JP2005258191A - 電子写真用トナー及び電子写真用トナー製造方法 - Google Patents

電子写真用トナー及び電子写真用トナー製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 トナー粒径が小さくても、色材の含有量が高く、高濃度且つ帯電安定性の高い電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】 転相乳化法等の化学的手法により、カーボンブラック粒子等の色材粒子4の表面をポリエステル樹脂等の第1の樹脂1で完全に被覆し、このように作成した着色剤粒子2をトナー主樹脂である第2の樹脂1と混練し、第2の樹脂1中に分散させ、さらにその混練物を粉砕・分級することで、色材粒子4同士が接することがなく、且つ色材粒子4が第2の樹脂1内や外面に露出することがない小粒径の電子写真用トナーを形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、静電潜像を可視像化する画像形成に用いられる電子写真用トナー及び電子写真用トナー製造方法に関するものである。
静電潜像パターンを可視像化するための乾式トナーとしては、顔料等の色材粒子を溶融混練によってトナー主樹脂中に分散させた後、機械的に粉砕し、分級して粉体を生成する粉砕法が一般的である。
高解像度の静電潜像パターンを忠実に現像する要請のために、トナーの小粒径化が進んでいる。しかし、粉砕法は、溶融混練や粉砕時に要するエネルギーの消費が多大であるため、トナーの小粒径化に伴い、そのエネルギー消費がさらに増大している。そのため、現在では、粉砕法以外の方式として、例えば、懸濁重合方式、乳化重合方式、界面重合方式等、化学的手法によって小粒径トナーを得る方式が提案されている。
しかしながら、上記の化学的手法におけるトナー製造方法では、乾燥後のトナーに残存する溶剤の除去が困難であり、また、トナー製造時に使用する分散剤や安定剤等がトナー粒子表面に残存することによって、トナー粒子周囲の水分と結合しトナーの電気抵抗を低下させていた。
上記課題に対して、特許文献1には、熱可塑性樹脂粒子の表面に電荷制御剤等を固定化させたトナーが提案されている。しかしながら、このようなトナーにおいても、例えばカーボンブラックや金属微粒子等の導電性顔料を用いると、トナーの電気抵抗が低下してしまう。また、特許文献2には、色材となる顔料等を低分子量の樹脂で被覆し、トナー粒子表面に固定化させたトナーが提案されている。しかしながら、現像方式によっては、例えば1成分現像のような機械的ストレスのかかる方式には、この方法を実際に適用することが困難である。
また、特許文献3には、(a) ポリエステル樹脂、(b) ビニル系共重合体、(c) ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有する樹脂成分及びそれらの混合物からなるグループから選択される一種以上の第1樹脂と着色剤とを混合し、熱溶融混練した後、混練後の着色剤が含有している樹脂を粉砕して得られた着色剤を含有する樹脂粉砕物とトナー主樹脂材料とを熱溶融混練して、トナー主樹脂材料に着色剤が分散している混練物を、粉砕工程にて、トナー粒径まで粉砕しトナーを得る方法が提案されている。しかしながら、この方法では、粉砕後の着色剤の粒径が0.7 μm 以下であることから、粉砕後の着色剤を補集するプロセスが複雑になる可能性がある。また、着色剤である顔料と熱溶融混練で使用する樹脂材料との割合は、実施例では10:7であり、着色剤である顔料粒子の方が、樹脂材料より多い。すなわち、樹脂材料は顔料表面を完全に被覆しているものとはいえず、顔料表面に樹脂材料が付着していない可能性がある。このような場合において、トナー主樹脂材料と該着色剤を熱溶融混練すると、着色剤である顔料粒子表面の樹脂が欠落し、もしくは、顔料粒子表面に樹脂材料が付着していないために、顔料粒子の再凝集による分散性低下となる可能性があり、更には、粉砕方式において作製されるトナー表面に顔料粒子が露出し、トナーの帯電特性の劣化を生じることとなる。
また、前述のように、最近ではトナーの小粒径化に伴い、用紙上の画像濃度を向上させるために単位面積当たりの顔料等の色材量が増加しており、結果としてトナーに含有される色材量が増している。トナー粒子1個当たりの色材の含有量が増えることは、トナー粒子内部で色材粒子の凝集体が存在しやすくなることを意味する。また、次のような不都合がある。第1に、これを、粉砕すると、トナー粒子表面に色材が存在する確率が高くなる。第2に、色材として、カーボンブラック等の導電性材料を用いた場合は、トナー粒子表面に存在している導電性微粒子が、トナー粒子が帯電した電荷を粒子外部に放出してしまう可能性が高くなる。第3に、トナー粒子内部に導電性微粒子の凝集体が存在すれば、トナー粒子内部で電荷リークが発生し、トナー粒子の電荷保持能力が低下し、かぶり等の画像劣化を引き起こす要因となる。
このような問題に対しては、凝集防止剤や分散剤を混合し、樹脂と色材を混練する際に、色材である顔料粒子の凝集力より更に強いシェア力を樹脂内部に発生させる方法が提案されている。しかし、トナーの主樹脂である熱可塑性樹脂にも同様に強いシェアが加わることとなり、混練時に機械的なストレスを多大に受けることとなり、結果として用紙とのトナー樹脂との定着性能を低下させる問題がある。
特開昭63ー318570 特開平3ー229270 特開2002ー099113
本発明は、トナー粒径が小さくても、色材の含有量が高く、高濃度且つ帯電安定性の高い電子写真用トナーを提供することを目的とする。
また、本発明は、トナー主樹脂に対して、高分散性を有する着色剤粒子を提供することによって、主樹脂の混練時における機械的ストレスを低減し、樹脂特性を活かした電子写真用トナーを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも着色剤粒子とトナー主樹脂とを混練し、トナー主樹脂中に着色剤粒子を分散させ、生成した混合物を粉砕してなる電子写真用トナーにおいて、前記着色剤粒子は、色材粒子と該色材粒子が前記トナー主樹脂に接触することのないよう該色材粒子の表面を完全に被覆した色材粒子被覆樹脂とからなることを特徴としている。
本発明の着色剤粒子は、色材粒子被覆樹脂により完全カプセル化され、カプセル内の色材粒子は、トナー主樹脂に接触することはなく、また、他のカプセル内の色材粒子と接触することもない。色材粒子の混合割合は、好適には、重量比率で10重量%から50重量%の範囲に設定される。また、色材粒子被覆樹脂はトナー主樹脂と同種の樹脂材料、例えばポリエステル樹脂材料により構成される。
本発明の完全カプセル化構造は、転相乳化法により実現することが可能である。
本発明では、着色剤粒子が完全カプセル化構造であるため、着色剤粒子内の色材粒子の電気特性影響を受けないため、電子写真用トナーの帯電特性が良好なものとなる。また、トナー主樹脂内で着色剤粒子同士が隣接していても、色材粒子同士が接触することがないから、全体として色材粒子の分散性が高い電子写真用トナーを提供することができる。また、転相乳化法等の化学的手法を用いることにより、色材粒子を容易に完全カプセル化することが可能である。特に転相乳化法を用いた場合は、狭小な粒度分布を有する微小な着色剤粒子を得ることができる利点がある。
以下、本発明について具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態である電子写真用トナーは、トナー主樹脂とこのトナー主樹脂中に分散される着色剤粒子とからなり、着色剤粒子は、色材粒子と該色材粒子が前記トナー主樹脂に接触することのないよう該色材粒子の表面を完全に被覆した色材粒子被覆樹脂とからなる。以下の説明では、色材粒子被覆樹脂を第1の樹脂、トナー主樹脂を第2の樹脂と称する。また、説明の都合上、第1の樹脂を第1の樹脂材料、第2の樹脂を第2の樹脂材料とと称することもある。
トナー主樹脂である第2の樹脂の材料としては、ポリエステル系、ポリオレフィン系、スチレン系、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体などが使用できる。特にスチレンメタアクリル共重合体、ポリエステル系樹脂がトナーとしての性能に優れている。
色材粒子の材料としては、有機顔料、無機顔料のいずれも使用可能である。金属からなる顔料でも良い。有機顔料としては、例えば、フタロシニンブルー等のフタロシアニン系顔料、ベンジジンイエロー等の不溶性アゾ系顔料等を使用可能である。しかし、これは一例であって全てではない。また、無機顔料としては、例えば、雲母、黄土等の天然物、黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄等のクロム酸塩、紺青等のフェロシアン化物、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫酸ストロンチウム等の硫酸塩、亜鉛華、チタン白、ベンカラ、鉄黒、酸化クロム等の酸化物、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、カーボンブラック等の炭素、アルミニウム粉等の金属粉などが使用可能である。
色材粒子被覆樹脂である第1の樹脂の材料としては、第2の樹脂(トナー主樹脂)に対して分散性の高い樹脂ならば特に限定はされない。この第1の樹脂の材料は、親和性の点から第2の樹脂(トナー主樹脂)と同種の樹脂材料とするのが好ましい。また、この樹脂は、色材粒子を被覆するため、光学的に特性の優れた樹脂とするのが好ましい。特に、ポリエステル系の樹脂は可視光透過特性に優れている。
色材粒子を色材粒子被覆樹脂によりその表面を完全に被覆させて着色剤粒子を生成するカプセル化工程は化学的手法により実現される。
この化学的手法には、コアセルベーション法、液中乾燥法、界面重合法、転相乳化法などがある。特に、転相乳化法は、狭小な粒度分布を有する微小な着色剤粒子を得ることができる利点がある。
次に、電子写真用トナーの製造方法の実施例について説明する。
(1)着色剤粒子の生成工程
着色剤粒子は転相乳化法により生成する。
本実施例では、水−油エマルション(W/O型)から油−水エマルション(O/W型)へ、または逆にO/W型からW/O型へと相転換する転相を利用した乳化方法を用いて、色材粒子の表面を完全被覆化(完全カプセル化)する。色材粒子としては、カーボンブラック粒子を使用する。
以下、具体的な工程を説明する。
色材粒子を被覆する第1の樹脂材料であるポリエステル樹脂を溶媒に溶解させ、ポリエステル樹脂溶液を作製する。なお、第1の樹脂材料として、第2の樹脂材料(トナー主樹脂)であるポリエステル樹脂とは、分子量の異なるものを使用することができる。また、第1の樹脂材料には、化学的手法によって、着色剤粒子表面に被覆させる必要があるため、ゲル化成分を含まないポリエステル樹脂材料を用いるのが良い。
ポリエステル樹脂溶液を撹拌しながら色材粒子であるカーボンブラック粒子を分散させ、乳化剤水溶液(界面活性剤の水溶液である転相水)を少しずつ加えていく。加えた乳化剤水溶液は最初細かい粒子になってポリエステル樹脂溶液中に分散してW/O型になるが、この操作を継続すると、水量が増すにつれてポリエステル樹脂溶液の粘度が上昇し、ついに急に粘度が低下してO/W型に転相する。この転相により、色材粒子であるカーボンブラック粒子表面にポリエステル樹脂溶液の微小液滴を形成する(色材粒子を内包する状態で)。この場合、転相を促進するためにポリエステル樹脂溶液を加熱してもよい。
第1の樹脂材料を溶解する溶媒は、第1の樹脂材料を溶解し、かつ水に対して不溶性のものであれば特に限定されず、例えばベンゼンが挙げられる。第1の樹脂材料の溶液には、転相乳化時に界面張力を低減させる両親媒性溶媒、すなわち、油溶性と水溶性の両特性を合わせもつ溶媒を混合するのが好ましい。両親媒性溶媒の混合により、転相時に第1の樹脂の微粒子が生成し易くなる。このような溶媒としては、例えばIPA(イソプロピルアルコール)が挙げられ、その混合量は、主となる溶媒の5 〜50重量%程度である。また、該両親媒性溶媒は、相転移後のO/W状態で、撹拌容器内の転相水に分散している。
転相後の水性媒体中に分散している、色材粒子を含んだ微小液滴は、撹拌容器を加熱、アスピレーターで減圧することによって、その微小液滴中の溶媒が蒸発する。微小液滴中の溶媒を蒸発させることによって、色材粒子表面に第1の樹脂が析出し、着色剤粒子として形成される。この時、界面活性剤を含む水性媒体では、界面活性剤が分散剤として機能している。このため着色剤粒子は、水性媒体中に安定に分散している。
上記の工程で得られた水性媒体中の(色材粒子を内包した)着色剤粒子を抽出するため、遠心分離器を用いて、固形成分である着色剤粒子と水性媒体溶液を分離する。これにより、該着色剤粒子を固形物として抽出される。なお、微粒子抽出の他の方法として、凍結乾燥法やスプレードライヤー(柴田科学社製:ミニスプレードライヤーBー191型)を用いた乾燥工程を用いることも可能である。
図1に、転相乳化法を用いた微粒子生成工程からトナー製造工程までの実施例をフローチャートで示す。転相乳化法を用いた微粒子生成工程はステップ1〜4で行われる。
《樹脂溶液作製=ステップ1》
・第1の樹脂材料:ポリエステル樹脂
・主溶媒 :ベンゼン
・両親媒性溶媒 :イソプロピルアルコール(IPA)
・色材粒子 :カーボンブラック(三菱化学社製 MA77)
(工程)ポリエステル樹脂材料(200g)を、溶媒であるベンゼン(1000Ml(リットル))を用いて溶解し、両親媒性溶媒であるイソプロピルアルコール(300Ml(リットル))を混合して被覆用樹脂溶液を作製した。色材粒子としてカーボンブラック粒子(100g)を該被覆用樹脂溶液中に投入し、超音波加振器で約15分程度、該被覆用樹脂溶液を加振し、色材粒子であるカーボンブラック粒子を該被覆用樹脂溶液中に均一に分散させた。
《転相水作製=ステップ2》
・水性媒体 :蒸留水
・界面活性剤 :ノニオン型界面活性剤
(エマルゲン106(花王株式会社製))
(工程)蒸留水(3000Ml(リットル))に界面活性剤を重量比率0.1〜0.5重量%で調整し、水性媒体溶液(3000Ml(リットル))を作製する。
《転相プロセス=ステップ3》
(工程)反応容器(容量5l(リットル))に樹脂溶液を投入し、該反応容器に付随している撹拌羽根で常時回転速度500rpmで撹拌しながら、転相水を27Ml(リットル)/分の液量で添加する。
トルクの変化が生じた時点が転相ポイントであるため、転相確認後、反応容器を外部から加熱(80℃程度)して、樹脂溶液中の溶媒を蒸発させる。
《微粒子分離=ステップ4》
(工程)前記工程において、溶媒を十分蒸発させた後、水性媒体中に分散している樹脂で粒子表面を被覆された色材粒子からなる着色剤粒子を、遠心分離器を用いて水溶液と分離した。
(2)トナー化工程
トナー化工程では、上記(1)の工程で得られた着色剤粒子と第2の樹脂を混練し、第2の樹脂中に着色剤粒子を分散させ、さられ、その混合物を粉砕させて、トナー粒子を形成する。
図1を用いて具体的に説明する。図1のステップ5は、トナー化工程である。
《材料混合・熱溶融混練》
第2の樹脂材料であるポリエステル樹脂は、機械的強度及び定着強度を満足するために、ゲル化成分を含有させたポリエステル樹脂材料を用いている。着色剤粒子と第2の樹脂を混練するとき、着色剤粒子と第2の樹脂が均一に混合するようにする必要がある。該着色剤と第1の樹脂材料を混合させるのに、ジュリアミキサー(株式会社徳寿工作所製)を用いて、2種の材料を分散混合させた後、熱溶融混練機に2軸オープンローラタイプの混練機(三井鉱山社製:ニーデックスMOS140−800)を用いた。具体的には、該着色剤と第2の樹脂材料を分散混合したものを、ホッパに蓄積し、定量を順次、該混練装置に供給しながら、樹脂混練を行う。本装置には、供給用フィーダが設置されており、帯電制御剤としてサリチル酸誘導体の金属錯塩を0.1重量%となるように供給フィーダを設定した。
《粉砕・分級》
前記工程によって得られた樹脂混練物を冷却した後、ジェット気流式粉砕装置(日本ニューマッチク社製:超音速ジェットミルCPXー12)で微粉砕し、分級装置(日本ニューマッチク社製:分級機 MP250)を用いて、平均粒子径が6.5μmになるように分級を行った。ジェット気流式粉砕装置で所望の粒子径まで粉砕された樹脂混練物は、旋回風で遠心力を受けながら分級される。
《外添処理》
粉砕・分級工程後の粉砕された樹脂混練物に対して、流動性を確保するために、平均粒子径が0. 1μm以下のシリカ微粒子を粉砕後の樹脂混練物量の約1重量%程度の量を外添した。
上記(1)着色剤粒子の生成工程により作成された着色剤粒子の粒度分布を図2に示す。同図に示すように、平均粒径0.1 μm で粒度分布の狭い着色剤粒子を得ることができた。この着色剤粒子を使用して上記(2)トナー化工程で電子写真用トナーを作製したところ、発色性がよく、高濃度の画像を得ることができた。
図3は、透過型電子顕微鏡で観察されたトナー断面の模式図を示している。
電子写真用トナーは、第2の樹脂1内に着色剤粒子2が分散し、この着色剤粒子2は、第1の樹脂3で色材粒子4が完全被覆(完全カプセル状態)されていることがわかる。図示するように、いかなる位置にある着色剤粒子2においても、例えばトナー表面の着色剤粒子2においても、色材粒子4は第1の樹脂3で完全に被覆されている。発明者等は、どの色材粒子4も外部と接することがなく、また、どの色材粒子4も第2の樹脂1に直接に接することがないことを確認した。
本実施例で得られた電子写真用トナーと、表面が被覆されていない着色剤粒子(従来の着色剤粒子)を用いた電子写真用トナーを、各々、厚さ1.0mmのペレット状に押し固め、これに対し、デジタル超高抵抗計(アドバンテスト社製:8340)を用いて厚み方向の抵抗値を測定した。測定結果を図4に示す。この結果より、従来の電子写真用トナーでは、電子写真用トナーに含有される着色剤粒子の量が増加するほど体積抵抗値が低下するのに対し、本実施例での電子写真用トナーは、着色剤粒子の量が増加しても(着色剤粒子が20wt%程度に増加でも)トナー体積抵抗値が十分に確保されていることが確認された。
また、図5に示すように、従来の電子写真用トナーで現像した場合は、感光体上の潜像パターンを現像する際に、潜像パターン以外にトナーが付着するかぶり現象が発生しているが、本実施例での電子写真用トナーで現像すると、潜像パターン以外にトナーが付着するかぶり現象が殆どなく、安定した画質が得られている。
本実施例で作成された電子写真用トナーを、シャープ製のデジタル複写機AR−S160のキャリア粒子を用いて、十分に撹拌した後、ブローオフ法でトナーの比電荷量を測定した。図6に測定結果を示す。
図6中の横軸は、着色剤粒子中のカーボンブラックの含有率を重量%で表したものであり、縦軸は該着色剤粒子を用いて作製した電子写真用トナーの比電荷量である。カーボンブラックの含有率が高くなると、トナー比電荷量が低下する傾向を示している。各々のカーボンブラック含有率でのトナーを使用し、シャープ社製デジタル複写機ARーS160で、テスト画像を出力し、出力画像のトナーのカブリ状態を観測した。その結果、着色剤粒子に含まれるカーボンブラックの含有率が、50重量%より多い場合にカブリ量が増加しており、出力画像の画質劣化が著しかった。50重量%以下では、カブリの発生がなく、高品位な出力画像となった。
同時に、紙面上のトナー付着量が0.5mg/cm2になるように、現像バイアスを調整し、黒ベタ現像を実施したところ、着色剤中のカーボンブラックの含有率が5重量%では、光学濃度(マクベス濃度計での値)が1.1程度であり、所望する光学濃度である1.4に達しておらず、カーボンブラックの含有率が10重量%以上では、所望光学濃度1.4を満足する結果を得た。
以上の実験結果より、色材粒子であるカーボンブラックの重量比率が、10重量%以上且つ50重量%以下で形成されている着色剤粒子を用いることによって、カブリがなく、黒ベタ画像濃度も満足する電子写真用トナーを提供することが可能となった。
以上のように、本実施例で得られたトナーは、トナー粒子内部の色材粒子が第1の樹脂材料で完全に被覆化されて完全カプセル化されており、着色剤粒子が隣接する場合においても、該着色剤粒子に内包されている色材粒子は、お互いに接することがない。このため、粒子間の連鎖が生じることがなく、凝集がなくて分散性が高くなる。また、粉砕時に樹脂混練物の破断面に存在する着色剤粒子は、顔料粒子を内包しているため、トナー外部に露出することがなく、結果として、顔料粒子を伝わって流れる電荷を無くすことができ、電気的に安定な電子写真用トナーとなる。
本発明に係る電子写真用トナーの製造方法の実施形態を示すフローチャート 着色剤粒子の粒度分布を示す図 透過型電子顕微鏡で観察されたトナー断面の模式図 着色剤粒子含有率と体積抵抗値の測定結果を示す図 実施形態によるトナーの印字例と従来のトナーによる印字例を示す図 色材粒子含有率と比電荷量の測定結果を示す図

Claims (5)

  1. 少なくとも着色剤粒子とトナー主樹脂とを混練し、トナー主樹脂中に着色剤粒子を分散させ、生成した混練物を粉砕してなる電子写真用トナーであって、前記着色剤粒子は、色材粒子と該色材粒子が前記トナー主樹脂に接触することのないよう該色材粒子の表面を完全に被覆した色材粒子被覆樹脂とからなることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記着色剤粒子中に含有されている色材粒子の混合割合は、重量比率で10重量%から50重量%の範囲に含まれる請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 前記色材粒子被覆樹脂は前記トナー主樹脂と同種の樹脂材料から構成される請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. 化学的手法により、色材粒子を色材粒子被覆樹脂によりその表面を完全に被覆させて着色剤粒子を生成するカプセル化工程と、前記カプセル化工程でカプセル化された着色剤粒子とトナー主樹脂とを混練してトナー主樹脂中に着色剤粒子を分散させ混練物を生成する混練工程と、前記混練工程で得られた混練物を粉砕する粉砕工程と、前記粉砕工程で得られた粉砕物を分級する分級工程とを有する電子写真用トナー製造方法。
  5. 前記化学的手法は転相乳化法である請求項4記載の電子写真用トナー製造方法。
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