JP2005255767A - 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク、それを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク、それを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができる活性光線硬化型組成物、それを用いた、それら特性に加えて高画質で射出性に優れた活性光線硬化型インク、該インクを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 光重合性化合物としてエポキシ化合物を含有し、且つ4〜10員環の環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光重合性化合物を含有する活性光線硬化組成物、活性光線硬化型インク、それを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来、紫外線や電子線などの活性エネルギー線または熱により硬化する硬化組成物は、プラスチック、紙、木工及び無機質材等の塗料、接着剤、印刷インキ、印刷回路基板及び電気絶縁関係等の種々の用途に実用化されている。近年、その中でも印刷インキ、塗料、接着剤等ではより一層の耐候性と付着性の改善が望まれている。また、これらを使用したインクジェット用インクとしては、紫外線で硬化する紫外線硬化型ジェトインクがある。この紫外線硬化型インクを用いたインクジェット方式は比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で近年注目されつつあり、例えば、特開平6−200204号公報、特表2000−504778号公報において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。この分野においては、低粘度であることに加え、形成される膜が強固で密着性が良いことが求められている。
また、これらのインクを用いた場合、記録材料の種類や作業環境によって、硬化感度が変動しやすい。
ラジカル重合性化合物を用いたインクは酸素阻害作用を受けるため、インク液滴量が少ない場合には硬化阻害が起こりやすい。また、カチオン重合性化合物を用いたインクは酸素阻害作用をうけることはないが、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題がある(例えば、特許文献1〜4参照。)。
また、カチオン重合性開始剤と環状エステル化合物を併用する技術(例えば、特許文献5〜7参照。)が開示されており、カチオン重合性開始剤と環状エステル化合物を併用することにより、開始剤の溶解性が向上することや硬化膜物性が低下しないこと等は明示されているが、特定のカチオン重合性モノマーとの併用による効果、各種基材への密着性の向上、インクジェット用インクとしての使用についてはなんら説明がなされていない。
特開2001−220526号公報 特開2002−188025号公報 特開2002−317139号公報 特開2003−55449号公報 特開平9−87368号公報 特開平6−41215号公報 特開昭56−15261号公報
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができる活性光線硬化型組成物、それを用いた、それら特性に加えて高画質で、射出性に優れた活性光線硬化型インク、該インクを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
光重合性化合物としてエポキシ化合物を含有し、且つ4〜10員環の環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
(請求項2)
光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物を含有し、且つ4〜10員環の環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
(請求項3)
前記オキセタン環を有する化合物が2置換オキセタン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型組成物。
(請求項4)
前記環状エステル化合物が炭酸エステル構造を有しない環状エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
(請求項5)
前記エポキシ化合物がエポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
(請求項6)
前記エポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
(請求項7)
前記脂環式エポキシ化合物が下記一般式(A)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の活性光線硬化型組成物。
Figure 2005255767
(式中、R100は置換基を表し、m0は0〜2を表す。r0は1〜3を表す。L0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr0+1価の連結基または単結合を表す。)
(請求項8)
前記一般式(A)で表される脂環式エポキシ化合物が下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される脂環式エポキシ化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の活性光線硬化型組成物。
Figure 2005255767
(式中、R101は置換基を表し、m1は0〜2を表す。r1は1〜3を表す。L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr1+1価の連結基または単結合を表す。)
Figure 2005255767
(式中、R102は置換基を表し、m2は0〜2を表す。r2は1〜3を表す。L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr2+1価の連結基または単結合を表す。)
Figure 2005255767
(式中、R200はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、m3は0〜2を表す。X1は−(CH2n0−または−(O)n0−を表し、n0は0または1を表す。p1、q1はそれぞれ0または1を表し同時に0となることはない。r3は1〜3を表す。L3は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr3+1価の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。)
Figure 2005255767
(式中、R201はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、m4は0〜2を表す。X2は−(CH2n1−または−(O)n1−を表し、n1は0または1を表す。p2、q2はそれぞれ0または1を表し同時に0となることはない。r4は1〜3を表す。L4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr4+1価の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。)
(請求項9)
25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
(請求項10)
請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物と少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
(請求項11)
インクジェット記録ヘッドより、請求項10に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
(請求項12)
インクジェット記録ヘッドより、請求項10に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が2〜15plであることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
(請求項13)
請求項11または12に記載のインクジェット画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、請求項10に記載の活性光線硬化型インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
(請求項14)
請求項11または12に記載のインクジェット画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、35〜60℃に加温した記録材料に請求項10に記載の活性光線硬化型インクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によって、硬化感度が高く、高い硬度と強靱な塗膜を形成することができる活性光線硬化型組成物と、それを用いて、その特性に加えて高画質で、射出性に優れた活性光線硬化型インクを得ることができた。
以下、本発明について詳述する。
本発明において、4〜10員環の環状エステル化合物としては炭酸エステル構造を有しないものが好ましく、具体的にはε−カプロラクトン−6−ヒドロキシヘキサン酸1,6ラクトン、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、α−メチル−β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、クマリン、テトロン酸、ピロン、フタリド、3−メチル−1,4−ジオキサ−2,5−ジオン、p−ジオキサノン、モリホリンジオン等である。また、その使用に当たってはそれらの混合物でも構わない。
また5員環以上の環状エーテルとしては、具体的には1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、クラウンエーテル(12−crown−4等)、1,2−ジメチルテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2−メチルジオキソラン、4−メチルジオキソラン、モリホリン等である。
本発明で好ましく用いられるオキセタン環を有する化合物について、以下説明する。
(2位が置換されているオキセタン環を有するオキセタン化合物)
本発明の活性光線硬化型インクでは、下記一般式(1)で表される2位が置換されているオキセタン環を分子中に少なくとも1つ有するオキセタン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2005255767
上記一般式(1)において、R1〜R6は、各々水素原子または置換基を表す。但し、R3〜R6で表される基の少なくとも一つは置換基である。
一般式(1)において、R1〜R6で表される置換基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、フリル基またはチエニル基を表す。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
(分子中に1個のオキセタン環を有するオキセタン化合物)
更に、上記一般式(1)の中でも、下記一般式(2)〜(5)で表されるオキセタン環を有する化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005255767
式中、R1〜R6は、水素原子または置換基を表し、R7、R8は、各々置換基を表し、Zは、各々独立で、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す。
一般式(2)〜(5)において、R1〜R6で表される置換基は、前記一般式(1)のR1〜R6で表される置換基と同義である。
一般式(2)〜(5)において、R7、R8で表される置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。
一般式(2)〜(5)において、Zで表される、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)が挙げられ、また、前記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基の炭素原子は、酸素原子や硫黄原子に置き換わっていてもよい。
上記の置換基の中でも、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)が好ましく、特に好ましく用いられるのは、エチル基である。また、R7及びR8としては、プロピル基、ブチル基、フェニル基またはベンジル基が好ましく、Zは、酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基(アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等)が好ましい。
(分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物)
また、本発明では、下記一般式(6)、(7)で表されるような、分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物を用いることができる。
Figure 2005255767
式中、Zは、前記一般式(2)〜(5)において用いられる基と同義であり、mは、2、3または4を表す。R1〜R6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)またはフリル基を表す。但し、一般式(6)においては、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
式中、R9は、炭素数1〜12の線形または分岐アルキレン基、線形または分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、または、下記一般式(9)、(10)及び(11)からなる群から選択される2価の基を表す。
上記の炭素数1〜12の分岐アルキレン基の一例としては、下記一般式(8)で表されるアルキレン基が好ましく用いられる。
Figure 2005255767
式中、R10は、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
Figure 2005255767
式中、nは0または1〜2000の整数を表し、R12は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表し、R11は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)または、下記一般式(12)で表される基を表す。
Figure 2005255767
式中、jは0または1〜100の整数を表し、R13は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表す。
Figure 2005255767
式中、R14は、水素原子、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)、炭素数1〜10個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)またはカルボキシル基を表す。
Figure 2005255767
式中、R15は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、または、−C(CF32−を表す。
本発明で使用されるオキセタン環を有する化合物の好ましい部分構造の態様としては、例えば、上記一般式(6)、(7)において、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)であることが好ましく、特に好ましくはエチル基である。また、R9としては、ヘキサメチレン基、または上記一般式(10)において、R14が水素原子であるものが好ましく用いられる。
上記一般式(8)において、R10がエチル基、R12及びR13がメチル基、Zが酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基が好ましい。
更に、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の好ましい態様の一例としては、下記一般式(13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005255767
式中、rは25〜200の整数であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)またはトリアルキルシリル基を表す。R1、R3、R5、R6は、上記一般式(1)において、R1〜R6で表される置換基と同義である。但し、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
以下、本発明に係る、2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の具体例を例示化合物1〜15として示すが、本発明はこれらに限定されない。
1:trans−3−tert−ブチル−2−フェニルオキセタン
2:3,3,4,4−テトラメチル−2,2−ジフェニルオキセタン
3:ジ[3−エチル(2−メトキシ−3−オキセタニル)]メチルエーテル
4:1,4−ビス(2,3,4,4−テトラメチル−3−エチル−オキセタニル)ブタン
5:1,4−ビス(3−メチル−3−エチルオキセタニル)ブタン
6:ジ(3,4,4−トリメチル−3−エチルオキセタニル)メチルエーテル
7:3−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−2,2,3,4−テトラメチルオキセタン
8:2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタン
9:4,4’−ビス[(2,4−ジメチル−3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル
10:1,7−ビス(2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタニル)ヘプタン
11:オキセタニル シルセスキオキサン
12:2−メトキシ−3,3−ジメチルオキセタン
13:2,2,3,3−テトラメチルオキセタン
14:2−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチルオキセタン
15:ジ(2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキセタン−3−イル)エーテル
本発明に係る、少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の合成は、下記に記載の文献を参考に合成することができる。
(1)Hu Xianming,Richard M. Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)
(2)A. O. Fitton,J. Hill,D. Ejane,R. Miller,Synth.,12,1140(1987)
(3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can. J. Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
(4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka, and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
(5)Walter Fisher and Cyril A. Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
(6)Chem.Ber.101,1850(1968)
(7)“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)
(8)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
(9)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)
(10)Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
(11)特開平6−16804号公報
(12)ドイツ特許第1,021,858号明細書
本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の活性光線硬化型インク中の含有量は、1〜97質量%が好ましくは、より好ましくは30〜95質量%である。
(オキセタン化合物とその他のモノマーとの併用)
また、本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物は、単独で用いてもよいが、構造の異なる2種を併用してもよく、また、後述する、光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物等を併用して使用することができる。併用する場合、混合比は少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物が混合物中、10〜98質量%になるように調製することが好ましく、また、その他の光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物が2〜90質量%になるように調整することが好ましい。
(3位のみに置換基を有するオキセタン化合物)
本発明では、上記の2位に置換基を有するオキセタン化合物と、従来公知のオキセタン化合物とを併用することができるが、中でも、3位のみに置換基を有するオキセタン化合物が好ましく併用できる。
ここで、3位のみに置換基を有するオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526公報、同2001−310937公報に紹介されているような公知のものを使用することができる。
3位のみに置換基を有する化合物としては、下記一般式(14)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005255767
一般式(14)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られるが粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(15)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2005255767
一般式(15)において、R1は、上記一般式(14)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては、下記一般式(16)、(17)及び(18)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
Figure 2005255767
一般式(16)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
Figure 2005255767
一般式(17)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、またはC(CH32を表す。
Figure 2005255767
一般式(18)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(19)で示される基から選択される基も挙げることができる。
Figure 2005255767
一般式(19)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2005255767
例示化合物1は、前記一般式(15)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(15)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(18)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(20)で示される化合物がある。一般式(20)において、R1は、前記一般式(14)のR1と同義である。
Figure 2005255767
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(21)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005255767
一般式(21)において、R1は、前記一般式(14)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3または4である。
Figure 2005255767
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
Figure 2005255767
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(22)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005255767
一般式(22)において、R8は前記一般式(19)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明に係るオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物4、5、6がある。
Figure 2005255767
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison, J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の例示化合物7、8、9が挙げられる。
Figure 2005255767
(エポキシ基を有する化合物)
本発明に使用されるエポキシ基を有する化合物としては、エポキシ基を有する化合物のモノマー及びそのオリゴマーのいずれも使用できる。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。なお、以下エポキシドとは、モノマーまたはそのオリゴマーを意味する。本発明におけるオリゴマーとしては、低分子量の化合物が好ましく、分子量が1000未満のオリゴマーがより好ましい。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、以下に示す化合物等が挙げられる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
さらに、これらの化合物の他に、分子内に1個のオキシラン環を有するモノマーである脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル及びフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
一般式(A)、(I)または(II)で表される脂環式エポキシ化合物について説明する。
一般式(A)、(I)または(II)において、R100、R101、R102、は置換基を表す、置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
m0、m1、m2は0〜2の整数を表し、0または1が好ましい。
0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr0+1価の連結基あるいは単結合を、L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr1+1価の連結基あるいは単結合を、L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr2+1価の連結基あるいは単結合を表す。
主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15の2価の連結基の例としては、以下の基およびこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
メチレン基[−CH2−]
エチリデン基[>CHCH3
イソプロピリデン[>C(CH32
1,2−エチレン基[−CH2CH2−]
1,2−プロピレン基[−CH(CH3)CH2−]
1,3−プロパンジイル基[−CH2CH2CH2−]
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH32CH2−]
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH32CH2−]
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH32CH2−]
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]
1,4−ブタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2−]
1,5−ペンタンジイル基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]
オキシジエチレン基[−CH2CH2OCH2CH2−]
チオジエチレン基[−CH2CH2SCH2CH2−]
3−オキソチオジエチレン基[−CH2CH2SOCH2CH2−]
3,3−ジオキソチオジエチレン基[−CH2CH2SO2CH2CH2−]
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2O−CH(CH3)CH2−]
3−オキソペンタンジイル基[−CH2CH2COCH2CH2−]
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基[−COCH2OCH2CO−]
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基[−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−]
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−]
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2O−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH32CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−]
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−]
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基[−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−]
1,3−シクロペンタンジイル基[−1,3−C58−]
1,2−シクロヘキサンジイル基[−1,2−C610−]
1,3−シクロヘキサンジイル基[−1,3−C610−]
1,4−シクロヘキサンジイル基[−1,4−C610−]
2,5−テトラヒドロフランジイル基[2,5−C46O−]
p−フェニレン基[−p−C64−]
m−フェニレン基[−m−C64−]
α,α′−o−キシリレン基[−o−CH2−C64−CH2−]
α,α′−m−キシリレン基[−m−CH2−C64−CH2−]
α,α′−p−キシリレン基[−p−CH2−C64−CH2−]
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42O−CH2−]
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基[2,5−CH2−C42S−CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C64−C(CH32−p−C64−]。
3価以上の連結基としては以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基およびそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
0、L1、L2は各々置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。L0、L1、L2としては、各々主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
以下に、好ましい一般式(A)、(I)または(II)で表される脂環式エポキシ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005255767
Figure 2005255767
本発明においては、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物及びエステル結合を2つ以上有する脂環式エポキシ化合物を含有する。好ましくは一般式(III)、(IV)のいずれかで表される化合物である。
上記の式中、R200、R201は脂肪族基を表す、脂肪族基としては炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、等)が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3個のアルキル基であり、メチル基、エチル基がより好ましい。
m3、m4は0〜2を表し、1以上が好ましい。
1は−(CH2n0−または−(O)n0−を、X2は−(CH2n1−または−(O)n1−を表す。n0、n1は0または1を表し、n0、n1が0の場合はX1、X2が存在しないことを表す。
m3+n0またはm4+n1は1以上が好ましい。
3は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr3+1価の分岐構造を有する連結基あるいは単結合を、L4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr4+1価の分岐構造を有する連結基あるいは単結合を表す。主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15の2価の連結基の例としては、以下の基およびこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
エチリデン基[>CHCH3
イソプロピリデン[>C(CH32
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH32CH2−]
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(OCH32CH2−]
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基[−CH2C(CH2OCH32CH2−]
1−メチル−1,3−プロパンジイル基[−CH(CH3)CH2CH2−]
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基[−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−]
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−]
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(OCH32CH2OCH2CH2−]、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基[−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−]
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基[−p−C64−C(CH32−p−C64−]。
3価以上の連結基としては以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基およびそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
3、L4は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基である。
以下に一般式(III)、(IV)の例示化合物を示す。
Figure 2005255767
脂環式エポキシ化合物の添加量としては、10〜80質量%含有することが好ましい。10質量%未満であると硬化環境(温度、湿度)により硬化性が著しく変わってしまい使えない。80質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く使えない。本発明では、脂環式エポキシ化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、これらの脂環式エポキシ化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、特許2906245号、特許2926262号の各公報等の文献を参考にして合成できる。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、エポキシ化合物として、エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドを含有する。
エポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドをオキセタン化合物/脂環式エポキシ化合物の系に併用することにより、AMES及び感作性、皮膚刺激性、臭気等の安全・環境の観点で好ましいだけでなく、硬化環境(温度、湿度)により硬化収縮による皺の発生、硬化性・吐出性の不良等の従来からの問題点を解決することができる。
本発明で用いることのできるエポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ化脂肪酸グリセライドとしては、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセライドにエポキシ基を導入したものであれば、特に制限はなく用いられる。
エポキシ化脂肪酸エステルは、オレイン酸エステルをエポキシ化して製造されたもので、エポキシステアリン酸メチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が用いられる。また、エポキシ化脂肪酸グリセライドは、同様に、大豆油、アマニ油、ヒマシ油等をエポキシ化して製造されたもので、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油等が用いられる。
本発明の活性光線硬化型組成物において、前記オキセタン環を有する化合物のエポキシ化合物に対する比率が7:3〜3:7であり、且つ脂肪酸エステルの添加量が1質量%以上30質量%以下であることを特徴としている。
本発明の活性光線硬化型組成物においては、上記構成に加えて、塩基性化合物を用いることが好ましい。塩基性化合物を含有することで、吐出安定性が良好となるばかりでなく、低湿下においても硬化収縮による皺の発生が抑制される。
塩基性化合物としては、公知のあらゆるものを用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。前記の塩基性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げられる。前記の塩基性アルカリ土類金属化合物としては、同様に、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(例えば、マグネシウムメトキシド等)が挙げられる。
塩基性有機化合物としては、アミンならびにキノリンおよびキノリジンなど含窒素複素環化合物などが挙げられるが、これらの中でも、光重合成モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンおよびトリエタノールアミンなどが挙げられる。
塩基性化合物を存在させる際の濃度は、光重合性化合物の総量に対して10〜1000質量ppm、特に20〜500質量ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性化合物は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい。
本発明の活性光線硬化型組成物には、公知のあらゆる光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤は光重合性化合物によって、光酸発生剤、光ラジカル発生剤が使用される。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192頁参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
Figure 2005255767
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
Figure 2005255767
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2005255767
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2005255767
また、本発明では光ラジカル発生剤も使用することができる。光ラジカル発生剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の光ラジカル発生剤が使用出来る。「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しい。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmの厚みを持つインク画像での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。また、前述のモノマー同様、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(R)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。
本発明の活性光線硬化型インクは、上述の活性光線硬化型組成物と共に各種公知の染料または顔料を含有しているが、好ましくは顔料を含有する。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42
C.I Pigment Orange−16、36、38
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101
C.I Pigment Violet−19、23
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29
C.I Pigment Green−7、36
C.I Pigment White−6、18、21
C.I Pigment Black−7。
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を高める目的で、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、吐出安定性、記録材料のカール・しわの発生の観点から、自ずと使用量に関しては制限がある。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などがあげられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明の活性光線硬化型インクにおいては、活性光線硬化型組成物の25℃における粘度が7〜40mPa・sであることが、硬化環境(温度・湿度)に関係なく吐出が安定し、良好な硬化性を得るために好ましい。
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
これら各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは、素材の特性により大きく異なり、記録材料によってはインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できる。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜25μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が25μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成出来る。
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることであり、好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
本発明に係るインクジェット記録方法にあっては、活性光線硬化型インクを記録媒体に付着させた後に、光照射を行う。光照射は可視光照射、紫外線照射であってもよく、特に紫外線照射が好ましい。紫外線照射を行う場合、紫外線照射量は100mJ/cm2以上、好ましくは500mJ/cm2以上であり、また10,000mJ/cm2以下、好ましくは5,000mJ/cm2以下の範囲で行う。かかる程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができ、また紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。紫外線照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。メタルハライドランプは高圧水銀ランプ(主波長は365nm)に比べてスペクトルが連続しており、200〜450nmの範囲で発光効率が高く、且つ長波長域が豊富である。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号公報に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号明細書では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、且つ全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベルなどへの印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成出来、且つ記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明のインクジェット記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明のインクジェット記録装置の一態様であり、本発明のインクジェット記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明のインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行なうことができ好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明の活性光線硬化型インクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。なお、本発明において、記録材料Pは35〜60℃に加温することが望ましい。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
〔活性光線硬化型組成物の作製〕
光重合性化合物、光重合開始剤、本発明に係る化合物及びその他添加剤を下記表に示すように添加、溶解させて活性光線硬化型組成物を作製した。それぞれの表が一つの硬化組成物のブロックを表している。
Figure 2005255767
Figure 2005255767
Figure 2005255767
Figure 2005255767
Figure 2005255767
表中で使用の化合物は以下の通りである。
〈光重合性化合物〉
(脂環式エポキシ化合物)
2021P:セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)
(エポキシ化大豆油(エポキシ化脂肪酸グリセライド))
Vf7010:Vikoflex7010(ATOFINA社製)
(オキセタン環を有する化合物)
OXT221:東亞合成社製
〈光重合開始剤〉
I−250:イルガキュア250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
UVI6992:プロピオンカーボネート50%液(ダウ・ケミカル社製)
〔粘度の測定〕
25℃、せん断速度1000(1/s)時の粘度を硬化前の活性光線硬化型組成物について、MCR−300(フィジカ社製)の粘度計を用いて測定した。
〔硬化感度の評価〕
得られた硬化組成物を合成紙(ユポ・コーポレーション(株)社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が3μmになるように塗布した後、紫外線光量を変化させて紫外線を照射し、照射後、塗布硬化膜を爪で擦り、膜がはがれるときの照射エネルギー(mJ/cm2)をもって硬化感度とした。
〔硬化組成物の硬化と評価〕
以下の方法によって、塗膜を形成した後、硬化させた。得られた硬化組成物を合成紙(ユポ・コーポレーション(株)社製の合成紙ユポFGS)に膜厚が3μmになるように塗布した後、300mJ/cm2の紫外線をメタルハライドランプにより1秒以内で照射し、硬化物を得た。
得られた硬化物の物理的特性を下記に示す試験で評価した。
1)鉛筆引っかき試験:JIS K5400に従って、各硬化物の硬度を測定した。数値が小さいほど硬度が高いことを示す。
2)基盤目テープ剥離残留付着率試験:JIS K5400の碁盤目試験で得た硬化組成物試料に粘着テープ(スコッチ#250、住友スリーエム製)を張り合わせて2kgのローラーで1往復圧着した後、一気に剥がし、残留している碁盤目状の試料の数を%で表示した。
結果は表6に示す。表6において、試料No.1〜4、5〜10、11〜14、15〜21、22〜25がそれぞれ表1、2、3、4、5に対応し、表6の結果はそれぞれの対応群で評価した。
Figure 2005255767
表6の試料No.1〜4、5〜10、11〜14、15〜21、22〜25の群において、比較試料に対して、本発明の試料は硬化感度に優れ、鉛筆引っかき試験結果より塗膜硬度が高く、また基盤目テープ剥離残留付着率試験より塗膜としてより強靱であることが分かる。
実施例2
《活性光線硬化型インクの調製》
分散剤(PB822:味の素ファインテクノ(株)製)と、表7、8に記載の各光重合性化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に各色の顔料(表9記載)を添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、各光重合開始剤、塩基性化合物、界面活性剤等の各種添加剤を表7、8に記載の組み合わせで添加し、これをプリンター目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、インク組成物セットを調製した。なお、インク粘度はオキセタン環を有する化合物とエポキシ化合物の添加量を調整することで、20〜30mPa・sになるようにした。なお、ライトカラー(Lk、Lc、Lm、Ly)の顔料濃度は1/5とした。
Figure 2005255767
Figure 2005255767
Figure 2005255767
表中で使用の化合物は以下の通りである。
〔界面活性剤〕
F178k:メガファックスF178k パーフルオロアルキル基含有アクリルオリゴマー(大日本インキ化学工業社製)
F1405:メガファックスF1405 パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物(大日本インキ化学工業社製)
〔相溶化剤〕
R100:ハリタックR100(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
145P:ハリタック145P(ロジン変性マレイン酸樹脂 播磨化学社製)
〔分散剤〕
PB822:味の素ファインテクノ社製
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各活性光線硬化型インクを装填し、巾600mm、長さ20mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。インク供給系はインクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。なお、各活性光線硬化型インクの粘度にあわせてヘッド部を加温し、2〜15plの液滴量のマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cmあたりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、上記の活性光線硬化型インクを連続吐出した。また、記録材料は面ヒーターにより50℃に加温した。着弾した後、キャリッジ両脇の照射光源B:メタルハライドランプ(日本電池社製 MAL400NL 電力=3kW・hr 120W/cm)により瞬時(着弾後0.5秒未満)に硬化させた。画像記録後に、総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って30℃、80%RHおよび25℃、20%RHの環境下で印字を行った。
なお、各照射光源の照度は岩崎電機社製のUVPF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定した。また、記載の各記録材料の略称の詳細は以下の通りである。
ユポFGS:ユポコーポレーション社製合成紙
PVC:polyvinyl chioride
(射出性の評価)
連続でインクを30分間吐出させた後、インク欠の状況を目視にて評価した。
◎:インク欠がなく、良好なレベル
○:インク欠がわずかにあるが、問題の無いレベル
△:インク欠があり、画質に影響を与えるレベル
×:インク欠が多発し、許容できないレベル
(文字品質の評価)
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり(滲み、皺)の評価)
720dpiで、Y、M、C、K各色1ドットが隣り合うように印字し、隣り合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み及び皺の具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うドット形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うドットが滲んで混じりあっており、また重なり部に皺の発生があり、使えないレベル
結果を表10に示す。
Figure 2005255767
表10の結果より、本発明の試料は射出性が向上し、且つ文字品質、滲み、皺の評価より画質も向上していることがわかる。更に本発明の試料は、環境の違いによらず良好な性能を示すことがわかる。
本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。 本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料

Claims (14)

  1. 光重合性化合物としてエポキシ化合物を含有し、且つ4〜10員環の環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
  2. 光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物を含有し、且つ4〜10員環の環状エステル化合物または5員環以上の環状エーテル化合物を含有することを特徴とする活性光線硬化型組成物。
  3. 前記オキセタン環を有する化合物が2置換オキセタン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型組成物。
  4. 前記環状エステル化合物が炭酸エステル構造を有しない環状エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  5. 前記エポキシ化合物がエポキシ化脂肪酸エステルまたはエポキシ化脂肪酸グリセライドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  6. 前記エポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  7. 前記脂環式エポキシ化合物が下記一般式(A)で表される化合物であることを特徴とする請求項6に記載の活性光線硬化型組成物。
    Figure 2005255767
    (式中、R100は置換基を表し、m0は0〜2を表す。r0は1〜3を表す。L0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr0+1価の連結基または単結合を表す。)
  8. 前記一般式(A)で表される脂環式エポキシ化合物が下記一般式(I)、(II)、(III)及び(IV)で表される脂環式エポキシ化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の活性光線硬化型組成物。
    Figure 2005255767
    (式中、R101は置換基を表し、m1は0〜2を表す。r1は1〜3を表す。L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr1+1価の連結基または単結合を表す。)
    Figure 2005255767
    (式中、R102は置換基を表し、m2は0〜2を表す。r2は1〜3を表す。L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr2+1価の連結基または単結合を表す。)
    Figure 2005255767
    (式中、R200はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、m3は0〜2を表す。X1は−(CH2n0−または−(O)n0−を表し、n0は0または1を表す。p1、q1はそれぞれ0または1を表し同時に0となることはない。r3は1〜3を表す。L3は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr3+1価の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。)
    Figure 2005255767
    (式中、R201はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、m4は0〜2を表す。X2は−(CH2n1−または−(O)n1−を表し、n1は0または1を表す。p2、q2はそれぞれ0または1を表し同時に0となることはない。r4は1〜3を表す。L4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜15のr4+1価の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。)
  9. 25℃における粘度が7〜40mPa・sであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型組成物と少なくとも1種の顔料を含有することを特徴とする活性光線硬化型インク。
  11. インクジェット記録ヘッドより、請求項10に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に吐出して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  12. インクジェット記録ヘッドより、請求項10に記載の活性光線硬化型インクを記録材料上に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出する最小インク液滴量が2〜15plであることを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  13. 請求項11または12に記載のインクジェット画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、請求項10に記載の活性光線硬化型インク及び記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 請求項11または12に記載のインクジェット画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、35〜60℃に加温した記録材料に請求項10に記載の活性光線硬化型インクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
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