JP2005253301A - 骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質及びそれをコードする遺伝子 - Google Patents

骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質及びそれをコードする遺伝子 Download PDF

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康二 佐藤
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Abstract

【課題】ラットアストロサイト初代培養由来の骨形成蛋白結合領域を有する新規蛋白質KOHJIRINと、それをコードする遺伝子kohjirinを提供する。
【解決手段】ラットアストロサイト初代培養由来のcDNAライブラリーからのクローニングによって骨形成蛋白結合領域を有する新規蛋白質KOHJIRINをコードする遺伝子kohjirinが得られ、該遺伝子を有する発現ベクターによる形質転換体の培養により、新規蛋白質KOHJIRINが得られる。該蛋白質は骨形成蛋白結合領域を有し、医薬又は医薬の開発に用いることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨形成蛋白結合領域を有する、ラットアストロサイト初代培養細胞由来の新規蛋白質(以下、KOHJIRINとも称する)、それをコードする遺伝子(以下、kohjirinとも称する)、並びにそれらの利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
中枢神経系を構築する主要な細胞の一つであるアストロサイトは、ニューロンを機械的に支持するのみならず、神経栄養因子等の種々の蛋白質性因子を産生することにより、ニューロンの分化や機能の調節に関わることが近年明らかとなりつつある。特に、虚血性脳障害・外傷性脳障害、あるいは神経変性疾患においては、その病変部において反応性のアストロサイトの増殖、すなわちグリオーシスが起こることが知られている。このグリオーシス現象は本来、中枢神経系を保護する上で重要な働きを有すると考えられている。
【0003】
また、近年、成人脳においても神経幹細胞の存在が示され、それらを神経細胞に効果的に分化させることにより広範囲な神経疾患の治療に結びつくものと期待されている。更に、最近、骨形成蛋白(Bone Morphogenetic Protein: BMP)が、外胚葉細胞の表皮化あるいは多能性の神経幹細胞のグリアへの分化を促進することが明らかにされ、また、骨形成蛋白に結合しその活性を阻害することにより、外胚葉細胞の神経化または神経幹細胞のニューロンへの分化を促進する生理機能を有する骨形成蛋白阻害因子(BMP antagonist)の存在が示された。
【0004】
上述のようにアストロサイトは脳虚血や頭部外傷等の脳障害において、盛んに増殖し反応性のグリオーシス、すなわちアストロサイトーシスを呈する他、各種病態において神経栄養因子等の種々の神経保護作用因子を産生することが知られている。しかし、神経幹細胞に作用しニューロンの新生を促すと思われる骨形成蛋白阻害因子が成熟したアストロサイトにおいて産生されるとの報告は未だない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した疾患を治療する上で、分化したアストロサイトがどのような蛋白質性因子を分泌し、神経細胞あるいは神経幹細胞に対してどのような影響を与えているかを解明することは、神経損傷・神経変性に起因する疾患の根本的な治療薬を探索する上で、きわめて重要なことである。例えば、骨形成蛋白阻害性の蛋白質はそれ自体が有効な医薬となりうる可能性がある。さらに、このような蛋白質は、該蛋白質の機能と同様の機能を有する物質、当該機能を阻害または促進する作用を有する物質を医薬として開発するに際しても、究めて有用である。以上の観点から、分化したアストロサイトから分泌される骨形成蛋白阻害性の蛋白質の同定と、その機能の解明が望まれている。
【0006】
即ち、本発明は、分化したアストロサイトから分泌される骨形成蛋白阻害性の蛋白質の同定し、骨形成蛋白結合領域を有する新規蛋白質とそれをコードする遺伝子を提供することを解決すべき課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、分化したアストロサイトから分泌される骨形成蛋白阻害性の蛋白質の同定を目的として、ラットアストロサイト初代培養細胞で発現している遺伝子にコードされている蛋白質の中から、所望の骨形成蛋白阻害性の蛋白質を同定するべく鋭意検討した結果、ラットアストロサイト初代培養由来の新規蛋白質(KOHJIRIN)と、それをコードする遺伝子(kohjirin)の単離に成功した。さらに、この蛋白質(KOHJIRIN)が骨形成蛋白結合領域を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明によれば、以下の(a)、(b)又は(c)の何れかに記載の蛋白質が提供される。
(a)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質;
(b)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質;又は
(c)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質:
【0009】
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質をコードする遺伝子が提供される。
本発明の遺伝子の具体例は、以下の(a)、(b)又は(c)の何れかに記載の遺伝子である。
(a)配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝子;
(b)配列表の配列番号2に記載の塩基配列において1もしくは数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子;又は
(c)配列表の配列番号2に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子:
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の遺伝子を含有する、組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の組み換えベクターを有する、形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の形質転換体を培養し、得られる培養物から本発明の蛋白質を採取することを含む、本発明の蛋白質の製造方法が提供される。
【0011】
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質を発現する発現系を用いて被験物質の存在下において該蛋白質を発現させ、産生される該蛋白質又はそれをコードするmRNAを検出又は測定することを含む、本発明の蛋白質の発現を調節する物質をスクリーニングする方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の蛋白質を発現する発現系を用いて被験物質の存在下において該蛋白質を発現させ、産生される蛋白質の局在性を測定することを含む、本発明の蛋白質の局在性を変化させる物質をスクリーニングする方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(1)本発明の蛋白質
本発明の蛋白質は、以下の(a)、(b)又は(c)の何れかに記載の蛋白質である。
(a)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質;
(b)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質;又は
(c)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質:
【0013】
本明細書で言う「アミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列」における「1から数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から20個、好ましくは1から10個、より好ましくは1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好ましくは1から3個程度を意味する。
【0014】
本明細書で言う「95%以上の相同性を有するアミノ酸配列とは」とは、アミノ酸の相同性が少なくとも95%以上であることを意味し、相同性は好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上である。
【0015】
上述の通り、配列表の配列番号2に記載の塩基配列を有する遺伝子kohjirinと相同性の高い変異体遺伝子にコードされる蛋白質であって、骨形成蛋白結合領域を有する生理活性蛋白質は全て本発明の範囲内のものである。
【0016】
蛋白質の構成要素となるアミノ酸の側鎖は、疎水性、電荷、大きさなどにおいてそれぞれ異なるものであるが、実質的に蛋白質全体の3次元構造(立体構造とも言う)に影響を与えないという意味で保存性の高い幾つかの関係が、経験的にまた物理化学的な実測により知られている。例えば、アミノ酸残基の置換については、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、Glyとアラニン(Ala)またはバリン(Val)、ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン(Cys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン(Ser)またはAla、リジン(Lys)とアルギニン(Arg)、等が挙げられる。
【0017】
従って、配列表の配列番号1に記載したKOHJIRINのアミノ酸配列上の置換、挿入、欠失等による変異蛋白質であっても、その変異がKOHJIRINの3次元構造において保存性が高い変異であって、その変異蛋白質がKOHJIRINと同様に骨形成蛋白結合領域を有する生理活性蛋白質であれば、これらは全て本発明の範囲内に属する。
【0018】
本明細書で言う「骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質」とは、図4に記載の本発明のKOHJIRIN蛋白の三つのシステインの豊富な領域(Kjr-CR1, Kjr-CR2, Kjr-CR3)のアミノ酸配列またはそれと同等の機能を有するアミノ酸配列を有する蛋白質を意味する。このシステインの豊富な領域の配列は、骨形成蛋白と結合することが既に報告されているCHORDIN、NOGGIN、FOLLISTATIN等の蛋白質にも広く保存されていることが明らかになっている(Cell. 1992 Sep 4, 70(5):829-40; Cell. 1994 Dec 2;779-90; Mech Dev.1997 Apr;63(1):39-50)。更に、最近CHORDIN蛋白質においては、この骨形成蛋白結合領域内に存在するWHP配列が骨形成蛋白との結合に特に重要であることが報告されており(Development.2000 Feb;127(4):821-30)、本発明のKOHJIRIN蛋白の三つのシステインの豊富な領域(Kjr-CR1, Kjr-CR2, Kjr-CR3)のうち、Kjr-CR1, Kjr-CR3においてWHP配列が確認されている。
【0019】
本発明の蛋白質の取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成した蛋白質でもよいし、生体試料又は培養細胞などから単離した天然由来の蛋白質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換え蛋白質でもよい。
組み換え蛋白質を作製する場合には、先ず当該蛋白質をコードする遺伝子を入手することが必要である。組み換え遺伝子と好適な発現系を用いて組み換え蛋白質を産生する方法については本明細書中で後記する。
【0020】
(2)本発明の遺伝子
上記(1)で説明した蛋白質をコードする遺伝子は全て本発明の範囲内に属する。本発明の遺伝子の具体例としては、以下の(a)、(b)又は(c)の何れかに記載の遺伝子が挙げられる。
(a)配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝子;
(b)配列表の配列番号2に記載の塩基配列において1もしくは数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子;又は
(c)配列表の配列番号2に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子:
【0021】
本明細書で言う「塩基配列において1もしくは数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列」における「1もしくは数個」の範囲は特には限定されないが、例えば、1から60個、好ましくは1から30個、より好ましくは1から20個、さらに好ましくは1から10個、特に好ましくは1から5個程度を意味する。
上記のDNA変異の程度としては、例えば、配列表の配列番号2に記載した遺伝子kohjirinの塩基配列と80%以上の相同性を有するものが挙げられる。
【0022】
本明細書で言う「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、通常の条件下(例えば DIG DNA Labeling kit(ベーリンガー・マンハイム社製Cat No.1175033)でプローブをラベルした場合に、32℃のDIG Easy Hyb溶液(ベーリンガー・マンハイム社製CatNo.1603558)中でハイブリダイズさせ、50℃の0.5×SSC溶液(0.1%[w/v]SDSを含む)中でメンブレンを洗浄する条件(1×SSCは0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウムである)でのサザンハイブリダイゼーションで、遺伝子kohjirinにハイブリダイズする程度であればよい。ハイブリダイゼーションは、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略記)、Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
【0023】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
【0024】
(3)本発明の遺伝子の取得
本発明の遺伝子の取得方法は特に限定されない。本明細書の配列表の配列番号1及び2に記載したアミノ酸配列および塩基配列の情報に基づいて適当なブローブやプライマーを調製し、それらを用いて、ラットアストロサイト初代培養細胞由来のcDNAライブラリーやゲノムDNAライブラリーなどをスクリーニングすることにより本発明の遺伝子を単離することができる。
【0025】
PCR法により本発明の遺伝子を取得することもできる。例えば、ラットアストロサイト初代培養細胞由来の染色体DNAまたはcDNAライブラリーを鋳型として使用し、配列番号2に記載した塩基配列を増幅できるように設計した1対のプライマーを使用してPCRを行う。
PCRの反応条件は適宜設定することができ、例えば、94℃で30秒間(変性)、55℃で30秒〜1分間(アニーリング)、72℃で2分間(伸長)からなる反応工程を1サイクルとして、例えば30サイクル行った後、72℃で7分間反応させる条件などを挙げることができる。次いで、増幅されたDNA断片を、大腸菌等の宿主で増幅可能な適切なベクター中にクローニングすることができる。
【0026】
上記したブローブ又はプライマーの調製、cDNAライブラリーの構築、cDNAライブラリーのスクリーニング、並びに目的遺伝子のクローニングなどの操作は当業者に既知であり、例えば、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された方法に準じて行うことができる。
【0027】
本明細書中上記した、配列表の配列番号2に記載の塩基配列において1もしくは数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子(変異遺伝子)は、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することもできる。例えば、配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAを利用し、これらDNAに変異を導入することにより変異DNAを取得することができる。具体的には、配列番号2に記載の塩基配列を有するDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的手法等を用いて行うことができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、モレキュラークローニング第2版、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載の方法に準じて行うことができる。
【0028】
上述の通り、配列表の配列番号2に記載した遺伝子kohjirinの塩基配列において、種々の人為的処理、例えば部位特異的変異導入、変異剤処理によるランダム変異、制限酵素切断によるDNA断片の変異・欠失・連結等により、部分的にDNA配列が変化したものであっても、これらDNA変異体が骨形成蛋白結合領域を有する(さらに好ましくは、骨形成蛋白質を阻害する活性を持つ)蛋白質をコードするDNAであれば、配列番号2に示したDNA配列との相違に関わらず、本発明の範囲内のものである。
【0029】
本明細書中上記した、配列表の配列番号2に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子は、上述した条件下で、一定のハイブリダイゼーション条件下でコロニー・ハイブリダイゼーション法、プラークハイブリダイゼーション法、あるいはサザンブロットハイブリダイゼーション法などを行うことにより得ることができる。
【0030】
本発明の遺伝子の取得方法の一例を以下に記載する。
本発明の遺伝子は、ラットアストロサイト初代培養細胞由来のcDNAライブラリーから、該遺伝子を含んだcDNA断片として単離することができる。本発明者らが使用したcDNAライブラリーは、ラットアストロサイト初代培養細胞を長期間培養し接触阻害を呈している時期の培養細胞から得られるmRNAをもとに、調製したものである。上述のcDNAライブラリーにおいて、接触阻害を呈している時期の分化したアストロサイト培養細胞で特異的に発現している遺伝子を有すると思われるcDNAを識別する方法として、differential display-PCR法を用いることができる。
【0031】
まず、3日間培養したラットアストロサイト初代培養細胞と、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞から、それぞれmRNAを抽出し、オリゴdTをプライマーとしてcDNAを合成する。任意の配列を持ったプライマーを用いたPCR反応において、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞において特異的に発現上昇している遺伝子の部分PCR産物を得ることができる。上記PCR産物をクローンテック社のpGEM-TAベクターにサブクローニングし、その全塩基配列を決定する。本法は、このようにして異なる条件下で発現量の違う遺伝子を識別する方法である。本法において、組換え体cDNAの抽出並びにcDNAの塩基配列の決定は、いずれも当業者にとって自体公知の各種操作法(モレキュラークローニング第2版、その他当業者にとって標準的な方法を紹介した技術解説書等に記載の方法、以下常法とする)により行うことができる。
【0032】
尚、本発明者らは5'-GACGTCTAAGAAACCAT-3'(配列番号3)の配列を持ったプライマーを用いて、上記方法を実施し、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞において特異的に発現上昇している本遺伝子の部分PCR産物を得ることができた。上記PCR産物をクローンテック社のpGEM-TAベクターにサブクローニングし、その全塩基配列を決定した。上記cDNA断片は該mRNAの3’端の一部の領域しか含んでいなかった。そこで本発明者らは当該領域(以下3’断片)の塩基情報を元にして、Invitrogen社の5'RACEシステムおよび3'RACEシステムのプロトコールに従い、cDNA断片の既知の塩基配列よりDNA oligo primerを合成し、RACE法の常法により、その5’側および3’側の塩基配列を明らかにした。上記システムにより与えられるSuperScript II Reverse Transcriptaseのtemplateには、ラット胎仔大脳皮質より初代培養されたアストロサイトからInvitrogen社のTRIzol reagentを用いて調製されたtotal RNAを用いた。さらに、5'RACEによっても明らかでないcDNAの5’末端塩基配列を解析するため、Invitrogen社のGeneRacerキットを用い、oligo capping法の常法に従って5’末端塩基配列を明らかにした。このキットにより与えられるcalf intestinal phosphatase、tobacco acid pyrophosphatase、T4 RNA ligaseおよびSuperScript II Reverse Transcriptaseのtemplateには、ラット胎仔大脳皮質より初代培養されたアストロサイトからInvitrogen社のTRIzol reagentを用いて調製されたtotal RNAを用いた。
【0033】
なお、上記方法によって得られた遺伝子が脳組織で発現していることは、RT−PCR法を用いて確認することができる。本発明者はこの方法を用いて、該遺伝子のラット脳内発現について検討した結果、胎生14日、生後1日、生後14日のラット脳で特異的に発現していることが明らかとなった。
【0034】
また、塩基配列中の蛋白質をコードする領域(ORF, open reading frame)の存在は、塩基配列をコンピュータープログラムを用いて解析する汎用の方法により確認することができる。該cDNA配列の中に目的とする遺伝子の存在を確信した本発明者らは、コンピューターを利用して該配列中にORFを見いだし、この遺伝子をkohjirin、該遺伝子にコードされる蛋白質をKOHJIRINと命名した。またこの該蛋白質には、骨形成蛋白と結合することができることが知られているアミノ酸配列を有する領域が二カ所発見され、KOHJIRINが骨形成蛋白結合領域を有することが明らかとなった。
【0035】
(4)本発明の組み換えベクター
本発明の組み換えベクターは、本発明の遺伝子を用いて、適当な宿主ベクター系による一般的遺伝子組み換え技術によって、組み換え遺伝子を調製することができる。即ち、本発明の遺伝子は適当なベクター中に挿入して使用することができる。本発明で用いるベクターの種類は特に限定されず、例えば、自律的に複製するベクター(例えば、プラスミド等)でもよいし、あるいは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
【0036】
また、組み換えベクターとしては、発現ベクターを用いることもできる。発現ベクターに組み込まれた本発明の遺伝子には、転写に必要な要素(例えば、プロモーター等)が機能的に連結されている。プロモーターは宿主細胞において転写活性を示すDNA配列であり、宿主の種類に応じて適宜することができる。
【0037】
適当なベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322、 pUC118その他)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、 pSH19その他)、さらにバクテリオファージやレトロウイルスやワクシニアウイルス等の動物ウイルス等が利用できる。組み換えに際しては、適当な合成DNAアダプターを用いて翻訳開始コドンや翻訳終止コドンを付加することも可能である。
【0038】
発現ベクターにおいて使用するプロモーターは、宿主に応じて適宜選択すればよい。
例えば、宿主が大腸菌である場合には、T7プロモーター、 lacプロモーター、trpプロモーター、λPLプロモーター等が、宿主がバチルス属菌である場合にはSOP系プロモーターが、宿主が酵母である場合にはPHO5プロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が、宿主が動物細胞である場合にはSV40由来プロモーター、レトロウイルスプロモーター、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター等が、宿主が昆虫細胞である場合には、ポリヘドリンプロモータ、P10プロモーター、オートグラファ・カリホルニカ・ポリヘドロシス塩基性タンパクプロモーター、バキュウロウイルス即時型初期遺伝子1プロモーター、またはバキュウロウイルス39K遅延型初期遺伝子プロモーター等がそれぞれ使用できる。
【0039】
また、本発明の遺伝子は、必要に応じて、例えばヒト成長ホルモンターミネーターまたは真菌宿主についてはTPI1ターミネーター若しくはADH3ターミネーターのような適切なターミネーターに機能的に結合されてもよい。本発明の組み換えベクターは更に、ポリアデニレーションシグナル(例えばSV40またはアデノウイルス5E1b領域由来のもの)、転写エンハンサー配列(例えばSV40エンハンサー)および翻訳エンハンサー配列(例えばアデノウイルス VA RNA をコードするもの)のような要素を有していてもよい。
本発明の組み換えベクターは更に、該ベクターが宿主細胞内で複製することを可能にするDNA配列を具備してもよく、その一例としてはSV40複製起点(宿主細胞が哺乳類細胞のとき)が挙げられる。
【0040】
本発明の組み換えベクターはさらに選択マーカーを含有してもよい。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)またはシゾサッカロマイセス・ポンベTPI遺伝子等のようなその補体が宿主細胞に欠けている遺伝子、または例えばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン若しくはヒグロマイシンのような薬剤耐性遺伝子を挙げることができる。
本発明の遺伝子、プロモーター、および所望によりターミネーターおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれ連結し、これらを適切なベクターに挿入する方法は当業者に周知である。
【0041】
また、本発明の遺伝子を他の蛋白質(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ、プロテインAその他)との融合蛋白質として発現させることも可能である。このようにして発現させた融合型の本発明の蛋白質は、適当なプロテアーゼを用いて切り出すことが可能である。
【0042】
(5)本発明の形質転換体
本発明の遺伝子又は組み換えベクターを適当な宿主に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明の遺伝子または組み換えベクターを導入される宿主細胞は、本発明のDNA構築物を発現できれば任意の細胞でよく、細菌、酵母、真菌および高等真核細胞等が挙げられる。
【0043】
細菌細胞の例としては、バチルス属細菌(例えば、Bacillus subtilis)またはストレプトマイセス属細菌等のグラム陽性菌又は大腸菌(Escherichia coli)等のグラム陰性菌が挙げられる。これら細菌の形質転換は、プロトプラスト法、または公知の方法でコンピテント細胞を用いることにより行えばよい。
哺乳類細胞の例としては、HEK293細胞、HeLa細胞、COS細胞(例えば、COS−7細胞など)、BHK細胞、CHL細胞またはCHO細胞等が挙げられる。哺乳類細胞を形質転換し、該細胞に導入された遺伝子を発現させる方法も公知であり、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を用いることができる。
【0044】
酵母細胞の例としては、サッカロマイセスまたはシゾサッカロマイセスに属する細胞が挙げられ、例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevis1ae)またはサッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)等が挙げられる。酵母宿主への組み換えベクターの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法、酢酸リチウム法等を挙げることができる。
【0045】
他の真菌細胞の例は、糸状菌、例えばアスペルギルス、ニューロスポラ、フザリウム、またはトリコデルマに属する細胞である。宿主細胞として糸状菌を用いる場合、DNA構築物を宿主染色体に組み込んで組換え宿主細胞を得ることにより形質転換を行うことができる。DNA構築物の宿主染色体への組み込みは、公知の方法に従い、例えば相同組換えまたは異種組換えにより行うことができる。
【0046】
昆虫細胞を宿主として用いる場合には、組換え遺伝子導入ベクターおよびバキュロウイルスを昆虫細胞に共導入して昆虫細胞培養上清中に組換えウイルスを得た後、さらに組換えウイルスを昆虫細胞に感染させ、蛋白質を発現させることができる(例えば、Baculovirus Expression Vectors, A Laboratory Manua1;及びカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー、Bio/Technology, 6, 47(1988)等に記載)。
【0047】
バキュロウイルスとしては、例えば、ヨトウガ科昆虫に感染するウイルスであるアウトグラファ・カリフォルニカ・ヌクレアー・ポリヘドロシス・ウイルス(Autographa californica nuclear polyhedrosis virus)等を用いることができる。
【0048】
昆虫細胞としては、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞であるSf9、Sf21〔バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W. H. Freeman and Company)、ニューヨーク(New York)、(1992)〕、Trichoplusia niの卵巣細胞であるHiFive(インビトロジェン社製)等を用いることができる。
組換えウイルスを調製するための、昆虫細胞への組換え遺伝子導入ベクターと上記バキュロウイルスの共導入方法としては、例えば、リン酸カルシウム法又はリポフェクション法等を挙げることができる。
【0049】
(6)形質転換体を用いた本発明の蛋白質の製造
上記の形質転換体は、導入された遺伝子の発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中で培養する。形質転換体の培養物から、本発明の蛋白質を単離精製するには、通常の蛋白質の単離、精製法を用いればよい。
【0050】
例えば、本発明の蛋白質が、細胞内に溶解状態で発現した場合には、培養終了後、細胞を遠心分離により回収し水系緩衝液に懸濁後、超音波破砕機等により細胞を破砕し、無細胞抽出液を得る。該無細胞抽出液を遠心分離することにより得られた上清から、通常の蛋白質の単離精製法、即ち、溶媒抽出法、硫安等による塩析法、脱塩法、有機溶媒による沈殿法、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィー法、S-Sepharose FF(ファルマシア社製)等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィー法、ブチルセファロース、フェニルセファロース等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィー法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティークロマトグラフィ一法、クロマトフォーカシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法を単独あるいは組み合わせて用い、精製標品を得ることができる。
【0051】
(7)本発明の蛋白質を利用したスクリーニング
本発明の蛋白質を発現する発現系を用いて被験物質の存在下において該蛋白質を発現させ、産生される該蛋白質又はそれをコードするmRNAを検出又は測定することによって、本発明の蛋白質の発現を調節する物質をスクリーニングすることができる。同様に、本発明の蛋白質を発現する発現系を用いて被験物質の存在下において該蛋白質を発現させ、産生される蛋白質の局在性を測定することによって、本発明の蛋白質の局在性を変化させる物質をスクリーニングすることができる。これらのスクリーニング方法は何れも本発明の範囲に属する。
【0052】
本発明のスクリーニング方法に供される被験物質としては任意の物質を使用することができる。被験物質の種類は特に限定されず、個々の低分子合成化合物でもよいし、天然物抽出物中に存在する化合物でもよく、合成ペプチドでもよい。あるいは、被験化合物はまた、化合物ライブラリー、ファージディスプレーライブラリーもしくはコンビナトリアルライブラリーでもよい。被験物質は、好ましくは低分子化合物であり、低分子化合物の化合物ライブラリーが好ましい。化合物ライブラリーの構築は当業者に公知であり、また市販の化合物ライブラリーを使用することもできる。
【0053】
産生される本発明の蛋白質又はそれをコードするmRNAの検出又は測定は、モレキュラークローニング第2版又はカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー等に記載された当業者に公知の常法により行うことができる。蛋白質の検出又は測定は、例えば、該蛋白質に対する抗体を用いたウエスタンブロッティング法又はELISAなどにより行なうことができる。また、mRNAの検出又は測定は、ノザンブロット法又はRT−PCR法などにより行うことができる。RT−PCR法の代わりに、全mRNAより予め作製したcDNAを鋳型として本発明の遺伝子に特異的なプライマーを用いてPCRを行なうことにより、本発明の遺伝子のmRNAを検出又は測定することもできる。
【0054】
産生される蛋白質の局在性の測定も、当業者に公知の常法により行うことができる。具体的には、本発明の蛋白質を、検出のための標識物質(好ましくは、GFP又はEGFPなどの蛍光蛋白質)との融合蛋白質の形態で細胞内で発現させる。発現した融合蛋白質の局在性は、標識物質に基づいて測定することができる。例えば、標識物質としてGFP又はEGFPなどの蛍光蛋白質を用いる場合には、細胞を蛍光顕微鏡で観察することにより、融合蛋白質の細胞内における局在性を測定することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
【0055】
【実施例1】
実施例1:遺伝子kohjirinのクローニング
3日間培養したラットアストロサイト初代培養細胞と、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞から、それぞれ常法により、total RNAを抽出し、オリゴdTをプライマーとしてcDNAを合成した。以下のオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド1)を、DNA合成機(PEアプライドバイオシステムズ社製380B)で合成した。
オリゴヌクレオチド1: GACGTCTAAGAAACCAT (配列番号3)
【0056】
上記のcDNAそれぞれ1μlを下記に示すPCR反応液に懸濁した。
10×PCRバッファー(100mM Tris-HCl(pH8.3), 500mM KCl, 25mM MgCl2)(2μl)、2.5mM dNTP(1.6μl)、10μM オリゴヌクレオチド1( 1μl)、水(14.1μl)、Taqポリメラーゼ(Takara Taq)(0.25μl)、 総量 20 μl。
【0057】
PCRサイクルは、95℃で2分保持後、35℃で40秒保持、72℃で1分30秒保持、95℃で40秒保持を4回繰り返して行ったのち、55℃で40秒保持、72℃で1分30秒保持、95℃で40秒保持を32回繰り返して行った後、72℃で5分間反応させた。
【0058】
上記PCR産物を、常法によりアクリルアミドゲルで展開し、3週間培養し、接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞由来のcDNAにおいて特異的に発現上昇している遺伝子の部分のバンドを切り出し、常法によりゲルから抽出しPCR産物を得た。上記PCR産物をクローンテック社のpGEM-TAベクターにサブクローニングし、その全塩基配列を決定し、図1に示す配列を有する遺伝子(断片−1)を得た。配列決定にはPEアプライドバイオシステムズ社製のDNAシークエンサー(ABI PRISM377)と同社製反応キットを用いた。
【0059】
さらに断片−1を含む遺伝子が確かに3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞にて発現上昇している遺伝子であることを確認するためにノーザンブロット法を行った。3日間培養したラットアストロサイト初代培養細胞と、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞から、それぞれ常法により、total RNAを抽出し、アガロースゲルで電気泳動後、ナイロン膜(アマーシャム社製)に転写した。上記の断片−1を鋳型として、32P-dCTP存在下で、Ready to go kit(ファーマシア社製)でプローブを合成した。ハイブリダイゼーションは以下の組成の溶液中で(濃度は全て終濃度)、42℃で一晩行った。
(ハイブリダイゼーション溶液の組成)50% ホルムアミド、5 x SSC、0.05 M リン酸ナトリウム、10×デンハルト溶液、1% SDS、200μg/ml Salmon sperm DNA
【0060】
ハイブリダイゼーション終了後、メンブレインを2 x SSC、0.1% SDS溶液で室温で二回洗浄した。シグナルの検出には、X-OMAT (コダック社製)フィルムを用いた。その結果、図2に示すように当該遺伝子は、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞にて発現上昇していた。
以上から、図1を含む遺伝子が、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞にて発現上昇している遺伝子であることが示された。
【0061】
実施例2:断片−1を含むcDNA断片のクローニング
断片−1を含むcDNA断片のクローニングを以下の方法により行った。
上記cDNA断片は該mRNAの3’端の一部の領域しか含んでいなかった。そこで本発明者らは当該領域(以下3’断片)の塩基情報を元にして cDNA断片の既知の塩基配列より5’側オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド2)、3’側オリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド3)をDNA合成機(PEアプライドバイオシステムズ社製380B)で合成した。
オリゴヌクレオチド2:ATGCAGCTCAGAGACTCC (配列番号4)
オリゴヌクレオチド3:GAAATCAGCCATAGTCTTAGA (配列番号5)
【0062】
これらのオリゴヌクレオチドを用い、Invitrogen社の5'RACEシステムおよび3'RACEシステムのプロトコールに従いRACE法の常法により、その5'側および3'側の塩基配列を明らかにした。システムにより与えられるSuperScript II Reverse Transcriptaseのtemplateには、ラット胎仔大脳皮質より初代培養されたアストロサイトからInvitrogen社のTRIzol reagentを用いて調製されたtotal RNAを用いた。さらに、5'RACEによっても明らかでないcDNAの5'末端塩基配列を解析するため、既知の塩基配列よりオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド4)をDNA合成機(PEアプライドバイオシステムズ社製380B)で合成した。
オリゴヌクレオチド4:CAAGGTGTGCTGTGACTGGAT (配列番号6)
【0063】
このオリゴヌクレオチドを用い、Invitrogen社のGeneRacerキットを用い、oligo capping法の常法に従って5'末端塩基配列を明らかにした。キットにより与えられるcalf intestinal phosphatase、tobacco acid pyrophosphatase、T4 RNA ligaseおよびSuperScript II Reverse Transcriptaseのtemplateには、ラット胎仔大脳皮質より初代培養されたアストロサイトからInvitrogen社のTRIzol reagentを用いて調製されたtotal RNAを用いた。
【0064】
当該cDNAは、522残基より成る蛋白質(KOHJIRIN)をコードするORFを含んでいる。該蛋白質の開始コドンであるメチオニン残基の上流域に同じreading frameで終止コドンが出現していた、また当該cDNA断片がコードする蛋白質のアミノ酸配列は、配列表の配列番号1に示したものが唯一のものであった。KOHJIRINの一次構造上の特徴を図3、 図4及び図5に示す。なお疎水性領域等の予測はアミノ酸構造解析ソフトSOSUI(美宅 成樹 :蛋白質核酸酵素、1997年、VOL42、p3020−3025)を用いた。KOHJIRINはN末端アミノ酸部分に蛋白質分泌シグナル配列を有している。また、遺伝子kohjirinのORFを含むcDNAの塩基配列を配列表の配列番号1に示す。
【0065】
実施例3:ラット脳におけるkohjirin mRNAの同定法
ラット脳より常法にて、total RNAを抽出し、オリゴdTをプライマーとしてcDNAを合成した。kohjirin cDNAに含まれる配列を有するオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド5)と逆相補鎖と配列を有するオリゴヌクレオチド(オリゴヌクレオチド6)のそれぞれを、DNA合成機(ABI社製380B)で合成した。
オリゴヌクレオチド5: TAGGACTTTGTGGTACAGCTC (配列番号7)
オリゴヌクレオチド6: TTACAACCTGCCTCAAAGGCT (配列番号8)
【0066】
オリゴヌクレオチド5とオリゴヌクレオチド6をプライマーとして、タカラLA PCR Kit Ver.2とPCRサーマルサイクラーMP(いずれも宝酒造製)を用いて以下のPCR操作を行った。
cDNA (2μl(40ng))、10×PCRバッファー(25mM Mg++を含む) (1.5μl)、2.5mM dNTP(2.4μl)、10μM オリゴヌクレオチド5(0.4μl)、10μMオリゴヌクレオチド6(0.4μl)、水 (8.15μl)、LA Taqポリメラーセ(0.15μl)、総量 15 μl。
【0067】
PCRサイクルは、95℃で5分保持後、95℃で35秒反応させ、57℃で35秒保持し、更に72℃で1分間保持を33回繰り返して行った。
反応後のPCR反応液を、1%アガロースゲル電気泳動で分画した。ゲルをエチジウムブロマイドで染色した後、紫外光照射して増幅される約480bpのバンドを検出した。胎生14日、生後1日、生後14日のラット脳に於ける結果を図6に示す。
上記方法でKOHJIRINのmRNAの発現を定量することが可能であり、 KOHJIRINmRNA発現を調節する物質をスクリーニングすることができる。
【0068】
実施例4:KOHJIRIN局在性を確認する方法
(1) ORFを含むcDNAの塩基配列(配列表の配列番号2)を有する遺伝子kohjirinのcoding regionを含むプラスミド(pGEM-kohjirin)を下記の反応条件で1時間制限酵素処理を行った。EcoRI (15U/μl)(1μl)、buffer (500mM Tris-HCl(pH8.5), 100mM MgCl2, 10mM Dithiothreitol, 1M NaCl)(2μl)、プラスミド (2μg/μl)(1μl)、 水(16μl)、総量 20μl。
1%アガロースゲル電気泳動で分画し、目的の約1.6kbのPCR産物を切り出し、geneclean kit(フナコシ)にて精製した。精製した産物を更に、下記の反応条件で37℃で20分間、続いて50℃で20分間処理を行った。Calf intestinal phosphatase (15U/μl)(1μl)、buffer( 2μl)、 上記産物 (1μg/μl)(1μl)、水(16μl)、総量 20μl。
【0069】
pEGFP−N1(クロンテック社製)についても同様にEcoRIで1時間制限酵素処理を行った。Takara ligation kit Ver.2(宝酒造)を用いて、制限酵素処理したcDNA断片をpEGFP−N1(クロンテック社製)に挿入し、常法に従い組み換え体を単離し、配列表の配列番号2に示した配列のDNAを正確に含むpKOHJIRIN−EGFPプラスミドを得た。
【0070】
(2) HEK細胞への導入10%非働化ウシ胎児血清(大日本製薬)、抗生物質を含むD−MEM培地(ライフテック社製)を基本培地としてCOS−7細胞を培養した。COS−7細胞を直径35mmの培養皿にあらかじめ105個播種した。10μlのLIPOFECTAMINE遺伝子導入試薬(in vitrogen社)と2μgのpKOHJIRIN−EGFPプラスミドを予め30分間混合した溶液を含む基礎培地で2時間培養し、遺伝子導入を行った。遺伝子導入後24時間後に蛍光顕微鏡にて細胞を観察した。
【0071】
図7に示す通り、KOHJIRIN−EGFP蛋白質は、主に核近傍の細胞質に存在することが認められた。このことはKOHJIRIN蛋白質が細胞内で合成され分泌される蛋白であることを示している。さらに、pKOHJIRIN−EGFPプラスミドを同様の方法で様々な培養細胞株等に導入し、同時に化合物を添加させることで、蛋白発現量は変化させず、局在性を変化させる化合物をスクリーニングすることが可能となる。
【0072】
【発明の効果】
本発明の蛋白質(代表例としてはKOHJIRIN)は、中枢神経系に発現し神経細胞の分化を抑制する骨形成蛋白を阻害する作用を有していると考えられることから、遺伝子kohjirinの発現異常、あるいは蛋白質KOHJIRINの機能不全は、脳の高次機能を維持する上で重大な障害となると推測される。
【0073】
従って、本発明の蛋白質それ自体は虚血性脳障害・外傷性脳障害、あるいはアルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療薬として有用と考えられる。また、当該蛋白質の機能と同様の機能を有する物質、当該機能を促進する物質、あるいはまた当該遺伝子の発現を促進する物質等の創出に利用することができる。
【0074】
【配列表】
Figure 2005253301
【0075】
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【0076】
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【0077】
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【0078】
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【0079】
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【0080】
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【0081】
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【0082】
Figure 2005253301

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞にて発現上昇しているDNA断片である断片1の塩基配列を示す。
【図2】図2は、ラットアストロサイト初代培養細胞におけるkohjirin mRNAのノーザンハイブリダイゼーション法による同定と、3週間培養し接触阻害を呈しているラットアストロサイト初代培養細胞にて発現が上昇していることを示す。
【図3】図3は、KOHJIRIN蛋白のアミノ酸配列を示す。波下線はシグナルペプチドを示し、実下線はシステインの豊富な領域を示す。
【図4】図4は、KOHJIRIN蛋白の三つのシステインの豊富な領域(Kjr-CR1, Kjr-CR2, Kjr-CR3)のアミノ酸配列を、既に骨形成因子に結合することが明らかとなっているCHORDIN蛋白質のシステインの豊富な領域(Chd-CR1, Chd-CR3)のアミノ酸配列と比較した結果を示す。骨形成因子との結合に重要なWHP配列がKjr-CR1と Kjr-CR3に存在することを示す。
【図5】図5は、蛋白質KOHJIRIN の構造上の特徴を示す。
【図6】図6は、ラット脳における、kohjirin mRNAのRT-PCR法による同定を示す。
【図7】図7はCOS-7細胞におけるKOHJIRIN-EGFP融合蛋白質の局在性を示す。

Claims (8)

  1. 以下の(a)、(b)又は(c)の何れかに記載の蛋白質。
    (a)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質;
    (b)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質;又は
    (c)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質:
  2. 請求項1に記載の蛋白質をコードする遺伝子。
  3. 以下の(a)、(b)又は(c)の何れかに記載の遺伝子。
    (a)配列表の配列番号2に記載の塩基配列からなる遺伝子;
    (b)配列表の配列番号2に記載の塩基配列において1もしくは数個の塩基が欠失、置換及び/又は付加された塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子;又は
    (c)配列表の配列番号2に記載の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列からなり、かつ骨形成蛋白結合領域を有する蛋白質をコードする遺伝子:
  4. 請求項2又は3に記載の遺伝子を含有する、組み換えベクター。
  5. 請求項4に記載の組み換えベクターを有する、形質転換体。
  6. 請求項5に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物から請求項1に記載の蛋白質を採取することを含む、請求項1に記載の蛋白質の製造方法。
  7. 請求項1に記載の蛋白質を発現する発現系を用いて被験物質の存在下において該蛋白質を発現させ、産生される該蛋白質又はそれをコードするmRNAを検出又は測定することを含む、請求項1に記載の蛋白質の発現を調節する物質をスクリーニングする方法。
  8. 請求項1に記載の蛋白質を発現する発現系を用いて被験物質の存在下において該蛋白質を発現させ、産生される蛋白質の局在性を測定することを含む、請求項1に記載の蛋白質の局在性を変化させる物質をスクリーニングする方法。
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