JP2005253283A - 蓄電装置、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

蓄電装置、定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 蓄電装置の故障を確実に把握することができる、使い勝手のよい蓄電装置、定着装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】 充放電可能なキャパシタ部42から放電された電力を被給電体23に供給する蓄電装置41の故障を検知する故障検知手段48〜50を備える。そして、故障検知手段48〜50によって蓄電装置41の故障を検知したときに、定着装置21〜23に連続的に搬送される複数の記録媒体における単位時間当たりの搬送枚数を減ずる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、充放電可能に構成されて被給電体に放電した電力を供給する蓄電装置と、被給電体としての定着装置と、それらを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とに関するものである。
従来から、複写機等の電子写真方式を用いた画像形成装置において、定着装置の立ち上げ時の昇温時間を短縮して操作性を向上したり、定着装置で消費される電力を軽減して省エネルギー化を達成すること等を目的として、主電源とは別に蓄電装置を設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
詳しくは、定着装置は、主として、ヒータ等の加熱部材を内設した定着ローラと、定着ローラに圧接する加圧ローラと、で構成される。
一方、画像形成装置の搬送経路を移動する記録媒体は、作像部にて、その表面上にトナー像が転写される。そして、未定着のトナー像を担持した記録媒体は、さらに搬送経路を所定の搬送速度で移動して定着装置に達する。定着装置に達した記録媒体は、定着ローラと加圧ローラとの間(ニップである。)に送入されて、定着ローラから受ける熱と双方のローラから受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体は、定着ローラと加圧ローラとの間から送出された後に、画像形成装置から排出される。
他方、画像形成装置の装置本体には、商用電源に接続されて装置本体内の定着装置等の被給電体に電力を供給する主電源が設けられている。さらに、装置本体には、主電源とは別に、定着装置に電力(放電電力)を適宜に供給する補助電源としての蓄電装置が設けられている。
蓄電装置は、電力が充放電される単数又は複数のキャパシタ部(セル部)や、キャパシタ部の充放電を切り替える切替部や、主電源から供給された交流電力を整流するとともにDC変換してキャパシタ部に供給する充電部や、FET等の素子や、被給電体に接続するための接続端子等が、電気的に接続されたものである。
そして、画像形成装置の主電源スイッチが投入されたとき(画像形成装置の立ち上げ時である。)、商用電源から主電源を介して定着装置に電力が供給されるとともに、蓄電装置からも定着装置に電力が供給される。これにより、定着装置には、主電源から供給される商用電源の定格電力(例えば、100V15Aである。)に加えて、蓄電装置から電力が供給されて、定着ローラは短時間に所望の温度(定着温度)に達することになる。したがって、主電源スイッチが長時間切断されていて定着ローラの温度が低下している画像形成装置を立ち上げるときであっても、比較的短時間にその立ち上げが完了することになり、装置の操作性が向上するとともに、待機時の定着温度をより低く設定できるために装置の消費電力が低減される。
また、上述の立ち上げ時以外でも、画像形成装置本体にて電力消費が多いとき(例えば、原稿読込部が動作しているときや、連続的に画像形成がおこなわれているときや、装置を長時間の待機状態から立ち上げるとき等である。)にも、蓄電装置による定着装置への給電がおこなわれる。このようなとき、主電源から定着装置に供給される電力の不足分を、蓄電装置から定着装置に給電することで補うことになる。これにより、画像形成装置の操作形態に係わらず、定着装置の定着ローラに対して安定的かつ充分な給電がおこなえるため、定着ローラにおける定着温度の落ち込みを効率よく抑止することができる。したがって、熱容量の小さい定着ローラであっても常に出力画像の定着性を良好に維持することができるとともに、定着ローラの立ち上げ時間を短くすることができるため待機時定着温度及び待機時電力を低減することによって放熱ロスを低減して省エネルギー化が達成される。
なお、蓄電装置のキャパシタ部に蓄積される電力は、装置本体の立ち上げが完了した後であって、商用電源の電力上限に対して蓄電装置に供給できるような余裕があるときに、適宜に主電源から充電部を介して供給されるものである。
特開2001−66926号公報
上述した従来の蓄電装置は、装置が故障して充放電ができなくなった場合に、定着装置に電力を供給できなくなってしまい、蓄電装置の本来の機能が達成されなかった。
例えば、蓄電装置が故障した状態でも画像形成装置の使用ができるように構成した場合には、定着装置の昇温時間を短縮できなかったり、定着装置における消費電力を軽減できなかったりすることに加え、定着装置における定着性を維持できなくなることもあるため、ユーザーのクレームになることも考えられる。これに対して、蓄電装置が故障した状態では画像形成装置の使用ができないように構成した場合には、サービスマン等の作業者が蓄電装置のメンテナンスをおこなうまで、ユーザーの画像形成作業が中断されることも考えられる。
このような問題は、画像形成装置の定着装置に電力を補助的に供給する蓄電装置に限定されることなく、一般的な蓄電装置にも共通の問題である。すなわち、被給電体に電力を供給する蓄電装置において、故障が発生した場合には、被給電体に所望の電力を供給できなくなってしまい、蓄電装置の本来の機能が充分に達成されなくなるという不具合があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、蓄電装置の故障を確実に把握することができる、使い勝手のよい蓄電装置、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
本願発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
すなわち、蓄電装置が故障する原因としては、装置内の電気回路の断線・短絡や、キャパシタ部の液漏れ等がある。このような場合には、制御部から充電開始信号が入力されても、キャパシタ部に充分な充電電流が流れずに、まったく充電がされなかったり、充電電力量が低下したり、急激に充電電圧が上昇したりする。同様に、制御部から放電開始信号が入力されても、キャパシタ部に充分な放電電流が流れずに、まったく放電がされなかったり、放電電力量が低下したり、急激に放電電圧が低下したりする。
具体的に、蓄電装置が定電流充電又は定電力充電にて制御されている場合、装置が故障すると、充電開始信号が入力されていて充電が開始されているにも係わらず、一定時間内にキャパシタ部の充電電圧が所定値まで上昇しなかったり、充電電圧がまったく上昇しなかったり、充電電圧が急激に上昇したりすることになる。別の視点でみると、充電開始信号が入力されていて充電が開始されているにも係わらず、充電電流が一定値に達しなかったり、充電電流がまったく流れなかったりすることになる。同様に、放電開始信号が入力されていて放電が開始されているにも係わらず、一定時間内にキャパシタ部の放電電圧が所定値まで下降しなかったり、放電電圧がまったく下降しなかったり、放電電圧が急激に下降したりすることになる。別の視点でみると、放電開始信号が入力されていて放電が開始されているにも係わらず、放電電流が一定値に達しなかったり、放電電流がまったく流れなかったりすることになる。
この発明は以上述べた事項に基づくものであり、すなわち、この発明の請求項1記載の発明にかかる蓄電装置は、充放電可能なキャパシタ部を備え、当該キャパシタ部から放電された電力を被給電体に供給する蓄電装置であって、装置の故障を検知する故障検知手段を備えたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1に記載の発明において、前記故障検知手段は、装置から前記被給電体への電力供給を開始する前に故障を検知するものである。
また、請求項3記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部における放電可能な最大電力量が所定値以下になった場合に、装置の故障を検知するものである。
また、請求項4記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部の電圧に基づいて故障を検知するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項4に記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部の充電又は放電がおこなわれるときであって一定時間における前記電圧の変動が所定値以下又は所定値以上である場合に故障を検知するものである。
また、請求項6記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部に流れる電流に基づいて故障を検知するものである。
また、請求項7記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項6に記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部の充電又は放電がおこなわれるときであって前記電流の大きさが所定値以下である場合に故障を検知するものである。
また、請求項8記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部における放電可能な最大電力量が所定値以下になった場合に、使用環境に係わる情報を参酌して装置の故障を検知するものである。
また、請求項9記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、前記故障検知手段は、前記キャパシタ部における放電可能な最大電力量が所定値以下になることが複数回あった場合に、装置の故障を検知するものである。
また、請求項10記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明において、前記被給電体を、加熱部材としたものである。
また、請求項11記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項10に記載の発明において、前記加熱部材は、装置と当該装置とは別に設けられた主電源とから電力供給されるように構成され、電力供給時間を検知する時間検知手段と、電力供給時間と前記加熱部材の温度との対応を示す複数の関係情報を保持して、前記故障検知手段から出力される故障検知情報に基いて前記複数の関係情報の中から選択される一の関係情報と前記時間検知手段から出力される検知時間情報とに基いて前記加熱部材の基準温度を演算する温度演算手段と、前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、前記温度演算手段から出力される基準温度情報と前記温度検知手段から出力される検知温度情報とを対比してその対比結果に基いて異常を検知する異常検知手段と、をさらに備えたものである。
また、請求項12記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項10に記載の発明において、前記加熱部材は、装置と当該装置とは別に設けられた主電源とから電力供給されるように構成され、前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、電力供給時間と前記加熱部材の温度との対応を示す複数の関係情報を保持して、前記故障検知手段から出力される故障検知情報に基いて前記複数の関係情報の中から選択される一の関係情報と前記温度検知手段から出力される検知温度情報とに基いて基準時間を演算する時間演算手段と、電力供給時間を検知する時間検知手段と、前記時間演算手段から出力される基準時間情報と前記時間検知手段から出力される検知時間情報とを対比してその対比結果に基いて異常を検知する異常検知手段と、をさらに備えたものである。
また、請求項13記載の発明にかかる蓄電装置は、上記請求項10〜請求項12のいずれかに記載の発明において、前記加熱部材は、記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着装置に設置されたものである。
また、この発明の請求項14記載の発明にかかる定着装置は、記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着装置であって、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の蓄電装置から給電可能に構成されたものである。
また、この発明の請求項15記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の蓄電装置を備えたものである。
また、請求項16記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項15に記載の発明において、記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させるとともに、前記蓄電装置から給電可能に構成された定着装置を備えたものである。
また、請求項17記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項16に記載の発明において、前記定着装置は、前記蓄電装置からの給電とは別に主電源からも給電可能に構成され、前記定着装置に連続的に搬送される複数の記録媒体における単位時間当たりの搬送枚数を可変する可変手段を備え、前記可変手段は、前記故障検知手段が前記装置の故障を検知したときに、前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずるものである。
また、請求項18記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項17に記載の発明において、前記可変手段は、前記複数の記録媒体における搬送間隔を大きくして前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずるものである。
また、請求項19記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項17又は請求項18に記載の発明において、前記可変手段は、前記複数の記録媒体における搬送速度を小さくして前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずるものである。
また、請求項20記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項17〜請求項19のいずれかに記載の発明において、前記定着装置は、記録媒体上のトナー像を加熱する定着部材を備え、前記可変手段は、前記定着部材の表面温度が予め定められた下限温度の設定値以下になった場合に前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずるように制御され、前記故障検知手段が前記装置の故障を検知したときに、前記下限温度の設定値を高く変更するものである。
また、請求項21記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項15〜請求項20のいずれかに記載の発明において、表示部を備え、前記表示部は、前記故障検知手段が前記装置の故障を検知したときに、前記蓄電装置が故障した旨を表示するものである。
なお、本願において、「キャパシタ部の電圧」とは、キャパシタ部における充電電圧又は放電電圧である。また、「キャパシタ部に流れる電流」とは、キャパシタ部における充電電流又は放電電流である。
また、「充電電力」とは充電時に蓄電装置に蓄えられる電気エネルギーであり、「放電電力」とは放電時に蓄電装置から放出される電気エネルギーである。また、「充電電力の電力量(充電電力量)」とは充電電力×充電時間であり、「放電電力の電力量(放電電力量)」とは放電電力×放電時間である。また、放電可能な「最大電力量」とは、放電電力量の最大値である。
本発明は、故障検知手段によって蓄電装置の故障を検知しているので、装置の状態を把握できて使い勝手のよい蓄電装置、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図7にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成された画像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部(ADF)、12〜14は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、24は定着装置20に設置された加圧ローラ、40は定着装置20等の被給電体に電力を供給する主電源、41は定着装置20に補助的に電力(補助電力)を供給する蓄電装置を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応したトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ローラ21と加圧ローラ24との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方のローラ21、24から受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、定着ローラ21と加圧ローラ24との間から送出された後に、画像形成装置本体1から出力画像として排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着ローラ21、加圧ローラ24、サーミスタ37、分離爪38、ガイド板35等で構成される。
ここで、定着ローラ21は、図2中の矢印方向に回転する薄肉の円筒体と、円筒体の内部に固設された加熱部材としての2つのヒータ22、23と、で構成される。定着ローラ21の円筒体は、その表面にフッ素樹脂加工が施されていて、トナーTに対する離型性が担保されている。定着ローラ21のヒータ22、23は、内部に電熱線を有する棒状ヒータであって、その両端部を定着装置20の側板に固定されている。そして、給電された2つのヒータ22、23によって円筒体が加熱されて、円筒体表面から記録媒体P上のトナーTに熱が加えられる。
なお、一方のヒータ22は、主電源40から給電されるように構成されている(図中の矢印Y1方向の電力供給である。)。他方のヒータ23は、蓄電装置41から適宜に給電されるように構成されている(図中の矢印Y2方向の電力供給である。)。詳しくは、後で説明する。
また、定着ローラ21表面にはサーミスタ37が当接されていて、サーミスタ37によるローラ表面温度(定着温度)の検知結果に基いて、主電源40及び蓄電装置41から供給される電力の調整がおこなわれる。
また、図2に示すように、定着ローラ21の外周側には、揺動自在に支持された分離爪38が配設されている。分離爪38は、その先端部が定着ローラ21の外周面に当接していて、定着ローラ21と加圧ローラ24との間から送出された記録媒体Pが定着ローラ21の回転に沿って定着ローラ21に巻き付く不具合を抑止する。
また、不図示の加圧機構によって定着ローラ21に圧接する加圧ローラ24は、主として、芯金と、芯金の外周面に接着層を介して形成された複数の弾性体層と、からなる。加圧ローラ24の弾性体層は、層厚が1〜10mmであって、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の材質が用いられる。弾性体層の表層には、層厚が300μm以下の薄肉の離型層が設けられている。離型層の材質としては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等を用いることができる。
また、定着ローラ21と加圧ローラ24との当接部の入口側と出口側には、それぞれ、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。ガイド板35は、定着装置20の側板に固設されている。
このように構成された定着装置は、次のように動作する。
まず、装置本体1の主電源スイッチが投入されると、装置本体1の主電源及び蓄電装置41から、定着ローラ21のヒータ22、23にそれぞれ電力が供給される。詳しくは、装置本体1外の商用電源にコンセントを介して接続された主電源40から一方のヒータ22に定格の電力が供給されるとともに、蓄電装置41に蓄積された充電電力が放電電力として他方のヒータ23に供給される(後述の図6における実線Sの状態である。)。
これにより、定着ローラ21表面は、所望の温度(例えば、180℃である。)に短時間に達して、装置本体1での画像形成が可能な状態になる。
画像形成装置が立ち上がりユーザーによりコピー開始ボタンが押されると、定着ローラ21及び加圧ローラ24が不図示の駆動部によって図中矢印方向に回転駆動される。そして、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ローラ21と加圧ローラ24との間に送入される(矢印Y10方向の移動である。)。そして、定着ローラ21から受ける熱と双方のローラ21、24から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ21と加圧ローラ24との間から送出される(矢印Y11方向の移動である。)。
また、装置本体1にて電力消費が多いときにも、蓄電装置41によるヒータ23への給電がおこなわれる。
具体的に、原稿読込部2がスキャン動作しているときには、スキャン動作していないときに比べて消費電力が多くなるために、蓄電装置41によるヒータ23への給電がおこなわれる。また、連続的に画像形成がおこなわれるとき(連続通紙時である。)にも、連続的に搬送される記録媒体Pによって定着ローラ21の熱が奪われるため、蓄電装置41によるヒータ23への給電がおこなわれる。また、装置本体1を長時間待機状態にさせたときに省エネルギーモードが機能して定着温度が低下している場合等にも、待機状態からの立ち上げ時に蓄電装置41によるヒータ23への給電がおこなわれる。このように、主電源40から定着装置20に供給される電力の不足分が、蓄電装置41からの放電電力によって補われる。
なお、定着ローラ40の定着温度が安定してほぼ飽和状態に達している場合には、蓄電装置41からヒータ23への電力供給はほとんどおこなわれず、主電源40からヒータ22への断続的で少量の電力供給がおこなわれる。また、画像形成動作終了後には主電源40からヒータ22への電力供給がおこなわれず、供給電力に余裕ができる。このとき、主電源40から蓄電装置41に余剰の電力が供給されて(図2中の矢印Y3方向の電力供給である。)、蓄電装置41内に次回の放電に備えて電力が蓄積される。
また、本実施の形態1の画像形成装置は、連続通紙時に、サーミスタ37によって検知される定着温度が予め設定されている下限温度(定着不良が生じてしまう定着温度である。)の設定値以下になった場合に、定着装置20に連続的に搬送される記録媒体Pの単位時間当たりの搬送枚数(CPM)を減ずるように制御している。具体的に、CPMを減ずる手段(可変手段)として、連続搬送される記録媒体Pにおける搬送速度を低下させずに(搬送駆動に係わる駆動モータの回転速度を一定にして)、制御部によって記録媒体Pの搬送タイミングを調整して、記録媒体Pと記録媒体Pとの紙間(搬送間隔)を大きくしている。なお、記録媒体Pと記録媒体Pとの紙間を大きくせずに、搬送駆動に係わる駆動モータの回転速度を減速して、連続搬送される記録媒体PにおけるCPMを低下させることもできる。これにより、定着ローラ21表面の熱が記録媒体Pによって奪われる度合い(単位時間当たりの熱損失量)が減ぜられるため、連続通紙時における出力画像の定着性を確保することができる。
次に、図3にて、画像形成装置本体1に設置される蓄電装置41の構成・動作について詳述する。
図3に示すように、蓄電装置41は、主として、電力が充放電されるキャパシタ部42(セル部)、キャパシタ部42の充電をおこなう充電部43、キャパシタ部42の充放電を切り替える切替部44、キャパシタ部42の電圧(充電電圧及び放電電圧である。)を検知する電圧検知手段としての電圧計50等で、構成される。
ここで、蓄電装置41のキャパシタ部42として、電気二重層コンデンサ、ニッケル−カドニウム電池等を用いることができる。キャパシタ部42は、切替部44が放電回路に接続された状態(図3の状態である。)で、従たるヒータ23に放電電力を供給する。充電部43は、切替部44が充電回路に接続された状態で、主電源40から供給された交流電力を整流するとともにDC変換して、キャパシタ部42に充電電力を供給する。なお、切替部44の切替は、制御部45のメモリに書込まれた所定の制御プログラムに基き、CPU48を介して送信される切替信号(充電開始信号又は放電開始信号)に基いておこなわれる。すなわち、制御部45から切替部44に充電開始信号が送信されたときに切替部44は充電回路に接続され、制御部45から切替部44に放電開始信号が送信されたときに切替部44は放電回路に接続される。なお、キャパシタ部42から従たるヒータ23への放電は、本実施の形態1の切替部44による構成の他に、FET等を用いてスイッチ制御する構成によっても達成することもできる。
また、制御部45によって、蓄電装置41の回路内は放電電力がサーミスタ37による検知情報に基いて所定の電力に制御されている。また、蓄電装置41は、定電流又は定電力での充電がおこなわれる。すなわち、蓄電装置41は、定電流充電又は定電力充電がされるように制御される。
さらに、制御部45のCPU48には、電圧計50からキャパシタ部42の電圧に係わる情報が送信されるとともに、時間検知手段としてのタイマー49から時間に係わる情報が送信される。そして、電圧計50及びタイマー49は、充電電力量及び放電電力量の変動を検知する検知手段として、特に、キャパシタ部42における放電可能な最大電力量が所定値以下になった場合に蓄電装置41の故障を検知する故障検知手段として機能する。これについては、後で詳しく説明する。
一方、主電源40は、蓄電装置41、主たるヒータ22、主電源スイッチ51、制御用スイッチ47、装置本体1におけるヒータ22以外の被給電体(不図示である。)等に接続されている。そして、主電源スイッチ51が閉じられると、主たるヒータ22への給電と、蓄電装置41への充電と、が可能になる。なお、ヒータ22への給電と蓄電装置41への充電とは、それぞれ、制御部45のメモリに書込まれた所定の制御プログラムに基き、制御部45から送信される信号に基いておこなわれる。すなわち、スイッチ47が閉じられるときに、ヒータ22への給電がおこなわれる。また、蓄電装置41の切替部44が充電回路に接続されたときに、蓄電装置41への充電がおこなわれる。
次に、図4〜図7にて、本実施の形態1における、特徴的な制御について説明する。本実施の形態1では、蓄電装置41の故障を検知できるように構成されている。
図4は、蓄電装置41が故障していないとき(通常時)と故障しているとき(故障時)とによる、充電時の充電電圧の変動を示すグラフである。図4において、横軸は時間を示し、縦軸はキャパシタ部42に蓄積される充電電圧を示す。また、実線Sは通常時の充電電圧変動を示し、一点鎖線R1及び破線R2及び二点鎖線R3は故障時の充電電圧変動を示す。
図4の実線Sに示すように、通常時の蓄電装置41においては、上述の充電開始信号の送信にともないキャパシタ部42の充電が開始されてから(図中の時間TSである。)、一定時間が経過した後に(図中の時間TEである。)、キャパシタ部42の充電電圧は所定値V1に達する。
これに対して、一点鎖線R1及び破線R2に示すように、故障時の蓄電装置41においては、キャパシタ部42の充電が開始されても、一定時間が経過した後にキャパシタ部42の充電電圧は所定値V1に達しない。さらに、二点鎖線R3に示すように、故障時の蓄電装置41においては、キャパシタ部42の充電が開始されると、その直後にキャパシタ部42の充電電圧が急激に所定値V1に達する。
故障の形態としては、一点鎖線R1に示すように、充電開始信号が送信されても充電電圧が初期値V0からまったく上昇しないときは、蓄電装置41内の電気回路における充電回路の断線、短絡等によるものである。また、破線R2に示すように、充電開始信号が送信されても充電電圧が初期値V0から僅かしか上昇しないときは、蓄電装置41内の充電回路の故障により設定した充電電力が得られなくなったものである。また、二点鎖線R3に示すように、充電開始信号が送信されて充電電圧が初期値V0から急激に上昇するときは、蓄電装置41内のキャパシタ部42の液漏れ等により静電容量が極端に小さくなったものである。
そして、このような蓄電装置41における故障は、故障検知手段48〜50によって検知される。具体的には、充電開始後の一定時間(タイマー49によって検知される。)内に、キャパシタ部42に蓄積される充電電圧が電圧計50によって検知される。そして、その充電電圧変動が所定値以下になったときに、制御部45にて蓄電装置41が故障したものと判断される。
一方、図5は、蓄電装置41の通常時と故障時とによる、放電時の放電電圧の変動を示すグラフである。図5において、横軸は時間を示し、縦軸はキャパシタ部42における放電電圧を示す。また、実線Sは通常時の放電電圧変動を示し、一点鎖線R1及び破線R2及び二点鎖線R3は故障時の放電電圧変動を示す。
図5の実線Sに示すように、通常時の蓄電装置41においては、上述の放電開始信号の送信にともないキャパシタ部42の放電が開始されてから(図中の時間TSである。)、一定時間が経過した後に(図中の時間TEである。)、キャパシタ部42の放電電圧は所定値V0に達する。
これに対して、一点鎖線R1及び破線R2に示すように、故障時の蓄電装置41においては、キャパシタ部42の放電が開始されても、一定時間が経過した後にキャパシタ部42の放電電圧は所定値V0に達しない。さらに、二点鎖線R3に示すように、故障時の蓄電装置41においては、キャパシタ部42の充電が開始されると、その直後にキャパシタ部42の充電電圧が急激に所定値V0に達する。
故障の形態としては、一点鎖線R1に示すように、放電開始信号が送信されても放電電圧が初期値V1からまったく下降しないときは、蓄電装置41内の電気回路における放電回路の断線、短絡等によるものである。また、破線R2に示すように、放電開始信号が送信されても放電電圧が初期値V1から僅かしか下降しないときは、蓄電装置41内の充電回路の故障により設定した充電電力が得られなくなったものである。また、二点鎖線R3に示すように、放電開始信号が送信されて放電電圧が初期値V1から急激に下降するときは、蓄電装置41内のキャパシタ部42の液漏れ等により静電容量が極端に小さくなったものである。
また、キャパシタ部42そのものの故障だけではなく、キャパシタ部42から給電されるヒータ23が断線することによって補助電力を利用することができない状態となったときも、放電電圧が低下しないことを検知できるために蓄電装置41の故障として判断される。なお、ヒータ23の断線は、温度変化の検知に基いて判断することもできる。
そして、このような蓄電装置41における故障は、充電時と同様に、故障検知手段48〜50によって検知される。具体的には、放電開始後の一定時間内に、キャパシタ部42に残留する放電電圧が電圧計50によって検知される。そして、その放電電圧変動が所定値以下になったときに、制御部45にて蓄電装置41が故障したものと判断される。
このように、本実施の形態1においては、蓄電装置41の故障が、キャパシタ部42の充放電時の電圧変動を検知することで、比較的簡易に検出される。したがって、蓄電装置41の故障を確実に把握することができて、故障時の対応をスムーズにおこなうことができる。
なお、制御部45による蓄電装置41の故障の判断は、充電開始後又は放電開始後のキャパシタ部42の電圧変動が所定値以下になる検知結果が複数回繰り返されたときにおこなうのが好ましい。これにより、故障の誤検知を未然に防止することができる。
また、制御部45による蓄電装置41の故障の判断は、蓄電装置41の使用環境に係わる情報を参酌しておこなうことが好ましい。例えば、蓄電装置41が高温環境下で使用されて一定時間における電圧変動が低下した場合に、所定の補正データに基いて、検知した電圧変動を常温環境下で使用した場合のものに補正する。これにより、環境変動による電圧変動を故障によるものから切り分けることができる。なお、使用環境に係わる情報は、装置本体1に温湿度計等を設けて温湿度変動を検出することで採取できる。
次に、図6及び図7にて、故障検知手段48〜50によって蓄電装置41の故障を検知した後の、画像形成装置の動作について説明する。
図6は、画像形成装置の立ち上げ時における、定着装置20、蓄電装置41、主電源40の状態変化を示すグラフである。
図6(A)は、サーミスタ37で検知される定着ローラ21表面の定着温度の時間的な変動を示す。図6(B)は、主電源40及び蓄電装置41による供給電力(2つのヒータ22、23への供給電力の総和である。)の時間的な変動を示す。図6(C)は、蓄電装置41におけるキャパシタ部42の残電力量の時間的な変動を示す。
同図(A)〜(C)において、実線Sは蓄電装置41が故障検知されていない場合(通常時)の各変動を示し、破線Rは蓄電装置41が故障検知された場合の各変動を示す。
まず、故障検知手段48〜50によって蓄電装置41の故障が検知されると、故障した蓄電装置41による充放電をおこなわないように制御する。具体的には、切替部44を充電回路と放電回路とのどちらにも接続されないように制御する。これにより、故障した蓄電装置41の使用を続けることによる、装置本体1のその他の電気回路における不具合の発生を未然に防止することができる。
したがって、図6(B)に示すように、装置本体1の立ち上げ時において、蓄電装置41の故障検知した場合の主電源40及び蓄電装置41による供給電力は、主電源40による供給電力のみとなる(実線Sの状態から破線Rの状態への変動である。)。すなわち、図6(C)に示すように、蓄電装置41の故障検知した場合に蓄電装置41における放電はおこなわれない(実線Sの状態から破線Rの状態への変動である。)。
このような状態は、立ち上げ時に限定されず、上述したように装置本体1にて電力消費が多い場合にもおこなわれる。すなわち、蓄電装置41の故障が検知されると、蓄電装置41による一切の充放電が禁止される。
図7は、画像形成装置の連続通紙時における制御を示すグラフである。
図7(A)〜(C)は、記録媒体Pを4枚連続通紙したときの定着温度変動を示すグラフであって、横軸は時間を示し、縦軸はサーミスタ37で検知される定着ローラ21表面の定着温度を示す。図7(A)は蓄電装置41の故障検知がされていない通常時の定着温度変動を示し、図7(B)及び図7(C)は蓄電装置41の故障検知がされたときの定着温度変動を示す。
なお、図7中の定着温度H0は、先に説明した定着温度の下限温度(設定値)である。
図7(A)に示すように、通常時には、蓄電装置41による定着ローラ21への放電電力の供給がおこなわれるために、連続通紙に係わるCPMはデフォルト値に設定されている。すなわち、連続通紙される記録媒体Pの搬送速度と、記録媒体Pと記録媒体Pとの搬送間隔とは、デフォルト値に設定されている。
これにより、まず、連続通紙される1枚目の記録媒体は、定着ローラ21及び加圧ローラ24の位置を時間P1で通過する。このとき、定着ローラ21の定着温度は、記録媒体に熱が奪われて、温度H1から所定温度だけ低下する。そして、搬送間隔に相当する時間M0にて、定着ローラ21の定着温度は、低下した温度から温度H1近傍まで回復する。このとき、蓄電装置41の放電電力により比較的短時間に定着温度の回復がおこなわれる。
2枚目以降の記録媒体についても、同様に、定着ローラ21及び加圧ローラ24の位置を通過する時間P2、P3、P4(=P1)で、定着温度は温度H1から所定温度だけ低下する。そして、搬送間隔に相当する時間M0にて、定着ローラ21の定着温度は温度H1近傍まで回復する。
これに対して、図7(B)に示すように、故障検知時には、蓄電装置41による定着ローラ21への放電電力の供給が制御上も禁止されて、連続通紙に係わるCPMを減ずる制御がおこなわれる。すなわち、連続通紙される記録媒体Pの搬送速度は通常時のものであって、記録媒体Pと記録媒体Pとの搬送間隔が大きくなるように制御される。
これにより、まず、連続通紙される1枚目の記録媒体は、定着ローラ21及び加圧ローラ24の位置を時間P1で通過する。このとき、定着ローラ21の定着温度は、記録媒体に熱が奪われて、通常時と同じように温度H1から所定温度だけ低下する。そして、搬送間隔に相当する時間M1にて、定着ローラ21の定着温度は、低下した温度から温度H1近傍まで回復する。このとき、蓄電装置41による放電電力供給がないために、通常時よりも時間をかけて温度の回復がおこなわれる(M1>M0である。)。
2枚目以降の記録媒体についても、同様に、定着ローラ21及び加圧ローラ24の位置を通過する時間P2、P3、P4(=P1)で、定着温度は温度H1から所定温度だけ低下する。そして、搬送間隔に相当する時間M1にて、定着ローラ21の定着温度は温度H1近傍まで回復する。
このように、蓄電装置41の故障が検知されたときに、連続通紙時における記録媒体の紙間が大きくなるように調整制御されるために、蓄電装置41からの給電がなくても、1枚の記録媒体を定着した後に次の記録媒体の定着に係わる定着温度を回復させるための時間を長くとることができる。
したがって、連続通紙が完了する時間は通常時に比べて長くなって画像形成の生産性が低下したり、図6で述べたように立ち上がり時の昇温時間が低下するものの、蓄電装置41の故障に気付かずに出力画像の定着性が低下する不具合を回避することができる。
図7(C)は、故障検知時における、図7(B)とは異なる制御を示すものである。図7(C)においても、図7(B)と同様に、連続通紙に係わるCPMを減ずる制御がおこなわれる。ここでは、連続通紙される記録媒体Pの搬送速度が小さくなるように制御される。
これにより、まず、連続通紙される1枚目の記録媒体は、定着ローラ21及び加圧ローラ24の位置を時間P1´(P1´>P1である。)で通過する。このとき、定着ローラ21の定着温度は、記録媒体に熱が奪われて、温度H1から通常時よりも小さな温度変動にて低下する。そして、搬送間隔に相当する時間M2にて、定着ローラ21の定着温度は、低下した温度から温度H1近傍まで回復する。このとき、蓄電装置41による放電電力供給がないために、図7(B)の搬送間隔M1での温度上昇勾配と同じ勾配で温度の回復がおこなわれる。
2枚目以降の記録媒体についても、同様に、定着ローラ21及び加圧ローラ24の位置を通過する時間P2´、P3´、P4´(=P1´)で、定着温度は温度H1から所定温度だけ低下する。そして、搬送間隔に相当する時間M2にて、定着ローラ21の定着温度は温度H1近傍まで回復する。
このように、蓄電装置41の故障が検知されたときに、連続通紙時における記録媒体の搬送速度が小さくなるように調整制御されるために、定着ローラの単位時間当たりの熱損失が少なくなって、蓄電装置41からの給電がなくても1枚の記録媒体を定着した後に回復させるべき定着温度を小さくすることができる。
したがって、連続通紙が完了する時間は通常時に比べて長くなって画像形成の生産性が低下したり、立ち上がり時の昇温時間が低下するものの、蓄電装置41の故障に気付かずに出力画像の定着性が低下する不具合を回避することができる。
なお、上述した連続通紙時の制御において、故障検知手段48〜50が蓄電装置50の故障を検知したときに、定着温度の下限温度H0の設定値を高く変更することもできる。この場合には、上述した連続通紙時のCPM低下制御に加えて、先に説明した定着温度が下限温度H0以下になったときのCPM低下制御のしきいが高められることになる。これにより、蓄電装置41が故障した場合であっても、連続通紙時における出力画像の定着性低下をより確実に抑止することができる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、故障検知手段48〜50によってキャパシタ部42における充放電時の電圧変動を検知しているため、蓄電装置41の故障を確実に把握することができて、故障時の対応をスムーズにおこなうことができる。さらに、故障検知後の蓄電装置41の充放電を制御上禁止しているために、蓄電装置41の故障の影響が他に及ぶ不具合を抑止することができる。
また、蓄電装置41が故障したときに、画像形成装置本体1の使用を完全に停止することなく、立ち上げ時の昇温時間増加や連続通紙時のCPM低下という一定の制約を課してその使用ができるように制御している。これにより、蓄電装置41が故障中であってもユーザーの画像形成作業が中断することがなくなるため、ユーザーにとって使い勝手が向上する。
実施の形態2.
図8及び図9にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図8は、実施の形態2における蓄電装置を示す回路図であって、前記実施の形態1の図3に相当する図である。本実施の形態2は、蓄電装置41の故障をキャパシタ部42に流れる電流に基いて検出している点が、蓄電装置41の故障をキャパシタ部42の充電電圧及び放電電圧に基いて検出している前記実施の形態1とは相違する。
図8に示すように、本実施の形態2の蓄電装置41には、前記実施の形態1における電圧計50の替わりに、キャパシタ部42に流れる電流(充電電流及び放電電流である。)を検知する電流検知手段としての電流計60が設置されている。この電流計60にて検知された充電電流及び放電電流に係わる検知結果は、制御部45のCPU48に送信される。そして、制御部45にて、電流計60の検知結果に基いて蓄電装置41の故障が判断される。
図9は、通常時と故障時とによる、蓄電装置41における充放電時の充電電流及び放電電流の変動を示すグラフである。図9において、横軸は時間を示し、縦軸はキャパシタ部42に流れる充電電流又は放電電流を示す。また、実線Sは通常時の充電電流変動又は放電電流変動を示し、破線R1及び一点鎖線R2は故障時の充電電流変動又は放電電流変動を示す。
図9の実線Sに示すように、通常時の蓄電装置41においては、上述の充電開始信号又は放電開始信号の送信にともないキャパシタ部42の充電又は放電が開始されてから(図中の時間TSである。)、充電又は放電が終了するまで(図中の時間TEである。)、キャパシタ部42の充電電流又は放電電流は所定値I1に達する。なお、この蓄電装置41は、定電流充電及び定電流放電にて制御されているために、所定値I1は時間的な変動がなく一定である。
これに対して、破線R1及び一点鎖線R2に示すように、故障時の蓄電装置41においては、キャパシタ部42の充電又は放電が開始されても、キャパシタ部42の充電電流又は放電電流は所定値I1に達しない。
故障の形態としては、破線R1に示すように、充電開始信号又は放電開始信号が送信されても充電電流又は放電電流が初期値0からまったく上昇しないときは、蓄電装置41内の電気回路における充電回路又は放電回路の断線、短絡等によるものである。また、一点鎖線R2に示すように、充電開始信号又は放電開始信号が送信されても充電電流又は放電電流が初期値0から僅かしか上昇しないときは、蓄電装置41内のキャパシタ部42の液漏れ等によるものである。
そして、このような蓄電装置41における故障は、故障検知手段48、60によって検知される。具体的には、充電開始後又は放電開始後に、キャパシタ部42に流れる充電電流又は放電電流が電流計60によって検知される。そして、検知された充電電流又は放電電流の大きさが所定値以下であるときに、制御部45にて蓄電装置41が故障したものと判断される。
さらに、蓄電装置41の故障が検知されたときには、蓄電装置41による充放電を禁止するように制御する。そして、連続通紙時には、前記実施の形態1と同様に、連続通紙に係わるCPMを低下するように制御する。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、故障検知手段48、60によってキャパシタ部42における充放電時の電流値を検知しているため、蓄電装置41の故障を確実に把握することができて、故障時の対応をスムーズにおこなうことができる。さらに、故障検知後の蓄電装置41の充放電を制御上禁止しているために、蓄電装置41の故障の影響が他に及ぶ不具合を抑止することができる。
また、蓄電装置41が故障したときに、画像形成装置本体1の使用を完全に停止することなく、立ち上げ時の昇温時間増加や連続通紙時のCPM低下という一定の制約を課してその使用ができるように制御している。これにより、蓄電装置41が故障中であってもユーザーの画像形成作業が中断することがなくなるため、ユーザーにとって使い勝手が向上する。
なお、上記各実施の形態において、蓄電装置41の故障が検知された場合に、その旨を装置本体1の表示部(不図示である。)に表示するように制御することが好ましい。これにより、ユーザーは画像形成装置の状態を的確に知ることができるとともに、サービスマン等の作業者への報告を迅速におこなうことができる。
また、上記各実施の形態では、蓄電装置41を画像形成装置の立上げ時や消費電力過多時における補助的な電力供給装置として用いた。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、被給電体に電力を供給する蓄電装置のすべてに対して本発明を適用することができる。その場合にも、上記各実施の形態と同様に、使い勝手のよい蓄電装置を提供することができる。
実施の形態3.
図10及び図11にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図10は、実施の形態3における定着装置を示すブロック図である。本実施の形態3は、故障検知手段で検知した故障検知情報に基いて定着装置の異常を検知している点が、前記実施の形態1とは相違する。
図10に示すように、蓄電装置41には、故障検知手段53、記憶手段54、時間検知手段49、温度検知手段37、異常検知手段55等が設けられている。故障検知手段53は、前記実施の形態1で述べた故障検知手段48〜50であって、キャパシタ部42等の故障を検知してその情報(故障検知情報)を記憶手段54に出力する。
時間検知手段49は、前記実施の形態1で述べたタイマーであって、蓄電装置41による電力供給時間を検知する。時間検知手段49で検知された情報(検知時間情報)は、記憶手段54に出力される。ここで、蓄電装置41による電力供給時間は、例えば、主電源スイッチのオン信号を開始信号として電力供給がおこなわれる累積時間を計測したものである。また、時間検知手段49は、温度検知手段37に定着ローラ21の温度を検知するタイミングを指示するための信号を出力する。
温度検知手段37は、前記実施の形態1で述べたサーミスタであって、定着ローラ21の表面温度(定着温度)を検知する。温度検知手段37で検知された情報(検知温度情報)は、異常検知手段55に出力される。
記憶手段54には、電力供給時間と前記加熱部材の温度との対応を示す複数の関係情報(図11に示す実線Q1、Q2を参照できる。)が保持されている。そして、故障検知手段53から出力された故障検知情報に基いて、記憶手段54に保持された複数の関係情報の中から一の関係情報が選択される。そして、選択された一の関係情報と、時間検知手段49から出力された検知時間情報と、に基いて、定着ローラ21の基準温度が演算される。このように、記憶手段54は、定着ローラ21の基準温度を演算するための温度演算手段の一部として機能する。
図11は、記憶手段54に保持された複数の関係情報を示すグラフである。図11において、横軸は、主電源40(外部電源)からヒータ22への電力供給と、キャパシタ部42からヒータ23への電力供給と、が同時におこなわれる場合の電力供給時間を示す。また、縦軸は、定着ローラ21の定着温度を示す。すなわち、図11は、定着ローラ21の昇温特性を示すグラフである。
図11において、実線Q1は蓄電装置41に故障が発生した場合の昇温特性を示し、実線Q2は蓄電装置41に故障が発生していない場合の昇温特性を示す。なお、図11では、蓄電装置41に故障が発生していない場合の昇温特性を実線Q2のみで示したが、実際にはキャパシタ部42の残容量の大きさに応じた複数の昇温特性を示す関係情報が保持されている。
キャパシタ部42の残容量が少なくなるにつれて昇温特性の勾配は小さくなり、蓄電装置41に故障が生じた場合にその昇温特性の勾配は最小になる(実線Q1の状態である。)。これらの関係情報(昇温特性)は、再現性のある情報である。
記憶手段54は、図11のような関係情報を表形式のデータとして保持することで、入力された時間情報に対応する温度情報を出力することができる。また、別の態様としては、記憶手段54に電力供給時間と定着温度との関係式を予め記憶させておくことで、その関係式に時間情報を代入して温度情報を出力することができる。
異常検知手段55は、記憶手段54(温度演算手段)から出力された基準温度情報と、温度検知手段37で検知された実際の定着温度(検知温度情報)と、を対比して、その対比結果に基いて定着装置20の異常を検知する。
詳しくは、検知温度情報と基準温度情報との差が所定範囲内にあれば、定着装置20は正常であるものと判断する。これに対して、検知温度情報と基準温度情報との差が所定範囲を外れた場合には、定着装置20に異常があるものと判断する。異常検知手段55によって定着装置20の異常が検知された場合には、異常検知手段55から信号を出力して、アラーム信号、画面表示等により異常がある旨の通知をおこなうことが好ましい。
以下、図10を参照して、異常検知がおこなわれるまでの一連の動作について説明する。
まず、主電源スイッチがオンされると、ヒータ22、23への電力供給にともない定着ローラ21の加熱が開始される。このとき、時間検知手段49によって時間の計測が開始される。
そして、前記実施の形態1で説明した手順によって、故障検知手段53によって蓄電装置41の故障が検知されると、その情報(故障検知情報)が記憶手段54に送信される。記憶手段54では、故障検知情報の入力にともない、複数の関係情報(昇温特性)の中から対応する1つの関係情報(図11の実線Q1である。)が選択される。一方、時間検知手段49からは、故障を検知したときの検知時間情報T1が記憶手段54に送信される。
記憶手段54では、時間検知手段49からの検知時間情報T1と選択された関係情報Q1とから基準温度H1が演算される。この基準温度情報H1は、異常検知手段55に送信される。一方、温度検知手段37からは、故障を検知したときの実測の検知温度情報H2が異常検知手段55に送信される。
そして、異常検知手段55で、記憶手段54からの基準温度情報H1と温度検知手段37からの検知温度情報H2とを比較して、その差が所定値以上である場合に定着装置20全体の異常(蓄電装置41の故障とは区別される。)と判断する。
以上説明したように、本実施の形態3によれば、故障検知手段53によって蓄電装置41の故障を確実に把握することができて、故障時の対応をスムーズにおこなうことができる。さらに、故障検知後に定着装置20全体の異常をも検知可能に構成しているために、定着装置20の状態を確実に把握することができる。
実施の形態4.
図12にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図12は、実施の形態4における定着装置を示すブロック図であって、前記実施の形態3における図10に相当する図である。本実施の形態4は、基準時間情報と検知時間情報とを対比して定着装置20の異常を検知している点が、基準温度情報と検知温度情報とを対比して定着装置20の異常を検知している前記実施の形態3とは相違する。
時間検知手段49は、蓄電装置41による電力供給時間を検知する。時間検知手段49で検知された情報(検知時間情報)は、異常検知手段55に出力される。ここで、蓄電装置41による電力供給時間は、例えば、主電源スイッチのオン信号を開始信号として電力供給がおこなわれる累積時間を計測したものである。累積時間の計測は、温度検知手段37から信号を受けるまでおこなわれて、その検知時間情報が異常検知手段55に送信される。
温度検知手段37は、定着ローラ21の表面温度(定着温度)を検知する。温度検知手段37で検知された情報(検知温度情報)は、記憶手段54に出力される。
記憶手段54には、前記実施の形態3と同様に、電力供給時間と前記加熱部材の温度との対応を示す複数の関係情報(昇温特性データ)が保持されている。そして、故障検知手段53から出力された故障検知情報に基いて、記憶手段54に保持された複数の関係情報の中から一の関係情報(図11の実線Q1である。)が選択される。そして、選択された一の関係情報と、温度検知手段37から出力された検知温度情報と、に基いて、定着ローラ21の基準時間が演算される。このように、記憶手段54は、定着ローラ21の基準時間を演算するための時間演算手段の一部として機能する
記憶手段54は、図11のような関係情報を表形式のデータとして保持することで、入力された温度情報に対応する時間情報を出力することができる。また、別の態様としては、記憶手段54に電力供給時間と定着温度との関係式を予め記憶させておくことで、その関係式に温度情報を代入して時間情報を出力することができる。
異常検知手段55は、記憶手段54(時間演算手段)から出力された基準時間情報と、時間検知手段49で検知された実際の電力供給時間と、を対比して、その対比結果に基いて定着装置20の異常を検知する。
詳しくは、検知時間情報と基準時間情報との差が所定範囲内にあれば、定着装置20は正常であるものと判断する。これに対して、検知時間情報と基準時間情報との差が所定範囲を外れた場合には、定着装置20に異常があるものと判断する。
以下、異常検知がおこなわれるまでの一連の動作について説明する。
まず、主電源スイッチがオンされると、ヒータ22、23への電力供給にともない定着ローラ21の加熱が開始される。このとき、時間検知手段49によって時間の計測が開始される。
そして、故障検知手段53によって蓄電装置41の故障が検知されると、その情報(故障検知情報)が記憶手段54に送信される。記憶手段54では、故障検知情報の入力にともない、複数の関係情報(昇温特性)の中から対応する1つの関係情報(図11の実線Q1である。)が選択される。一方、温度検知手段37からは、故障を検知したときの検知温度情報H1が記憶手段54に送信される。
記憶手段54では、温度検知手段37からの検知温度情報H1と選択された関係情報Q1とから基準時間T1が演算される。この基準時間情報T1は、異常検知手段55に送信される。一方、時間検知手段49からは、故障を検知したときの実測の検知時間情報T2が異常検知手段55に送信される。
そして、異常検知手段55で、記憶手段54からの基準時間情報T1と時間検知手段49からの検知時間情報T2とを比較して、その差が所定値以上である場合に定着装置20全体の異常(蓄電装置41の故障とは区別される。)と判断する。
以上説明したように、本実施の形態4によれば、故障検知手段53によって蓄電装置41の故障を確実に把握することができて、故障時の対応をスムーズにおこなうことができる。さらに、前記実施の形態3と同様に、故障検知後に定着装置20全体の異常をも検知可能に構成しているために、定着装置20の状態を確実に把握することができる。
実施の形態5.
図13にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図13は、実施の形態5における定着装置でおこなわれる制御を示すフローチャートである。本実施の形態5は、キャパシタ部42から定着ローラ21のヒータ23への電力供給(放電)が開始される前に蓄電装置41の故障検知がおこなわれる点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図13に示すように、まず、主電源スイッチがオンされると(ステップS1)、サーミスタ37(温度検知手段)で検知された検知温度が設定温度よりも小さいかが判断される(ステップS2)。その結果、検知温度が設定温度よりも小さくないと判断された場合には、ステップS2以降のフローを繰り返す。
これに対して、検知温度が設定温度よりも小さいと判断された場合には、故障検知手段53(48〜50)によって故障検知情報が取得される(ステップS3)。そして、蓄電装置41に故障が生じていないかが判断される(ステップS4)。
その結果、蓄電装置41に故障が生じていないものと判断された場合には、故障なし用のSCテーブル値が参照される(前記実施の形態3で説明した記憶手段54に記憶された実線Q2等の複数の関係情報である。)。さらに、蓄電装置41から放電をおこなうための条件が設定される(ステップS5)。
その後、ステップS5で設定された条件に基いて、蓄電装置41からの放電(電力供給)が開始される。
これに対して、ステップS4で、蓄電装置41に故障が生じているものと判断された場合には、故障あり用のSCテーブル値が参照される(前記実施の形態3で説明した記憶手段54に記憶された実線Q1の関係情報である。)。さらに、蓄電装置41から放電をおこなうための条件が設定される(ステップS7)。
その後、ステップS7で設定された条件に基いて、必要に応じて蓄電装置41からの放電が開始される。実際には、キャパシタ部42からの放電を停止する場合がほとんどであって、前記実施の形態3の異常検知手段55によって定着装置20の異常が検知されない場合には、前記実施の形態1で述べた制約を課した状態で定着装置20への電力供給(主電源40によるものである。)がおこなわれる。
以上説明したように、本実施の形態5によれば、蓄電装置41からの電力供給が開始される前に、故障検知手段53によって蓄電装置41の故障を確実に把握することができて、故障時の対応をスムーズにおこなうことができる。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、上記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す断面図である。 図1の画像形成装置に設置される蓄電装置を示す回路図である。 図3の蓄電装置が故障した場合における、充電時の状態を示すグラフである。 図3の蓄電装置が故障した場合における、放電時の状態を示すグラフである。 図3の蓄電装置が故障した場合における、画像形成装置の立ち上げ時の状態を示すグラフである。 図3の蓄電装置が故障した場合における、画像形成装置の連続通紙時の制御を示すグラフである。 この発明の実施の形態2における蓄電装置を示す回路図である。 図8の蓄電装置が故障した場合における、充電時及び放電時の状態を示すグラフである。 この発明の実施の形態3における定着装置を示すブロック図である。 電力供給時間と定着温度との関係情報を示すグラフである。 この発明の実施の形態4における定着装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5における定着装置でおこなわれる制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
2 原稿読込部、 3 露光部、 4 作像部、 7 転写部、
10 原稿搬送部、 12〜14 給紙部、 20 定着装置、
21 定着ローラ(定着部材)、 22 ヒータ(加熱部材)、
24 加圧ローラ、 37 サーミスタ(温度検知手段)、
40 主電源(外部電源)、
41 蓄電装置、 42 キャパシタ部、 43 充電部、 44 切替部、
45 制御部、 47 スイッチ、 48 CPU、
49 タイマー(時間検知手段)、 50 電圧計(電圧検知手段)、
51 主電源スイッチ、 53 故障検知手段、 54 記憶手段、
55 異常検知手段、 60 電流計(電流検知手段)、 P 記録媒体。

Claims (21)

  1. 充放電可能なキャパシタ部を備え、当該キャパシタ部から放電された電力を被給電体に供給する蓄電装置であって、
    装置の故障を検知する故障検知手段を備えたことを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記故障検知手段は、装置から前記被給電体への電力供給を開始する前に故障を検知することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部における放電可能な最大電力量が所定値以下になった場合に、装置の故障を検知することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置。
  4. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部の電圧に基づいて故障を検知することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の蓄電装置。
  5. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部の充電又は放電がおこなわれるときであって一定時間における前記電圧の変動が所定値以下又は所定値以上である場合に故障を検知することを特徴とする請求項4に記載の蓄電装置。
  6. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部に流れる電流に基づいて故障を検知することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の蓄電装置。
  7. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部の充電又は放電がおこなわれるときであって前記電流の大きさが所定値以下である場合に故障を検知することを特徴とする請求項6に記載の蓄電装置。
  8. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部における放電可能な最大電力量が所定値以下になった場合に、使用環境に係わる情報を参酌して装置の故障を検知することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の蓄電装置。
  9. 前記故障検知手段は、前記キャパシタ部における放電可能な最大電力量が所定値以下になることが複数回あった場合に、装置の故障を検知することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の蓄電装置。
  10. 前記被給電体は、加熱部材であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の蓄電装置。
  11. 前記加熱部材は、装置と当該装置とは別に設けられた主電源とから電力供給されるように構成され、
    電力供給時間を検知する時間検知手段と、
    電力供給時間と前記加熱部材の温度との対応を示す複数の関係情報を保持して、前記故障検知手段から出力される故障検知情報に基いて前記複数の関係情報の中から選択される一の関係情報と前記時間検知手段から出力される検知時間情報とに基いて前記加熱部材の基準温度を演算する温度演算手段と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度演算手段から出力される基準温度情報と前記温度検知手段から出力される検知温度情報とを対比してその対比結果に基いて異常を検知する異常検知手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載の蓄電装置。
  12. 前記加熱部材は、装置と当該装置とは別に設けられた主電源とから電力供給されるように構成され、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知手段と、
    電力供給時間と前記加熱部材の温度との対応を示す複数の関係情報を保持して、前記故障検知手段から出力される故障検知情報に基いて前記複数の関係情報の中から選択される一の関係情報と前記温度検知手段から出力される検知温度情報とに基いて基準時間を演算する時間演算手段と、
    電力供給時間を検知する時間検知手段と、
    前記時間演算手段から出力される基準時間情報と前記時間検知手段から出力される検知時間情報とを対比してその対比結果に基いて異常を検知する異常検知手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載の蓄電装置。
  13. 前記加熱部材は、記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着装置に設置されたことを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれかに記載の蓄電装置。
  14. 記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着装置であって、
    請求項1〜請求項13のいずれかに記載の蓄電装置から給電可能に構成されたことを特徴とする定着装置。
  15. 請求項1〜請求項13のいずれかに記載の蓄電装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  16. 記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させるとともに、前記蓄電装置から給電可能に構成された定着装置を備えたことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記定着装置は、前記蓄電装置からの給電とは別に主電源からも給電可能に構成され、
    前記定着装置に連続的に搬送される複数の記録媒体における単位時間当たりの搬送枚数を可変する可変手段を備え、
    前記可変手段は、前記故障検知手段が前記装置の故障を検知したときに、前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 前記可変手段は、前記複数の記録媒体における搬送間隔を大きくして前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記可変手段は、前記複数の記録媒体における搬送速度を小さくして前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずることを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 前記定着装置は、記録媒体上のトナー像を加熱する定着部材を備え、
    前記可変手段は、前記定着部材の表面温度が予め定められた下限温度の設定値以下になった場合に前記単位時間当たりの搬送枚数を減ずるように制御され、
    前記故障検知手段が前記装置の故障を検知したときに、前記下限温度の設定値を高く変更することを特徴とする請求項17〜請求項19のいずれかに記載の蓄電装置。
  21. 表示部を備え、
    前記表示部は、前記故障検知手段が前記装置の故障を検知したときに、前記蓄電装置が故障した旨を表示することを特徴とする請求項15〜請求項20のいずれかに記載の画像形成装置。
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