JP2005250142A - 画像表示板の製造装置およびそれを用いた画像表示板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する基板1,2であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁4を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体3を封止する構造の画像表示板を製造する画像表示板の製造装置は、隔壁が形成された基板1の搬送方向Aと直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに隔壁4の上部と接触するように配置されたロール11と、ロール11に転写された粒子群または粉流体3を連続的に除去するために隔壁4の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部12とを備える。
【選択図】図4
Description
(2)の方法を用いた場合、ロール表面に粒子群または粉流体が付着するため、連続的に粒子群または粉流体を除去することが困難である。
(3)の方法を用いた場合、連続的に粒子群または粉流体を除去することができるが、粘着フィルムが使い捨てとなるため、コスト増を招く。さらに、除去した粒子群または粉流体には、粘着フィルムの粘着材が付着するため再利用できず、コスト増を招く。
(4)の方法を用いた場合、隔壁の上部に乗った粒子群または粉流体ばかりでなく、表示セル内に充填した粒子群または粉流体まで除去してしまい、所望の充填量を確保することが困難である。
本発明は、低コストで連続的に隔壁上の粒子群または粉流体を除去でき、かつ、粒子群または粉流体の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を用いて、画像表示板を製造する方法を提供することを第2の目的とする。
a)ロール11の軸方向長さの全域に亘って粒子群または粉流体を除去するための均一な吸引力を発生させるためには、ラインノズル13のノズル形状を搬送方向(図4(a) の矢印A方向)と直交する方向に細長いライン形状とする必要がある。
b)ロール11が完全な絶縁体で全く導電性を有していない場合には、ロール11が接触剥離により帯電してしまい、この帯電により、異なる極性に帯電した表示セル内に充填されている粒子群または粉流体まで除去されてしまう。
c)ロール表面の粗さが荒いと、隔壁上の粒子群または粉流体の取り残し量が増加する。
d)ロール11の方が隔壁4よりも表面硬度が硬い(弾性率が大きい)と、隔壁4を損傷させるおそれがある。
まず、図5(a)に示すように、表面に隔壁が形成された第2の基板1を準備する。基板1の表面には、ITO電極からなるストライプ状の電極(図示せず)をパターニングして設ける。次に、基板の電極上に表示セルを画成する格子状または網目状の隔壁4を形成する。
また、本発明によれば、吸引部14に回収された粒子群または粉流体3を、再利用することが可能になる。その際、例えば白色および黒色の粒子群または粉流体を基板1の表示セル内に散布した後に、不要な粒子群または粉流体3をクリーナ12によって除去する工程を行う場合には、回収した粒子群または粉流体3は、各々の粒子群または粉流体の帯電特性を利用して分離できるので、容易に再利用可能である。また、例えば白色または黒色の粒子群または粉流体を基板1の表示セル内に散布した後に、不要な粒子群または粉流体3をクリーナ12によって除去する工程を行う場合には、クリーナ12によって回収された粒子群または粉流体をそのまま再利用することができる。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍より小さいと表示上の制御が難しくなり、また、12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまうなどの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側から測定する。具体的には、直径(内径)6cm、高さ10cmのポリプロピレン製の蓋付き容器(商品名アイボーイ:アズワン(株)製)に、未浮遊時の粉流体として1/5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、6cmの距離を3往復/secで3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ体積とする。
V10/V5>0.8
ここで、V5 は最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm3 )、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm3 )を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/V5 が0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/V5 が0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、粒子群(あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分を除いた、いわゆる粒子群(あるいは粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、粒子群あるいは粉流体の充填、基板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における粒子群又は粉流体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には粒子又は粉流体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
画像表示板を製造するために、図5(a),(b)の構成のロール11およびクリーナ部12を備える製造装置を用いた。その際、ロール11としては、導電性ゴムロールであり表面硬度がJIS−A硬度にて70度を有するロールを用いるとともに、クリーナ部12としては、(株)伸興製の「UVU−F TYPE フラットパネル用超音波ドライクリーナ」を用いた。ロール11の表面抵抗率の測定は、株式会社ダイアインスツルメンツ製の「ハイレスタUP MCP−HT型 装置」と、縮小サンプル用プローブ(MCP−HTP15)とを用い、ロールの表面にプローブを押し当てて行った。本実施例で用いたロール11の表面抵抗率は、3.0×105 (Ω/□)であった。
3 粒子、粉流体
3W 白色粒子、白色粉流体
3B 黒色粒子、黒色粉流体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 ロール
12 クリーナ部
13 ラインノズル
14 吸引部
15 掃出部
Claims (8)
- 少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を製造する、画像表示板の製造装置であって、
前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに前記隔壁の上部と接触するように配置されたロールと、該ロールに転写された粒子群または粉流体を除去するために前記隔壁の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部とを備えることを特徴とする画像表示板の製造装置。 - 前記クリーナ部は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向に延在するように配置されたラインノズルと、該ラインノズルの吸引方向後端部に接続された吸引部とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
- 前記クリーナ部は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向に延在するように配置されたラインノズルと、該ラインノズルの吸引方向後端部に接続された吸引部と、該ラインノズルの吸引方向前端部に接続された掃出部とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
- 前記ロールの表面は弾性体で覆われており、該弾性体は、前記隔壁の弾性率より小さい弾性率と、1×109 (Ω/□)以下の表面抵抗率と、前記粒子群または粉流体の平均径以下の表面粗さとを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の画像表示板の製造装置。
- 前記ロールおよび前記クリーナ部を、前記第2の基板の裏面側に追設したことを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
- 前記ラインノズルは、ライン状のスリットを有しており、該スリットは、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上、かつ、前記ロールの軸方向長さ以下の長さを有するとともに、前記ロール表面と前記ラインノズル先端とが3mm以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項2記載の画像表示板の製造装置。
- 前記ロールは、前記第2の基板の搬送方向長さよりも長い外周長を有することを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の画像表示板の製造装置を用いて、前記隔壁の上部に付着した粒子群または粉流体を除去しながら画像表示板を製造することを特徴とする画像表示板の製造方法。
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