JP2005256387A - 自然舗装道、自然舗装道用の舗装材及び舗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 自然土の風合いを維持しつつも、摩耗を防止し、高い強度を有する自然舗装道、自然舗装道用の舗装材及び舗装方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、絶乾状態で30〜50重量%の真砂土と、絶乾状態で30〜50重量%の砂と、絶乾状態で10〜30重量%の粉体固化材とを含有する舗装材を、敷設後散水し、転圧させることにより舗装道を仕上げるようにした。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、絶乾状態で30〜50重量%の真砂土と、絶乾状態で30〜50重量%の砂と、絶乾状態で10〜30重量%の粉体固化材とを含有する舗装材を、敷設後散水し、転圧させることにより舗装道を仕上げるようにした。
【選択図】 なし
Description
本発明は、歩道や、広場、植樹帯など自然土の風合いを維持した自然舗装道、自然舗装道用の舗装材及び舗装方法に関する。
従来より、歩道や広場などを景観を損なうことなく自然土に近い風合いで舗装を行うために、真砂土を主原料とした舗装材を用いて舗装する方法がある。具体的には、真砂土と、セメントなどの固化剤を、それぞれ90重量%、10重量%混合し、該混合物を敷き均し、段階的に散水した後、養生させることによって、自然土の風合いを維持した舗装面を得ることができる。真砂土は、花崗岩の類が風化してできた比較的粒度の揃った良質の土である。真砂土を主原料とした舗装材を用いて製造した舗装道は、土のような自然な質感を得ることができるとともに、透水性及び弾性を有し、歩行に適した凹凸感を有する舗装面に仕上げることができる。また、真砂土は、舗装作業を容易にし、安価であるから、作業性がよく経済的でもある。
しかしながら、上記従来の真砂土を主原料とした舗装材で製造した舗装道によれば、歩行や風化によって、舗装面が摩耗し易いため、耐久性が低いという問題がある。すなわち、舗装面に凹凸を形成し、歩行を困難にする。さらに、雨水などによって、舗装面がさらに浸食すると、その浸食した面に雨水が溜まり、コケの発生の原因ともなる。また、従来の舗装材は、散水後にローラで転圧すると、真砂土がローラの表面に付着してしまい転圧することができない。従ってこのような舗装材を使用した舗装道は、高い強度を得ることができず、強度を必要とする地面には舗装することができないという問題がある。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、自然土の風合いを維持しつつも、摩耗を防止し、高い強度を有する自然舗装道、自然舗装道用の舗装材及び舗装方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る自然舗装道用舗装材は、真砂土と、砂と、粉体固化材とが混合されていることを特徴とする。上記構成からなる舗装材によれば、砂を配合することにより、こしのある舗装材を得ることができる。
前記舗装材は、絶乾状態で全舗装材に対し、真砂土を30〜50重量%、砂を30〜50重量%、及び粉体固化材を10〜30重量%含有することが好ましい。上記配合により自然土としての風合いを維持しつつも、高い強度を有する自然舗装道を製造することができる。
また、真砂土の粒径は5.0mm以下、砂の粒径は5.0mm以下であることが好ましい。上記粒径に調整することにより、舗装材を均一に分散することができ、舗装道を製造したときに、高い強度を有することができる。
また、本発明に係る自然舗装道用舗装方法は、上記舗装材を敷き均す工程と、前記敷き均した舗装材を転圧する第一転圧工程と、前記転圧した舗装面上に散水する工程と、前記散水した舗装面上をさらに転圧する第二転圧工程とを有することを特徴とする。上記方法によれば、舗装材に砂を配合しているため、従来、散水後に転圧することができなかった第二転圧工程を可能にすることができる。従って、この方法により製造された舗装道は、摩耗を防止し、高い強度を得ることができる。
前記散水工程の散水量は、3.0kg/m2〜5.0kg/m2であることが好ましく、前記第二転圧工程は、20kg/m2〜100kg/m2の圧力で転圧を行うことが好ましい。
また、本発明に係る自然舗装道は、上記自然舗装道用舗装材を敷き均し、前記敷き均した舗装材を転圧し、前記転圧した舗装面上に散水し、前記散水した舗装面上をさらに転圧することにより固定されてなることを特徴とする。この自然舗装道の圧縮強度は、18N
/mm2以上であることが好ましい。
/mm2以上であることが好ましい。
上記方法により舗装された舗装道は、自然土の風合いを維持しつつも、摩耗を防止することができる。また、高い強度を有することができるので、遊歩道や広場などの舗装に限られず、駐車場や車道などにも舗装することが可能である。
このように、本発明に係る自然舗装道、自然舗装道用の舗装材及び舗装方法は、真砂土、砂及び粉体固化材を配合した舗装材を敷き均し、散水後転圧することにより自然舗装道を製造するようにしたので、自然土の風合いを維持しつつも、摩耗を防止し、高い強度を有することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明に係る自然舗装道用舗装材は、真砂土と、砂と、粉体固化材とが混合されていることを特徴としている。真砂土は、絶乾状態で全舗装材に対して、30重量%〜50重量%含まれることが好ましく、より好ましくは40重量%〜50重量%、さらに好ましくは40重量%〜45重量%である。真砂土が、30重量%よりも少ないと、自然土としての風合いを損ない、50重量%よりも多いと舗装道が摩耗しやすくなる。なお、原料となる真砂土は、材料移送型、材料撹拌型又は熱風移送型などの乾燥機に投入して、乾燥されたものが使用される。
真砂土は、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」で規定された粒径で、5.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm〜3.0mmである。真砂土の粒径が、0.5mm未満ならば、自然土のような凹凸感を損ない、5.0mmを超えると、砂と混合したときの分散性が悪くなり、強度のばらつきや土の風合いが低減することとなる。また、真砂土の粒度分布は、粒径が0.5mm以下のものが20%〜30%、粒径が0.5mm〜1.2mmのものが40%〜50%、粒径が1.2mm〜3.0mmのものが10%〜20%、粒径が3.0mm〜5.0mmのものが10%〜20%配合されていることが好ましい。
砂は、絶乾状態で全舗装材に対して、30重量%〜50重量%含まれることが好ましく、より好ましくは30重量%〜40重量%、さらに好ましくは35重量%〜40重量%である。砂が、30重量%よりも少ないと、舗装道の強度を得ることができず、50重量%よりも多いと、舗装道の強度が高くなりすぎて、自然土のような柔軟性を損なうこととなる。
なお、本発明における砂としては、珪砂、川砂、輸入砂、海洋採取砂、再生砂又はダム堆積砂などで、粒径が0.5mm〜5.0mmのものを使用する。上記砂は、ロータリーキルン方式で、絶乾状態になるまで高温焼成させたものを使用するか、既製品の乾燥砂をそのまま使用する。そして、乾燥された砂を規定値のふるいにかける。なお、天日などによる自然乾燥された砂は、完全乾燥が不完全なため好ましくない。
砂は、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」で規定された粒径で、5.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm〜3.0mm、さらに好ましくは1.5mm〜2.0mmである。砂の粒径が、0.5mm未満ならば、舗装道の強度が弱くなり、5.0mmを超えると、その他の材料と混合したときに均一に分散することができず、舗装道の最適な強度を得ることができない。
なお、前記真砂土及び砂は、天然の素材であるので、産出地域や気候などの条件により、粒度分布に若干のばらつきが生じる。そこで、上記重量比の範囲内で、粒度分布を調整することが可能である。
粉体固化材は、絶乾状態で全舗装材に対して、10重量%〜30重量%含まれることが好ましく、より好ましくは、15重量%〜25重量%である。粉体固化材が、10重量%よりも少ないと、真砂土と砂との結合力が弱くなり、30重量%よりも多いと舗装道の強度は高くなるが、自然舗装道としての風合いを失う。粉体固化材としては、セメント、石灰、マグネシウムなどを用いることができる。これら粉体固化材は、単品でも、または複数混合して使用しても構わない。本実施形態では、例えば、普通ポルトランドセメント及び高炉セメントなどのセメント系固化材、生石灰及び消石灰などの石灰系固化材、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び塩化マグネシウムなどの粉体マグネシウムなどの粉体固化材を使用することができる。
なお、舗装構造体の強度を増加または維持させるために、上記粉体固化材に、増強剤を添加してもよい。増強剤としては、早強セメント、ケイ酸ソーダ、粉末樹脂、高炉スラグ、フライアッシュなどがある。
次に、本発明の舗装材を得る方法について説明する。まず、所定量の乾燥真砂土に、所定量の乾燥砂を添加、配合し粒度が一定になるように調整する。このとき、真砂土は天然のものであるので、粒度分布が一定でない場合がある。そこで真砂土の粒度分布を予め計測し、上述した真砂土の好ましい粒度分布から外れる場合は、砂の粒度で調整するようにする。次に、混合された真砂土及び砂に、さらに、粉体固化材を添加し、混合する。以上の作業により、本発明の舗装材を得ることができる。
次に、自然舗装道用舗装材の舗装方法について説明する。
まず、混合された舗装材を舗装する施工場所に敷設し、均一な厚さに均す。敷設厚さは30mm〜50mmで、平均40mmが好ましい。敷設厚さが30mm未満になると強度が弱くなり、50mmを超えると転圧の圧力が効かなくなる。もし、敷設厚さを50mm以上にしたい場合は、一旦50mmの厚さで敷設後転圧し、残りの舗装材を敷設して転圧すればよい。敷き均された舗装材は、転圧機を使用して適度に締め固める。転圧機としては、1000kg未満のハンドガイドローラーを用いることができる。好ましくは、20kg〜50kgの軽量ローラーを使用する方がよい。
舗装材を転圧後、舗装材表面に均一に散水する。水道があれば霧状にして散水し、なければジョウロなどでやわらかく散水する。散水量は敷設厚さの2/3程度まで浸透する量が好ましい。例えば、敷設厚さが平均40mmならば、散水量は3kg/m2〜5kg/m2である。
舗装材の表面に散水後、10分〜20分含浸させた後に、ローラを用いてさらに転圧を行う。詳しくは、20kg〜50kgの軽量ローラーを用いて、数回往復させながら均等に転圧を行う。そして、締め固まり具合により、さらに重りを装着してもよく、最大100kgまで重量圧力を上げることが可能である。なお、ローラーが通らない施工場所では、板状のものでたたき締めてもよい。また、底が平面の下駄を履いて踏み固めてもよい。こうして、所定の固さになるまで、連続して転圧を行う。所定の固さとは、山中式土壌硬度計を用いて測定した値が、23mm以上の硬度指数であることが好ましい。硬度指数23mmとは、10.00kg/cm2の支持力強度を有することであり、例えば、体重70kgの人が全体重をかけても跡が残らない程度の固さである。つまり、歩行しても凹凸ができない程度の固さである。
なお、上記舗装方法は、散水後転圧し、強制的に締め固める方法を採用する以外にも、散水後に自然硬化させてもよい。それ以外にも、水に水系のエマルジョンを添加したものを混練し、打設するようにしてもよく、散水する水に水系のエマルジョンを添加しても構わない。水系のエマルジョンとしては、エチレン酢酸ビニルなどのEVA系エマルジョン、特殊合成ゴムラテックスなどのSBR系エマルジョン、アクリル酸エステルなどのアクリル系エマルジョンなどがある。水系のエマルジョンを添加すると、浸透性が良く舗装材の細部まで浸透し気密性、防水性、弾力性、耐候性が高まり耐久性が向上する。
上記舗装方法により製造した自然舗装道は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準じて、φ50cm×100cmの供試体において測定した圧縮強度が、18N/mm2以上であることが好ましい。より好ましくは、23N/mm2〜30N/mm2である。圧縮強度が18N/mm2未満ならば、車道など強度を必要とする場所に舗装するための十分な強度を得ることができない。また圧縮強度が30N/mm2を超えると、強度が高すぎて、自然道としての風合いを有することができない。
本発明における舗装材によれば、真砂土、砂及び粉体固化材を混合したので、自然土の風合いを維持しつつ、こしのある舗装材に仕上げることができる。また、この舗装材を使用する舗装方法によれば、散水後ローラを用いて転圧しても、ローラの表面に真砂土が付着することがないので、高い強度を有する舗装道に仕上げることができる。さらに、散水後の転圧で、舗装面を締め固めることができるので、表面の摩耗を防止すると共に、従来、表面の凹凸に雨水が滞留して発生していたコケの原因を抑えることができる。従って、本発明の舗装道は、遊歩道や、広場など、景観を重視する地面の舗装に限られず、駐車場や車道など、強度を必要とする地面にも舗装することが可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(i)舗装材の材料
本実施例及び比較例で使用する舗装材の材料を以下に示す。
真砂土:香川県さぬき市大川町〜白鳥町の讃岐山脈で採取したもの
砂:宇部珪砂3号A(粒径0.8mm〜3.3mm)、5号A(粒径0.3mm〜2.4mm)
粉体固化材:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント(株)製)
本実施例及び比較例で使用する舗装材の材料を以下に示す。
真砂土:香川県さぬき市大川町〜白鳥町の讃岐山脈で採取したもの
砂:宇部珪砂3号A(粒径0.8mm〜3.3mm)、5号A(粒径0.3mm〜2.4mm)
粉体固化材:普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント(株)製)
(ii)真砂土の調整
まず、採取された真砂土を3mmに粉砕し(工程1)、ロータリーキルン方式で高温焼成を行った(工程2)。このとき、真砂土の温度が125℃以上のものは、次の工程へ移るが、125℃以下の真砂土は工程2へ戻り、再度焼成を行うようにした。
まず、採取された真砂土を3mmに粉砕し(工程1)、ロータリーキルン方式で高温焼成を行った(工程2)。このとき、真砂土の温度が125℃以上のものは、次の工程へ移るが、125℃以下の真砂土は工程2へ戻り、再度焼成を行うようにした。
次に、工程2を通過した真砂土は、3mmメッシュのふるいにかけた。このとき、ふるいを通過できない真砂土は、工程1に戻り、再度粉砕を行った。そして、ふるいを通過した真砂土は絶乾状態となり、このとき、真砂土中の種子や微生物などの除去も行われる。
(iii)砂の粒径の違いによる圧縮強度の比較
JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて、砂の粒径の違いによる圧縮強度の測定を行った。
JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて、砂の粒径の違いによる圧縮強度の測定を行った。
iii−1)供試体の作製
まず、表1に示す各粒径の砂をそれぞれ20重量%、3.0mm以下の真砂土を60重量%、及び粉体固化材を20重量%混合し、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて、φ50cm×100cmの供試体を作製した。砂の粒径の違いによる圧縮強度の値を表1に示す。
まず、表1に示す各粒径の砂をそれぞれ20重量%、3.0mm以下の真砂土を60重量%、及び粉体固化材を20重量%混合し、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて、φ50cm×100cmの供試体を作製した。砂の粒径の違いによる圧縮強度の値を表1に示す。
iii−2)試験結果による考察
表1より、砂の粒径が0.5mm以下のとき、圧縮強度の値は小さく、13N/mm2であった。このとき、供試体にヘアークラックが発生し、さらに白華の発生で全体的に白っぽい色であった。しかも、この供試体の材料から作製した舗装材はモルタルのような質感を有し、また、散水時に大きなエアーの膨れが発生し穴が開いてしまった。
表1より、砂の粒径が0.5mm以下のとき、圧縮強度の値は小さく、13N/mm2であった。このとき、供試体にヘアークラックが発生し、さらに白華の発生で全体的に白っぽい色であった。しかも、この供試体の材料から作製した舗装材はモルタルのような質感を有し、また、散水時に大きなエアーの膨れが発生し穴が開いてしまった。
砂の粒径が、0.5mm〜1.5mmのとき、圧縮強度は17N/mm2で比較的高く、分散性もよかった。このとき、供試体にヘアークラックがわずかに発生し、白華も部分的に発生した。この供試体の材料から作製した舗装材は、散水時に所々にエアーの膨れが発生した。
砂の粒径が1.5mm〜2.0mmのとき、圧縮強度の値は高く、19N/mm2であった。しかし、分散性がわずかに劣り、一部に材料の片寄りが生じた。供試体にはクラックが見られず、わずかに目視できる程度の白華があった。
砂の粒径が2.0mm〜3.0mmのとき、圧縮強度の値は高く、22N/mm2であった。しかし、砂の粒子が粗くなるので分散性がやや悪かった。供試体には、クラックが見られず、白華もなかった。
砂の粒径が3.0mm〜5.0mmのとき、圧縮強度は、24N/mm2であり、強度は非常に高かった。しかし、砂の粒子が粗くなるので、分散性がやや悪く、粒子のばらつきが目立った。供試体には、クラックが見られず、白華もなかった。
iii−3)まとめ
以上の結果から、砂の粒径が小さすぎると、散水時に吸水性が悪く、さらに、浸透時にエアーでドーム状に膨れ上がるため、穴が開き、舗装道としての風合いを損なうおそれがある。一方、砂の粒径が大きいと高い強度を得ることができるが、材料が均一に分散せず、舗装表面に凹凸や溝が発生し、景観を損なうことがある。従って、砂の粒径は、0.5mm〜3.0mmがより好ましく、さらに好ましくは、1.5mm〜2.0mmである。
以上の結果から、砂の粒径が小さすぎると、散水時に吸水性が悪く、さらに、浸透時にエアーでドーム状に膨れ上がるため、穴が開き、舗装道としての風合いを損なうおそれがある。一方、砂の粒径が大きいと高い強度を得ることができるが、材料が均一に分散せず、舗装表面に凹凸や溝が発生し、景観を損なうことがある。従って、砂の粒径は、0.5mm〜3.0mmがより好ましく、さらに好ましくは、1.5mm〜2.0mmである。
iv)砂の添加量の違いによる圧縮強度の比較
(実施例1〜5,比較例1,2)
JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて、砂の有無及び砂の添加量の違いによる圧縮強度の測定を行った。
(実施例1〜5,比較例1,2)
JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に基づいて、砂の有無及び砂の添加量の違いによる圧縮強度の測定を行った。
iv−1)供試体の調整
まず、ふるいによって0.5mm〜3.0mmの粒径に調整された砂を用意した。砂、真砂土及び粉体固化材の各配合量を表2に示す。表2より、砂を配合したものを実施例1〜5とし、砂を含まないものを比較例1,2とした。そして、各配合量に基づいて供試体を作製し、圧縮強度の測定及び相対的な評価を行った。
まず、ふるいによって0.5mm〜3.0mmの粒径に調整された砂を用意した。砂、真砂土及び粉体固化材の各配合量を表2に示す。表2より、砂を配合したものを実施例1〜5とし、砂を含まないものを比較例1,2とした。そして、各配合量に基づいて供試体を作製し、圧縮強度の測定及び相対的な評価を行った。
iv−2)試験結果による考察
以下に、表2に示す評価について説明する。「土の風合い」に関する評価は、自然土のような手触りや凹凸感などの感触を有するものを○、やや自然土の風合いを有するものを△、自然土の風合いを有さないものを×とした。「分散性」の評価は、各材料が均一に分散されたものを○、やや均一に分散されたものを△、均一に分散されずに片寄りがあるものを×とした。次に、「強度」の評価は、圧縮強度が20N/mm2以上を○、圧縮強度が10〜20N/mm2を△、圧縮強度が10N/mm2以下を×とした。「景観」の評価は、自然土のような色調や粒子の分散状態など視覚的に良好なものを○、やや良好なものを△、コンクリートのような質感を有するものを×とした。
以下に、表2に示す評価について説明する。「土の風合い」に関する評価は、自然土のような手触りや凹凸感などの感触を有するものを○、やや自然土の風合いを有するものを△、自然土の風合いを有さないものを×とした。「分散性」の評価は、各材料が均一に分散されたものを○、やや均一に分散されたものを△、均一に分散されずに片寄りがあるものを×とした。次に、「強度」の評価は、圧縮強度が20N/mm2以上を○、圧縮強度が10〜20N/mm2を△、圧縮強度が10N/mm2以下を×とした。「景観」の評価は、自然土のような色調や粒子の分散状態など視覚的に良好なものを○、やや良好なものを△、コンクリートのような質感を有するものを×とした。
まず、実施例1は砂を30重量%混合したものであり、圧縮強度は、21N/mm2であった。この値は、砂の配合が他の実施例よりも少ないため、圧縮強度はやや小さいものの、十分に高い強度であった。また、真砂土の配合が多いためわずかに分散性が劣るものの、土の風合い及び景観は良好であった。
実施例2及び3は、それぞれ砂を35重量%、40重量%配合したものであり、圧縮強度はそれぞれ24N/mm2、27N/mm2と高い値であった。この圧縮強度の値は、比較例2の砂を配合しない場合の値(21N/mm2)よりも高く、砂の配合量を増加させることにより、強度の上昇をもたらすことがわかった。また、土の風合い、分散性及び景観の評価も良好であった。
実施例4及び5は、それぞれ砂を45重量%、50重量%配合したものであり、圧縮強度は、それぞれ28N/mm2、29N/mm2とさらに高い値であった。分散性の評価は、砂の配合が真砂土より多いとやや悪かった。また、土の風合い及び景観の評価は、真砂土の配合量が減少するため、実施例1〜3よりは、やや劣るものの、十分に土のような凹凸感及び自然色を有するものであった。
一方、比較例1は、砂を配合せず、真砂土を80重量%、粉体固化材を20重量%配合したものである。このときの圧縮強度は12N/mm2であり、非常に低い値であった。土の風合い及び景観の評価は、真砂土の配合量が多いため良好であった。しかし、真砂土は天然のものであるため、粒度が一定せず分散性の評価は非常に悪いものであった。
また、比較例2は、砂を配合せず、真砂土を65重量%、粉体固化材を35重量%配合したものである。このときの圧縮強度は21N/mm2と高い値を得たが、砂を配合した実施例と同等かそれよりも低い値であった。土の風合い及び景観の評価は、粉体固化材の配合量が多い分、コンクリートのような風合いが強く非常に悪いものであった。また、分散性の評価も、真砂土の配合量が多いため、非常に悪いものであった。
iv−3)まとめ
以上の結果から、実施例1〜5では、さらに、クラック及びエアードームの発生が見られなかった。これは、砂を配合したことにより、水と空気の流動性が向上し、かつ、乾燥収縮率が低減したためと考えられる。また、白華現象も生じることなく、これも砂を配合したことにより、毛細管現象が軽減されたものと思われる。一方、分散性については、砂の量が多すぎても、また少なすぎても、わずかに分散性がよくなかった。分散性を考慮すると、砂のより好ましい配分量は35重量%〜40重量%である。強度については、砂を配合することにより、真砂土及び粉体固化材のみからなる材料より強度が飛躍的に増加した。しかし、砂の添加量が多すぎると、強度の上昇は鈍化したが、十分に高い強度を維持することができた。
以上の結果から、実施例1〜5では、さらに、クラック及びエアードームの発生が見られなかった。これは、砂を配合したことにより、水と空気の流動性が向上し、かつ、乾燥収縮率が低減したためと考えられる。また、白華現象も生じることなく、これも砂を配合したことにより、毛細管現象が軽減されたものと思われる。一方、分散性については、砂の量が多すぎても、また少なすぎても、わずかに分散性がよくなかった。分散性を考慮すると、砂のより好ましい配分量は35重量%〜40重量%である。強度については、砂を配合することにより、真砂土及び粉体固化材のみからなる材料より強度が飛躍的に増加した。しかし、砂の添加量が多すぎると、強度の上昇は鈍化したが、十分に高い強度を維持することができた。
v)第二転圧による硬化度の比較
(実施例6,7、比較例3)
v−1)供試体の作製
砂の有無による第二転圧の効果を検討するために、上記実施例3及び比較例1の混合品を比較検討する対象とした。そして、実施例3の材料を配合後敷設し、散水直後に転圧した試験体を実施例6とし、実施例3の材料を配合後敷設し、散水を行った試験体を実施例7とし、比較例1の材料を配合後敷設し、散水を行った試験体を比較例3とした。
(実施例6,7、比較例3)
v−1)供試体の作製
砂の有無による第二転圧の効果を検討するために、上記実施例3及び比較例1の混合品を比較検討する対象とした。そして、実施例3の材料を配合後敷設し、散水直後に転圧した試験体を実施例6とし、実施例3の材料を配合後敷設し、散水を行った試験体を実施例7とし、比較例1の材料を配合後敷設し、散水を行った試験体を比較例3とした。
なお、上記各試験体を作製するにあたり、敷設の厚さは、40mmとし、散水量は、4.0kg/m2とした。また、実施例6においては、散水後15分含浸した後に転圧ローラをかけた。転圧ローラーは、φ216.3mm×500mmの一般構造用鋼管200Aのドラムを取り付けた総重量30kgのものを使用した。
v−2)硬化度の測定
硬化度の測定方法は、山中式土壌硬度計(No.352,(株)藤原製作所製)を使用した。そして、設定時間ごとに、上記各試験体中の3箇所の硬化度を測定し、平均値を求めた。結果を表3及び図1に示す。
硬化度の測定方法は、山中式土壌硬度計(No.352,(株)藤原製作所製)を使用した。そして、設定時間ごとに、上記各試験体中の3箇所の硬化度を測定し、平均値を求めた。結果を表3及び図1に示す。
v−3)試験結果による考察
実施例6,7では、初期状態において、比較例3よりもほぼ2倍高い硬度指数を得た。さらに、散水後に転圧を行った実施例6では、非常に高い硬度指数を得た。
実施例6,7では、初期状態において、比較例3よりもほぼ2倍高い硬度指数を得た。さらに、散水後に転圧を行った実施例6では、非常に高い硬度指数を得た。
図1は、表3の結果をグラフにしたものである。図より、実施例6,7及び比較例3では、散水後3時間までの硬度指数の上昇率がほぼ同じであった。しかし、比較例3では3時間以降の上昇率がかなり鈍化するのに対し、実施例6,7では、さらに安定した上昇率を示した。また、各試験体において、硬度指数が最も高い値になるまでの時間を比較すると、実施例6では、およそ5時間後、実施例7ではおよそ8時間後、比較例3では、およそ24時間後であった。
v−4)まとめ
以上の結果から、本発明の砂を配合した舗装材は、散水後転圧することにより、直ちに高い硬度を得た。また、同じ舗装材を敷設後散水し、転圧をしなかった場合でも、一定時間養生後、高い硬度を得ることができた。従って、砂を含有する舗装材は、砂を含まない舗装材よりも、高い強度を得、しかも、短時間で高い強度を有する舗装道に仕上げることができた。さらに、砂を含有する舗装材を敷設後散水し、転圧することにより、より高い硬度を有することができた。
以上の結果から、本発明の砂を配合した舗装材は、散水後転圧することにより、直ちに高い硬度を得た。また、同じ舗装材を敷設後散水し、転圧をしなかった場合でも、一定時間養生後、高い硬度を得ることができた。従って、砂を含有する舗装材は、砂を含まない舗装材よりも、高い強度を得、しかも、短時間で高い強度を有する舗装道に仕上げることができた。さらに、砂を含有する舗装材を敷設後散水し、転圧することにより、より高い硬度を有することができた。
Claims (8)
- 真砂土と、砂と、粉体固化材とが混合されていることを特徴とする自然舗装道用舗装材。
- 前記真砂土を絶乾状態で30重量%〜50重量%、前記砂を絶乾状態で30重量%〜50重量%、及び前記粉体固化材を絶乾状態で10重量%〜30重量%含有することを特徴とする請求項1記載の自然舗装道用舗装材。
- 前記真砂土の粒径が5.0mm以下、前記砂の粒径が5.0mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自然舗装道用舗装材。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自然舗装道用舗装材を敷き均す工程と、
前記敷き均した舗装材を転圧する第一転圧工程と、
前記転圧した舗装面上に散水する工程と、
前記散水した舗装面上をさらに転圧する第二転圧工程とを有することを特徴とする自然舗装道用舗装方法。 - 前記散水工程の散水量は、3.0kg/m2〜5.0kg/m2であることを特徴とする請求項4記載の自然舗装道用舗装方法。
- 前記第二転圧工程は、20kg/m2〜100kg/m2の圧力で転圧を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の自然舗装道用舗装方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自然舗装道用舗装材を敷き均し、
前記敷き均した舗装材を転圧し、
前記転圧した舗装面上に散水し、
前記散水した舗装面上をさらに転圧することにより固定されてなることを特徴とする自然舗装道。 - 圧縮強度が18N/mm2以上であることを特徴とする請求項7記載の自然舗装道。
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-
2004
- 2004-03-11 JP JP2004068545A patent/JP2005256387A/ja active Pending
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