JP2005258256A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電検知動作に起因する弊害を抑制しながら画像形成動作時における放電の発生を確実に防止し、しかも、良好な品質で画像を形成する。
【解決手段】 現像器または感光体が新たに装着された直後には、放電検知動作を行い(ステップS103)、その結果に応じてバイアス調整値を設定し(ステップS104)、その調整値の下でバイアス最適化動作を実行する(ステップS105)。一方、現像器や感光体の装着がなくても、電源投入直後やスリープ復帰時など所定のタイミングでバイアス最適化動作を実行するが、この場合には放電検知動作を行わず、先に設定したバイアス調整値を用いてバイアス最適化動作を行う。
【選択図】 図5

Description

この発明は、静電潜像を担持する潜像担持体とトナーを担持するトナー担持体とを対向配置し、トナー担持体に交流成分を含む現像バイアスを印加することで静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成装置および画像形成方法に関するものである。
この種の画像形成装置においては、潜像担持体とトナー担持体との間で放電を生じ、画像品質が劣化することがある。そこで、このような放電の発生を未然に防止するための技術が従来より提案されている。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成動作に先立って、感光体ドラム(潜像担持体)と現像ローラ(トナー担持体)との間で放電が発生する現像用バイアス電圧の大きさを検出する。具体的には、種々の電圧値の現像用バイアス電圧を現像ローラに印加し、放電に起因して感光体ドラム上に現れるリーク画像を検出することで、放電が発生したことを検知する。そして、放電が発生しない電圧値に現像用バイアスを設定して画像形成動作を実行することによって、画像形成動作時に放電が発生し画像品質が劣化することを防止している。
特開2000−98707号公報(例えば、段落0033)
このような放電検知動作が画像形成動作の度に行われたのでは、最初の画像が形成されるまでに時間がかかってしまいユーザにとって不都合である。また、放電検知動作を実行した際に潜像担持体とトナー担持体との間で放電が発生すると、トナー担持体の表面からトナーが飛散して装置内部を汚染したり、装置にダメージを与えるおそれがある。したがって、放電検知動作の実行頻度はできるだけ低く抑えるのが好ましい。
そこで、放電検知動作に起因する弊害を防ぎつつ、しかも、画像形成動作時における放電の発生を確実に防止するためには、放電検知動作を如何なるタイミングで実行するかが重要となる。しかしながら、従来の技術においては、この点についての考慮がなされておらず、放電検知動作の実行タイミングについて改善の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、適切なタイミングで放電検知動作を行うことによって、放電検知動作に起因する弊害を抑制しながら画像形成動作時における放電の発生を確実に防止し、しかも、良好な品質で画像を形成することを目的とする。
以下、本明細書においては、トナー担持体と潜像担持体との間における放電の起きやすさや、どれだけの電位差を与えれば放電が発生するか等、両者間での放電に関する性質を総称して、「放電特性」と称することとする。
トナー担持体と潜像担持体との間に放電が起こるか否かは、両者間の電位差およびそれらの位置関係と相関性がある。すなわち、両者が近接していれば比較的小さな電位差でも放電は発生し、大きく離隔していれば大きな電位差を与えないと放電は起こらない。したがって、トナー担持体と潜像担持体との間の電位差が同じであっても、両者の位置関係に変動があれば両者間の放電特性も変動することとなる。要するに、トナー担持体と潜像担持体との位置関係に変化があった場合には、放電を防止するため両者に与える電位を再調整する必要があり、位置関係に変化がなければこのような調整の必要は必ずしもない。
そこで、この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体と、前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が取り付けられるとともに、装置本体に対し着脱自在に構成されたカートリッジと、前記潜像担持体と対向配置された前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記カートリッジが前記装置本体に装着された直後には、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する調整動作を実行する一方、前記カートリッジが前記装置本体に装着された直後以外には必要に応じて、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行することを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成方法は、静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体とを対向配置させるとともに、前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する画像形成方法において、上記目的を達成するため、前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が交換された直後に、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する調整動作を実行する一方、前記潜像担持体および前記トナー担持体の交換直後以外には必要に応じて、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行することを特徴としている。
このように構成された発明では、カートリッジが新たに装着されトナー担持体と潜像担持体との位置関係が確立されたときに放電検知動作を行い、その結果を踏まえて調整動作を行う。そのため、カートリッジの寸法ばらつきに起因してトナー担持体と潜像担持体との位置関係がカートリッジごとに変動したとしても、画像形成動作時における放電の発生を確実に抑え、しかも、良好な画像品質を得ることができる。一方、これらの位置関係に変動がない、つまり新たなカートリッジ装着がなされなかったときには放電検知動作を省いて調整動作を行うことができる。こうすることによって、所定の画像品質を維持しつつ、放電検知動作の実行頻度を減らすことができる。このように、カートリッジ装着の有無により放電検知動作を実行するか否かを区別することで、放電検知動作が適切なタイミングで行われることとなり、放電に起因する弊害を防止しつつ、画像形成動作時の放電発生を確実に防止することができる。
なお、ここでいうカートリッジには、トナー担持体および潜像担持体のうちいずれか一方が取り付けられたものと、その両方が1つのカートリッジに取り付けられたものとが含まれる。カートリッジ、トナー担持体および潜像担持体それぞれの寸法や特性ばらつきに起因して、それらの組み合わせごとに放電特性に差異が生じるから、新たな組み合わせが確立されたときには放電検知動作を行うのが望ましい。一方、組み合わせに変化がなければ放電特性にも大きな変動はないので、放電検知を行う必要は必ずしもない。
ここで、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行するのが好ましいタイミングとは、例えば、装置の電源が投入された直後、装置がスリープ状態から前記画像形成動作が可能な状態に復帰するとき、画像形成枚数もしくはトナー消費量が所定値に達したときなどである。また、ユーザの要求に応じて調整動作を行うようにしてもよい。このようなタイミングでは、先に調整動作を実行した時から装置の状態が変化している可能性があるので、改めて調整動作を実行し画像形成条件を調整することで、画像品質の変動を抑えることができる。このとき、先の調整動作の実行後に新たなカートリッジの装着がなされていなければ、改めて放電検知動作を行う必要はない。
また、この発明にかかる画像形成装置の他の態様は、静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体と、前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が取り付けられるとともに、装置本体に対し着脱自在に構成されたカートリッジと、前記潜像担持体と対向配置された前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する制御手段とを備え、前記制御手段は、必要に応じて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する調整動作を実行し、しかも、当該調整動作が、前記カートリッジが前記装置本体に装着された後に最初に行うものであるときには、該調整動作に先立って、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて当該調整動作を実行する一方、当該調整動作が、その直前に実行した調整動作の終了時から当該調整動作を実行開始するまでの間に前記カートリッジの前記装置本体への装着がなされていないときに行うものであるときには、前記放電検知動作を行わずに当該調整動作を実行する
ことを特徴としている。
このように構成された発明では、カートリッジ装着後に行う最初の調整動作に先立って放電検知動作を行う。そして、その検知結果に基づいて画像形成条件を調整する。こうすることで、カートリッジごとに放電特性がばらついたとしても、画像形成動作時における放電の発生を確実に抑え、しかも、良好な画像品質を得ることができる。一方、先に行った調整動作と、現在行おうとしている調整動作との間にカートリッジの装着がなされていなかったときには、放電検知動作を行わずに調整動作を行うことで、画像品質を維持しながら、放電検知動作に起因する弊害を防止することができる。
また、上記した構成を有する各画像形成装置においては、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行する際には、その直前に行った前記放電検知動作の検知結果に基づいて当該調整動作を実行するのが好ましい。新たなカートリッジ装着がなされていなければ、先に行った放電検知動作の時点での放電特性がほぼ維持されているから、その検知結果を用いて新たに調整動作を行うことで、放電の発生を防止するとともに、所定の画像品質を維持することができる。
また、調整動作の具体的な態様としては、例えば、パッチ画像として形成されたトナー像の濃度検出結果に基づいて前記画像形成条件を調整する方法がある。このように、実際に形成されたトナー像の濃度検出結果に基づいて画像形成条件の調整を行うことで、所定の画像品質を得ることができる。
また、画像形成条件を構成するパラメータとしては、形成されるトナー像の画像品質に影響を与える全ての物理量が含まれるが、そのうち装置が調整可能なものであれば任意のパラメータを調整動作における調整の対象としてよい。例えば、トナー担持体に与える現像バイアスを調整対象に含め、これを変更設定することで画像品質を制御することができる。
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色の帯電トナーを担持するとともに所定の現像バイアスを印加された金属製の現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。なお、この実施形態では各色のトナーはいずれも負に帯電するものとして説明するが、各部の電位を変更して正帯電トナーを使用することも可能である。
各現像器4Y、4C、4M、4Kには、当該現像器に関する情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94がそれぞれ設けられている。そして、各現像器に設けられたコネクタ49Y、49C、49M、49Kのうち必要に応じて選択された1つと、本体側に設けられたコネクタ109とが互いに接続され、エンジンコントローラ10のCPU101とメモリ91〜94との間で通信が行われる。こうすることで、各現像器に関する情報がCPU101に伝達されるとともに、各メモリ91〜94内の情報が更新記憶される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、ローラ75の近傍には、濃度センサ60およびクリーナ76が設けられている。濃度センサ60は、必要に応じ、中間転写ベルト71上に形成されるトナー像を構成するトナー量を光学的に検出する。すなわち、濃度センサ60は、トナー像に向けて光を照射するとともに該トナー像からの反射光を受光し、その反射光量に応じた信号を出力する。クリーナ76は、中間転写ベルト71に対し離当接自在に構成され、必要に応じて中間転写ベルト71に当接することで、該ベルト71上の残留トナーを掻き落とす。
また、この装置1では、装置内部の温度および湿度を測定するための温湿度センサ91が設けられている。そして、CPU101は、この温湿度センサ91の出力に基づいて、装置の異常発熱や結露のおそれがないかなどを監視している。温湿度センサ91の設置位置は任意であるが、装置の機内温度を精度よく測定するため、ヒータを備える定着ユニット9から離れた位置とするのが好ましい。
さらに、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3は感光体および現像ローラに印加されるバイアス電圧を説明する図である。また、図4は感光体および現像ローラの表面電位を示す図である。感光体22は円筒状に形成された金属製のコア222と、その表面に設けられた感光性を有する表面層221とから成っており、コア222は軸受(図示省略)を介して電気的に接地されている。また、表面層221は帯電バイアス電圧Vgを印加された帯電ユニット23により帯電されている。これにより、感光体22の表面電位Vsはほぼ一様の電位Vniとなる。ただし、その表面領域のうち露光ユニット6からの光ビームLが照射され露光された画像部(トナーを付着させるべき領域)においては、その部分の電荷が中和されて表面電位Vsは画像部電位Vimとなっている。なお、露光されなかった部分の電位は依然としてVniであり、この部分はトナーを付着させない非画像部である。
一方、感光体22に対しギャップ部Gを隔てて対向配置された現像ローラ44には、直流電圧Vdcに対しピーク間電圧Vppなる矩形波交流電圧が重畳された現像バイアスVbが印加される。このため、現像ローラ44の表面電位は、図4に示すように、最高電位Vmaxと最低電位Vminとの間で時間とともに変化する。
なお、現像バイアスVbを発生する電源と現像ローラ44との間には、電流センサ121が介挿されている。電気的にフローティングされた現像ローラ44と、感光体22との間で放電が発生すると、現像ローラ44から感光体22を介してアースへ至る電流経路が形成される。このような電流を電流センサ121で検出することにより、放電の発生を検知することが可能である。すなわち、この電流センサ121は、放電を検知するためのセンサとして機能するものである。
このような電位が与えられた感光体22と現像ローラ44との間では、ギャップ部Gにおける両者の電位差が放電開始電圧を超えると放電が発生する。例えば、現像バイアスVbの最高電位Vmaxと感光体22の非画像部電位Vniとの電位差V1が放電開始電圧を超えると、現像ローラ44と感光体22の非画像部との間で放電が発生する。また、現像バイアスVbの最低電位Vminと感光体22の画像部電位Vimとの電位差V2が放電開始電圧を超えると、現像ローラ44と感光体22の画像部との間で放電が発生する。このような放電を防止するためには、両者の電位差が放電開始電圧を超えることがないように、各部に与える電位を調整する必要がある。
ギャップ部Gにおける放電の起こりやすさ、すなわち放電特性は、ギャップの大きさ、ギャップ部における気圧、湿度などによって変化する。このうち、最も大きく変動し放電特性に影響を及ぼすのはギャップの大きさである。というのは、感光体22や現像ローラ44、およびそれらを保持する部品には製造上の寸法ばらつきがあり、装置に装着される感光体カートリッジ2や現像器4Y等の組み合わせによってギャップの大きさは大きく変化するからである。
したがって、現像器や感光体カートリッジの少なくとも一方が交換されたり、新たに装着された場合には、感光体22と現像ローラ44との新たな組み合わせが出現することとなり、この場合には、当該組み合わせにおいて所定のバイアスを印加したときに放電が発生するか否かを予め判定しておくのが望ましい。また、一定の画像品質を維持するため、新たな組み合わせに対応して、画像形成条件の調整を新たに行う必要がある。そこで、放電検知動作を行って放電発生の有無を確認した後には、その結果を受けて、画像形成条件の調整を行う。こうすることで、放電が発生せず、しかも所定の画像品質が得られるような画像形成条件の下での画像形成動作が可能となる。
ここで、画像形成条件の調整は、放電検知動作の実行後にのみ必要とされるわけではない。装置の特性変化や周囲環境の変化によっても画像品質は変動するから、このような変動を抑えて一定の画像品質を維持するためには、上記したカートリッジ装着後以外にも、ある程度の頻度で画像形成条件の再調整を行うのが望ましい。
例えば、装置の電源が投入された直後や、装置がスリープ状態から画像形成動作が可能な状態に復帰する時には、先に画像形成動作が行われた時から長時間が経過し装置各部の温度が変動している可能性がある。また、画像形成枚数もしくは各現像器からのトナー使用量または現像器の通算使用時間が所定値に達したときには、現像器内のトナー残量およびその特性の経時変化によって、画像品質が変化することがある。この他、現像器および感光体カートリッジ以外の各ユニット、例えば露光ユニット6や転写ユニット7のいずれかが交換されたときや、周囲の温度・湿度が大きく変動したときなど、画像品質に変化が起きると予想されるときには、画像形成条件の再調整を行うことが好ましい。さらに、形成された画像の品質がユーザの所望するものとは異なっているなど、ユーザの希望によって画像形成条件の調整を行うべき場合もある。
これらの場合には、実際に画像を形成する前に画像形成条件の再調整を行うことが好ましい。しかしながら、前回画像形成条件の調整を行ったときから現在までにカートリッジの装着がなされていなければギャップ部Gにおける放電特性には変化がないから、画像形成条件の再調整をする前に改めて放電検知動作を行う必要がない。むしろ、このようなタイミングで放電検知動作を実行すれば、その実行中は画像形成動作を行えなくなるほか、放電発生によって装置内部へトナーが飛散したり、装置がダメージを受けるなどの弊害がある。
このような事情に鑑みて、この実施形態では、必要に応じて、CPU101が図5に示す制御動作を実行する。この制御動作においては、以下に詳述するように、4つの現像器4Y,4C,4M,4Kおよび感光体カートリッジ2のうち少なくとも1つが新たに装着された直後には放電検知動作を行ってから画像形成条件の調整を行う一方、それ以外の場合には放電検知動作を行わずに画像形成条件の調整を行う。
図5はCPUによる制御動作を示すフローチャートである。この制御動作は、以下に列記するタイミング:装置の電源が投入された直後;スリープ状態から復帰するとき;画像形成枚数が所定枚数に達したとき;各現像器からのトナー使用量または現像器の通算使用時間が所定値に達したとき;エンジン部EGを構成するいずれかのユニットが装置に装着されたとき;機内温度または湿度の大きな変動があったとき;および、ユーザから要求があったときのそれぞれのタイミングで、CPU101が、ROM106に予め記憶された制御プログラムを実行することにより実行される。
この制御動作が実行されると、まずいずれかの現像器が新たに装着されたか否かを判定する(ステップS101)。現像器が装着されたか否かは、例えば次のようにして判定することができる。ロータリー現像ユニット4の支持フレーム40にリミットスイッチを設けておき、現像器が装着されているときとそうでないときとでその接点の状態が変化するようにしておく。そして、このリミットスイッチの接点の状態が、現像器なしからありに変化したとき、現像器が新たに装着されたと判断することができる。一方、リミットスイッチの状態に変化がなければ新たな装着はないと判断することができる。また、現像器内のメモリ91等に記憶されている現像器固有の情報を読み出すことによって、現像器が装着されたか否かを判定してもよい。なお、ここでは、現在現像器が装着されているか否かではなく、新たな装着が行われたか否かを判定するのであるから、単に同じ現像器が装着されたままの状態を維持している場合には「装着なし」と判断されるようにする。装着されない状態が維持される場合も同様であるが、この場合にはそもそも制御動作を行う意味がない。ここで、現像器が装着されたと判定したときには、次のステップS102をスキップしてステップS103を実行する。
現像器の装着がなかった場合には、さらに感光体カートリッジ2の装着があったか否かを判定する(ステップS102)。判定の方法は現像器の場合と同様である。ここで、装着ありと判断した場合には続くステップS103を実行する。一方、装着なしと判断した場合には、ステップS105にジャンプする。
以上より、4つの現像器および感光体カートリッジ2のいずれかが新たに装着された直後に行われる制御動作においては、放電検知動作(ステップS103)、バイアス範囲の設定動作(ステップS104)およびバイアス最適化動作(ステップS105)が順番に実行される。一方、これ以外のタイミングで実行される制御動作においては、放電検知動作およびバイアス範囲の設定動作はスキップされ、バイアス最適化動作のみが実行されることとなる。
図6は放電検知動作を示すフローチャートである。この放電検知動作の目的は、画像形成動作時の放電発生を防止することである。すなわち、画像形成動作時に現像ローラ44に与える現像バイアスVbおよび感光体22を帯電させるための帯電バイアスVgを、ギャップ部Gにおいて放電が発生しないように設定できるようにすることである。この放電検知動作では、放電検知条件、すなわち放電検知動作を行うとき各部に与えるバイアス電圧の大きさを設定する(ステップS201)。この場合において、放電検知の実効性、すなわち画像形成動作時の放電発生を防止する効果を高めるためには、画像形成動作時と同等またはこれよりも放電の起きやすい状態で、放電検知動作を行うことが望ましい。そこで、ここでは、現像バイアスの交流成分のピーク間電圧Vppを画像形成動作時よりも大きめの値(例えば、画像形成動作時の1500Vに対して1600V程度)に設定することでこの要求を満足させるようにする。一方、現像バイアスの直流成分Vdcおよび帯電バイアスVgについては、所定のデフォルト値に設定しておく。
そして、こうして定めた現像バイアスおよび帯電バイアスを現像ローラ44および帯電ユニット23にそれぞれ印加し(ステップS202)、放電に起因する電流が流れるか否かを電流センサ121(図3)で検出することにより、放電の有無を判定する(ステップS203)。
図5に戻って、制御動作の説明を続ける。この制御動作では、上記のようにして行った放電検知の結果を踏まえて、画像形成条件、つまり画像形成動作時の各バイアス電圧を設定する。すなわち、放電検知動作の結果に基づいて、後述するバイアス最適化動作を実行する際に使用する現像バイアスの値(以下、「バイアス調整値」という)を設定する(ステップS104)。そして、引き続きバイアス最適化動作(ステップS105)を実行することによって、現像バイアスVbおよび帯電バイアスVgを、所望の画像品質を得るための最適値にそれぞれ設定する。
この実施形態では、所定の画像品質を安定して得るため、現像バイアスの交流成分については、そのピーク間電圧Vppを一定とすることでギャップ部Gにおけるトナー飛翔量の安定を図る。一方、現像バイアスの直流成分Vdcを可変とし、必要に応じてその値を調整することで画像品質を制御する。また、本願発明者らの実験により現像バイアスの直流成分Vdcと感光体の非画像部電位Vniとの間の電位差が、特に細線画像の画像品質に大きく影響することがわかっている。そこで、両者の電位差を常に一定に保つべく、現像バイアスの直流成分Vdcから一定のオフセット値を差し引いた電位を帯電バイアスVgとするようにしている。
図7は現像バイアスの直流成分を可変としたときの各部の電位を示す図である。図7に示すように、現像バイアスの直流成分Vdcを変化させた場合、図4に示した現像バイアスVbの波形自体が上下にシフトすることとなり、最高電位Vmaxおよび最低電位Vminも同じように変化する。また、感光体22を帯電させるための帯電バイアスVgを現像バイアスの直流成分Vdcに追随させているため、感光体22の非画像部電位Vniも同様の変化を示す。これに対して、感光体22の画像部電位Vimは感光体22の特性によって決まる値であり、バイアスの変化による変動はほとんどない。このことから、現像バイアスの直流成分Vdcを変化させることにより、現像バイアスの直流成分Vdcと画像部電位Vimとの電位差Vcontを変化させ、結果的に画像濃度を変化させることが可能となる。
しかしながら、現像バイアスの直流成分Vdcを変化させると、その最低電位Vminと感光体22の画像部電位Vimとの電位差V2も変化し、場合によってはこの電位差V2がギャップ部Gにおける放電開始電圧を超えて放電が発生することがある。したがって、現像バイアスの直流成分Vdcの可変範囲については、ギャップ部Gにおける放電特性に応じて定める必要がある。この実施形態の制御動作(図5)において、放電検知動作の結果に基づいてバイアス調整値の設定(ステップS104)を行う理由はこの点にある。
バイアス調整値の設定は以下のようにして行う。まず、放電検知動作において放電が発生しなかった場合について説明する。この場合には、画像形成動作時に放電が発生する可能性は低いので、現像バイアスVbの直流成分Vdcについては予め定められた調整範囲、例えば(−100)V〜(−300)Vの範囲で可変とする。また、現像バイアスVbの交流成分については、そのピーク間電圧Vppを放電検知動作時より低い1500Vとする。一方、帯電バイアスVgについては現像バイアスの直流成分Vdcとの電位差が常に一定となるようにすることは前述したとおりである。すなわち、帯電バイアスVgを(Vdc−300)Vとする。
一方、放電検知動作において放電が発生した場合について説明する。この場合には、状況によっては画像形成動作時にも放電が起きる可能性があるため、現像バイアスの直流成分Vdcをあまり大きく変化させることができない。より具体的には、現像バイアスの直流成分Vdcを負電位方向に大きくしすぎると、現像ローラ44と感光体22の画像部との電位差V2が大きくなり放電を起こしやすくなる。そこで、現像バイアスの直流成分Vdcの調整範囲を例えば(−100)V〜(−250)Vとすることで、画像形成動作時に放電が発生するのを防止することができる。
このように、この実施形態では、バイアス調整値、すなわち最適化動作を行う際の現像バイアスの交流成分Vppの設定値とその直流成分Vdcの調整範囲とを、放電検知動作の結果に応じて設定するようにしている。そして、こうして設定されたバイアス調整値の下でバイアス最適化動作を実行することで、最適化動作の実行中に放電が発生するのが防止される。
図8はバイアス最適化動作を示すフローチャートである。バイアス最適化動作では、上記のようにして定めた各バイアスの設定値またはその調整範囲内において、画像濃度が所望の目標濃度に最も近くなるように、各バイアス値、具体的には、現像バイアスの直流成分Vdcと、帯電バイアスVgとを最適化することで、画像形成条件を最適条件に調整する。
まず、現像バイアスの直流成分Vdcをその調整範囲内の一の値(例えば、画像濃度が最も低くなる値)に仮設定する。帯電バイアスVgについては、現像バイアスの直流成分Vdcとの電位差が常に一定値となるようにする(ステップS301)。このとき、現像バイアスの交流成分Vppについては、先に定めた設定値(1500V)とする。
そして、バイアス値を順次変更設定しながら、各バイアス値それぞれで所定パターン(例えばベタ画像やハーフトーン画像)のパッチ画像を形成する画像形成動作を実行する(ステップS302)。こうして形成された各パッチ画像の濃度を濃度センサ60により検出し(ステップS303)、各パッチ画像の濃度検出結果から、所望の画像濃度が得られる現像バイアスおよび帯電バイアスの最適値を算出する(ステップS304)。そして、現像ローラ44に与える現像バイアスの直流成分Vdcおよび帯電ユニット23に与える帯電バイアスVgを、算出された最適値に設定する(ステップS305)。
なお、図5に示すように、現像器および感光体カートリッジの装着がなされなかった場合には放電検知動作は実行されない。そのため、この場合には、前回行った放電検知動作の結果に基づいて定められたバイアス範囲の下でバイアス最適化動作が行われることとなる。現像バイアスの調整範囲はギャップ部Gにおける放電特性に応じて定められるべきものであるから、放電特性に変化がない限り、調整範囲を変更する必要がないことは当然である。
このようにして各バイアスを設定することによって、画像形成条件が最適化される。そして、以後はこの画像形成条件の下で画像形成動作を実行することで、放電の発生を確実に防止しながら、所望の画像濃度の画像を形成することができる。
以上のように、この実施形態では、必要に応じて画像形成条件の調整を行うことで、画像品質の変動を抑制している。この場合において、現像器または感光体カートリッジが新たに装着された直後に行う調整動作では、その実行に先立って放電検知動作を行い、その結果に基づいて画像形成条件を調整する。こうすることで、現像ローラ44と感光体22との新たな組み合わせおよび新たなギャップ部Gに対応して、放電が発生せず、しかも良好な画像品質で画像形成を行うことのできる画像形成条件を実現することができる。
また、新たな装着がなくても、電源投入直後や画像形成枚数が所定値に達したときなど、所定のタイミングで調整動作を実行し画像形成条件の再調整を行うので、一定の画像品質が安定して得られる。この場合には放電検知動作の実行を省略しているので、処理に要する時間が短くなる。また、放電検知動作の実行頻度を必要最小限に抑えることにより、ギャップ部Gにおいて放電を発生させてしまう頻度も少なくなり、放電発生によるトナー飛散や装置へのダメージなど、放電検知動作に起因する弊害を抑制することができる。
(第2実施形態)
本発明を適用した画像形成装置においては、放電検知動作の実行頻度は現像器または感光体カートリッジの交換頻度と同程度にまで抑制される。こうすることで、放電検知動作時の放電によるトナー飛散や装置へのダメージを効果的に抑制することができる。その一方で、1回の放電検知動作の結果を継続的に使用して調整動作を行うことから、1回ごとの放電検知動作の実効性が問題となってくることがある。例えば、通常より放電が起きやすい極端な高湿度環境下で放電検知動作が行われた場合、放電防止のためバイアス調整範囲が過剰な制約を受け、結果的に、通常の環境下で良好な画像形成を行うことができなくなってしまうおそれがある。また、これとは逆に、通常より放電の起きにくい環境で行った放電検知動作の結果に基づき画像形成条件を設定した結果、画像形成条件を調整する際や画像形成動作時に放電が発生してしまうことがある。
なお、感光体22の電気的・光学的特性がその温度や劣化の程度によって変化し、これによってギャップ部Gでの放電特性が変動する場合もある。
図9は感光体の表面電位と温度との関係を示す図である。一般的な感光体材料、例えば有機感光体では、その電気抵抗は高温になるほど低下する。したがって、電荷を保持する能力は高温になるほど低下し、図9に示すように、感光体22の画像部電位Vim、非画像部電位Vniはいずれも、温度が高くなるほど小さく(ゼロ電位に近く)なる。このような材料を用いた感光体22では、現像バイアスVbの最高電位Vmaxと非画像部電位Vniとの電位差V1は、高温になるほど小さくなる。したがって、非画像部での放電は高温になるほど起きにくくなる。これに対して、現像バイアスVbの最低電位Vminと画像部電位Vimとの電位差V2は、高温になるほど大きくなり、画像部での放電が起きやすくなる。
図10は感光体特性の経時変化を示す図である。感光体22は使用につれて磨耗し、図10に示すように、同じ帯電バイアスを与えてもその帯電電位(非画像部電位Vni)は次第に低下する。また、変化の度合いは小さいものの、画像部電位Vimも感光体22の使用時間によって変化する。したがって、印加する現像バイアスVb、帯電バイアスVgが同じであっても、それまでの感光体22の使用時間がどれほどであるかによって、放電特性は変化することとなる。
通常の動作環境においては、このような変化はギャップの変化に比べれば小さい。しかしながら、極端な低温や高温、高湿度など装置にとって劣悪な環境の下では放電特性に与える影響を無視できなくなる。このような環境下で放電検知動作が実行された場合には、その結果に基づいて設定された画像形成条件が、通常の環境下での動作には適さないものとなってしまうおそれがある。
これらのことから、画像形成条件の調整を適切に行うためには、放電検知動作を実行したときに装置がどのような稼動状況であったかを把握しておき、その情報を後に行う画像形成条件の調整動作に反映させることが望ましい。そこで、以下に説明する本発明にかかる画像形成装置の第2実施形態においては、放電検知結果に基づき現像バイアスの調整値を設定する際に、放電検知動作の実行時点での装置の稼動状況を反映させるようにしている。
この実施形態では、放電検知動作を実行する際に、CPU101が、その時点のギャップ部Gにおける放電特性を推定する。具体的には、放電検知動作実行時の装置内部の温度・湿度や感光体22の通算使用時間を記憶しておき、これらの情報から、ギャップ部Gにおける放電特性が次の3つの状態:放電が特に起こりやすい第1状態;通常の動作条件に近い第2状態;および放電が特に起きにくい第3状態のいずれに該当するかを推定する。そして、画像形成条件の調整を行う際には、放電検知動作の結果と、こうして推定された放電検知動作時の放電特性とに応じて次のようにバイアス調整値を設定する。
図11は第2実施形態におけるバイアス調整値を説明する図である。まず放電検知動作において放電が発生しなかった場合のバイアス調整値について説明する。比較的放電が起きやすい第1状態で放電検知動作を行って放電が発生しなかったのであれば、通常の環境下ではさらに放電は起きにくいと考えられる。したがってこの場合、現像バイアスの交流成分Vppはより大きく、またその直流成分Vdcの調整範囲はより広く取ることができる。その一方、最も放電の起きにくい第3状態で放電検知動作が行われた場合には、通常の環境下で放電の発生を確実に防止するためには、現像バイアスの交流成分Vppはより小さく、またその直流成分Vdcの調整範囲はより狭くせざるを得ない。
また、放電検知動作において放電が発生した場合のバイアス調整値は次のとおりである。最も放電の起きやすい第1状態で放電が発生したとしても、通常の環境下では放電は起こらない可能性もある。したがって、この場合のバイアス調整値は、交流成分Vpp、直流成分Vdcとも中程度の値としてよい。これに対して、最も放電の起きにくい第3状態でも放電が発生したのであれば、現像バイアスの交流成分Vppについては最も小さく、また直流成分Vdcの調整範囲については最も狭く設定する必要がある。
ここで、現像バイアスの交流成分Vppの調整値としては、例えば、大:1600V、中:1500Vおよび小:1400Vを用いることができる。また、その直流成分Vdcの調整範囲としては、例えば、広域:(−100)V〜(−350)V、中域:(−100)V〜(−300)Vおよび狭域:(−100)V〜(−250)Vを用いることができる。なお、帯電バイアスVgについては、第1実施形態と同様に、現像バイアスの直流成分Vdcから300Vを差し引いた値とすることができる。
こうしてバイアス調整値が定まれば、第1実施形態と同様に、その調整値を用いてバイアス最適化動作(図8)を実行することにより、画像形成条件を最適化して、品質の良好な画像を形成することが可能となる。この場合において、放電検知動作の結果とともにその時の装置の状態を記憶しておき、それらの情報を用いてバイアス調整値を設定するようにしているので、画像形成条件をより適切に調整できるのに加え、調整動作中に放電が発生するのを効果的に防止することができる。
(変形例)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態の画像形成装置は、現像ローラ(トナー担持体)と感光体(潜像担持体)とが離間配置された非接触現像方式の画像形成装置である。しかしながら、トナー担持体と潜像担持体とが当接している接触現像方式の装置であって、交流成分を含む現像バイアスによりトナーが移動するように構成された画像形成装置に対しても、本発明は適用可能である。というのは、接触現像方式の装置においても、振幅の大きな交流バイアスが印加されることによってトナー担持体と潜像担持体との間の放電が起こる場合があり、その起きやすさは両者の当接の状態によって変動するからである。このような装置に対しても、本発明を適用することによって、放電の発生を抑えながら、画像形成条件を適切に設定することができるという効果が得られる。
また、上記した各実施形態においては、画像形成時の動作条件(画像形成条件)として、現像ローラに与える現像バイアスの直流成分および交流成分と、感光体を均一に帯電させるための帯電バイアスとのそれぞれの大きさを調整するようにしているが、これらに代えて、またはこれらに加えて、画像形成動作時に画像品質に影響を及ぼす他の動作パラメータを調整するように構成されてもよい。
また、上記した各実施形態では、現像ローラ44に与える現像バイアスVbを、直流電圧に矩形波交流電圧を重畳した波形を有するものとしているが、現像バイアスの波形はこれに限定されるものではない。また、交流成分のデューティ比は1:1に限定されず、他の値であってもよい。この場合においては、現像バイアスに重畳される直流電圧と、交流成分のデューティ比に応じて生じる直流成分とを合成したものが、本実施形態にいう直流成分Vdcに対応することとなる。
また、上記した各実施形態の装置では、現像ローラと感光体とがそれぞれ別のカートリッジに取り付けられており、装置本体に対し個別に着脱自在となっているが、これらが同一のカートリッジに取り付けられ装置本体に対し一体的に着脱自在となっている装置に対しても、本発明を適用可能である。例えば、現像ローラと感光体とを一体のカートリッジに取り付けたモノクロ画像形成装置や、このようなカートリッジを複数色分設けてカラー画像を形成するタンデム方式の画像形成装置に対しても、本発明を適用可能である。これらの装置では、現像ローラと感光体との対向位置における位置関係がカートリッジの各個体ごとにばらついており、これに起因して、装置に装着されたカートリッジごとに放電の起きやすさが異なるからである。
また、上記した各実施形態では、所定のバイアス条件で現像ローラ44に流れる電流を検出することで放電の有無を判断しているが、放電検知の方法はこれに限定されるものではなく、他の方法によってもよい。
以上説明したように、上記した各実施形態においては、感光体22および現像ローラ44がそれぞれ本発明の「潜像担持体」および「トナー担持体」として機能している。また、これらをそれぞれ取り付けられた感光体カートリッジ2、現像器4Y,4C,4Mおよび4Kが本発明の「カートリッジ」に相当している。また、エンジンコントローラ10が本発明の「制御手段」として機能している。さらに、上記各実施形態におけるバイアス最適化動作が本発明の「調整動作」に相当している。
この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。 感光体および現像ローラに印加されるバイアス電圧を説明する図である。 感光体および現像ローラの表面電位を示す図である。 CPUによる制御動作を示すフローチャートである。 放電検知動作を示すフローチャートである。 現像バイアスの直流成分を可変としたときの各部の電位を示す図である。 バイアス最適化動作を示すフローチャートである。 感光体の表面電位と温度との関係を示す図である。 感光体特性の経時変化を示す図である。 第2実施形態におけるバイアス調整値を説明する図である。
符号の説明
2…感光体カートリッジ、4Y,4M,4C,4K…現像器(カートリッジ)、10…エンジンコントローラ(制御手段)、 22…感光体(潜像担持体)、 44…現像ローラ、 60…濃度センサ、 91…温湿度センサ

Claims (8)

  1. 静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、
    その表面にトナーを担持するトナー担持体と、
    前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が取り付けられるとともに、装置本体に対し着脱自在に構成されたカートリッジと、
    前記潜像担持体と対向配置された前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記カートリッジが前記装置本体に装着された直後には、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する調整動作を実行する一方、
    前記カートリッジが前記装置本体に装着された直後以外には必要に応じて、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、装置の電源が投入された直後に、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、装置がスリープ状態から前記画像形成動作が可能な状態に復帰するときに、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行する請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、
    その表面にトナーを担持するトナー担持体と、
    前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が取り付けられるとともに、装置本体に対し着脱自在に構成されたカートリッジと、
    前記潜像担持体と対向配置された前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、必要に応じて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する調整動作を実行し、しかも、
    当該調整動作が、前記カートリッジが前記装置本体に装着された後に最初に行うものであるときには、該調整動作に先立って、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて当該調整動作を実行する一方、
    当該調整動作が、その直前に実行した調整動作の終了時から当該調整動作を実行開始するまでの間に前記カートリッジの前記装置本体への装着がなされていないときに行うものであるときには、前記放電検知動作を行わずに当該調整動作を実行する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行する際には、その直前に行った前記放電検知動作の検知結果に基づいて当該調整動作を実行する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、パッチ画像として形成されたトナー像の濃度検出結果に基づいて前記画像形成条件を調整する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成条件には、前記現像バイアスが含まれる請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、その表面にトナーを担持するトナー担持体とを対向配置させるとともに、前記トナー担持体に対し、交流電圧または交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を現像バイアスとして印加し、該トナー担持体表面のトナーを前記潜像担持体表面に移動させることで前記静電潜像をトナー像として顕像化する画像形成動作を実行する画像形成方法において、
    前記潜像担持体および前記トナー担持体の少なくとも一方が交換された直後に、前記潜像担持体と前記トナー担持体との間に放電が発生するか否かを検知する放電検知動作を実行し、その検知結果に基づいて、前記画像形成動作を実行する際の画像形成条件を調整する調整動作を実行する一方、
    前記潜像担持体および前記トナー担持体の交換直後以外には必要に応じて、前記放電検知動作を行わずに前記調整動作を実行する
    ことを特徴とする画像形成方法。
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JP2010085591A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Kyocera Mita Corp 現像装置及びそれを備えた画像形成装置

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