JP2005257422A - 複合材の厚さ測定装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複合材の厚さ異常を同時に、同一箇所で、連続測定することができる複合材の厚さ測定装置及びその方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 複合材7の移動方向に並置された、異なるエネルギースペクトルを有する放射線源を備えた厚さ測定装置1、2と、前記厚さ測定装置1、2の出力信号が、同一のタイミングで出力されるように,前記いずれかの出力信号を遅延するトラッキング処理回路3と、前記厚さ測定装置1の出力信号と厚さ測定装置2の出力信号との差及び前記厚さ測定装置1の出力信号または厚さ測定装置2の出力信号と前記合わせ材の厚さ出力信号との差を演算により求め、求めた母材、合わせ材の出力信号が、予め設定される判定値以上になったことを判定する演算部4とを備え、前記複合材を構成する母材及び合わせ材の厚さ異常を同時に連続して判定するようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、異種の金属を1枚の板に圧延接合した複合材の厚さを、放射線の透過を用いて測定する複合材の厚さ測定装置及びその方法に係り、特に、その複合材を構成する母材及び合わせ材の厚さを同時に判定する複合材の厚さ測定装置及びその方法に関する。
従来、鉄やアルミなど単一の金属からなる板の厚さ測定は、X線を使用するX線厚さ計や、γ線を使用するγ線厚さ計が使用されている。
これらの厚さ測定方式は、被測定材を透過する放射線の透過量の変化から被測定材の厚さtを求めるものである。この厚さ測定は、次式で表すことができる。
t=1/μ・ln(Io/It)
但し、μは、被測定材の照射された放射線における線吸収率、Ioは、被測定材がないときの放射線の検出量、Itは、被測定材が存在した時の透過放射線の検出量である。
また、被測定材の線吸収率μは、質量吸収係数と密度との積で表されるもので、予め被測定材の公称的な材質の構成成分を分析により求めておき、透過放射線の検出量を測定して被測定材の厚さtを(1)式から求めている。
この材質の構成成分が微妙に測定に影響する場合には、個々の被測定材の材質を分析し、この分析結果で補正して測定精度を向上する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、鉄を母材とする表面に薄い亜鉛やアルミの異種金属をコートする鍍金鋼板においては、母材の厚さと鍍金の厚さの夫々を、放射線厚さ計、X線膜厚計で測定している。
このX線膜厚計には、蛍光X線を照射し、鍍金層で励起された蛍光X線を使用する励起法(例えば、特許文献2参照。)と、母材で励帰された蛍光X線が鍍金層で吸収される量を測定する吸収法とがあるが、それらの測定範囲は、X線の検出可能なエネルギーの制約から大よそ数十μm以下である。
一方、異種材質の金属を1枚の鋼板に圧延して、個々の金属材質の材料特性を生かした複数の層から構成される圧延型の複合材(クラッド鋼板とも言うが、ここでは以後複合材と言う)の生産が、機能材料として多種生産されるようになっている。
例えば、鉄を母材とする両面ステンレス鋼板を張り合わせ、耐食性、耐磨耗性などの機能を強化した鉄複合材、ステンレス鋼板にニッケル、チタン等を合わせ材とした非鉄複合材など種々の異種材質を合わせたものがある。
一般に、これらの複合材の厚さ測定は、同時に夫々の厚さを測定する方法がないので、夫々の鋼板の厚さを個々の製造工程で管理している。
特公平5−15206号公報(第1ページ、図1) 特公平2−11843号公報(第1ページ、図1)
複合材の厚さ品質の管理は、複合化製造工程での母材及び合わせ材の厚さ測定を、同時に、同じ位置で行う良い方法がなかったので、複合材を構成する母材、合わせ材の製造工程単位で厚さ品質管理を行っていた。
しかしながら、母材を購入し、合わせ材を接合する複合化工程を主体とする製造工程においては、この複合化工程において、同時に夫々の厚さを測定する事ができないので、厚さ異常の発見管理や発見は前後の工程に依存せざるを得ない制約がある。
また、接合された状態で夫々の厚さ測定が出来ないので、複合材の厚さ異常があった場合、母材と合わせ材のどちらに原因があったのか判定できない。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、接合圧延工程で複合化される圧延型複合材の場合において、母材と合わせ材の厚さ品質の異常を接合された状態において、同時に、同一箇所で、連続測定することができる複合材の厚さ測定装置及びその方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1による複合材の厚さ測定装置は、母材と合わせ材が異種材質の材料で構成される複合材の移動方向に並置された、異なるエネルギースペクトルを有する放射線源を備えた第1及び第2の厚さ測定装置と、前記第1及び第2の厚さ測定装置の出力信号が、前記複合材の移動方向に置いて同一のタイミングで出力されるように,前記いずれかの出力信号を遅延するトラッキング処理手段と、前記第1の厚さ測定装置の出力信号と前記第2の厚さ測定装置の出力信号との差を前記合わせ材の厚さ出力信号とし、前記第1の厚さ測定装置の出力信号または前記第2の厚さ測定装置の出力信号と前記合わせ材の厚さ出力信号との差を前記母材の厚さ出力信号として求める演算手段と、前記演算手段の夫々の出力信号が、予め設定される判定値以上になったことを判定する前記母材及び前記合わせ材の厚さ異常を判定する判定手段とを備え、前記複合材を構成する母材及び合わせ材の厚さ異常を同時に連続して判定するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る請求項6の複合材の厚さ測定の方法によれば、母材と合わせ材が異種材質の材料で構成される複合材の厚さ測定の方法であって、異なるエネルギースペクトルを有する放射線源を備えた第1及び第2の厚さ測定装置の出力を、前記複合材の母材の基準材で校正し、母材校正テーブルを作成する第1のステップと、前記第1のステップで校正された前記第1の厚さ測定装置の出力と第2の厚さ測定装置の出力との差を求め、この差を前記複合材または合わせ材の基準材で校正した前記合わせ材校正テーブルを作成する第2のステップと、前記母材校正テーブル及び前記複合材校正テーブルから、前記複合材を校正する母材、合わせ材の厚さ異常を判定する、母材、合わせ材判定テーブルを作成する第3のステップとからなり、前記第1の厚さ測定装置と前記第2の厚さ測定装置の出力信号との差を演算して、前記合わせ材の厚さ出力信号として求め、前記第1の厚さ測定装置または前記第2の厚さ測定装置の出力信号と前記合わせ材の厚さ出力信号との差を前記母材の厚さ出力信号として求め、前記合わせ材の厚さ出力信号および前記母材の厚さ出力信号が、予め設定された判定値以上となった時、前記複合材を構成する前記母材及び前記合わせ材の厚さ異常を同時に、連続して判定するようにしたことを特徴とする複合材の厚さ測定の方法。
以上述べた様に、本発明によれば、異なるエネルギースペクトルを有する放射線線源を備えた第1及び第2の厚さ測定装置を並置して、先ず、夫々の信号の位置を合わせた後、母材で厚さ校正した複合材の厚さ出力信号を求め、次に、夫々の厚さ測定装置の出力信号の差を合わせ材の基準材で校正して、合わせ材の厚さ出力信号を求め、さらに、第1または第2のいずれかの厚さ測定装置の厚さ出力信号と合わせ材の厚さ出力信号との差から母材の厚さ出力信号を求めるようにしたので、複合材の母材及び合わせ材の厚さ測定を同時に同じ箇所で連続して求めることができる複合材の厚さ測定装置を提供できる。
また、異なるエネルギースペクトルを有する放射線源を備えた第1及び第2の厚さ測定装置を母材の基準材で校正し、次に母材の基準材で校正された第1の厚さ測定装置の出力信号と第2の厚さ測定装置の出力信号との差を合わせ材の基準材で校正し、合わせ材の厚さを求めた後、母材の厚さを求め、さらに、求めた合わせ材及び母材の厚さ出力信号を予め設定される母材、合わせ材判定テーブルの判定値で判定して夫々の厚さの異常を判定するようにしたので、複合材の母材及び合わせ材の厚さ測定を同時に同じ箇所で連続して求めることができる複合材の厚さ測定の方法を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施例1を、図1乃至図8を参照して母材とその合わせ材からなる圧延型複合材の厚さ測定装置について説明する。図1は、圧延ロール8間で所定の張力で牽引されて走行する、複合材7の厚さを測定する複合材の厚さ測定装置の構成図である。
本複合材の厚さ測定装置は、複合材7の走行方向に距離Lを置いて並置された厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2、厚さ測定装置1の出力信号を厚さ測定装置2の測定位置まで速度検出器6の単位信号で同期をとって遅延するトラッキング回路3、トラッキング回路3を介して測定位置を合わされた厚さ測定装置1の出力信号と厚さ測定装置2の出力信号との差から合わせ材及び母材の厚さを演算により求め、母材、合わせ材の厚さ異常を判定する演算部4とから構成される。
次に、各部の詳細構成を説明する前に、図2を参照して被測定対象である複合材7の構成例を説明する。複合材7には、母材同図(a1)、母材の片面に合わせ材を接合圧延した2層複合材同図(b1)、母材の両面または合わせ材の両面を接合圧延した2層複合材同図(c1)、及び、母材に複数の合わせ材を接合圧延した多層複合材同図(d1)などがある。
そして、厚さtmの母材と厚さtcの合わせ材が接合された複合材の板厚さ(tm+tc)は、同図(a2)、(b2)、(c2)、及び(d2)に示すように、母材及び合わせ材の厚さの変動が合成されたものとなる。
複合材7の材質には、母材を鉄とし、合わせ材をSUS、アルミ及び銅同などの特殊鋼で構成したものがある。
また、これらの複合材7の形状は、母材及び合わせ材の厚さが、0.1mm乃至2.0mm、板幅が500mm乃至1500mmの範囲で接合圧延されたものが多く、この複合材7の圧延速度は、200m/min以下の場合が多い。
次に、各部の詳細構成について説明する。厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2は、夫々、放射線を放射する線源1a、2aと、複合材7を透過した放射線を検出する検出器1b、2bとから構成される。
放射線の線源1a、2aには、図3に示すように連続エネルギースペクトルの制動X線(以後、ここではX線と称す。)、線エネルギースペクトルのγ線等があるが、この線源は、照射される線源1a、2aのエネルギースペクトルに対する母材及び合わせ材の材質の線吸収率から変化を検出しやすい線源1a、2aを選択する。
そして、母材と合わせ材を透過した放射線線量が、測定範囲の厚さにおいて検出器1b、2bで検出可能な出力信号が得られるように、夫々の照射線量と最適な検出器1b、2bを選択する。
このとき、母材で厚さ校正した後の厚さ測定装置1の出力信号と厚さ測定装置2の出力信号との差の出力信号が、合わせ材の校正出力信号として演算できるにように、厚さ測定装置1と厚さ測定装置2とは、異なるエネルギースペクトルで、且つ、検出器1b、2bで検出可能な出力信号が確保できる線量の線源を選択設定しておく。
線源1a、2aをX線とする場合のエネルギースペクトルは、図示しないX線管に印加する管電圧を調整することによって、また、その線量は、X線管の管電流を制御したり、X線の照射または透過経路に金属フィルタを設けたりして調整する。
線源1a、2aのエネルギースペクトルは、複合材7が上述したような金属材料の材質と厚さの範囲であれば、10keV乃至100keVの範囲でエネルギースペクトルが調整できるものであれば良い。
γ線の場合は、エネルギースペクトルは、核種を選択し、その線量は核物質の量及び金属フィルタを選択して調整するが、γ線の核種の選択は、10keV乃至10MeVの管理された市販の線源から選択する。
また、検出器2a、2bは、選択された線源1a,2aに適合する検出器、例えば、電離箱やシンチレーション検出器を選択して使用する。
次に、トラッキング回路3の設定について説明する。厚さ測定装置1の測定点から複合材7の走行する下流方向Lmmの間隔を置いて配置された厚さ測定装置2まで、厚さ測定装置1の出力信号を速度検出器6からの単位同期信号で遅延する。
この速度検出器6で発生する単位同期信号は、測定位置を合わせる分解能を決めるものであるが、複合材7上に照射されるX線やγ線のビーム径が数ミリ乃至十数ミリなので、数ミリ以下の分解能Δlがあれば良い。そして、このトラッキング回路3では、厚さ測定装置1の出力信号をシフトレジスタによって、L/Δlビット分遅延し厚さ測定装置2の測定位置まで遅延した信号とする。
次に、遅延された厚さ測定装置1の出力信号と厚さ測定装置2の出力信号から、合わせ材及び母材の厚さ演算を行い、母材、合わせ材の厚さ異常を判定する演算部4の構成と設定について説明する。
演算部4の構成は、厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2の出力信及び速度検器6からの複合材7の単位同期信号を入力する入力回路4a、入力された信号から厚さを演算により求めるCPU4c、この厚さ演算を行うためのプログラム、データ及び校正データを記憶するメモリ4d及び演算結果を出力する出力回路4bで構成される。
メモリ4dには、図示しない母材、合わせ材の厚さ演算及び厚さ異常判定プログラムと、厚さ測定装置1の母材校正テーブル4d1、厚さ測定装置2の母材校正テーブル4d2、合わせ材校正テーブル4d3及び母材、合わせ材判定テーブル4d4とを、詳細を後述する手順で予め設定しておく。
このように構成された複合材の厚さ測定装置1及び2の母材校正テーブル4d1、4d2、合わせ材校正テーブル4d3及び母材、合わせ材判定テーブル4d4を作成し、メモリ4dに設定する設定工程について、図4乃至図6を参照して説明する。
先ず、母材の厚さ基準材を使用して厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2の母材校正テーブルを作成し、更に、母材厚さに対する夫々の出力が一致するように厚さ測定装置1または厚さ測定装置2のいずれかの測定値を補正した、母材校正テーブル4d1または4d2を備えておく(ステップ1)。
次に、母材の上に、厚さが予め測定された合わせ材の厚さ基準材を重ね合わせて使用して、ステップ1で求めた母材校正テーブルから厚さ測定装置1の出力信号と厚さ測定装置2の出力信号との差を求め、この差を合わせ材の厚さ基準合材で校正した合わせ材校正テーブルを作成する(ステップ2)。
次に、ステップ1及びステップ2でも求めた母材校正テーブル4d1、4d2、合わせ材校正テーブル4d3から、母材及び合わせ材の厚さ異常を判定する判定値を予め演算して求め、母材、合わせ材判定テーブル4d4を作成する(ステップ3)。
そして、作成されたこれらの母材校正テーブル4d1、4d2、合わせ材校正テーブル4d3、及び母材、合わせ材判定テーブル4d4を演算部4のメモリ4dに格納しておく。
次に、これらの詳細設定について説明する。母材及び合わせ材の厚さ校正の基準材は、照射放射線のビームサイズ以上の寸法で、母材及び合わせ材から切り出したカットサンプルとし、測定範囲内の測定点で近似補正が可能な程度の細かさで測定できる厚さ範囲のサンプルを予め所定の精度で測定して用意しておく。
例えば、サイズは50mm×50mmで、測定範囲が1mmであれば、100μmピッチで1000μmまで厚さ基準材を10枚用意しておく。
同様に、合わせ材の厚さ基準材を、測定範囲内で、所定の測定点が確保できるように10枚程度用意しておく。
そして、これらの基準材を厚さ測定装置1及び2の測定位置に各厚さの基準材を順次セットしてこの時の厚さ測定装置1及び2の出力信号を読み取り、母材校正テーブル図5(a)、合わせ材校正テーブル図5(b)を作成し、これらの校正テーブルの値から母材、合わせ材判定テーブル図5(c)を作成する。
図5(a)は母材の厚さを100μmピッチで置いたときの、厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2の検出器1b、2bの出力信号をテーブルにしたもので、同じ厚さの基準材からの出力が一致するように、上述したようにいずれかの出力が予め補正されて格納される。
図5(b)は、同じく合わせ材の厚さを母材の基準材500μmの上に100μmピッチで置き、厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2の母材校正テーブル4d1、4d2で求めた夫々の厚さ演算出力信号の差を求め、合わせ材校正テーブル4d3としたものである。
母材の基準材厚さは、厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2の測定時の動作点を与えるためのもので、測定範囲の中間当りの厚さであれば良い。
また、図5(c)は、母材校正テーブル4d1、4d2、合わせ材校正テーブル4d3を使用して求めた母材及び合わせ材の演算出力から、例えば、夫々の厚さ校正出力のα%を異常値として設定するための母材、合わせ材判定テーブル4d4の例を示す。
次に、このような設定工程で演算される演算部4の動作を、図6のグラフを使用して説明する。図6(a)、(b)、(c)は夫々片対数グラフで、縦軸を対数軸とし、演算部4での母材、複合材(合わせ材)を設定したときの厚さ演算出力を、横軸を均等軸とし、母材、複合材(合わせ材)の基準厚さとして表示したものである。
母材の基準材の厚さをtmiとしたときの厚さ測定装置1の出力I1tmi及び厚さ測定装置2の出力I2tmiとの関係は、次式で示される。
tmi=1/μm1・ln(I1om/I1tmi)
tmi=1/μm2・ln(I2om/I2tmi)
μm1、μm2は、線源1a、2aにおいて測定した母材の線吸収率、I1om、I2omは、母材が存在しないときの検出器1b、2bの出力を示す。同じ厚さtmiの基準材であっても、エネルギースペクロルの異なる線源1a、2aから放射線を照射するので、その線吸収率μm1、μm2が異なるので、検出器1b、2bからの出力信号の大きさが異なる。
そこで、母材の厚さ変化に対しては差が生じないように、母材が存在しないときのゼロ点及び厚さtmiの基準材に対する出力値を補正して一致させる。
即ち、母材校正テーブル4d1、4d2で厚さ演算された厚さ測定装置1の出力と厚さ測定装置2の出力との差は、母材の厚さが変化しても常にその出力はゼロとなるように予め補正しておく。
しかし、この母材厚さtmiに、合わせ材tciが接合された複合材7を置くと、母材校正テーブル4d1、4d2で厚さ演算された後の厚さ測定装置1の出力信号成分と厚さ測定装置2の出力信号成分とは同一にならず、即ち、エネルギースペクトルの異なる放射線が照射されているのでその線吸収率μc1、μc2が異なるため、出力信号に差が出る。図6(b)はその状態を示したものである。
そこで、予め厚さが測定された合わせ材の基準材を置いて、この差を合わせ材の出力信号として求め、合わせ材の校正テーブル4d3を作成する。この合わせ材の校正テーブル4d3から、合わせ材の厚さ異常を判定する判定テーブルを作成する。
図6(c)はこの判定テーブルの例をグラフで示したもので、この例では、判定値Ertcを合わせ材の校正値出力Edの±α%とした場合を示している。
そして、このように校正された複合材の厚さ測定装置に母材及び合わせ材の厚さが未知の複合材7が挿入されたとき、厚さ測定装置1と厚さ測定装置2との出力信号の差から合わせ材の厚さ求め、更に、厚さ測定装置1または、厚さ測定装置のいずれかの出力と、求めた合わせ材の出力との差から母材の厚さを求め、合わせ材同様に予め設定された母材の厚さについての判定値Irtmと比較して異常を判定する。
次に、この様に構成された複合材の厚さ測定装置の動作について図1、図7及び図8を参照して説明する。図7は、厚さ測定装置1及び2の直下を接合圧延され複合材7の厚さ方向の断面図で、合わせ材及び母材の正常厚さ部Pt2の前後に、合わせ材の異常厚さ部Pt1、母材の異常厚さ部Pt3が発生している状態を示す。
次に、複合材7が厚さ測定装置1及び2の直下を通ると、図示しない板有り検出器で複合材が7検知し、厚さ測定装置1及び厚さ測定装置2は厚さ測定を開始する(s11)。複合材7の移動方向の上流側に有る厚さ測定装置1の出力信号は、トラッキング回路3で速度検出器6からの単位同期信号で遅延され、厚さ測定装置2の出力信号の出力タイミング位置まで遅延される。
そして、演算部4の入力回路4aを介して厚さ演算を行うCPU4cに入力される。先ず、ここで合わせ材の厚さ演算処理が実行される(s12)。
この演算は、母材校正テーブル4d1、4d2を使用して入力された厚さ測定装置1及び2の出力から厚さ演算を実行し、更に、夫々の厚さ出力I1、I2の差を求め、合わせ材校正テーブル4d3を使用して、この差から合わせ材の厚さ出力Edを演算して求める。
次に、母材の厚さImtiは、厚さ測定装置1及び厚さ測定装置の母材校正テーブル4d1、4d2で求めた厚さ演算出力I1tiまたはI2tiから、合わせ材の出力Edtiを減算して求める母材厚さ演算処理が実行される(s13)。
このような処理が、複合材7が単位長さ移動する(s14)毎に連続して演算される。そして、演算により求めた母材厚さ、合わせ材厚さの異常の有無が母材、合わせ材の判定テーブル4d4を参照して、夫々の判定値Irtm,Ertcと比較して出力される判定出力処理が実行される(s15)。
このような処理手順で、図7(a)に示す複合材7の測定点Pt1乃至Pt3を測定した場合の夫々の演算出力の結果を同図(b)に示す。
測定点Pt1では、合わせ材の厚さ信号Edt1が、合わせ材の厚さ異常判定値Ertcよりも大きな値を示すため、合わせ材の厚さ異常として判定される。また、測定点Pt3においては、母材の厚さ出力Imt3が、母材の厚さ異常判定値Irtmよりも小さな値を示すため、母材の厚さ異常として判定される。
合わせ材の厚さ異常判定値Ertc及び母材の厚さ異常判定値Irtmは、上述したような基準厚さに対して所定の比率分、または、基準厚さに対して所定の固定値を判定値として設定する。
夫々の厚さを基準厚さに対する厚さ偏差値で求める場合は、同様に厚さ偏差値に対して判定値を設定しても良い。
以上述べた様に、本実施例1によれば、エネルギースペクトルの異なる厚さ測定装置1、2からの検出信号を、母材校正テーブル4d1、4d2を使用して厚さ演算し、その演算出力の差から合わせ材の校正テーブル4d3を使用して合わせ材の厚さを演算して求め、更に、母材校正テーブル4d1、4d2を使用して求めたいずれかの厚さ演算出力と演算により求めた合わせ材の厚さ出力との差から母材の厚さを求めるようにしたので、複合材7の母材と合わせ材の厚さ測定及び夫々の厚さ異常を同時に、同一の場所で、連続して測定して判定することができる。
図9は、実施例2に係る複合材の厚さ差測定装置の構成図である。実施例2の各部について、実施例1と同一の部分は同じ番号を付し、その説明を省略する。
実施例2が、実施例1と異なる点は、厚さ測定装置1及び2の夫々に、母材校正テーブルを有する厚さ演算部11、21を備えるように構成した点が異なる。
このように構成すると、厚さ測定装置1及び2を、従来の放射線を使用した厚さ測定装置を選択して使用することが可能で、トラッキング回路3及び演算部4による厚さ演算処理機能を付加することで複合材7の厚さ測定装置をシンプルに構成することができる。
本発明は、上述したような各実施例に何ら限定されるものではなく、異なるエネルギースペクトルを選択使用することによって、複合材の材質、種類及び複合材が多層で構成される場合、複合材が金属のみで構成される場合だけでなく、複合材が金属と非金属で構成される場合や複数の非金属のみで構成れる場合においても、複合材を構成する特定の材質のみの厚さの異常や、複合材を構成する各層の厚さの変動を検出することが可能である。
本発明による複合材厚さ測定装置の実施例1の構成図。 複合材の母材、合わせ材の構成例を説明するの断面図。 異なる放射線線源からのエネルギースペクトルの例の説明図。 厚さ測定装置の校正設定、工程を説明するフロー図。 母材及び合わせ材校正テーブル、母材、合わせ材判定テーブルの例を説明する図。 複合材の厚さ測定装置の動作原理を説明するグラフ。 複合材の厚さ測定装置の動作例を説明する図。 複合材の厚さ測定装置の動作例を説明するフロー図。 本発明による複合材厚さ測定装置の実施例2の構成図。
符号の説明
1、2 厚さ測定装置
1a,2a 線源
1b、2b 検出器
3 トラッキング回路
4 演算部
4a 入力回路
4b 出力回路
4c CPU
4d メモリ
4d1、4d2 母材校正テーブル
4d3 合わせ材校正オテーブル
4d4 母材、合わせ材判定テーブル
6 速度検出器
7 複合材
8 圧延ロール

Claims (6)

  1. 母材と合わせ材が異種材質の材料で構成される複合材の移動方向に並置された、異なるエネルギースペクトルを有する放射線源を備えた第1及び第2の厚さ測定装置と、
    前記第1及び第2の厚さ測定装置の出力信号が、前記複合材の移動方向に置いて同一のタイミングで出力されるように,前記いずれかの出力信号を遅延するトラッキング処理手段と、
    前記第1の厚さ測定装置の出力信号と前記第2の厚さ測定装置の出力信号との差を前記合わせ材の厚さ出力信号とし、前記第1の厚さ測定装置の出力信号または前記第2の厚さ測定装置の出力信号と前記合わせ材の厚さ出力信号との差を前記母材の厚さ出力信号として求める演算手段と、
    前記演算手段の夫々の出力信号が、予め設定される判定値以上になったことを判定する前記母材及び前記合わせ材の厚さ異常を判定する判定手段とを
    備え、
    前記複合材を構成する母材及び合わせ材の厚さ異常を同時に連続して判定するようにしたことを特徴とする複合材の厚さ測定装置。
  2. 前記第1及び第2の厚さ測定装置の放射線源は、夫々、異なるエネルギースペクトルを有する制動X線で構成したことを特徴とする請求項1に記載の複合材の厚さ測定装置。
  3. 前記第1及び第2の厚さ測定装置の放射線源は、一方が制動X線、他方がγ線として構成したことを特徴とする請求項1に記載の複合材の厚さ測定装置。
  4. 前記演算手段は、前記第1の厚さ測定装置の出力信号と前記第2の厚さ測定装置の出力信号とを前記母材の厚さ基準材で校正した母材校正テーブルと、
    前記第1の厚さ測定装置の出力信号と前記第2の厚さ測定装置の出力信号との差の出力信号を前記複合材または前記合わせ材の厚さ基準材で校正した合わせ材校正テーブルとを
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の複合材の厚さ測定装置。
  5. 前記判定手段は、前記母材校正テーブル及び前記合わせ材校正テーブルのデータから前記母材及び合わせ材の厚さ異常を判定する母材、合わせ材判定テーブルを備えたことを特徴とする請求項1に記載の複合材の厚さ測定装置。
  6. 母材と合わせ材が異種材質の材料で構成される複合材の厚さ測定の方法であって、
    異なるエネルギースペクトルを有する放射線源を備えた第1及び第2の厚さ測定装置の出力を、前記複合材の母材の基準材で校正し、母材校正テーブルを作成する第1のステップと、
    前記第1のステップで校正された前記第1の厚さ測定装置の出力と第2の厚さ測定装置の出力との差を求め、この差を前記複合材または合わせ材の基準材で校正した前記合わせ材校正テーブルを作成する第2のステップと、
    前記母材校正テーブル及び前記複合材校正テーブルから、前記複合材を校正する母材、合わせ材の厚さ異常を判定する、母材、合わせ材判定テーブルを作成する第3のステップとからなり、
    前記第1の厚さ測定装置と前記第2の厚さ測定装置の出力信号との差を演算して前記合わせ材の厚さ出力信号とし、
    前記第1の厚さ測定装置または前記第2の厚さ測定装置の出力信号と前記合わせ材の厚さ出力信号との差を演算して前記母材の厚さ出力信号とし、
    前記合わせ材の厚さ出力信号および前記母材の厚さ出力信号が、予め設定された判定値以上となった時、前記複合材を構成する前記母材及び前記合わせ材の厚さ異常を同時に、連続して判定するようにしたことを特徴とする複合材の厚さ測定の方法。
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