JP2005250142A - 画像表示板の製造装置およびそれを用いた画像表示板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで連続的に隔壁上の粒子群または粉流体を除去でき、かつ、粒子群または粉流体の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する基板1,2であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁4を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体3を封止する構造の画像表示板を製造する画像表示板の製造装置は、隔壁が形成された基板1の搬送方向Aと直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに隔壁4の上部と接触するように配置されたロール11と、ロール11に転写された粒子群または粉流体3を連続的に除去するために隔壁4の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部12とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を製造する、画像表示板の製造装置および、それを用いた画像表示板の製造方法に関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる画像表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた画像表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリ機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な画像表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用画像表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に、最近では、分散粒子と着色溶液とから成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式(例えば、非特許文献1参照)が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、画像繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方式は、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を具備する画像表示装置が知られている。
このような画像表示装置では、封止した粒子群または粉流体が表示セルを画成する隔壁(リブ)の上部に乗った状態のまま除去しないでおくと、隔壁(リブ)の上部に乗った粒子群または粉流体によって、2枚の基板を重ね合わせる際に面内均一に貼り合わせることができず、表示不良を招くおそれがある。
その対策として、(1)ブレードを用いて、隔壁の上部に乗った粒子群または粉流体を除去する方法、(2)ロールを単独で用いることにより、隔壁の上部に乗った粒子群または粉流体を除去する方法、(3)ロールおよびロールに付着した粒子群または粉流体を粘着フィルムで除去する方法、(4)クリーナ単独で用いることにより、隔壁の上部に乗った粒子群または粉流体を除去する方法、が考えられる。
(1)の方法を用いた場合、隔壁の上部に乗った粒子群または粉流体が隔壁によって画成された表示セル内に入る結果、表示セル内の粒子群または粉流体の充填量を正確に制御することができない。
(2)の方法を用いた場合、ロール表面に粒子群または粉流体が付着するため、連続的に粒子群または粉流体を除去することが困難である。
(3)の方法を用いた場合、連続的に粒子群または粉流体を除去することができるが、粘着フィルムが使い捨てとなるため、コスト増を招く。さらに、除去した粒子群または粉流体には、粘着フィルムの粘着材が付着するため再利用できず、コスト増を招く。
(4)の方法を用いた場合、隔壁の上部に乗った粒子群または粉流体ばかりでなく、表示セル内に充填した粒子群または粉流体まで除去してしまい、所望の充填量を確保することが困難である。
本発明は、低コストで連続的に隔壁上の粒子群または粉流体を除去でき、かつ、粒子群または粉流体の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を提供することを第1の目的とする。
本発明は、低コストで連続的に隔壁上の粒子群または粉流体を除去でき、かつ、粒子群または粉流体の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を用いて、画像表示板を製造する方法を提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、第1発明の画像表示板の製造装置は、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を製造する、画像表示板の製造装置であって、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに前記隔壁の上部と接触するように配置されたロールと、該ロールに転写された粒子群または粉流体を除去するために前記隔壁の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の画像表示板の製造装置の好適例としては、第2発明〜第7発明に記載の如く、前記クリーナ部は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向に延在するように配置されたラインノズルと、該ラインノズルの吸引方向後端部に接続された吸引部とを備えること、前記クリーナ部は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向に延在するように配置されたラインノズルと、該ラインノズルの吸引方向後端部に接続された吸引部と、該ラインノズルの吸引方向前端部に接続された掃出部とを備えること、前記ロールの表面は弾性体で覆われており、該弾性体は、前記隔壁の弾性率より小さい弾性率と、1×10(Ω/□)以下の表面抵抗率と、前記粒子群または粉流体の平均径以下の表面粗さとを有すること、前記ロールおよび前記クリーナ部を、前記第2の基板の裏面側に追設したこと、前記ラインノズルは、ライン状のスリットを有しており、該スリットは、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上、かつ、前記ロールの軸方向長さ以下の長さを有するとともに、前記ロール表面と前記ラインノズル先端とが3mm以下の間隔で配置されていること、および、前記ロールは、前記第2の基板の搬送方向長さよりも長い外周長を有することがある。
上記第2の目的を達成するため、第8発明の画像表示板の製造方法は、第1発明〜第7発明の何れかの画像表示板の製造装置を用いて、前記隔壁の上部に付着した粒子群または粉流体を除去しながら画像表示板を製造することを特徴とする。
上記構成の第1発明の画像表示板の製造装置によれば、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を製造する画像表示板の製造装置は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに前記隔壁の上部と接触するように配置されたロールと、該ロールに転写された粒子群または粉流体を除去するために前記隔壁の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部とを備えているので、前記隔壁の上部に付着した粒子群または粉流体は、連続的にロールに転写された後に、前記隔壁の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部によって連続的に除去される。その際、上記(1)、(4)の方法のように表示セルの粒子群または粉流体の充填量が変動することはなく、また、上記(3)の方法のように粘着フィルムを用いることはないので、コスト増を招くこともない。したがって、低コストで連続的に隔壁上の粒子群または粉流体を除去でき、かつ、粒子群または粉流体の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を提供することができる。
上記構成の第8発明の画像表示板の製造方法によれば、第1発明〜第7発明の何れかの画像表示板の製造装置を用いて、前記隔壁の上部に付着した粒子群または粉流体を除去しながら画像表示板を製造するので、低コストで連続的に隔壁上の粒子群または粉流体を除去でき、かつ、粒子群または粉流体の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を用いて、画像表示板を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の対象となる画像表示板の基本的な構成について説明する。本発明で用いる画像表示板では、対向する2枚の基板間に封入した粒子群に電界が付与される。付与された電界方向にそって、高電位側に向かっては低電位に帯電した粒子群がクーロン力などによって引き寄せられ、また、低電位側に向かっては高電位に帯電した粒子群がクーロン力などによって引き寄せられ、それら粒子群が電位の切替による電界方向の変化によって往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、粒子群が、均一に移動し、かつ、繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、画像表示板を設計する必要がある。ここで、粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
次に、上述した画像表示板の基本的な構成における画像表示動作について説明する。本発明で用いる画像表示板は、一例として2種の色の異なる粒子3(図1参照、ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を基板1、2と垂直方向に移動させることによる表示方式に用いる画像表示板と、1種の色の粒子3W(図2参照)を基板1、2と平行方向に移動させることによる表示方式を用いる画像表示板とのいずれへも適用できる。表示のための表示板構造例を図3に示す。なお、図1〜図3において、4はセルを形成するために設ける隔壁、5、6は粒子3に電界を与えるため必要に応じて設けられる電極である。以上の説明は、白色粒子3Wは白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
以下、本発明の特徴となる画像表示板の製造装置について詳細に説明する。図4(a),(b)は本発明の画像表示板の製造装置の一例の構成を示す図であり、図5(a),(b)は本発明の画像表示板の製造装置の他の例の構成を示す図である。本発明の画像表示板の製造装置は、隔壁上の粒子群または粉流体を除去する機構を有しており、隔壁4の上部と接触するように配置されたロール11と、ロール11に転写された粒子群または粉流体3を除去するために隔壁4の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部12等を具備して成る。
上記隔壁上の粒子群または粉流体を除去する機構を構成する際には、以下の点を考慮する必要がある。
a)ロール11の軸方向長さの全域に亘って粒子群または粉流体を除去するための均一な吸引力を発生させるためには、ラインノズル13のノズル形状を搬送方向(図4(a) の矢印A方向)と直交する方向に細長いライン形状とする必要がある。
b)ロール11が完全な絶縁体で全く導電性を有していない場合には、ロール11が接触剥離により帯電してしまい、この帯電により、異なる極性に帯電した表示セル内に充填されている粒子群または粉流体まで除去されてしまう。
c)ロール表面の粗さが荒いと、隔壁上の粒子群または粉流体の取り残し量が増加する。
d)ロール11の方が隔壁4よりも表面硬度が硬い(弾性率が大きい)と、隔壁4を損傷させるおそれがある。
以上を考慮して、本発明の画像表示板の製造装置では、図4(a),(b)のロール11およびクリーナ部12、もしくは、図5(a),(b)のロール11およびクリーナ部12を用いるものとする。図4(a),(b)の構成のロール11は、表面に表示セルを画成する隔壁4を形成した第2の基板1の、搬送方向(図示矢印A方向)の長さ以上の外周長を有するとともに、第2の基板1の搬送方向と直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するロールを用いる。このロール11は、ロール表面を弾性体で覆われており、該弾性体は、隔壁4の弾性率より小さい弾性率(または隔壁4の表面硬度より柔らかい表面硬度)と、1×10(Ω/□)以下の表面抵抗率と、粒子群または粉流体の平均径(例えば5μm)以下の表面粗さとを有するものとする。
また、図4(a),(b)の構成のクリーナ部12は、第2の基板1の搬送方向(図示矢印A方向)と直交する方向に延在するように配置されたラインノズル13と、ラインノズル13の吸引方向後端部に接続された吸引部14とを備えるクリーナ部を用いる。ラインノズル13は、図4(a)に示すように、ライン状のスリット(ノズル)を有しており、該スリットは、図4(b)に示すように、第2の基板1の搬送方向と直交する方向の長さ以上、かつ、前記ロールの軸方向長さ以下の長さを有しており、ロール11表面とラインノズルの先端(スリット)とは、3mm以下の間隔で配置されている。
一方、図5(a),(b)の構成のロール11は、図4(a),(b)のロール11と同一のものを用いるが、図5(a),(b)の構成のクリーナ部12は、第2の基板1の搬送方向(図示矢印A方向)と直交する方向に延在するように配置されたラインノズル13と、ラインノズル13の吸引方向後端部に接続された吸引部14と、ラインノズル13の吸引方向前端部に接続された掃出部15とを備えるクリーナ部を用いる。ラインノズル13は、図5(a)に示すように、ライン状の2分割されたスリット(ノズル)を有しており、これらスリットは、図5(b)に示すように、第2の基板1の搬送方向と直交する方向の長さ以上、かつ、前記ロールの軸方向長さ以下の長さを有しており、ロール11表面とラインノズルの先端(スリット)とは、3mm以下の間隔で配置されている。
次に、本発明の画像表示板の製造装置を用いて画像表示板を製造する方法について、図5(a),(b)の構成を例に挙げて説明する。
まず、図5(a)に示すように、表面に隔壁が形成された第2の基板1を準備する。基板1の表面には、ITO電極からなるストライプ状の電極(図示せず)をパターニングして設ける。次に、基板の電極上に表示セルを画成する格子状または網目状の隔壁4を形成する。
次に、図示しない散布装置内において、ステージ上に基板1をセットする。この状態で、図示しないノズルから散布装置内に粒子群または粉流体3を噴霧することにより、基板1上の隔壁4により画成した各々の表示セル内に、所定量の粒子群または粉流体3を充填する。
次に、隔壁4上の不要な粒子群または粉流体3を除去する。具体的には、表示セル内に粒子群または粉流体3を充填した基板1を図5(a)に示すように矢印A方向に搬送し、それと同時に、ロール11を矢印C方向に回転させるとともに、掃出部15および吸引部14を動作させる。これにより、隔壁4上に乗った不要な粒子群または粉流体3は、ロール11に転写された後、ロール11の上部において掃出部15から流入させた空気によってロール表面から剥がれ易くなり、吸引部14からの吸引力によりラインノズル13のスリットから吸引されて図示矢印B方向(吸引方向)に移動し、吸引部14に吸引除去されて回収される。
その後、第1の基板(図示せず)を、粒子群または粉流体3を表示セル内に充填した基板1に対して重ね合わせ接着して、粒子群または粉流体3を表示セル内に封止する。以上により、本発明の画像表示板を作製することができる。
本発明によれば、隔壁4の上部に付着した粒子群または粉流体3は、連続的にロール11に転写された後に、隔壁4の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部12によって連続的に除去されるが、その際に、上記(1)、(4)の方法のように表示セルの粒子群または粉流体3の充填量が変動することはなく、かつ、上記(3)の方法のように粘着フィルムを用いることはないので、コスト増を招くこともない。したがって、低コストで連続的に隔壁4上の粒子群または粉流体3を除去でき、かつ、粒子群または粉流体3の充填量を正確に制御可能な画像表示板の製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、吸引部14に回収された粒子群または粉流体3を、再利用することが可能になる。その際、例えば白色および黒色の粒子群または粉流体を基板1の表示セル内に散布した後に、不要な粒子群または粉流体3をクリーナ12によって除去する工程を行う場合には、回収した粒子群または粉流体3は、各々の粒子群または粉流体の帯電特性を利用して分離できるので、容易に再利用可能である。また、例えば白色または黒色の粒子群または粉流体を基板1の表示セル内に散布した後に、不要な粒子群または粉流体3をクリーナ12によって除去する工程を行う場合には、クリーナ12によって回収された粒子群または粉流体をそのまま再利用することができる。
上述した本発明の画像表示板の製造装置では、図4(a),(b)のロール11およびクリーナ部12、もしくは、図5(a),(b)のロール11およびクリーナ部12を基板1の表面側(対向基板2側)に設けたが、それに加えて、図4(a),(b)のロール11およびクリーナ部12、もしくは、図5(a),(b)のロール11およびクリーナ部12を基板1の裏面側にも設けるのが、粒子群または粉流体3を散布する際に基板1の裏面に付着した不要な粒子群または粉流体3を除去することができるので、好ましい。
以下、本発明の対象となる画像表示板を構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は装置外側から粒子または粉流体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜1100μmが好ましく、さらに5〜700μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、1100μmより厚いと、曲げによる応力が強くなり接着保持の点で不都合がある。
図1において、電極5、6については、視認側であり透明である必要のある基板2側に設ける電極6は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウム、金、銀、銅などの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。基板1側に設ける電極5の材質や厚みなどは上述した電極6と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
隔壁4については、その形状は表示にかかわる粒子群あるいは粉流体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは2〜5000μm、好ましくは5〜500μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成される表示セルは、図6に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状が例示される。表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法が好適に用いられる。
次に、本発明の対象となる画像表示板で用いる粒子について説明する。粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明で用いる粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜50μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
さらに、本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、画像表示用パネルにおける粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に2種類の粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、それぞれの粒子の帯電量測定を行うことにより、2種類の粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
測定方法について詳しくは後に述べるが、ブローオフ法によって、粒子とキャリア粒子とを十分に接触させ、その飽和帯電量を測定することにより該粒子の単位重量あたりの帯電量(μC/g)を測定することができる。そして、該粒子の平均粒子径と比重を別途求めることにより、表面電荷密度(μC/m)を算出することができる。
次に、本発明の対象となる画像表示板で用いる粉流体について説明する。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の画像表示装置で固体状物質を分散質とするものである。
本発明の対象となる画像表示板は、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
エアロゾル状態の範囲は、粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍以上であることが好ましく、更に好ましくは2.5倍以上、特に好ましくは3倍以上である。上限は特に限定されないが、12倍以下であることが好ましい。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍より小さいと表示上の制御が難しくなり、また、12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまうなどの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側から測定する。具体的には、直径(内径)6cm、高さ10cmのポリプロピレン製の蓋付き容器(商品名アイボーイ:アズワン(株)製)に、未浮遊時の粉流体として1/5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、6cmの距離を3往復/secで3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ体積とする。
また、本発明では、粉流体の見かけ体積の時間変化が次式を満たすものが好ましい。
10/V>0.8
ここで、Vは最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm)、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm)を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/Vが0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/Vが0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
また、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径(d(0.5))は、好ましくは0.1〜20μm、更に好ましくは0.5〜15μm、特に好ましくは0.9〜8μmである。0.1μmより小さいと表示上の制御が難しくなり、20μmより大きいと、表示上の鮮明さに欠けるようになる。なお、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径(d(0.5))は、次の粒子径分布Spanにおけるd(0.5)と同様である。
粉流体を構成する粒子物質は、下記式に示される粒子径分布Spanが5未満であることが好ましく、更に好ましくは3未満である。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
なお、以上の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粉流体にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。この粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られる。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.) 測定機を用いて、窒素気流中に粉流体を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、測定を行うことができる。
粉流体の作製は、必要な樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕しても、モノマーから重合しても、既存の粒子を樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤でコーティングしても良い。以下、粉流体を構成する樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、2種以上混合することもでき、特に、基板との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。
荷電制御剤の例としては、正電荷付与の場合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体などが挙げられる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
さらに、本発明においては基板間の粒子群あるいは粉流体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、粒子群(あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分を除いた、いわゆる粒子群(あるいは粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、粒子群あるいは粉流体の充填、基板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の画像表示板における基板と基板との間隔は、粒子群又は粉流体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常2〜5000μm、好ましくは5〜500μmに調整される。
対向する基板間の空間における粒子群又は粉流体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には粒子又は粉流体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明の実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。以下の実施例に用いた隔壁は、JIS−A硬度にて90度を有するものであった。
<実施例1>
画像表示板を製造するために、図5(a),(b)の構成のロール11およびクリーナ部12を備える製造装置を用いた。その際、ロール11としては、導電性ゴムロールであり表面硬度がJIS−A硬度にて70度を有するロールを用いるとともに、クリーナ部12としては、(株)伸興製の「UVU−F TYPE フラットパネル用超音波ドライクリーナ」を用いた。ロール11の表面抵抗率の測定は、株式会社ダイアインスツルメンツ製の「ハイレスタUP MCP−HT型 装置」と、縮小サンプル用プローブ(MCP−HTP15)とを用い、ロールの表面にプローブを押し当てて行った。本実施例で用いたロール11の表面抵抗率は、3.0×10(Ω/□)であった。
まず、図5(a)に示すように、隔壁4により画成した表示セル内に所定量の粒子群または粉流体3を充填した基板1を図示しない搬送装置によって矢印A方向に搬送し、それと同時に、ロール11を矢印C方向に回転させるとともに、掃出部15および吸引部14を動作させる。これにより、隔壁4上に乗った不要な粒子群または粉流体3は、ロール11に転写された後、ロール11の上部において掃出部15から流入させた空気によってロール表面から剥がれ易くなり、吸引部14からの吸引力によりラインノズル13のスリットから吸引されて図示矢印B方向(吸引方向)に移動し、吸引部14に吸引除去されて回収される。その後、もう一方の基板(図示せず)を、粒子群または粉流体3を表示セル内に充填した基板1に対して重ね合わせ接着し、粒子群または粉流体3を表示セル内に封止する。以上により、本発明の画像表示板が作製される。
本実施例によれば、上述した「隔壁4上の不要な粒子群または粉流体3の除去工程」を行うことにより、隔壁4上の不要な粒子群または粉流体3をほぼ100%除去するとともに、ロール11に転写された粒子群または粉流体3をほぼ100%除去することができた。完成した画像表示板は、貼り合わせ不良が生じることもなかった。よって、表示品質の良好な画像表示板を低コストかつ連続的に作製することができた。
本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板は、画像ムラがなく、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板における駆動方法の一例を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板における駆動方法の他の例を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板の構造の一例を示す図である。 (a),(b)は本発明の画像表示板の製造装置の一例の構成を示す図である。 (a),(b)は本発明の画像表示板の製造装置の他の例の構成を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板における隔壁の形状の一例を示す図である。
符号の説明
1,2 基板
3 粒子、粉流体
3W 白色粒子、白色粉流体
3B 黒色粒子、黒色粉流体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 ロール
12 クリーナ部
13 ラインノズル
14 吸引部
15 掃出部

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を製造する、画像表示板の製造装置であって、
    前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに前記隔壁の上部と接触するように配置されたロールと、該ロールに転写された粒子群または粉流体を除去するために前記隔壁の上部と接触しない部位に配置されたクリーナ部とを備えることを特徴とする画像表示板の製造装置。
  2. 前記クリーナ部は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向に延在するように配置されたラインノズルと、該ラインノズルの吸引方向後端部に接続された吸引部とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
  3. 前記クリーナ部は、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向に延在するように配置されたラインノズルと、該ラインノズルの吸引方向後端部に接続された吸引部と、該ラインノズルの吸引方向前端部に接続された掃出部とを備えることを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
  4. 前記ロールの表面は弾性体で覆われており、該弾性体は、前記隔壁の弾性率より小さい弾性率と、1×10(Ω/□)以下の表面抵抗率と、前記粒子群または粉流体の平均径以下の表面粗さとを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の画像表示板の製造装置。
  5. 前記ロールおよび前記クリーナ部を、前記第2の基板の裏面側に追設したことを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
  6. 前記ラインノズルは、ライン状のスリットを有しており、該スリットは、前記第2の基板の搬送方向と直交する方向の長さ以上、かつ、前記ロールの軸方向長さ以下の長さを有するとともに、前記ロール表面と前記ラインノズル先端とが3mm以下の間隔で配置されていることを特徴とする請求項2記載の画像表示板の製造装置。
  7. 前記ロールは、前記第2の基板の搬送方向長さよりも長い外周長を有することを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
  8. 請求項1〜7の何れか1項記載の画像表示板の製造装置を用いて、前記隔壁の上部に付着した粒子群または粉流体を除去しながら画像表示板を製造することを特徴とする画像表示板の製造方法。
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