JP2005255864A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】単一樹脂成分や、複数オリゴマーのブレンド、共重合体の利用等の手法では、到底実現しえない複数機能を発現する硬化性組成物の提供。
【解決手段】プレポリマーまたはオリゴマーと、3次元架橋されたポリマー微粒子とを含有する硬化性組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性組成物に関し、特に、3次元架橋されたポリマー微粒子を含有し、複数機能を発現しうる硬化性組成物に関する。
硬化性組成物、特に、各種シーリング材等に好適に用いられる硬化性組成物には、一液型の硬化性組成物と二液型の硬化性組成物があり、室温で硬化する組成物が主に用いられる。
硬化性組成物の主成分となる(プレ)ポリマーまたはオリゴマーは、大きく分類すると、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系、シリコーン系および変成シリコーン系の5種があり、それらが適用される目的、用途、硬化方法等に要求される特性を持つ硬化性組成物が適宜選択され使用される。例えば、ウレタン系の硬化性組成物は硬化後のゴム弾性等に優れるが、その一方で耐候性等に劣るという特性を有している。つまり、硬化性組成物にはその化学的特性が色濃く反映されるため、それぞれが持つ特性(特長および欠点)を考慮して、好適な硬化性組成物が適宜選択され使用される。
そのため、従来の硬化性組成物においては、求められる特長を発揮することができるものの、望まれない欠点をも併せ持つものとなっていた。
このような従来の硬化性組成物の欠点を克服する硬化性組成物として、組成物に含有させる樹脂成分の骨格を変更または樹脂成分を混合してなる組成物等が知られている。
例えば、特許文献1には、オリゴマー骨格をポリプロピレングリコール(PPG)とポリサルファイド(PS)との共重合体としたポリサルファイドポリエーテルを用いることにより、ポリプロピレングリコールとの相溶性を向上させてイシシアネート基により硬化させる手法が記載されている。
また、特許文献2には、水酸基を有するアクリル酸エステル重合体と、末端がイソシアネート基で変性されたポリオキシアルキレン化合物との組み合わせにより、いわゆるウレタン系シーリング材の耐候性を改善することができる旨記載されている。
更に、特許文献3には、加水分解性シリル基の加水分解によるシロキサン結合形成による硬化を利用する重合体の例では、従来の主鎖がポリオキシプロピレン系である、いわゆる変成シリコーン系のものに対し、主鎖を(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体やポリイソブチレン等の飽和炭化水素系重合体に変更するなどの手法により、耐熱性、耐久性、耐候性等を向上させることができる旨記載されている。
このような樹脂成分の骨格を変更等してなる組成物は、上述した特性(特に欠点)をある程度克服することはできるが、近年、硬化性組成物が用いられる用途が広がり、かつ、要求される特性も複雑高度化している現状においては、上述した特性(特に欠点)を十分に克服できない場合がある。
また、上述した樹脂成分を含有する硬化性組成物においても、樹脂成分を構成するこれらの各成分(硬化性樹脂)の特性が必ずしも発揮されない場合もあり、更なる改善が望まれていた。
特開平4−363325号公報 特開2001−220573号公報 特開平8−048748号公報
したがって、上述した欠点を十分に克服し、樹脂成分を構成する各成分(硬化性樹脂)の特性を発揮することができる硬化性組成物が望まれている。
そこで、本発明は、単一樹脂成分や、複数オリゴマーのブレンド、共重合体の利用等の手法では、到底実現しえない複数機能を発現する硬化性組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、更に、物理的特性にも優れる硬化性組成物を提供することも目的とする。
更に、本発明は、上記硬化性組成物の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、マトリックスとなるプレポリマー等に3次元架橋させたポリマー微粒子を含有させると、ポリマー微粒子をマトリックス中に均一に分散させることが可能となり、プレポリマー等の特性とポリマー微粒子の特性とをいずれも損うことなく十分に発揮させられることを知見した。
また、本発明者は、ポリマー微粒子の表面に、プレポリマー等の反応性官能基と反応しうる官能基を持たせると、プレポリマー等が硬化するときにポリマー微粒子も硬化し、プレポリマー等中にポリマー微粒子が均一に分散した状態で固定され、得られる硬化物の物理的特性等が改良されることを知見した。
本発明者は、これらの知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(13)を提供する。
(1)プレポリマーまたはオリゴマー(以下「プレポリマー等」ともいう。)と、3次元架橋されたポリマー微粒子とを含有する硬化性組成物(以下「本発明の組成物」ともいう。)。
ここで、ポリマー微粒子は、その表面にプレポリマー等の反応性官能と反応しうる官能基を有するのが好ましい。
(2)前記プレポリマーまたはオリゴマーの硬化剤を含有する上記(1)に記載の硬化性組成物。
(3)プレポリマーまたはオリゴマーと3次元架橋されたポリマー微粒子とを含有する第一液と、
前記プレポリマーまたはオリゴマーの硬化剤を含有する第二液と
を有する上記(2)に記載の硬化性組成物。
本発明の組成物は、一液型の硬化性組成物であってもよく、また、このような二液型の硬化性組成物であってもよい。
(4)前記ポリマー微粒子が、前記プレポリマーまたはオリゴマーの反応性官能基と反応しうる官能基を表面に有するポリマー微粒子である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(5)前記ポリマー微粒子の主鎖が、前記プレポリマーまたはオリゴマーの主鎖と異なる分子構造を有する請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
ポリマー微粒子とプレポリマー等の主鎖の分子構造(化学構造)が互いに異なると、それぞれが硬化した硬化物の化学的特性または物理的特性が異なるため、それぞれの分子構造に基づく特性が得られ、組成物として複数機能を容易に発現させられる。
なお、本発明において、「異なる分子構造」とは、主鎖(その全部または一部)が、基本的に異なる繰り返し単位またはブロック共重合体に見られるように部分的に異なる繰り返し単位を有する重合体であることを意味する。
(6)前記ポリマー微粒子の主鎖が、前記プレポリマーまたはオリゴマーの主鎖と同じ分子構造を有し、かつ、前記ポリマー微粒子の架橋形式が、前記プレポリマーまたはオリゴマーが架橋するときの架橋形式と異なる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性組成物。
主鎖の分子構造が互いに同じであっても架橋形式が異なれば、それぞれが硬化した硬化物の化学的特性または物理的特性が異なるため、それぞれの架橋形式に基づく特性が得られ、組成物として複数機能を容易に発現させられる。
なお、本発明において、「同じ分子構造」とは、主鎖(その全部または一部)が、基本的に同じ分子構造または同じ繰り返し単位を有する重合体であることを意味し、「架橋形式が異なる」とは、3次元架橋されたポリマーの架橋点の結合とプレポリマー等が硬化反応して生成する結合とが化学的に異なる結合であることを意味する。
(7)前記ポリマー微粒子の平均粒子径が、1〜100μmである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の硬化性組成物。
ポリマー微粒子の平均粒子径は、1〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。平均粒子径を上記範囲にすることにより、ポリマー微粒子をプレポリマー等により容易に均一に分散させることが可能となる。
平均粒子径の測定方法は、光学顕微鏡、電子顕微鏡、光散乱法、レーザ回折法等により測定することができるが、本発明においては、3次元形状がより分かりやすいレーザー顕微鏡等の利用による方法で測定したときの粒子径である。
(8)前記ポリマー微粒子が架橋剤および/または硬化剤により3次元架橋されてなるポリマー微粒子である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の硬化性組成物。
ポリマー微粒子の原料としては、例えば、ジエン系ゴムまたは非ジエン系ゴムを主成分とするポリマーを用いるのが有用である。また、これらのポリマーが架橋剤および/または硬化剤により3次元架橋されてなるポリマー微粒子であるのが、製造が容易である点で好ましい。
(9)前記プレポリマーまたはオリゴマーが、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系、シリコーン系および変成シリコーン系からなる群から選ばれる少なくとも1種のプレポリマーまたはオリゴマーである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の硬化性組成物。
プレポリマー等は、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系、シリコーン系および変成シリコーン系からなる群から選ばれる少なくとも1種のプレポリマー等であるのが好ましい。
本発明において、「オリゴマー」または「プレポリマー」とは、構成単位の重合度があまり大きくない低重合体で、重合度が2〜50程度のもの(分子量が2万程度までのもの)をいい、場合により「プレポリマー」とは、後に高分子量ポリマーに変換するために、構成単位を部分的に重合したものまたは低分子量に重合したものをいうが、オリゴマーおよびプレポリマーの両者に特に明確な区別はない。
(10)前記プレポリマーまたはオリゴマー100質量部に対して、前記ポリマー微粒子を1〜100質量部含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の硬化性組成物。
本発明の組成物において、ポリマー微粒子の含量は、プレポリマー等100質量部に対して、1〜100質量部であるのが好ましく、5〜70質量部であるのがより好ましく、10〜40質量部であるのが特に好ましい。ポリマー微粒子の含量を上記範囲にすることにより、従来の組成物と同等以上の作業性(例えば、粘度、揺変性等の物性)、外観特性(例えば、色調、光沢等)等を有する組成物を容易に調製することができる。
(11)ポリマー微粒子を形成するポリマーと、架橋剤および/または硬化剤とを混合させる混合工程と、
前記混合工程により得られた混合物を、プレポリマーまたはオリゴマーに加えてかくはんし、3次元架橋させてポリマー微粒子を形成させるかくはん架橋工程と
を具備する硬化性組成物の製造方法(以下「本発明の製造方法」ともいう。)。
ポリマー微粒子を形成するポリマーは、特に限定されない。
(12)更に、
前記混合工程により得られた前記混合物または前記かくはん架橋工程により得られた前記ポリマー微粒子の表面に、前記プレポリマーまたはオリゴマーの反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物を反応させる官能基導入工程
を具備する上記(11)に記載の硬化性組成物の製造方法。
(13)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
硬化物の用途は特に限定されないが、建築用シーリング材、土木用シーリング材、自動車用シーリング材、各種シール剤、弾性接着剤、各種封止剤、ポッティング剤等に好適に用いられる。
本発明の組成物は、ポリマー微粒子がプレポリマー等中に均一に分散しており、プレポリマー等の特性とポリマー微粒子の特性とをいずれも損うことなく十分に発揮し、単一樹脂成分では到底実現しえない複数機能を発現することができる。
本発明の組成物は、作業性、用途等に応じて、一液型の湿気硬化性としてもよく、また、硬化剤、架橋剤、触媒等による二液型の反応硬化性としてもよい。
また、上記プレポリマー等の反応性官能基と反応しうる官能基を表面に有するポリマー微粒子を用いると、上記特性に加え、プレポリマー等が硬化するときに、ポリマー微粒子もプレポリマー等と互いに硬化し、プレポリマー等中にポリマー微粒子が均一に分散した状態で固定され、得られる硬化物の物理的特性等が優れたものになる。
これらの特性を生かして、本発明の組成物は、広範な用途に使用される。例えば、建築用シーリング材、土木用シーリング材、自動車用シーリング材、各種シール剤、弾性接着剤、各種封止剤、ポッティング剤等に好適に用いられる。
また、本発明の製造方法により、本発明の組成物を容易に、かつ、確実に製造することができる。
更に、本発明の組成物の硬化物は、上述した本発明の組成物の特性を有するため、広範な用途に用いられる。
本発明の組成物は、プレポリマー等と3次元架橋されたポリマー微粒子とを含有する硬化性組成物である。
本発明の組成物は、実質的にプレポリマー等とポリマー微粒子との混合物となるものであり、上述した従来の組成物のようなプレポリマー等の樹脂成分の共重合体やブレンド物ではない。
本発明の組成物は、例えば、組成物を硬化させる前にミクロ相分離を人為的に起こさせ、相分離した一方を微粒子状の形態のまま3次元架橋させて、ゴム弾性を有するポリマー微粒子としてプレポリマー中に分散させて得られる。
本発明の組成物に用いられるプレポリマー等は、特に限定されず、例えば、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系、シリコーン系および変成シリコーン系からなる群より選択されるプレポリマー等であるのが好ましい。
また、これらの構成成分、重量平均分子量等も特に限定されない。
ウレタン系プレポリマー等は、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基を有するポリエーテルポリオール、ポリブタジエンポリオールまたはアクリル重合体と、ポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるプレポリマー等が挙げられる。
ポリサルファイド系プレポリマー等は、特に限定されないが、例えば、主鎖中に、−C24OCH2OC24−Sx−(式中、xは1〜5の整数を表す。)で表される構造単位を有する重合体が挙げられる。
ポリイソブチレン系プレポリマー等は、特に限定されないが、例えば、−CH2C(CH32−で表される構造単位を有し、末端に加水分解性シリル基を有する重合体等が挙げられる。具体的には、EPION(鐘淵化学工業(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系プレポリマー等は、特に限定されないが、例えば、ポリジメチルシロキサン構造を有する化合物等が挙げられる。
変成シリコーン系プレポリマー等は、特に限定されないが、例えば、少なくとも1個の加水分解性シリル基を有するポリプロピレングリコール等が挙げられる。具体的には、エクセスター(旭硝子(株)製)、MSポリマー(鐘淵化学工業(株)製)等が挙げられる。
これらのプレポリマー等は、複数を混合して用いてもよく、また、これらの2種以上を共重合してなる共重合体をプレポリマー等の主鎖として用いてもよい。このときの混合比、共重合比等は特に限定されない。
本発明の組成物に用いられるポリマー微粒子は、ゴム弾性を有するのが好ましく、その主成分となるポリマーは、反応性液状ゴムであるのが好ましい。
ジエン系ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等が挙げられる。
非ジエン系ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン‐プロピレンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ポリサルファイド等が挙げられる。
上記各ポリマーの構成成分、重量平均分子量等は、特に限定されない。
これらのポリマー(ゴム)は、複数を混合して用いてもよく、また、これらの2種以上を共重合してなる共重合体をポリマーの主鎖として用いてもよい。このときの混合比、共重合比等は特に限定されない。
また、これらのポリマー(ゴム)としては、市販品を用いることができる。
ポリマー微粒子を3次元架橋する方法は、特に限定されないが、反応性液状ゴム等のポリマーを架橋剤により3次元架橋する方法が好ましく、後述する本発明の製造方法で説明する方法がより好ましい。
ポリマー微粒子は、その表面に上記プレポリマー等の反応性官能基と反応しうる官能基を有するのが、単一樹脂成分では到底実現しえない複数機能を安定して発現することができ、更に、プレポリマー等中にポリマー微粒子が均一に分散した状態で固定され、得られる硬化物の物理的特性等に優れる点で好ましい。
本発明においては、プレポリマー等の反応性官能基およびその官能基と反応しうる官能基は特に限定されず、また、これらの官能基の組み合わせも特に限定されないが、両官能基は、硬化速度差が小さい点、硬化物の物性調整等の点から、同じ種類の官能基(例えば、いずれもアルコキシシリル基、いずれもイソシアネート基、いずれもメルカプト基、いずれもヒドロキシ基)であるのが好ましい場合が多い。
ポリマー微粒子に官能基を導入する方法としては、特に限定されず、例えば、ポリマー微粒子を得る際に、官能基(保護基により保護された官能基、官能基の前駆体等を含む。)を含有する重合性モノマーをポリマー微粒子を形成する重合性モノマーと共重合させる方法、ポリマー微粒子を重合して得た後、微粒子を化学的に処理する方法、後述する官能基導入工程を用いる方法等が挙げられる。
共重合させる方法および条件は、用いられるモノマーに応じて通常行われる方法および条件を任意に選択することができる。また、化学的な処理方法としては、例えば、ポリマー微粒子に有する反応性官能基等の置換基と反応しうる基をもつ化合物をグラフト重合させる方法等が挙げられる。
ポリマー微粒子の表面に導入される官能基は、その導入量を特に限定されない。官能基の導入量は、目的に応じて任意に調整される。例えば、プレポリマー等が硬化する際に、プレポリマー等の官能基と反応し、ポリマー微粒子を固定することができる程度に導入される場合、補強性等の物理的特性を向上させる目的で多量に導入される場合が挙げられる。
このようにして得られる本発明のポリマー微粒子は、プレポリマー等に容易に、かつ、均一に分散する。
ポリマー微粒子をプレポリマー等に容易に均一に分散させることができ、また、複数機能を発現させることができる点で、その平均粒子径は1〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。
ここで、ポリマー微粒子の主鎖がプレポリマー等の主鎖と異なる分子構造を有するのが好ましい。ポリマー微粒子とプレポリマー等のモノマー成分の分子構造(化学構造)が異なると、それぞれの分子構造に基づく特性が得られ、複数機能を容易に発現させられる。
なお、本発明において、「異なる分子構造」とは、主鎖(その全部または一部)が、基本的に異なる繰り返し単位またはブロック共重合体に見られるように部分的に異なる繰り返し単位を有する重合体であることを意味する。
つまり、簡単に説明すると、両者の相溶性が、両者のブレンド比において、および、微粒子となるよう架橋させる際の温度領域において、例えば、UCST型(Upper Critical Solution Temperature:上限臨界共相溶温度)、および、LCST型(Lower Critical Solution Temperature:下限臨界共相溶温度)のいずれの場合においても、海島型の相分離構造とななり、微粒子として3次元架橋するように、ポリマー微粒子の主鎖とプレポリマー等の主鎖とが異なる分子構造を有するのが特に好適である。
また、両者の分子構造の一部が、ブロック共重合体、グラフト共重合体等で、一部分子構造が共通であり相溶する場合、ミクロ相分離構造を形成する場合、または、両者の分子構造が基本的に異なってもSP値(溶解性パラメータ)が近似であるがために相溶する場合においても、微粒子として3次元架橋する際の分子量増大に伴い、両者が非相溶となっていくことにより、海島構造となり、微粒子として3次元架橋するように、ポリマー微粒子の主鎖がプレポリマー等の主鎖と異なる分子構造を有するのも好適である。
換言すれば、プレポリマー等の官能基が、微粒子が架橋していく際の官能基、もしくは触媒、または架橋剤、促進剤、反応温度、重合温度等の影響を受けない状態で、微粒子のオリゴマー状態の領域下あるいは3次元架橋に伴う分子量増大の過程において非相溶の状態となり、相分離し海島構造となり、基本的に微粒子が3次元架橋するように、ポリマー微粒子の主鎖がプレポリマー等の主鎖と異なる分子構造を有するのが好適である。
また、ポリマー微粒子の主鎖がプレポリマー等の主鎖と同じ分子構造を有している場合には、ポリマー微粒子の架橋形式がプレポリマー等が架橋する際の架橋形式と異なるのが好ましい。両主鎖の分子構造が同じであっても架橋形式が異なれば、それぞれの架橋形式に基づく特性が得られ、複数機能を容易に発現させられる。
なお、本発明において、「同じ分子構造」とは、主鎖(その全部または一部)が、基本的に同じ分子構造または同じ繰り返し単位を有する重合体であることを意味し、「架橋形式が異なる」とは、3次元架橋されたポリマーの架橋点の結合とプレポリマー等が硬化反応して生成する結合とが化学的に異なる結合であることを意味する。
つまり、両者の分子構造が同じでも、架橋形式が異なることにより、一方を微粒子状にすることも容易に可能である。また、両者の分子構造が基本的に同じで、更に架橋形式も基本的に同じ場合であっても、架橋する際のそれぞれの反応活性が著しく異なる場合またはそれぞれの分子量、架橋点となりうる官能基等の数、分子鎖の形態等の相違により一方を微粒子状として3次元架橋させることも可能である。
例えば、プレポリマーとして、変成シリコーン系プレポリマーを用い、その中でヒドロキシ基を有するポリオキシプロピレングリコールにポリイソシアネート化合物を反応させて、ウレタンの微粒子を合成する場合は、両者の分子鎖は同じでも、各々の官能基が異なるがために、高速かくはん下で行えば、一方はウレタン微粒子となる。
また、同じウレタンプレポリマーの場合においても、イソシアネート基の活性度の差により、一方の活性の高い側のイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーを、活性水素官能基を有する化合物により3次元架橋させて微粒子状にすることも可能である。
ポリマー微粒子の主鎖とプレポリマー等の主鎖の分子構造が異なる場合、および、ポリマー微粒子の主鎖とプレポリマー等の主鎖の分子構造は同じでもポリマー微粒子の架橋形式がプレポリマー等が架橋したときの架橋形式と異なる場合には、ポリマー微粒子とプレポリマー等とが異なるものであり、これらを含有する硬化性組成物は、両者の特性を発揮し、一方の欠点を克服することができると考えられる。
この中でも、製造が容易である点で、ポリマー微粒子の主鎖とプレポリマー等の主鎖の分子構造が異なるのが好ましい。
本発明の組成物において、ポリマー微粒子の含量は、プレポリマー等100質量部に対して、1〜100質量部であるのが好ましく、5〜70質量部であるのがより好ましく、10〜40質量部であるのが更に好ましい。ポリマー微粒子の含量を上記範囲にすることにより、従来の組成物と同等以上の作業性(例えば、粘度、揺変性等の物性)、外観特性(例えば、色調、光沢等)等を有する組成物を容易に製造することができる。
本発明の組成物は、組成物に含有されるプレポリマー等に応じて、上記プレポリマー等およびポリマー微粒子のほかに、プレポリマー等の硬化剤、触媒等を含有することができる。
本発明の組成物が、一液型の湿気硬化性組成物である場合には、硬化剤、触媒等は含有されてもされなくてもよい。換言すれば、目的とする硬化特性に応じて選択される。
本発明の組成物が、二液型の反応硬化性組成物である場合には、組成物に含有されるプレポリマー等と、通常、用いられる硬化剤、触媒等とを別個の液として含有するのが好ましい。
硬化剤、触媒等の種類、含量等は、特に限定されない。なお、本発明の組成物を加熱硬化性組成物として用いてもよい。
本発明の組成物は、本発明の効果を損わない範囲で、各種添加剤等を含有することができる。
各種添加剤等は、特に限定されないが、湿気硬化性組成物または反応硬化性組成物に一般的に用いられる添加剤、例えば、充填材(補強材)、可塑剤、老化防止剤、接着付与剤、レオロジー調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、他の公知の添加剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記プレポリマー等、ポリマー微粒子、および必要により架橋剤または各種添加剤等を、バイブロミキサー、ジャイロミキサー、高速ディスパー等を有する高速かくはん機で、激しく混練(かくはん)して製造することができる。また、両者の非相溶性、温度条件等により、低速かくはんでも容易に微粒子を形成させることが可能であり、ほかの条件は特に限定されない。
本発明の組成物の製造方法を詳しく説明する。
本発明の組成物においては、ポリマー微粒子を形成するポリマーと架橋剤等を混合し、得られる混合物をプレポリマー等に投入した後、混合物を3次元架橋させてポリマー微粒子とする方法が好ましい。
具体的には、ポリマー微粒子を形成するポリマーと架橋剤、ポリマーが反応性官能基を有する場合には、更に、その硬化剤、触媒等とを混合させる混合工程と、前記混合工程により得られた混合物を、プレポリマーまたはオリゴマーに加えてかくはんし、3次元架橋させて微粒子ポリマーを形成させるかくはん架橋工程とを具備する方法が好ましい。
この方法では、プレポリマー等が硬化しない条件下、例えば、湿気反応型プレポリマーにおける湿気しゃ断条件下、または、触媒、硬化剤等の未添加の条件下、かくはん架橋工程中にプレポリマー等は硬化せず、プレポリマー中等に存在するポリマー微粒子を形成するポリマーと架橋剤等が徐々に反応して架橋(硬化)し、プレポリマー等中で3次元架橋ポリマー微粒子となる。
架橋反応が進行するに伴い、プレポリマー中でのかくはんにより、ポリマー微粒子がプレポリマー等中で均一に分散する。
その後、必要に応じて、プレポリマー等が硬化する条件、即ち、配合処方の調整等により、硬化性組成物とする。
上記架橋剤は、微粒子とするポリマーに応じて選択され、特に限定されない。例えば、微粒子とするポリマーとして天然ゴムを用いる場合には、硫黄等の架橋剤を選択することができる。また、加水分解性シリル基を持つポリマーを用いる場合(湿気硬化性)には、水、触媒等を選択することができる。
本発明の製造方法においては、ポリマー微粒子の架橋反応速度、かくはん架橋工程におけるかくはん速度、温度およびプレポリマー等とポリマー微粒子との相分離エネルギーを考慮して行うと、ポリマー微粒子の大きさを調整することができ、ポリマー微粒子をプレポリマー等に均一に分散させることができる。これらの物性(パラメータ)の好ましい範囲は、用いるプレポリマー等、ポリマー微粒子によって異なり、一概には決定しえないが、例えば、かくはん速度(回転速度)は50〜20,000rpmであるのが、ポリマー微粒子を均一に分散させられる点で好ましい。
上記混合工程は、ポリマーと必要により各種添加剤と架橋剤とを混合することができるものであれば、方法、条件等は特に限定されない。ただし、混合時間はポリマーと架橋剤が反応してしまう時間よりも短く設定する。
上記かくはん架橋工程も、ポリマー微粒子を形成する成分をプレポリマー等中に均一に分散させることができれば、かくはん速度以外の方法、条件等は特に限定されない。
本発明の製造方法においては、更に、混合工程により得られる混合物またはかくはん架橋工程により得られるポリマー微粒子の表面に、プレポリマー等の反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物を反応させる官能基導入工程を具備するのがより好ましい。表面に官能基を有するポリマー微粒子を調製することができれば、プレポリマー等中に均一に分散したポリマー微粒子と硬化した際に、一体化しやすく、物性調整の等の点で有効である。
微粒子表面にプレポリマーと反応する官能基を導入する方法としては、例えば、3次元架橋により微粒子が所望の粒径に形成されてきた最終段階において、この3次元架橋の反応様式に用いられるのと同一の反応性官能基とプレポリマーの反応性官能基との両方を有する化合物を新たに添加する方法;3次元架橋の際に、プレポリマーと同一の反応性官能基をグラフト構造等のような形式で有するオリゴマー等を微粒子のポリマー成分として選択し、3次元架橋の最初の段階、ある程度の粒径となった途中の段階、および、上述した最終段階のいずれかの段階から用いる方法が挙げられる。
このようにして得られる本発明の組成物は、必要により硬化剤等を配合され、更に必要により溶剤等で希釈され、塗布された後、所定の硬化方法に応じて、硬化する。
使用される用途としては、本発明の組成物が有する特性を生かして広範な用途に用いられるが、建築用シーリング材、土木用シーリング材、自動車用シーリング材、各種シール剤、弾性接着剤、各種封止剤、ポッティング剤等として使用されるのが好ましい。
以上、一液型の硬化性組成物について説明したが、本発明の組成物が用いられる用途、作業性、組成物の貯蔵安定性等を考慮して、本発明の組成物を二液型の硬化性組成物としてもよい。つまり、プレポリマー等と3次元架橋されたポリマー微粒子を含有する第一液と、プレポリマー等の硬化剤を含有する第二液とを有する硬化性組成物とすることができる。
第一液および第二液の製造方法は、特に限定されず、上述したプレポリマー等、ポリマー微粒子、架橋剤および必要により各種添加剤等を、上述した方法でそれぞれ混合すればよい。
二液型の組成物は、使用前に、第一液と第二液を常法にしたがって混合して用いる。
なお、二液型の組成物においても、湿気硬化性としてもよく反応硬化性としてもよく、更には加熱硬化性としてもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されない。
(実施例1)
無水マレイン酸変性ポリイソプレンゴム(LIR403、(株)クラレ製、数平均分子量30,000)20g、プロセスオイル(PS32、出光石油化学(株)製)6gおよびオキサゾリジン化合物(ハードナーOZ、バイエル(株)製)1.5gを高速かくはん機(型番AR−250、シンキー(株)製)に投入し、自転800rpm、公転2,000rpmで2分間混合させた(混合工程)。
得られた混合物を、加水分解性シリル基を持つポリエーテル(MSP−S810、鐘淵化学工業(株)製)70gに添加し、同装置を用いて、自転800rpm、公転2,000rpmで30分間高速かくはんし、ポリマー微粒子を3次元架橋させた(かくはん架橋工程)。
このかくはん架橋工程終了後、ポリマー中に存在する3次元架橋されたポリマーの微粒子をレーザー顕微鏡で観察したところ、平均粒径は約20μmであった。
つぎに、得られた混合物に、可塑剤(ESP、サンソサイザーE−PS、新日本理化(株)製)2.5g、可塑剤(DINP、ビニカイザー90、花王(株)製)7.5g、エポキシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ(株)製)0.5g、コロイダル炭酸カルシウム(カルファイン200、丸尾カルシウム(株)製)12.0g、表面処理重質炭酸カルシウム(スノーライトS、丸尾カルシウム(株)製)6.0g、スズ触媒(ネオスタンU−28、日東化成(株)製)3.0gおよびラウリルアミン(ファーミン20D、花王(株)製)0.8gを添加して、混合し組成物を得た。
上記で得られた組成物を、常法に従い硬化させた。
この硬化物について、JIS A5758に準じてH型試験片を作製し、引張試験を行ったところ、破断伸びは300%であった。
(実施例2)
かくはん架橋工程終了後、プロセスオイル20g、アミノシラン(KBM602、信越化学工業(株)製)1.0gおよびビニルシラン(A171、日本ユニカー(株)製)0.2gを投入し、同装置を用いて、同様に3分間高速かくはんしてポリマー微粒子の表面に、プレポリマーの反応性官能基(加水分解性シリル基)と反応しうる官能基(アミノシランの加水分解性シリル基)を導入した(官能基導入工程)以外は、実施例1と同様の方法により、組成物を得た。
得られた組成物を顕微鏡観察し、写真撮影した。
図1は、実施例2で得られた組成物の3次元架橋されたポリマー微粒子の分散状態を示す写真である。写真中、黒い部分がマトリックス(変成シリコーン)であり、白い部分がポリマー微粒子(ポリイソブチレン)である。
上記で得られた組成物を、実施例1と同様の方法により、硬化させた。
加水分解性シリル基導入後および硬化物中のポリマー微粒子の平均粒子径は、約20μmであった。
この硬化物について、実施例1と同様の方法により、引張試験を行ったところ、破断伸びは500%であった。
この硬化物について、動的耐久性試験を以下の方法で行ったところ、硬化物(表面および内部)にクラックは発生せず、動的耐久性に優れた。つまり、ポリマー微粒子表面にプレポリマー等の反応性官能基と同じ官能基を導入した場合(実施例2)、導入しない場合(実施例1)に比べて、機械的特性(ここでは、破断伸び)、および、物理的特性(ここでは、動的耐久性)に優れたものとなった。
<試験方法>
JIS A1439に規定されたH型試験片を作製し、養生後、23℃、伸び率±30%で2000回、伸縮繰り返しを行う動的耐久性試験を行った。試験中における試験片の破断、および、試験後の試験片のクラック等の発生の有無を目視で確認した。
(実施例3)
末端に不飽和二重結合基をもつポリイソブチレン(PIB、EPION 200A、数平均分子量5,000、鐘淵化学工業(株)製)100質量部、プロセスオイル(PAO5004、出光石油化学(株)製)50質量部、架橋剤(ヒドロキシシラン、CR300、鐘淵化学工業(株)製)12質量部、架橋遅延剤(ジメチルマロネート)0.03質量部および白金触媒0.12質量部をプロセスオイル1.2質量部に懸濁させた白金触媒液1.32質量部を高速かくはん機に投入し、実施例1と同様の方法により、混合させた(混合工程)。
得られた混合物(ポリマー微粒子成分)20質量部を、変成シリコーン(MSP−S203、鐘淵化学工業(株)製)100質量部およびプロセスオイル10質量部に添加し、同装置を用いて、実施例1と同様の方法により、ポリマー微粒子成分を3次元架橋させた(かくはん架橋工程)。
つぎに、得られた混合物に、実施例1と同様の添加剤等を添加して混合し組成物を得た。
上記で得られた組成物を、常法に従い硬化させた。
通常、ポリイソブチレンと変成シリコーンは互いに相溶しない。そのため、これらの成分を混合した硬化性組成物は調製できなかった。しかし、本発明では、ポリイソブチレンを3次元架橋させたポリマー微粒子として、変成シリコーンに均一に分散させることができた。更に、得られた硬化物は、ポリイソブチレンを組成物に含ませることにより、変成シリコーンを主体とする変成シリコーン系シーラントの欠点である耐水性を、変成シリコーン系シーラントの硬化性を損うことなく、改善することができ、複数機能の発現を実現することができた。
(実施例4)
ポリサルファイドとポリプロピレングリコールの共重合体を主鎖とし末端にチオール基を持つプレポリマー(LP282、ポリサルファイド系ポリマー、東レファインケミカル(株)製)100質量部、ポリプロピレングリコールを主鎖とし末端にイソシアネート基を持つプレポリマー(CP132、東レファインケミカル(株)製)100質量部、スズ触媒(スタンBL、三共有機合成(株)製)1.5質量部およびアミン触媒(ナイミーンS220、日本油脂(株)製)0.3質量部を高速かくはん機に投入し、実施例1と同様の方法により、混合させた(混合工程)。
得られた混合物30質量部を、変成シリコーン(MSP−S203、鐘淵化学工業(株)製)100質量部に添加し、同装置を用いて、実施例1と同様の方法により、ポリマー微粒子成分を3次元架橋させた(かくはん架橋工程)。
つぎに、得られた混合物に、実施例1と同様の添加剤等を添加して混合し組成物を得た。
上記で得られた組成物を、常法に従い硬化させた。
通常、ポリサルファイド、ポリプロピレングリコールおよび変成シリコーンを混合させると、ポリサルファイドポリマーが持つメルカプト基等が、変性シリコーンを硬化させるための触媒であるスズ系触媒等を失活させるため、変性シリコーンが硬化しないなどの問題があった。
しかし、本発明では、ポリサルファイドとポリプロピレングリコールの共重合体を3次元架橋させたポリマー微粒子として、変成シリコーンに均一に分散させることができた。更に、得られた硬化物は、変成シリコーンを主体とする変成シリコーン系シーラントの欠点である紫外線に対する耐候性を、ポリサルファイドを組成物に含ませることにより、変成シリコーン系シーラントの硬化性を損うことなく、改善することができ、複数機能の発現を実現することができた。
実施例3は、プレポリマーとポリマー微粒子の主鎖が異なり、相互に混ざらないものであるため、ポリマー微粒子の粒子径が小さく粒度分布が狭くなり硬化性組成物の調製が比較的容易であった。
実施例4は、プレポリマーとポリマー微粒子の主鎖(を構成するモノマー成分)が一部同じであり、両者は実施例3に比べると比較的混ざりやすくポリマー微粒子の粒子径が大きく粒度分布が広くなる傾向があるが、ポリマー微粒子の架橋反応速度やかくはん速度等を調整することにより、十分な性能を発揮する本発明の組成物を得ることができた。
実施例2で得られた組成物の3次元架橋されたポリマー微粒子の分散状態を示す写真である。

Claims (13)

  1. プレポリマーまたはオリゴマーと、3次元架橋されたポリマー微粒子とを含有する硬化性組成物。
  2. 更に、前記プレポリマーまたはオリゴマーの硬化剤を含有する請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. プレポリマーまたはオリゴマーと3次元架橋されたポリマー微粒子とを含有する第一液と、
    前記プレポリマーまたはオリゴマーの硬化剤を含有する第二液と
    を有する請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記ポリマー微粒子が、前記プレポリマーまたはオリゴマーの反応性官能基と反応しうる官能基を表面に有するポリマー微粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記ポリマー微粒子の主鎖が、前記プレポリマーまたはオリゴマーの主鎖と異なる分子構造を有する請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 前記ポリマー微粒子の主鎖が、前記プレポリマーまたはオリゴマーの主鎖と同じ分子構造を有し、かつ、前記ポリマー微粒子の架橋形式が、前記プレポリマーまたはオリゴマーが架橋するときの架橋形式と異なる請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  7. 前記ポリマー微粒子の平均粒子径が、1〜100μmである請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物。
  8. 前記ポリマー微粒子が架橋剤および/または硬化剤により3次元架橋されてなるポリマー微粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性組成物。
  9. 前記プレポリマーまたはオリゴマーが、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系、シリコーン系および変成シリコーン系からなる群から選ばれる少なくとも1種のプレポリマーまたはオリゴマーである請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性組成物。
  10. 前記プレポリマーまたはオリゴマー100質量部に対して、前記ポリマー微粒子を1〜100質量部含有する請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性組成物。
  11. ポリマー微粒子を形成するポリマーと、架橋剤および/または硬化剤とを混合させる混合工程と、
    前記混合工程により得られた混合物を、プレポリマーまたはオリゴマーに加えてかくはんし、3次元架橋させてポリマー微粒子を形成させるかくはん架橋工程と
    を具備する硬化性組成物の製造方法。
  12. 更に、
    前記混合工程により得られた前記混合物または前記かくはん架橋工程により得られた前記ポリマー微粒子の表面に、前記プレポリマーまたはオリゴマーの反応性官能基と反応しうる官能基を有する化合物を反応させる官能基導入工程
    を具備する請求項11に記載の硬化性組成物の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
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