JP2005249990A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 適切なタイミングで放電検知動作を行うことによって、放電検知動作に起因する弊害を防ぎ、しかも、画像形成動作時における放電の発生を確実に防止する。
【解決手段】 現像器または感光体カートリッジが装着され、現像ローラと感光体とのギャップの大きさが変動したときに、装着後動作を実行する。装置の稼動状況(例えば機内温度、湿度)に応じて定めた放電検知条件で放電検知動作を行い(ステップS101,S102)、その結果から、放電が起こらないバイアス値の範囲を設定する(ステップS103)。こうして求めた範囲内で所望の画像濃度を得られる最適値を算出する(ステップS104)。
【選択図】 図5
【解決手段】 現像器または感光体カートリッジが装着され、現像ローラと感光体とのギャップの大きさが変動したときに、装着後動作を実行する。装置の稼動状況(例えば機内温度、湿度)に応じて定めた放電検知条件で放電検知動作を行い(ステップS101,S102)、その結果から、放電が起こらないバイアス値の範囲を設定する(ステップS103)。こうして求めた範囲内で所望の画像濃度を得られる最適値を算出する(ステップS104)。
【選択図】 図5
Description
この発明は、静電潜像を担持する潜像担持体とトナーを担持するトナー担持体とを対向配置し、トナー担持体に交流成分を含む現像バイアスを印加することで静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
この種の画像形成装置においては、潜像担持体とトナー担持体との間で放電を生じ、画像品質が劣化することがある。そこで、このような放電の発生を未然に防止するための技術が従来より提案されている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成動作に先立って、感光体ドラム(潜像担持体)と現像ローラ(トナー担持体)との間で放電が発生する現像用バイアス電圧の大きさを検出する。具体的には、種々の電圧値の現像用バイアス電圧を現像ローラに印加し、放電に起因して感光体ドラム上に現れるリーク画像を検出することで、放電が発生したことを検知する。そして、放電が発生しない電圧値に現像用バイアスを設定して画像形成動作を実行することによって、画像形成動作時に放電が発生し画像品質が劣化することを防止している。
このような放電検知動作が画像形成動作の度に行われたのでは、最初の画像が形成されるまでに時間がかかってしまいユーザにとって不都合である。また、放電検知動作を実行した際に潜像担持体とトナー担持体との間で放電が発生すると、トナー担持体の表面からトナーが飛散して装置内部を汚染したり、装置にダメージを与えるおそれがある。したがって、放電検知動作の実行頻度はできるだけ低く抑えるのが好ましい。
そこで、放電検知動作に起因する弊害を防ぎつつ、しかも、画像形成動作時における放電の発生を確実に防止するためには、放電検知動作を如何なるタイミングで実行するかが重要となる。しかしながら、従来の技術においては、この点についての考慮がなされておらず、放電検知動作の実行タイミングについて改善の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、適切なタイミングで放電検知動作を行うことによって、放電検知動作に起因する弊害を防ぎ、しかも、画像形成動作時における放電の発生を確実に防止することを目的とする。
トナー担持体と潜像担持体との間に放電が起こるか否かは、両者間の電位差およびそれらの位置関係と相関性がある。すなわち、両者が近接していれば比較的小さな電位差でも放電は発生し、大きく離隔していれば大きな電位差を与えないと放電は起こらない。したがって、トナー担持体と潜像担持体との間の電位差が同じであっても、両者の位置関係に変動があれば放電の起きやすさも変動することとなる。要するに、トナー担持体と潜像担持体との位置関係に変化があった場合には、放電を防止するため両者に与える電位を再調整する必要があり、位置関係に変化がなければこのような調整の必要は必ずしもない。
そこで、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、静電潜像を担持可能な潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体と、前記潜像担持体に対向する対向位置に位置決めされた前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記対向位置における前記潜像担持体と前記トナー担持体との位置関係が変動したときに、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整することを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成方法は、上記目的を達成するため、静電潜像を担持可能な潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体とを対向配置させるとともに、前記トナー担持体に対し交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成方法において、前記潜像担持体と前記トナー担持体との位置関係が変動したときに、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて画像形成条件を調整することを特徴としている。
このように構成された発明では、トナー担持体と潜像担持体との位置関係が変動し、現像バイアス等の再調整が必要となったときに放電検知動作が実行され、その結果に基づいて画像形成条件が調整される。こうすることで、放電検知動作およびそれに伴う画像形成条件の調整が適切なタイミングで実行され、放電検知動作に起因する弊害を防ぎつつ、しかも、画像形成動作時における放電の発生を確実に防止することができる。
なお、この種の画像形成装置および画像形成方法には、トナー担持体と潜像担持体とがその対向位置において当接配置される接触現像方式のものと、両者が離隔配置される非接触現像方式のものとがある。非接触現像方式の場合には、トナー担持体と潜像担持体とがギャップを隔てて離隔配置されており、両者の位置関係が変動すればギャップの大きさが変動し、放電の起きやすさも変化する。一方、接触現像方式の場合においても、トナー担持体と潜像担持体とが直接接触しているわけではなく、その間にトナー(絶縁物)が介在しているため両者の間にはギャップがある。また、両者が当接するニップ部以外に、その周辺の近接部で放電が起こることもある。したがって、本発明は接触、非接触いずれの現像方式においてもその効果を奏する。
上記のように構成された画像形成装置において、前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が装置本体に対し着脱自在のカートリッジに取り付けられている場合には、前記カートリッジが装着された直後に前記放電検知動作を実行するように構成されるのが望ましい。潜像担持体、トナー担持体およびこれらを備えるカートリッジの寸法ばらつきに起因して、潜像担持体とトナー担持体との位置関係はカートリッジごとに異なっている。そこで、カートリッジが装着された直後に放電検知動作を実行しておくことによって、それ以後の放電の発生を未然に防止することができる。
また、装置内部の温度および湿度の少なくとも一方を測定する測定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記放電検知動作が実行されたときの前記測定手段による測定結果に基づいて前記画像形成条件を調整するようにしてもよい。放電の起きやすさは温度や湿度などの環境の影響を受けるから、放電検知動作時の温度や湿度を画像形成条件の調整に反映させることで、環境に影響されにくい画像形成条件の設定が可能となる。
例えば、前記制御手段は、前記測定手段による測定結果に基づいて前記現像バイアスの可変範囲を設定し、該可変範囲内で前記現像バイアスを調整するようにしてもよい。こうすることで、放電の発生を確実に防止しながら、所定の画像品質を得られるように、画像形成条件を調整することができる。
また、前記制御手段は、パッチ画像としてのトナー像の濃度検出結果に基づいて前記画像形成条件を調整するようにしてもよい。このように、実際に形成したトナー像の濃度に基づいて画像形成条件の調整を行うことで、所望の画像濃度を得ることが可能である。
また、装置内部の温度および湿度の少なくとも一方を測定する測定手段を備える装置においては、前記制御手段は、前記放電検知動作を実行するときに、前記測定手段による測定結果に基づいて設定した放電検知用バイアス電圧を前記トナー担持体に印加するようにしてもよい。放電の起きやすさは温度や湿度などの環境の影響を受けるから、同じバイアス電圧を印加してもその時の状況によって放電が起きる場合と起きない場合とが生じうる。したがって、あるバイアス電圧を印加して放電が起きた(あるいは起きなかった)としても、それがバイアス電圧の設定値の適否によるものか、環境によるものか見極めることは難しい。このことは放電検知動作の実効性を阻害する要因となる。また、放電検知動作時に不用意に大きなバイアス電圧を与えて放電を発生させてしまい装置にダメージを与えることも懸念される。そこで、放電検知動作を行うときのバイアス電圧をその時の温度や湿度に応じた設定とすることで、放電検知動作時に発生しうる無用の放電を抑えつつ、しかも放電検知動作を実効のあるものとすることができる。
同様に、潜像担持体の経時的な特性の変化によっても放電の起きやすさは変化する。そこで、前記制御手段は、前記放電検知動作を実行するときに、前記潜像担持体の使用状況に応じて設定した放電検知用バイアス電圧を前記トナー担持体に印加するようにしてもよい。こうすることで、潜像担持体の特性変化に対応したバイアス電圧の下で放電検知動作が行われるので、放電検知動作が実効性のあるものとなる。
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色の帯電トナーを担持するとともに所定の現像バイアスを印加された金属製の現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。なお、この実施形態では各色のトナーはいずれも負に帯電するものとして説明するが、各部の電位を変更して正帯電トナーを使用することも可能である。
各現像器4Y、4C、4M、4Kには、当該現像器に関する情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94がそれぞれ設けられている。そして、各現像器に設けられたコネクタ49Y、49C、49M、49Kのうち必要に応じて選択された1つと、本体側に設けられたコネクタ109とが互いに接続され、エンジンコントローラ10のCPU101とメモリ91〜94との間で通信が行われる。こうすることで、各現像器に関する情報がCPU101に伝達されるとともに、各メモリ91〜94内の情報が更新記憶される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、ローラ75の近傍には、濃度センサ60およびクリーナ76が設けられている。濃度センサ60は、必要に応じ、中間転写ベルト71上に形成されるトナー像を構成するトナー量を光学的に検出する。すなわち、濃度センサ60は、トナー像に向けて光を照射するとともに該トナー像からの反射光を受光し、その反射光量に応じた信号を出力する。クリーナ76は、中間転写ベルト71に対し離当接自在に構成され、必要に応じて中間転写ベルト71に当接することで、該ベルト71上の残留トナーを掻き落とす。
また、この装置1では、装置内部の温度および湿度を測定するための温湿度センサ91が設けられている。そして、CPU101は、この温湿度センサ91による温度および湿度の測定結果を参照して装置の動作条件を設定する。その詳細については後述する。温湿度センサ91の設置位置は任意であるが、装置の機内温度を精度よく測定するため、ヒータを備える定着ユニット9から離れた位置とするのが好ましい。
さらに、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3は感光体および現像ローラに印加されるバイアス電圧を説明する図である。また、図4は感光体および現像ローラの表面電位を示す図である。感光体22は円筒状に形成された金属製のコア222と、その表面に設けられた感光性を有する表面層221とから成っており、コア222は軸受(図示省略)を介して電気的に接地されている。また、表面層221は帯電バイアス電圧Vgを印加された帯電ユニット23により帯電されている。これにより、感光体22の表面電位Vsはほぼ一様の電位Vniとなる。ただし、その表面領域のうち露光ユニット6からの光ビームLが照射され露光された画像部(トナーを付着させるべき領域)においては、その部分の電荷が中和されて表面電位Vsは画像部電位Vimとなっている。なお、露光されなかった部分の電位は依然としてVniであり、この部分はトナーを付着させない非画像部である。
一方、感光体22に対しギャップ部Gを隔てて対向配置された現像ローラ44には、直流電圧Vdcに対しピーク間電圧Vppなる矩形波交流電圧が重畳された現像バイアスVbが印加される。このため、現像ローラ44の表面電位は、図4に示すように、最高電位Vmaxと最低電位Vminとの間で時間とともに変化する。
なお、現像バイアスVbを発生する電源と現像ローラ44との間には、電流センサ121が介挿されている。電気的にフローティングされた現像ローラ44と、感光体22との間で放電が発生すると、現像ローラ44から感光体22を介してアースへ至る電流経路が形成される。このような電流を電流センサ121で検出することにより、放電の発生を検知することが可能である。すなわち、この電流センサ121は、放電を検知するためのセンサとして機能するものである。
このような電位が与えられた感光体22と現像ローラ44との間では、ギャップ部Gにおける両者の電位差が放電開始電圧を超えると放電が発生する。例えば、現像バイアスVbの最高電位Vmaxと感光体22の非画像部電位Vniとの電位差V1が放電開始電圧を超えると、現像ローラ44と感光体22の非画像部との間で放電が発生する。また、現像バイアスVbの最低電位Vminと感光体22の画像部電位Vimとの電位差V2が放電開始電圧を超えると、現像ローラ44と感光体22の画像部との間で放電が発生する。このような放電を防止するためには、両者の電位差が放電開始電圧を超えることがないように、各部に与える電位を調整する必要がある。
画像形成動作時の放電発生を防止するためには、感光体22および現像ローラ44に所定の電位を与えて放電が発生するか否かを確認する放電検知動作を事前に行うことが効果的である。このとき、検知動作の実効性を確保する、つまり放電検知動作を行うことで以後の画像形成動作における放電発生を確実に防止できるようにするとの観点から、各部の電位は、画像形成動作時よりも幾分放電を起こしやすい状態を現出するように選ばれることが望ましい。たとえ画像形成動作時と同じ条件で放電が起きないことを確認しても、周囲環境の変化等により実際の画像形成動作時に放電が発生することもありうるからである。また、画像形成動作時より放電が起きにくい条件で検知動作を行っても無意味である。しかしながら、こうして行う放電検知動作といえども、放電が発生すると装置内部にトナーが飛散したり、装置がダメージを受けるなどの弊害を招くおそれがあるため、実際にはできるだけ放電の発生を回避したい。
ギャップ部Gにおける放電の起こりやすさは、ギャップの大きさ、ギャップ部における気圧、湿度などによって変化する。このうち、最も大きく変動し放電の起こりやすさに影響を及ぼすのはギャップの大きさである。というのは、感光体22や現像ローラ44、およびそれらを保持する部品には製造上の寸法ばらつきがあり、装置に装着される感光体カートリッジ2や現像器4Y等の組合わせによってギャップの大きさは大きく変化するからである。
そこで、この実施形態では、感光体22と現像ローラ44との間のギャップ部Gの大きさが変動した可能性のあるときに、放電検知動作を行うようにしている。具体的には、各現像器4Y,4M,4C,4Kのいずれかが支持フレーム40に装着されたときには当該現像器について、また感光体カートリッジ2が装置本体に装着されたときには全ての現像器について、CPU101が図5に示す装着後動作を実行し、その工程の一部として、感光体22と現像ローラ44との間で放電が起きるか否かの検査を行う。このように、カートリッジが装着され新たなギャップ部Gが形成されたときに放電検知動作を行うことにより、新たに形成されたギャップ部Gに対応して、放電の発生を未然に防ぐバイアス設定が可能となる。また、放電検知動作の実行頻度は現像器または感光体カートリッジの交換頻度と同程度にまで抑制される。その結果、放電検知動作時の放電によるトナー飛散や装置の損傷を効果的に防止することができる。
図5は装着後動作を示すフローチャートである。この装着後動作において、CPU101は、まず装置の稼動情報を取得する(ステップS101)。この稼動情報とは装置の現在の稼動状況を示す情報であり、ここでは、温湿度センサ91により測定されCPU101に対し出力される装置の機内温度および湿度に関する情報を指している。そして、次に放電検知動作を実行する(ステップS102)。
この放電検知動作の目的は、前述したとおり、画像形成動作時の放電発生を防止することである。すなわち、画像形成動作時に現像ローラ44に与える現像バイアスVbおよび感光体22を帯電させるための帯電バイアスVgを、ギャップ部Gにおいて放電が発生しないように設定できるようにすることである。また、放電検知動作をできるだけ短時間で終了させ、しかもその間できるだけ放電が起きないようにすることも求められる。
図6は放電検知動作を示すフローチャートであり、図7は感光体の表面電位と温度との関係を示す図である。また、図8は放電検知条件の設定例を示す図である。この放電検知動作では、放電検知条件、すなわち放電検知動作を行うとき各部に与えるバイアス電圧の大きさを、先に取得した稼動情報に基づき、その時点の機内温度および湿度に応じて設定する(ステップS201)。そして、こうして定めた現像バイアスおよび帯電バイアスを現像ローラ44および帯電ユニット23にそれぞれ印加し(ステップS202)、放電に起因する電流が流れるか否かを電流センサ121(図3)で検出することにより、放電の有無を判定する(ステップS203)。
このように、この実施形態では、放電検知動作を行うとき各部に与えるバイアス電圧の大きさを、その時点の機内温度および湿度に応じて設定する。このようにする理由について説明する。前述したように、ギャップ部Gにおける放電の起きやすさはギャップの大きさ、湿度等によって変化する。また、感光体22の表面層221の電気的特性が温度により変化することに起因して、帯電・露光された感光体22の表面電位はその温度によって異なり、このことによっても放電の起きやすさは変化する。つまり、同じ大きさのバイアス電圧を印加しても、その時の温度や湿度によって、ギャップ部Gにおいて放電が起きる場合と起きない場合とがありうる。
例えば、機内温度と放電との関係について考えると、一般的な感光体材料、例えば有機感光体では、その電気抵抗は高温になるほど低下する。したがって、電荷を保持する能力は高温になるほど低下し、図7に示すように、感光体22の画像部電位Vim、非画像部電位Vniはいずれも、温度が高くなるほど小さく(ゼロ電位に近く)なる。このような材料を用いた感光体22では、現像バイアスVbの最高電位Vmaxと非画像部電位Vniとの電位差V1は、高温になるほど小さくなる。したがって、非画像部での放電は高温になるほど起きにくくなる。これに対して、現像バイアスVbの最低電位Vminと画像部電位Vimとの電位差V2は、高温になるほど大きくなり、画像部での放電が起きやすくなる。
また、機内の湿度と放電との関係については、各部の電位が同じであっても、一般に湿度が高くなるほどギャップ部Gにおける放電が起きやすくなる。このことは、感光体22の画像部、非画像部のいずれに対しても同じである。
このように、放電検知動作において実際に放電が起きるかどうかは、各部に与えるバイアス電圧の大きさだけでなく、放電検知を行った時の放電の起きやすさにも依存する。したがって、放電検知動作の実効性は、放電検知を行った時の装置の動作状況によって左右されることとなる。このことから、放電検知動作は、できるだけ画像形成動作時に近い環境下で実施されるのが望ましい。しかしながら、画像形成を行う度ごとに放電検知動作を行ったのでは、画像が形成されるまでに時間がかかる上に、放電検知動作時に発生する放電による装置へのダメージも増える。したがって、この実施形態のように、放電検知動作の頻度をできるだけ少なくしたいという要求がある場合には、数少ない放電検知動作の機会を有効に使って装置の動作条件を定めなければならず、そのためには1回ごとの放電検知動作の実効性を高める必要がある。
そこで、放電検知条件を一律とせず、その時の装置の状態に応じて設定するようにすれば、放電検知の実効性を確保しつつ、放電検知動作中の放電発生を抑制することが可能となる。例えば、放電検知動作を行うときの温度や湿度から、ギャップ部Gにおいて通常より放電が起きやすい状態であると推定される場合には、比較的緩やかな(放電を起こしにくい)条件で放電検知を行う。一方、通常より放電が起きにくい状態のときにはより厳しい(放電を起こしやすい)条件で放電検知を行う。
例えば、図8のようにして放電検知条件を設定することができる。まず、光ビームLにより露光された感光体22(画像部)と現像ローラ44との間で放電検知を行う場合について考える。ここで着目する放電は、電位差V2が放電開始電圧を超えることによって生じる放電である。この場合には、現像バイアスの直流成分Vdcおよび帯電バイアスVgを、それぞれ図8(a)に示す値に設定する。すなわち、機内温度が低い時には高温時よりも画像部電位Vimが高い(ゼロ電位からの偏差が大きい)ので放電が起きにくい。そこで、常温時(例えば40℃未満)には現像バイアスの直流成分Vdcを高温時より大きく設定して現像バイアスVbを負電位方向にシフトさせ、より放電の起きやすい状態を現出することで、放電検知動作の実効性を高める。このとき、現像ローラ44と感光体22の非画像部との電位差V1は小さくなり非画像部での放電は起きにくくなるので、非画像部で放電が生じて検知結果に影響を及ぼすことはない。
また、露光されない感光体22(非画像部)と現像ローラ44との間で放電検知を行う場合には、現像バイアスの直流成分Vdcおよび帯電バイアスVgを、それぞれ図8(b)に示す値に設定する。すなわち、高温側で感光体22の非画像部電位Vniが低下するので、この低下を補うべく帯電バイアスVgを大きく設定する。
一方、現像バイアスの交流成分Vppについては機内の湿度に応じて定める。すなわち、図8(c)に示すように、湿度が低い(例えば相対湿度90%未満)場合には、比較的高めの値に設定することで、放電検知動作の実効性を高める。これに対し、湿度が高いときにはこれより低い値に設定することで無用な放電の発生を抑制する。
なお、以下では、機内温度40℃未満の環境を「常温」、それ以上を「高温」と称することとする。また、機内湿度(相対湿度)90%未満の環境を「低湿」、それ以上を「高湿」と称することとする。このような区分はその一例を示したものであって、これらの数値に限定されるものではない。
この実施形態における放電検知動作では、このように設定したバイアス電圧を装置各部に印加し、現像ローラ44に放電に起因する電流が流れるか否かで放電の有無を判断することは先に説明したとおりである。
図5に戻って、装着後動作の説明を続ける。装着後動作では、上記のようにして行った放電検知の結果を踏まえて、画像形成条件、つまり画像形成動作時の各バイアス電圧を設定する。すなわち、放電検知動作の結果に基づいて各バイアス値の調整範囲を設定する(ステップS103)のに続いて、バイアス最適化動作(ステップS104)を実行することによって、現像バイアスVbおよび帯電バイアスVgを、所望の画像品質を得るための最適値にそれぞれ設定する。
図9は放電検知結果に基づく各バイアス値の調整範囲を示す図である。まず、放電検知動作において放電なしと判断された場合について説明する。この場合、通常の動作環境では放電検知動作時のバイアス設定値でも放電は起こらないと期待されるが、放電の発生をより確実に防止するため、これよりさらに放電が起こりにくい条件に各バイアス値を設定するのが好ましい。
現像バイアスの交流成分Vppについては、原則的に放電検知動作時より100Vだけ小さな値に設定する。図9に示す「第1設定値」がこれに相当する。ただし、放電検知動作が高湿環境の下で行われた場合には、放電検知動作時の設定値と同じとする。図9に示す「第2設定値」がこれに相当する。このようにするのは以下の理由による。
放電検知動作が低湿環境の下で行われ、その結果放電が発生しなかったのであれば、画像形成動作時においても放電は発生しないと期待される。しかしながら、例えば機内が高湿であるなどより放電が起きやすい環境の下で画像形成動作が行われた場合には放電が発生することも考えられる。このような放電を防止するためには、現像バイアスの交流成分Vppを放電検知動作時の設定値より小さめの値に設定しておくのが好ましい。そこで、この場合には、放電検知時より100V小さい値を画像形成動作時の設定値とする。
これに対して、放電検知動作が高湿環境の下で行われ、しかもその時放電が発生しなかったという結果は、もともと放電の起きやすい環境の下でも放電が起きなかったことを意味する。したがって、このときの設定値のまま画像形成動作を行ったとしても通常の環境では放電が起こることはなく、さらに高湿環境の下でも放電が起きないことが放電検知動作により確認されているから、現像バイアスの交流成分Vppを低下させる必要は必ずしもない。そして、良好な画像品質を得るためには、現像バイアスの交流成分Vppについては可能な限り高い値に設定することが望ましい。そこで、この場合には、放電検知時の設定値をそのまま画像形成動作時の設定値とする。
一方、現像バイアスの直流成分Vdcについては、放電検知動作時の設定値から(−100V)までの範囲(第1調整範囲)で可変とする。そして、後述するバイアス最適化動作においては、この範囲内で所望の画像濃度またはそれに最も近い濃度が得られる値を見出し、その値を画像形成動作時の最適値とする。
また、帯電バイアスVgについては、画像品質維持の観点から、現像バイアスの直流成分Vdcとの電位差が常に一定(300V)となるように設定する。これは、現像バイアスの直流成分Vdcと感光体22の非画像部電位Vniとの電位差が変化すると、細線画像の太さが変化するなど画像品質に影響が及ぶことを考慮したものである。
次に、放電検知動作において放電ありと判断された場合のバイアス設定値について、図9を用いて説明する。この場合、より放電の起きにくい画像形成条件を得るため、現像バイアスの交流成分Vppについては、放電なしの場合よりさらに100Vずつ低い値に設定するものとする。すなわち、放電検知動作が低湿環境の下で行われたのであれば、そのときの設定値より200V低い値(第3設定値)とする。また、放電検知動作が高湿環境の下で行われたのであれば、そのときの設定値より100V低い値(第1設定値)とする。
現像バイアスの直流成分Vdcについても、より放電が起こりにくくなるように設定する。すなわちその可変範囲を狭め、放電検知動作時の設定値より100Vだけ小さい値と(−100V)との間とする(第2調整範囲)。帯電バイアスVgについては、放電なしの場合と同様に設定する。
図10はバイアス最適化動作を示すフローチャートである。バイアス最適化動作では、上記のようにして定めた各バイアスの設定値またはその調整範囲内において、画像濃度が所望の目標濃度に最も近くなるように、各バイアス値、具体的には、現像バイアスの直流成分Vdcと、帯電バイアスVgとを最適化する。
まず、現像バイアスの直流成分Vdcをその調整範囲内の一の値(例えば、画像濃度が最も低くなる値)に仮設定する。帯電バイアスVgについては、現像バイアスの直流成分Vdcとの電位差が常に一定値となるようにする(ステップS301)。このとき、現像バイアスの交流成分Vppについては、先に定めた設定値とする。
そして、バイアス値を順次変更設定しながら、各バイアス値それぞれで所定パターン(例えばベタ画像やハーフトーン画像)のパッチ画像を形成する画像形成動作を実行する(ステップS302)。こうして形成された各パッチ画像の濃度を濃度センサ60により検出し(ステップS303)、各パッチ画像の濃度検出結果から、所望の画像濃度が得られる現像バイアスおよび帯電バイアスの最適値を算出する(ステップS304)。そして、現像ローラ44に与える現像バイアスの直流成分Vdcおよび帯電ユニット23に与える帯電バイアスVgを、算出された最適値に設定する(ステップS305)。
このように各バイアスを設定することによって、以後の画像形成動作においては、放電の発生を確実に防止しながら、所望の画像濃度の画像を形成することができる。
以上のように、この実施形態では、現像ローラ44と感光体22とが対向配置された現像位置において両者間のギャップの大きさが変化したとき、より具体的には、現像器または感光体カートリッジが装置に装着されたときに、放電検知動作を実行する。放電検知動作の実施タイミングをこのように規定することによって、ギャップの大きさが変動しバイアスの再調整が必要となった時に放電検知動作が実行されることとなる。また、無用な放電検知動作を行ってしまうことが抑制され、放電検知動作中の放電によるトナーの飛散や装置へのダメージが効果的に防止される。さらに、画像形成動作に先立って行う放電検知動作を省くことができるので、画像が形成されるまでのユーザの待ち時間を短縮することができる。
また、所定の放電検知条件で放電が起きるか否かを調べることで放電の可能性を判断するので、実際に放電を発生させることで放電の可能性を調べる従来技術と比較して、放電検知動作中に起きる放電の回数が少なく、その結果、トナー飛散や装置へのダメージも少なくなる。しかも、放電検知条件、つまり放電検知動作を行うときに装置各部に印加するバイアス電圧を、装置の稼動状況(機内温度および湿度)に応じて設定しているので、放電検知動作時に放電が起こる確率はさらに低くなり、かつ放電検知の実効性も確保することができる。
そして、放電検知動作の結果に基づいて、画像形成動作時の現像バイアスおよび帯電バイアスを設定するので、画像形成動作時の放電の発生を未然に防止しながら、良好な画像品質で画像形成を行うことができる。
ところで、上記した第1実施形態の画像形成装置においては、放電検知動作を行うときの装置の動作条件、つまり放電検知条件を、その時点の機内温度および湿度に応じて設定するようにした。これは、機内の温度および湿度によって放電の起きやすさが変化することを考慮したためである。一方、ギャップ部Gにおける放電の起きやすさは、感光体22の使用状況によっても変化する。というのは、感光体22自体の特性が使用を重ねるにつれて次第に変化し、これに伴って、同じ動作条件で動作させても感光体22の表面電位が経時的に変化するからである。
図11は感光体特性の経時変化を示す図である。感光体22は使用につれて磨耗し、図11に示すように、同じ帯電バイアスを与えてもその帯電電位(非画像部電位Vni)は次第に低下する。また、変化の度合いは小さいものの、画像部電位Vimも感光体22の使用時間によって変化する。したがって、印加する現像バイアスVb、帯電バイアスVgが同じであっても、それまでの感光体22の使用時間がどれほどであるかによって、放電の起こりやすさは変化することとなる。
そこで、次に説明するこの発明にかかる第2実施形態の画像形成装置では、放電検知条件を感光体の使用時間に応じて設定し放電検知動作を行う。こうすることによって、感光体特性の経時変化によらず、放電検知動作中の放電発生を抑制することができ、また放電検知の実効性を確保することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態における装置の構成および基本的な動作は、前述した第1実施形態の装置構成および動作と同一である。ただし、放電検知動作を行うときの放電検知条件は、第1実施形態のように機内温度や湿度によって定めるのでなく、その時点までの感光体22の通算使用時間によって定める点で、第1実施形態の装置とは相違している。つまり、装着後動作(図5)のステップS101にいう「装置の稼動情報」が、第1実施形態では装置内部の温度および湿度を表す情報であったのに対し、この第2実施形態では、感光体22の通算使用時間がこれに相当する。
第2実施形態における装置の構成および基本的な動作は、前述した第1実施形態の装置構成および動作と同一である。ただし、放電検知動作を行うときの放電検知条件は、第1実施形態のように機内温度や湿度によって定めるのでなく、その時点までの感光体22の通算使用時間によって定める点で、第1実施形態の装置とは相違している。つまり、装着後動作(図5)のステップS101にいう「装置の稼動情報」が、第1実施形態では装置内部の温度および湿度を表す情報であったのに対し、この第2実施形態では、感光体22の通算使用時間がこれに相当する。
より具体的には、エンジンコントローラ10により管理されている感光体22の通算使用時間に基づいて、現在の感光体22の状態がその寿命における初期、中期および末期のいずれにあるかを判断する。そして、その結果に応じて、現像バイアスおよび帯電バイアスをそれぞれ図12に示す値に設定して放電検知動作を実行する。
図12は第2実施形態における放電検知条件の設定例を示す図である。まず、光ビームLで感光体22を露光して放電検知を行う場合には、図12(a)に示すように、帯電バイアスVgについては第1実施形態と同様に現像バイアスとの電位差を一定に保つ一方、現像バイアスの直流成分Vdcについては、感光体22の使用時間が短いとき(使用初期)にそれ以後よりも大きな値となるようにする。これは、図11に示すように、感光体22の画像部電位Vimが、その使用時間の初期段階において比較的大きく低下しその後の変化が小さいことに対応して、現像バイアスVbの直流レベルをこの変化に合わせてシフトさせるためである。
また、感光体22表面を露光せずに放電検知を行う場合には、図12(b)に示すように、現像バイアスの直流成分Vdcを一定とする一方、帯電バイアスVgについては、感光体の使用時間が長くなるにつれて大きくする。これは、図11に示すように、感光体22の使用時間が長くなると非画像部電位Vniが小さくなるのを補うためである。
なお、現像バイアスの交流成分Vppについては、第1実施形態と同様である。すなわち、図12(c)に示すように、温湿度センサ91により測定された機内の湿度に応じて放電検知時の設定値を定める。
このように、この第2実施形態においても、放電検知動作を実行する際に、その時点でのギャップ部Gでの放電の起きやすさに影響を与える感光体22の通算使用時間に応じて放電検知条件を定めている。このようにすることで、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、放電検知動作の実効性を確保するとともに、放電検知動作中の放電発生を抑制することができる。また、放電検知動作の結果に基づいて各バイアス値を設定することにより、画像形成動作時における放電の発生も防止することができる。
以上説明したように、上記した各実施形態においては、感光体22および現像ローラ44が本発明の「潜像担持体」および「トナー担持体」として機能している。また、エンジンコントローラ10が本発明の「制御手段」として機能している。また、装置内部に設けられた温湿度センサ91が本発明の「測定手段」として機能している。また、現像ローラ44と感光体22とがギャップ部Gを隔てて対向する現像位置が、本発明の「対向位置」に相当している。
(変形例)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態の画像形成装置は、現像ローラ(トナー担持体)と感光体(潜像担持体)とが離間配置された非接触現像方式の画像形成装置である。しかしながら、トナー担持体と潜像担持体とが当接している接触現像方式の装置であって、交流成分を含む現像バイアスによりトナーが移動するように構成された画像形成装置に対しても、本発明は適用可能である。というのは、接触現像方式の装置においても、振幅の大きな交流バイアスが印加されることによってトナー担持体と潜像担持体との間の放電が起こる場合があり、その起きやすさは両者の当接の状態によって変動するからである。このような装置に対しても、本発明を適用することによって、放電の発生を抑えながら、実効性のある放電検知動作を行うことができるという効果が得られる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態の画像形成装置は、現像ローラ(トナー担持体)と感光体(潜像担持体)とが離間配置された非接触現像方式の画像形成装置である。しかしながら、トナー担持体と潜像担持体とが当接している接触現像方式の装置であって、交流成分を含む現像バイアスによりトナーが移動するように構成された画像形成装置に対しても、本発明は適用可能である。というのは、接触現像方式の装置においても、振幅の大きな交流バイアスが印加されることによってトナー担持体と潜像担持体との間の放電が起こる場合があり、その起きやすさは両者の当接の状態によって変動するからである。このような装置に対しても、本発明を適用することによって、放電の発生を抑えながら、実効性のある放電検知動作を行うことができるという効果が得られる。
また、上記した各実施形態においては、画像形成時の動作条件(画像形成条件)として、現像ローラに与える現像バイアスの直流成分および交流成分と、感光体を均一に帯電させるための帯電バイアスとのそれぞれの大きさを調整するようにしているが、これらに代えて、またはこれらに加えて、画像形成動作時に画像品質に影響を及ぼす他の動作パラメータを調整するように構成されてもよい。
また、上記した各実施形態の装置では、現像ローラと感光体とがそれぞれ別のカートリッジに取り付けられており、装置本体に対し個別に着脱自在となっているが、これらが同一のカートリッジに取り付けられ装置本体に対し一体的に着脱自在となっている装置に対しても、本発明を適用可能である。例えば、現像ローラと感光体とを一体のカートリッジに取り付けたモノクロ画像形成装置や、このようなカートリッジを複数色分設けてカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用可能である。これらの装置では、現像ローラと感光体との対向位置における位置関係がカートリッジの各個体ごとにばらついており、これに起因して、装置に装着されたカートリッジごとに放電の起きやすさが異なるからである。
また、上記した第1実施形態では、放電検知動作実行時の機内温度を常温および高温の2段階に分けて放電検知条件を設定した。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、機内温度を低温・中温・高温の3段階あるいはそれ以上に区分して放電検知条件を設定したり、温湿度センサ91による温度測定値から放電検知条件を算出するようにしてもよい。機内の湿度や感光体の使用時間に基づいて定める放電検知条件についても同様である。
また、上記した第1実施形態では、機内の温度および湿度に基づき放電検知条件を設定する一方、第2実施形態では、感光体の使用時間および機内の湿度に基づき放電検知条件を設定している。つまり、両実施形態では、装置の稼動情報として機内温度と感光体の使用時間とを択一的に使用して放電検知条件を設定しているが、これらを互いに組み合わせて放電検知条件を設定するようにしてもよい。
また、上記した各実施形態では、所定のバイアス条件で現像ローラ44に流れる電流を検出することで放電の有無を判断しているが、放電検知の方法はこれに限定されるものではなく、他の方法によってもよい。
2…感光体カートリッジ、 4Y,4M,4C,4K…現像器(カートリッジ)、10…エンジンコントローラ(制御手段)、 22…感光体(潜像担持体)、 44…現像ローラ、 91…温湿度センサ(測定手段)
Claims (8)
- 静電潜像を担持可能な潜像担持体と、
その表面にトナーを担持するトナー担持体と、
前記潜像担持体に対向する対向位置に位置決めされた前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記対向位置における前記潜像担持体と前記トナー担持体との位置関係が変動したときに、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が装置本体に対し着脱自在のカートリッジに取り付けられており、
前記制御手段は、前記カートリッジが装着された直後に前記放電検知動作を実行する請求項1に記載の画像形成装置。 - 装置内部の温度および湿度の少なくとも一方を測定する測定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記放電検知動作が実行されたときの前記測定手段による測定結果に基づいて前記画像形成条件を調整する請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記測定手段による測定結果に基づいて前記現像バイアスの可変範囲を設定し、該可変範囲内で前記現像バイアスを調整する請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、パッチ画像としてのトナー像の濃度検出結果に基づいて前記画像形成条件を調整する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 装置内部の温度および湿度の少なくとも一方を測定する測定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記放電検知動作を実行するときに、前記測定手段による測定結果に基づいて設定した放電検知用バイアス電圧を前記トナー担持体に印加する請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記放電検知動作を実行するときに、前記潜像担持体の使用状況に応じて設定した放電検知用バイアス電圧を前記トナー担持体に印加する請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 静電潜像を担持可能な潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体とを対向配置させるとともに、前記トナー担持体に対し交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成方法において、
前記潜像担持体と前記トナー担持体との位置関係が変動したときに、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、
その検知結果に基づいて画像形成条件を調整する
ことを特徴とする画像形成方法。
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JP2010054739A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-03-11 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
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-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004058511A patent/JP2005249990A/ja not_active Withdrawn
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