磁気テープ51の幅方向に移動させ、その磁気ヘッド素子の配列部13を、選択されたデータバンドDBに持ち来たし、更に、このデータバンドDBにおいて、例えば磁気テープ走行の往路においては、第1のスタック部11における各記録磁気ヘッド素子1Wを、これら記録磁気ヘッド素子の配置間隔に対応する選択されたデータトラックに対向させてデータ信号記録を行い、この記録を、同一トラックに位置する他方の第2のスタック部12における再生磁気ヘッド素子1Pによって再生する。
磁気テープ走行の復路においては、磁気ヘッド部10を、磁気テープ51の幅方向に例えば粗動追従機構62によって所定量移動させ、他の選択されたトラックに対向させ、第2のスタック部12における各記録磁気ヘッド素子1Wによって、データ信号記録がなされる。続いて、この記録を、同一トラックに位置する第1のスタック部11における再生磁気ヘッド素子1Pによって再生する。このようにして、各往路および復路において、第1および第2の磁気ヘッドスタック部11および12の共働によってそれぞれ複数のデータトラックに対して同時記録再生の動作がなされる。
このような往復移行が繰り返されて、全データバンドDBおよびデータトラックに対して上述した同時記録再生、再生動作を行う。
このような往復移行が繰り返されて、全データバンドDBおよびデータトラックに対して上述した同時記録再生、再生動作を行う。
これら選択されたトラックに対する磁気ヘッド素子のトラッキングは、トラッキングサーボ信号によって微動追従機構63を駆動して、第1及び第2の磁気ヘッドスタック部11および12を磁気テープ51の幅方向に微小調整移動することによってなされる。
そして、本発明においては、記録および再生時に、磁気テープに、上述した弾性変形領域II内の所定テンションを付与するテープテンション付与手段を設ける。
このテープテンション付与手段は、例えばテープテンション制御機構80と、磁気テープの送り出し側の第1の巻回部52または第2の巻回部56のトルク制御による。
このテープテンション付与手段は、例えばテープテンション制御機構80と、磁気テープの送り出し側の第1の巻回部52または第2の巻回部56のトルク制御による。
テープテンション制御機構80は、例えば図1で示すように、回動アーム81の遊端に、ガイドローラ、ガイドピン等のテープガイド82が配置され、このテープガイド82が磁気テープ51の移行途上に配置され、回動アーム81の回動位置に応じて、テープガイド82がテープ走行位置に、弾性的に突出あるいは後退するようになされ、弾性調整機構83によってテープテンションの調整がなされる。
図5は、本発明装置の制御系90を示すブロック図で、上述した所定のテープテンションを付与するテープテンション制御機構や、トルク制御機構によるテープテンション付与手段の制御部85をテープテンション制御信号によって制御し、また、磁気ヘッド部10の微動追従機構63のドライブ回路92をトラッキング制御信号によって制御する制御回路91を有する。
この場合、トラッキングサーボ信号は、サーボバンドSBのサーボ信号を読み出して後述するアルゴリズムプログラムによってトラッキング制御信号を得る。
この場合、トラッキングサーボ信号は、サーボバンドSBのサーボ信号を読み出して後述するアルゴリズムプログラムによってトラッキング制御信号を得る。
このトラッキング信号は、上述したように、磁気ヘッド微動追従機構63のドライブ回路92に導入され、微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bの駆動制御がなされる。
一方、信号処理回路93に記録情報を入力し、この信号処理回路93からの記録信号を、上述したテープテンション制御のもとで磁気ヘッド部10の記録磁気ヘッド素子1Wによって記録し、続いてもしくはその後、再生磁気ヘッド素子1PRによって再生し、信号処理回路93に入力し再生出力を取り出す。
一方、信号処理回路93に記録情報を入力し、この信号処理回路93からの記録信号を、上述したテープテンション制御のもとで磁気ヘッド部10の記録磁気ヘッド素子1Wによって記録し、続いてもしくはその後、再生磁気ヘッド素子1PRによって再生し、信号処理回路93に入力し再生出力を取り出す。
磁気テープ51に書き込まれたサーボ信号は、図6にその一例の配置パターンを示すように、データバンドDBの両側(以下この一方の側の方向を上と呼称し、他方の側の方向を下と呼称する)のサーボバンドSBに記録されたサーボ信号によって、トラッキングサーボがなされる。
ここで、データバンドDBに対して上側および下側の各サーボバンドSBをそれぞれAおよびBとする。
ここで、データバンドDBに対して上側および下側の各サーボバンドSBをそれぞれAおよびBとする。
これらサーボバンドAおよびBは、それぞれ上述した、1つのデータバンドDBにおける磁気ヘッド部10に対する往路および復路の数に対応する本数のサーボ信号トラックが平行に形成されて成る(図6においては、それぞれ3本が代表的に示されている)。
各サーボ信号トラックにおけるサーボ信号は、図示のように、サーボ信号がそれぞれ再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡TRの延長方向に沿う各直線に対して交互にトラック幅方向に一定量齟齬して千鳥状に配置される。
各サーボ信号トラックにおけるサーボ信号は、図示のように、サーボ信号がそれぞれ再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡TRの延長方向に沿う各直線に対して交互にトラック幅方向に一定量齟齬して千鳥状に配置される。
本発明においては、このサーボ信号、すなわち通常においては、トラッキングサーボ信号として記録される信号によって、トラッキングサーボ信号はもとより、テープ幅の情報を取り出す。
これについて、図7および図8を参照して説明する。
これについて、図7および図8を参照して説明する。
図7の各(a)図は、対象とするデータバンドDBの両側に位置するサーボバンド(Servo Band)AおよびBの各区間T1〜T4のサーボ信号と、これらを読み出すサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡(Servo head trace)TRとの関係を示すもので、それぞれその左側、中央、および右側に示す各位置において、サーボ信号再生磁気ヘッド素子が、サーボトラックの、図において、上部にある場合、中心にある場合、下部にある場合の関係を示している。
そして、図7において、各(b)図は、各(a)図の上述した各位置関係に対応したサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sから得られるサーボバンドAおよびBのサーボ出力波形T1A〜T4A、T1B〜T4Bを示すものである。
そして、図7において、各(b)図は、各(a)図の上述した各位置関係に対応したサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sから得られるサーボバンドAおよびBのサーボ出力波形T1A〜T4A、T1B〜T4Bを示すものである。
図7においては、サーボバンドの磁気テープの往復移動の往路もしくは復路の一走行分についてのみのサーボトラックを例示しているものである。
また、図7において、各サーボバンドAのトラックのサーボ信号の千鳥配置の上側のサーボ信号をUAと呼称し、下側のサーボ信号をDAと呼称する。
また、各サーボバンドBのトラックのサーボ信号の千鳥配置の上側のサーボ信号をUBと呼称し、下側のサーボ信号をDBと呼称する。
また、図7において、各サーボバンドAのトラックのサーボ信号の千鳥配置の上側のサーボ信号をUAと呼称し、下側のサーボ信号をDAと呼称する。
また、各サーボバンドBのトラックのサーボ信号の千鳥配置の上側のサーボ信号をUBと呼称し、下側のサーボ信号をDBと呼称する。
サーボ信号は、例えば同一周波数による磁気記録によって形成され、その記録領域が、図6で示すように、各区間T1〜T4において、それぞれ磁気テープ51の長手方向に沿う直線を挟んで交互にいわゆる千鳥配置によって、記録された状態を示している。そして、これら信号において、サーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sの走査軌跡が重なる領域、すなわち再生磁気ヘッド素子1Sによってサーボ信号の読み出しがなされた領域を、斜線を付して模式的に示し、サーボ信号再生磁気ヘッド素子が信号からずれて信号の読み出しがなされなかった領域を、白抜きをもって模式的に示す。
したがって、この場合、サーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sがサーボ信号領域に跨る幅に比例して、その再生出力は、各図(b)で示す各サーボバンドAおよびBの各区間T1〜T4で得たサーボ信号出力T1A〜T4A、T1B〜T4Bで示す振幅が変化する。
そして、これらの信号によって、トラッキングサーボを行う。図8は、そのトラッキングサーボのアルゴリズムを示すものである。
そして、これらの信号によって、トラッキングサーボを行う。図8は、そのトラッキングサーボのアルゴリズムを示すものである。
この場合、サーボバンドAに対し、磁気ヘッド素子の配列部の上端に位置するサーボ信号再生磁気ヘッド素子1Sによってサーボトラックを再生する(ステップ101A)。
その再生出力において、信号UA(例えばT2A)とDA(例えばT1A)について、UA−DAを演算し、UA−DAが所定量δより大であるか否かを判知する(ステップ102A)。
UA−DA>δである場合は、UA−DB=A’に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を下方に移動させる(ステップ103A)。
その再生出力において、信号UA(例えばT2A)とDA(例えばT1A)について、UA−DAを演算し、UA−DAが所定量δより大であるか否かを判知する(ステップ102A)。
UA−DA>δである場合は、UA−DB=A’に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を下方に移動させる(ステップ103A)。
UA−DA>δでない場合は、次のステップで、UA−DA<−δであるか否かを判知する(ステップ104A)。
UA−DA<−δである場合は、DB−UA=A” に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を上方に移動させる(ステップ105A)。
UA−DA<−δでない場合は、UAの出力を記憶する(ステップ106A)。
UA−DA<−δである場合は、DB−UA=A” に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を上方に移動させる(ステップ105A)。
UA−DA<−δでない場合は、UAの出力を記憶する(ステップ106A)。
一方、サーボバンドBに対し、磁気ヘッド素子の配列部の下端に位置するサーボ信号再生磁気ヘッド1Sによってサーボ信号再生磁気ヘッド1Sによってサーボトラクを再生する(ステップ101B)。
その再生出力において、信号UB(例えばT2B)とDB(例えばT1B)について、UB−DBを演算し、UB−DBが所定量δより大であるか否かを判知する(ステップ102B)。
UB−DB>δである場合は、UB−DB=B’に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を上方に移動させる(ステップ103B)。
その再生出力において、信号UB(例えばT2B)とDB(例えばT1B)について、UB−DBを演算し、UB−DBが所定量δより大であるか否かを判知する(ステップ102B)。
UB−DB>δである場合は、UB−DB=B’に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を上方に移動させる(ステップ103B)。
UB−DB>δでない場合は、次のステップで、UB−DB<−δであるか否かを判知する(ステップ104B)。
UB−DB<−δである場合は、DB−UB=B” に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を下方に移動させる(ステップ105B)。
UB−DB<−δでない場合は、UBの出力を記憶する(ステップ106B)。
UB−DB<−δである場合は、DB−UB=B” に相当する量だけ微動追従機構63の圧電バイモルフ63aおよび63bを制御して磁気ヘッド部10を下方に移動させる(ステップ105B)。
UB−DB<−δでない場合は、UBの出力を記憶する(ステップ106B)。
そして、ステップ106Aおよび106Bで記憶されたUAおよびUBの出力によって、|UA−UB|>εを判知する(ステップ107)。
|UA−UB|>εである場合は、以降のUB出力に補正項UA−DAを加え(ステップ108)、UA=DAとなるように、微動追従機構63、すなわち圧電バイモルフ63aおよび63bを駆動して磁気ヘッド部10を磁気テープの幅方向に変位させてサーボトラックの再生を行う(ステップ109)。
一方、上述したステップ107において|UA−UB|>εでないと判知した場合は、上述したステップ109に移行する。
このようにして、トラッキングサーボがなされる。
|UA−UB|>εである場合は、以降のUB出力に補正項UA−DAを加え(ステップ108)、UA=DAとなるように、微動追従機構63、すなわち圧電バイモルフ63aおよび63bを駆動して磁気ヘッド部10を磁気テープの幅方向に変位させてサーボトラックの再生を行う(ステップ109)。
一方、上述したステップ107において|UA−UB|>εでないと判知した場合は、上述したステップ109に移行する。
このようにして、トラッキングサーボがなされる。
上述したように、本発明によれば、磁気テープに対する記録および再生において、磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲IIにおける所定の荷重を与えるテープテンションを掛けた状態のもとで、磁気テープに対する記録および再生を行うことによってクリープ誤差による記録および再生における磁気テープの形状の変化を回避でき、例えばテープ幅の均一化を図ることができる。
したがって、記録位置と再生位置とが正確に一致することから再生特性の改善が図られるものであり、この再生特性の改善によって記録トラックの線幅、トラックピッチの縮小化が図られて、高密度記録、大記録容量化の例えばリニアテープシステムによる記録再生方法、および装置を構成することができる。
また、磁気テープとしては、上述したPENベースの磁気テープを用いることに寄っての良好な記録再生を行うことができるが、むしろ、廉価なPETベースの磁気テープを用いて目的とするすぐれた記録再生を行うことができる。
したがって、記録位置と再生位置とが正確に一致することから再生特性の改善が図られるものであり、この再生特性の改善によって記録トラックの線幅、トラックピッチの縮小化が図られて、高密度記録、大記録容量化の例えばリニアテープシステムによる記録再生方法、および装置を構成することができる。
また、磁気テープとしては、上述したPENベースの磁気テープを用いることに寄っての良好な記録再生を行うことができるが、むしろ、廉価なPETベースの磁気テープを用いて目的とするすぐれた記録再生を行うことができる。
そして、本発明によれば、単にテープテンションを上述した弾性変形領域に設定するのみであるので、磁気記録装置、およびその駆動を簡潔な構成とすることができるものである。
尚、本発明による磁気記録再生装置の実施の形態例は、上述した例に限られるものではなく、本発明構成において、種々の変更、態様を採ることができることは言うまでもないものである。
1W・・・記録磁気ヘッド素子、1P・・・再生磁気ヘッド素子、1S・・・サーボ信号再生磁気ヘッド素子、10・・・磁気ヘッド部、11・・・第1の磁気ヘッドスタック部、12・・・第2の磁気ヘッドスタック部、13・・・磁気ヘッド素子の配列部、
51・・・磁気テープ、52・・・第1の巻回部、53・・・テープカセット、54・・・テープカセット装着部、55・・・案内手段、56・・・第2の巻回体、60・・・磁気ヘッド装置、61・・・磁気ヘッド構体、62・・・粗動追従機構、63・・・微動追従機構70・・・磁気テープ走行駆動部、80・・・テープテンション制御機構、81・・・回動アーム、82・・・テープガイド、83・・・弾性偏倚力調整機構、90・・・トラッキングおよびテープテンション制御系、91・・・テープテンションおよびトラッキング制御回路、92・・・ドライブ回路、93・・・信号処理回路、DB・・・データバンド、SB・・・サーボバンド
51・・・磁気テープ、52・・・第1の巻回部、53・・・テープカセット、54・・・テープカセット装着部、55・・・案内手段、56・・・第2の巻回体、60・・・磁気ヘッド装置、61・・・磁気ヘッド構体、62・・・粗動追従機構、63・・・微動追従機構70・・・磁気テープ走行駆動部、80・・・テープテンション制御機構、81・・・回動アーム、82・・・テープガイド、83・・・弾性偏倚力調整機構、90・・・トラッキングおよびテープテンション制御系、91・・・テープテンションおよびトラッキング制御回路、92・・・ドライブ回路、93・・・信号処理回路、DB・・・データバンド、SB・・・サーボバンド
Claims (6)
- 磁気テープに対する磁気記録再生方法であって、
磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を与えるテープテンションを掛けた状態のもとで、上記磁気テープに対する記録および再生を行う
ことを特徴とする磁気記録再生方法。 - 上記磁気テープが、該磁気テープに対し、記録トラックが、磁気テープの長手方向に沿って延長し、幅方向に複数本平行に配列形成されるリニア型磁気テープによることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生方法。
- 上記磁気テープが、ポリエチレンテレフタレートベースによる磁気テープであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生方法。
- 磁気テープに対する磁気記録再生装置であって、
上記磁気テープに所定のテープテンションを付与するテープテンション付与手段を有し、
該テープテンション付与手段によって、上記磁気テープに対する記録再生時に、上記磁気テープが持つ荷重−伸び率特性曲線において荷重を増加させていくとき伸び率の増加の屈曲点以上で、降伏点以下の弾性変形領域の範囲における所定の荷重を上記磁気テープに与えるようにしたことを特徴とする磁気記録再生装置。 - 上記磁気テープが、該磁気テープに対し、記録トラックが、磁気テープの長手方向に沿って延長し、幅方向に複数本平行に配列形成されるリニア型磁気テープによることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録再生装置。
- 上記磁気テープが、ポリエチレンテレフタレートベースによる磁気テープであることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録再生装置。
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---|---|---|---|
JP2004095871A JP2005285196A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 磁気記録再生方法および磁気記録再生装置 |
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JP2004095871A JP2005285196A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | 磁気記録再生方法および磁気記録再生装置 |
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---|---|
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ID=35183414
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8982492B2 (en) | 2013-05-03 | 2015-03-17 | International Business Machines Corporation | Adjusting tension in a tape media to counter tape dimensional stability (TDS) errors in a tape media |
JP2019099792A (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-24 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 樹脂フィルム |
JP2019099793A (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-24 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 樹脂フィルム |
US11037592B2 (en) | 2017-12-07 | 2021-06-15 | Toyobo Co., Ltd. | Resin film with controlled youngs modulus |
-
2004
- 2004-03-29 JP JP2004095871A patent/JP2005285196A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8982492B2 (en) | 2013-05-03 | 2015-03-17 | International Business Machines Corporation | Adjusting tension in a tape media to counter tape dimensional stability (TDS) errors in a tape media |
US9153280B2 (en) | 2013-05-03 | 2015-10-06 | GlobalFoundries, Inc. | Adjusting tension in a tape media to counter tape dimensional stability (TDS) errors in a tape media |
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JP7205749B2 (ja) | 2017-12-07 | 2023-01-17 | 東洋紡株式会社 | 樹脂フィルム |
JP7205748B2 (ja) | 2017-12-07 | 2023-01-17 | 東洋紡株式会社 | 樹脂フィルム |
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