JP2005252658A - アンテナ - Google Patents

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Yasuhiro Kawakami
靖洋 川上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】移動体通信用の無線装置に使用されるアンテナに関し、小型化、低背化を図ることを目的とする。
【解決手段】コイル状素子部12は、アーチ状部12Aの両端部を交互に連結部12Bで繋がれて螺旋状に形成され、上記コイル状素子部12と接続された半円筒状の面状素子部13が、コイル状素子部12の仮想円筒軸心とほぼ同心状で、所定の間隔を有してアーチ状部12Aの外周後方を覆うように配置され、その下端の下方接続部13Bが給電部14に繋がる構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話などの主として移動体通信用の無線装置に使用されるアンテナに関するものである。
近年、移動体通信用の無線装置の代表として、携帯電話の普及率が高くなっている。そして、その携帯電話に使用されるアンテナにおいては、携帯電話を落下した際のアンテナの変形による不具合等の回避やデザイン面から、小型化及び低背化したものが求められている。
このような従来の携帯電話に使用されるアンテナについて、図5を用いて説明する。
図5は従来のアンテナの要部であるアンテナ素子の外観図であり、同図において、1はアンテナ素子、2は給電部、3は上記アンテナ素子1を覆う合成樹脂製のトップ部である。なお、同図では、要部であるアンテナ素子1を見易くするため、トップ部3を二点鎖線で仮想的に記載している。
そして、上記アンテナ素子1は、線状材からなる螺旋状のコイル状素子部5の上端側が、そのコイル内を下方に向けて延出形成された直線状の棒状素子部4となり、その棒状素子部4の下方先端に、上記給電部2が外方に突出状態に配設されている。また、コイル状素子部5と棒状素子部4とからなるアンテナ素子1の長さは、所定の周波数の波長の約1/4に設定されている。
以上のように構成された従来のアンテナは、給電部2を携帯電話の回路部(図示せず)に電気的に接続させて搭載され、上記所定の周波数に対して共振し電波の送受信が良好に行えるものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
国際公開第01/28033号パンフレット
アンテナは、一般的に、良好なアンテナ特性を得るため、アンテナ素子を所定の周波数における波長のほぼ1/4の長さ、もしくはそれの整数倍の長さで設定し、上記所定の周波数範囲内にアンテナの共振周波数を設定しておくようにしている。
そして、上記従来のアンテナにおいても、コイル状素子部5と棒状素子部4とからなるアンテナ素子1の長さを、所定の共振周波数の波長の約1/4長さに設定する必要があるため、アンテナ特性を維持させつつ、その長さを短くするにも限界があり、アンテナとしての低背化、小形化の阻害要因となっていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、良好なアンテナ特性を維持しつつ低背化および小型化が実現できるアンテナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、アンテナ素子が、コイル状素子部と、そのコイル状素子部に繋がる面状素子部とを有し、上記面状素子部が、上記コイル状素子部の内周または外周に上記コイル状素子部に対して互いに静電容量結合可能な間隔を保つ位置に配されたアンテナである。上記のように、面状素子部とコイル状素子部との間で静電容量結合して大きいキャパシタンス(C)成分が生じる構成としたことにより、所定の周波数範囲内にアンテナの共振周波数(f0)を設定する際、コイル状素子部のインダクタンス(L)成分を小さくする必然性が生じ、アンテナ素子の長さ設定が短くでき、アンテナの小形化、低背化が実現できるという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、面状素子部とコイル状素子部とが一体の部材で設けられ、上記面状素子部の一部が上記コイル状素子部の仮想円筒軸心にほぼ同心円状で配置され、その同心円状部と上記コイル状素子部との間隔を、上記面状素子部を構成するための曲げ位置を変えて設定可能としたものであり、面状素子部の曲げ位置を可変することで、上記同心円状部と上記コイル状素子部との間の間隔が変わり、静電容量結合状態の変更、つまりキャパシタンス(C)成分を変更できるため、アンテナの共振周波数の微調整が容易に効率良く行えるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、アンテナ素子として、面状素子部が、コイル状素子部に対して互いに静電容量結合可能な位置で配置したものを用いているため、所定の共振周波数での共振点における容量成分が増加でき、インダクタンス成分を決定することとなるアンテナ素子の長さが短く設定できてアンテナの小型化、低背化が図れるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態によるアンテナの要部であるアンテナ素子の外観図、図2は同アンテナ素子の正面図、図3は同アンテナの外観図、図4は同図2のP−P線における断面図である。
図1〜図3において、11はコイル状素子部12と略半円筒形の面状素子部13からなるアンテナ素子、14は搭載される携帯電話などの無線機器の回路部(図示せず)に接続するために上記アンテナ素子11から延設された給電部、15は上記アンテナ素子11を覆う絶縁樹脂製のトップ部である。なお、図1および図2中においては、要部であるアンテナ素子11を見易くするため、トップ部15を二点鎖線で仮想的に記載している。
そして、上記コイル状素子部12は、交互に前後方向にアーチ形に形成されたアーチ状部12Aと、それらアーチ状部12Aが全体として螺旋状となるよう、アーチ状部12Aの両端部それぞれを交互に上下方向で繋ぐ連結部12Bからなっており、その螺旋の上端は上記面状素子部13の上端に設けられた上方接続部13Aに繋がっている。
そして、上記半円筒状の面状素子部13は、図4に示すように、曲げ部13Cを介して、コイル状素子部12の仮想円筒軸心とほぼ同心円状で、上記前後方向に形成されたアーチ状部12Aの後方部分外周位置に径方向で所定間隔を有するようにして配置された同心円状部13Dを備えている。この同心円状部13Dは、後方側の全面を覆うように構成され、その内周側には、後方側に突出した複数のアーチ状部12Aが位置している。また、同心円状部13Dの下端には、下方接続部13Bが構成され、その先端が上記給電部14の上端と繋がっている。
なお、図1からも判るように、当該実施の形態によるアンテナは、給電部14を含めて面状素子部13、コイル状素子部12の金属部分を、一つの金属薄板から打ち抜き加工、曲げ加工を施して一体に形成したものである。
本実施の形態によるアンテナは、上記のように構成されるものであり、次に、その共振周波数とアンテナ外形の関係について説明する。
アンテナは、一般的に、アンテナ特性を良くするために、搭載される携帯電話に利用される電波の周波数範囲内にアンテナの共振周波数(f0)が設定してある。
共振周波数(f0)は、次の式で表される。
Figure 2005252658
ここで、Lはインダクタンス、Cはキャパシタンスである。
そして、当該実施の形態によるアンテナは、上記コイル状素子部12の外周に上記面状素子部13が配されているので、面状素子部13側に近いコイル状素子部12を構成している後方のアーチ状部12Aのそれぞれと面状素子部13とが電極同士となり、その間で静電容量結合状態が発生しキャパシタンス(C)が生じる。このとき、面状素子部13は、後方全面を覆うように配置してあるので、一つのアーチ状部12Aに対し静電容量結合状態となる領域は広範囲に対応するようになり、効率よく上記キャパシタンス(C)成分が生じるものにできる。
このようにして、キャパシタンス(C)成分を増加させると、上記(数1)で共振周波数(f0)を一定に保つために、インダクタンス(L)成分を小さくする必要がある。
そして、インダクタンス(L)とアンテナ素子の長さ(l)の関係は、次に式で表される。
Figure 2005252658
ここで、μはコイル状素子部12を形成する材料の透磁率である。
この(数2)に基づき、インダクタンス(L)を小さくするにはアンテナ素子11の長さを短くすれば良い。
つまり、当該実施の形態によるものでは、面状素子部13をコイル状素子部12の外周側に、静電容量結合可能な間隔を保つ位置で配してあることにより、コイル状素子部12の後方のアーチ状部12Aと面状素子部13の同心円状部13Dとの間で互いにキャパシタンス(C)成分が得られ、インダクタンス(L)成分を小さくする必要が生じて、アンテナ素子11の長さを短くすることができ、その結果、アンテナを低背化、小型化することができる。なお、面状素子部13として構成すると、キャパシタンス(C)成分の増加度合いが大きくできるので、アンテナの低背化、小型化への効果も大きくなる。
なお、上記には、面状素子部13をコイル状素子部12の外周側に配置した形態のものを説明したが、逆に面状素子部13をコイル状素子部12の内周側に配置しても、同様にアンテナ素子11の長さを短くしてアンテナの低背化、小型化を図ることができる。
また、面状素子部13の曲げ部13Cの位置を変化させることにより、コイル状素子部12の後方のアーチ状部12Aと面状素子部13の同心円状部13Dとの間の間隔を近づけるまたは遠ざけるなどの変更も容易に可能であり、互いの間で得られるキャパシタンス(C)の設定を変化させることもできるので、アンテナの製造上のばらつきなどによる所定の共振周波数(f0)のずれを微調整して補正し、効率の良いアンテナを容易に実現できる。
なお、コイル状素子部12として、細い金属線をコイル状に巻回して形成したもの等とし、それに面状素子部13を接続した構成としても同様の効果が得られる。
本発明によるアンテナは、面状素子部がコイル状素子部に対して互いに静電容量結合可能な位置で配置したものを用い、所定の共振周波数での共振点において、容量成分を増加させることができるものであるため、インダクタンス成分を決定することとなるアンテナ素子の長さを短くできて、アンテナ特性を劣化させないでアンテナの小型化、低背化を図ることができるという特長を有し、携帯電話などの移動体通信用の無線装置等に有用である。
本発明の一実施の形態によるアンテナの要部であるアンテナ素子の外観図 同アンテナ素子の正面図 同アンテナの外観図 図2のP−P線における断面図 従来のアンテナの要部であるアンテナ素子の外観図
符号の説明
11 アンテナ素子
12 コイル状素子部
12A アーチ状部
12B 連結部
13 面状素子部
13A 上方接続部
13B 下方接続部
13C 曲げ部
13D 同心円状部
14 給電部
15 トップ部

Claims (2)

  1. アンテナ素子が、コイル状素子部と、そのコイル状素子部に繋がる面状素子部とを有し、上記面状素子部が、上記コイル状素子部の内周または外周に上記コイル状素子部に対して互いに静電容量結合可能な間隔を保つ位置に配されたアンテナ。
  2. 面状素子部とコイル状素子部とが一体の部材で設けられ、上記面状素子部の一部が上記コイル状素子部の仮想円筒軸心にほぼ同心円状で配置され、その同心円状部と上記コイル状素子部との間隔を、上記面状素子部を構成するための曲げ位置を変えて設定可能とした請求項1記載のアンテナ。
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