JP2005257030A - 流体軸受、ステージ装置及び露光装置、評価装置及び評価方法 - Google Patents

流体軸受、ステージ装置及び露光装置、評価装置及び評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 振動の発生を抑えられ、所望性能を有する流体軸受を提供する。
【解決手段】 流体軸受10は、パッド面10Aに形成された流体吹出口11と、流体吹出口11に接続された流路20とを備え、流路20のうち流体吹出口11近傍は、流体吹出口11に向かって漸次拡がるように形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、流体軸受、その流体軸受を備えたステージ装置及び露光装置、流体軸受の評価装置及び評価方法に関するものである。
半導体デバイスや液晶表示デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に転写する、所謂フォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、マスクを支持するマスクステージと基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に転写するものである。従来より、上記基板ステージ及びマスクステージでは、ベース部材に対して可動部材を流体軸受(気体軸受、静圧軸受)で非接触支持しつつリニアモータ等の駆動装置で可動部材を駆動する構成が採用されている。下記特許文献には、気体軸受に関する技術が開示されている。
特開2003−232352号公報 特開2003−262226号公報
ところで、気体軸受においては、例えば上記ベース部材と可動部材との位置関係を所望状態に維持するために微小振動の発生を抑えることが望ましい。微小振動の発生は、気体(エア)の流れが乱れて乱流の状態になることが一因である。そのため、乱流の状態になることを抑制することも望まれる。また、気体軸受の特性を把握し、所望性能を有するように最適化することも重要である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、振動の発生を抑えられ、所望性能を有する流体軸受、その流体軸受を備えたステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。また、流体軸受の特性を正確に評価することができる評価装置及び評価方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図14に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の流体軸受(10)は、第1部材(1、12、13)の第1面(1A、10A)に形成された流体吹出口(11)と、第1部材(1、12、13)の内部に形成され、流体吹出口(11)に接続された流路(20)とを備え、流路(20)のうち流体吹出口(11)近傍は、流体吹出口(11)に向かって漸次拡がるように形成されていることを特徴とする。
流体の流れの乱流が発生する位置の一つとして、流体吹出口近傍(流体吹出口直後)が挙げられる。本発明によれば、流路のうち流体吹出口近傍の形状を、流体吹出口に向かって漸次拡がるようにすることで、この流体吹出口近傍での乱流の発生を抑制することができる。したがって、流体軸受に微小振動が発生する不都合を防止できる。
本発明のステージ装置は、案内面を有するベース部材(103、105)と、案内面と対向する対向部を有しベース部材(103、105)に対して相対移動可能な移動部材(MST、PST)とを備えたステージ装置において、案内面と対向部との間に、上記記載の流体軸受が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、振動の発生が抑えられ、所望性能を有する流体軸受を用いることで、ステージ装置の移動精度や位置決め精度等を向上することができる。また、例えば移動部材に流体軸受が取り付けられている構成の場合、流体軸受に振動が生じたり、ベース部材に対して移動部材を所望状態で非接触支持できないと、ベース部材に対して流体軸受が接触する状態(いわゆる「かじり」)が生じ、非接触支持できない不都合が生じる可能性がある。しかしながら、本発明によれば、流体軸受は振動の発生等を抑えられて所望性能を有しているので、上記かじりの発生を抑制することができる。
本発明のステージ装置は、第1面(1A)を有する第1部材(1、103、105)と、第1面(1A)と対向する第2面(2A)を有し第1部材(1、103、105)に対して相対移動可能な第2部材(2、MST、PST)と、第1面(1A)と第2面(2A)との少なくとも一方に設けられた流体軸受(10)とを有するステージ装置であって、流体軸受は、第1面(1A)に設けられて第2面(2A)に対して流体を吹き出す流体吹出口(11)と、流体吹出口(11)を含むように第1面(1A)に形成された第1領域(10A)と、第1領域(10A)とは独立して第1面(1A)に形成され、流体軸受(10)の動特性を調整するための第2領域(24)とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1部材の第1面において、流体吹出口を含む第1領域に隣り合う位置に、第1領域とは独立して、流体軸受の動特性を調整するための第2領域を設けたので、その第2領域の大きさや形状、あるいは第1領域に対する高さなどを最適化することで、所望性能を有する流体軸受を得ることができる。
本発明の露光装置(EX)は、マスクステージ(MST)に支持されたマスク(M)のパターンを基板ステージ(PST)に支持された基板(P)に露光する露光装置において、マスクステージ(MST)及び基板ステージ(PST)のうち少なくともいずれか一方に、上記記載のステージ装置が用いられていることを特徴とする。
本発明によれば、高い移動精度及び位置決め精度を有するステージ装置を使って露光できるので、精度良く露光することができる。
本発明の評価装置(S1)は、流体吹出口(11)を備えた第1部材(10、12)を有する流体軸受(10)の評価装置であって、第1部材(10、12)を支持する支持部(31)と、支持部(31)に支持された第1部材(10、12)のうち流体吹出口(11)を形成された第1面(10A)に対向し、流体吹出口(11)からの流体が吹き出される第2面(41A)を有するオプティカルフラットからなる第2部材(41)と、流体吹出口(11)から流体を吹き出した状態で、第2部材(41)に対して第1部材(10、12)を駆動する駆動装置(38)と、第2面(41A)を光学的に直接測定することで第1部材(10、12)と第2部材(41)との位置関係を測定する位置測定装置(41、49)と、位置測定装置(41、49)の測定結果に基づいて第2部材(41)に対する第1部材(10、12)の位置関係を調整する調整装置(32)と、第1部材(10、12)及び第2部材(41)のうち少なくともいずれか一方から検出した物理量に基づいて、流体軸受(10)の動特性及び静特性のうち少なくともいずれか一方を求める制御装置(CONT)とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、流体軸受の動特性及び静特性を求めることができるので、その求めた結果に基づいて、流体軸受を所望状態に最適化することができる。また、流体軸受を評価するときの第1部材と第2部材との位置関係を光学的に直接測定し、調整することで、位置調整を正確に行うことができる。したがって、流体軸受の評価を正確に行うことができる。
本発明の評価装置(S2)は、流体吹出口(11)を備えた第1部材(10、12)を有する流体軸受(10)の評価装置であって、第1部材(10、12)を支持する支持部(50)と、支持部(50)に支持された第1部材(10、12)のうち流体吹出口(11)を形成された第1面(10A)に対向し、流体吹出口(11)からの流体が吹き出される第2面(51A)を有する第2部材(51)と、流体吹出口(11)から流体を吹き出した状態で、第1部材(10、12)及び第2部材(51)のうち少なくともいずれか一方の振動を検出する検出装置(52)と、検出装置(52)の検出結果に基づいて、流体吹出口(11)から吹き出した流体に起因する振動レベルを求める制御装置(CONT)とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、流体軸受の流体吹出口から吹き出した流体に起因する振動レベルを求めることができるので、その求めた結果に基づいて、流体軸受を所望状態に最適化することができる。
本発明の評価方法は、流体吹出口(11)を備えた第1部材(10、12)を有する流体軸受(10)の評価方法であって、第1部材(10)のうち流体吹出口(11)を形成された第1面(10A)と、オプティカルフラットからなる第2部材(41)の第2面(41A)とを対向した状態で、第1部材(10、12)と第2部材(41)との位置関係を第2部材(41)で観測される干渉縞に基づいて調整した後、流体吹出口(11)から第2面(41A)に対して流体を吹き出し、流体吹出口(11)から流体を吹き出した状態で、第2部材(41)に対して第1部材(10、12)を駆動し、第1部材(10、12)及び第2部材(41)のうち少なくともいずれか一方から検出された物理量に基づいて、流体軸受(10)の動特性及び静特性のうち少なくともいずれか一方を求めることを特徴とする。
本発明によれば、流体軸受の動特性及び静特性を求めることができるので、その求めた結果に基づいて、流体軸受を所望状態に最適化することができる。また、流体軸受を評価するときの第1部材の姿勢をオプティカルフラットを使って調整することで、位置調整を正確に行うことができる。したがって、流体軸受の評価を正確に行うことができる。
本発明の評価方法は、流体吹出口(11)を備えた第1部材(10、12)を有する流体軸受(10)の評価方法であって、第1部材(10、12)のうち流体吹出口(11)を形成された第1面(10A)と、第2部材(51)の第2面(51A)とを対向した状態で、流体吹出口(11)から第2面(51A)に対して流体を吹き出し、流体吹出口(11)から流体を吹き出した状態で、第1部材(10、12)及び第2部材(51)のうち少なくともいずれか一方の振動を検出し、検出結果に基づいて、流体吹出口(11)から吹き出した流体に起因する振動レベルを求めることを特徴とする。
本発明によれば、流体軸受の流体吹出口から吹き出した流体に起因する振動レベルを求めることができるので、その求めた結果に基づいて、流体軸受を所望状態に最適化することができる。
本発明によれば、振動の発生が抑えられ所望性能を有する流体軸受、その流体軸受を備えたステージ装置及び露光装置を提供することができ、精度良く露光処理できる。また、本発明の評価装置及び評価方法を使って、流体軸受の特性を正確に評価することができるので、その評価結果に基づいて、流体軸受の特性を最適化することができる。
以下、本発明の流体軸受(気体軸受)について図面を参照しながら説明する。図1は気体軸受を示す概略斜視図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。なお、以下の説明においては、気体軸受(静圧軸受)を適宜「エアパッド」と称する。
図1において、エアパッド10は第1部材1の第1面1Aに設けられている。エアパッド10を設けられた第1部材1の第1面1Aに対向する位置には、第2部材2の第2面2Aが配置されている。すなわち、エアパッド10を設けられた第1部材1の第1面1Aと第2部材2の第2面2Aとは対向している。エアパッド10はエア(気体)を吹き出す気体吹出口11を備えている。したがって、気体吹出口11は第1部材1の第1面1Aに設けられた構成となっている。第1部材1の第1面1Aに設けられた気体吹出口11は、第2部材2の第2面2Aに対して気体を吹き出す。
図2において、エアパッド10は、パッド本体12と、パッド本体12とは別体のブッシュ13とを備えている。ブッシュ13は円筒形状であり、パッド本体12の中央部に形成された孔部12Hに配置されている。孔部12Hの形状(断面)とブッシュ13の形状(断面)とはほぼ同じであり、ブッシュ13は孔部12Hに嵌合しており、溝15に充填された接着剤によってパッド本体12に固定されている。エアパッド10の表面であるパッド面10A(パッド本体12及びブッシュ13の表面)には田の字状に絞り溝(表面絞り)14が形成されている。
円筒形状のブッシュ13内部には、その軸方向に延びる流路(オリフィス)20が形成されている。流路20の一端部は気体吹出口11に接続されている。気体吹出口11は、絞り溝14が交差するパッド本体12の中央部に配置されている。
図3はエアパッド10の断面を模式的に示した図である。図3において、ブッシュ13の内部に形成された流路20のうち、気体吹出口11の近傍は、気体吹出口11に向かって漸次拡がるように形成された末広がり部となっている。図3に示す実施形態においては、流路20の気体吹出口11近傍は、断面視略円弧状に形成されている。以下の説明において、流路20のうち気体吹出口11に向かって漸次拡がるように形成されている末広がり部の範囲(断面視円弧状の範囲)を適宜「第1の範囲AR1」と称する。
図3に示すように、流路20の一端部は気体吹出口11に接続しており、その一端部と反対側の他端部は入口16に接続している。気体は、入口16から流路20に流入し、その流路20を流れた後、気体吹出口11より吹き出される。流路20の末広がり部(第1の範囲)AR1のうち、気体吹出口11に接続する一端部とは反対側の他端部(入口16側の端部)は、その第1の範囲AR1の径よりも小さい直管状の小径部(第2の範囲AR2)の一端部に接続している。また、その第2の範囲AR2の他端部は、入口16(流路20の他端部)側に向かって緩やかに拡がる曲線部(第3の範囲)AR3の一端部に接続している。また、その第3の範囲AR3の他端部は、その第3の範囲AR3の径よりも大きい大径部(第4の範囲)AR4の一端部に接続している。第4の範囲AR4の他端部は入口16に接続している。
そして、第1〜第4の範囲AR1〜AR4の端部どうしは滑らかに接続しており、流路20の内壁には角部がない構成となっている。更に、エアパッド10のパッド面10A(第1面1A)と流路20の第1の範囲AR1の一端部とも滑らかに接続しており、パッド面10Aと流路20との間には角部がない構成となっている。
以上説明したように、流路20のうち気体吹出口11近傍を、気体吹出口11に向かって漸次拡がるように形成したので、気体吹出口11から気体を吹き出したとき、この気体吹出口11近傍での乱流の発生を抑制することができる。したがって、エアパッド10に、気体の流れの乱流に起因して微小振動が発生する不都合を防止できる。
図4に示す模式図のように、流路20を直管状にした場合、気体吹出口11直後の領域RFにおいては乱流が発生しやすい。また、図4に示すように、パッド面10A(第1面1A)と流路20との間に角部Kが形成されている場合、乱流が顕著に発生する可能性がある。本実施形態では、流路20のうち気体吹出口11近傍を局所的に末広がり形状にしたことで、乱流を発生を抑えることができる。そして、パッド面10Aと流路20との間を滑らかに接続して角部がない構成とすることで、乱流の発生を効果的に防止することができる。
また、本実施形態においては、流路20の内壁にも角部を設けないようにしたので、流路20の内部においても乱流の発生を抑制することができる。また、流路20のうち第3の範囲AR3において入口16から気体吹出口11側に向かって漸次窄まるように形成したので、圧力損失を抑えることができ、優れた特性(パッド面10Aと第2面2Aとの間のギャップに対する負荷容量及び剛性)を得ることができる。なお、上述した実施形態において、第2〜第4の範囲AR2〜AR4をほぼ直管状に形成してもよい。その場合であっても、末広がり部である第1の範囲AR1を設けることで、乱流に起因する振動の発生を防止することができる。
なお、上述した実施形態においては、流路20の第1の範囲AR1は、断面視において円弧状でなくてもよく、緩やかな曲線状であってもよいし、所謂R面取りされた形状であってもよい。
また、図5(a)に示すように、流路20の第1の範囲AR1を、C面取りされた形状としてもよい。その場合、図5(b)の拡大図に示すように、流路20の気体吹出口11近傍のうちC面取りされた面取り部21とパッド面10A(第1面1A)との間を滑らかに曲線状に接続して、面取り部21と表面10Aとの間に曲線部22を形成し、角部がない構成とすることもできる。また、ブッシュ13の形状を、流路20との接続部(吹出口11が形成されていない側の端部)に段差(角部)が生じないような形状(曲線部や面取り部を設ける)にしてもよい。
上述した実施形態において、パッド本体12及びブッシュ13を形成する材料としては、アルミナ、ジルコニア、及びプラスチックを用いることができる。また、パッド本体12及びブッシュ13は例えば射出成形法によって製造することができる。また、ブッシュ13(パッド本体12)を金属で形成した場合、例えば末広がり部(第1の範囲)AR1を形成するために、マイクロ放電加工法を用いることができる。もちろん、流路20全体をマイクロ放電加工法に基づいて形成してもよい。あるいは、ドリルを使って切削(穴あけ)してもよい。
なお、上述した実施形態においては、エアパッド10はパッド本体12とブッシュ13とを組み合わせた構成であり、流路20はブッシュ13の内部に形成された構成であるが、ブッシュ13を設けずにパッド本体12のみによって構成してもよい。その場合、パッド本体12の内部に流路20が形成されるとともにそのパッド本体12の表面に流路20に接続する気体吹出口11が形成される。あるいは、第1部材1の内部に流路20を直接形成するとともに、第1部材1の第1面1Aに気体吹出口11を形成してもよい。
次に、本発明のエアパッド10の別の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図6は第1面1Aに複数のエアパッド10を設けられた第1部材1を示す平面図、図7は図6のB−B線に沿う断面図である。本実施形態において、エアパッド10の流路20はほぼ直管状であり、気体吹出口11近傍は、気体吹出口11に向かって漸次拡がるように形成されている。エアパッド10のパッド面10Aには十文字状に絞り溝(表面絞り)14が形成されている。なお、本実施形態においては、流路20や気体吹出口11は図6及び図7に示した形態に限定されない。また、エアパッド10の形態としては、オリフィス絞り、自成絞り、表面絞り、多孔質絞り、及びオリフィス絞りと自成絞りとを組み合わせた複合絞り等を採用することができる。
第1部材1の第1面1Aは、気体吹出口11を含むパッド面(第1領域)10Aと、そのパッド面10Aに隣り合う位置にパッド面10Aとは独立して設けられたスクイズ面(第2領域)24とを備えている。スクイズ面24は、エアパッド10の動特性を調整するために設けられたものである。パッド面10Aとスクイズ面24との間には溝部(凹部)26が設けられている。図6においては、エアパッド10は4つ設けられている。また、スクイズ面24は、エアパッド10のパッド面10Aに隣り合う位置に溝部26を介して複数設けられている。具体的には、スクイズ面24は、複数(4つ)のパッド面10Aのそれぞれに隣接する位置に設けられた平面視略L字状のスクイズ面24Aと、それらスクイズ面24Aどうしの間に配置された複数(4つ)のスクイズ面24Bとを備えている。なお図6及び図7に示す形態は一例であり、これに限定されるものではない。
また、図7に示すように、エアパッド10のパッド面10Aとスクイズ面24とはほぼ面一(ほぼ同じ高さ)に設けられ、第1面1Aと、これに対向する第2面2A(第1参照)との隙間が、パッド面(第1領域)10Aとスクイズ面(第2領域)24とで等しくなるように形成されている。また、パッド面10A及びスクイズ面24は平坦面である。
また、図6に示すように、溝部26の複数の所定位置のそれぞれには、気体を吸引する吸引口25が設けられている。エアパッド10は、気体吹出口11からの気体の吹き出しによる反発力と吸引口25による吸引力との釣り合いにより、第1部材1と第2部材2との間に一定の隙間(エアギャップ)を保持し、第1部材1に対して第2部材2を非接触支持する。更に、溝部26の複数の所定位置のそれぞれには、大気解放用の孔部27が設けられている。
吸引口25は、例えば真空源に接続され、吸引口25においてパッド面10Aに予圧を発生させることができる。これにより、エアパッド10は、気体吹出口11からの気体の吹き出しによる反発力と、吸引口25における吸引力との釣り合いによって、第1部材1と第2部材2との間に一定の隙間(ギャップ)を維持する予圧型の気体軸受を構成し、第1部材1に対して第2部材2を非接触支持する。
対向する第1面(1A、10A)と第2面(2A)との間に配置された気体の膜は、その膜厚方向に圧力を発生するスクイズ作用を発生する。本実施形態は、そのスクイズ作用を使って、エアパッド10の動特性を調整するものである。そして、そのスクイズ作用を発生させるために、エアパッド10のパッド面10Aに隣り合う位置に、パッド面10Aとほぼ面一のスクイズ面24を設けた構成である。そして、エアパッド10の動特性の目標値に応じて、そのスクイズ面24の大きさ(面積)や形状、あるいはパッド面10Aに対する高さ、あるいはスクイズ面24の表面荒さを最適化することで、所望の動特性を得ることができる。
スクイズ面24の高さ、大きさ、あるいは表面荒さを調整することで、エアパッド10の動特性、具体的にはエアパッド10の剛性成分(バネ成分)及び減衰成分(ダンパ成分)、ひいては共振周波数及び減衰率を調整することができる。例えば、スクイズ面24の面積を大きくすることで、バネ成分及びダンパ成分を大きくすることができ、逆にスクイズ面24の面積を小さくすることで、バネ成分及びダンパ成分を小さくすることができる。また、スクイズ面24の高さを高くする(スクイズ面24と第2面との隙間を小さくする)ことで、バネ成分及びダンパ成分を大きくすることができる。このように、エアパッド10の使用状況などに応じてスクイズ面24を調整するだけで、所望の動特性(共振周波数、減衰率)を得ることができる。
次に、エアパッド10の特性(動特性及び静特性)を評価する評価装置S1について、図8を参照しながら説明する。以下の説明において、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に垂直な方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図8において、評価装置S1は、気体吹出口11を備えたエアパッド10(パッド本体12)を支持するホルダ(支持部)31と、ホルダ31に支持されたエアパッド10のうち気体吹出口11を形成されたパッド面10Aに対向し、気体吹出口11からの気体が吹き出される面(第2面)41Aを有するオプティカルフラット(精密に研磨されたガラスの平行平面基板)41と、気体吹出口11から気体を吹き出した状態で、オプティカルフラット41に対してエアパッド10を駆動する駆動装置38(38A、38B)と、オプティカルフラット41で観測される干渉縞に基づいて、オプティカルフラット41に対するエアパッド10の姿勢を調整する調整装置32(32A〜32C)と、エアパッド10及びオプティカルフラット41のうち少なくともいずれか一方から検出した物理量に基づいて、エアパッド10の動特性及び静特性のうち少なくともいずれか一方を求める制御装置CONTとを備えている。また、制御装置CONTは、評価装置S1全体の動作を統括制御する。
また、評価装置S1は、エアパッド10に接続し、エアパッド10に気体を供給する気体供給部45と、気体供給部45からエアパッド10に供給される単位時間あたりの気体量(流量)を計測する流量計46と、供給される気体の圧力を計測する圧力計47とを備えている。
評価装置S1は、定盤FD上に設けられたボディ34を備えており、ボディ34の上端部に設けられた第1支持部材43はオプティカルフラット41を支持している。また、ボディ34の内側には、ボディ34に取り付けられた平行板バネ35によって支持された第2支持部材33が配置されている。平行板バネ35は、ボディ34の内壁と第2支持部材33とを連結している。第2支持部材33上には、調整装置32(32A〜32C)、ステージ30、及びホルダ31がこの順で積まれている。第2支持部材33は、調整装置32(32A〜32C)及びステージ30を介してホルダ31を支持している。また、第2支持部材33と定盤FDとの間には、粗動機構37、第1、第2駆動装置38A、38B、及び荷重センサ36が配置されている。定盤FD上には、粗動機構37、第1駆動装置38A、荷重センサ36、第2駆動装置38B、及び第2支持部材33がこの順で積まれている。また、ステージ30には、ステージ30とオプティカルフラット41との位置関係を計測する位置センサ(変位センサ)40が設けられている。更に、ステージ30には、ステージ30の加速度情報を計測する加速度計42が設けられている。
駆動装置38(38A、38B)及び調整装置32(32A〜32C)は例えばピエゾ素子によって構成されている。荷重センサ36は例えばロードセルによって構成されている。位置センサ40は例えば静電容量センサあるいはレーザ干渉計によって構成されている。位置センサ40は、ステージ30とオプティカルフラット41との位置関係(距離)、ひいてはステージ30上のホルダ31に保持されたエアパッド10のパッド面10Aとオプティカルフラット41の下面41Aとの距離を計測可能である。また、位置センサ40を例えばXY方向に複数(3つ以上)並べて配置することで、オプティカルフラット41の下面41Aに対するエアパッド10のパッド面10Aの傾斜情報(θX、θY方向の位置情報)も計測することができる。
粗動機構37は、駆動装置38及び荷重センサ36を介して第2支持部材33をZ方向に粗く駆動して、その第2支持部材33のZ方向の位置を粗く位置決めするものである。粗動機構37を使って第2支持部材33を移動することで、第2支持部材33の上部に調整装置32、ステージ30、及びホルダ31を介して支持されているエアパッド10のパッド面10Aとオプティカルフラット41の下面41Aとの距離が粗く調整される。また、駆動装置38を駆動することで、第2支持部材33がZ軸方向に移動する。これにより、その上部のエアパッド10がZ軸方向に駆動される。例えば第1駆動装置38Aを駆動することで、エアパッド10のパッド面10Aとオプティカルフラット41の下面41Aとの距離を精密に調整することができる。また、第2駆動装置38Bを駆動することで、エアパッド10Aを加振することができる。ここで、第2支持部材33は平行板バネ35を介してボディ34に支持されているので、駆動装置38の駆動による第2支持部材33の鉛直方向(Z軸方向)への移動は妨げられない。また、平行板バネ35によって、第2支持部材33の水平方向(XY方向)への移動は規制される。
また、複数(3つ)の調整装置32A〜32Cのそれぞれの駆動量を調整することで、第2支持部材33に対してステージ30を傾斜方向(θX、θY方向)に駆動(チルト)することができる。そして、ステージ30を傾斜方向に駆動することで、その上部にホルダ31を介して支持されているエアパッド10のパッド面10Aの傾斜方向の位置を調整することができる。
オプティカルフラット41は、精密に研磨されたガラスの平行平面基板であって、そのオプティカルフラット41で観測される干渉縞に基づいて、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとの傾斜方向の位置関係(下面41Aとパッド面10Aとの平行度)を求めることができる。オプティカルフラット41の上方には、オプティカルフラット41に対して光を照射し、そのオプティカルフラット41の干渉縞を光学的に直接測定可能な光学測定装置49が設けられている。光学測定装置49は、測定結果に基づいて、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとの位置関係を求めることができる。なお、光学測定装置49は、オプティカルフラット41の干渉縞によらずに、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとの位置関係を光学的に直接測定可能な構成であってもよい。あるいは、光学測定装置49を設けずに、位置測定装置としてのオプティカルフラット41が例えば作業者によって直接的に測定される構成であってもよい。
次に、上述した構成を有する評価装置S1によってエアパッド10の特性を評価する手順について説明する。ここで、評価装置S1は、エアパッド10の動特性及び静特性を求めることができる。エアパッド10の動特性は、共振周波数、及び減衰率のうちの少なくとも1つであり、エアパッド10の静特性は、負荷容量、剛性、及び気体流量のうちの少なくとも1つである。
はじめにエアパッド10の動特性(共振周波数、及び減衰率)を求める手順について説明する。まず、エアパッド10のうち気体吹出口11を形成されたパッド面10Aと、オプティカルフラット41の下面41Aとが対向するように、エアパッド10がホルダ31に支持される。そして、制御装置CONTは、調整装置32(32A〜32C)を使って、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとがほぼ平行となるようにその位置関係を調整する。オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとを平行にするとき、オプティカルフラット41に生成される干渉縞を観測し、その観測結果に基づいて位置関係の調整を行うことで、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとの位置関係を所望状態(平行)にすることができる。なお、上述したように、位置センサ40を複数(3つ以上)設けた場合には、その複数の位置センサ40の検出結果に基づいて、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとがほぼ平行となるようにその位置関係を調整するようにしてもよい。また、制御装置CONTは、オプティカルフラット41の下面41Aとエアパッド10のパッド面10Aとの距離を調整するために、粗動機構37や駆動装置38(第1駆動装置38A)を駆動し、エアパッド10をZ軸方向に移動する。
前記位置関係の調整が完了した後、制御装置CONTは、気体供給部45よりエアパッド10に対して気体を供給し、エアパッド10の気体吹出口11からオプティカルフラット41の下面41Aに対して気体を吹き出す。気体流量は流量計46で計測され、気体の圧力は圧力計47で計測される。流量計46及び圧力計47の計測結果は制御装置CONTに出力される。
制御装置CONTは、気体吹出口11から気体を吹き出した状態で、駆動装置38(例えば第2駆動装置38B)を駆動する。具体的には、制御装置CONTは、駆動装置38(第2駆動装置38B)を使って、第2支持部材33を介してエアパッド10を加振する。制御装置CONTは、駆動装置38を使って、例えばスイープサイン波(あるいはホワイトノイズ)でエアパッド10を加振する。
気体吹出口11から気体を吹き出した状態でエアパッド10を加振したときのステージ30(ひいてはエアパッド10)の加速度情報は加速度計42で計測される。加速度計42の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、エアパッド10をスイープサイン波で加振したときの加速度情報(振動特性)に基づいて、エアパッド10の共振周波数を求めることができる。また、制御装置CONTは、得られた振動特性データに対してカーブフィッティング等の所定の処理(演算)を行うことで、エアパッド10の減衰率を求めることができる。なお、制御装置CONTは、加速度計42の計測結果によらずに、例えば位置センサ40の計測結果(エアパッド10とオプティカルフラット41との相対位置関係)に基づいて、エアパッド10の共振周波数及び減衰率を求めることができる。あるいは、制御装置CONTは、荷重センサ36の計測結果に基づいて、エアパッド10の共振周波数及び減衰率を求めることもできる。あるいは、ステージ30に速度センサを設けておき、制御装置CONTは、速度センサの計測結果に基づいて、エアパッド10の共振周波数及び減衰率を求めることもできる。
また、エアパッド10の静特性(負荷容量、剛性、及び気体流量)のうち、気体流量は流量計46で計測することができる。また、下面41Aとパッド面10Aとの間の隙間(エアギャップ)に対する負荷容量は、荷重センサ36で測定することができる。また、剛性は、荷重センサ36の計測結果を演算処理することで求めることができる。
また、ホルダ31にスクイズ面24を有する部材を保持し、オプティカルフラット41の下面41Aとスクイズ面24とを対向させ、駆動装置38を使って下面41Aとスクイズ面24との距離を調整し、スクイズ面24を有する部材を加振することで、上述と同様の手順でスクイズ作用(スクイズ作用による剛性成分及び減衰成分)を測定することができる。
なお、本実施形態においては、エアパッド10を加振しているが、オプティカルフラット41を加振してもよい。また、エアパッド10の加速度等の物理量を計測するかわりに、オプティカルフラット41の物理量を計測し、その計測結果に基づいて、エアパッド10の特性を求めてもよい。
次に、エアパッド10の気体吹出口11から吹き出した気体に起因する振動レベルを評価する評価装置S2について、図9を参照しながら説明する。
図9において、評価装置S2は、気体吹出口11を備えたエアパッド10を支持するホルダ(支持部)50と、ホルダ50に支持されたエアパッド10のうち気体吹出口11を形成されたパッド面10Aに対向し、気体吹出口11からの気体が吹き出される面(第2面)51Aを有する平行平面板51と、気体吹出口11から気体を吹き出した状態で、平行平面板51の振動(振動による加速度)を検出する加速度計52と、加速度計52の検出結果に基づいて、気体吹出口11から吹き出した気体に起因する振動レベルを求める制御装置CONTとを備えている。また、制御装置CONTは、評価装置S2全体の動作を統括制御する。
また、評価装置S2は、エアパッド10に接続し、エアパッド10に気体を供給する気体供給部45と、気体供給部45からエアパッド10に供給される単位時間あたりの気体量(流量)を計測する流量計46と、供給される気体の圧力を計測する圧力計47とを備えている。
評価装置S2は、定盤FD上に設けられたボディ34を備えており、ボディ34の上部にはチルト機構53が取り付けられている。そして、チルト機構53と平行平面板51とは平行板バネ35によって連結されている。平行平面板51は平行板バネ35を介してチルト機構53に支持されているので、チルト機構53に対する平行平面板51の鉛直方向(Z軸方向)への移動は妨げられない。また、平行板バネ35によって、平行平面板51の水平方向(XY方向)への移動は規制される。
チルト機構53は例えばピエゾ素子を含んで構成されている。チルト機構53は、平行板バネ35を介して支持した平行平面板51のZ軸、θX、θY方向に関する位置を調整可能である。
また、ステージ50上には、ステージ50と平行平面板51との位置関係を計測する位置センサ(変位センサ)40が設けられている。位置センサ40は、ステージ50と平行平面板51との位置関係(距離)、ひいてはステージ50上のエアパッド10のパッド面10Aと平行平面板51の下面51Aとの距離を計測可能である。また、位置センサ40を例えばXY方向に複数(3つ以上)並べて配置することで、平行平面板51の下面51Aに対するエアパッド10のパッド面10Aの傾斜情報(θX、θY方向の位置情報)も計測することができる。
また、平行平面板51の上面51Bには、エアギャップ調整用おもり55を保持する保持部54が設けられている。所定の重さのおもり55を、平行板バネ53で支持されている平行平面板51に載せることで、平行平面板51の下面51Aとエアパッド10のパッド面10Aとの距離(エアギャップ)を調整することができる。なお、前記エアギャップを調整するためのアクチュエータを設けることも可能である。
次に、上述した構成を有する評価装置S2によってエアパッド10の気体吹出口11から吹き出した気体に起因する振動レベルを評価する手順について説明する。
まず、エアパッド10のうち気体吹出口11を形成されたパッド面10Aと、平行平面板51の下面51Aとが対向するように、エアパッド10がステージ50に支持される。そして、制御装置CONTは、チルト機構53を使って、平行平面板51の下面51Aとエアパッド10のパッド面10Aとがほぼ平行となるようにその位置関係を調整する。平行平面板51の下面51Aとエアパッド10のパッド面10Aとを平行にするとき、位置センサ40を複数(3つ)設けた場合には、その複数の位置センサ40の検出結果に基づいて、平行平面板51の下面51Aとエアパッド10のパッド面10Aとがほぼ平行となるようにその位置関係を調整する。また、平行平面板51を、図8を参照して説明したようなオプティカルフラットとした場合、そのオプティカルフラットの下面とエアパッド10のパッド面10Aとを平行にするために、オプティカルフラットに生成される干渉縞を観測し、その観測結果に基づいて位置関係の調整を行うことで、オプティカルフラットの下面とエアパッド10のパッド面10Aとの位置関係を所望状態(平行)にすることもできる。
また、制御装置CONTは、平行平面板51の下面51Aとエアパッド10のパッド面10Aとの距離(エアギャップ)を調整するために、不図示の搬送系を使っておもり55を平行平面板51の保持部54に載せたり、不図示のアクチュエータを駆動する。
前記位置関係の調整が完了した後、制御装置CONTは、気体供給部45よりエアパッド10に対して気体を供給し、エアパッド10の気体吹出口11から平行平面板51の下面51Aに対して気体を吹き出す。気体流量は流量計46で計測され、気体の圧力は圧力計47で計測される。流量計46及び圧力計47の計測結果は制御装置CONTに出力される。
気体吹出口11から吹き出した気体に起因して、例えばパッド面10Aと下面51Aとの間の気体に振動が生じた場合、平行平面板51が振動する。平行平面板51の振動は加速度計52に計測される。加速度計52の計測結果は制御装置CONTに出力される。
例えば、エアパッド10の流路20のうち気体吹出口11近傍の形状が図4に示したような形状である場合、乱流が発生するため、加速度計52で計測される平行平面板51の振動レベルは大きくなる。一方、エアパッド10の流路20のうち気体吹出口11近傍の形状が図3に示したような形状である場合、乱流の発生が抑制されているため、加速度計52で計測される平行平面板51の振動レベルは小さくなる。
このように、制御装置CONTは、加速度計52の計測結果に基づいて、気体吹出口11から吹き出した気体に起因する振動レベルを求めることができる。そして、その求めた振動レベルに応じて、所望の振動レベルとなるように(振動が抑えられるように)、流路20のうち気体吹出口11近傍の形状を最適に設定することができる。
なお、本実施形態においては、加速度計52は平行平面板51に取り付けられた構成であるが、加速時計52をエアパッド10に取り付けてエアパッド10の振動を計測するようにしてもよい。その場合、制御装置CONTは、加速度計52によるエアパッド10の振動計測結果に基づいて、気体吹出口11から吹き出した気体に起因する振動レベルを求めることができる。
また、本実施形態においては、発生した振動レベルを加速度計52を使って計測しているが、位置センサ40を使って振動レベルを計測するようにしてもよい。
次に、本発明のエアパッド10を備えたステージ装置及び露光装置について、図10〜図13を参照して説明する。
図10は本発明に係る露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態における露光装置EXは、マスクMと感光性の基板Pとを同期移動しつつマスクMに設けられているパターンを投影光学系PLを介して基板P上に転写する所謂スキャニングステッパである。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内における前記同期移動方向(走査方向)をY軸方向、Z軸方向及びY軸方向と垂直な方向(非走査方向)をX軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上に感光性材料であるフォトレジストを塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
図10において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持して移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMSTに保持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに保持された基板Pに投影する投影光学系PLとを備えている。投影光学系PLは、例えば1/4又は1/5の投影倍率を有する縮小系である。なお、投影光学系PLとしては等倍系あるいは拡大系のいずれでもよい。マスクステージMSTは、上面に案内面が形成されたマスク定盤(ベース部材)103上を移動可能に設けられている。マスクステージMSTの下面はマスク定盤103の案内面に対向している。基板ステージPSTは基板定盤105上を移動可能に設けられている。基板定盤105は、床面に設置されたベースプレート101上に防振ユニット108を介して支持されている。ベースプレート101上にはメインコラム102が設けられている。メインコラム102上には、照明光学系ILを支持する支持コラム109が設けられている。また、メインコラム102は、内側に向けて突出する上側段部102A及び下側段部102Bを備えている。マスク定盤103はメインコラム102の上側段部102A上に防振ユニット106を介して支持されている。投影光学系PLを構成する複数の光学素子は鏡筒PKで保持されている。投影光学系PL(鏡筒PK)は鏡筒定盤104に支持されている。鏡筒定盤104はメインコラム102の下側段部102B上に防振ユニット107を介して支持されている。
照明光学系ILは、マスクステージMSTに保持されたマスクMを露光光ELで照明するものである。露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能に設けられている。マスクステージMSTの底面には複数のエアパッド10が設けられており、マスクステージMSTはエアパッド10によりマスク定盤103に対して非接触支持されている。マスクステージMST及びマスク定盤103のそれぞれには、マスクMをパターン像が通過可能な開口部114A、114Bが設けられている。
図11はマスクステージMSTの概略斜視図である。マスクステージMSTは、マスク定盤103上に設けられたマスク粗動ステージMST1と、マスク粗動ステージMST1上に設けられたマスク微動ステージMST2と、マスク定盤103上において粗動ステージMST1をY軸方向に所定ストロークで移動可能な一対のYリニアモータ110、110と、マスク定盤103の中央部の上部突出部103Tの上面に設けられ、Y軸方向に移動する粗動ステージMST1を案内する一対のYガイド部111、111と、粗動ステージMST1上において微動ステージMST2をX軸、Y軸、及びθZ方向に微小移動可能なXボイスコイルモータ112X及びYボイスコイルモータ112Yとを備えている。Yリニアモータ110のそれぞれは、マスク定盤103上においてY軸方向に延びるように設けられた一対の固定子110Cと、この固定子110Cに対応して設けられ、連結部材110Rを介して粗動ステージMST1に固定された可動子110Mとを備えている。そして、これら固定子110C及び可動子110Mによりリニアモータ110が構成されており、可動子110Mが固定子110Cに対して駆動することで粗動ステージMST1(マスクステージMST)がY軸方向に移動する。固定子110Cのそれぞれはエアパッド10によりマスク定盤103に対して非接触支持されている。このため、運動量保存の法則により粗動ステージMST1の+Y方向の移動に応じて固定子110Cが−Y方向に移動する。この固定子110Cの移動により粗動ステージMST1の移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を防ぐことができる。すなわち、固定子110Cは所謂カウンタマスとしての機能を有する。Yガイド部111のそれぞれは、Y軸方向に移動する粗動ステージMST1を案内するものであって、マスク定盤103の中央部に形成された上部突出部103Tの上面においてY軸方向に延びるように固定されている。また、粗動ステージMST1とYガイド部111、111との間にはエアパッド10が設けられており、粗動ステージMST1はYガイド部111に対して非接触支持されている。微動ステージMST2は不図示のバキュームチャックを介してマスクMを吸着保持する。微動ステージMST2の+Y方向の端部にはコーナーキューブからなるY移動鏡113Yが固定され、微動ステージMST2の−X方向の端部にはY軸方向に延びる平面ミラーからなるX移動鏡113Xが固定されている。そして、これら移動鏡113X、113Yに対して測長ビームを照射するレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、マスクステージMSTのX軸、Y軸、及びθZ方向の位置が高精度で計測される。マスクステージMSTは、レーザ干渉計の計測結果に基づいて、上記リニアモータ及びボイスコイルモータを含むマスクステージ駆動装置を介して駆動される。
図10に戻って、基板ステージPSTは基板Pを保持して移動可能に設けられており、基板Pを保持する基板ホルダPHを有している。基板ステージPSTの底面には複数のエアパッド10が設けられている。基板ステージPSTはエアパッド10により上面に案内面が形成された基板定盤(ベース部材)105に対して非接触支持されている。基板ステージPSTの下面は基板定盤105の案内面に対向している。基板ステージPSTは、基板Pを保持した状態で、基板定盤105上をXY平面に沿った2次元方向に移動可能である。
図12は基板ステージPSTを示す概略斜視図である。また、図13(a)は基板ステージPSTの平面図、図13(b)は基板ステージPSTの側面図である。
基板ステージPSTは、Xガイドステージ120によりX軸方向への移動を案内される。また、基板ステージPSTは、Xガイドステージ120に設けられたXリニアモータ121によりX軸方向に移動可能に設けられている。また、Xガイドステージ120は、ベースプレート101上に設けられた側面視略L字状の支持部材123の上端部のガイド部123BによりY軸方向への移動を案内される。ガイド部123B(支持部材123)はXガイドステージ120の両端部のそれぞれに対応する位置に設けられており、Xガイドステージ120の両端部のそれぞれには、ガイド部123Bに対応する被ガイド部124が設けられている。ガイド部123Bと被ガイド部124との間にはエアパッド10が介在しており、被ガイド部124はガイド部123Bに対して非接触支持されている。
Xガイドステージ120には、基板ステージPSTをX軸方向に移動するXリニアモータ121の一部を構成する固定子121Cが設けられ、基板ステージPSTには固定子121Cに対応する可動子121Mが設けられている。ここで、基板ステージPSTはXガイドステージ120に対してZ軸方向に所定量のギャップを維持する磁石及びアクチュエータからなる磁気ガイドにより非接触で支持されている。基板ステージPSTはXガイドステージ120に非接触支持された状態でXリニアモータ121によりX軸方向に移動する。
Xガイドステージ120は、Yリニアモータ122によりY軸方向に移動可能に設けられている。基板ステージPSTは、Yリニアモータ122の駆動により、Xガイドステージ120と一緒にY軸方向へ移動可能である。また、Xガイドステージ120の長手方向両端部のそれぞれには、このXガイドステージ120をY軸方向に移動するYリニアモータ122の一部を構成する可動子122Mが設けられている。また、可動子122Mに対応する固定子122Cは、支持部材123の平面部123A上にエアパッド10を介して非接触支持されている。Yリニアモータ122の可動子122Mが固定子122Cに対して駆動することでXガイドステージ120が基板ステージPSTと一緒にY軸方向に移動する。また、Yリニアモータ122、122のそれぞれの駆動を調整することでXガイドステージ120はθZ方向にも回転移動可能となっている。したがって、このYリニアモータ122、122により基板ステージPSTがXガイドステージ120とほぼ一体的にY軸方向及びθZ方向に移動可能となっている。
また、固定子122Cはエアパッド10により支持部材123の平面図123Aに対して非接触支持される。このため、運動量保存の法則によりXガイドステージ120及び基板ステージPSTの+Y方向(−Y方向)の移動に応じて固定子122Cが−Y方向(+Y方向)に移動する。この固定子122Cの移動によりXガイドステージ120及び基板ステージPSTの移動に伴う反力が相殺されるとともに重心位置の変化を防ぐことができる。すなわち、固定子122Cはいわゆるカウンタマスとしての機能を有している。
また、基板ステージPSTの+Y方向及び−X方向のそれぞれの端部にはY移動鏡130Y及びX移動鏡130Xが固定されている。これら移動鏡130X、130Yに対して測長ビームを照射するレーザ干渉計(いずれも不図示)が各移動鏡との距離を計測することにより、基板ステージPSTのX軸、Y軸、及びθZ方向の位置が高精度で計測される。基板ステージPSTは、レーザ干渉計の計測結果に基づいて、上記リニアモータを含む基板ステージ駆動装置を介して駆動される。
本実施形態においては、マスクステージMST及び基板ステージPSTに、本発明に係るエアパッド10を用いたので、振動の発生が抑えられている。したがって、ステージの移動精度や位置決め精度等が向上されているので、精度良く露光することができる。また、エアパッドに振動が生じたり、非接触支持の状態を良好に維持できないと、例えばガイド面に対してエアパッドが接触する状態(いわゆる「かじり」)が生じ、非接触支持できない不都合が生じる可能性がある。しかしながら、本発明によれば、エアパッド10は振動の発生等を抑えられて所望性能を有しているので、上記かじりの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態におけるリニアモータにおいて、固定子がコイルユニットであり可動子が磁石ユニットである所謂ムービングマグネット型のリニアモータでもよいし、固定子側に磁石が設けられ、可動子側にコイルが設けられたムービングコイル型のリニアモータでもよい。
なお、上記実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、ウエハに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、露光用照明光の光源として、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、Fレーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB)、タンタル(Ta)を用いることができる。さらに、電子線を用いる場合は、マスクMを用いる構成としてもよいし、マスクMを用いずに直接ウエハ上にパターンを形成する構成としてもよい。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、FレーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(マスクMも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、マスクMと基板Pとを密接させてマスクMのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
上記実施形態のように基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合においてエアベアリングを用いたエア浮上型に限られず、ローレンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気浮上型を用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。また、マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイスは、図14に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明の流体軸受の一実施形態を示す概略構成図である。 本発明に係る流体軸受を示す拡大斜視図であって図1のA−A線断面図である。 本発明に係る流体軸受を模式的に示した拡大断面図である。 流体軸受の比較例を示す図である。 本発明の流体軸受の別の実施形態を模式的に示した断面図である。 本発明の流体軸受の別の実施形態を示す平面図である。 図6のB−B線断面図である。 本発明の評価装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明の評価装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。 マスクステージを示す概略斜視図である。 基板ステージを示す概略斜視図である。 基板ステージを示す図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
1…第1部材、1A…第1面、2…第2部材、2A…第2面、10…エアパッド(流体軸受、第1部材)、10A…パッド面(第1面、第1領域)、11…流体吹出口、12…パッド本体、13…ブッシュ、16…入口、20…流路、24…スクイズ面(第2領域)、26…溝部、31…ホルダ(支持部)、32…調整装置、38…駆動装置(加振装置)、40…位置センサ(検出装置)、41…オプティカルフラット(第2部材、位置測定装置)、41A…下面(第2面)、49…光学測定装置(位置測定装置)、50…ホルダ(支持部)、51…平行平面板(第2部材)、51A…下面(第2面)、52…加速度計(検出装置)、AR1…第1の範囲(所定範囲)、CONT…制御装置、EX…露光装置、M…マスク、MST…マスクステージ(ステージ装置)、P…基板、PST…基板ステージ(ステージ装置)、S1…評価装置、S2…評価装置

Claims (25)

  1. 第1部材の第1面に形成された流体吹出口と、
    前記第1部材の内部に形成され、前記流体吹出口に接続された流路とを備え、
    前記流路のうち前記流体吹出口近傍は、前記流体吹出口に向かって漸次拡がるように形成されていることを特徴とする流体軸受。
  2. 前記流路の前記流体吹出口近傍は断面視円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の流体軸受。
  3. 前記流路の前記流体吹出口近傍は面取りされていることを特徴とする請求項1記載の流体軸受。
  4. 前記第1面と前記流路との間には角部がないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の流体軸受。
  5. 前記流路のうち前記流体吹出口に向かって漸次拡がるように形成されている所定範囲以外の範囲において、前記流路は前記流体吹出口に接続する一端部とは反対側の他端部に向かって緩やかに拡がっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の流体軸受。
  6. 前記第1面に設けられ前記流体吹出口が形成された第1領域と、前記第1領域と同じ高さで形成され該流体軸受の動特性を調整するための第2領域とを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の流体軸受。
  7. 案内面を有するベース部材と、前記案内面と対向する対向部を有し前記ベース部材に対して相対移動可能な移動部材とを備えたステージ装置において、
    前記案内面と前記対向部との間に、請求項1〜請求項6のいずれか一項記載の流体軸受が設けられていることを特徴とするステージ装置。
  8. 第1面を有する第1部材と、前記第1面と対向する第2面を有し前記第1部材に対して相対移動可能な第2部材と、前記第1面と前記第2面との少なくとも一方に設けられた流体軸受とを有するステージ装置であって、
    前記流体軸受は、前記第1面に設けられて前記第2面に対して流体を吹き出す流体吹出口と、
    前記流体吹出口を含むように前記第1面に形成された第1領域と、
    前記第1領域とは独立して前記第1面に形成され、前記流体軸受の動特性を調整するための第2領域とを備えたことを特徴とするステージ装置。
  9. 前記第1領域と前記第2領域との間には溝部が形成されていることを特徴とする請求項8記載のステージ装置。
  10. 前記第1領域と前記第2領域とは、対向する前記第1面又は前記第2面のいずれかに対してほぼ同一高さに形成されていることを特徴とする請求項8又は9記載のステージ装置。
  11. 前記第2領域は平坦面であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項記載のステージ装置。
  12. 前記動特性の目標値に応じて、前記第1領域に対する前記第2領域の高さ、前記第2領域の大きさ、及び前記第2領域の表面荒さのうちの少なくとも一つが設定されることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項記載のステージ装置。
  13. 前記動特性は、前記流体軸受の共振周波数、及び減衰率のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項記載のステージ装置。
  14. マスクステージに支持されたマスクのパターンを基板ステージに支持された基板に露光する露光装置において、
    前記マスクステージ及び前記基板ステージのうち少なくともいずれか一方に、請求項7〜請求項13記載のステージ装置が用いられていることを特徴とする露光装置。
  15. 流体吹出口を備えた第1部材を有する流体軸受の評価装置であって、
    前記第1部材を支持する支持部と、
    前記支持部に支持された前記第1部材のうち前記流体吹出口を形成された第1面に対向し、前記流体吹出口からの流体が吹き出される第2面を有する第2部材と、
    前記流体吹出口から流体を吹き出した状態で、前記第2部材に対して前記第1部材を駆動する駆動装置と、
    前記第2面を光学的に直接測定することで前記第1部材と前記第2部材との位置関係を測定する位置測定装置と、
    前記位置測定装置の測定結果に基づいて前記第2部材に対する前記第1部材の位置関係を調整する調整装置と、
    前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくともいずれか一方から検出した物理量に基づいて、前記流体軸受の動特性及び静特性のうち少なくともいずれか一方を求める制御装置とを備えたことを特徴とする評価装置。
  16. 前記第2面はオプティカルフラットであることを特徴とする請求項15記載の評価装置。
  17. 前記物理量は、前記第1部材と前記第2部材との相対位置、速度、加速度、及び流体流量のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16記載の評価装置。
  18. 前記駆動装置は、第1部材及び前記第2部材のうち少なくともいずれか一方を加振する加振装置を含むことを特徴とする請求項16又は17記載の評価装置。
  19. 前記流体軸受の静特性は、負荷容量、剛性、及び流体流量のうちの少なくとも1つを含み、
    前記流体軸受の動特性は、共振周波数、及び減衰率のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16〜18のいずれか一項記載の評価装置。
  20. 前記流体軸受の動特性は、前記第1面と前記第2面との間でのスクイズ作用を含むことを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項記載の計測装置。
  21. 流体吹出口を備えた第1部材を有する流体軸受の評価装置であって、
    前記第1部材を支持する支持部と、
    前記支持部に支持された前記第1部材のうち前記流体吹出口を形成された第1面に対向し、前記流体吹出口からの流体が吹き出される第2面を有する第2部材と、
    前記流体吹出口から流体を吹き出した状態で、前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくともいずれか一方の振動を検出する検出装置と、
    前記検出装置の検出結果に基づいて、前記流体吹出口から吹き出した流体に起因する振動レベルを求める制御装置とを備えたことを特徴とする評価装置。
  22. 流体吹出口を備えた第1部材を有する流体軸受の評価方法であって、
    前記第1部材のうち前記流体吹出口を形成された第1面と、オプティカルフラットからなる第2部材の第2面とを対向した状態で、前記第1部材と前記第2部材との位置関係を前記第2部材で観測される干渉縞に基づいて調整した後、前記流体吹出口から前記第2面に対して流体を吹き出し、
    前記流体吹出口から流体を吹き出した状態で、前記第2部材に対して前記第1部材を駆動し、
    前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくともいずれか一方から検出された物理量に基づいて、前記流体軸受の動特性及び静特性のうち少なくともいずれか一方を求めることを特徴とする評価方法。
  23. 流体吹出口を備えた第1部材を有する流体軸受の評価方法であって、
    前記第1部材のうち前記流体吹出口を形成された第1面と、第2部材の第2面とを対向した状態で、前記流体吹出口から前記第2面に対して流体を吹き出し、
    前記流体吹出口から流体を吹き出した状態で、前記第1部材及び前記第2部材のうち少なくともいずれか一方の振動を検出し、
    前記検出結果に基づいて、前記流体吹出口から吹き出した流体に起因する振動レベルを求めることを特徴とする評価方法。
  24. 前記求めた振動レベルに応じて、前記第1部材の内部に形成され、前記流体吹出口に接続する流路のうち前記流体吹出口近傍の形状を設定することを特徴とする請求項22記載の評価方法。
  25. 請求項22〜請求項24記載の評価方法の結果に基づいて前記流体吹出口の形状が設定されることを特徴とする流体軸受。
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