JP2005256035A - 電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、パーソナルコンピュータ、デジタルビデオカメラ(DVC)機器、デジタルスチルカメラ(DSC)機器、ミニディスク(MD)機器、移動体通信機器等のポータブル機器に使用される電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材に関し、実装強度及び部品破壊強度に優れる電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材を提供することを目的とする。
【解決手段】弾性体で形成されたマスク用部材19に設けた穴部21にフェライトコア17を挿入してめっき液に浸漬し、マスク用部材19をマスクとしてマスク用部材19と接触しないフェライトコア17の鍔部17aを無電解めっき法を用いてめっきして、内部電極11を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、パーソナルコンピュータ、デジタルビデオカメラ(DVC)機器、デジタルスチルカメラ(DSC)機器、ミニディスク(MD)機器、移動体通信機器等のポータブル機器に使用される電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材に関する。
特許文献1には、ドラム型フェライトコアに金属をマスクスパッタした後、当該金属上にニッケル(Ni)と銅(Cu)をこの順にめっきしてインダクタの電極部分を形成する方法が開示されている。また、特許文献2には、フェライト部品の表面部分をマスキングした後、マスキングされていない表面部分にめっき導体を形成する方法が開示されている。
図8は、ポータブル機器に使用されている電子部品のうち、従来の巻線型のインダクタ51をプリント回路基板(PCB)7上に実装した状態を巻線63の中心軸を含む平面で切断した断面を示している。図8に示すように、インダクタ51は断面が略長方形状に形成されている。インダクタ51は、PCB7上に実装した状態で断面がH状に形成されたフェライトコア67を有している。フェライトコア67は円柱状の巻芯部67bと、巻芯部67bの両端に一体的に形成された直方体状の鍔部67aとを有している。巻芯部67bには巻線63が例えば2重に巻き回されており、鍔部67a上には内部電極61が形成されている。巻線63の両端部と内部電極61とは巻線端末部65で接続されている。
巻線63、巻線端末部65及び鍔部67a側面上に形成された内部電極61の外周囲を覆うように外装樹脂コート部55が形成されている。外装樹脂コート部55は巻線63の中心軸に対して略対称となるように、巻線端末部65と略一致する程度の厚さまで巻線63上に形成されている。内部電極61が露出する外装樹脂コート部55の両端部を覆うように外部電極53が形成され、外部電極53は内部電極61に電気的に接続されている。インダクタ51の電極は内部電極61と外部電極53との2層構造になっている。外部電極53はPCB7上に形成された半田ランド9に半田付けされ、この半田付けにより形成された半田フィレット10によって、インダクタ51はPCB7に実装されている。
特開平7−145485号公報 特開平7−201574号公報
近年のポータブル機器では、組み込まれる部品の小型化や薄型化が要求されている。さらに、低消費電力化の目的のため、インダクタ51には、直流抵抗の低抵抗化(低Rdc化)が要求されている。また、インダクタ51に代表されるチップ型表面実装部品において、銀ペーストを塗布して焼付けして外部電極を形成する場合、銀ペーストの塗布ばらつきが発生し、外部電極の寸法精度が悪くなったり、外部電極の厚さが厚くなったりしてしまう。例えば、長さが2.0mm、幅が1.25mm、高さが1.25mmの大きさの2012タイプのインダクタ51では、外部電極の厚さは40μm程度になる。このため、図8に示すように、インダクタ51の外装樹脂コート部55とPCB7との間隔dが長くなり、PCB7のたわみに対するインダクタ51の実装強度や部品破壊強度が低下してしまう。このため、インダクタ51がPCB7から外れたり、機械的に破損したりしてしまう問題を有している。また、上記の形成方法では、外部電極53の表面を平坦化することが困難なため、外部電極53と半田ランド9との接触面積が小さくなり、実装強度が一層低下してしまう問題を有している。
また、外部電極53や内部電極61に銀(Ag)のように比較的抵抗率の低い材料を用いると、外部電極53や内部電極61に渦電流が生じやすくなる。このため、外部電極53や内部電極61で渦電流損失が発生し、インダクタ51のインダクタンス特性が劣化してしまう問題を有している。
さらに、インダクタンス特性を向上させるためにNi等の比較的抵抗率が高く強磁性体の材料を外部電極53や内部電極61に用いるためには、フェライトコア67は非導電材料であるため、マスクスパッタ法を用いてフェライトコア67上にNi等を成膜しなければならなくなる。このため、製造コストが増加して、インダクタ51の高コスト化に繋がってしまう問題を有している。
本発明の目的は、実装強度及び部品破壊強度に優れる電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材を提供することにある。
また、本発明の目的は、電子部品がインダクタの場合には、インダクタンス特性に優れ、低Rdcの電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材を提供することにある。
上記目的は、弾性体で形成されたマスク用部材に設けた穴部に電子部品用部材を挿入してめっき液に浸漬し、前記マスク用部材をマスクとして前記マスク用部材と接触しない前記電子部品用部材外表面をめっきすることを特徴とする電子部品のめっき方法によって達成される。
上記本発明の電子部品のめっき方法であって、前記マスク用部材と前記電子部品用部材との接触面の少なくとも一部は、前記マスク用部材の弾性力により密着していることを特徴とする。
上記本発明の電子部品のめっき方法であって、無電解めっき法を用いて前記マスク用部材と接触しない前記電子部品用部材外表面をめっきすることを特徴とする。
上記本発明の電子部品のめっき方法であって、シリコンゴムで形成された前記マスク用部材を用いることを特徴とする。
上記本発明の電子部品のめっき方法であって、前記マスク用部材と接触しない前記電子部品用部材外表面に電極を形成することを特徴とする。
また、上記目的は、弾性部材と、前記弾性部材に形成され、電子部品用部材を挿入して前記電子部品用部材外表面の一部をマスクする穴部とを有すること特徴とするマスク用部材によって達成される。
上記本発明のマスク用部材であって、前記弾性部材は、鏡面状に形成された表面を有することを特徴とする。
上記本発明のマスク用部材であって、前記弾性部材は、シリコンゴムで形成されていることを特徴とする。
上記本発明のマスク用部材であって、前記弾性部材は、前記穴部を複数有することを特徴とする。
上記本発明のマスク用部材であって、前記電子部品用部材の挿入方向にほぼ直交する前記穴部の断面形状は、同方向に測った前記電子部品用部材の断面形状に相似形であることを特徴とする。
上記本発明のマスク用部材であって、前記弾性部材は、前記穴部を開口する開口部を備えた平板状の補強部材を内包していることを特徴とする。
上記本発明のマスク用部材であって、前記補強部材は、金属板又は樹脂板で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、実装強度及び部品破壊強度に優れる電子部品を製造できる。
また、本発明によれば、インダクタンス特性に優れ、低Rdcのインダクタを製造できる。
本発明の一実施の形態による電子部品のめっき方法及びそれに用いるマスク用部材について図1乃至図7を用いて説明する。本実施の形態では、電子部品として、発振回路の一構成要素やスイッチング電源のリップル除去等に用いられるインダクタを例にとって説明する。図1は、巻線型のインダクタ1をプリント回路基板(PCB)7上に実装した状態を示している。図1(a)は、インダクタ1の外観を示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)の仮想線A−Aで切断した断面を示している。
図1(a)に示すように、インダクタ1は外装樹脂コート部5の両端部に外部電極3が形成された直方体状の外形を有している。例えば、2012タイプのインダクタ1では、長さがl1=2.0mm、幅がw1=1.25mm、高さがt1=1.25mmの大きさに形成されている。PCB7上には配線12及び半田ランド9が形成されている。インダクタ1は外部電極3を半田ランド9に半田付けして半田フィレット10を形成することにより、半田ランド9と電気的及び機械的に接続されるようになっている。
図1(b)に示すように、インダクタ1は断面が略長方形状に形成されている。インダクタ1はフェライトで形成されたフェライトコア17を有している。フェライトコア17は、インダクタ1をPCB7上に実装した状態で断面がH状に形成されている。フェライトコア17は円柱状の巻芯部17bと、巻芯部17bの両端に一体的に形成された直方体状の鍔部17aとを有している。巻芯部17bには巻線13が例えば2重に巻き回されている。また、鍔部17aの巻芯部17bが形成されている面と反対側の面(表面部)と当該表面部に直交する面(側面部)上には、無電解めっき法を用いて、ニッケル(Ni)を6μmの厚さに成膜した内部電極11が形成されている。巻線13の両端部と内部電極11とは巻線端末部15で接続されている。
巻線13、巻線端末部15、鍔部17a側面部上に形成された内部電極11の外周囲を覆うように外装樹脂コート部5が形成されている。巻線13の中心軸に対して略対称となるように、外装樹脂コート部5は巻線端末部15と略一致する程度の厚さまで巻線13上に形成されている。内部電極11が露出する外装樹脂コート部5の両端部には、内部電極11に接続された外部電極3が形成されている。外部電極3は、鍔部17a表面部上に形成された内部電極11と外装樹脂コート部5端部を覆うように、無電解めっき法を用いて形成された下層電極3aを有している。さらに、外部電極3は、下層電極3aを下地膜として電解めっき法を用いて形成された上層電極3bを有している。このように、外部電極3は両電極3a、3bからなる2層構造になっている。下層電極3aはNiで膜厚3μmに形成され、上層電極3bは錫(Sn)で膜厚6μmに形成されている。従って、外部電極3の膜厚は9μmと非常に薄くなる。
これにより、インダクタ1の外装樹脂コート部5とPCB7との間隔dを短くすることができるので、PCB7のたわみに対するインダクタ1の実装強度や部品破壊強度が向上する。また、上記の形成方法によれば、外部電極3を平坦化することが容易なため、外部電極3と半田ランド9との接触面積は大きくなり、実装強度が一層向上して、インダクタ1の実装上の信頼性の向上を一層図ることができる。さらに、フェライトコア17の寸法をXYZ(長さ、幅、高さ)各方向にそれぞれ30μm大きくすることができる。これにより、インダクタ1のインダクタンスを大きくとることができる。
次に、本実施の形態によるインダクタ1の製造方法について図2乃至図6を用いて説明する。図2に示すように、断面H状のフェライトで形成されたフェライトコア(電子部品用部材)17を用意する。フェライトコア17は鍔部17aの両表面部間の長さがl2=1.9mm、巻芯部17bの長さがl3=1.2mm、鍔部17a表面部の一辺の長さがt2=1.1mmの大きさに形成されている。
まず、苛性ソーダ溶液を用いてフェライトコア17表面の脱脂処理を行う。これにより、フェライトコア17表面に付着している油脂やごみを除去する。次に、塩化第一錫、硝酸又は燐酸の水溶液を用いてフェライトコア17表面を粗面化する。次に、塩化パラジウム溶液を用いてフェライトコア17の触媒化処理を行う。フェライトコア17表面は荒らされているので、塩化パラジウムとの親和性が高められており、フェライトコア17の触媒化処理を十分に行うことができる。なお、触媒化処理は複数回行ってもよい。
次に、図3に示すように、マスク用部材19に設けた穴部21にフェライトコア17を挿入してめっき液に浸漬し、マスク用部材19をマスクとしてマスク用部材19と接触しないフェライトコア17の鍔部17aをめっきする。図3は、マスク用部材19を示している。図3(a)は、マスク用部材19の斜視図を示し、図3(b)は、図3(a)の仮想線B−Bで切断した断面を示している。
マスク用部材19は例えば、長さがl4=214mm、幅がw2=164mm、厚さがt3=1.3mmの平板状に形成されたシリコンゴム等の弾性部材で形成された平板部23と、平板部23にマトリクス状に複数形成され、フェライトコア17を挿入する円形状の穴部21とを有している。平板部23にシリコンゴムを用いる場合には、高重合度の線状のポリジメチルシロキサンあるいはその共重合体を中程度に架橋してゴム状弾性を示すようにしたシリコンゴムを用いる。また、平板部23には耐酸系シリコンゴムを用いてもよい。平板部23表面はマスク用部材19がめっきされないように、鏡面状に形成されている。
穴部21は平板部23を貫通して形成されている。フェライトコア17の挿入方向にほぼ直交する穴部21の直径は、巻芯部17bの直径より短く形成されている。図3(b)に示すように、平板部23は、金属板又は樹脂板等で形成され、穴部21を開口する開口部を備えた補強部材25を内包している。補強部材25により、平板部23は平坦な形状を維持できるようになっている。フェライトコア17の挿入方向にほぼ直交する穴部21の直径は、同方向の補強部材25の開口部の直径より短く形成されている。マスク用部材19は搬送等の便宜のために補強部材25を内包しているが、補強部材25を内包していなくてももちろんよい。
次に、図3(a)及び図3(b)に示すように、マスク用部材19の穴部21にフェライトコア17を挿入すると、穴部21は平板部23を貫通して形成されているので、鍔部17aのみが平板部23の上下面に突出し、巻芯部17bはマスク用部材19でマスクされる。マスク用部材19の厚さはt3=1.3mmであり、フェライトコア17の巻芯部17bの長さはl3=1.2mmであり、さらに、穴部21の直径は巻芯部17bの直径より短く形成されている。このため、マスク用部材19とフェライトコア17との接触面は、平板部23の弾性力により密着する。なお、フェライトコア17の挿入は作業者又は所定の挿入装置で行われる。
次に、図3(b)に示すように、フェライトコア17の鍔部17a以外の部分をマスク用部材19でマスクしたら、マスク用部材19を例えば、75℃に加温する。このとき、平板部23は熱膨張により厚さt3が厚くなり、鍔部17aの巻芯部17bが形成されている面(裏面部)と平板部23との密着性はさらに高まる。マスク用部材19を加温しないで用いる場合には、穴部21の穴加工は精度よく加工する必要がある。
次に、図4に示すように、マスク用部材19をNiのめっき液に浸漬し、無電解めっき法により、マスク用部材19でマスクされていない鍔部17aの表面部及び側面部に例えば、Niで膜厚6μmの内部電極11を形成する。内部電極11の膜厚はめっき時間を変えることにより任意に調整することができる。平板部23表面は鏡面状に形成されているので、マスク用部材19にめっき膜は付着しない。このため、マスク用部材19は容易に再生して繰り返し使用することができる。また、マスク用部材19全体をめっき液に浸漬して、マスク用部材19の上下面に突出した鍔部17aに同時に内部電極11を形成することができる。従って、マスク用部材19の上下面の一方に突出した鍔部17aに内部電極11を形成し、次いで他方の面に突出した鍔部17aに内部電極11を形成しなくてもよいので、製造工程を簡略化することができる。
マスク用部材19から取り外したフェライトコア17には、図5(a)に示すように、鍔部17aの表面部及び側面部のみに内部電極11が形成されている。次に、図5(b)に示すように、例えば銅(Cu)等の導電性材料で形成され、電流が流れる方向に直交する断面の直径が80μmの巻線13を巻芯部17bに例えば2重に巻き回し、次いで、圧着温度690℃で、巻線13の両端部と鍔部17a側面部上に形成された内部電極11との継線を行う。こうして、巻線13は巻線端末部15を介して内部電極11と電気的に接続される。
次に、図5(c)に示すように、非導電性樹脂にフェライトパウダーを混錬した外装樹脂コート部5を巻線13、巻線端末部15及び鍔部17a側面部上に形成された内部電極11を覆うように外装成型する。このとき、鍔部17a表面部上に形成された内部電極11上には、外装樹脂コート部5は形成されない。また、完成したインダクタ1の上下の方向性をなくすため、外装樹脂コート部5は巻線13の中心軸に対して略対称になるように形成される。
次に、図6(a)に示すように、鍔部17a上に形成された外装樹脂コート部5がマスク用部材19の上下面に突出するように、フェライトコア17をマスク用部材19に挿入する。フェライトコア17には外装樹脂コート部5が形成されている。このため、外装樹脂コート部5の巻線13の中心軸に略直交する断面の一辺の長さは同方向の巻芯部17bの断面の直径より大きくなっている。従って、外装樹脂コート部5と穴部21内壁との密着性は巻芯部17bと穴部21内壁との密着性より高くなる。
次に、図6(b)に示すように、マスク用部材19を例えば60℃に加温して、平板部23の弾性力と平板部23の熱膨張により外装樹脂コート部5とマスク用部材19との密着性を高めて穴部21内壁と外装樹脂コート部5との隙間をなくす。次いで、マスク用部材19をNiのめっき液に浸漬し、無電解めっき法により、マスク用部材19から露出している外装樹脂コート部5及び内部電極11上に、Niで膜厚3μmの下層電極3aを形成する。これにより、下層電極3aは内部電極11に電気的に接続される。下層電極3aの膜厚はめっき時間を変えることにより任意に調整することができる。下層電極3aの寸法が内部電極11の寸法と異なる場合には、別のマスク用部材を用いて下層電極3aを形成してももちろんよい。当該マスク用部材は弾性部材で形成されていればよく、耐酸系シリコンゴム等であってもよい。
図6(c)に示すように、マスク用部材19から取り除いたフェライトコア17には、鍔部17a表面部上に形成された内部電極11を覆って、外装樹脂コート部5の両端部上に下層電極3aが形成されている。次に、電解めっき法を用いて下層電極3aを下地膜としてSnで膜厚6μmの上層電極3bを形成する。これにより、下層電極3a及び上層電極3bからなる2層構造の外部電極3は内部電極11に電気的に接続される。上層電極3bの膜厚はめっき時間を変えることにより任意に調整することができる。こうして、図1に示すインダクタ1が完成する。
図7は、本実施の形態のインダクタ1及び従来のインダクタ51のインダクタンス特性を示している。横軸は周波数(MHz)を対数で表し、縦軸はインダクタンス(μH)を線形表示している。また、図中の曲線Aはインダクタ1の特性を表し、図中の曲線Bはインダクタ51の特性を表している。インダクタ1の電極部の構造は、内部側から順にフェライトコア17、Niで形成された内部電極11(膜厚6μm)、外装樹脂コート部5、Niで形成された下層電極3a(膜厚3μm)、Snで形成された上層電極3b(膜厚6μm)となっている。このように、インダクタ1の下層電極3a及び内部電極11は比較的抵抗率の低い銀、銀パラジウム又は銀合金で形成されず、比較的抵抗率が高く且つ強磁性体のNiで形成されているので、外部電極3や内部電極11に生じる渦電流は小さくなる。このため、外部電極3や内部電極11で渦電流損失が発生し難くなり、図7に示すように、インダクタ1は、インダクタ51に比べて50%程度のインダクタンス特性の向上が図られる。
一般に、ソレノイドコイルのインダクタンスは巻線の巻数の2乗と長さに比例し、抵抗値は巻線の長さに比例する。従って、インダクタンス特性は多少低下するものの、インダクタ1の巻線13の巻数を減らして長さを短くすることにより、インダクタ1は低Rdc化を図ることができる。例えば、インダクタ1の巻線13の巻数を減らすことにより、インダクタ51と同程度のインダクタンス特性を有し、且つ低Rdc化されたインダクタ1を形成することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、フェライトコア17の巻芯部17bをマスク用部材19でマスクして、マスク用部材19の弾性力と熱膨張によりフェライトコア17とマスク用部材19との密着性を高めて隙間をなくし、無電解めっき法を用いて露出した鍔部17a上にNi、Cu、Sn等の内部電極11を形成することができる。同様の方法により、外装樹脂コート部5や内部電極11上に外部電極3を形成することができる。これにより、2012サイズのインダクタ1においては、外部電極3の膜厚を9μmと非常に薄く形成することができる。従って、インダクタ1の外装樹脂コート部5とPCB7との間隔dを短くすることができ、PCB7のたわみに対するインダクタ1の実装強度や部品破壊強度は向上する。
さらに、マスクスパッタ法を用いずに安価な無電解めっき法によりフェライトコア17上にNi等を形成することができるので、製造コストの低下を図ることができる。またさらに、外部電極3に高価な銀ペースト、銀パラジウムペースト又は銀合金ペーストを用いなくてもよいので、インダクタ1の低コスト化を図ることができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、複数の穴部21を有するマスク用部材19、27で内部電極11や下層電極3aを形成しているが、本発明はこれに限られない。例えば、リング形状のように1つの穴部21を有するマスク用部材であっても、同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態では、穴部21は円形状に形成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、穴部21は正方形状や長方形状等であってもよい。また、穴部21の断面形状はマスクされる電子部品用部材の断面形状に相似形であって、且つ断面積が小さくてもよい。
また、上記実施の形態では、インダクタ1を例に電子部品のめっき方法について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、コンデンサ等の電子部品のめっき方法にも適用することができる。
本発明の一実施の形態によるインダクタ1をプリント回路基板(PCB)7上に実装した状態を示す図である。 本発明の一実施の形態によるインダクタ1に用いるフェライトコア17の断面図である。 本発明の一実施の形態によるインダクタ1のめっき方法に用いるマスク用部材19を示す図である。 本発明の一実施の形態によるインダクタ1の製造工程断面図である。 本発明の一実施の形態によるインダクタ1の製造工程断面図である。 本発明の一実施の形態によるインダクタ1の製造工程断面図である。 本発明の一実施の形態によるインダクタ1のインダクタンス特性を示す図である。 従来のインダクタ51をPCB7上に実装した状態を示す断面図である。
符号の説明
1、51 インダクタ
3、53 外部電極
3a 下層電極
3b 上層電極
5、55 外装樹脂コート部
7 プリント回路基板
9 半田ランド
10 半田フィレット
11、61 内部電極
12 配線
13、63 巻線
15、65 巻線端末部
17、67 フェライトコア
17a、67a 鍔部
17b、67b 巻芯部
19 マスク用部材
21 穴部
23 平板部
25 補強部材

Claims (12)

  1. 弾性体で形成されたマスク用部材に設けた穴部に電子部品用部材を挿入してめっき液に浸漬し、
    前記マスク用部材をマスクとして前記マスク用部材と接触しない前記電子部品用部材外表面をめっきすること
    を特徴とする電子部品のめっき方法。
  2. 請求項1記載の電子部品のめっき方法であって、
    前記マスク用部材と前記電子部品用部材との接触面の少なくとも一部は、前記マスク用部材の弾性力により密着していることを特徴とする電子部品のめっき方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電子部品のめっき方法であって、
    無電解めっき法を用いて前記マスク用部材と接触しない前記電子部品用部材外表面をめっきすることを特徴とする電子部品のめっき方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子部品のめっき方法であって、
    シリコンゴムで形成された前記マスク用部材を用いることを特徴とする電子部品のめっき方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子部品のめっき方法であって、
    前記マスク用部材と接触しない前記電子部品用部材外表面に電極を形成することを特徴とする電子部品のめっき方法。
  6. 弾性部材と、
    前記弾性部材に形成され、電子部品用部材を挿入して前記電子部品用部材外表面の一部をマスクする穴部と
    を有すること特徴とするマスク用部材。
  7. 請求項6記載のマスク用部材であって、
    前記弾性部材は、鏡面状に形成された表面を有することを特徴とするマスク用部材。
  8. 請求項6又は7に記載のマスク用部材であって、
    前記弾性部材は、シリコンゴムで形成されていることを特徴とするマスク用部材。
  9. 請求項6乃至8のいずれか1項に記載のマスク用部材であって、
    前記弾性部材は、前記穴部を複数有することを特徴とするマスク用部材。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項に記載のマスク用部材であって、
    前記電子部品用部材の挿入方向にほぼ直交する前記穴部の断面形状は、同方向に測った前記電子部品用部材の断面形状に相似形であることを特徴とするマスク用部材。
  11. 請求項6乃至10のいずれか1項に記載のマスク用部材であって、
    前記弾性部材は、前記穴部を開口する開口部を備えた平板状の補強部材を内包していることを特徴とするマスク用部材。
  12. 請求項10記載のマスク用部材であって、
    前記補強部材は、金属板又は樹脂板で形成されていることを特徴とするマスク用部材。

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