JP4902947B2 - 画像表示板の製造装置およびそれを用いた画像表示板の製造方法 - Google Patents
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本発明は、上記画像表示板の製造装置を用いて、粒子群または粉流体の供給量を適切に制御することにより基板上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量が所望の散布量に近付くように画像表示板を製造する、画像表示板の製造方法を提供することを第2の目的とする。
まず、第2の基板としての基板1の表面に、ITO電極からなるストライプ状の電極(図示せず)をパターニングして設ける。次に、基板1の電極上に表示セルを画成する格子状または網目状の隔壁4を形成する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍より小さいと表示上の制御が難しくなり、また、12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまうなどの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側から測定する。具体的には、直径(内径)6cm、高さ10cmのポリプロピレン製の蓋付き容器(商品名アイボーイ:アズワン(株)製)に、未浮遊時の粉流体として1/5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、6cmの距離を3往復/secで3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ体積とする。
V10/V5>0.8
ここで、V5 は最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm3 )、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm3 )を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/V5 が0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/V5 が0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、粒子群(あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分(図示せず)を除いた、いわゆる粒子群(あるいは粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、粒子群あるいは粉流体の充填、基板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における粒子群又は粉流体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には粒子又は粉流体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
図4の構成の画像表示板の製造装置を用いて、粒子群または粉流体の供給量のフィードバック制御を行いながら、以下の工程により、画像表示板を製造した。基板としては、大きさが全て同じものであり、基板面積も同一のものを用いた。
[1] まず、図4に示す画像表示板の製造装置の電子天秤11を用いて、粒子群または粉流体の散布前の基板1の重量を計測して、得られた基板1の重量データをデータ転送部12によってデータ保持演算部18に転送しておいた。その後、粒子群または粉流体の散布前の基板1を、散布槽15内のステージ19上にセットしておいた。
[2] この状態で、供給量計測制御部17からの指令に基づく所定の供給量に近付くように、供給箱13から搬送管14および散布ノズル16を介して散布槽15内に白色の粒子群または粉流体を噴霧することにより、ステージ19上の基板1の表示セル内に、所定量の白色の粒子群または粉流体3を散布(充填)した。次に、基板1を電子天秤11まで移送して、そこで白色の粒子群または粉流体3の散布後の基板1の重量を計測し、得られた基板1の重量データをデータ転送部12によってデータ保持演算部18に転送しておいた。その後、データ保持演算部18で、白色の粒子群または粉流体の散布前後の基板1の重量変化を演算した。
フィードバック後の供給量=(直前3回分の供給量の平均値)×(目標散布面密度)/ (直前3回分の重量変化の平均値)×(基板面積) −(1)
によって演算によって求め、得られたフィードバック後の供給量に関するデータを供給量計測制御部17に転送しておいた。
[5] その後、黒色の粒子群または粉流体についても、上記[1] 〜[4] の工程を繰り返すことにより、供給量のフィードバック制御を行いながら、1枚目〜50枚目の基板1に対して黒色の粒子群または粉流体を散布した。
なお、上述した粒子群または粉流体の供給量のフィードバック制御は、供給量計測制御部17において供給量を計測制御するためのパラメータとして、粒子群または粉流体を供給する供給箱13からの吐出速度と、粒子群または粉流体の散布時間とを用いて、吐出速度および前記散布時間の少なくとも一方をフィードバック制御することによって行うものとする。
(散布密度比)=(実際の基板上の散布面密度/目標散布面密度)
を表わしている。
上記は粒子群について行った結果を説明したが、白色の粉流体および黒色の粉流体にて同様の実験を行ったところ、ほぼ同じ結果を得た。
3 粒子、粉流体
3W 白色粒子、白色粉流体
3B 黒色粒子、黒色粉流体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 電子天秤
12 データ転送部
13 供給箱(供給手段)
14 搬送管
15 散布槽
16 散布ノズル
17 供給量計測制御部
18 データ保持演算部
19 ステージ
Claims (4)
- 少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を、前記第2の基板の隔壁により画成された表示セル内に粒子群または粉流体を散布した後、前記第1の基板を前記第2の基板の隔壁上に重ね合わせて製造する、画像表示板の製造装置であって、前記第2の基板の重量を計測する電子天秤と、該電子天秤によって計測した前記第2の基板の重量データを転送するデータ転送部と、粒子群または粉流体の供給量を計測制御する供給量計測制御部と、前記データ転送部から転送された重量データおよび前記供給量計測制御部が供給した粒子群または粉流体の供給量データを保持および演算するデータ保持演算部とを具備し、粒子群または粉流体の散布前後の前記第2の基板の重量変化に基づいて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するにあたり、連続的に計測した少なくとも2回以上の重量変化および対応する粒子群または粉流体の供給量の平均値を用いて、粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するようにし、さらに、粒子群または粉流体の供給量を計測制御するためのパラメータとして、粒子群または粉流体を供給する供給手段からの吐出速度と、粒子群または粉流体の散布時間とを用いるとともに、前記吐出速度および前記散布時間の少なくとも一方をフィードバック制御するようにしたことを特徴とする画像表示板の製造装置。
- 粒子群または粉流体の散布時に、粒子群または粉流体を搬送する媒体が気体であることを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
- 前記電子天秤は、粒子群または粉流体を散布する散布槽の外部に設置されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示板の製造装置。
- 請求項1〜3の何れか1項記載の画像表示板の製造装置を用いて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御しながら画像表示板を製造することを特徴とする画像表示板の製造方法。
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