JP2007121442A - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板1,2間の隔壁4により形成された複数のセル内に表示媒体3を封入し、表示媒体3に電界を付与することによって表示媒体3を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルを製造する際には、セルを形成した基板1の搬送方向(矢印A方向)と直交する幅方向(矢印B方向)の長さ以上の軸方向長さを有し隔壁4の上部と接触するように配置されたロール11と、ロール11に転写された表示媒体3を掻き取るためにロール11の近傍に配置されたブラシ12と、ブラシ12によって掻き取った表示媒体3を除去するためにブラシ12の近傍に配置されたクリーナ13とを用いて、隔壁上部に付着した表示媒体3を除去する表示媒体除去工程を用いて情報表示用パネルを製造する。
【選択図】図4
Description
その対策として、本願出願人は、先に、隔壁の上部に乗った表示媒体を転写するロール(例えば導電性ゴムロール)と、ロールに転写された表示媒体を除去するクリーナ(例えばラインクリーナ)とを用いて、隔壁(リブ)の上部に乗った表示媒体を除去する装置および方法を提案済みである。
図2に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2に示す例では、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。また、図2において、手前にある隔壁は省略している。
図3に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する1種の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3に示す例では、基板1、2の間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。また、図3において、手前にある隔壁は省略している。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
a)ロール11の軸方向長さの全域に亘って表示媒体を除去するための均一な吸引力を発生させるためには、ラインクリーナ13のラインノズル13aのノズル形状を、基板1の搬送方向と直交する幅方向に細長いライン形状とする必要がある。
b)ロール11が完全な絶縁体で全く導電性を有していない場合には、ロール11が接触剥離により帯電してしまい、この帯電により、異なる極性に帯電したセル内に充填されている表示媒体まで除去されてしまう。
c)ロール表面の粗さが荒いと、隔壁上の表示媒体の取り残し量が増加する。
d)ロール11の方が隔壁4よりも表面硬度が硬い(弾性率が大きい)と、隔壁4を損傷させるおそれがある。
e)基板の投入枚数が増えるに従って、ロール11上に転写された表示媒体を除去するラインクリーナ13の表示媒体除去効率が低下するため、その対策が必要である。
以上を考慮して、本発明の表示媒体除去工程で用いる装置は、図4(a),(b)に示すように、ロール11、ブラシ12、ラインクリーナ13および保護板14により構成するものとする。
上記ブラシ12がスポンジ製ブラシである場合、「スポンジのセル径」、「ロール状ブラシの径」、「スポンジの硬度(F硬度)」、「スポンジの材質」、「ブラシの構造」が重要である。「スポンジのセル径」、「スポンジの硬度(F硬度)」としては、プリンタ等のOA機器に用いられるトナー供給用のスポンジローラを構成する数値パラメータが好適な数値範囲であり、例えば、F硬度:50〜100度、セル径:100〜1000μm程度が好ましい。上記ブラシ12がスポンジ製ブラシである場合のブラシ構造としては、例えば図5(b)に示すように、芯ローラ12aを無垢材料製とし、ローラ表面12cをスポンジ材料で構成した二重構造が、粒子掻き取り効率が向上するため、好ましい。この場合、表面に配置するスポンジは連通構造のものであることが好ましい。
表示媒体充填工程で、隔壁で仕切られたセル内に表示媒体が充填され、隔壁上に余剰の表示媒体が載った基板1が、表示媒体除去工程に移動され、図4(a)に示した装置を用いて、隔壁上に載った余剰の表示媒体が除去される。具体的には、セル内に表示媒体3を充填した基板1を図4(a)に示すように矢印A方向に搬送し、それと同時に、ロール11を矢印C方向に回転させるとともに、ブラシ12およびラインクリーナ13を動作させる。これにより、隔壁4上に乗った不要な表示媒体3は、ロール11に転写され、ロール11の上部においてブラシ12によって掻き取られた後、吸引部13bからの吸引力によりラインノズル13のラインノズル13aのスリットから吸引され、吸引部14に吸引除去されて回収される。
さらに、本発明の情報表示用パネルの製造方法を用いて隔壁4の上部に付着した表示媒体3を除去しながら情報表示用パネルを製造することにより、短時間で効率良く隔壁4上の表示媒体3を除去することができるので、隔壁上部の表示媒体の残留による2枚の基板の接着不良が激減することになり、安定した品質の情報表示用パネルを製造することができるようになる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図7に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
情報表示用パネルを製造するために配した表示媒体除去工程では、図4(a),(b)に示す、ロール11、ブラシ12、クリーナ13および保護板14から成る装置を用いた。その際、ロール11としては、導電性ゴムロールであり表面硬度がJIS−A硬度にて70度を有するロールを用い、ブラシ12として毛製ブラシ(ブラシ材質は、線径0.075mmのナイロン66を使用した)を用いるとともに、クリーナ13としては、(株)伸興製の「UVU−F TYPE フラットパネル用超音波ドライクリーナ」を用いた。ロール11の表面抵抗率の測定は、株式会社ダイアインスツルメンツ製の「ハイレスタUP MCP−HT型 装置」と、縮小サンプル用プローブ(MCP−HTP15)とを用い、ロールの表面にプローブを押し当てて行った。本実施例で用いたロール11の表面抵抗率は、3.0×105 (Ω/□)であった。
なお、上記情報表示用パネルの作製は、図8に例示するような6個所のパネル表示領域を有する1枚の多面取り用のマザー基板15から6枚の基板1が取れるため、1枚の多面取り用のマザー基板15およびこれと同様の1枚の多面取り用のマザー基板(基板2用)から6枚の情報表示用パネルが作製されることになる。
図4(a),(b)に示す表示媒体除去工程で用いる装置からブラシ12および保護板14を省略した構成の装置を用いるとともに、基板投入枚数が増えるに従ってクリーニング回数を増加させるようにしたこと以外は、上記実施例と同様にして情報表示用パネルを作製した。
すなわち、ブラシ12と、保護板14とを有する表示媒体除去用装置を用いた本発明の実施例では、ブラシ12と、保護板14とを有していない表示媒体除去用装置を用いた従来の表示媒体除去工程による比較例に比べて、接着不良ムラ発生数を激減させることができた(接着不良ムラ発生数の総合計が比較例の約1/10に減少し、基板1枚あたりの平均接着不良ムラ発生数が比較例の8.22から0.9に減少した)。その上、実施例では、基板投入枚数の増加に拘わらず常にクリーニング回数を一定にしているたため、総合計クリーニング回数を比較例の半分に低減することができ、短時間で効率良く安定した品質の情報表示用パネルを作製することができた。
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 ロール
12 ブラシ
12a 芯ローラ
12b 毛
12c ローラ表面
13 ラインクリーナ
13a ラインノズル
13b 吸引部
14 保護板
15 マザー基板
Claims (4)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造工程として、少なくとも表示媒体を前記セル内に充填する表示媒体充填工程と余剰の表示媒体を除去する表示媒体除去工程とを有する情報表示用パネルの製造方法であって、
前記表示媒体除去工程が、前記セルを形成した基板の搬送方向と直交する幅方向の長さ以上の軸方向長さを有するとともに前記隔壁の上部と接触するように配置されたロールと、該ロールに転写された表示媒体を掻き取るためにロール近傍に配置されたブラシと、該ブラシによって掻き取った表示媒体を除去するためにブラシ近傍に配置されたクリーナとを用いて、前記隔壁の上部に付着した表示媒体を除去する表示媒体除去工程であることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記ブラシは、毛製ブラシであることを特徴とする請求項1記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記ブラシは、スポンジ製ブラシであることを特徴とする請求項1記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記ロールの表面は弾性体で覆われており、該弾性体は、前記隔壁の弾性率より小さい弾性率と、1×109 (Ω/□)以下の表面抵抗率と、前記表示媒体を構成する粒子の平均粒子径以下の表面粗さとを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の情報表示用パネルの製造方法。
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