JP2005254975A - フォークリフトの機台性能設定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者が自分の能力を超えた機台性能を設定することを防止し、運転者の技能にバラツキがあっても車両の円滑な運用を図ることができる産業車両を提供する。
【解決手段】 本発明の産業車両は、運転者情報記憶部と、機台性能設定部と、を備える。運転者情報記憶部には、選択図に示すように、予め運転を許可された運転者の運転者特定データを、その運転者に適用する機台性能パラメータと関連付けて記憶している。機台性能設定部は、フォークリフトに乗車する運転者から取得した運転者特定データ(IDコード)を、上記運転者情報記憶部に記憶されている運転者特定データと照合し、両者が一致した場合には、その運転者特定データに対応する機台性能パラメータをフォークリフトに設定する。前記運転者情報記憶部に記憶される機台性能パラメータは、特別な権限を有する者のみが設定できる。
【選択図】図2


Description

本発明は、フォークリフトの最高速度などの性能を変更できる機台性能設定装置の構成に関する。
特許文献1は電動パワーステアリング装置の操舵特性設定装置を開示する。この特許文献1の構成は、操舵特性線図をディスプレイ上に表示し、運転手はこれをマウス等のポインティングデバイスによって編集できるように構成している。そして編集後は、当該編集後の操舵特性線図により、電動パワーステアリングコントローラや電動パワーステアリングモータが制御されて操舵動作をアシストする。この構成によれば、運転者は、嗜好、性癖、車両の走行条件などに応じて個性に見合った多様な操舵フィーリングを運転者自身で簡易且つ迅速に再設定できる。
特許文献1に開示されるような「操舵特性を運転者の好みに応じて設定できるようにする」という技術思想を例えばフォークリフトに適用した場合、フォークリフトの操舵特性を、運転手が自分の好みに応じて変更できるようにすることも考えられる。
特開2002−293257号公報
しかしながら、操舵特性等、フォークリフトの機台性能を運転者が自由に変更できるとすると、別の問題が生じてきてしまう。即ち、運転者には、走行操作や荷役操作に熟達した者もいれば、まだ熟練が不十分な者もおり、その技能にはバラツキがあるのが一般的である。従って、例えば初心者が、自分の能力を超えた機台性能を発揮するように機台性能を設定してしまう可能性も考えられ、その初心者においては経験も浅いため速すぎても操作しづらい場合もある。上記のような場合作業効率が悪くなるので管理者としては非常に困ってしまう。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、運転者が自由に自分の能力を超えた性能に設定することを防止し、運転者の技能にバラツキがあっても当該車両の円滑な運用を図ることができる産業車両を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
◆本発明の第1の観点によれば、以下のように構成する、産業車両が提供される。予め運転を許可された運転者の運転者特定データを、その運転者に適用する機台性能パラメータと関連付けて記憶する運転者情報記憶部と、乗車する者の運転者特定データを、上記運転者情報記憶部に記憶されている運転者特定データと照合し、両者が一致した場合には、その運転者特定データに対応する機台性能パラメータを当該車両に設定する機台性能設定部と、を備える。前記運転者情報記憶部に記憶される機台性能パラメータは、特別な権限を有する者のみが設定できる。
この構成により、初心者が自分の能力を超えた設定で運転を行うことを防止する一方で、上級の熟練者にはその運転技能を遺憾なく発揮させることができる。特に、運転者情報記憶部の機台性能パラメータを設定(変更)できるのは特別な権限を有する者に限られるので、初心者の運転者にその権限を与えないこととすれば、初心者が機台性能パラメータを上級者用に変更することが防止され、初心者が自分の能力を超えた領域でフォークリフトを運転することを確実に防止できる。なお、特別な権限を有する者とは、典型的には管理者をいうが、管理者から特別に許可された者を含む場合もある。
◆前記の産業車両においては、前記運転者情報記憶部に記憶される機台性能パラメータは、車両の最高速度、車両の加速性能、車両の荷役速度のうち少なくとも一つを含んでいることが好ましい。
この構成により、初心者は初心者なりの適切な速度(加速性能、荷役速度)で、上級者は上級者なりの速度(加速性能、荷役速度)で、運転を行わせることが可能になる。
◆前記の産業車両においては、乗車する者の運転者特定データを、上記運転者情報記憶部に記憶されている運転者特定データと照合し、両者が一致しない場合には当該車両の運転が不可能となるように制御することが好ましい。
この構成により、正当な運転者以外のものは運転ができなくなるので、部外者の運転や産業車両の盗難を防止できる。
◆前記の産業車両においては、予め定められた管理者の特定データを記憶する管理者情報記憶部を備え、入力された管理者特定データと上記管理者情報記憶部に記憶されている管理者特定データとを照合し、両者が一致した場合には前記運転者情報記憶部の記憶内容の変更を許可することが好ましい。
この構成により、管理者以外の者が運転者情報記憶部の機台性能パラメータを自由に変更できないので、例えば初心者が機台性能パラメータを上級者用に変更することが防止される。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るフォークリフトの全体的な構成を示した模式側面図、図2はフォークリフトの電気的構成を示すブロック図、図3はIDコード入力装置の記憶内容を示す図、図4はIDコード入力装置の制御を示すフローチャート図である。
図1に示すフォークリフト(産業車両)10はカウンタバランス式のバッテリ型フォークリフトに構成しており、機台10の前部には、荷物を保持するフォーク11と、このフォーク11を昇降させるためのマスト12が設けられる。機台10には運転座席13が備えられ、この運転座席13の近傍にはステアリングハンドル14が備えられる。また機台10には、機台10の前進/後進/停止を行わせたり、フォーク11の上昇/下降を行わせたりチルト動作を行わせるための操作レバー群15や、フォークリフトを始動させるためのキースイッチ18も併せて備えられる。
この機台10を制御するために、機台制御コントローラ30が当該機台10に装備されている。この機台制御コントローラ30は、エレクトリックコントロールユニット(以下、「ECU」と表記する。)として構成されており、中央処理装置としてのCPUや記憶装置としてのRAMやROMやEEPROM等を備える。
図2に示すように、この機台制御コントローラ30には前記キースイッチ18が接続されるとともに、前述の操作レバー群15の操作を検知したり、車体の走行速度やフォーク11の高さ等を検知したりするセンサ群19が接続されている。また機台制御コントローラ30には、車体を走行させる走行モータ16や、フォークの上下動やチルト動作をさせるアクチュエータ17等が接続されている。
機台制御コントローラ30には図2に示すように、駆動制御部31や荷役制御部32が構築されている。即ち、機台制御コントローラ30の前記記憶装置(例えば、ROM)には、前記CPUや前記記憶装置などのハードウェアを駆動制御部31や荷役制御部32として動作させるためのプログラムが記憶されている。駆動制御部31や荷役制御部32は、センサ群19が前記操作レバー群15の操作を検出すると、それに応じて、前記走行モータ16に信号を送ってその駆動・停止を行わせたり、前記アクチュエータ17に信号を送ってフォーク11の上下動を行わせたりする。
また、機台制御コントローラ30の記憶装置には、機台10の性能のパラメータ、例えば、機台の最高走行速度や、加速性能、荷役速度(即ち、フォークリフトの昇降速度や、チルト動作の速度)等のパラメータを記憶できるようになっている(性能パラメータ記憶部33)。前記駆動制御部31や荷役制御部32は、この性能パラメータ記憶部33の記憶内容を参照して、機台10の最高走行速度や加速性能、荷役速度が、上記性能パラメータとなるように、前記走行モータ16や前記アクチュエータ17を制御する。なお、この機台性能パラメータは、以下に説明する機台性能設定装置40によって変更できるようになっている。
更に機台10には、機台性能設定装置40が備えられる。この機台性能設定装置40も前記機台制御コントローラ30と同様にECUとして構成されており、中央処理装置としてのCPUや記憶装置としてのRAMやROMやEEPROM等を備える。
機台性能設定装置40には、機台性能設定信号生成部41が構築されている。即ち、機台性能設定装置40の前記記憶装置(例えば、ROM)には、前記CPUや前記記憶装置などのハードウェアを機台性能設定信号生成部41として動作させるためのプログラムが記憶されている。また機台性能設定装置40は、機台性能パラメータを運転者に入力させるためのキーボード42などの入力装置や、機台性能パラメータを表示するディスプレイ43などの出力装置を備えている。
機台性能設定信号生成部41は、機台の性能を設定するための信号(機台性能設定信号)を生成して、前記機台制御コントローラ30に送信する。機台性能設定信号には、上記キーボード42から入力された機台性能パラメータ、あるいは、後述するIDコード入力装置50から入力された信号に含まれる機台性能パラメータの情報が含まれている。機台制御コントローラ30はこの信号を受け取ると、前記性能パラメータ記憶部33の記憶内容を、機台性能設定信号に含まれている値に変更する。この変更後は、機台制御コントローラ30の駆動制御部31や荷役制御部32は、変更後の性能パラメータに従って機台10の走行や荷役作業を制御する。
機台10には、IDコード入力装置50が備えられる。このIDコード入力装置50も同様にECUとして構成されており、中央処理装置としてのCPUや記憶装置としてのRAMやROMやEEPROM等を備える。また、IDコード入力装置50は、入力装置としてのキーボード56や、出力装置としてのディスプレイ57などを備える。
IDコード入力装置50の内部には、IDコードをキーボードから入力させるIDコード設定入力部51、入力されたIDコードを記憶装置の記憶内容と照合するIDコード比較部52、前記機台性能設定装置40に対する信号を生成して出力する制御信号出力部53、などが構築されている。即ち、前記IDコード入力装置50の記憶装置(例えば、ROM)には、CPUやRAMやEEPROMなどのハードウェアを、上記IDコード設定入力部51、IDコード比較部52、制御信号出力部53、などとして動作させるためのプログラムが記憶されている。本実施形態において、機台性能設定部は、主要にはIDコード比較部52と制御信号出力部53からなる。
IDコード入力装置50のEEPROMの記憶内容の一例を図3に示す。この図3に示すように、EEPROMの記憶領域には、管理者の認証に必要な情報を格納する管理者情報ブロックと、運転者の認証や前記機台性能パラメータの設定に必要な情報を格納する運転者情報ブロックと、が確保されている。この結果、IDコード入力装置50の内部には、管理者情報記憶部54と、運転者情報記憶部55と、が構築されている。
このうち管理者情報ブロックには、管理者のIDコードが予め書き込まれている。IDコードとは、管理者及び個々の運転者に固有に割り当てられる(ユニークな)識別番号であり、例えば社員番号などを用いることができる。ただしIDコードは社員番号に限らず、例えばフォークリフト運転用に特別に割り当てられたコード等でも良い。要は、管理者や各運転者を唯一に特定できるように定められたデータであれば良い。ここでは管理者のIDコードが0035であったものとし、管理者情報ブロックにはその値「0035」が書き込まれる。
更に運転者情報ブロックには、運転資格を保持しフォークリフトの運転が管理者によって許可された運転者のIDコードの一覧が、予め書き込まれている。また、この運転者情報ブロックには、その運転者に適用される機台性能パラメータが、当該IDコードに関連付けて記憶されている。
具体的に言えば、前記運転者情報ブロックには、[運転者IDコード]フィールドと、[最高速度]フィールドと、[加速性能]フィールドと、[荷役速度]フィールドからなるデータの組(レコード)を、複数レコード記憶させることができる。[運転者IDコード]フィールドには運転を許可された運転者のIDコードが書き込まれ、[最高速度][加速性能][荷役速度]フィールドには、その運転者に適用される機台性能パラメータが書き込まれる。
機台性能パラメータは、本実施形態では、1〜10の10段階のレベルで表すようにしている。例えば、運転者A(IDコード;1243)は機台を走行する技量はやや不十分であるが荷役操作は上手である場合は、管理者は、運転者Aに適用される機台性能パラメータを、上記事情を考慮して、例えば最高速度や加速性能についてはいずれもレベル5と決定し、荷役速度はレベル10と決定すれば良い。また、運転者B(IDコード;3354)は走行操作は上手であるが荷役操作の熟練がまだ不十分であると管理者が判断した場合は、管理者は、運転者Bに適用される最高速度はレベル10、加速性能はレベル7、荷役速度はレベル4などと設定すればよい。
なお、走行操作、荷役操作のどちらも十分な熟練に達しており、機台性能を管理者側で管理する必要がないと管理者が判断する場合がある。例えば運転者C(IDコード;1125)がそのような運転者だったとする。この場合は、最高速度、加速性能、荷役速度について、いずれもレベル0としておく。レベル0は特別な場合であって、運転者が、機台性能設定装置40によって機台性能を自由に設定できることを意味する。
管理者は上記の決定事項に基づいて、例えば運転者Aについて、[IDコード]フィールドには1243を、[最高速度]フィールドには5を、[加速性能]フィールドには5を、[荷役速度]は10を書き込む。運転者B、Cについても同様に書き込む。この書込みは、IDコード入力装置50の後述する管理者モードを用いて行われる。
次に、上記構成のフォークリフト10における制御を説明する。運転者Bが機台10に乗車し、キーをキースイッチ18に差し込んでONした場合を考える。キースイッチ18のONを検出した機台制御コントローラ30は、機台性能設定装置40にキーオン信号s1を送る。なお、キースイッチ18をONしたタイミングで機台10の電源自体は投入されるが、機台制御コントローラ30が後述の運転許可信号s4を受信するまでは、機台10を運転して作業することはできない状態となっている。従って、部外者による機台10の運転や、機台10の盗難を回避できる。
機台性能設定装置40は上記キーオン信号s1を受信すると、IDコード入力装置50に運転許可問い合わせ信号s2を送る。IDコード入力装置50は、図4のフローチャートに示すように、運転許可問い合わせ信号s2を受信すると、IDコードの入力待ちの状態になる(ステップS101)。運転者(ここでは運転者B)は、自分のIDコード「3354」を前記キーボード56から入力する。
IDコード入力装置50は、キーボード56からIDコードが入力されると、その入力されたIDコード「3354」を、前記EEPROMの運転者情報ブロックに記憶された運転者のIDコードの一覧と比較照合する(S102)。入力されたIDコードがEEPROMに記憶されている一覧の中に見つかった場合(具体的に言えば、入力されたIDコードに[運転者IDコード]フィールドの値が一致しているレコードが見つかった場合)は、機台10に乗車している運転者は管理者によって運転が許可された運転者だと判断できる。今回は図3に示すように、入力されたIDコード「3354」は、上から2行目のレコードの[運転者IDコード]フィールドの値と一致する。従って、今回機台10を運転しようとしている運転者は運転者Bであり、運転が許可されていることが判る。なお、この場合、運転者が認証された旨を例えばLEDで表示するように構成しても良い。
運転者が認証されると、IDコード入力装置50は、前記EEPROMの運転者情報ブロック(運転者情報記憶部55)の該当レコードを参照し、運転者Bに対応する機台性能パラメータを、[最高速度][加速性能][荷役速度]の各フィールドから読み出す(S103)。次に、これらのパラメータを含んだ運転許可信号s3を生成し、機台性能設定装置40に送信する(S104)。
図2に示す機台性能設定装置40は、IDコード入力装置50からの運転許可信号s3を受信すると、この信号に含まれる機台性能パラメータがレベル0でないかどうかを判定する。レベル0以外である場合は、その機台性能パラメータの値をもとに運転許可信号(機台性能設定信号を兼ねている)s4を生成し、機台制御コントローラ30に送信する。機台制御コントローラ30はこの運転許可信号s4を受信すると、それに含まれる機台性能パラメータで性能パラメータ記憶部33の記憶内容を更新する。その後は駆動制御部31や荷役制御部32は、更新後の機台性能パラメータに基づき、機台10の走行速度の最大値や加速度やフォークリフトの上下の速度等を制御する。
なお、機台性能パラメータがレベル0である場合とは、上述したとおり、運転者自身が機台性能パラメータを設定できる特別な場合である。今回の例でいえば、機台10に運転者Cが乗車し、IDコード入力装置50で運転者CのIDコード「1125」が入力された場合が、それに該当する(図3参照)。この場合、機台性能設定装置40は、キーボード42からの入力を有効にして、機台性能パラメータの入力待ちの状態になる。
運転者Cは、最高速度、加速性能、荷役速度の各パラメータを、キーボード42から入力する。機台性能設定装置40は、キーボード42から入力された機台性能パラメータを基に運転許可信号(機台性能設定信号を兼ねる)s4を生成し、機台制御コントローラ30に送信する。従って運転者Cは、自分の好む最高速度、加速性能、荷役速度の設定で、フォークリフト10を運転して荷役作業を行うことができる。
なお、機台性能パラメータがキーボード42から入力された場合は、機台性能設定装置40は、IDコード入力装置50に対し、その機台性能パラメータを信号として送る(図2の符号s5)。この信号s5を受信したIDコード入力装置50は、該当レコード(運転者Cのレコード)にアクセスし、その[最高速度][加速性能][荷役速度]の各フィールドを、機台性能設定装置40から送信された機台性能パラメータに書き換えて更新する。こうすることで、運転者Cは、いったんキーボード42から入力した機台性能パラメータの設定で次回以降も運転することができ、機台10に乗車する都度キーボード42から機台性能パラメータを入力する煩雑さから解放される。
上述したように、機台性能設定装置40において機台性能パラメータがレベル0以外の場合(即ち、運転者AやBの場合)は、機台性能設定装置40は、キーボード42からの入力を受け付けず、IDコード入力装置50からの信号s3として送信された機台性能パラメータを、そのまま運転許可信号s4として機台制御コントローラ30へ受け渡す。従って、運転者AやBは、機台性能パラメータを自分自身で変更することができず、管理者が定めてIDコード入力装置50に記憶させた最高速度、加速性能、荷役速度の機台性能パラメータで機台10を運転して作業することになる。
即ち、本実施形態では、管理者が運転者ごとに適当と判断して定めた最高速度等の機台性能でフォークリフトを運転させることになり、管理者が認めた場合以外は、運転者自身が機台の性能を自由に設定することはできない。従って、初心者が自分の能力を超えた設定で運転を行うことを防止する一方で、上級の熟練者にはその運転技能を遺憾なく発揮させることができる。
次に、図4を参照して、管理者モードについて説明する。即ちIDコード入力装置50は、前記EEPROMの運転者情報ブロック(運転者情報記憶部55)の内容を変更するための、特別なモードを備えている。
上述のとおり、IDコード入力装置50はステップS102で、キーボード56から入力されたIDコードを正当な運転者のIDコードと比較する。そして運転者のIDコードと一致しなかった場合はステップS105に進み、キーボード56から入力されたIDコードを、EEPROMの管理者情報ブロック(管理者情報記憶部54)に記憶されている、管理者のIDコード(今回の例では「0035」)と比較照合する。両者のIDコードが一致した場合は、ステップS106に進んで管理者モードに移行する。不一致の場合は、IDコードが間違っている旨を表示し、ステップS101に戻ってキーボード56からIDコードを入力し直させる。
ステップS106で管理者モードに入ると、IDコード入力装置50は、運転を行うか設定を行うかを管理者に問い合わせる。管理者がキーボード56の入力により運転を行う旨を選択すると、ステップS104に戻り、運転者の場合と同様に運転許可信号s3を生成して送信する。こうして管理者も、通常の運転者と同様にフォークリフト10を運転し、荷役作業を行うことができる。なお本実施形態において管理者が運転する場合、機台制御コントローラ30は、予め設定されたデフォルト値(例えば、最高速度、加速性能、荷役速度のいずれもレベル8)の機台性能パラメータで走行モータ16やアクチュエータ17を制御するものとする。このデフォルト値は、機台制御コントローラ30の記憶装置に予め記憶させておけばよい。
ステップS106で管理者が設定を行いたい旨をキーボード56から入力すると、運転者情報記憶部55の記憶内容のデータについて、新人の運転者を新しいレコードとして新規登録したり、既に登録している運転者の上達に応じて機台性能パラメータのレベルを引き上げたりすることができる(S107・S108)。
なお、ステップS106以降の管理者モードに進めるのは管理者のみであって、運転者A〜Cは運転者のIDコードの登録や機台性能パラメータの変更などを行うことができない。このように、運転者情報記憶部55のデータの管理者以外の者による書き換え(変更)が防止されている。従って、例えば初心者が機台性能パラメータを上級者用に変更することが防止され、初心者が自分の能力を超えた領域でフォークリフトを運転することを確実に防止できる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されず、例えば以下のように内容を変更して実施することができる。
(1)IDコードにより認証する方式に限らず、例えば磁気カードやICカードとその読取装置によって運転者及び管理者の認証を行ってもよい。また、パスワードによる認証や指紋認証を行うこととすれば、本人の確認がより厳格になり、権限のない者によるデータの書換を確実に防止できる。
(2)機台性能パラメータとしては、上記の最高速度、加速性能、荷役速度に限られない。例えば車速リミッタ、オーバースピードアラーム、走行パワーコントロール、リフトパワーコントロール、チルトパワーコントロール、アタッチメント装置のパワーコントロール等の設定値について、各運転者ごとに記憶させる構成とすることもできる。
(3)機台性能パラメータは10段階のレベルに分けて設定する必要はなく、例えば最高速度は○km/h等と具体的な数値で設定しても良い。
(4)運転者特定データが社員番号に一致している必要はなく、例えば運転者特定データは、社員の中でも運転者にのみ割り当てられた特別のコードであっても良い。同様に管理者特定データが社員番号に一致している必要もない。
(5)本発明はカウンタバランス式に限らず、例えばリーチ型のフォークリフトに適用することができる。更に本発明はバッテリ式のフォークリフトに限らず、エンジン式のフォークリフトに適用することができる。また本発明はフォークリフトを利用する場合に限らず、他の産業車両、例えば建設機械などにも適用することができる。
本発明の一実施形態に係るフォークリフトの全体的な構成を示した模式側面図。 フォークリフトの電気的構成を示すブロック図。 IDコード入力装置の記憶内容を示す図。 IDコード入力装置の制御を示すフローチャート図。
符号の説明
10 フォークリフト(産業車両)
52 IDコード比較部(機台性能設定部の一部)
53 制御信号出力部(機台性能設定部の一部)
55 運転者情報記憶部

Claims (4)

  1. 予め運転を許可された運転者の運転者特定データを、その運転者に適用する機台性能パラメータと関連付けて記憶する運転者情報記憶部と、
    乗車する者の運転者特定データを、上記運転者情報記憶部に記憶されている運転者特定データと照合し、両者が一致した場合には、その運転者特定データに対応する機台性能パラメータを当該車両に設定する機台性能設定部と、を備え、
    前記運転者情報記憶部に記憶される機台性能パラメータは、特別な権限を有する者のみが設定できることを特徴とする産業車両。
  2. 請求項1に記載の産業車両であって、前記運転者情報記憶部に記憶される機台性能パラメータは、車両の最高速度、車両の加速性能、車両の荷役速度のうち少なくとも一つを含んでいることを特徴とする産業車両。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の産業車両であって、
    乗車する者の運転者特定データを、上記運転者情報記憶部に記憶されている運転者特定データと照合し、両者が一致しない場合には当該車両の運転が不可能となるように制御することを特徴とする産業車両。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の産業車両であって、
    予め定められた管理者の特定データを記憶する管理者情報記憶部を備え、入力された管理者特定データと上記管理者情報記憶部に記憶されている管理者特定データとを照合し、両者が一致した場合には前記運転者情報記憶部の記憶内容の変更を許可することを特徴とする産業車両。


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