JP4902947B2 - 画像表示板の製造装置およびそれを用いた画像表示板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を散布して封止する構造の画像表示板を製造する画像表示板の製造装置および、それを用いた画像表示板の製造方法に関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる画像表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた画像表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリ機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な画像表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用画像表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に、最近では、分散粒子と着色溶液とから成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式(例えば、非特許文献1参照)が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、画像繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方式は、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、表面に電極部を形成した第1の基板と表面に電極部を形成するとともに表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを、互いの電極部が向かい合うように重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を散布して封止する構造の画像表示板を具備する画像表示装置が知られている。
このような画像表示装置においては、良好な表示性能を得るために、基板上に画成された表示セル内に散布する粒子群または粉流体の供給量を適切に制御する必要があるが、従来の画像表示装置ではLCD用のスペーサ散布装置を流用していたため、以下の問題が生じていた。すなわち、LCD用のスペーサ散布において散布するスペーサ粒子は供給量(散布量)が少なくて面密度も低いため、光学測定および画像処理によって散布したスペーサ粒子の面密度を測定して、得られた測定値に基づいて次回に散布するスペーサ粒子の供給量を決定していたが、このLCD用のスペーサ散布装置を画像表示板の表示セル内に粒子群または粉流体を散布する工程に用いた場合には、粒子群または粉流体の供給量(散布量)が格段に多く、かつ、基板垂直方向において重なり合う粒子群または粉流体も多々あることから、光学測定による粒子群または粉流体の供給量の決定が困難であり、したがって、散布する粒子群または粉流体の供給量の正確な制御ができなかった。
例えば、供給手段から散布槽内の基板上に粒子群または粉流体を散布するように構成した画像表示板の製造装置を用いる場合には、供給手段に接続されるとともに散布槽内に突出するように配置された散布ノズルから吐出された粒子群または粉流体は、全てが基板上に堆積するわけではなく、散布槽の内壁にも付着するため、散布槽の内壁に付着した粒子群または粉流体の付着量に応じて基板上の粒子群または粉流体の散布量が変化することになる。その際、仮に、粒子群または粉流体の供給量を一定量に制御したとしても、散布槽の内壁が粒子群または粉流体の付着により汚れていた場合には基板上の粒子群または粉流体の散布量が相対的に増加し、散布槽の内壁が汚れていない場合には基板上の粒子群または粉流体の散布量が相対的に減少する。よって、粒子群または粉流体の供給量を一定に制御する条件で粒子群または粉流体を散布した場合であっても、基板上に実際に散布される粒子群または粉流体の散布量は基板の投入枚数に応じて時々刻々と変化するので、同一散布量で粒子群または粉流体を散布することにはならない。その結果、画像表示板およびそれを用いた画像表示装置の表示性能のバラツキが増大してしまい、粒子群または粉流体の散布量が過多になった場合には、粒子群または粉流体が密になり過ぎて粒子群または粉流体の駆動が困難になり、表示不良を招くおそれがある。
本発明は、粒子群または粉流体の供給量を適切に制御することにより基板上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量が所望の散布量に近付くようにした画像表示板の製造装置を提供することを第1の目的とする。
本発明は、上記画像表示板の製造装置を用いて、粒子群または粉流体の供給量を適切に制御することにより基板上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量が所望の散布量に近付くように画像表示板を製造する、画像表示板の製造方法を提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を、前記第2の基板の隔壁により画成された表示セル内に粒子群または粉流体を散布した後、前記第1の基板を前記第2の基板の隔壁上に重ね合わせて製造する、画像表示板の製造装置であって、前記第2の基板の重量を計測する電子天秤と、該電子天秤によって計測した前記第2の基板の重量データを転送するデータ転送部と、粒子群または粉流体の供給量を計測制御する供給量計測制御部と、前記データ転送部から転送された重量データおよび前記供給量計測制御部が供給した粒子群または粉流体の供給量データを保持および演算するデータ保持演算部とを具備し、粒子群または粉流体の散布前後の前記第2の基板の重量変化に基づいて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するにあたり、連続的に計測した少なくとも2回以上の重量変化および対応する粒子群または粉流体の供給量の平均値を用いて、粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するようにし、さらに、粒子群または粉流体の供給量を計測制御するためのパラメータとして、粒子群または粉流体を供給する供給手段からの吐出速度と、粒子群または粉流体の散布時間とを用いるとともに、前記吐出速度および前記散布時間の少なくとも一方をフィードバック制御するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の画像表示板の製造装置の好適例としては、第2発明〜第発明に記載の如く、粒子群または粉流体の散布時に、粒子群または粉流体を搬送する媒体が気体であること、および、前記電子天秤は、粒子群または粉流体を散布する散布槽の外部に設置されていること、がある。
上記第2の目的を達成するため、第発明の画像表示板の製造方法は、第1発明〜第発明の何れかの画像表示板の製造装置を用いて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御しながら画像表示板を製造することを特徴とする。
上記構成の第1発明の画像表示板の製造装置によれば、少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を、前記第2の基板の隔壁により画成された表示セル内に粒子群または粉流体を散布した後、前記第1の基板を前記第2の基板の隔壁上に重ね合わせて製造する、画像表示板の製造装置であって、前記第2の基板の重量を計測する電子天秤と、該電子天秤によって計測した前記第2の基板の重量データを転送するデータ転送部と、粒子群または粉流体の供給量を計測制御する供給量計測制御部と、前記データ転送部から転送された重量データおよび前記供給量計測制御部が供給した粒子群または粉流体の供給量データを保持および演算するデータ保持演算部とを具備し、粒子群または粉流体の散布前後の前記第2の基板の重量変化に基づいて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するにあたり、連続的に計測した少なくとも2回以上の重量変化および対応する粒子群または粉流体の供給量の平均値を用いて、粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するようにし、さらに、粒子群または粉流体の供給量を計測制御するためのパラメータとして、粒子群または粉流体を供給する供給手段からの吐出速度と、粒子群または粉流体の散布時間とを用いるとともに、前記吐出速度および前記散布時間の少なくとも一方をフィードバック制御するようになっているので、後に詳述する実施例から明らかなように、基板上の粒子群または粉流体の散布量は所望の散布量に収束することになる。したがって、粒子群または粉流体の供給量を適切に制御することにより基板上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量が所望の散布量に近付くようにした画像表示板の製造装置を提供することができ、この画像表示板の製造装置によって、表示不良の無い、安定した表示品質の画像表示板を製造することができる。
上記構成の第発明の画像表示板の製造方法によれば、第1発明〜第発明の何れかの画像表示板の製造装置を用いて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御しながら画像表示板を製造するので、粒子群または粉流体の供給量を適切に制御することにより基板上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量が所望の散布量に近付くように画像表示板を製造する画像表示板の製造方法を提供することができ、この画像表示板の製造方法によって、表示不良の無い、安定した表示品質の画像表示板を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の対象となる画像表示板の基本的な構成について説明する。本発明で用いる画像表示板では、対向する2枚の基板間に封入した粒子群または粉流体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、高電位側に向かっては低電位に帯電した粒子群または粉流体がクーロン力などによって引き寄せられ、また、低電位側に向かっては高電位に帯電した粒子群または粉流体がクーロン力などによって引き寄せられ、それら粒子群または粉流体が電位の切替による電界方向の変化によって往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、粒子群または粉流体が、均一に移動し、かつ、繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、画像表示板を設計する必要がある。ここで、粒子または粉流体にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
次に、上述した画像表示板の基本的な構成における画像表示動作について説明する。本発明で用いる画像表示板は、一例として2種の色の異なる粒子3(図1参照、ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を基板1、2と垂直方向に移動させることによる表示方式に用いる画像表示板と、1種の色の粒子3W(図2参照)を基板1、2と平行方向に移動させることによる表示方式を用いる画像表示板とのいずれへも適用できる。表示のための表示板構造例を図3に示す。なお、図1〜図3において、4はセルを形成するために設ける隔壁、5、6は粒子3に電界を与えるため必要に応じて設けられる電極である。以上の説明は、白色粒子3Wは白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
以下、本発明の特徴となる画像表示板の製造装置について詳細に説明する。図4は本発明の画像表示板の製造装置の一例の構成を示す図である。本発明の画像表示板の製造装置は、基板上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量を所望の散布量に制御する機能を有しており、基板の重量を計測する電子天秤11と、電子天秤11によって計測した基板の重量データを転送するデータ転送部12と、気体(この場合、空気)を介して粒子群または粉流体を搬送して供給する供給手段である供給箱13と、供給箱13に搬送管14を介して接続され、散布槽15内に突出する散布ノズル16と、供給箱13から搬送管14および散布ノズル16を介して散布槽15内の基板上に散布する粒子群または粉流体の供給量を計測制御する供給量計測制御部17と、データ転送部12から転送された重量データおよび供給量計測制御部17が供給した粒子群または粉流体の供給量データを保持および演算するデータ保持演算部18とを具備して成る。図4において、電子天秤11は、粒子群または粉流体を散布する散布槽15の外部に設置されている。
次に、本発明の画像表示板の製造装置を用いて画像表示板を製造する、画像表示板の製造方法の一例について、図4に基づいて説明する。
まず、第2の基板としての基板1の表面に、ITO電極からなるストライプ状の電極(図示せず)をパターニングして設ける。次に、基板1の電極上に表示セルを画成する格子状または網目状の隔壁4を形成する。
次に、図4に示す画像表示板の製造装置を用いて、後に詳述する実施例のようにして、粒子群または粉流体3の散布前後の基板1の重量変化に基づいて、次回の散布工程において実際に散布する粒子群または粉流体3の散布量が所望の散布量(目標散布量)に近付くように、供給量計測制御部17によって粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御する。
次に、隔壁4上の不要な粒子群または粉流体3を除去する。その後、表示側の第1の基板としての基板(図示せず)を、粒子群または粉流体3を表示セル内に充填した基板1に対して重ね合わせ接着して、粒子群または粉流体3を表示セル内に封止する。以上により、本発明の画像表示板を作製することができる。
本発明の画像表示板の製造装置によれば、上述したように粒子群または粉流体の散布工程において粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御を行うことにより、基板1上に画成された表示セル内に散布される粒子群または粉流体の散布量を所望の散布量に収束させることができるので、この画像表示板の製造装置によって、表示不良の無い、安定した表示品質の画像表示板を製造することができる。
なお、上記フィードバック制御は、散布する粒子群または粉流体として白色粒子および黒色粒子を用い、白色粒子の散布工程と黒色粒子の散布工程とを別々に実施する場合の、それぞれの散布工程に適用するものとするが、散布する粒子群または粉流体として白色粒子および黒色粒子を用い、白色粒子の散布工程と黒色粒子の散布工程とを同時に実施する場合の散布工程にも適用することもできる。
以下、本発明の対象となる画像表示板を構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は装置外側から粒子または粉流体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜700μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、画像表示板を薄型化する場合に不都合がある。
基板に電極を設ける場合の電極5、6については、視認側であり透明である必要のある基板2側に設ける電極6は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウム、金、銀、銅などの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。基板1側に設ける電極5の材質や厚みなどは上述した電極6と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
隔壁4については、その形状は表示にかかわる粒子群あるいは粉流体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜5000μm、好ましくは10〜200μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成される表示セルは、図7に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状が例示される。表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法が好適に用いられる。
次に、本発明の対象となる画像表示板で用いる粒子について説明する。粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明で用いる粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜50μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
さらに、本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、画像表示用パネルにおける粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に2種類の粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、それぞれの粒子の帯電量測定を行うことにより、2種類の粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
測定方法について詳しくは後に述べるが、ブローオフ法によって、粒子とキャリア粒子とを十分に接触させ、その飽和帯電量を測定することにより該粒子の単位重量あたりの帯電量を測定することができる。そして、該粒子の平均粒子径と比重を別途求めることにより、該粒子のもつ表面電荷密度としてその帯電量を算出することができる。
次に、本発明の対象となる画像表示板で用いる粉流体について説明する。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の画像表示装置で固体状物質を分散質とするものである。
本発明の対象となる画像表示板は、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
エアロゾル状態の範囲は、粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍以上であることが好ましく、更に好ましくは2.5倍以上、特に好ましくは3倍以上である。上限は特に限定されないが、12倍以下であることが好ましい。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍より小さいと表示上の制御が難しくなり、また、12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまうなどの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側から測定する。具体的には、直径(内径)6cm、高さ10cmのポリプロピレン製の蓋付き容器(商品名アイボーイ:アズワン(株)製)に、未浮遊時の粉流体として1/5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、6cmの距離を3往復/secで3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ体積とする。
また、本発明では、粉流体の見かけ体積の時間変化が次式を満たすものが好ましい。
10/V>0.8
ここで、Vは最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm)、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm)を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/Vが0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/Vが0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
また、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径(d(0.5))は、好ましくは0.1〜20μm、更に好ましくは0.5〜15μm、特に好ましくは0.9〜8μmである。0.1μmより小さいと表示上の制御が難しくなり、20μmより大きいと、表示上の鮮明さに欠けるようになる。なお、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径(d(0.5))は、次の粒子径分布Spanにおけるd(0.5)と同様である。
粉流体を構成する粒子物質は、下記式に示される粒子径分布Spanが5未満であることが好ましく、更に好ましくは3未満である。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
なお、以上の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粉流体にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。この粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られる。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.) 測定機を用いて、窒素気流中に粉流体を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、測定を行うことができる。
粉流体の作製は、必要な樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕しても、モノマーから重合しても、既存の粒子を樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤でコーティングしても良い。以下、粉流体を構成する樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂などが挙げられ、2種以上混合することもでき、特に、基板との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。
荷電制御剤の例としては、正電荷付与の場合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体などが挙げられる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブリー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
さらに、本発明においては基板間の粒子群あるいは粉流体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、粒子群(あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分(図示せず)を除いた、いわゆる粒子群(あるいは粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、粒子群あるいは粉流体の充填、基板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の画像表示板における基板と基板との間隔は、粒子群又は粉流体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常5〜5000μm、好ましくは10〜500μmに調整される。
対向する基板間の空間における粒子群又は粉流体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には粒子又は粉流体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明の実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
<実施例1>
図4の構成の画像表示板の製造装置を用いて、粒子群または粉流体の供給量のフィードバック制御を行いながら、以下の工程により、画像表示板を製造した。基板としては、大きさが全て同じものであり、基板面積も同一のものを用いた。
[1] まず、図4に示す画像表示板の製造装置の電子天秤11を用いて、粒子群または粉流体の散布前の基板1の重量を計測して、得られた基板1の重量データをデータ転送部12によってデータ保持演算部18に転送しておいた。その後、粒子群または粉流体の散布前の基板1を、散布槽15内のステージ19上にセットしておいた。
[2] この状態で、供給量計測制御部17からの指令に基づく所定の供給量に近付くように、供給箱13から搬送管14および散布ノズル16を介して散布槽15内に白色の粒子群または粉流体を噴霧することにより、ステージ19上の基板1の表示セル内に、所定量の白色の粒子群または粉流体3を散布(充填)した。次に、基板1を電子天秤11まで移送して、そこで白色の粒子群または粉流体3の散布後の基板1の重量を計測し、得られた基板1の重量データをデータ転送部12によってデータ保持演算部18に転送しておいた。その後、データ保持演算部18で、白色の粒子群または粉流体の散布前後の基板1の重量変化を演算した。
[3] 以上の白色の粒子群または粉流体の散布工程を3回繰り返して1枚目〜3枚目の基板1に対して白色の粒子群または粉流体を散布した後に、3回分の重量変化の平均値および3回分の供給量の平均値を演算した。その後、フィードバック後の供給量を、次式
フィードバック後の供給量=(直前3回分の供給量の平均値)×(目標散布面密度)/ (直前3回分の重量変化の平均値)×(基板面積) −(1)
によって演算によって求め、得られたフィードバック後の供給量に関するデータを供給量計測制御部17に転送しておいた。
[4] そのフィードバック後の供給量を設定値として用いて、4枚目の基板1に対して白色の粒子群または粉流体を散布した。以下、同一設定値を用いて同様の工程を繰り返すことにより、5枚目〜50枚目の基板1に対して白色の粒子群または粉流体を散布した。
[5] その後、黒色の粒子群または粉流体についても、上記[1] 〜[4] の工程を繰り返すことにより、供給量のフィードバック制御を行いながら、1枚目〜50枚目の基板1に対して黒色の粒子群または粉流体を散布した。
なお、上述した粒子群または粉流体の供給量のフィードバック制御は、供給量計測制御部17において供給量を計測制御するためのパラメータとして、粒子群または粉流体を供給する供給箱13からの吐出速度と、粒子群または粉流体の散布時間とを用いて、吐出速度および前記散布時間の少なくとも一方をフィードバック制御することによって行うものとする。
次に、隔壁4上の不要な粒子群または粉流体3を除去した後に、第1の基板(図示せず)を、粒子群または粉流体3を表示セル内に充填した基板1に対して重ね合わせ接着して、粒子群または粉流体3を表示セル内に封止して、本発明の画像表示板を作製した。
以上の工程により作製された画像表示板は、白色の粒子群散布時には図5の散布密度比変化となり、黒色の粒子群散布時には図6の散布密度比変化となった。ここで、白色粒子群散布時も黒色粒子群散布時も共通している点としては、上記粒子群の供給量のフィードバック制御を行った場合には、散布密度比がほぼ1付近に集中して、ばらつき範囲は10%未満となり、表示不良は発生しなかったが、上記フィードバック制御を行わなかった場合には、基板の投入枚数の20枚目〜30枚目程度で、目標散布面密度に対して実際の散布量が10%以上増えて散布密度比が1.1を越えてしまい、表示不良を招くような散布量の変動が生じた。なお、図5、図6中の散布密度比は、
(散布密度比)=(実際の基板上の散布面密度/目標散布面密度)
を表わしている。
上記は粒子群について行った結果を説明したが、白色の粉流体および黒色の粉流体にて同様の実験を行ったところ、ほぼ同じ結果を得た。
本実施例によれば、基板1の重量変化に基づいて次回の散布工程において実際に散布する粒子群または粉流体3の散布量が所望の散布量(目標散布量)に近付くように、供給量計測制御部17によって粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するように構成したため、表示不良の無い、安定した表示品質の画像表示板を製造することが可能になった。
本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板は、画像ムラがなく、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板における駆動方法の一例を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板における駆動方法の他の例を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板の構造の一例を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置の一例の構成を示す図である。 第1実施例の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板の基板の白粒子散布時の散布密度比変化を示す図である。 第1実施例の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板の基板の黒粒子散布時の散布密度比変化を示す図である。 本発明の画像表示板の製造装置を用いて製造した画像表示板における隔壁の形状の一例を示す図である。
符号の説明
1,2 基板
3 粒子、粉流体
3W 白色粒子、白色粉流体
3B 黒色粒子、黒色粉流体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 電子天秤
12 データ転送部
13 供給箱(供給手段)
14 搬送管
15 散布槽
16 散布ノズル
17 供給量計測制御部
18 データ保持演算部
19 ステージ

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する基板であって、第1の基板と表面に表示セルを画成する隔壁を形成した第2の基板とを重ね合わせ、その間に粒子群または粉流体を封止する構造の画像表示板を、前記第2の基板の隔壁により画成された表示セル内に粒子群または粉流体を散布した後、前記第1の基板を前記第2の基板の隔壁上に重ね合わせて製造する、画像表示板の製造装置であって、前記第2の基板の重量を計測する電子天秤と、該電子天秤によって計測した前記第2の基板の重量データを転送するデータ転送部と、粒子群または粉流体の供給量を計測制御する供給量計測制御部と、前記データ転送部から転送された重量データおよび前記供給量計測制御部が供給した粒子群または粉流体の供給量データを保持および演算するデータ保持演算部とを具備し、粒子群または粉流体の散布前後の前記第2の基板の重量変化に基づいて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するにあたり、連続的に計測した少なくとも2回以上の重量変化および対応する粒子群または粉流体の供給量の平均値を用いて、粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御するようにし、さらに、粒子群または粉流体の供給量を計測制御するためのパラメータとして、粒子群または粉流体を供給する供給手段からの吐出速度と、粒子群または粉流体の散布時間とを用いるとともに、前記吐出速度および前記散布時間の少なくとも一方をフィードバック制御するようにしたことを特徴とする画像表示板の製造装置。
  2. 粒子群または粉流体の散布時に、粒子群または粉流体を搬送する媒体が気体であることを特徴とする請求項1記載の画像表示板の製造装置。
  3. 前記電子天秤は、粒子群または粉流体を散布する散布槽の外部に設置されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示板の製造装置。
  4. 請求項1〜の何れか1項記載の画像表示板の製造装置を用いて、次回に散布する粒子群または粉流体の供給量をフィードバック制御しながら画像表示板を製造することを特徴とする画像表示板の製造方法。
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