JP2005249410A - 生体組織検査シートおよびそれを用いた生体組織検査方法 - Google Patents

生体組織検査シートおよびそれを用いた生体組織検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】組織の外科的切除を必要とせず、簡単に低侵襲的に組織の細胞を剥離し、固定することができる生体組織検査シート、およびそれを用いた生体組織検査方法を提供する。
【解決手段】ガラス転移温度(Tg)が20℃以下の重合体よりなり、哺乳動物の組織および/または細胞を剥離し、固定可能な粘着性を有する生体組織検査シート。該生体組織検査シートを用いて組織および/または細胞を剥離し、固定して検査することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体組織検査シートおよびそれを用いた検査方法に関する。
生体組織、たとえば皮膚創傷部の治療においては、真皮の再建の状態、すなわちコラーゲン組織の新生と線維芽細胞の増殖および血管の増生、表皮の再建の状態、すなわち表皮細胞の辺縁からの伸展や残存表皮細胞の増殖伸展を、目視で確認することが困難である場合が多い。創傷部の治療に培養皮膚を使う場合にも、創傷部に貼付した培養皮膚は透明なゲル状を呈するので、生着したかどうかを目視で確認することが困難である場合が多い。とくに培養表皮の場合には、細胞だけからなっているので、目視確認することは非常に困難である。また、単に培養細胞の懸濁液を創傷部に播種した場合にも、同様に目視確認は非常に困難である。こうした皮膚組織の再建の過程は、細菌感染の様子に似ているので、組織除去(デブリードマン)してしまうことも稀でなく、粘膜組織、あるいは眼の創傷の場合においても、同様であった。
治癒の状態を確認するためには、生検針、メス、トレパンでの生検(バイオプシー)にて外科的に組織を切除し、組織標本を確認するのが現状の技術である。しかし、この場合、患者に痛みや恐怖心を与える。さらに、切除した組織をホルマリンなどで固定し、包埋後、包埋試料の切片の作製、染色といった煩雑な作業が必要である。とくに包埋、包埋試料の切片の作製には、少なくとも半日以上の時間が必要となる。創傷部や培養皮膚などで再構築した組織の場合、新生組織は非常に脆弱であり、バイオプシーにより組織を侵襲する(二次損傷を引き起こす)ことになり、その結果、治癒を遅らせたり、潰瘍化させる場合もある。メスやトレパンを使用したバイオプシーでは、縫合が必要な場合もあり、また瘢痕を生じる場合がある。簡便で侵襲が少ない生検針を使用したバイオプシーも繁用されているが、採取する組織量が少なく、組織の全貌を把握できない。
超音波、OCT(断層画像システム)などの医療機器による無侵襲性検査も可能ではあるが、医療機器本体が大きいため携帯ができず、かつ、著しく高価である。
従来行なわれている粘着剤を使用する検査方法は、皮膚角質層、有棘層の皮膚疾患や皮膚寄生性病原体の検査用粘着テープを使用した方法である。また、皮膚の健常部位を検査する場合は、皮膚用粘着テープなどを用い、皮膚表面の組織を採取し、検査する方法を用いるが、粘着テープ剥離時に擦過傷を引き起こすことから、新生組織や創傷部に対応できるものはない。さらには、創傷部には滲出液が存在するため、従来の皮膚用粘着テープでは組織を採取することは不可能である。これらのテープは医療専用テープではない場合もあり、テープの種類、使用方法などによって細胞粘着性が大きく異なるため、簡便性に欠け、また定量性が低い。医療用粘着テープにはゴム系とアクリル系粘着剤が使用されているが、その中でも余分な添加剤の必要がなく、刺激性、アレルギー性の少ない粘着剤が得られるアクリル系粘着剤が主流を占めている。しかし、前記粘着剤はいずれもドレッシングが目的であり、本来は創傷部への固定を目的とした製品である。
皮膚用粘着テープとして、具体的には、たとえば特許文献1には、支持体層に細胞を剥離・固定するための合成スチレンイソプレン共重合ゴムなどを主成分とする粘着層を設けた腫瘍検査用貼付剤が開示されている。このテープを用いれば、皮膚表面の外科的な切除や穿針吸引を必要とせず、患者に痛みを与えずに極めて容易に試料を採取することができる。また、判断が困難な極初期の腫瘍についても腫瘍関連抗原、腫瘍関連マーカーまたはその他の腫瘍関連物質の有無を確認することができ、腫瘍の早期診断が可能である。しかしながら、ゴム系の粘着剤では、粘着付与剤や酸化防止剤などの添加が必要であり、それによって生体適合性が低くなるという問題があった。
また、特許文献2には、有機溶媒に可溶な粘着物質(例えばゴムなど)を塗布したテープが開示されている。検査方法としては、このテープに皮膚角質細胞を貼着し、該テープを予め固着剤を塗布した着色板にテープの粘着面が接するようにして貼付け、有機溶媒で粘着物質を溶解させることにより、テープを着色板から剥離させて角質細胞を着色板に固定する。得られた角質細胞標本を用いて角質細胞の形態学的特徴を顕微鏡観察する。しかしながら、該テープを用いる方法では、有機溶媒で粘着層を溶解するため、有機溶媒に対して不安定な物質については検査することができない。また、角質層の脂質などのように有機溶媒により抽出されるものは、角質層標本中に存在しないことになり、角質層を皮膚に存在していた状態で検査することは不可能であるという問題があった。
特開平7−76518号公報 特開平7−209292号公報
本発明の目的は、組織の外科的切除を必要とせず、簡単に低侵襲的に組織の細胞を剥離し、固定することができる生体組織検査シート、およびそれを用いた生体組織検査方法を提供することにある。
本発明は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以下の重合体よりなり、哺乳動物の組織および/または細胞を剥離し、固定可能な粘着性を有する生体組織検査シートに関する。
前記重合体は、アルキル部位の炭素数が1〜8のアルキルアクリル酸エステル、ケイ素含有モノマーおよびケイ素含有マクロモノマーからなる群から選択される少なくとも1つの重合性成分を含む重合性混合物を重合してなるものであることが好ましい。
前記生体組織検査シートは、とくに皮膚、眼、または創傷部もしくは培養組織適用部位の組織に適用できる。
また、本発明は、前記生体組織検査シートを用いて組織および/または細胞を剥離し、固定する生体組織検査方法にも関する。
生体組織検査シートにより剥離および固定された組織および/または細胞は、顕微鏡観察により検査されることが好ましい。
さらに、生体組織検査シートにより剥離および固定された組織および/または細胞は、染色したのち、顕微鏡観察により検査されることが好ましい。
前記染色は、HE染色、ギムザ染色、ローダナイルブルー染色、酸性フクシン染色、アニリンブルー染色、オレンジG染色、ならびに酵素抗体法および蛍光抗体法による免疫組織化学染色からなる群より選ばれた少なくとも1種の染色方法であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記生体組織検査シートを用いて創傷部の組織および/または細胞を剥離し、固定する工程、生体組織検査シートにより剥離および固定された組織および/または細胞を染色する工程、ならびに、染色された組織および/または細胞を、顕微鏡を用いて形態観察することにより、創傷部の上皮化程度を検査する工程からなる生体組織検査方法に関する。
本発明の生体組織検査シート(以下、検査シートという)を使用すると、生体組織の外科的な切除を必要とせず、患者に痛みや恐怖心を与えることなく、極めて簡便に組織および/または細胞を剥離するこができる。また、該検査シートは柔軟性を有するため、生体のどの箇所からでも、さらには滲出液の存在下でも組織および/または細胞を容易に剥離することが可能である。
検査シート上に固定した組織および/または細胞は直接染色することが可能であり、染色後に、直接顕微鏡観察することも可能である。検査シートは透明性を有するため、適用部位に貼着した際に検査シートを通して適用部位の様子を観察することも可能である。
さらに、重合体を構成するモノマーの種類、重合体の分子量を変えることにより、適用部位に適した幅広い物性(粘着力、耐水性、柔軟性など)を有する検査シート設計が可能となる。
本発明の検査シートには、医療用プラスチックとして使用されており、毒性がなく、アレルギー性が低く、かつ、生物学的安全性が確認されている重合体を用いる。ここで重合体とは、有機溶媒および染色液に対して安定で溶解しないものであり、かつ、染色液で染色した場合にも染色されにくく、組織および/または細胞の観察を妨げない重合体であり、有機溶媒とは、メタノール、エタノール、アセトン、キシロールなどの組織標本の固定および染色に一般に使用される有機溶媒である。
前記重合体としては、具体的には、アルキル部位の炭素数が1〜8のアルキルアクリル酸エステル、ケイ素含有モノマーおよびケイ素含有マクロモノマーからなる群から選択される少なくとも1つの重合性成分を含む重合性混合物を重合してなる重合体が用いられる。
アルキル部位の炭素数が1〜8のアルキルアクリル酸エステルとしては、たとえば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレートなどがあげられ、ここでアルキル部位は直鎖でも分枝鎖でも良い。また、アクリル酸エステルのアルキル部位の水素原子の一部または全部は、フッ素原子に置換されていても良い。フッ素原子で置換されたアクリル酸エステルとしては、トリフルオロメチルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ペンタフルオロエチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレートなどがあげられる。
ケイ素含有モノマーとしては、たとえば、トリメチルシリルアクリレート、トリメチルシリルメチルアクリレート、トリメチルシリルエチルアクリレート、トリメチルシリルプロピルアクリレート、シロキサニルアクリレート、トリメチルシロキシシリルアクリレート、トリメチルシロキシシリルメチルアクリレート、トリメチルシロキシシリルエチルアクリレート、トリメチルシロキシシリルプロピルアクリレート、トリストリメチルシロキシシリルメチルアクリレート、トリストリメチルシロキシシリルエチルアクリレート、トリストリメチルシロキシシリルプロピルアクリレート、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、トリストリメチルシロキシシリルメチル(メタ)アクリレート、トリストリメチルシロキシシリルエチル(メタ)アクリレート、トリストリメチルシロキシシリルプロピル(メタ)アクリレートや、一般式:
(CH33SiO−(SiO(CH32n−O(C=O)CH=CH2
[式中、nは1〜8]
で表わされるシロキサニル(アルキル)アクリル酸エステル
などのケイ素含有(メタ)アクリル酸エステル、そのほかシロキサニルスチレンなどがあげられる。
ケイ素含有マクロマーとしては、たとえば2以上の活性不飽和基を有し、数平均分子量が1000〜100000のシロキサンマクロモノマーがあげられる。ここで、シロキサンマクロモノマーの活性不飽和基とは、ラジカル重合に供することが可能な活性不飽和基のことであり、たとえば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルカルバメート基などがあげられる。
シロキサンマクロモノマーの数平均分子量は、重合体に機械的強度を付与する点から1000以上であることが望ましく、重合体の柔軟性を確保する点から100000以下、好ましくは50000以下であることが望ましい。
なお、通常シロキサンマクロモノマーは、水濡れ性に劣り、それ単独では比較的機械的強度が不足するものが多い。したがって、本発明に用いられるシロキサンマクロモノマーとしては、水濡れ性と機械的強度の向上を目的としてマクロモノマー構造中に式:
Figure 2005249410
で表わされるウレタン基を有するものが好ましく、その個数は平均2個以上、好ましくは平均4個以上、また平均20個以下、好ましくは平均14個以下であることが望ましい。
本発明においては、シロキサンマクロモノマーとして、とくに一般式(I−1):
1−(−U1−S1−)n−U2−S2−U3−A2 (I−1)
[式中、A1およびA2はそれぞれ独立して活性不飽和基、炭素数1〜20のアルキレン基を有する活性不飽和基または炭素数1〜20のアルキレングリコール基を有する活性不飽和基、U1は両隣りのA1およびS1とまたはS1およびS1とウレタン結合を形成するジウレタン性基、U2は両隣りのA1およびS2とまたはS1およびS2とウレタン結合を形成するジウレタン性基、U3は両隣りのS2およびA2とウレタン結合を形成するジウレタン性基、S1およびS2はそれぞれ独立して式:
Figure 2005249410
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキレン基、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立してフッ素原子で置換されていても良い直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基または式:A3−U4−R1−O−R2−(式中、A3は活性不飽和基、炭素数1〜20のアルキレン基を有する活性不飽和基もしくは炭素数1〜20のアルキレングリコール基を有する活性不飽和基、U4は隣りあうA3およびR1とウレタン結合を形成するウレタン性基を示し、R1およびR2は前記と同じ)で表わされる基、xは1〜1500の整数、yは0または1〜1499の整数、x+yは1〜1500の整数を示す)で表わされる基、nは0または1〜10の整数を示す]で表わされるマクロモノマーや、一般式(I−2):
1−S3−B1 (I−2)
[式中、B1はウレタン結合を有する活性不飽和基、S3は式:
Figure 2005249410
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキレン基、R3、R4、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立してフッ素原子で置換されていても良い直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基または式:A3−U4−R1−O−R2−(式中、A3は活性不飽和基、炭素数1〜20のアルキレン基を有する活性不飽和基もしくは炭素数1〜20のアルキレングリコール基を有する活性不飽和基、U4は隣りあうA3およびR1とウレタン結合を形成するウレタン性基を示し、R1およびR2は前記と同じ)で表わされる基、xは1〜1500の整数、yは0または1〜1499の整数、x+yは1〜1500の整数を示す)で表わされる基を示す]で表わされるマクロモノマーが好ましく用いられる。
前記一般式(I−1)において、A1およびA2にて示される活性不飽和基としては、前記したように、たとえば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニルカルバメート基などがあげられる。これらのなかでも重合体にさらに良好な柔軟性を付与することができ、他の重合成分との共重合性に優れるとともに、粘着性を確保できる点から、アクリロイルオキシ基およびビニル基が好ましく、とくにアクリロイルオキシ基が好ましい。
また前記活性不飽和基がアルキレン基またはアルキレングリコール基を有する場合、かかるアルキレン基やアルキレングリコール基の炭素数は1〜20、なかんづく1〜10であることが好ましい。
また一般式(I−1)中、S1およびS2にて示される式:
Figure 2005249410
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、xおよびyは前記と同じ)で表わされる基において、R1およびR2は好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基、R3〜R8は好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、またかかるR3〜R8を示す式:A3−U4−R1−O−R2−中のA3は、前記例示と同様の活性不飽和基を示し、かかる活性不飽和基がアルキレン基またはアルキレングリコール基を有する場合、アルキレン基やアルキレングリコール基の炭素数は1〜20、なかんづく1〜10であることが好ましい。またxは1〜500の整数、yは0または1〜499の整数、x+yは1〜500の整数であることが好ましい。
さらに一般式(I−1)中、nは0または1〜5の整数であることが好ましい。
一方、前記一般式(I−2)において、B1にて示されるウレタン結合を有する活性不飽和基としては、たとえば(メタ)アクリロイルイソシアネート基、(メタ)アクリロイルオキシイソシアネート基、アリルイソシアネート基、ビニルベンジルイソシアネート基などがあげられる。また一般式(I−2)中でS3にて示される基は、前記一般式(I−1)中のS1およびS2にて示される基と同様である。
前記マクロモノマーのなかでも、形状回復性に代表される柔軟性および機械的強度の付与の効果が大きいという点から、式:
1−U2−S2−U3−A2
(式中、A1、A2、U2、U3およびS2は前記と同じ)で表わされるマクロモノマーおよび式:
1−(−U1−S1−)n′−U2−S2−U3−A2
(式中、A1、A2、U1、U2、U3、S1およびS2は前記と同じ、n′は1〜4の整数を示す)で表わされるマクロモノマーが好ましく、とくに式:
Figure 2005249410
で表わされるマクロモノマーが好ましい。
さらに、前記重合体は、前記アルキル部位の炭素数が1〜8のアルキルアクリル酸エステル、ケイ素含有モノマーおよびケイ素含有マクロモノマーとは別の任意のモノマーを含んでも良い。このような任意のモノマーとしては、たとえば、ベンジルアクリレートなどのアリールアクリル酸エステル、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アルキルメタアクリレート、フルオロアルキルメタアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−ビニル−2,5−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドンなどがあげられる。これらの任意のモノマーは、単独でまたは2種以上を同時に用いて重合することができる。
前記重合成分には、必要に応じて、2以上の重合性基を有する架橋性化合物、重合開始剤、光増感剤を添加しても良い。
架橋性化合物としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシジエチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼンなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
前記架橋性化合物の配合量は、架橋性化合物、重合開始剤、光増感剤を除いた全重合成分に対して15重量部以下、さらには10重量部以下であることが望ましい。架橋性化合物の配合量が15重量部をこえると、柔軟性を失う傾向がある。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのラジカル重合開始剤などがあげられる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
また、光重合開始剤を用いることもできる。光重合開始剤としては、たとえば、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられる。
重合開始剤や光増感剤の配合量は、通常、全重合成分100重量部に対して、0.002〜2重量部程度、好ましくは0.01〜1重量部程度である。
前記モノマーの重合方法としては、たとえば、熱重合、ならびにマイクロ波、紫外線および放射線(γ線)などの電磁波を照射して重合する光重合などを用いることができる。
得られた重合体は、ガラス転移温度(以下、Tgという)が20℃以下、さらには0℃以下であることが好ましい。Tgが20℃以上では粘着性が低下する傾向がある。
ここで、Tgとは、動的粘弾性測定装置RSAII(レオメトリックスファーイースト(株)製)を用い、以下の条件で温度分散を測定した際の、貯蔵弾性率が低下し始めた時点の温度をいう。
試料:幅0.22mmの短冊片
引っ張りモード:Initial Static Force 50gf
Frequency:6.28rad/sec
温度:−150〜50℃
昇温速度:3℃/min
本発明の検査シートは、前記重合体をシート状に加工したものである。検査シートの厚さは、とくに限定しないが、操作性を考慮すると、0.01〜2.0mm、さらには0.2〜1.0mmであることが好ましい。厚さが0.01mm未満では破損しやすいため操作性が低下する傾向があり、2.0mmをこえると適用部位への密着性が悪くなると同時に操作性が低下する傾向がある。
形状は、とくに限定しないが、角型(長方形、正方形)、丸形、楕円形、ハート形、菱形などのシート状やコンタクトレンズ形状などがあげられる。コンタクトレンズ形状にすることで、従来のブラッシングサイトロジー法による結膜細胞の採取や角膜細胞などの採取が簡便化できる。大きさは実用性を伴うものであればとくに限定されない。検査シートの一部に突起または穴などを設ければ、鑷子などで取り扱う際に創傷部に触れることなく検査シートの貼着、脱離が可能となる。
前記検査シートは、光透過率の高い、透明に近いものであることが好ましい。観察手法や顕微鏡の光強度などによって必要な光透過率は異なるが、一般に可視光(380〜800nm)において光透過率が30%以上であれば、組織および/または細胞を透過光で顕微鏡観察することは可能である。
前記検査シートの含水率は、組織および/または細胞を剥離するのに必要な粘着性を保持する範囲内であることが好ましい。
なお、前記検査シートの少なくとも一方の面に剥離紙を積層しても良い。また、本発明の検査シートは、とくに支持体を必須としないが、顕微鏡観察や輸送時の補助などの目的で、必要に応じて支持体を設けても良い。支持体としては、スライドガラスなどのガラスプレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニルなどの透明な生体適合性プラスチックなどがあげられる。支持体は、検査シートに固定した生体組織、細胞の観察を可能とするために、透明であることが好ましい。支持体の厚さは、とくに限定しないが、操作性や顕微鏡観察の簡便性を考慮すると0.1〜2.0mmであることが好ましい。
本発明の検査シートは、重合体自体が粘着力を有しており、検査シートの少なくとも一方の面に、組織および/または細胞の剥離・固定が可能となる。また、柔軟性を有するため、平坦でない部位にも適用することができる。また、透明であるため、固定された生体組織および/または細胞の観察が容易である。さらに、重合体を構成するモノマーの種類、重合体の分子量を変えることにより、適用部位(健常皮膚、創傷部、新生組織など)に適した幅広い物性(粘着力、耐水性、柔軟性など)を有する検査シートの設計が可能である。
本発明において、検査の対象となる生体組織としては、たとえば、皮膚;角膜、強膜、結膜、上下眼瞼の裏などの眼;口腔、鼻腔などの粘膜;子宮頸管などがあげられる。皮膚としては、表皮層、真皮層、脂肪層などがあげられ、また、各層における各部位をも含む。たとえば、表皮層では、基底膜、基底細胞層、有棘細胞層、角質化細胞層などの各部位をも含む。また、本発明の検査シートは、これらの組織の病変部位(または腫瘍部位)を除く創傷部や、培養組織適用部位の組織にも適用される。ここで、培養組織とは、培養表皮、培養真皮、複合培養皮膚(表皮層と真皮層、表皮層と真皮層と脂肪層、または真皮層と脂肪層とからなる培養皮膚)などの培養皮膚;培養粘膜上皮、複合培養粘膜などの培養粘膜;培養角膜上皮、培養角膜実質、培養角膜内皮、複合培養角膜(上皮層と実質層、上皮層と実質層と内皮層、または実質層と内皮層とからなる培養角膜)、さらには培養した角膜構成細胞を培地やゲルに懸濁させたものなどの培養角膜があげられる。
つぎに、本発明の生体組織検査方法について説明する。前記検査シートにより剥離・固定された組織および/または細胞は、従来法に従い、光学顕微鏡観察、透過電子顕微鏡観察、微生物・ウイルス感染検査、寄生虫検査、DNA分析、染色、皮膚病の検査などに供される。
染色方法としては、たとえば、ヘマトキシリン−エオジン(HE)染色、ギムザ染色、ローダナイルブルー染色、酸性フクシン染色、アニリンブルー染色、オレンジG染色などの組織染色法;グラム染色、過ヨウ素酸シッフ(PAS)染色などの病原体染色法;酵素抗体法、蛍光抗体法などによる免疫組織化学染色などがあげられる。HE染色やギムザ染色による細胞の染色や、ケラチン抗体を使用した免疫染色などを行なうことで、植皮部位の生着確認、皮膚代替物や培養表皮などの生着確認および、創傷部位の程度や上皮化確認が可能となる。
つぎに、熱傷の場合を例にあげて、本発明の具体的な一実施の形態を説明する。
熱傷患者において創傷部(熱傷受傷部)を除去し、わずかに残った真皮層に自家培養表皮を適用し、これを非固着ガーゼで被覆して包帯固定する。適用された自家培養表皮は、通常1週間程度で創傷部に生着する。この際、自家培養表皮が生着しているならば、そのまま保存的処置をすることで、2〜3週間で自家培養表皮は重層化して皮膚組織が再構築され治癒する。一方、術後1週間程度で生着していなければ、再度自家培養表皮移植や植皮などの治療を実施せねばならない。これは、創傷部を閉鎖せずに放置すれば、感染を引き起こしやすくなり、非常に危険だからである。しかしながら、表皮細胞はほぼ透明であるために、術後1〜2週間までの自家培養表皮の生着を目視で確認することは、非常に困難である。
こうした判別しにくい2週間以内の部位に本発明の検査シートを軽く押し当て、剥離して試料とすることができる。この試料を位相差顕微鏡で観察することで、表皮細胞に特徴的な敷石状の形態を見ることができ、即時に表皮化の判定・診断ができる。この時点で明確になれば、処置室または病室のベッドサイドで即座に患者への次の処置、対応ができることになる。
位相差顕微鏡観察で確認できない場合でも、試料をそのままHE染色、ギムザ染色すれば、表皮に特徴的な細胞を見分けやすくなる。この場合は、表皮細胞と真皮にある線維芽細胞を染め分けられないので、その形態と密度によって表皮細胞かどうかを判別する。また、表皮細胞であれば、特異的にケラチンたんぱく質を発現するので、試料のケラチンのタイプ別の抗サイトケラチン抗体による抗体染色、単に表皮化を明確にしたい場合には、広範囲サイトケラチンを認識する抗体によって染色すると良い。
以上の方法により、表皮細胞を迅速、簡便かつ安価に確認できるので、自家培養表皮が創傷部を覆っていることを確認することができる。
なお、本発明の検査シートの輸送形態としては、とくに制限はなく、1枚ずつの個別包装、または複数枚での包装とすることができる。また、支持体の一部に記入欄を設け、無菌袋に入れた検査キットとしても良い。さらに、ディスペンサーを使用することも可能であり、その形状の1つとして、シャープペンシル型があげられる。この場合、検査シートの粘着面に剥離紙を付ける必要がある。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
<生体組織検査シートの作製>
実施例1〜4
表1に示す組成の混合液を、ポリプロピレン製成形型(直径20mm、成形キャビティ高さ0.2mm)内に充填後、紫外硬化用装置(アイグラフィックス(株)、UBX0302−03)内にて紫外線(主波長:360nm、照射強度:10mW/cm2)に10〜30分間暴露することにより、重合を行なった。
Figure 2005249410
(化合物1)
Figure 2005249410
各重合体について、Tgおよび光透過率を測定した。ここで、ポリスチレン製プレートを比較例1(コントロール)とした。なお、Tg測定時の温度条件は50〜150℃とした。実施例1〜4および比較例1の重合体の光透過率は、自己分光光度計((株)島津製作所製、UV−3150)を用いて、可視光(波長:380〜800nm)における吸光度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005249410
実施例1〜4の重合体はいずれも、柔軟性、粘着性に富み、凹凸部位や関節部分などの曲がった部位にも適用可能であった。一方、比較例1の重合体は、柔軟性、粘着性のいずれも乏しいため平坦部分以外には適用できず、また、組織および/または細胞の剥離も不可能であった。
<細胞懸濁液の準備>
細胞培養フラスコ(培養面積80cm2)でサブコンフルエントまで培養したヒト正常皮膚由来線維芽細胞を、定法に従って回収し、細胞懸濁液とした。培地は10%牛胎児血清含有ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM+10%FBS)を使用した。
<細胞懸濁液の播種>
各重合体をエチレンオキサイドガス滅菌処理(40℃、8時間)した。DMEM+10%FBSに各重合体を浸漬したのち、細胞培養用12wellディッシュ(CORNING製、COSTAR 3513)に各重合体を入れ、ヒト正常皮膚由来線維芽細胞を2.0×104cells/cm2の濃度で播種した。炭酸ガス培養装置(37℃、5%炭酸ガス濃度設定)にて3時間および17.5時間培養し、倒立位相差顕微鏡(オリンパス(株)製、IX70)にて細胞の接着状態を観察した。ここで、12wellディッシュの細胞培養面(12wellディッシュの細胞培養面に表面処理を施すことで、細胞接着性を保持させている。)を、比較例2(コントロール)とした。
結果を表3に示す。「+」印が多いほど、細胞の接着率が高い。
実施例1および4の重合体は、比較例2とほぼ同等の細胞接着率を示した。実施例2および3については、比較例2には劣るものの、細胞の接着が確認された。各重合体の粘着力は、実施例1および4の重合体がほぼ同程度であり、これらに比べて実施例2および3の重合体の粘着力はやや劣っていた。以上より、モノマーの選択により粘着力を制御することが可能であり、所望の重合体が得られることが示唆された。
Figure 2005249410
<培養表皮シートからの細胞の剥離>
ヒト正常皮膚由来表皮細胞を、細胞培養フラスコ(培養面積75cm2)で定法に従い培養した。培地は、3%牛胎児血清含有グリーン培地を使用した。シート化を確認した培養表皮シートを、ディスパーゼ(合同酒精(株)製、5000U)で、37℃で20分間処理し、細胞培養フラスコの培養面より一部剥離した。上清を除去したのち、実施例1および実施例4の重合体を培養表皮シート上に載置した。重合体全体を軽く押し当てたのちに剥離し、定法に従ってギムザ染色後、倒立位相差顕微鏡(オリンパス(株)製、IX70)にて重合体上の細胞を観察した。
その結果、実施例1および4ともに、重合体上に表皮細胞の存在を確認した。
<創傷部(動物)の細胞の剥離>
(創傷部の作製)
重症複合免疫不全マウスの背部にネンブタール麻酔下で、1.5cm×2cmの全層欠損創を2箇所作製した。この片方に、ヒト表皮細胞から作製した培養表皮を貼付した。他方はコントロールとして、辺縁からの表皮細胞の移動をブロックするために、辺縁真皮下部にわずかに切り込みを入れ、辺縁部をフイルム被覆材で覆い、皮膚上部から縫合した。そののち、創傷部をベスキチン(登録商標)W(ユニチカ(株)製)で被覆し、培養表皮貼付から一週間後、貼付部を解放した。培養表皮貼付創傷部は創収縮が起きていたが、中心部は透明ゲル状で表皮化しているかどうか不明であった。
(細胞の剥離および観察)
実施例1の重合体を各創傷部に押し当てたのち剥離した。
倒立位相差顕微鏡(オリンパス(株)製、IX70)にて40倍で観察したところ、培養表皮貼付部では敷石状の細胞の影が見え、表皮細胞が確認できた。一方、コントロールには細胞を確認することができなかった。
(細胞の染色および観察)
細胞を剥離した実施例1の重合体を、10%中性緩衝ホルムアルデヒド液に入れて固定した。この試料をリン酸緩衝液(PBS)に移したのち、界面活性剤処理をして、0.03%の過酸化水素を反応させ、細胞内の酵素活性を失活させた。つぎに、ブロッキング剤を加えて室温で30分間放置し、一次抗体(マウス抗ヒトサイトケラチン抗体((株)医科学研究所製、IM−2127))を滴下し、室温で1時間反応させた。こののち、試料を界面活性剤入りPBSですすいだ。ついで、100倍希釈した二次抗体(PE(phycoerythrin)標識ヤギIgE抗体(ベックマンコールター(株)製、IM0855))を50μL添加し、1時間反応させた。こののち、試料を界面活性剤入りPBSですすいだ。ジアミノベンジジンを添加し、室温で約7分間反応させた。0.1%エヴァンスブルー溶液に浸漬し、染色を行なった。
広範囲サイトケラチン染色試料を目視で観察したところ、赤褐色に染色されていた。広範囲サイトケラチン染色では、サイトケラチンが赤色から茶色に染色されるので、表皮化を確認できた。さらに生物顕微鏡(オリンパス(株)製、BX50)で観察したところ、明確に赤褐色に染色されていた。一方、コントロールには染色が確認されなかった。
<創傷部(ヒト)の細胞の剥離>
創傷部(ヒト皮膚、上皮化途中)に実施例1の重合体を貼付し、重合体全体を軽く押し当てたのちに剥離し、定法に従ってギムザ染色したのち、倒立位相差顕微鏡(オリンパス(株)製、IX70)にて重合体上の細胞を観察した。
その結果、重合体上に表皮細胞の存在を確認した。重合体の剥離の際、痛みを感じることはなかった。また、創傷部の出血も認められなかった。

Claims (11)

  1. ガラス転移温度(Tg)が20℃以下の重合体よりなり、哺乳動物の組織および/または細胞を剥離し、固定可能な粘着性を有する生体組織検査シート。
  2. 前記重合体が、アルキル部位の炭素数が1〜8のアルキルアクリル酸エステル、ケイ素含有モノマーおよびケイ素含有マクロモノマーからなる群から選択される少なくとも1つの重合性成分を含む重合性混合物を重合してなる請求項1記載の生体組織検査シート。
  3. 生体組織が皮膚である請求項1または2記載の生体組織検査シート。
  4. 生体組織が眼である請求項1または2記載の生体組織検査シート。
  5. 生体組織が創傷部の組織である請求項1、2、3または4記載の生体組織検査シート。
  6. 生体組織が培養組織適用部位の組織である請求項1、2、3、4または5記載の生体組織検査シート。
  7. 請求項1記載の生体組織検査シートを用いて組織および/または細胞を剥離し、固定する生体組織検査方法。
  8. 生体組織検査シートにより剥離および固定された組織および/または細胞を、顕微鏡観察する請求項7記載の生体組織検査方法。
  9. 生体組織検査シートにより剥離および固定された組織および/または細胞を、染色したのち、顕微鏡観察する請求項8記載の生体組織検査方法。
  10. 染色が、HE染色、ギムザ染色、ローダナイルブルー染色、酸性フクシン染色、アニリンブルー染色、オレンジG染色、ならびに酵素抗体法および蛍光抗体法による免疫組織化学染色からなる群より選ばれた少なくとも1種の染色方法である請求項9記載の生体組織検査方法。
  11. 請求項1記載の生体組織検査シートを用いて創傷部の組織および/または細胞を剥離し、固定する工程、生体組織検査シートにより剥離および固定された組織および/または細胞を染色する工程、ならびに、染色された組織および/または細胞を、顕微鏡を用いて形態観察することにより、創傷部の上皮化程度を検査する工程からなる生体組織検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014102147A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Dastech Inc 生体試料の切断装置及び切断方法並びに細胞観察方法
JPWO2013105363A1 (ja) * 2012-01-13 2015-05-11 ポーラ化成工業株式会社 細胞の封入方法及び細胞の観察方法

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