JP2004128740A - 放射電極エレメント、および該エレメントで構成される多周波アンテナ - Google Patents

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野末  大介
Takeshi Miyamoto
宮本  剛
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Abstract

【課題】2周波数以上の多周波に対応できる小型でしかも安価な放射電極エレメントおよび該エレメントで構成される多周波アンテナを提供する。
【解決手段】単周波用放射電極(1)の電極端(1a)から折り返し状に、該電極端(1a)から逆方向に指向する切片状の第2の放射電極(2)を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン、PDA(携帯型情報機器)、携帯電話、あるいはVICSなどの情報端末機器等に内蔵させる多周波小型アンテナのエレメント、さらには該エレメントで構成される多周波アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線LANあるいはBluetooth(近距離無線データ通信システム)搭載のPDA等においては、アンテナの小型化のため、使用無線周波数帯域の高域化のみでなく、多周波化が盛んになって来ている。
その、一例として、3周波以上に対応できる逆F形の多周波アンテナが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
ところが、この提案では、共振周波数の数に対応した数の単位放射導体を個々に設けた構成であるため、多周波になると、どうしても、寸法・スペースが大きくなってしまうという問題がある。また、各単位放射導体の間隔を狭くし過ぎると、干渉が起き易くなるという通信品質上の問題があり、小型化には、自ずと限界がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−68736号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、パソコン、あるいはPDA等の情報端末機器等の内部に組込むアンテナにおいて、2周波数以上の多周波に対応できる小型でしかも安価な多周波アンテナを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、単周波用放射電極の電極端から折り返し状に該電極端とは逆方向に指向する第2の放射電極を延出させることに着目した結果、所望のコンパクト化を実現するに至った。
【0006】
かくして、本発明によれば、単周波用放射電極の電極端から折り返し状に第2の放射電極を延出させ、その電極端が該電極端とは逆方向に指向するように形成されてなる、2周波以上に動作可能な放射電極エレメント、および該エレメントで構成される多周波アンテナが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、2周波以上の多周波に対応する放射電極エレメントの例について説明する。
図1は、2周波に対応する本発明の放射電極エレメントの一例を示す斜視図である。
該図において、(1)は第1の周波数に対応する単周波用放射電極(第1放射電極)、(1a)は該単周波用放射電極(1)の電極端、(2)は該電極端(1a)から折り返し状に且つ該電極端(1a)から逆方向に指向して形成された、第2の周波数に対応する第2放射電極、(4)は短絡板、そして(5)はアース電極である。ここで、該短絡板(4)は該単周波用放射電極(1)とアース電極(5)とを電気的に短絡させるために機能する。
【0008】
本発明で特徴的なことは、従来は2周波に対応するために短絡板を経由してアース電極に独立に接続されていた長さの異なる2つの放射電極を、2波長共用化することにより1つに削減したことにある。こうすることにより、スペースの大幅な削減が可能となる。
この点について再度、図1を参照しながら、さらに詳細な説明をする。
先ず、図1に示すように、切片状の単周波用放射電極(1)を形成する。この切片の長さ(L1)は第1波長の4分の1の長さに設定し、また切片の幅は1mm〜5mmの範囲から適宜採択する。このときの放射電極の材質としては、洋白(白銅)、銅、鉄、あるいは黄銅等の導電性の金属が望ましい。その中でも洋白(白銅)が強度、加工性、耐腐食性に優れているので、特に好ましい。また、厚さについては格段の制約はなく、強度を考慮した適切な厚さとすればよい。
次に、単周波用放射電極(1)の電極端(1a)から折り返し状に、且つ該電極端(1a)から逆方向に指向する切片状の第2の放射電極(2)を形成することに本発明の特徴がある。
この場合、第1の放射電極(1)と第2の放射電極(2)の空間的な配置(位相)は図1の例のように必ずしも平行である必要はなく、例えば90度(垂直)に配置する等、スペースに応じて任意の配置角度が選択可能である。
また、放射電極(1)、(2)とアース電極(5)との間隔は、安定した動作を確保するため、1mm〜5mmの範囲であることが望ましい。
短絡板(4)についても単周波用放射電極(1)と同様の材質が好ましい。さらに、アース電極(5)については、特段の制約は無く、金属等の導電性材料から適宜選択すればよい。
次に、図2は、3周波に対応した放射電極エレメントの態様について示すもので、ここでは、図1の2周波対応の放射電極とは独立して、第3の周波数に対応する長さがL3の第3放射電極(3)を設けた構成となっている。つまり、この態様は、同方向に延出する独立(併行)して設けられた長さの異なる少なくとも2ケの放射電極(1)および(3)のうち、放射電極(1)の電極端から更にコの字状に逆方向に放射電極(2)を延出させたものと言える。
さらに、図3は、3周波に対応した放射電極エレメントの他の態様を示す。
ここでは、図1の第2放射電極(2)の電極端(2a)から、さらに折り返し状に、且つ電極端(2a)から逆方向に指向して形成された第3の周波数に対応する第3放射電極(3)を併設したものである。この構成によれば、短絡板(4)が単独で済むので、図2の構成に比べてよりスペース効率が向上する。
最後に、図4を参照しながら、上記の放射電極エレメントで構成される情報端末機器であるパソコンに内蔵させるのに適した2周波対応アンテナについて説明する。
該図において、(1)、(1a)、(4)および(5)の符号は図1の場合と同じであり、ここでは、高周波同軸ケーブル(6)が付設されている。このとき、該高周波同軸ケーブル(6)の内部導体は第1放射電極(1)部に位置する内部導体インピーダンス整合点(S1)に接続され他方、外部導体はアース電極(5)部に位置する外部導体インピーダンス整合点すなわちアースポイント(S2)に接続される。高周波同軸ケーブル(6)としては、周知のフッ素樹脂被覆等の高周波同軸ケーブルが採用される。高周波同軸ケーブル(6)を2つのインピーダンス整合点(S1、S2)に接続するには、ハンダ付あるいは超音波接続等を利用すればよい。
なお、上記の説明では、放射電極エレメントと短絡板(4)とを別体としたが、これらは必ずしも別体とする必要は無く、一体化してもよい。
また、アース電極(5)についても、ここでは別体物としたが、設置する情報端末機器、例えばパソコン内部の金属製筐体等の導電部材をそのまま利用することにより、これを省略できるので、より構成が簡略化される。
【0009】
以下に、図1に示した放射電極で構成した2周波に対応する情報端末機器内蔵用アンテナの具体例を示す。
先ず、第1放射電極(1)として、2.5GHz帯に対応した長さ16mm、幅1.5mm、厚さ0.4mmのエレメントを形成する。次に、第2放射電極(2)として、5GHz帯に対応した長さ13mm、幅1.5mm、厚さ0.4mmのエレメントを第1放射電極(1)の電極端(1a)から該電極端とは逆方向に指向するように形成する。このとき、両者のエレメントの材質は洋白とした。一方、アース電極(5)は長さ60mm、幅4mm、厚さ0.4mmの洋白(白銅)とした。さらに、アース電極(5)と放射電極(1)が間隔5mmで平行になるように長さ5mm、幅3mmの短絡板(4)を介在させた。
最後に、上記の放射電極エレメントのインピーダンス整合点(S1、S2)に外径0.93mm、導体径0.24mmのフッ素樹脂(PFA)同軸ケーブルの内部導体および外部導体をそれぞれハンダにより接続することにより、2周波に対応する情報端末機器内蔵用アンテナを得た。
このようなアンテナは、パソコンをはじめとしてPDA等、各種情報端末機器を始めとし、家電製品あるいは自動車関連機器へも内蔵できる。もちろん、本発明の思想の範囲内であれば、種種の変更および応用が可能であることは言うまでもない。
【0010】
【発明の効果】
本発明の放射電極エレメントは従来と比較して、コンパクト化されたので取付けスペースの削減になるという格別顕著な効果が奏される。この結果、容易にパソコン等の情報端末機器内蔵用アンテナとして極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】2周波に対応した本発明の放射電極エレメントの態様を示す斜視図である。
【図2】3周波に対応した本発明の放射電極エレメントの態様を示す斜視図である。
【図3】3周波に対応した本発明の放射電極エレメントの別の態様を示す斜視図である。
【図4】2周波に対応した本発明の放射電極エレメントで構成される情報端末機器内蔵用多周波アンテナを示す斜視図である。
【符号の説明】
1   第1放射電極
1a 第1放射電極の電極端
2    第2放射電極
2a 第2放射電極の電極端
3    第3放射電極
4    短絡板
5    アース電極
6    高周波同軸ケーブル
S1  内部導体インピーダンス整合点
S2  外部導体インピーダンス整合点(アースポイント)

Claims (4)

  1. 単周波用放射電極の電極端から折り返し状に第2の放射電極を延出させ、その電極端が該電極端とは逆方向に指向するように形成されてなることを特徴とする、2周波以上に動作可能な放射電極エレメント。
  2. 同方向に延出する独立(併行)して設けられた長さの異なる少なくとも2ケの放射電極中の少なくとも一つの放射電極端から更にコの字状に逆方向に放射電極を延出させてなることを特徴とする、3周波以上に動作可能な放射電極エレメント。
  3. 単周波用放射電極の電極端から折り返し状に第2の放射電極を延出させ、その電極端が該電極端とは逆方向に指向するように形成するとともに、さらに該第2の放射電極端から折り返し状に第3の放射電極を延出させ、その電極端が該第2の放射電極端とは逆方向に指向するように形成されてなることを特徴とする、3周波以上に動作可能な放射電極エレメント。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の放射電極エレメントで構成されることを特徴とする多周波アンテナ。
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