JP5382477B2 - スロットアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、スロットアンテナに関し、特に、スロットを小型化可能なスロットアンテナに関する。
アンテナとは、回路における電磁エネルギーを相互に変換できる結合素子又は導電システムである。例としては、信号を伝送する場合、アンテナは、動作周波数の無線信号の電気エネルギーを電磁エネルギーに変換して、周囲の環境に放射する。信号を受信する場合、アンテナは、動作周波数の無線信号の電磁エネルギーの放射を受信し、電気エネルギーに変換し、受信器に提供して処理する。一般的に、アンテナの特性と効能を、放射パターン(Radiation Pattern)、反射減衰量(Return Loss)、アンテナ利得(Antenna Gain)等のパラメータによって判定することができる。
動作周波数及び必要な機能は、通信製品によって異なるため、信号を放射又は受信するためのアンテナ設計も、例えば、ダイポールアンテナ(dipole antenna)、モノポールアンテナ(monopole antenna)、進行波型アンテナ(Traveling−Wave Wire antenna)、ヘリカルアンテナ(Helical antenna)、スパイラルアンテナ(Spiral antenna)、リングアンテナ(Ring antenna)、マイクロストリップアンテナ(Microstrip Antenna)、プリントアンテナ(Print Antenna)等のような様々なものがある。そのうち、無線ネットワークへの応用において、水平面における好ましいカバレッジを製品に持たせるように、ダイポールアンテナ(dipole antenna)を利用して全指向性の放射パターンを得ることは一般的であるが、ダイポールアンテナは、製品から突き出したり、製品の体積と設計上の困難度を増加させるという欠点があるのに対して、マイクロストリップアンテナは、小体積、軽量、低コスト、生産・製造しやすいという利点を持っている。そのため、製品の体積を更に低減する場合、マイクロストリップアンテナは、十分採用に値する方式である。従来のマイクロストリップアンテナのフィード方法として、例えば、同軸ケーブルフィード、マイクロストリップラインフィード、共平面導波フィード(CPW)等のような多種のものがある。マイクロストリップアンテナの有効帯域幅を拡大するためのまた他の従来のフィード方式として、スロット結合による方式がある。
しかしながら、従来の密閉型スロットアンテナについて、その必要な共振長が無線信号の動作周波数波長の1/2であるため、そのスロットは、割りに広い接地面の空間を占めて、手持ち式モバイル通信装置にあまり適用されない。従来の開口型スロットアンテナは、スロットの必要な共振長が無線信号の動作周波数波長の1/4まで縮小できるとは言え、現今の電気製品の小型化トレンドで、次第に対応できなくなる。そのため、共振長がより短いスロットアンテナの発展は、この業界が緊急に検討・研究しはじめなければならない課題である。
従来技術の問題を解決するために、本発明の一技術様態は、主に本発明より提出される結合式フィード構造を利用してアンテナの共振モードを励起し、更に、スロットの必要な共振長を無線信号の動作周波数波長の1/8に縮小させる効果を達成するスロットアンテナを提供する。また、本発明のスロットアンテナについては、結合式フィード構造の幾何的なサイズを調整することによって、その等価的な容量リアクタンス又は誘導リアクタンスを対応的に変化させ、更にスロットアンテナに必要な放射特性を持たせ、結合式フィード構造の第2の結合部材を接地させることで、スロットが固有共振長より短い場合の高容量リアクタンス特性を補償して、更に必要なスロットの長さを縮小することに用いられる対地インダクタンスの植え込みに相当する。また、本発明のスロットアンテナが通常の電気装置に用いられる場合、スロットを直接に電気装置の金属後蓋に設け、更にアンテナ放射のクリアランスを無くせるという利点を達成することができる。なお、マイクロストリップラインの形式による本発明の結合式フィード構造が等価コンデンサを形成し、実物コンデンサを設けるためのコストを省くことも可能になる。
本発明の一実施例によると、無線信号を伝送するためのスロットアンテナである。スロットアンテナは、基板と、結合式フィード構造と、接地部材と、を備える。基板は、頂面と、底面と、を有する。結合式フィード構造は、頂面に設けられる。結合式フィード構造は、第1の結合部材と、第2の結合部材と、を含む。第2の結合部材は、第1の結合部材から離れるようにその傍に設けられる。接地部材は、底面に電気的に接続され、且つスロットを有する。スロットの一部は、第1の結合部材及び第2の結合部材の下に設けられる。
本発明の一実施例において、前記第1の結合部材は、第1の結合部を含む。第2の結合部材は、第2の結合部を含む。第1の結合部と第2の結合部は、第1の方向と大体平行するように頂面に並んで設けられる。
本発明の一実施例において、前記スロットは、密閉状を呈する。スロットは、第1の方向と垂直な第2の方向において長さを持つ。長さは、無線信号波長の1/2又は1/4である。
本発明の一実施例において、前記スロットは、開口状を呈する。スロットは、第1の方向と垂直な第2の方向において長さを持つ。長さは、無線信号波長の1/8である。
本発明の一実施例において、前記スロットは、開口を有する。第1の方向におけるスロットの幅は、開口から離れる方向に向かって次第に拡大する。
本発明の一実施例において、前記第2の結合部材は、曲げ部を更に含む。曲げ部は、第2の結合部に接続される。第1の結合部と曲げ部との両者は、第1の方向における第1の幅を隔て、第1の幅を変更することによって、結合式フィード構造全体の容量リアクタンス値を調整することができる。
本発明の一実施例において、前記第1の結合部は、第2の幅を有し、第2の幅を変更することによって、結合式フィード構造の誘導リアクタンス値を調整することができる。
本発明の一実施例において、前記第1の結合部と第2の結合部との両者は、第2の方向における第3の幅を隔て、第3の幅を変更することによって、結合式フィード構造全体の容量リアクタンス値を調整することができる。
本発明の一実施例において、前記第1の結合部は、頂面の縁部にある。
本発明の一実施例において、前記基板は、貫通孔を有する。貫通孔は、第2の結合部材の第1の結合部材から離れた一端に近い。第2の結合部材は、貫通孔を介して接地部材に電気的に接続される。
本発明の一実施例において、前記第2の結合部材は、短絡点を有し、且つその短絡点で貫通孔を介して接地部材に電気的に接続される。
本発明の一実施例において、前記第1の結合部材は、第1の結合部に電気的に接続されるフィード部を更に含む。
本発明の一実施例において、前記フィード部は、マイクロストリップライン又は同軸ケーブルである。
本発明の一実施例において、前記スロットは、L型を呈する。
本発明の一実施例において、前記スロットは、U型を呈する。
本発明の一実施例において、前記接地部材は、電気装置の金属後蓋である。
本発明の一実施例において、前記スロットは、金属後蓋の出音孔である。
本発明の一実施例において、前記金属後蓋は、ロゴ(Logo)を有する。スロットは、ロゴの一部である。
本発明の一実施例において、前記基板は、プリント回路基板又はフレキシブル回路基板である。
本発明の一実施例によるスロットアンテナを示す上面図である。 図1Aに示したスロットアンテナを示す側面図である。 図1Aに示した結合式フィード構造を示す部分拡大図である。 図1Aに示したスロットアンテナのまた他の実施例を示す部分上面図である。 図1Aに示したスロットアンテナのまた他の実施例を示す部分上面図である。 図1Aに示したスロットアンテナのまた他の実施例を示す部分上面図である。 図1Aに示したスロットアンテナのまた他の実施例を示す部分上面図である。 図1Aに示したスロットアンテナの電気装置への応用を示す部分断面図である。
以下、本発明の複数の実施例を図面によって開示し、明確に説明するように、実務上の数多くの細部を下記でまとめて説明する。しかしながら、これらの実務上の細部は、本発明を限定するためのものではないことは、理解すべきである。つまり、本発明の一部の実施例において、これらの実務上の細部は必須なものではない。また、図面を簡略化するように、従来慣用の構造と素子を、図面において簡単に示す。
本発明の一技術態様は、スロットアンテナである。より具体的には、主に、本発明より提出される結合式フィード構造を利用してアンテナの共振モードを励起し、更に、スロットの必要な共振長を無線信号の動作周波数波長の1/8に縮小させる効果を達成する。また、本発明のスロットアンテナについては、結合式フィード構造の幾何的なサイズを調整することによって、その等価的な容量リアクタンス又は誘導リアクタンスを対応的に変化させ、更にスロットアンテナに必要な放射特性を持たせて、結合式フィード構造の第2の結合部材を接地させることで、スロットが固有共振長より短い場合の高容量リアクタンス特性を補償して、更に必要なスロットの長さを縮小することに用いられる対地インダクタンスの植え込みに相当する。また、本発明のスロットアンテナが通常の電気装置に用いられる場合、スロットを直接に電気装置の金属後蓋に設け、更にアンテナ放射のクリアランスを無くせるという利点を達成することができる。なお、マイクロストリップラインの形式による本発明の結合式フィード構造が等価コンデンサを形成し、実物コンデンサを設けるためのコストを省くことも可能になる。
本発明の一実施例によるスロットアンテナ1を示す上面図である図1Aと、図1Aに示したスロットアンテナ1を示す側面図である図1Bと、を参照する。
図1Aと図1Bに示すように、本発明のスロットアンテナ1は、コンピュータ装置(例えば、個人用コンピュータ、ノート型コンピュータ、パネルコンピュータ等)又は通信製品(例えば、携帯電話、インターホン等)に用いられるが、これに限定されない。つまり、本発明のスロットアンテナ1は、無線送受信機能を持つ如何なる電気製品に用いられてもよく、電気製品がそれ自身の体積又はアンテナのサイズに対して小型化の必要があれば、スロットアンテナ1のスロット140を効果的に小型化するという本発明の理念の応用によって達成することができる。
図1Aと図1Bに示すように、本実施例において、スロットアンテナ1は、特定周波数の無線信号の伝送に用いることができる。
スロットアンテナ1は、基板10と、結合式フィード構造12と、接地部材14と、を備える。スロットアンテナ1の基板10として、FR4グラスウール板、FRPグラスウール板若しくはセラミック基板を基材とするプリント回路基板、又はフレキシブル回路基板であってもよいが、これに限定されない。スロットアンテナ1の基板10は、頂面10aと、底面10bと、を有する。スロットアンテナ1の結合式フィード構造12は、基板10の頂面10aに設けられる。スロットアンテナ1の結合式フィード構造12は、第1の結合部材120と、第2の結合部材122と、を含む。結合式フィード構造12の第2の結合部材122は、第1の結合部材120から離れるようにその傍に設けられる。スロットアンテナ1の接地部材14は、基板10の底面10bに電気的に接続され、且つスロット140を有する。接地部材14のスロット140の一部は、結合式フィード構造12の第1の結合部材120及び第2の結合部材122の下に設けられる。
図1Aに示すように、本実施例において、結合式フィード構造12の第1の結合部材120は、直棒状をした第1の結合部120aを含み、第2の結合部材122も、直棒状をした第2の結合部122aを含む。第1の結合部材120の第1の結合部120aと第2の結合部材122の第2の結合部122aは、第1の方向A1と大体平行するように基板10の頂面10aに並んで設けられる。また、本実施例において、接地部材14のスロット140は、開口状を呈する。そのため、接地部材14のスロット140は、開口140aを有する。接地部材14のスロット140は、第1の方向A1と垂直な第2の方向A2において長さLを持つ。スロット140の必要な長さLを、スロットアンテナ1が放射する無線信号波長の1/4から無線信号波長の1/8まで縮小させるという効果を達成するように、本発明は、基板10の頂面10aと底面10bにおいて、上下が部分的に重なる結合式フィード構造12及びスロット140を別々に設けて、結合式フィード構造でキャパシタンス値とインダクタンス値を等価させることによって、スロット140が元々要求される長さを補償する。
しかしながら、本発明の結合式フィード構造12は、開口型スロット140を有するスロットアンテナ1用に限定されない。一実施例において、接地部材14のスロット140は、密閉状を呈してもよい。スロットアンテナの原理に基づいて、密閉型スロットを有するスロットアンテナは、スロットの必要な長さは、スロットアンテナが放射する信号の波長の1/2であればよい。
図1Aに示すように、本実施例において、第1の結合部材120の第1の結合部120aは、基板10の頂面10aの縁部にある。結合式フィード構造12が基板10の縁部に近ければ近いほど、本発明のスロットアンテナ1は、良い放射効率が得られる。しかしながら、実際の適用において、スロットアンテナ1の結合式フィード構造12が必ず基板10の縁部に設けられるわけでもなく、設計の要求(例えば、基板10における他の回路素子のレイアウトとの整合)又は製造上の限定(例えば、スペースを譲るべき設計)によって、基板10の縁部に対する結合式フィード構造12の距離を適応的に調整してもよい。
図1Bに示すように、本実施例において、スロットアンテナ1の基板10は、貫通孔100を有する。基板10の貫通孔100は、第2の結合部材122の第1の結合部材120から離れた一端に近い。第2の結合部材122は、基板10の貫通孔100を介して基板10の底面10bにある接地部材14に電気的に接続される。スロットアンテナ1のスロット140が固有共振長(スロットアンテナ1に対応する動作周波数波長の1/2)より短い場合、スロットアンテナ1の特性インピーダンスが、高容量リアクタンス特性を呈することは、注意すべきである。そのため、この高容量リアクタンス特性を補償するように、本実施例は、結合式フィード構造12の第2の結合部材122を接地させ、これは、高容量リアクタンス特性を補償することに用いられる対地インダクタンスの植え込みに相当する。
図1A及び図1Bに示すように、本実施例において、結合式フィード構造12の第1の結合部材120は、第1の結合部120aに電気的に接続されるフィード部120cを更に含む。フィード部120cは、給電点120bを有し、第2の結合部材122は、短絡点122cを有する。第1の結合部材120の給電点120bと第2の結合部材122の短絡点122cは、別々に接地部材14のスロット140の両側にあり、且つ第2の結合部材122は、短絡点122cで基板10の貫通孔100を介して接地部材14に電気的に接続される。
図1Aに示した結合式フィード構造12を示す部分拡大図である図2を参照する。
図2に示すように、本実施例において、結合式フィード構造12の第2の結合部材122は、曲げ部122bを更に含む。第2の結合部材122の曲げ部122bは、第2の結合部122aの第1の結合部材120から離れた一端に接続される。第2の結合部材122の曲げ部122bは、大体第2の方向A2に沿って曲げ(第2の方向A2と平行してもしなくてもよい)、且つ第1の結合部120aの末端は、第2の結合部材122の曲げ部122bに対向する。そのため、第1の結合部120aの末端と第2の結合部材122の曲げ部122bとの間に、第1の幅W1がある。本発明の結合式フィード構造12は、第1の結合部材120の第1の結合部120aと第2の結合部材122の第2の結合部122aによって等価コンデンサを形成するため、第1の方向A1に沿っている、第1の結合部120aと第2の結合部122aとの両者の間の重なりの範囲は、結合式フィード構造12全体の容量リアクタンス値に影響を与える。つまり、第1の結合部120aの末端と曲げ部122bとの間の第1の幅W1を変更することによって、本発明の結合式フィード構造12の形成した等価コンデンサの容量リアクタンス値を調整することができる。第1の幅W1が狭くなることは、第1の結合部120aと第2の結合部122aとの間の重なりの範囲が広くなる(即ち、キャパシタンス値(Capacitance)が大きくなる)ことを表し、結合式フィード構造12の形成した等価コンデンサの容量リアクタンス値が小さくなるため、スロットアンテナ1に対応する動作周波数は低周波へ偏る。それに対して、第1の幅W1が広くなることは、第1の結合部120aと第2の結合部122aとの間の重なりの範囲が狭くなる(即ち、キャパシタンス値が小さくなる)ことを表し、結合式フィード構造12の形成した等価コンデンサの容量リアクタンス値が大きくなるため、スロットアンテナ1に対応する動作周波数は高周波へ偏る。
また、本実施例において、第1の結合部材120の第1の結合部120aは、第2の幅W2を有する。第1の結合部120aの第2の幅W2は、結合式フィード構造12全体の誘導リアクタンス値(Reactance)に影響を与える。つまり、第1の結合部120aの第2の幅W2を変更することによって、本発明の結合式フィード構造12の誘導リアクタンス値を調整することができる。第2の幅W2が狭くなることは、結合式フィード構造12のインダクタンス値(Inductance)が大きくなることを表し、スロットアンテナ1に対応する動作周波数は低周波へ偏る。それに対して、第2の幅W2が広くなることは、結合式フィード構造12のインダクタンス値が小さくなることを表し、スロットアンテナ1に対応する動作周波数は高周波へ偏る。なお、本実施例において、第1の結合部120aと第2の結合部122aとの両者は、第2の方向における第3の幅W3を隔て、第3の幅W3を変更することによって、結合式フィード構造12全体の容量リアクタンス値を調整することができる。第3の幅W3が狭くなることは、第1の結合部120aと第2の結合部122aとの間の距離が近くなる(即ち、キャパシタンス値が大きくなる)ことを表し、結合式フィード構造12の形成した等価コンデンサの容量リアクタンス値が小さくなるため、スロットアンテナ1に対応する動作周波数は低周波へ偏る。それに対して、第3の幅W3が広くなることは、第1の結合部120aと第2の結合部122aとの間の距離が遠くなる(即ち、キャパシタンス値が小さくなる)ことを表し、結合式フィード構造12の形成した等価コンデンサの容量リアクタンス値が大きくなるため、スロットアンテナ1に対応する動作周波数は高周波へ偏る。
本実施例において、結合式フィード構造12のフィード部120cは、マイクロストリップライン又は同軸ケーブルであるが、これに限定されない。
要するに、本発明においては、第1の結合部120aの末端と曲げ部122bとの間の第1の幅W1、第1の結合部120aの第2の幅W2、並びに第1の結合部120aと第2の結合部122aとの間を隔てる第3の幅W3を別々に変更することによって、スロットアンテナ1の容量リアクタンス値と誘導リアクタンス値を調整することができ、スロットアンテナ1の動作周波数をインピーダンスと整合するように調整して、予想通りの放射特性で動作させることだけではなく、結合式フィード構造12の等価のキャパシタンス値及びインダクタンス値によってスロット140が元々要求される長さを補償することも可能になる。なお、結合式フィード構造12の第2の結合部材122を接地させることで、スロット140が固有共振長より短い場合の高容量リアクタンス特性を補償して、更に必要なスロット140の長さを縮小させて、スロット140の必要な共振長を動作周波数波長の1/8に縮小させる効果を達成することに用いられる対地インダクタンスの植え込みに相当する。
例えば、厚さ0.8mm、誘電係数4.4のFR4基板を採用して、放射周波数2.46GHzのスロットアンテナを作る場合、それに対応する波長は、約74mm(ミリメートル)であり、スロットの長さは、1/8の波長で、約9.25mmである。
図1Aに示したスロットアンテナ1のまた他の実施例を示す部分上面図である図3Aと、図1Aに示したスロットアンテナ1のまた他の実施例を示す部分上面図である図3Bと、図1Aに示したスロットアンテナ1のまた他の実施例を示す部分上面図である図3Cと、図1Aに示したスロットアンテナ1のまた他の実施例を示す部分上面図である図3Dと、を参照する。
図3A〜図3Dに示すように、接地部材14のスロット140の形状を、図3Aに示すような、L型を呈するスロット240、図3Bに示すような、U型を呈するスロット340、図3Cに示すような、第1の方向A1(図1Aを参照されたい)における幅が増加されたスロット440、又は図3Dのような、第1の方向A1における幅が開口140a(図1Aを参照されたい)から離れる(即ち、図3Dに示した基板10の縁部から離れる)方向に向かって次第に拡大するスロット540に変更してもよいが、これに限定されない。スロットアンテナ1に対する本発明の前記設計原則に適う限り、接地部材14のスロット140の形状を、設計の要求(例えば、美的感覚)又は製造上の限定(例えば、スペースを譲るべき設計)によって、弾力的に調整してもよい。
図1Aに示したスロットアンテナ1の電気装置への応用を示す部分断面図である図4を参照されたい。
図4に示すように、本実施例において、本発明のスロットアンテナ1は、電気装置に用いられてもよい。電気装置は、金属後蓋と、前蓋16と、を備える。そのため、スロットアンテナ1の接地部材14として導電金属片を更に製作する必要がなく、スロットアンテナ1の接地部材14を、直接に電気装置の金属後蓋として製作すればよい。本実施例において、電気装置は、金属後蓋と前蓋16との間に設けられるスピーカー3を更に備え、金属後蓋の出音孔をスロットアンテナ1のスロット140とすることで、金属後蓋の出音孔が、スピーカー3から音を出させると同時に、スロットアンテナ1の一部として作用可能になるようにすることができる。
また、電気装置の金属後蓋にロゴ(Logo)がある場合、スロットアンテナ1のスロット140は、ロゴの一部とされてもよい。例としては、あるD会社のロゴにアルファベットLが含まれる場合、スロットアンテナ1のスロット140をそのD会社のロゴの一部としてL型に製造してもよい。
本発明の具体的な実施例についての上記詳細な説明より、本発明のスロットアンテナは、主に、本発明より提出される結合式フィード構造を利用してアンテナの共振モードを励起し、更に、スロットの必要な共振長を無線信号波長の1/8に縮小させる効果を達成することが判明した。また、本発明のスロットアンテナについては、結合式フィード構造の幾何的なサイズを調整することによって、その等価的な容量リアクタンス又は誘導リアクタンスを対応的に変化させ、更にスロットアンテナに必要な放射特性を持たせて、結合式フィード構造の第2の結合部材を接地させることで、スロットが固有共振長より短い場合の高容量リアクタンス特性を補償して、更に必要なスロットの長さを縮小可能な対地インダクタンスの植え込みに相当する。また、本発明のスロットアンテナが通常の電気装置に用いられる場合、スロットを直接に電気装置の金属後蓋に設けることができ、更にアンテナ放射のクリアランスを無くせるという利点を達成することができる。なお、マイクロストリップラインの形式による本発明の結合式フィード構造が等価コンデンサを形成し、実物コンデンサを設けるためのコストを省くことも可能になる。
本発明を実施例により上記のように開示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、当業者ならだれでも、多様な変動や修飾を加えることができ、従って、本発明の保護範囲は、後の請求の範囲で指定した内容を基準とする。
1 スロットアンテナ、3 スピーカー、10 基板、10a 頂面、10b 底面、12 結合式フィード構造、14 接地部材、16 前蓋、100 貫通孔、120 第1の結合部材、120a 第1の結合部、120b 給電点、120c フィード部、122 第2の結合部材、122a 第2の結合部、122b 曲げ部、122c 短絡点、140、240、340、440、540 スロット、140a 開口、A1 第1の方向、A2 第2の方向、W1 第1の幅、W2 第2の幅、W3 第3の幅、L 長さ

Claims (19)

  1. 頂面と、底面と、を有する基板と、
    前記頂面に設けられて、第1の結合部材と、前記第1の結合部材から離れるようにその傍に設けられる第2の結合部材と、を含む結合式フィード構造と、
    前記底面に電気的に接続され、一部が前記第1の結合部材及び前記第2の結合部材の下に設けられるスロットを有する接地部材と、
    を備え、
    無線信号を伝送するためのスロットアンテナ。
  2. 前記第1の結合部材は、第1の結合部を含み、前記第2の結合部材は、第2の結合部を含み、前記第1の結合部と前記第2の結合部は、第1の方向と大体平行するように前記頂面に並んで設けられる請求項1に記載のスロットアンテナ。
  3. 前記スロットは、密閉状を呈し、前記第1の方向と垂直な第2の方向において長さを持ち、前記長さは、前記無線信号波長の1/2又は1/4である請求項2に記載のスロットアンテナ。
  4. 前記スロットは、開口状を呈し、前記第1の方向と垂直な第2の方向において長さを持ち、前記長さは、前記無線信号波長の1/8である請求項2に記載のスロットアンテナ。
  5. 前記スロットは、開口を有し、前記第1の方向における前記スロットの幅は、前記開口から離れる方向に向かって次第に拡大する請求項4に記載のスロットアンテナ。
  6. 前記第2の結合部材は、曲げ部を更に含み、前記曲げ部は、前記第2の結合部に接続され、前記第1の結合部と前記曲げ部との両者は、前記第1の方向における第1の幅を隔て、前記第1の幅を変更することによって、前記結合式フィード構造全体の容量リアクタンス値を調整することができる請求項2に記載のスロットアンテナ。
  7. 前記第1の結合部は、第2の幅を有し、前記第2の幅を変更することによって、前記結合式フィード構造の誘導リアクタンス値を調整することができる請求項2に記載のスロットアンテナ。
  8. 前記第1の結合部と前記第2の結合部との両者は、第2の方向における第3の幅を隔て、前記第3の幅を変更することによって、前記結合式フィード構造全体の容量リアクタンス値を調整することができる請求項2に記載のスロットアンテナ。
  9. 前記第1の結合部は、前記頂面の縁部にある請求項2に記載のスロットアンテナ。
  10. 前記基板は、貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記第2の結合部材の前記第1の結合部材から離れた一端に近く、前記第2の結合部材は、前記貫通孔を介して前記接地部材に電気的に接続される請求項1に記載のスロットアンテナ。
  11. 前記第2の結合部材は、短絡点を有し、且つ前記短絡点で前記貫通孔を介して前記接地部材に電気的に接続される請求項10に記載のスロットアンテナ。
  12. 前記第1の結合部材は、前記第1の結合部に電気的に接続されるフィード部を更に含む請求項2に記載のスロットアンテナ。
  13. 前記フィード部は、マイクロストリップライン又は同軸ケーブルである請求項12に記載のスロットアンテナ。
  14. 前記スロットは、L型を呈する請求項1に記載のスロットアンテナ。
  15. 前記スロットは、U型を呈する請求項1に記載のスロットアンテナ。
  16. 前記接地部材は、電気装置の金属後蓋である請求項1に記載のスロットアンテナ。
  17. 前記スロットは、前記金属後蓋の出音孔である請求項16に記載のスロットアンテナ。
  18. 前記金属後蓋は、ロゴ(Logo)を有し、前記スロットは、前記ロゴの一部である請求項16に記載のスロットアンテナ。
  19. 前記基板は、プリント回路基板又はフレキシブル回路基板である請求項1に記載のスロットアンテナ。
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