JP2005256193A - 吸湿発熱性獣毛繊維製品及びその製造方法 - Google Patents

吸湿発熱性獣毛繊維製品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】獣毛繊維表面の性質を損なわせずに吸湿発熱性を向上させる事で、保温性を高めた獣毛繊維製品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の吸湿発熱性獣毛繊維製品は、獣毛繊維に吸湿発熱性を付与した獣毛繊維製品であって、前記獣毛繊維中のジサルファイド(−S−S−)結合の少なくとも一部を還元剤溶液中で還元切断してメルカプト基(−SH)を生成させ、前記メルカプト基に不可逆性ブロック基を化学結合させている。前記還元剤は、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオグリコール酸及びその塩等であり、前記不可逆性ブロック基を化学結合させるための反応性化合物は酸無水物、イソシアナート等である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸湿発熱性が向上された獣毛繊維製品及びその製造方法に関する。
ウール等の獣毛繊維は、天然繊維では最も吸湿発熱性が高いものとしてよく知られている。吸湿発熱性は、乾燥した繊維が湿気(水分)を吸収する際に発熱する性質であり、例えば昼間天日に当てた布団を室内に取り込んで、数時間経過し室温と同じ温度になっていても、人体の皮膚を当てると暖かく感ずる現象として知られている。
従来、吸湿発熱性繊維の製造方法として、下記特許文献1には、アクリル系繊維のヒドラジン架橋処理、加水分解処理及びカルボキシル基の塩型への転換からなる高吸放湿性繊維及びその製造方法が提案されている。また、下記特許文献2には、タンパク質繊維以外の繊維に官能基としてアミン、ヒドロキシル及びカルボキシル基を単独または複数導入した湿潤発熱性繊維組成物およびその製造方法が提案されている。しかし、これらの方法は合成繊維に関するもので、獣毛繊維には適用することができなかった。下記特許文献3には、蛋白質系繊維表面に高吸湿性化合物を固着させた高湿潤発熱性獣毛蛋白質系繊維及びその製造方法が提案されている。しかし、この方法によると繊維表面の性質が変化するため、獣毛繊維本来の撥水性や風合いが損なわれるという問題があった。下記特許文献4では、繊維を水で膨潤させ、膨潤状態で多官能エポキシ系化合物を用いて架橋させた吸湿発熱性を有する繊維及びその製造方法が提案されている。しかし、この方法で獣毛繊維を処理した場合、水での膨潤度は十分大きいとはいえなかった。
特開平5-132858号公報 特開平8-311767号公報 特開2002-13075号公報 特開2002-115179号公報
本発明は前記従来の問題を改善し、獣毛繊維表面の性質を損なわせずに吸湿発熱性を向上させる事で、保温性を高めた獣毛繊維製品及びその製造方法を提供する。
本発明の吸湿発熱性獣毛繊維製品は、獣毛繊維に吸湿発熱性を付与した獣毛繊維製品であって、前記獣毛繊維中のジサルファイド(−S−S−)結合の少なくとも一部を還元剤溶液中で還元切断してメルカプト基(−SH)を生成させ、前記メルカプト基に不可逆性ブロック基を化学結合させたことを特徴とする。
本発明の吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法は、獣毛繊維に反応性化合物を結合させた吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法であって、前記獣毛繊維中のジサルファイド(−S−S−)結合の少なくとも一部を還元剤溶液中で還元切断してメルカプト基(−SH)を生成させ、前記メルカプト基(−SH)に反応して不可逆性ブロック基を形成する反応性化合物を化学結合させたことを特徴とする。
本発明は獣毛繊維間の結合を化学的に切断し、これをブロックすることにより、再結合を防止し湿気をより多く吸収できる。この結果、吸湿発熱性を向上させ、保温性の高い獣毛繊維製品を提供することができる。すなわち、獣毛繊維間のジサルファイド(−S−S−)結合の少なくとも一部を還元剤溶液中で還元切断し、メルカプト基(−SH)を生成させ、前記メルカプト基(−SH)に反応する反応性化合物を化学結合させてブロックする。これにより、ジサルファイド(−S−S−)結合に戻ることがなく、繊維間には隙間が多くなり、また湿気を吸収しやすい嵩高いバルクな構造となる。この結果、吸湿発熱性を向上できる。
さらに前記の作用効果により、本発明の獣毛繊維は、繊維間がバルキーになり、柔軟性及びストレッチ性が増し、風合いも向上する。
本発明の獣毛繊維製品とは、ウール・カシミヤ・モヘヤ・キャメル等の毛繊維を含有する製品をいう。他の繊維と混用しても良いが、十分な吸湿発熱性を得るために獣毛繊維の混用率が30%以上であることが好ましい。製品の形態としては、原綿、トップ、糸、織物、編物、フェルト、不織布等を挙げる事ができる。
本発明に用いる還元剤とは、毛織物や頭髪のセットまたは還元処理に用いられている一般的な薬剤をいう。具体的には、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、等の亜硫酸塩類、チオグリコール酸及びその塩、メルカプトコハク酸及びその塩、システイン酸及びその塩、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトエタノール、等のチオール類、トリブチルホスフィン、ヒドロキシメチル塩化ホスホニウム、トリス−3−ヒドロキシプロピルホスフィン等のホスフィン類が挙げられる。
本発明において不可逆性ブロック基とは、通常の使用状態ではメルカプト基(−SH)がジサルファイド(−S−S−)結合に再び戻ることがない結合基をいう。このために使用する反応性化合物は、メルカプト基と反応する官能基を含有した化合物である。官能基は単独でも良いが、複数含有する方が好ましい。具体的には次の一般式に示す官能基を含有する反応染料及び化合物が挙げられる。
(1)α-ブロモアクリルアミド(R-NHCOCBr=CH2)
(2)スルファトエチルスルホン(R-SO2CH2CH2OSO3H)
(3)N-メチルタウリンエチルスルホン(R-SO2CH2CH2-NCH3-CH2CH2-SO3H)
(4)ビニルスルホン(R-SO2-CH=CH2)
(5)下記式(化1)で示されるジフルオロクロロピリミジン
Figure 2005256193
(6)下記式(化2)で示されるジクロロピリミジン
Figure 2005256193
(7)下記式(化3)で示されるトリクロロピリミジン
Figure 2005256193
(8)下記式(化4)で示されるモノクロロトリアジン
Figure 2005256193
(9)下記式(化5)で示されるジクロロトリアジン
Figure 2005256193
(10)イソシアナート(R-N=C=O)
(11)イソチオシアナート(R-N=C=S)
(12)下記式(化6)で示されるエポキシ化合物
Figure 2005256193
(13)ブンテ塩 (R-S-SO3 -)
(14)酸無水物(R-CO-O-CO-R)
(15)下記式(化7)で示される環状酸無水物
Figure 2005256193
(16)下記式(化8)で示されるマレイミド
Figure 2005256193
前記一般式中のRはアルキル基、アリール基、発色団基、等であり特に限定はされない。
さらに、R中に親水性基を単独または複数含有する化合物が好ましい。親水性基としては−OH、−NH2、−COOH、−COONa、−SO3H、−SO3Na、−(RO)n−(但し、Rはアルキル基、−COO−、−CO−NH−)等が挙げられる。
本発明の吸湿発熱性の向上された獣毛繊維製品は、獣毛繊維中のジサルファイド結合を還元剤水溶液中で還元切断し、十分膨潤させ、次いで、生じたメルカプト基に反応性化合物を反応させて得られる。獣毛繊維中のジサルファイド結合の1%以上を還元剤水溶液中で還元切断し、次いで、生成したメルカプト基に反応性化合物を反応させるのが好ましい。
還元処理及び反応性化合物処理の処理装置は浸漬処理の可能な装置であれば何でもよく、製品の形態に応じ、トップ染め機、糸染め機、反染め機等の一般的な染色機を用いる事ができる。浴比は処理装置が動作する範囲で可能な限り低いほうが経済的に好ましい。
還元剤の使用濃度は用いる還元剤の還元力により異なるが0.1%owf(owfはon the weight of fiberの略)〜80%owfの範囲が好ましく、効果とコストを考えると1%owf〜30%owfの範囲がより好ましい。
還元処理の温度は40℃以上106℃以下が好ましい。処理温度が低すぎるとメルカプト基の生成が少なく、高すぎると獣毛繊維の品質が劣化する。還元処理のpHは4以上11以下が好ましい。pHが低過ぎるとメルカプト基の生成が少なく、高すぎると獣毛繊維の品質が劣化する。さらに、特開2002−155467にあるように、還元剤がカルボン酸を含むチオール化合物(例えば、チオグリコール酸及びその塩、メルカプトコハク酸及びその塩等)から選ばれる場合は処理中に処理浴のpHを酸性からアルカリ性へと変化させる事が好ましい。還元処理の時間は10〜60分が好ましい。短すぎるとメルカプト基の生成が少なく、長すぎると経済的にコスト増となる。
反応性化合物処理は乾燥工程をはさまず還元処理に引き続き行うのが好ましい。乾燥工程をはさむと空気酸化により生成したメルカプト基がジスルフィド結合に再結合するため反応性化合物の反応率が小さくなる。
反応性化合物の使用濃度は化合物の分子量や反応性により異なるが0.1%owf〜80%の範囲が好ましく、効果とコストを考えると1%owf〜30%owfの範囲がより好ましい。
処理温度は40℃以上106℃以下が好ましい。温度が低いと反応率が低下し、高いと獣毛繊維の品質が劣化する。処理pHは4以上11以下が好ましい。pHが低いと反応率が悪く、高いと獣毛繊維の品質が劣化する。処理時間は10〜60分が好ましい。短いと反応率が悪く、長いと経済的にコスト増となる。
本発明により獣毛繊維の吸湿発熱性が向上する理由は、十分解明するに至っていないが、概ね次のように考えられる。即ち、獣毛繊維のジスルフィド結合を切断し、生成したメルカプト基に反応性化合物を反応させることで、ジスルフィド結合の再生が抑制される。そのため、ジスルフィド結合による繊維分子間の拘束力が弱まり、分子間隙が広がる事で水蒸気が浸透しやすくなる。その結果、吸湿発熱性が向上すると考えられる。また、反応性化合物が親水性基を有していれば、水蒸気との親和性は高まり、吸湿発熱性の向上に有利に働くと考えられる。また、反応性化合物が多官能性化合物であれば、メルカプト基との反応率が増加するとともに一部に架橋が形成され、水蒸気が進入するための分子間隙が安定化すると考えられる。
本発明の繊維製品としては、その種類は問わないが、綿、トップ、糸、織物、編物、フェルト及び不織布から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。また、前記繊維製品が、スポーツ衣料品、肌着、スーツ、ユニフォーム、手袋、靴下、帽子、中入れ綿衣料品又は布団であってもよい。
本発明の獣毛繊維は、防縮、脱スケール、延伸、放電等の処理をされた獣毛繊維も含まれ、前記処理をしていない繊維も含まれる。防縮処理の方法としては、下記非特許文献(1)に挙げられる塩素化法、酸化法、塩素化/樹脂法等及び下記非特許文献(2)のオゾン法等が挙げられる。脱スケール処理としては下記文献(3)による方法が挙げられる。延伸処理としては下記非特許文献(4)の延伸/セット法が挙げられる。放電処理は下記非特許文献5にあるコロナ放電や低温プラズマ放電法が挙げられる。
(1)「染色工業」Vol.41,No.7,350-363頁,1993年,改森道信
(2)「繊維機械学会誌」Vol.55,N0.9,340-344頁,2002年,唐川忠志、梅原亮
(3)「染色工業」Vol.41,No.11,566-569頁,1993年,改森道信
(4)「繊維機械学会誌」Vol.52,No.8,348-351頁,1999年,長澤則夫
(5)「染色工業」Vol.41,No.11,569-575頁,1993年,改森道信
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(1)吸湿発熱性評価試験
試料布帛の表面に温度センサーを取り付け、恒温恒湿装置内に入れ、30℃、相対湿度40%RHで2時間調湿する。次に表面温度の測定(20秒間隔でデータ採取)を開始し、30分後に温湿度を30℃、90%RH変化させ、さらに60分間測定を継続した。
このとき、比較例と実施例は同時に測定したデータを比較した。測定を別に行うと恒温恒湿内の微妙な温度変化の影響で正確な比較ができない。
(2)試料
試料は羊毛100%、48番手双糸使いの2/2綾織物を用いた。実施例1〜3と比較例1は未染色生地、実施例4〜5と比較例2は先染め品、実施例6と比較例3は未染色クロイ加工(防縮加工によるスケール除去品)生地とした。
(実施例1)
メルカプトコハク酸2%owf、浴比1:20で65℃、20分処理し、アンモニア水4%owfを加え、さらに65℃、20分処理した。引き続き、浴を変え、デナコールEX313(グリセロールポリグリシジルエーテル(親水性基含有多官能エポキシ化合物)、ナガセケムテックス株式会社)5%owf、浴比1:20で90℃、30分処理を行った。処理後ホフマンプレス仕上げを行い、吸湿発熱性が向上された織物を得た。
(実施例2)
メルカプトコハク酸2%owf、浴比1:20で65℃、20分処理し、アンモニア水4%owfを加え、さらに65℃、20分処理した。引き続き、浴を変え、無水コハク酸5%owf、浴比1:20で90℃、30分処理を行った。処理後ホフマンプレス仕上げを行い、吸湿発熱性が向上された織物を得た。
(実施例3)
重亜硫酸アンモニウム10%owf、浴比1:20、65℃、40分処理した。引き続き、浴を変え、デナコールEX171(ラウリルアルコール(EO)15グリシジルエーテル(親水性基含有エポキシ化合物)、ナガセケムテックス株式会社)5%owf、浴比1:20で90℃、30分処理を行った。処理後ホフマンプレス仕上げを行い、吸湿発熱性の向上された織物を得た。
(比較例1)
前記実施例1〜3に用いた試料の未処理品を比較例1とした。
本発明の実施例1と比較例1の吸湿発熱性評価試験の測定結果を図1に、また、実施例2及び実施例3と比較例1の測定結果を図2に示した。図1及び図2から明らかな通り、実施例1〜3はともに比較例1に比べ最高到達温度が高く、かつその効果は1時間以上持続していることが確認できた。
(実施例4)
生産現場の染色機を用いて処理し、仕上げも通常の工程で行った。試料は羊毛100%48番手双糸使いの2/2綾織物(先染め品)を用いた。
メーター染色機を用い、メルカプトコハク酸2%owf、非イオン性界面活性剤0.1g/L、浴比1:20で65℃、20分処理し、アンモニア水4%owfを加え、さらに65℃、20分処理した。引き続き、浴を変え、デナコールEX313(グリセロールポリグリシジルエーテル(親水性基含有多官能エポキシ化合物)、ナガセケムテックス株式会社)3%owf、浴比1:20で90℃、20分処理を行った。処理後は通常の仕上げ工程を通し、吸湿発熱性が向上された織物を得た。
評価結果は後にまとめて表1に示す。
(実施例5)
メーター染色機を用い、CobralM/M(重亜硫酸アンモニウム、Lamberti社(伊))20%owf、非イオン性界面活性剤0.1g/L、浴比1:20、65℃、40分処理した。引き続き、浴を変え、デナコールEX313(グリセロールポリグリシジルエーテル(親水性基含有多官能エポキシ化合物)、ナガセケムテックス株式会社)3%owf、浴比1:20で90℃、20分処理を行った。処理後は通常の仕上げ工程を通し、吸湿発熱性が向上された織物を得た。
(比較例2)
羊毛繊維の還元切断処理と不可逆性ブロック基を化学結合させるための反応性化合物の付与をするためのメーター染色機での処理を行わず、他は実施例4、5と同じ仕上げ工程を通し、比較例2の織物を得た。
以上の実施例4,5及び比較例2のKES測定値(風合い値)を表1に示した。ここでKES測定値(風合い値)とは、当業界で一般的に行われている測定方法で、日本家政学会編「被服と資源の被服材料」、57〜84頁、1989年12月10日、朝倉書店発行に記載されている。
また、実施例4,5と比較例2の吸湿発熱性測定結果を図3に示した。図3から明らかな通り、実施例4〜5はともに比較例2に比べ最高到達温度が高く、かつその効果は1時間以上持続していることが確認できた。
Figure 2005256193
表1より実施例4,5は比較例に比べ、曲げとせん断力が低いことから柔軟性があり、及びタテ、ヨコとも伸び率が高いことからストレッチ性が増し、ふくらみが高いことから風合いも向上していることが確認できた。
(実施例6)
試料はクロイ/樹脂法による防縮羊毛100%、48番手双糸、2/2綾織物を使用し、実施例1と同様に還元剤溶液中で還元切断してメルカプト基(−SH)を生成させ、このメルカプト基(−SH)に反応して不可逆性ブロック基を形成する反応性化合物を化学結合させる処理をした。
(比較例3)
実施例6と同じ織物の未処理品を比較例3とした。
以上の実施例6及び比較例3の吸湿発熱性評価試験の測定結果を図4に示す。図4から明らかな通り、実施例6は比較例3に比べ最高到達温度が高く、かつその効果は1時間以上持続していることが確認できた。
本発明の実施例1と比較例1の吸湿発熱性評価試験の測定データを示すグラフ。 本発明の実施例2,3と比較例1の吸湿発熱性評価試験の測定データを示すグラフ。 本発明の実施例4,5と比較例2の吸湿発熱性評価試験の測定データを示すグラフ。 本発明の実施例6と比較例3の吸湿発熱性評価試験の測定データを示すグラフ。

Claims (12)

  1. 獣毛繊維に吸湿発熱性を付与した獣毛繊維製品であって、
    前記獣毛繊維中のジサルファイド(−S−S−)結合の少なくとも一部を還元剤溶液中で還元切断してメルカプト基(−SH)を生成させ、
    前記メルカプト基に不可逆性ブロック基を化学結合させたことを特徴とする吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  2. 前記不可逆性ブロック基が親水性基を含む請求項1に記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  3. 前記不可逆性ブロック基が多官能性基を含む請求項1又は2に記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  4. 前記還元剤が、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオグリコール酸及びその塩、メルカプトコハク酸及びその塩、システイン酸及びその塩、チオール、ホスフィン類から選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  5. 前記反応性化合物が、酸無水物、イソシアナート、イソチオシアナート、ビニルスルホン、エポキシ化合物及びアルキレンオキサイド化合物から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  6. 前記繊維製品が、綿、トップ、糸、織物、編物、フェルト及び不織布から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜5のいずれかに記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  7. 前記繊維製品が、スポーツ衣料品、肌着、スーツ、ユニフォーム、手袋、靴下、帽子、中入れ綿衣料品又は布団である請求項1〜6のいずれかに記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品。
  8. 獣毛繊維に反応性化合物を結合させた吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法であって、
    前記獣毛繊維中のジサルファイド(−S−S−)結合の少なくとも一部を還元剤溶液中で還元切断してメルカプト基(−SH)を生成させ、
    前記メルカプト基(−SH)に反応して不可逆性ブロック基を形成する反応性化合物を化学結合させたことを特徴とする吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法。
  9. 前記反応性化合物が親水性基を含む請求項8に記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法。
  10. 前記反応性化合物が多官能性化合物を含む請求項8又は9に記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法。
  11. 前記還元剤が、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオグリコール酸及びその塩、メルカプトコハク酸及びその塩、システイン酸及びその塩、チオール、ホスフィン類から選ばれる少なくとも一つである請求項8又は9に記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法。
  12. 前記反応性化合物が酸無水物、イソシアナート、イソチオシアナート、ビニルスルホン、エポキシ化合物及びアルキレンオキサイド化合物から選ばれる少なくとも一つである請求項8〜11のいずれかに記載の吸湿発熱性獣毛繊維製品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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