JP2005252021A - 薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リーク電流を小さくできる薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11のサイドチャネル部16のボロン濃度を、このチャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度にする。n型薄膜トランジスタ4のサイドチャネル部16での寄生薄膜トランジスタの形成を防止できる。n型薄膜トランジスタ4の閾値電圧を変化させることなく、n型薄膜トランジスタ4の立ち上がり部のリーク電流を改善できる。n型薄膜トランジスタ4のゲート電圧が0V近傍でのリーク電流をより小さくできる。
【選択図】図1
【解決手段】n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11のサイドチャネル部16のボロン濃度を、このチャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度にする。n型薄膜トランジスタ4のサイドチャネル部16での寄生薄膜トランジスタの形成を防止できる。n型薄膜トランジスタ4の閾値電圧を変化させることなく、n型薄膜トランジスタ4の立ち上がり部のリーク電流を改善できる。n型薄膜トランジスタ4のゲート電圧が0V近傍でのリーク電流をより小さくできる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体層上に絶縁層を介してゲート電極が設けられた薄膜トランジスタおよびその製造方法に関する。
近年、多結晶シリコン膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)−液晶ディスプレイ(LCD)パネルの製造では、アナログスイッチやシフトレジスタなどの駆動回路の一部を同時に作り込んでいる。
そして、従来は、透光性基板であるガラス基板上に、n型およびp型の多結晶シリコン薄膜トランジスタで駆動回路を形成している。この駆動回路を駆動するには、n型およびp型薄膜トランジスタの閾値電圧の制御が重要となる。そして、この閾値電圧は、各n型およびp型薄膜トランジスタの動作電圧およびゲート電圧(Vg)0Vでのオフ電流値と関わりが強い。すなわち、液晶ディスプレイパネルの画質や駆動の観点からは、各薄膜トランジスタのスイッチング素子としてオフ電流が低いほど良く、動作電圧が低ければ消費電力を小さくできる(例えば、特許文献1参照。)。
そして、この種の液晶ディスプレイパネルは、ガラス基板上にポリシリコン層を膜厚50nmで形成した後に、フォトリソグラフィにて形成したレジストをマスクとして、ポリシリコン層をドライエッチングにてパターニングする。次いで、閾値電圧(Vth)を制御するために、ポリシリコン層の全面にボロンをドーピングする。このときのドーピングのドーズ量によって、閾値電圧を調整することが可能であるから、シフトさせたい所望のドーズ量に設定する。また、このときのドーズ量を3e11/cm2とするとともに加速電圧を10KeVとしてポリシリコン層の全面一様にドーピングする。
次いで、このポリシリコン層上にゲート絶縁膜を膜厚100nmで一面に成膜した後に、このゲート絶縁膜上にゲート配線材料をスパッタにて膜厚300nm程成膜する。このとき、このゲート配線材料としては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)などや、これらの合金などが用いられる。さらに、このゲート配線材料をパターニングしてゲート電極とし、n型の薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域となる部分のポリシリコン層に、リンなどを高濃度にドーピングする。このとき、p型の薄膜トランジスタの場合には、ボロンなどを高濃度にドーピングする。
この後、ポリシリコン層を500℃の温度で1時間、熱によるアニールにて活性化させて、ソース領域およびドレイン領域を形成する。このとき、これらソース領域およびドレイン領域のシート抵抗を1.8kΩ/cm2とした。
さらに、ゲート電極を含むゲート絶縁膜上一面に層間絶縁膜を膜厚600nm程成膜した後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程にてn型およびp型の薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域に連通したコンタクトホールを形成する。この後、これらコンタクトホールを含む層間絶縁膜上に信号線材料をスパッタにて膜厚500nm程成膜した後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程にて信号線パターンを形成してソース電極およびドレイン電極として液晶表示デバイスのスイッチング部およびシフトレジスタなどの回路部に使用する各薄膜トランジスタを形成する。こうして形成したn型の薄膜トランジスタは、チャネル幅(W)とチャネル長(L)の比(W/L)が6/1.5μmで、ドレイン・ソース電圧(Vds)が5Vで、閾値電圧(Vth)が1.5Vで、ゲート電圧(Vg)が0Vの場合のオフ電流(Ioff)が5e−9Aとなった。
特開2002−289858号公報(第4−8頁、図1−3)
しかしながら、上述した薄膜トランジスタの製造方法では、これら各薄膜トランジスタのチャネル領域となるポリシリコン層のソース領域およびドレイン領域間に沿った端部であるエッジ部分であるサイドチャネルで、ゲート絶縁膜のカバレッジが悪いことにより、このポリシリコン層のサイドチャネルでの薄膜トランジスタ(TFT)特性、特にオフ領域の特性が劣化してしまう。すなわち、ポリシリコン層のサイドチャネルには、寄生薄膜トランジスタ(TFT)が形成された状態となり、ゲート電圧を印可してオフ状態からオン状態に変化させた際に、電流が流れ始める立ち上がり領域において、寄生TFTがない場合に比べ電流が流れやすくなってしまうから、ゲート電圧0V近傍でも電流が流れてしまう。
この現状は、n型およびp型の薄膜トランジスタのいずれでも生じ、液晶ディスプレイ機能としては、リーク電流が大きくなり保持ができなくなるため、画質や回路動作に影響を及ぼしてしまう。特に、上述した薄膜トランジスタの製造方法では閾値電圧を制御するためのポリシリコン層のチャネル領域を1回しかドーピングしたいため、n型およびp型の薄膜トランジスタの閾値電圧を独立に制御できず、これらn型およびp型の薄膜トランジスタの閾値電圧間差を大きくすることができない。よって、寄生トランジスタの影響により立ち上がり部分の特性が劣化して閾値電圧間差が小さいと、n型もしくはp型の薄膜トランジスタのいずれか一方のリーク電流が大きくなってしまうとという問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、リーク電流を小さくできる薄膜トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、チャネル領域、このチャネル領域の両側に設けられたソース領域およびドレイン領域のそれぞれを備え、前記チャネル領域の前記ソース領域およびドレイン領域が位置する方向とは交差する方向の端部の少なくともいずれかの不純物濃度が、前記チャネル領域の端部間に位置する中央部の不純物濃度とは異なる半導体層と、この半導体層上に設けられた絶縁層と、前記半導体層のチャネル領域に対向して前記絶縁層上に設けられたゲート電極とを具備したものである。
そして、半導体層のチャネル領域の両側に設けたソース領域およびドレイン領域が位置する方向とは交差する方向の端部の少なくともいずれかの不純物濃度と、これら端部間に位置するチャネル領域の中央部の不純物濃度とを異ならせたことにより、このチャネル領域の端部での寄生トランジスタの形成を防止できるから、閾値電圧を変化させることなくリーク電流を小さくできる。
本発明によれば、ソース領域およびドレイン領域が位置する方向とは交差する方向の端部の少なくともいずれかの不純物濃度と、これら端部間に位置するチャネル領域の中央部の不純物濃度とを異ならせたことにより、このチャネル領域の端部での寄生トランジスタの形成を防止できるから、閾値電圧を変化させることなくリーク電流を小さくできる。
以下、本発明の液晶表示装置の第1の実施の形態の構成を図1ないし図10を参照して説明する。
図1ないし図10において、1は平面表示装置としての液晶表示装置で、この液晶表示装置1は、ドライバ内蔵型の液晶表示デバイスである。そして、この液晶表示装置1は、回路基板としての略矩形平板状のアクティブマトリクス型であるトップゲートタイプのアレイ基板2を備えている。このアレイ基板2は、半導体薄膜トランジスタアレイであり、略透明な矩形平板状の絶縁基板である透光性基板としてのガラス基板3を有している。このガラス基板3の一主面である表面上には、シリコン窒化膜(SiNX)や酸化シリコン膜(SiOX)などにて構成された図示しないアンダーコート層が積層されて成膜されている。このアンダーコート層は、ガラス基板3上に形成される各素子への不純物の拡散を防止する。
そして、このアンダーコート層上には、画素回路用のスイッチング素子である複数のn型ポリシリコン薄膜トランジスタ素子としてのn型薄膜トランジスタ(TFT)4がマトリクス状に積層されて形成されている。これらn型薄膜トランジスタ4のそれぞれは、アンダーコート層上に形成されたp−領域である半導体層としての細長略矩形状の活性層5を有している。この活性層5は、多結晶半導体薄膜としての膜厚50nmのポリシリコン層にて構成されている。なお、このポリシリコン層は、非単結晶半導体である非晶質半導体薄膜としてのアモルファスシリコン層のレーザアニールにより結晶化されて形成されている。
さらに、活性層5は、この活性層5の中央部に設けられたチャネル領域11を有している。このチャネル領域11の両側には、n+領域である電極部としてのソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれが対向して設けられている。これらソース領域12およびドレイン領域13は、活性層5のチャネル領域11となる部分の両側に対して高濃度に不純物を注入させたドーピングにて形成されている。ここで、これらソース領域12およびドレイン領域13間には、これらソース領域12あるいはドレイン領域13側から、これらドレイン領域13あるいはソース領域12側に向けてチャネル領域11を介して電流が流れるように構成されている。すなわち、この電流は、活性層5の長手方向に沿って流れる。
また、各n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11とソース領域12およびドレイン領域13との間には、低不純物濃度領域としてのn−領域であるLDD(Lightly Doped Drain)領域14,15が形成されている。これらLDD領域14,15は、ソース領域12およびドレイン領域13それぞれの内側であるとともにチャネル領域11の外側に位置する活性層5に対して低濃度に不純物を注入させたドーピングにて形成されている。すなわち、これらLDD領域14,15は各n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11の両側に設けられており、これらLDD領域14,15の両側にソース領域12およびドレイン領域13が設けられている。
ここで、各活性層5のチャネル領域11におけるソース領域12およびドレイン領域13間に沿った端部としての縁部には、チャネル端部としてのサイドチャネル部16が設けられている。これらサイドチャネル部16は、各チャネル領域11におけるソース領域12およびドレイン領域13間に流れる電流の方向、すなわちソース・ドレイン方向に沿った端部に設けられている。すなわち、これらサイドチャネル部16は、ソース領域12およびドレイン領域13間の電流の方向に平行な各チャネル領域11の端部にそれぞれ設けられている。
言い換えると、これらサイドチャネル部16は、各チャネル領域11の幅方向における両端縁の周縁に、これら各チャネル領域11の長手方向に沿って設けられている。よって、これらサイドチャネル部16は、各チャネル領域11におけるソース領域12とドレイン領域13とが位置する方向とは交差する方向、すなわち直交する方向の端部にそれぞれ設けられている。すなわち、これらサイドチャネル部16は、略矩形状のチャネル領域11の各LDD領域14,15に連続した一対の対向する2辺のそれぞれに隣り合った一対の対向した2辺のそれぞれに沿って設けられている。
さらに、これらサイドチャネル部16には、不純物元素としてのアクセプタであるボロン(B)などを含むガス、例えばジボラン(B2H6)などを用いてドーピングあるいはイオン注入にてボロンなどの不純物が高濃度に複数回ドーピングされて構成されている。この結果、これらサイドチャネル部16は、2e17/cm3のボロン濃度を有している。
さらに、各活性層5のチャネル領域11におけるサイドチャネル部16間に位置する中央部には、センタ部17がそれぞれ形成されている。これらセンタ部17は、各チャネル領域11の幅方向における中央部に設けられている。そして、このセンタ部17は、サイドチャネル部16とは不純物濃度としてのボロン濃度が異なるように構成されている。すなわち、これらセンタ部17には、ボロン(B)などを含むガス、例えばジボラン(B2H6)などを用いてドーピングあるいはイオン注入にてボロンなどの不純物が低濃度に一回ドーピングされて構成されている。この結果、これらセンタ部17は、1e17/cm3のボロン濃度を有している。よって、これらセンタ部17は、各サイドチャネル部16よりもボロン濃度が低く設定されている。言い換えると、これら各サイドチャネル部16は、センタ部17のボロン濃度よりも高いボロン濃度を有している。
一方、各活性層5のチャネル領域11、ソース領域12、ドレイン領域13およびLDD領域14,15のそれぞれを含むアンダーコート層上には、絶縁性を有するシリコン酸化膜である第1の絶縁膜であるゲート絶縁層としての酸化シリコン膜(SiOX)からなる膜厚100nm程度のゲート絶縁膜18が積層されて成膜されている。
そして、各チャネル領域11に対向したゲート絶縁膜18上には、第1メタルとしてのゲート配線材料であるゲート電極層19のエッチングにて形成された膜厚300nmのゲート電極20が積層されて成膜されている。ここで、このゲート電極20を構成するゲート電極層19としては、モリブデン(Mo)やタングステン(W)、アルミニウム(Al)など、あるいはこれらの合金などが用いられる。そして、これらゲート電極20は、ゲート絶縁膜18を介して各n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11に対向しており、このチャネル領域11の幅寸法に略等しい幅寸法を有している。さらに、これらゲート電極20は、細長矩形状である細長帯状に形成されており、活性層5の長手方向に直交する長手方向を有している。
さらに、各n型薄膜トランジスタ4のゲート電極20それぞれを含むゲート絶縁膜18上には、絶縁性を有する酸化シリコン膜である第2絶縁層としての第2の絶縁膜である膜厚600nm程度の層間絶縁膜21が積層されて成膜されている。そして、これら層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜18には、これら層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜18のそれぞれを貫通した導通部としてのコンタクト部である複数のコンタクトホール22,23が開口されて設けられている。
ここで、これらコンタクトホール22,23それぞれは、各n型薄膜トランジスタ4のゲート電極18の両側である、このn型薄膜トランジスタ4のソース領域12およびドレイン領域13上に設けられている。そして、コンタクトホール22は、n型薄膜トランジスタ4のソース領域12に連通して開口している。また、コンタクトホール23は、n型薄膜トランジスタ4のドレイン領域13に連通して開口している。
さらに、各n型薄膜トランジスタ4のソース領域12に連通したコンタクトホール22には、信号線であるソース電極24がそれぞれ積層されて設けられている。これらソース電極24は、コンタクトホール22を介してn型薄膜トランジスタ4のソース領域12に電気的に接続されて導通されている。また、各n型薄膜トランジスタ4のドレイン領域13に連通したコンタクトホール23には、信号線であるドレイン電極25がそれぞれ積層されて設けられている。これらドレイン電極25は、コンタクトホール23を介してn型薄膜トランジスタ4のドレイン領域13に電気的に接続されて導通されている。なお、これらソース電極24およびドレイン電極25それぞれは、膜厚500nm程度の第2メタルである信号線材料のパターニングにて形成された信号パターンによって構成されている。
そして、各n型薄膜トランジスタ4のソース電極24およびドレイン電極25のそれぞれを含む層間絶縁膜21上には、これらn型薄膜トランジスタ4を覆うように窒化シリコン(SiN)膜にて構成された保護膜としてのパッシベーション膜26が積層されて成膜されている。このパッシベーション膜26には、このパッシベーション膜26を貫通した導通部としてのコンタクトホール27が開口されて設けられている。このコンタクトホール27は、n型薄膜トランジスタ4のソース電極24に連通して開口している。
さらに、このコンタクトホール27を含むパッシベーション膜26上には、n型薄膜トランジスタ4にて制御される画素電極28が積層されて成膜されている。この画素電極28は、コンタクトホール27を介してn型薄膜トランジスタ4のドレイン電極25に電気的に接続されて導通されている。さらに、この画素電極28を含んだパッシベーション膜26上には、配向膜29が積層されて成膜されている。
一方、アレイ基板2に対向してコモン基板としての矩形平板状の対向基板31が配設されている。この対向基板31は、略透明な矩形平板状の絶縁性基板であるガラス基板32を備えている。このガラス基板32のアレイ基板2に対向した側の一主面には、コモン電極としての対向電極33が積層されて成膜されて設けられている。また、この対向電極33上には配向膜34が積層されて成膜されている。そして、この対向基板31の配向膜34とアレイ基板2の配向膜29との間には、液晶35が介挿されて封止されて配設されている。
さらに、アレイ基板2における対向基板31が対向して配設された側の反対側には、背面光源としての図示しないバックライトが対向して配設されている。このバックライトは、面状の光をアレイ基板2に入射させて、このアレイ基板2上のn型薄膜トランジスタ4による画素電極28の制御によって、このアレイ基板2上に表示される画像を目視可能にする。
次に、上記第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を説明する。
まず、図2に示すように、プラズマCVD工程として、ガラス基板3上にアンダーコート層をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成する。
次に、PE(Plasma Enhanced)−CVD法によるPE−CVD工程あるいはスパッタリング法によるスパッタリング工程などにより、ガラス基板3上のアンダーコート層上に非晶質半導体層である図示しないアモルファスシリコン膜を堆積する。
この後、レーザ照射工程として、このアモルファスシリコン膜にエキシマレーザビームを照射してレーザアニールして、このアモルファスシリコン膜を結晶化させて膜厚50nmのポリシリコン層41にする。
次に、レジストマスク形成工程としてのフォトリソグラフィ工程としてレジスト塗布工程、露光工程および現像工程をして、ポリシリコン膜41を島状にエッチングさせるレジストマスク42をポリシリコン層41上に形成する。
この後、ドライエッチング工程として、このレジストマスク42をマスクとしてポリシリコン層41をドライエッチングにて島状にパターンニングして活性層5とする。このとき、このドライエッチングには、図示しないリアクティブイオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)装置が用いる。また、このドライエッチングには、エッチングガスとして、テトラフルオルメタン(CF4)/酸素(O2)を用いた。
次に、図3に示すように、第1のドライアッシング工程として、ドライアッシングにてレジストマスク42の幅方向における両側縁のそれぞれを後退させて、このレジストマスク42の幅寸法をポリシリコン層41の幅寸法よりも小さくさせる。このとき、レジストマスク42の後退量が0.3μm以上1.0μm以下となるようにアッシング時間を調整した。すなわち、このドライアッシングによって、レジストマスク42の島サイズを、ポリシリコン層41の島サイズ(6μm)よりも小さくさせて、このポリシリコン層41の幅方向における両側縁であるサイドチャンネル部16をレジストマスク42よりも外側へ露出させる。なお、このドライアッシングでも、上記第1のドライエッチング工程にて用いたリアクティブイオンエッチング装置を用い、エッチングガスとして酸素(O2)を用いた。
この状態で、図4に示すように、第1のドーピング工程として、レジストマスク42をマスクとして、不純物元素としてボロン(B)などを含むガス、例えばジボラン(B2H6)ガスなどを用いてドーピングもしくはイオン注入して、活性層5のサイドチャネル部16のみに、ドーパントとしての不純物としてボロン(B)などをドーピングする。このときの1回目のドーピング条件を、ドーズ量2e11/cm2とし、加速電圧10KeVとする。
さらに、第2のドライアッシング工程として、残したレジストマスク42をドライアッシングにて除去する。
この後、図5に示すように、第2のドーピング工程として、第1のドーピング工程と同種の不純物元素を含むガスを用いて、ポリシリコン層41上の全面をドーピングする。このときの2回目のドーピング条件を、所望の閾値電圧(Vth)になるドーズ条件、すなわちドーズ量2e11/cm2とし、加速電圧10KeVとする。この結果、活性層5のチャネル領域11となる部分のセンタ部17のボロン濃度が1e17/cm3となり、2回ドーピングしたサイドチャネル部16のボロン濃度が2e17/cm3となった。
次いで、ゲート絶縁膜形成工程として、これら島状の活性層5を含むアンダーコート層上の一面に、CVD法にて膜厚100nmのゲート絶縁膜18を形成する。
この後、図6および図7に示すように、ゲート電極層形成工程として、このゲート絶縁膜18上の一面に、モリブデン−タンタル合金(Mo−Ta)やモリブデン−タングステン合金(Mo−W)などをスパッタにて成膜して膜厚300nmのゲート電極層19を形成する。
次に、レジストマスク形成工程としてのフォトリソグラフィ工程として、このゲート電極層19上に図示しないレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとしてゲート電極層19をパターニングしてゲート電極20とする。
この状態で、第3のイオンドーピング工程として、ゲート電極20を用いたセルフアライン方式によって、例えばホスフィン(PH3)などのドーパントである不純物を、図示しないイオンドーピング装置を用いてゲート電極20をマスクとして活性層5の各LDD領域14,15となる部分にイオンドーピングしてn−領域とし、各n型薄膜トランジスタ4のLDD領域14,15のそれぞれを形成する。このときのドーピング条件を、ドーズ量3.5e13/cm2とし、加速電圧50KeVとする。
この後、レジスト形成工程として、ゲート電極20および各LDD領域14,15上のそれぞれに図示しないレジストマスクを形成する。
この状態で、第4のイオンドーピング工程として、このレジストマスクをマスクとして、例えばホスフィン(PH3)などのドーパントを活性層5のソース領域12およびドレイン領域13となる部分にイオンドーピングしてn+領域とし、各n型薄膜トランジスタ4のソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれを形成する。このときのドーピング条件を、ドーズ量1.3e15/cm2とし、加速電圧を50KeVとする。
次に、熱活性化工程として、各n型薄膜トランジスタ4のソース領域12、ドレイン領域13およびLDD領域14,15中のそれぞれの不純物を、500℃の温度で1時間、熱によるアニールにて活性化する。この結果、これらソース領域12およびドレイン領域13のシート抵抗が1.8kΩ/cm2となるとともに、各LDD領域14,15のシート抵抗が20kΩ/cm2となった。
この後、層間絶縁膜形成工程として、ゲート電極20を含むゲート絶縁膜18上の一面に膜厚600nmの層間絶縁膜21を成膜した後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程として、この層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜18にコンタクトホール22,23を形成して、ソース領域12およびドレイン領域13を露出させる。
この状態で、これらコンタクトホール22,23を含む層間絶縁膜21上の一面に、膜厚500nmの図示しない信号線材料をスパッタにて成膜した後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程として、図1および図8に示すように、この信号線材料をパターニングして信号線パターンとしてソース電極24およびドレイン電極25のそれぞれを形成し、液晶表示装置1のスイッチング部およびシフトレジスタなどの回路部に使用されるn型薄膜トランジスタ4を形成する。
さらに、パッシベーション膜形成工程として、これらソース電極24およびドレイン電極25それぞれを含む層間絶縁膜21上にパッシベーション膜26を形成した後、このパッシベーション膜26にコンタクトホール27を形成して、n型薄膜トランジスタ4のドレイン電極25を露出させる。
この状態で、このコンタクトホール27を含むパッシベーション膜26上に画素電極28を形成した後、この画素電極28を含むパッシベーション膜26上に配向膜29を形成してアレイ基板2を完成する。
さらに、このアレイ基板2の配向膜29側に、対向基板31の配向膜34側を対向させて取り付けた後、図9に示すように、これらアレイ基板2の配向膜29と対向基板31の配向膜34との間に液晶35を注入して介挿させて封止して液晶表示装置1を完成する。
この後、この液晶表示装置1のアレイ基板2の裏面側にバックライトを対向させて取り付ける。
上述したように、上記第1の実施の形態では、n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11のサイドチャネル部16のボロン濃度を、このチャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度にすることにより、チャネル領域が全体に亘って均一な従来のn型薄膜トランジスタに比べ、図10に示すドレイン領域13とソース領域12との間の電流であるドレイン・ソース電流(Ids)とゲート電極20でのゲート電圧(Vg)との関係であるIds−Vg特性のように、これら各n型薄膜トランジスタ4の閾値電圧(Vth)を変化させることなく、これらn型薄膜トランジスタ4の立ち上がり部のリーク電流を改善できる。よって、これら各n型薄膜トランジスタ4のゲート電圧(Vg)が0V近傍の場合であっても電流値を低くできる。
具体的に、これら各n型薄膜トランジスタ4は、チャネル領域11の幅であるチャネル幅(W)とチャネル領域11の長さであるチャネル長(L)との比(W/L)が6/1.5μmとなった。さらに、これら各n型薄膜トランジスタ4は、ドレイン領域13とソース領域12との間の電圧であるドレイン・ソース電圧(Vds)が5Vとなり、閾値電圧(Vth)が1.5Vとなり、ゲート電極20でのゲート電圧(Vg)が0Vの場合のオフ電流(Ioff)が1.8e−12Aとなった。
この結果、各n型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11のサイドチャネル部16の寄生薄膜トランジスタ(TFT)の形成を防止できるので、これら各n型薄膜トランジスタ4の閾値電圧を変化させることなく、これら各型薄膜トランジスタ5のゲート電圧が0V近傍でのオフ電流であるリーク電流をより小さくできる。
なお、上記第1の実施の形態では、第1のドーピング工程および第2のドーピング工程のそれぞれで不純物元素としてボロン(B)などを含むガス、例えばジボラン(B2H6)ガスなどを用いてドーピングしたが、第2のドーピングでのドーパントを例えばリン(P)にするとともに、第4のドーピング工程でのドーパントをボロン(B)にして、所望のドーピング条件を用いることによって、p型ポリシリコン薄膜トランジスタ素子であるp型薄膜トランジスタを形成することもできる。
次に、本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の構成について説明する。
この図11ないし図21に示す液晶表示装置1は、基本的には図1ないし図10に示す液晶表示装置1と同様であるが、アレイ基板2のガラス基板3上にn型薄膜トランジスタ4とp型薄膜トランジスタ51とを同時に作り込んだものである。すなわち、この液晶表示装置1は、p型薄膜トランジスタ51側のサイドチャネル部16による特性劣化を防ぎ、閾値電圧(Vth)をプラス側に大きくシフトさせつつ、n型薄膜トランジスタ4側の閾値電圧(Vth)を所望の値に調整したものである。
そして、p型薄膜トランジスタ51は、このp型薄膜トランジスタ51のチャネル領域11のサイドチャネル部16のボロン濃度が、このチャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度に構成されている。さらに、このp型薄膜トランジスタ51のチャネル領域11の両側には、LDD領域14,15を介することなくソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれが連続して形成されている。また、このp型薄膜トランジスタ51のソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれは、不純物元素としてボロン(B)などを含むガス、例えばジボラン(B2H6)ガスなどが用いられて不純物としてボロン(B)がドーピングされている。
一方、n型薄膜トランジスタ4は、このn型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11のサイドチャネル部16およびセンタ部17のボロン濃度が等しく構成されている。さらに、このn型薄膜トランジスタ4のチャネル領域11の両側には、LDD領域14,15を介してソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれが形成されている。また、このn型薄膜トランジスタ4のソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれは、不純物元素としてリン(P)などを含むガス、例えばホスフィン(PH3)ガスなどが用いられて不純物としてリン(P)がドーピングされている。
次に、上記第2の実施の形態の液晶表示装置の製造方法を説明する。
まず、図12に示すように、ガラス基板3上にポリシリコン層41を形成した後、このポリシリコン層41上にレジストマスク42を形成する。このとき、フォトリソグラフィ工程数を増やさずにn型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51それぞれの閾値電圧(Vth)を独立に制御することができる製造方法を用いた。
すなわち、ポジレジストを用いたレジストマスク42を形成する際に、露光マスクとしてハーフトーンマスク52を用いて、ポリシリコン層41上におけるn型薄膜トランジスタ4となる領域上とp型薄膜トランジスタ51となる領域上とに異なった膜厚のレジストマスク42を形成した。具体的に、p型薄膜トランジスタ51となる部分のポリシリコン層41上の露光マスク53としては通常のCrマスクを用いた。また、n型薄膜トランジスタ4となる部分のポリシリコン層41上の露光マスク54としては、露光時に光が40%前後透過するように複数のスリットが形成されたスリット状のハーフトーンマスク52を用いた。このハーフトーンマスク52もCrマスクにて構成されている。
このとき、ライン/スペースサイズを0.75/0.75μmとした。このようにp型薄膜トランジスタ51となる部分のポリシリコン層41上の露光マスク53として通常のCrマスクを用い、n型薄膜トランジスタ4となる部分のポリシリコン層41上の露光マスク54としてハーフトーンマスク52を用いて露光することによって、例えばp型薄膜トランジスタ51となる領域上のレジストマスク55の膜厚を1.5μmとし、n型薄膜トランジスタ4となる領域上のレジストマスク56の膜厚を0.6μmとした。
次に、これらレジストマスク55,56をマスクとしてポリシリコン層41をドライエッチングにて島状にパターンニングして活性層5とする。
この後、第1のドライアッシング工程として、ドライアッシングにてn型薄膜トランジスタ4となる部分の活性層5上のレジストマスク56を完全に除去するとともに、p型薄膜トランジスタ51となる部分の活性層5上のレジストマスク55の幅方向における両側縁のそれぞれをドライアッシング時に後退させて活性層5のサイズよりも小さくする。このとき、p型薄膜トランジスタ51となる部分の活性層5の島サイズを6μmとし、この活性層5上のレジストマスク55の後退量を0.3μm以上0.8μm以下となるようにアッシング時間で調整した。
この状態で、図13に示すように、第1のドーピング工程として、レジストマスク55をマスクとして、不純物元素としてボロン(B)などを含むガス、例えばジボラン(B2H6)ガスなどを用いて、n型薄膜トランジスタ4となる部分の活性層5およびp型薄膜トランジスタ51となる部分の活性層5のサイドチャネル部16のそれぞれを同時にドーピングする。このときの1回目のドーピング条件を、ドーズ量2e11/cm2とし、加速電圧10KeVとする。
さらに、第2のドライアッシング工程として、p型薄膜トランジスタ51となる活性層5上の残したレジストマスク55をドライアッシングにて完全に除去する。
この後、図14に示すように、第2のドーピング工程として、第1のドーピング工程と同種の不純物元素を含むガスを用いて、n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51となる部分の活性層5上の全面をドーピングする。このときの2回目のドーピング条件を、n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51のそれぞれが所望の閾値電圧(Vth)になるドーズ条件、すなわちドーズ量4e11/cm2とし、加速電圧10KeVとする。
ここで、第1のドーピング工程および第2のドーピング工程でのドーズ量の設定については、第2のドーピング工程でのドーズ量が、主にp型薄膜トランジスタ51の閾値電圧(Vth)によって決まる。また、第1のドーピング工程でのドーズ量は、第2のドーピング工程でのドーズ量を考慮しつつ、n型薄膜トランジスタ4の閾値電圧(Vth)とp型薄膜トランジスタ51のサイドチャネル部16とを考慮して決めればよい。
次いで、ゲート絶縁膜形成工程として、これら島状の活性層5を含むアンダーコート層上の一面に、CVD法にて膜厚100nmのゲート絶縁膜18を形成する。
この後、図15に示すように、ゲート電極層形成工程として、このゲート絶縁膜18上の一面に、スパッタにて膜厚300nmのゲート電極層19を形成する。
次いで、レジストマスク形成工程としてのフォトリソグラフィ工程として、このゲート電極層19上に図示しないレジスト層を形成した後、図16および図17に示すように、このレジスト層をマスクとしてゲート電極層19をパターニングしてゲート電極20とする。
この状態で、第3のイオンドーピング工程として、図18に示すように、ゲート電極20を用いたセルフアライン方式によって、例えばジボラン(B2H6)などのドーパントである不純物を、ゲート電極20をマスクとしてp型薄膜トランジスタ51のソース領域12およびドレイン領域13となる部分にイオンドーピングしてn+領域とし、各p型薄膜トランジスタ51のソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれを形成する。
この後、レジストマスク形成工程としてのフォトリソグラフィ工程として、フォトリソグラフィで形成した図示しないレジストマスクをマスクとしてn型薄膜トランジスタ4のゲート電極20をパターニングする。
この状態で、第4のイオンドーピング工程として、ゲート電極20を用いたセルフアライン方式によって、例えばホスフィン(PH3)などのドーパントである不純物を、ゲート電極20をマスクとしてn型薄膜トランジスタ4のLDD領域14,15となる部分にイオンドーピングしてn−領域とし、これら各n型薄膜トランジスタ4のLDD領域14,15のそれぞれを形成する。このときのドーピング条件を、ドーズ量3.5e13/cm2とし、加速電圧50KeVとする。
さらに、レジストマスク形成工程として、n型薄膜トランジスタ4のゲート電極20上およびp型薄膜トランジスタ51のゲート電極20を含む活性層5上のそれぞれにレジストマスク57を形成する。
この状態で、第5のイオンドーピング工程として、図19に示すように、ゲート電極20を用いたセルフアライン方式によって、例えばホスフィン(PH3)などのドーパントである不純物を、ゲート電極20をマスクとしてn型薄膜トランジスタ4のソース領域12およびドレイン領域13となる部分にイオンドーピングしてn+領域とし、各n型薄膜トランジスタ4のソース領域12およびドレイン領域13のそれぞれを形成する。このときのドーピング条件を、ドーズ量1.3e15/cm2とし、加速電圧50KeVとする。
次いで、熱活性化工程として、各n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51それぞれのソース領域12、ドレイン領域13およびLDD領域14,15中のそれぞれの不純物を、500℃の温度で1時間、熱によるアニールにて活性化する。この結果、これら各n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51それぞれのソース領域12およびドレイン領域13のシート抵抗が1.8kΩ/cm2となるとともに、これら各n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51それぞれのLDD領域14,15のシート抵抗が20kΩ/cm2となった。
この後、層間絶縁膜形成工程として、ゲート電極20を含むゲート絶縁膜18上の一面に膜厚600nmの層間絶縁膜21を成膜した後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程として、この層間絶縁膜21およびゲート絶縁膜18にコンタクトホール22,23を形成する。
この状態で、これらコンタクトホール22,23を含む層間絶縁膜21上の一面に、膜厚500nmの図示しない信号線材料をスパッタにて成膜した後、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程として、図11および図20に示すように、この信号線材料をパターニングして信号線パターンとしてソース電極24およびドレイン電極25のそれぞれを形成して、n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51のそれぞれを形成する。
上述したように、上記第2の実施の形態では、ガラス基板3上にn型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51のそれぞれを作り込み、このp型薄膜トランジスタ51のチャネル領域11のサイドチャネル部16のボロン濃度を、このp型薄膜トランジスタ51のチャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度にした。この結果、チャネル幅(W)とチャネル長(L)との比(W/L)を6/1.5μmとし、ドレイン・ソース電圧(Vds)を5Vとした場合において、p型薄膜トランジスタ51での閾値電圧(Vth)が−1.3Vとなり、ゲート電圧(Vg)が0Vの場合のオフ電流(Ioff)が8.8e−11Aとなった。またこのとき、n型薄膜トランジスタ4での閾値電圧(Vth)が1.3Vとなり、ゲート電圧(Vg)が0Vの場合のオフ電流(Ioff)が3e−12Aとなった。したがって、良好な特性を得ることができた。
よって、n型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51それぞれの閾値電圧(Vth)を独立に制御できるとともに、これらn型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51いずれかの片チャネルのトランジスタの寄生薄膜トランジスタ(TFT)の形成を防止できる。したがって、これらn型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51の閾値電圧(Vth)間差を従来に比べ広げることなく、これらn型薄膜トランジスタ4およびp型薄膜トランジスタ51それぞれのチャネル領域11でのオフ電流を小さくできる。
特に、液晶表示装置1がドライバ内蔵型液晶表示デバイスである場合には、閾値電圧(Vth)を大きくしなくてもオフ電流(Ioff)を下げることにより、駆動電圧を下げることができるというメリットがあり、低消費電力化することが可能となる。
なお、上記各実施の形態では、n型薄膜トランジスタ4あるいはp型薄膜トランジスタ51のチャネル領域11の各サイドチャネル部16それぞれのボロン濃度を、これらn型薄膜トランジスタ4あるいはp型薄膜トランジスタ51のチャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度にしたが、これら各チャネル領域11の一方のサイドチャネル部16のみのボロン濃度を、これら各チャネル領域11のセンタ部17のボロン濃度よりも高濃度にしても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、液晶表示装置1のアレイ基板2に用いられる薄膜トランジスタ4について説明したが、有機EL(ElectroLuminescence)素子などに用いられる薄膜トランジスタであっても、対応させて用いることができる。
4 薄膜トランジスタとしてのn型薄膜トランジスタ
5 半導体層としての活性層
11 チャネル領域
12 ソース領域
13 ドレイン領域
16 端部としてのサイドチャネル部
17 中央部としてのセンタ部
18 絶縁層としてのゲート絶縁膜
20 ゲート電極
42 レジストとしてのレジストマスク
51 薄膜トランジスタとしてのp型薄膜トランジスタ
5 半導体層としての活性層
11 チャネル領域
12 ソース領域
13 ドレイン領域
16 端部としてのサイドチャネル部
17 中央部としてのセンタ部
18 絶縁層としてのゲート絶縁膜
20 ゲート電極
42 レジストとしてのレジストマスク
51 薄膜トランジスタとしてのp型薄膜トランジスタ
Claims (4)
- チャネル領域、このチャネル領域の両側に設けられたソース領域およびドレイン領域のそれぞれを備え、前記チャネル領域の前記ソース領域およびドレイン領域が位置する方向とは交差する方向の端部の少なくともいずれかの不純物濃度が、前記チャネル領域の端部間に位置する中央部の不純物濃度とは異なる半導体層と、
この半導体層上に設けられた絶縁層と、
前記半導体層のチャネル領域に対向して前記絶縁層上に設けられたゲート電極と
を具備したことを特徴とした薄膜トランジスタ。 - 半導体層の端部の不純物濃度は、この半導体層の中央部の不純物濃度より高い
ことを特徴とした請求項1記載の薄膜トランジスタ。 - 半導体層上に形成された絶縁層上にゲート電極が形成され、このゲート電極の両側に位置する前記半導体層がソース領域およびドレイン領域であり、これらソース領域およびドレイン領域間に位置する前記ゲート電極下の半導体層がチャネル領域である薄膜トランジスタの製造方法であって、
前記半導体層上に島状のレジストを形成し、
この島状のレジストをマスクとして前記半導体層を島状にし、
前記レジストを小さくして、前記ソース領域およびドレイン領域となる部分が位置する方向と交差する方向の前記半導体層の端部の少なくともいずれかを露出させ、
前記レジストをマスクとして前記半導体層の露出させた端部に不純物を注入し、
前記レジストを取り除き、
前記半導体層に前記不純物を注入する
ことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 半導体層の端部の不純物濃度を、この半導体層の端部間に位置する中央部の不純物濃度より高くする
ことを特徴とした請求項3記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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JP2004061026A JP2005252021A (ja) | 2004-03-04 | 2004-03-04 | 薄膜トランジスタおよびその製造方法 |
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JP2010062173A (ja) * | 2008-09-01 | 2010-03-18 | Seiko Epson Corp | 薄膜トランジスタとその製造方法および電気光学装置とその製造方法ならびに電子機器 |
JP2011077424A (ja) * | 2009-10-01 | 2011-04-14 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置の製造方法 |
-
2004
- 2004-03-04 JP JP2004061026A patent/JP2005252021A/ja active Pending
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