JP2005255942A - 弾性重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル系組成物を可能とする弾性重合体を提供する。
【解決手段】ビニル芳香族化合物単量体単位を含有する弾性重合体(a)と脂肪族ポリエステル(b)を溶融混練した脂肪族ポリエステル系組成物のUV検出器を用いたGPC測定カーブにおいて、以下の式を満たすことを特徴とする弾性重合体。
0.02< H <1
H=(A1−A2)/A1
A1:該組成物のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体成分に基くUV吸収量
A2:弾性重合体のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体に基くUV吸収量
【選択図】選択図なし。

Description

本発明は、耐衝撃性に優れた脂肪族ポリエステル系樹脂組成物の提供を可能とする弾性重合体に関する。
最近、環境への問題意識の高まりから、自然界に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目され、様々な生分解性ポリマーが開発されている。これらのうち溶融成形が可能な生分解性ポリマーとして、例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、コハク酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコールやブタンジオールなどのグリコール成分とからなるポリエチレンサクシネートやポリブチレンアジペート、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルが知られている。
その中でもポリ乳酸は、実用化に向けて多くの検討がなされてきている。しかし、ポリ乳酸を含めて脂肪族ポリエステルは、一般的に脆く耐衝撃性が低い、結晶化が遅く実用的な成形方法で成形した場合に耐熱性を発現することが困難という問題点を有していた。生分解性ポリマーが普及、特に、成型品としての利用が広がるためには、耐衝撃性の改良が重要な課題となっている。
従来ポリ乳酸の耐衝撃性の発現には、低いガラス転移温度を有するポリカブロラクトンや、グリコールと脂肪族二塩基酸に由来する脂肪族ポリエステル等のブレンドが多く検討されてきた。これらのブレンド物はポリ乳酸の特徴の1つである生分解性の保つことと、柔軟性を付与することを目的としているが、耐衝撃性の改良は十分ではない。
一般に熱可塑性樹脂等の耐衝撃性の向上のために共役ジエン系重合体をブレンドすることが知られている。ポリ乳酸に対するこのような共役ジエン共重合体のブレンドは、例えばポリ乳酸とエポキシ化ジエン系ブロック共重合体の樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、これらの技術では耐衝撃性を上げるためにポリ乳酸系樹脂に多量の軟質成分をブレンドする必要があり、更に有効な耐衝撃性を付与する技術の開発が求められている。
特開2000−219803号公報
本発明は、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を可能とする弾性重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、特定条件を満たす弾性重合体が、耐衝撃性に優れる脂肪族ポリエステル系組成物を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
1.ビニル芳香族化合物単量体単位を含有する弾性重合体(a)と脂肪族ポリエステル(b)を溶融混練した脂肪族ポリエステル系組成物のUV検出器を用いたGPC測定カーブにおいて、以下の式を満たすことを特徴とする弾性重合体、
0.02< H ≦1
H=(A1−A2)/A1
A1:該組成物のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体成分に基ずくUV吸収量
A2:弾性重合体のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体に基ずくUV吸収量
2.(a)成分が、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる基の少なくとも1種以上の極性基を持つ化合物で変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする上記1に記載の弾性重合体、
3.(a)成分が、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる基の少なくとも1種以上の極性基を持つ化合物で、その末端が変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする上記1に記載の弾性重合体、
4.極性基が、アミノ基および/又はイミノ基である上記1〜3のいずれかに記載の弾性重合体、
5.(a)成分が、イミダゾリジノン骨格を有する変性剤で変性された変性共役ジエン系重合体である上記1に記載の弾性重合体、
6.(a)成分が、共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体が変性されている変性共役ジエン系重合体である上記1に記載の弾性重合体、
7.(a)成分が、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主とするブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主とするブロックよりなる共重合体が変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする上記1に記載の弾性重合体、
8.(a)成分が、水素添加された共役ジエン系重合体が変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする上記1に記載の弾性重合体、
9.(a)請求項1記載の弾性重合体および(b)脂肪族ポリエステルよりなる脂肪族ポリエステル系樹脂組成物、
10.(b)成分が、ポリ乳酸系樹脂であることを特徴とする上記9に記載の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物、
である。
本発明の弾性重合体により、脂肪族ポリエステルの欠点であった耐衝撃性が改良され、生分解性ポリマーの普及が可能になる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における弾性重合体(a)は、ビニル芳香族化合物単量体単位を含有する弾性重合体であり、ビニル芳香族化合物単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等があげられ、1種又は2種以上が使用でき、一般的にはスチレンが好ましい。共重合体中のビニル芳香族化合物の含量は組成物への耐衝撃性付与の効果の観点から50重量%以下、好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下であることが好ましい。
本発明における弾性重合体(a)として、共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体(以下、共役ジエン系重合体と呼ぶ)を用いる場合、共役ジエンとビニル芳香族化合物の両単位は、ランダム共重合していても、ブロック状に共重合していても、更にランダム共重合したブロックを含む共重合体でも構わないが、好ましい形態としては例えばビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと、共役ジエンを主体とする少なくとも1個の重合体ブロックBからなるブロック共重合体、又はその水素添加物があげられる。共役ジエンとしては1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等があげられ、中から1種又は2種以上が使用でき、一般的には1,3−ブタジエン、イソプレンまたはこれらの組み合わせが好ましく用いられる。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法としては、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特公昭51−49567号公報、特改昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報などに記載された方法が挙げられる。これらの方法で得られるブロック共重合体は、例えば下記一般式で表されるような構造(水素添加物については、水素添加前のポリマー構造)を有する。
(A−B)、(B−A)、A−(B−A)、 B−(A−B)
[(B−A)−X、[(A−B)−X、
[(B−A) −B]−X、[(A−B) −A]−X
(上式において、Aはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。Xはカップリング剤の残基または多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。また、nは1以上の整数、一般には1〜5の整数であり、mは2以上の整数、一般には2〜10の整数である。)
なお、上記において、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAとはビニル芳香族化合物を好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロック、又は/及びビニル芳香族化合物単独重合体ブロックを示し、共役ジエンを主体とする重合体ブロックBとは共役ジエンを好ましくは50重量%を超える量で、より好ましくは60重量%以上含有する共役ジエンとビニル芳香族化合物との共重合体ブロック、又は/及び共役ジエン単独重合体ブロックを示す。共重合体ブロック中のビニル芳香族化合物は均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。また該共重合体ブロックには、ビニル芳香族化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。
本発明において、共役ジエン系重合体の製造に用いられる溶媒としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、へプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族化合物、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式化合物、あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族化合物等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上を混合して使用してもよい。
また本発明において、共役ジエン系重合体の製造に重合開始剤として用いられる有機リチウム化合物は、分子中に1個以上のリチウム原子を結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が使用できる。これらは1種のみならず2種以上を混合して使用してもよい。また有機リチウム化合物は、ブロック共重合体の製造において重合途中で1回以上分割添加してもよい。
本発明において、共役ジエン系重合体製造時の重合速度の制御、重合した共役ジエン部分のミクロ構造の制御、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの反応性比の制御等の目的で、極性化合物やランダム化剤を使用することができる。極性化合物やランダム化剤としては、エーテル類、アミン類、チオエーテル類、ホスフィン、ホスホルアミド、アルキルベンゼンスルホン酸のカリウム塩又はナトリウム塩、カリウム又はナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
具体的な例としては、エーテル類としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。アミン類としては第3級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、その他環状第3級アミン等が挙げられる。ホスフィン及びホスホルアミドとしては、トリフェニルホスフィン、ヘキサメチルホスホルアミド等が挙げられる。
本発明において、共役ジエン系重合体を製造する際の重合温度は、好ましくは10〜150℃、より好ましくは30〜120℃である。
重合時間は条件によって異なるが、好ましくは48時間以内であり、特に0.5〜10時間が好ましい。また重合系の雰囲気は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲内でモノマー及び溶媒を液相に維持するに十分な範囲の圧力であればよく、特に限定されるものではない。さらに重合系内は、触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないように留意することが好ましい。
本発明における弾性重合体(a)には共役ジエン系重合体を、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基等の極性基を持つ化合物で変性したものも含まれる。極性基を持つ化合物で変性する方法としては、極性基を有する不飽和化合物をラジカル開始剤等を用いて、重合体鎖に化合物を不可させる方法や、極性基を有する単量体を共重合させる等の公知の方法を用いることができる。
本発明における弾性重合体(a)が、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる基の少なくとも1個または2種以上の極性基を持つ化合物でポリマー末端が変性されている共役ジエン系重合体(以下、変性共役ジエン系重合体と呼ぶ)である場合は、組成物の耐衝撃性が向上するため好ましい。特に好ましい極性基はアミノ基、イミノ基である。このような極性基を有する化合物で末端を変性することにより、脂肪族ポリエステルの耐衝撃性改良の効果が非常に顕著となる。
変性共役ジエン系重合体としては、共役ジエンの重合体にかかる極性基を有する化合物が末端に結合している重合体、または重合体ブロックA及び/又は重合体ブロックBにかかる極性基を有する化合物が末端に結合している前述のブロック共重合体(以下、変性ブロック共重合体と呼ぶ)が特に好ましい。変性ブロック共重合体の構造は、例えば下記一般式で示される。
(A−B) −Y、(B−A) −Y、
A−(B−A) −Y、 B−(A−B) −Y、
Y−(A−B) −Y、 Y−A−(B−A) −Y、
Y−B−(A−B) −Y、
[(B−A) −Y、[(A−B) −Y、
[(B−A) −B] −Y、[(A−B) −A] −Y
(上式において、Aはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックである。またnは1以上の整数、一般には1〜5の整数であり、mは2以上の整数、一般には2〜10の整数である。Yは、後述の極性基を有する化合物が結合している変性剤残基である。)
本発明における変性ブロック共重合体は、上記一般式で表される変性ブロック共重合体の任意の混合物でもよい。本発明には、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基から選ばれる基の少なくとも1個または2種以上の極性基を持つ化合物でポリマー末端が変性されている、共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体、またはそれらの水素添加物が含まれ、併用しても構わない。
変性共役ジエン系重合体を得る方法は、共役ジエン系重合体のリビング末端に極性基を有する原子団が結合している変性剤、あるいは極性基を公知の方法で保護した化合物が結合している変性剤を反応させる方法が挙げられる。さらに、他の極性基を有する二次変性剤で最初の極性基と反応させて変性し、本発明の変性重合体とすることもできる。
また変性剤の種類によっては、変性剤を反応させた段階で水酸基やアミノ基が有機金属塩になっていることもあるが、その場合には水やアルコール等活性水素を有する化合物で処理することにより、水酸基やアミノ基に変換することができる。なお本発明においては、共役ジエン重合体のリビング末端に変性剤を反応させた後、変性されていない共役ジエン系重合体が一部混在してもよい。変性共役ジエン系重合体に混在する未変性の共役ジエン系重合体の割合は、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である
本発明において、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基および後述するカルボキシル基、酸無水物基で変性されている共役ジエン共重合体を得るために用いることが可能な、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシランから選ばれる官能基を少なくとも1個有する化合物として、下記一般式から選ばれる化合物が挙げられる。
Figure 2005255942
(上式で、R、及びR12〜R14は、水素又は炭素数1〜24の炭化水素基、あるいは水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシランから選ばれる極性基を有する炭素数1〜24の炭化水素基。R10は炭素数1〜30の炭化水素鎖、あるいは水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシランから選ばれる極性基を有する炭素数1〜30の炭化水素鎖。なおR、及びR12〜R14の炭化水素基及びR10の炭化水素鎖中には、水酸基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン以外の結合様式で、酸素、窒素、シリコン等の元素が結合していても良い。R11は水素又は炭素数1〜8のアルキル基。)
本発明において、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、および後述するカルボキシル基、酸無水物基で修飾されている共役ジエン共重合体を得るために用いることが可能な、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシランから選ばれる極性基を少なくとも1個有する化合物が少なくとも1個結合している共役ジエン重合体を得るために使用する変性剤としては、例えば、下記のものが挙げられる。
例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシランが挙げられる。
また、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシランが挙げられる。
また、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペンオキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)ジフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルメシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルエトキシシランが挙げられる。
また、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルブトキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルフェノキシシラン、トリス(γ−グリシドキシプロピル)メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシプロピル)ジメトキシシラン、トリス(γ−メタクリロキシプロピル)メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリエトキシシランが挙げられる。
また、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル−トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−エチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジブトキシシランが挙げられる。
また、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジメチルフェノキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−ジエチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−メチルジイソプロペンオキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等が挙げられ、この中でも特に1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノンのような、イミダゾリジノン骨格を有する変性剤が好ましい。
上記の変性剤を反応させることにより、共役ジエン系重合体(ブロック共重合体においては重合体ブロックA及び/又は重合体ブロックB)に水酸基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基、シラノール基、アルコキシシランから選ばれる極性基を少なくとも1個有する化合物が結合している変性剤の残基が少なくとも1個結合している共役ジエン系重合体又はその水素添加物が得られる。変性ブロック共重合体に変性剤の残基が結合している位置は特に制限されないが、高温時における物性に優れた組成物を得るには重合体ブロックAに結合していることが好ましい。
本発明において、共役ジエン系重合体、変性共役ジエン系重合体の水素添加物は、共役ジエン系重合体、変性共役ジエン系重合体を水素添加することにより得られる。水素添加する場合に用いる水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー系水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等の、いわゆる有機金属錯体等の、均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を用いることができる。好ましい水添触媒としては、チタノセン化合物、及び/又は還元性有機金属化合物との混合物が挙げられる。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載された化合物が使用できるが、具体例としてはビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格、あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1個以上有する化合物が挙げられる。また還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
水添反応は一般的に0〜200℃、好ましくは30〜150℃の温度範囲で実施される。水添反応に使用される水素の圧力は0.1〜15MPa、好ましくは0.2〜10MPa、より好ましくは0.3〜5MPaである。また水添反応時間は3分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはそれらの組み合わせのいずれを用いてもよい。
本発明に使用する共役ジエン系重合体の水素添加物において、共役ジエンに基づく不飽和二重結合の水素添加率は目的に合わせて任意に選択できる。熱安定性及び耐候性の良好なビニル芳香族化合物系重合体の水素添加物を得る場合、重合体中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の70%を超える、好ましくは75%以上、更に好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上が水素添加されていることが推奨される。また、共役ジエンの1,2ビニル結合のうち、80%が水素添加されているものは、溶融混練や射出成形時の熱劣化を抑える働きがあり、最終的に得られる成形体の耐衝撃性を優れたものにすることができ好ましい。なお、共重合体中のビニル芳香族化合物に基づく芳香族二重結合の水素添加率については特に制限はなく、水素添加されていても構わない。水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)により知ることができる。
本発明で用いる共役ジエン系重合体(以下、成分(a)ということがある。)の重量平均分子量は、組成物の耐衝撃強度改良効果の点から3万以上、加工性の点から100万以下が好ましく、より好ましくは6万〜80万、更に好ましくは7〜60万である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、RI検出器(屈折率法)によるクロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めることができる。
共役ジエン重合体がブロック共重合体の場合、ビニル芳香族化合物単独重合体ブロックの含有量は、四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,et−al.,J.Polym.Sci.1,429(1946))により、水添前の変性ブロック共重合体を分解して得たビニル芳香族化合物単独重合体ブロック成分(ただし重合度30以下の成分は除去されている)の量は、紫外分光光度計等を用いて求めることができる。
上記のようにして得られた共役ジエン系重合体又はその水素添加物の溶液は、必要に応じて触媒残査を除去し、共役ジエン重合体又はその水素添加物を溶液から分離することができる。溶媒を分離する方法としては、例えば重合体溶液にアセトン又はアルコール等の重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を添加し、重合体を沈殿させて回収する方法、重合体溶液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、又は直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
なお本発明で用いる共役ジエン重合体には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加することができる。
本発明において、カルボキシル基、酸無水物基で修飾されている共役ジエン系重合体を得る方法は、前述の水酸基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシランから選ばれる極性基を少なくとも1個有する原子団が少なくとも1個結合している共役ジエン系重合体に、カルボキシル基を有する変性剤や酸無水物基を有する変性剤を反応させる方法が挙げられる。
カルボキシル基を有する変性剤の具体例としては、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、カルバリル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
酸無水物基を有する変性剤の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ピロメリット酸、シス−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキシテトラヒドロキシフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
また、カルボキシル基、酸無水物基で変性されている共役ジエン系重合体を得る他の方法としては、共役ジエン重合体をα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えばその無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物でグラフト変性する方法が挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、アクリル酸又はそのエステル、メタアクリル酸又はそのエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加量は、変性共役ジエン系重合体100重量部当たり、一般に0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明の弾性重合体は、溶融混練した場合の弾性重合体と脂肪族ポリエステルとの脂肪族ポリエステル系樹脂組成物のUV検出器を用いたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)カーブにおいて、以下の式を満たすものである。
0.02< H ≦1
H=(A1−A2)/A1
A1:該樹脂組成物のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体成分に基くUV吸収量
A2:弾性重合体のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体に基くUV吸収量
本願の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物の衝撃値は、Hの値が0.02を越える場合に向上し、好ましくは0.05を越え、さらに好ましくは0.15を越え、とりわけ好ましくは0.25を越える。また本願の該樹脂組成物に弾性重合体に起因ずるUV吸収が認められない場合、Hの値は1である。また、GPC測定におけるUV吸収量は、該測定カーブのUV吸収による面積をもって、便法として代替することもできる。本発明において、溶融ブレンドされない機械的にブレンドされたままの脂肪族ポリエステル系樹脂組成物、あるいは該樹脂組成物を溶融ブレンドした結果、ゲル化し、溶媒に溶解しない場合は、本願の発明の範囲外である。H値が上記の範囲内の場合にのみ、本願の効果が達成されるが、その技術的な意味合いは不明である。
本発明における(b)脂肪族ポリエステルとしては、特に限定されるものではなく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートまたはポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステルは、単独ないし2種以上を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸系樹脂が好ましく使用される。これらの(b)成分は1種以上を用いることができる。
ポリ乳酸系樹脂としては、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体であるが、本発明の目的を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分0.1〜99.9重量%を含んでいてもよい。かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。これらの共重合成分は、単独ないし2種以上を用いることができる。
(b)脂肪族ポリエステルの製造方法としては、既知の重合方法を用いることができ、特にポリ乳酸系樹脂については、乳酸からの直接重合法、ラクチドを介する開環重合法などを採用することができる。本発明におけるポリ乳酸系樹脂(b)は乳酸、すなわちL−乳酸、D−乳酸を主とする重合体である。ポリ乳酸系樹脂において、L−乳酸単位と、D−乳酸単位の構成モル比は、L−体とD−体あわせて100%に対し、L体ないしD体いずれかが85%以上が好ましく、更に好ましくは一方が90%以上であり、更に好ましくは一方が94%以上の重合体である。結晶性を高め、耐熱性を必要とする場合には、光学純度を挙げることが好ましく、一方が98%以上であることが好ましい。また、D−乳酸単位を85%以上含むポリD−乳酸とL−乳酸単位を85%以上含むポリL−乳酸よりなるステレオコンプレックスも本発明のポリ乳酸系樹脂に含まれる。ステレオコンプレックスを形成する場合、耐衝撃性、耐熱性に優れる脂肪族ポリエステル系組成物が得られる。
ポリ乳酸系樹脂は、L体ないしD体以外の乳酸モノマーまたは、ラクチドと共重合可能な他成分を共重合していてもよく、このような成分としてはジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が例示される。ポリ乳酸系樹脂は、直接脱水縮合、ラクチドの開環重合等公知の重合法で重合することが出来る。また必要に応じてポリイソシアネート等の結合剤を用いて、高分子量化することも出来る。
ポリ乳酸系樹脂の好ましい重量平均分子量範囲は、機械的性質の観点から30,000以上、加工性の観点から1,000,000以下、更に好ましくは50,000〜500,000、最も好ましくは100,000〜280,000である。
本発明においては、弾性重合体と脂肪族ポリエステルよりなる組成物における弾性重合体(a)の割合(重量部)の範囲は、耐衝撃性の観点から0.1以上、剛性の観点から50以下であることが好ましく、0.2〜40であることがさらに好ましく、0.3〜35であることがとりわけ好ましい。
本発明においては、更に結晶核剤(c)を加えることにより、(a)成分の耐衝撃性付与効果を更に高めることが可能となる。結晶核剤(c)の形状は、特に制限されず、粒子状、板状、ウィスカー形状いずれでも用いることが出来る。好ましい結晶核剤としては一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを特に制限なく用いることができ、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれをも使用することができる。
無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていることが好ましい。
また、有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)などのカルボン酸アミドが挙げられる。
また、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸などのポリマー、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリン化合物金属塩、および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明で使用する結晶核剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にタタルク、カオリンまたは炭酸カルシウム、および有機カルボン酸金属塩から選択された少なくとも1種が好ましい。本発明で使用する結晶核剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。好ましい添加量は(a)成分と(b)成分併せて100重量部に対して(c)成分1〜50重量部であり、更に好ましくは2〜20重量部である。
本発明で使用する可塑剤としては、一般によく知られているものを使用することができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などをあげることができる。ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。
これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。多価カルボン酸エステル系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのセバシン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシルおよびリン酸トリクレシルなどを挙げることができる。ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類などを挙げることができる。
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。また、可塑剤の配合量は、(a)成分、(b)成分の合計100重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲が好ましく、0.1〜20重量部の範囲がより好ましく、0.5〜10重量部の範囲がさらに好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物に対して、本発明の目的を損なわない範囲で強化材(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、天然繊維、有機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ(天然、合成)、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトまたは白土など)、安定剤(ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体、レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤、離形剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(ニグロシンなど)および顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、難燃剤(赤燐、燐酸エステル、ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、導電剤あるいは着色剤(カーボンブラックなど)、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)、帯電防止剤などの1種または2種以上を添加することができる。
また、本発明における該組成物には(a)成分および(b)成分以外の重合体を、本発明の目的を損なわない範囲で混合することができる。(a)成分、(b)成分以外の重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂、およびフェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂などの少なくとも1種以上をさらに添加することができる。
さらに、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種目的に応じて任意の添加剤を配合することができる。添加剤の種類は、熱可塑性樹脂や弾性重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。無機充填剤、酸化鉄等の顔料、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等の滑剤、離型剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤等の酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等の補強剤、着色剤、その他添加剤或いはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明における脂肪族ポリエステル系組成物の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が利用できる。例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて製造することができる。。
また本発明の該組成物の成形体は、射出成形、シート成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、発泡成形等、公知の方法で成形することが可能であり、圧空成形、真空成形等の二次加工成形法も用いることができる。
次に実施例によって本発明を説明する。
本願発明および実施例で用いた評価法をまず説明する。
A 脂肪族ポリエステル系樹脂組成物成形品の特性評価。
(1)シャルピー衝撃強さ(ノッチ付):ISO179規格に従い、80mm×10mm×4mmの試験片を用いて測定した。
(2)Hの値:混練温度が190℃になるように設定された、ミキサー型混練機であるラボプラストミル(東洋精機製作所製)を用いて、150rpm、混練時間10分の条件で、弾性重合体と脂肪族ポリエステル(弾性重合体/ポリ乳酸A−1:50重量部/50重量部)の混練を行い、H測定用の組成物を得た。H測定用組成物の混練温度は、(脂肪族ポリエステルの融点+10℃)以上(脂肪族ポリエステルの融点+30℃)以下である。次にGPC[東ソー製HLC−8220GPC、UV検出(254nm)、カラムはTSKgel SuperHZM-M(4.6mmID*15cm)+ TSKgel SuperHZ2000(4.6mmID*15cm)]を用い、溶媒はクロロホルム、測定温度40℃で、弾性重合体とH測定用組成物のGPCカーブを測定した。また、UV吸収量は、GPCカーブの該当する面積を切り抜き、その重量をもって相当するものとした。
(3)光学純度、L体/D体構成比:1N−NaOH水溶液で加水分解し、HClで中和した水溶液を試料にして、光学異性体分離カラム装着のHPLC[島津製作所製LC−10A−VP UV検出(254nm)]を用いて、L体とD体の比を求めた。
共役ジエン重合体として用いたブロック共重合体の特性は以下に従って評価した。
(4)スチレン含有量:紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
(5)1,2結合量:核磁器共鳴装置(BRUCKER社製DPX−400)を用いて測定した。
(6)重量平均分子量:GPC〔島津製作所製LC10、カラムは島津製作所製ShimpacGPC805+GPC804+GPC804+GPC803〕で測定し、溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。重量平均分子量は、RI検出器によるクロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた。尚、クロマトグラム中にピークが複数有る場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求める)から求めた平均分子量をいう。
B 用いた原材料など
ポリ乳酸
以下の実施例に使用した(b)成分の脂肪族ポリエステルであるポリ乳酸系樹脂は、公知の例えば辻秀人著「Polylactide」in Biopolymers Vol.4 (Wiley−VCH 2002年刊)PP129−178や、特表H05−504731号公報に従って錫系触媒を用いたラクチドの開環重合法により(A−1)のポリ乳酸を準備した。
(A−1)の重量平均分子量、D体含有率、ガラス転移温度、融点はそれぞれ、18万、1.5%、57℃、165℃であった。更に以下の実施例に用いた共役ジエン系重合体の製造例を記す。
[実施例1]
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次いでテトラメチルエチレンジアミンを使用するn−ブチルリチウム1モルに対して0.1モル添加した後n−ブチルリチウムを全使用モノマー100重量部に対して0.135重量部添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したブタジエン70重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて70℃で1時間重合し、その後更に予め精製したスチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入して70℃で1時間重合した。
次に、上記で得られたリビングポリマーに、変性剤として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを重合に使用したn−ブチルリチウムに対して当モル添加して反応を完結させた。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100重量部に対して0.3重量部添加した。
得られた弾性重合体である変性ブロック共重合体(B−1)は、スチレン含有量が30重量%、ブロックスチレン量が29重量%、1,2ビニル結合量が15%、重量平均分子量が11.0万であった。Hの値は0.30であった。
次に、B−1/A−1(10重量部/90重量部)の組成物を30mmの2軸押出機を用いて180℃で溶融混練した。得られたペレットを射出成型機(日本製鋼所(株)製、J100SS2A)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度30℃、冷却時間25秒で試験片に成型した。得られた試験片を120℃の温風乾燥機で30分加熱した後に評価した。シャルピー衝撃強さは41KJ/m2であった。
[比較例1]
実施例1と同様にして重合したが、変性剤を添加せず、直接メタノールを添加し、更に
安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100重量部に対して0.3重量部添加してブロック共重合体(B−2)を得た。
得られた弾性重合体であるブロック共重合体(B−2)は、スチレン含有量が30重量%、ブロックスチレン量が29重量%、1,2ビニル結合量が15%、重量平均分子量が11.0万であった。Hの値は0であった。
次に、B−2/A−1(10重量部/90重量部)の組成物を30mmの2軸押出機を用いて180℃で溶融混練した。得られたペレットを射出成型機(日本製鋼所(株)製、J100SS2A)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度30℃、冷却時間25秒で試験片に成型した。得られた試験片を120℃の温風乾燥機で30分加熱した後に評価した。シャルピー衝撃強さは5KJ/mであった。
本発明の弾性重合体は、生分解性でかつ優れた耐衝撃性を兼ね備えた組成物を可能にする。本発明を用いた脂肪族ポリエステル系組成物は、各種方法により各種形状に成形することができ、フィルム、シート、射出成形体、ブロー成形体、押出成形体、真空圧空成形体、積層構造体、容器、発泡体、繊維、織物、不織布として、自動車分野、電気・電子分野、包装分野、農業分野、漁業分野、医療分野、その他一般雑貨等に利用できる。自動車分野では、バンパー、ラジエーターグリル、サイドモール、ガーニッシュ、ホイールカバー、エアロパーツ、インストルメントパネル、ドアトリム、シートファブリック、ドアハンドル、フロアマットなどの内外装部品に利用することができる。
家電・電子用途では、パソコンなどの電子機器、家電機器の筐体、LCDフロントカバーに有用に用いることができ、包装分野では、フィルム、シートとして、各種包装が可能で、また、医療分野では、医療用材料、生理用品などの衛生材料として利用できる。
実施例1の樹脂組成物および弾性重合体のGPCカーブの概略図である。

Claims (10)

  1. ビニル芳香族化合物単量体単位を含有する弾性重合体(a)と脂肪族ポリエステル(b)を溶融混練した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物のUV検出器を用いたGPC測定カーブにおいて、以下の式を満たすことを特徴とする弾性重合体。
    0.02< H ≦1
    H=(A1−A2)/A1
    A1:該樹脂組成物のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体成分に基くUV吸収量
    A2:弾性重合体のGPC測定カーブにおいて、弾性重合体に基くUV吸収量
  2. (a)成分が、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる基の少なくとも1種以上の極性基を持つ化合物で変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の弾性重合体。
  3. (a)成分が、アミノ基、イミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる基の少なくとも1種以上の極性基を持つ化合物で、その末端が変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の弾性重合体。
  4. (a)成分が、アミノ基および/又はイミノ基である請求項1〜3のいずれかに記載の弾性重合体。
  5. (a)成分が、イミダゾリジノン骨格を有する変性剤で変性された変性共役ジエン系重合体である請求項1に記載の弾性重合体。
  6. (a)成分が、共役ジエンとビニル芳香族化合物の共重合体が変性されている変性共役ジエン系重合体である請求項1に記載の弾性重合体。
  7. (a)成分が、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主とするブロックと少なくとも1個の共役ジエンを主とするブロックよりなる共重合体が変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の弾性重合体。
  8. (a)成分が、水素添加された共役ジエン系重合体が変性されている変性共役ジエン系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の弾性重合体。
  9. (a)請求項1に記載の弾性重合体および(b)脂肪族ポリエステルよりなる脂肪族ポリエステル系樹脂組成物。
  10. (b)成分が、ポリ乳酸系樹脂であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物。
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